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2024-09-20 12:21

テロリストを攻撃したらテロ? イスラエル対ヒズボラ

 9月17日にヒズボラのメンバーが持っていたポケットベルが一斉に爆発し、3000人程の死傷者がでました。 更に翌18日には無線機が爆発、20人が死亡450人が負傷しました。
 この2日目の爆発は葬儀の最中でした。

ヒズボラのポケベル型機器次々が爆発、レバノン各地で9人死亡 イスラエルの犯行と非難 - BBCニュース

ヒズボラの通信機器がまた爆発、レバノン各地で20人死亡 450人以上負傷 - BBCニュース

 ??
 何で無線機やポケベルが爆発するの?

 と、大変不思議だったのですが、実はどうやら無線機やポケベルの中に、高性能爆薬が仕掛けてあったようです。
 だからヒズボラは犯人は「イスラエルだ!!」と言って、イスラエルを非難しています。 

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 まあね、多分イスラエルがやったんでしょうね。
 ワタシもそう思います。
 色々なニュースを読み合わせると、ヒズボラは少し前からスマホから位置情報等が洩れる事から、戦闘員にはスマホの使用を控えさせ、代わりにポケベルの使用を命じました。 その為にポケベル5000個を用意し、それを各戦闘員に配っていたのです。 
 
 それでヒズボラ戦闘員達はこのポケベルを持ち歩いていました。 ところが17日それが一斉に爆発したのです。
 爆発直前にベルがなったので、多くの戦闘員が自分のポケベルを手に取って、顔を近づけ液晶画面をのぞき込みました。 この時ポケベルが爆発したので、多くの戦闘員が指や顔や目を負傷しました。
 こうなると命は落とさなくても、もう戦闘員として戦えなくなる場合も多いし、例え後遺症は残らなくても当面戦闘には参加できないでしょう。
 
 そして翌日、このポケベル爆発の死者の葬儀の最中に無線機が爆発して、20人の死者と450人の負傷者が出ました。
 これも無残なのですが、これじゃもうヒズボラの戦闘員は恐ろしくて通信機機器には触れなくなるでしょう?

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 こうなるとヒズボラの戦闘力は大きく削がれます。
 しかしこれってヒズボラのようなテロリスト・武装組織相手の戦い方としては、実に見事な作戦です。
 ヒズボラは武装組織とかテロ組織とか言われます。 これはハマスと同じなのですが、持っている武器や戦闘能力はハマスより遥かに上だと言われています。
 そしてハマスもヒズボラもイランがバックについており、イスラエルの殲滅、イスラエルを地上から消し去る事を目標に戦ってきました。
 
 それでイスラエルは過去何度も、ヒズボラからのミサイル攻撃等を受けてきました。 今回のイスラエルのガザ攻撃でも、ヒズボラはハマスを支援しています。
 だからイスラエルから見ればヒズボラ攻撃は自衛権の行使です。
 しかし問題はヒズボラが正規軍ではなく、正式には特定の国家に属するのでもないテロ組織或いは武装組織と言われる集団だという事です。
 
 だからヒズボラを攻撃すると言っても誰がヒズボラかわかりません。
 ヒズボラの本拠地はレバノンにあり、ヒズボラ戦闘員の多くはレバノンに居住しています。 中にはレバノンの国会議員の議席を持っている物もいるのですが、しかしヒズボラの戦闘員とそうでないレバノン人とを見分ける事は不可能です。
 これだとイスラエルがヒズボラ殲滅の為に、レバノンに進攻したら、ヒズボラの戦闘員を殺すために多数の一般レバノン人を巻き込む事になります。
 でもそれでヒズボラを放置したら、ヒズボラは際限もなくイスラエル攻撃を続けるでしょう。

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 だからネタニヤフ首相としては、この際レバノンにも進攻して、ヒズボラを叩き潰す気だったのでしょう。
 だとしたらこのポケットベル爆破作戦は「お見事!!」と言わざるを得ません。

 だってこの爆薬入りポケットベルも、無線機も、ヒズボラの本部がヒズボラメンバー一人一人に配ってくれたのです。
 だからこれを爆発させたら、ヒズボラメンバーだけが被害を受けます。 子供が二人死んでいるのですが、この子達はヒズボラ幹部の子供です。 きっと父親が家の中に置いたポケットベルを、爆発時に触ってしまったのでしょう。
 逆に言えば、この作戦で巻き込まれる非戦闘員はこのような不運なレアケースだけだったわけです。

 こういう作戦を取らなかったら、ガザ攻撃のような大規模な空爆や砲撃に頼らざるを得ず、そうなったらポケットベル作戦より遥かに多くの非戦闘員が巻き込まれる事になります。
 またポケットベル作戦では、ヒズボラ側の死者も少ないのです。 多くが目、顔、手を負傷したのですが、命までは落としていません。 
 ポケットベルのサイズを考えても、そんなに大量の爆薬を仕込めるわけもないので、死者は少ないのでしょう。 
 でもヒズボラの戦闘力を削ぐ事が目的ならこれで十分でしょう?
 多くの戦闘員が戦闘不能になり、無事だった連中も怖くて通信機器を触れなくなれば、当面ヒズボラはマトモに戦闘できません。

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 それにしてもどうやってヒズボラのポケットベルに爆薬を仕込んだのでしょうか?
 これについては、ポケットベルの仕入れ担当にモサドが食い込んでいたと言う説が出ています。 それでなくてもモサドはイラン側には随分食い込んでいるのです。
 
 で、ヒズボラが戦闘員にポケットベルを配るという情報を得たら、仕入れ担当にイスラエルが用意した爆弾入りポケットベルを納入させたのでしょう。
 5000個ですからね、爆薬を仕込むのも手作業で十分できます。 まず台湾製のポケットベルを5000個買って、爆薬を仕込むスペースを取る為に、台湾製ポケットベルのボディより少し大きなボディカバーを用意し、台湾製のポケットベルのボディから中身を取り出し、用意した大きなボディに爆薬と一緒に詰め込んだら良いのです。

 こんな作業だから、作業員が20人程いれば、一人1日10個ぐらいこなして、1か月弱で爆弾ポケットベルが5000個できます。 勿論特別な設備や場所も必要ありません。
 無線は数が少ないからもっと簡単だったでしょう。
 情報とアイディアさへあれば、実に簡単にできる作戦だったと思います。

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 ところでこの作戦について玉川徹がこんな事を言っています。

玉川徹氏「国家的テロだ」ポケベル一斉爆発で死傷者多数受け「イスラエル政府に非常に怒り」 (msn.com)
 
ポケベル爆発、イスラエルの「戦略ミス」指摘の声 国際法違反か (msn.com)

 毎日新聞と玉川徹ですから、マトモに取り合う必要があるかどうかは疑問ですが、これホントに「国家的テロ」とか国際法違反になるんでしょうか?
 だってヒズボラってテロ組織ですよ。 で、今回のポケベル作戦の死傷者も殆ど全部ヒズボラの戦闘員なのです。
 
 前記のようにヒズボラはこれまでイスラエルに散々ロケット砲を打ち込んだり、また現在のガザ進攻についてはハマス側についてイスラエルを攻撃しています。
 因みにハマスもそうですが、ヒズボラの攻撃も殆ど全部、イスラエルの非戦闘員を目標に攻撃しています。
 これは明確な国際法違反と言うより、完全な犯罪です。
 そこでイスラエル側は犯人を倒すために、このポケベル作戦を敢行したのです。

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 毎日新聞はこんな事を書いています。

今回の攻撃は「民間人と戦闘員の区別」を定めたジュネーブ条約に違反

 しかしヒズボラの戦闘員用に配られたポケベルが爆発したら、爆発で死傷するのはヒズボラの戦闘員だと考えるのが妥当でしょう?
 そして実際に死傷者の殆どがヒズボラの戦闘員です。

 これでジュネーブ条約違反になるんでしょうか?
 因みジュネーブ条約では、戦闘員は戦闘時には自分達の所属のわかる軍服を身に着ける義務があります。 そうしないと民間人が戦闘に巻き込まれるからです。 その点ヒズボラやハマスは完全にジュネーブ協定違反なのです。
 そもそもイスラエルがこのような作戦を取らざるを得なかったのは、ヒズボラがこのジュネーブ条約を完全に無視する戦法を取り続けてきたからではありませんか? 
 軍服を着ず、民間人に紛れてイスラエルを攻撃し、イスラエルが反撃したら、民間人を盾にして逃げだしていたからではありませんか? 

 こうした武装集団・テロ組織を「カワイソウ」で見逃しているから、多くの民間人が彼等の盾にされて殺害されてきたという現実をもっと重視するべきでしょう?

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 しかし一方でこれからの世界では、このヒズボラやハマスのような「武装集団」「テロリスト」との闘いが深刻化する事も想定せざるをえません。
 その場合、国際法はどうなるのか?
 これも考えておかざるを得ません。
 だってこれまの国際法って、国家対国家の戦いしか想定していませんからね。

 武装集団、テロ組織が警察では対応不能な武器を持って、国境を侵犯し大量虐殺を行うような場合はどうしたらよいのか?
 これも考えておかなければならない時代が来ているのです。


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2024-08-09 13:12

長崎市長、ハマスの無差別大量虐殺と人質拉致を支持

 長崎市長は平和祈念式典でハマス支持を表明しました。
 長崎市長は今日8月9日開催される79回平和記念式典に、イスラエル大使を招待しませんでした。
 これに対して日本を除くG7諸国、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ6か国大使は「イスラエルをロシアやベラルーシと同一視することになる」と抗議して、今回の平和記念式典参加をボイコットしました。

 長崎市長は「イスラエル大使招待拒否に政治的理由はなかった」と言っていました。
 「政治的な意図はなく、唯静粛に式典を行う為だ」と言うのです。
 これは一応はイスラエルを大使を式典に招待すると、反イスラエル・親パレスチナの極左団体が大騒ぎをしたり、最悪の場合は長崎市関連施設や職員に危害を加える事を避ける為と解釈できます。 
 実際、7月6日の広島での平和記念式典では、反イスラエル・親パレスチナの極左団体が会場周辺で大騒ぎをしたのです。

 しかし法治国家として、民主主義国家しては、こんな理由は通用しません。
 反対派が暴力行為も含めて大騒ぎする事を理由に、本来招待するべき賓客の招待を拒否するというのは、テロや暴力に屈した事になります。
 テロや暴力に屈する事は、結局テロの肯定、暴力の肯定、テロ支援にしかなりません。
 
 こんな事をしたら、テロリストや反民主主義勢力は、暴力デモをして平和記念式典を妨害したら、市役所に脅迫電話を掛けたら、自分達の政治的要求が達成されると学習します。 そして今後、自分達の政治的目的の為に脅迫や暴力デモ、そしてテロを益々積極的に行うようになるのです。

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 そもそもイスラエルがガザ攻撃を始めた時に、日本を除くG7諸国はイスラエルの自衛権を支持しました。 日本政府はこれに大分遅れたのですが、しかし結局G7に追随しています。
 これは当然です。
 アメリカ始めG6諸国がイスラエルを支持したのは、これらの国々が元々親イスラエル、歴史的にユダヤ人に負い目があり、国内でユダヤ人が大きな力が持っているというだけではありません。
 そもそもこれはハマスによるテロに対する防衛戦争なのです。

 ガザはパレスチナ自治区の一部です。 
 イスラエルの軍、警察、入植者は、2005年以降完全に撤退しました。
 ところが2008年以降、パレスチナ自治政府はガザはテロ組織ハマスの支配下に陥り、パレスチナ自治政府はガザを追われました。
 この状況で、2023年10月7日、ハマスのテロリスト達がイスラエルを襲撃、音楽フェスティバルやキブツの住民など民間人を大量に虐殺し、多数の人質を拉致したのです。

 拉致された人質の殆どが純然たる民間人です。 幼児や女性も多いのですが、タイ人やネパール人など一目でイスラエル人ではないとわかる人達も含まれています。 
 またイスラエル国籍のアラブ人も人質にされています。
 
 このような場合、イスラエル政府が人質の解放と、テロリストの引き渡しもしくは殲滅を図るのは当然の権利です。 
 だからイスラエルのガザ攻撃は、自国の国土と国民を侵略者から守る為の戦争、つまり自衛権の行使なのです。

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 大規模テロに対する報復としては、911に対するアメリカのアフガン攻撃があります。 しかし少なくともテロを行ったのは当時のアフガニスタン政府ではありませんし、911のテロでアメリカ人の人質がアフガニスタンに拉致されたわけでもありません。
 ただアフガニスタン政府がオサマ・ビン・ラディン始めテロの主犯達の引き渡しを拒否しただけです。
 しかしアメリカのアフガン攻撃は日本政府始め、世界中の殆どの国が支持しました。

 イスラエル政府のガザ攻撃はこれに比べれば遥かに正当な自衛戦争です。
 むしろこれを認めないと、自国がテロリストなど正規軍ではない武装集団に襲われた場合、武力を使って自国民を守るとか人質を救出するという事ができなくなります。
 しかも現在、世界的には非政府の武装組織が跋扈しています。
 
 例えばイエメンのフーシ派など、近海を通過する民間船舶を攻撃していますが、もしこれで多数の乗員が殺害されたり、拉致されたりした場合を考えてみましょう。
 本来であればその船の国籍国や乗員の国籍国が、船や船員を救出するためには、軍隊を送ってイエメンに上陸してフーシ派を攻撃することも必要になるでしょう。
 しかしイスラエルのガザ攻撃を「自衛権」として認めなければ、こうした人質奪還の為の武力行使も不可能になります。
 
 イスラエルのガザ攻撃を「自衛権」として認める事は、テロによる虐殺や拉致には断固として対応する、武力による現状変更、つまり侵略戦争は許さないという事なのです。 
 一方、ロシアのウクライナ侵略は絵に描いたような侵略戦争でした。 
 だからこれは許してはイケナイのです。
 そして侵略戦争を支持するベラルーシも許されないのです。

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 ところが長崎市長は、イスラエル大使とロシア・ベラルーシの大使を同一に扱いました。 
 これは長崎市長がイスラエルをロシアやベラルーシと同様の侵略国家と見なしているという政治的メッセージです。 
 そしてこれは正にハマス始め、反イスラエル武装勢力、そしてイランなどと全く同じ姿勢です。
 これらの武装勢力やイランは「パレスチナはアラブ人の物であり、イスラエルは侵略国家だから殲滅しなければならない」としているのです。
 昨年10月7日のハマスのテロは、正にこの目的で行われたのです。

 長崎市長の本心はわかりません。
 しかし彼がどのような意図を持っていようとも関係ありません。 
 イスラエル大使の長崎平和記念式典出席拒否は、世界に向けて、そして反イスラエル武装勢力に対して、長崎市は「ハマスの無差別大量虐殺を支持している!! 人質拉致を支持している!!」と言うメッセージとして捉えられるのです。

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 因みに長崎市長には、応援の声も多数あります。 そして長崎市長自身はこれに「勇気づけられて」います。

長崎市長「勇気づけられている」平和祈念式典へのイスラエル不招待判断支持するSNSの声に(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース 2024年8月8日

長崎市の鈴木史朗市長は8日、市内で報道陣の取材に応じ、「原爆の日」の9日に市内で営む平和祈念式典にイスラエルを招待しないとした方針に対し、SNS上で「長崎市を支持します」といった共感の声が広がっていることへの受け止めを問われ「すべては承知していないが、声は承知している」と口にした。

 SNS上では、イスラエルを招待しないことを決めた市の判断に対し「#長崎市を支持します」というハッシュタグ付きで支持を表明するコメントが、一部で広がっている。鈴木氏は7日に更新した自身のX(旧ツイッター)で「長崎平和記念式典に関して様々なコメントを頂き、ありがとうございます。平穏かつ厳粛な雰囲気の下、世界恒久平和への祈りの一日となるように準備に集中したいと思います。このため、明後日の式典終了まではSNS発信やコメントへの返信等の対応を控えさせて頂きます。ご理解・ご協力の程よろしくお願い申し上げます」と投稿している。

 こうした経緯を念頭に、SNSの反応についての感想を問われた鈴木市長は「Xでさまざまな、私の投稿に対するコメントをいただいていることは、すべては承知していないが声は承知している。私の決定へのサポートの意思を表明していただいている方もたくさんいることに、勇気づけられている」とした上で「(イスラエルを招待しないのは)あくまでも政治的な理由ではない。私の真意が十分に伝わっていない所もあると考えている」と述べた。

 その上で「(9日の式典は)長崎市にとって1年でいちばん大切な日。式典が(抗議活動など)いろんな影響を受けてはいけないし、支障が生じてはならない。平穏かつ厳粛な雰囲気のもと、円滑な運営ができるよう、この判断をした」と強調した。

 長崎市の対応をめぐっては、日本以外の先進7カ国(G7)各国と欧州連合(EU)が7月19日付で、イスラエルを不招待とすることへの懸念を表明する書簡を市に送付した上で、エマニュエル大使のほか、英国のロングボトム駐日大使らも欠席する意向を示している。鈴木市長はこの日、あらためて「(イスラエルを招待しない)判断に変更はございません」と語った。

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 勇気づけられている??
 長崎市長はイスラエル大使出席拒否を支持する人達が、どういう意図でイスラエル大使出席拒否を支持しているのかわかっているのでしょうか?
 「私の真意が十分に伝わっていない所もある」となど言う所を見ると、少なくともイスラエル大使出席拒否を支持する人達が式典を「平穏かつ厳粛な雰囲気のもと、円滑な運営ができるように」市長を支持しているという確信はないのでしょう?

 むしろ常識的に考えたら長崎市長を支持している連中こそが、イスラエル大使が出席したら暴力と騒音で、平和記念式典の平穏かつ厳粛な雰囲気をぶち壊し、円滑な運営を不可能にする気満々だったのだとわかるはずです。
 
 そういう連中の支持は無視するならともかく、「勇気づけられている」と言うのであれば、政治的な意図はないどころか、長崎市長はハマス支持、無差別大量虐殺支持、女性や幼児や外国人の大量拉致を全面支持しているとしか言えません。

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 因みにイスラエルのガザ攻撃を非難している人達は、一応はこの戦闘でのパレスチナ人の民間人の死者数を問題にしています。
 しかしワタシはこれが彼等の本心か非常に疑問です。
 
 なぜならイスラエルが現在戦闘を続ける目的は、人質の救出です。 
 逆に言えばハマスが早期に人質を解放していれば、イスラエル軍の戦闘も早期に終わっていたのです。
 そして前記のように人質は全員民間人、幼児・高齢者・女性・外国人なのです。 このような人々を拉致すること自体が非人道的なのですから、本心パレスチナ人の生命を案じているなら、ハマス側に人質の早期釈放を要求するべきなのです。 そうなればパレスチナ人が戦闘に巻き込まれる事はなくなります。
 ところが大変不思議な事に、イスラエルを非難する人々からは、人質解放の声は全く聞こえません。

 またパレスチナ側の犠牲者の数ですが、これも非常に不思議です。
 今年1月の能登半島地震の犠牲者は318人ですが、正確な人数がわかったのは発災から2カ月後です。
 ところがパレスチナ側の犠牲者数は数百人、数千人と言う数が即日で発表されます。 これ凄く不思議です。 戦闘中にこんな事ができるんですか?
 因みにこの魔法を使っているのは、ガザ当局、つまりハマスなんですが、これを信じてよい物でしょうか?

 しかしハマス支持者にすれば、特に日本人のハマス支持者については、目的は反イスラエル、反米なので、パレスチナ人がどれだけ死ぬかはそもそも無関心なのでしょうね。
 だからどんな数がどのように出てきてもどうでも良いのでしょうね。

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2024-05-30 14:00

イスラエルはアパルトヘイト国家?

 イチゴ畑カカシさんがこんな記事を紹介していました。

「ジョー・バイデンのEPA(環境保護局)、「パレスチナ解放」を支持するClimate Justice Alliance(CJA, 気候正義同盟)団体に5,000万ドルを供与」
ワシントンDC ジョー・バイデン大統領率いる環境保護局(EPA)が数千万ドル相当の基金に選定したグループが、そのウェブサイトで 「気候正義への道は自由なパレスチナを通る 」と主張し、一部反イスラエル活動に重点を置いていることが明らかになった。

バイデン政権は昨年、気候正義同盟(CJA)が 「環境正義プロジェクト 」のために5000万ドルを受け取れるとした。

気候正義同盟は、10月7日のハマスによるイスラエル攻撃の2週間後に声明を発表し、助成金の発表は、10月7日のハマスによるイスラエルへのテロ攻撃の数カ月後に行われた。

同団体は、「パレスチナ人は何世代にもわたり、アパルトヘイト(人種隔離制度)のもとで暮らしてきた」と主張し、「米国の税金による大量虐殺」を拒否するよう大統領に迫った。翌月には、スイカに見立てた一国家解決策を描いた看板を掲げてデモを行った。

 このバイデン政権からの5000万ドルの助成金の問題は、カカシさんが詳しく解説してくださってますから、そちらを読んでください。
 ワタシが気になったのはここです。

パレスチナ人は何世代にもわたり、アパルトヘイト(人種隔離制度)のもとで暮らしてきた

 アパルトヘイトって?
 昔、南アフリカ共和国が行った政策で、人種により居住地や公共施設の使用など厳しく隔離する政策ですよね?
 イスラエルがそんなことをしていましたか?

 イスラエルの総人口の20%ぐらいはアラブ人です。  
 彼等は紀元135年に王国がローマ帝国に滅ぼされ、その後次々と支配者が変わる中、イスラム教に改宗してこの地に残り続けたユダヤ人や、周辺アラブ諸国から移り住んだ人々の子孫です。

 国連は1947年、それまでイギリスの委任統治地であったパレスチナをイスラエルとパレスチナに分割し、双方にそれぞれの主権国家を作るというパレスチナ分割案を採択しました。 
 イスラエルはこれに応じて建国宣言をしたのです。
 しかしこの分割案は、パレスチナ人居住者の多い地域をパレスチナ国家、イスラエル人居住者の多い地域をイスラエルと認めたもので、イスラエル側にある程度のパレスチナ人がいたのです。

 イスラエルは建国時にこれらのパレスチナ人をパレスチナ側に追放する事も、またイスラエルから去る事を禁止する事もしていません。 
 しかしイスラエルはイスラエルに残る事を選んだパレスチナ人も、イスラエル国民としての権利を全て認め、一切差別せずに今日に至っています。 
 このパレスチナ系イスラエル人はヨーロッパ系ユダヤ人などに比べると結構出生率が高い為か、今ではイスラエル国民の20%がパレスチナ系になったのです。
 そして現在ではこのパレスチナ系ユダヤ人の、高級官僚や裁判官、軍幹部なども多数いる状態です。

 で、大変不思議なのですが、これで何でイスラエルが「アパルトヘイト」なんでしょうか?
 これでアパルトヘイトと言うなら、アメリカだってイギリスだってアパルトヘイト国家です。

 一方イスラエルは2000年ごろから、パレスチナ自治区であるガザとヨルダン川西岸地区を取り囲む分離壁を建設し始めました。
 それでガザ地区やヨルダン川西岸地区の人たちは、自由にイスラエルへ出入りできなくなりました。
 これをNHKなど一部のメディアは「天井のない牢獄」と呼んでいます。
 そして更にガザ地区やヨルダン川西岸地区のパレスチナ人が、イスラエルから分離されたことを根拠に「アパルトヘイト政策」と呼んでいるのでしょう。

 しかしこれは間違いです。
 パレスチナ自治区は現在130か国から承認されている主権国家です。 日本やアメリカ等などはまだ国家承認していないのですが、しかしパレスチナ自治政府による自治を認めていて、完全な主権国家ではないけれど準国家の扱いです。
 そしてオスロ合意以降、今回のイスラエル軍のガザ攻撃まで、イスラエルはこの地域から軍隊や警察を引き上げてしまい、イスラエルの国家権力は及ばない状況でした。
 
 つまりパレスチナ自治区と言うのは、完全に独立した主権国家なのです。
 と言う事はイスラエルからすれば完全な外国です。

 と、いう事はパレスチナ自治区はイスラエルにとって外国、パレスチナ自治区に住むパレスチナ人は、イスラエルにとって完全な外国人なのです。
 だったら外国との国境管理や外国人の入国管理を厳格化する事はイスラエルの権利です。 
 どんな国だって外国人が、勝手に自国の国境を越えて好き放題出入りすることなど認めません。  
  
 しかもその外国からテロリストがドンドン入り込んでテロを行うような場合、どうしますか?
 どんな国でもそのような場合は、テロリストの流入を阻止するための処置をとるでしょう?
 勿論それで色々苦労する人たちが出てくるのはわかります。

 実際、イスラエルは建国以来ずうっとパレスチナとは紛争が続いていたのですが、実際には一番近い隣人と言う事で、イスラエルに出稼ぎに来るパレスチナ人が多数いました。
 国連のパレスチナ分割案でイスラエルに与えられた土地は、実は元々砂漠など荒蕪地だったのですが、しかしヨーロッパから入植したユダヤ人達は、それを近代技術で豊かな農地にしました。 この農地でユダヤ人農園主に雇われて農業労働者として生活したパレスチナ人が多数いました。 
 分離壁の建設とそれに伴うパレスチナ人の厳しい入国制限で、こうしたパレスチナ人は職を失ったし、ユダヤ人の農園は貴重な労働者を喪ったのです。

 しかしこれは仕方ありません。
 何しろイスラエルを標的にしたテロは、「悪いパレスチナ人」が個人で行ったこととは言えないからです。 
 パレスチナ自治政府はイスラエルでテロを行って射殺されたり、投獄されたりしたテロリストの親族に多額の年金を出しているのです。 また学校教育でこうしたテロリストを礼賛しています。
 因みにこのテロに犠牲者はイスラエル人に限りません。 観光でイスラエルを訪れた外国人も多数犠牲になっているのです。 そしてパレスチナ自治政府はこうしたテロリストも英雄視して、親族に多額に年金を与えているのです。
 
 こんな事をやっている国の人間を自由に入国させる国がありますか?
 そもそもイスラエルにとって、パレスチナ自治区は外国なのです。 だから外国人として出入国を制限するのは当然です。
 しかもその外国が意図的にテロリストを送り込んでいるのですから、いくら労働力が欲しくても、その入国を徹底的に制限するのは当然でしょう?

 それを「アパルトヘイト」と表現する真意は何でしょうか?
 これはつまりイスラエルと言う国家の存在を認めないという事ではありませんか?

 これは左翼独特の手法だと思いますが、意図的に中身をすり替えたレッテル貼りをして、相手を貶めるとともに、国家そのものを否定するやり方でしょう?

 イスラエルがやっていることは、主権国家として至って常識的な対応なのです。
 ところが反イスラエル・親パレスチナを名乗る連中は、イスラエルとパレスチナ自治区が別の国家であることをあえて無視して、イスラエルがパレスチナ人を自国民と同様に扱わない、入国を制限することを持って「アパルトヘイト」などと言う検討違いな批判をするのです。
 
 本来であればこれは「アパルトヘイト」と言う言葉の完全な誤用なのですから、政府から多額の助成金を得るような団体が使えば、この間違いを厳しく指摘するべきなのです。
 しかし左翼によるメディアスクラムによって、こうした意図的誤用が氾濫するに任せれる状況です。
 
 これはイスラエルが不当に非難されているというだけの問題ではありません。
 こういう対応が結局、パレスチナ自治区の国家として自立を妨害しているのです。

 国家として独立したら、パレスチナとイスラエルはお互いに外国になるのだから、その国民が自由にお互いの国に出入りできないのは当然でしょう?
 しかしこれに便乗してイスラエルを非難し、テロリストの親族に年金を与えているパレスチナ自治政府、パレスチナ自治区の国民を見ていると、この人たちは結局自分達の意志で自分達の国家を作り運営する意思も能力もないのだと思わざるを得ません。
 
 彼等が望むのはパレスチナはカワイソウな被害者、だから世界中から支援を得る事だけだとしか思えないのです。
 これでは絶対にパレスチナ自治区が国家として自立することなどできないでしょう。

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2024-04-21 13:17

イランvsイスラエル 中道ウハウハさんからの情報

 イランのイスラエル攻撃、そしてイスラエルの反撃について、中道ウハウハさんがコメントで色々な情報を下さいました。
 大変興味深いコメントなので、本文で紹介させていただきます。
 中道ウハウハさんのコメントは青字、それに対するワタシの感想は黒字で表記します。

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よもぎねこさん、おはようございます。

【イラン側攻撃態勢】

第一波として数百機のHESAシャヘド136で、アイアン・ドームとデイヴィッド・スリングを飽和させ
第二波で数十発の巡航ミサイルと弾道ミサイルの道を空けるというものだった。
新型のジェット推進式 無人機シャヘド238も合計185機使用されました。
ヒズボラは、ゴラン高原から、グラードロケット弾を数十発を発射したと発表した
約170機の無人機、30発以上の巡航ミサイル、120発以上の弾道ミサイルが使われた。約320発の攻撃用ドローン・巡行ミサイル・弾道ミサイルをイスラエル目掛けて発射しました。

また、友好関係にある国や地域の兵力(レバノン・シリア・イラク・イエメン)も時を同じくして、攻撃用ドローン・弾道ミサイル・ロケット弾等で応戦しました、合計約350発がイスラエルに向けて発射された。

【多国籍迎撃態勢】

先ず、米軍は、英国、フランス、ヨルダン軍とともに、イスラエルに向かう飛翔体の多く、特に無人機を迎撃した。
米中央軍と欧州軍は80機以上の無人機(半数以上)と少なくとも6機の弾道ミサイルを破壊した。
イラクのアルビルにある米陸軍 パトリオットミサイル 中隊が少なくとも1発の弾道ミサイルを撃墜した。
イエメンのフーシ派支配地域で発射前に無人機7機と弾道ミサイル1機が攻撃された。
東地中海に位置するUSS カーニー (DDG-64)とUSS アーリー・バーク (DDG-51)は少なくとも4発の弾道ミサイルを撃墜した。 SM-3が戦闘デビュー 。 これは、大気圏外で弾道ミサイルを撃破できる迎撃ミサイルである。

英国はシリアとイラクの領空で不特定多数のイラン製無人機をイギリス空軍戦闘機タイフーンで迎撃。イラクとシリア上空で計画されていた米空軍の任務もカバーし、米国がイスラエル軍を支援する際のより大きな自由度を得ることができた。

ヨルダンは 「自衛」で領空に進入した不特定多数の無人機の20%を迎撃した。
フランスは「ヨルダンの要請により」ヨルダン領空上で特定多数のイランの無人機を海軍で傍受したと伝えられている。
サウジアラビアとUAEは、レーダー追跡やその他の情報を共有したと伝えられている。イランの攻撃を阻止するのに役立ったと言われている。

【イスラエルの防衛作戦コードネーム「アイアン・シールド」】

アロー3システムと中距離用のデイビッド・スリング・ システムを使用し、電子誘導システムを妨害してミサイルの航行を妨害した。
空軍がヨルダン上空で巡航ミサイル25発を迎撃したとしている。


【結果】

ドローンはイスラエル到着前に略迎撃されていて、イランが狙った第一派の飽和は失敗し、第二波の迎撃に専念出来た模様。
イスラエルにはおよそ9発の弾道ミサイルが着弾し、そのうち少なくとも4発がネバティム空軍基地に着弾し、C-130輸送機、未使用の滑走路、空の保管施設に被害を与えた。他の4発の弾道ミサイルがラモン空軍基地に着弾した。ヘルモン山のイスラエル占領地域にある諜報センターレーダーサイトを狙ったと伝えられる追加の弾道ミサイルは逸れ、イスラエル北部に落下した。また女児1人が負傷した他の31人が避難所に向かう途中で軽傷を負ったか、不安症の治療を受けた。ヨルダンは、破片の一部が自国の領土に落下したが、重大な損害や負傷者は出なかったと報告した。
約97%を迎撃した模様。

参考ページ
https://en.wikipedia.org/wiki/2024_Iranian_strikes_in_Israel
https://www.fdd.org/analysis/2024/04/16/what-we-can-learn-from-irans-attack-on-israel/

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 イスラエルにはアイアンドームなど超強力な防空体制があるので、イランとしては飽和攻撃を狙いました。 
 しかし結局、弾道ミサイルもドローンも全部撃ち落とされて、結局イスラエル側には殆ど被害がでなかったのですね。
 世界軍事ランキング2023ではイスラエルは18位、イランは17位ですから、一応イランとイスラエルは互角のはずですが、この結果を見るとイランはイスラエルには全く敵わないようです。 尤もイランの人口は9000万人でイスラエルの10倍ですから、兵士の数ならイスラエルを圧倒しているのでしょう。

 このイランの攻撃ではヨルダンが多国籍軍側に入って米、英、仏と共にイスラエル防衛に協力しているのですね。
 ヨルダンは第一次からずうっとイスラエルと敵対してきました。
 元々ヨルダン王家はムハンマドの娘を始祖とするイスラム世界随一の名門なのですが、今回のイランの攻撃では、その王様が完全にイスラエル側に回ったわけです。

 トランプ政権の頃からアラブ諸国とイスラエルとの国交正常化が進み始めました。 これは実はアラブ諸国がイランへの警戒感から、イスラエルの軍事力を頼りにし始めたからのようです。
 これが今回のイランのイスラエル攻撃で余計鮮明になりました。
 ヨルダンがイスラエルの側につくなんて、ひと昔前ならアラブ諸国から非難轟轟だったと思うのですが、でも今回はこれについてアラブ諸国は何も言ってませんよね?

 因みにアラブ諸国がイランを恐れるのは、国内に多数のシーア派イスラム教徒を抱えているからでもあります。 
 イスラム教シーア派は全世界のイスラム教徒の中では少数派ですが、しかし実はサウジアラビアやイラクなどでは非常に多いのです。 イランはこうしたシーア派の居住地域を狙っているのです。
 
 因みにイスラム教徒がシーア派とスンニ派に分かれたのは、ムハンマドの死後に起きた跡目争いが原因です。 ムハンマドには息子はおらずムハンマドの死後、ムハンマドの最初の妻の連れ子アリと、ムハンマドの後妻の娘婿との跡目争いになったのです。
 で、このムハンマドの後妻の娘とその婿がヨルダン王家の先祖です。 
 この跡目争いは両者の戦争になり、アリの側が負けて、ムハンマドの後継はヨルダン国王の先祖と言う事になったのです。 
 でもアリを支持した側は納得しなかったので、イスラム教が二つに分かれる事になったのです。 
 イランはこのアリの側、つまりシーア派の宗教国家なのです。 
 こうしてみると今に至ってイスラム教の宗派争いが、再開した感があります。

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【イスラエルが19日早朝、イランを攻撃したと報道が】

イランのイスファハン付近に有る空軍基地と核施設の近くで大きな音と無人機が報告された。防空砲台を発射し、無人機を3機撃墜し又は、3度の爆発音が鳴り響いた。 イランの発表では、特に目立つ被害は無かったと主張。

米国当局は複数の米メディアに対し、イスラエルのミサイルがイラン国内の施設を攻撃したことを認めた。と報道も、イランはミサイルについて否定している。

また一部の米メディアでイスラエルの有人航空機による攻撃が行われたと報道も有ったが、これは、『マイク・ライオンズ退役米陸軍大将はCNNに、「彼らはこの作戦で有人機を使い、標的が正確であることを確認したと思う。彼らは軍事目標を狙った。これはイランに、その気になればあの施設(イスファハンの原子力発電所)を攻撃できるというシグナルを送ることになる」と述べた。』という憶測が飛躍して伝わって行った可能性もある。イランは国外から侵入した戦闘機は無いとカウンターしてる。
イスラエルからイランのイスファハン迄は、約1500㎞で、軍用ドローンは勿論、F-15Cに燃料15tのCFT+ドロップタンクx3で約4700㎞飛べるので可能ではある。

ではこのイスファハンに飛来したドローンはイスラエルの物なのか? また攻撃用なのか、偵察用なのかも解ってない。
イラン側の発表も、『上院情報特別委員会の副委員長であるマルコ・ルビオ上院議員(共和党、フロリダ州選出)は、攻撃のニュースが公になった直後、「イスラエルは、シリアとイラクの領空上空で航空機からイラン領空に入ることなく、イラン国内の標的に対して攻撃を行う能力を持っている」』に反応し、「国外から発射されたものではない」とコメントを出した。
また、同時刻にシリアのレーダーが、シリア領空侵犯したイスラエルの戦闘機6機が東に飛行して行ったのを確認してるという情報もある。
イランの防空システムは本当は何に反応したのでしょうね?、後に国営はイスファハンでミサイル防衛システムは作動していなかったと。
NYT等が報じてます、イスラエルの戦闘機が、イラン国外からミサイルを発射し、核施設防御用の防空システムのS-300PMU2ミサイル砲台や30N6Eレーダーを破壊した衛星画像等、これは現状のイランの防空システムではイスラエルの攻撃は防げないとい決定的な事態で、イランのショックは計り知れない事態でしょう。またミサイルを発射した場所はヨルダンに迷惑が掛からない様に配慮された所だそうです。

衛星画像
https://twitter.com/CSBiggers/status/1781436224248435107/photo/1
https://twitter.com/obretix/status/1781703123448332625/photo/1

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 イスラエルの報復はピンポンとでイランの目標攻撃に成功したようです。
 イランはイスラエルの攻撃を全く阻止する事はできず一方的にやられたようです。
 
 ワタシはイスラエルはこのイランから攻撃を奇禍として、イランの核開発施設を破壊するんじゃないかと思っていたのですが、それは控えたんですね。
 でも「その気になればいつでも破壊できる」と言う事をイランに見せつけました。
 
 実はイランは元々イスラエルとは友好国で、中東戦争でイスラエルとアラブ諸国が対立していた頃は、イスラエルはイランから石油を輸入していたのです。
 ところが1979年のイランイスラム革命で、イランがイスラム教シーア派の宗教国家になって以来、イスラム教を前面に出してイスラエルに敵対するようになりました。
 そしてイスラム教スンニ派のアラブ諸国とも対立しているのです。 
 すると今度はアラブ諸国がイランを恐れてイスラエルに接近しているのです。

 因みにイランはハマスやヒズボラなどのテロ組織を支援していますが、しかしコイツラも実はアラブ諸国から見たら厄介者ですからね。
 イランは厄介者達のスポンサーになって、イスラエルやアラブ諸国に嫌がらせをやり続けてきたのです。 でもこれがイランの国力の限界でしょう?

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 きっとこの機会をIsis-Kが利用しそうな気もしますが、どうでしょうね?あっイラクで爆発が有りましたね、しかもIsis争闘前線基地だった所で。話題にならないですが、ここ数日ロシアは先日のテロの報復でシリア内のイスラム国勢力の壊滅を狙った空爆をしてました。

 ロシアも忙しいですね。 
 でもロシアには多数のイスラム教徒がいて、今までのロシアでのイスラム原理主義のテロもそいつらがやってきたのですから、シリアのイスラム国を攻撃してもロシア国内のテロには関係ない気がします。 

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それと、自衛隊のヘリで行方不明の隊員さんが見つかります様に。。。。

 早く見つかって欲しいです。 墜落現場は水温の高い海域なので、大怪我をしていなければ、数日間漂流しても生存可能だと思うのですが・・・・。
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2024-03-06 13:22

シナイ半島にパレスチナ新国家?

 昨日のエントリーでも紹介しましたが、パレスチナ問題の結末を示唆する記事を拾いました。


 記事によると、現在シナイ半島のガザ付近で広大な土地の整備が進んでいます。 
 この整地にかかる費用はエジプト・サウジアラビア・アラブ首長国連邦は出資しています。
 この三国の間で、ここにガザの住民を移住させて、ここを「新パレスチナ国家」とする計画だと言われます。
 実はこの計画は実は2017年に提案されたのですが、パレスチナ自治政府の反対で進まなかったのです。
 しかし現在、エジプト政府はシナイ半島に広大な土地の整備を進めているのです。 

 これについてのパレスチナ自治政府の見解はわかりません。
 イスラエル政府は反対しないでしょう。
 そもそもシナイ半島はエジプト領です。 
 何よりもイスラエル政府はパレスチナ国家の建設に反対した事はないのです。 それどころかオスロ合意では将来的にパレスチナ国家を建設する事を前提に、ガザとヨルダン川西岸地区をパレスチナ自治区とする事に合意しました。 そして2005年にはガザ地区からはイスラエル軍もイスラエル警察も撤退し、ガザの統治は完全にパレスチナ自治政府とガザ住民にゆだねられました。

 この時イスラエルのネタニヤフ政権は「テロを完全にやめる事」を条件に、ガザを「第二のシンガポールにする」為の経済支援を申し出ました。 ガザに大規模な空港と港湾を建設する為の資金をイスラエル政府が提供すると言うのです。
  
 ワタシはこれは至って現実的な計画に思えます。 ガザは地中海に面し、ヨーロッパにも北アフリカにも近く中東交通の要衝でした。 
 一方ガザは出生率が異常に高い上、これと言った産業がないため、失業率が異常に高い状態が続いていたのです。 
 しかしこのような条件が揃っているですから、ガザが平和になり、港湾や空港ができれば、ヨーロッパや北アフリカ向け製品を作る工場を誘致する事ができます。 
 そうなればガザの失業や貧困も、直ぐに解決されるでしょう。

 しかしパレスチナ自治政府はこの提案を蹴りました。
 そしてテロリストやその家族に報奨金や年金を与えて、テロを支援し続けたのです。 
 だからオスロ合意で自治を認められても、結果はパレスチナ国家の建設が進むのではなく、ハマスやヒズボラ、イスラム聖戦機構などのテロ組織が次々とパレスチナ自治区に入り込み、パレスチナ自治区はテロ組織の温床になりました。
 挙句にハマスがガザ地区を実効支配するようになりました。 つまりハマスはパレスチナ自治政府からガザを奪ったのです。

 パレスチナ自治政府からガザを奪ったハマスは、イスラエルへの攻撃を続けると共に、地下にトンネルを張り巡らし、ガザの地下を壮大な地下要塞に変えていきました。
 以降、ハマスのイスラエルへのテロ攻撃は激化するばかりで、その度にイスラエル側も反撃しました。
 
 世界のマスコミはこれを「報復の連鎖」と言い、ハマスではなくイスラエルを非難しました。
 2014年にもハマスはイスラエルにロケット砲やミサイルで大規模な攻撃を加え、イスラエルはこれに反撃しました。
 しかしハマスを攻撃すれば、必ずガザの一般住民が巻き込まれてしまうので、イスラエルが非難され、結局イスラエルはハマスを殲滅する事なく、停戦せざるを得なくなりました。 一方ハマスは地下要塞に避難するので殆ど無傷なのです。

 2017年にシナイ半島にパレスチナ新国家を作ると提案が出たのは、このような状況を見ての事でしょう。
 結局ハマスがガザに入り込み、しかも壮大な地下要塞を築いてしまったので、ガザの住民とハマスを引き離すには、ガザの住民全部をガザから引き離すしか方法がない事がわかってきたのです。

 そして昨年10月7日のハマスの大規模テロとイスラエル軍のガザ攻撃で、この問題がいよいよ鮮明になってきたのです。
 イスラエル軍のガザ攻撃でハマスの地下道は700㎞にも達し、ガザ中の学校や病院やモスク、更にUNRWA施設の数々と通じている事がわかりました。
 イスラエル軍は最初はこの地下道はガザ北部だけと思っていたようです。 だからガザ住民には北部を攻撃するから、南部への避難を勧めたのです。
 ところが実際に北部を攻撃し地下道を調べると、地下道は南部ラファにも通じており、ガザ全域にハマスの地下道が通じている事がわかったのです。

 こうなるとイスラエル軍がハマスを殲滅する為には、ガザ全域の建物を破壊せざるを得ません。 だって地上の建物はそのまま、地下道だけを破壊する方法はないでしょうから。
 そうなるとガザの住民を一旦は、ガザ以外に避難させるしかありません。
 と、なるとエジプトが避難所を提供するしかないでしょう。

 しかしエジプトに避難したガザ住民は、いずれはガザに戻れるのでしょうか?
 本来なら戻れるはずです。
 けれどもエジプト・サウジアラビア・アラブ首長国連邦は、戻す心算はなく、シナイ半島に作った親パレスチナ国家にガザ住民を閉じ込める心算ではないでしょうか?

 だってこれまでの経緯を見ても、また先日の支援物資略奪の為体を見ても、ガザ住民には自治能力がありません。 ガザの住民をガザに戻して彼等の自治、或いはパレスチナ自治政府の統治に任せようとしても、結局またハマスとは別のテロ組織が入り込み、ガザを拠点にイスラエルへのテロを繰り返すようになるでしょう。
 こんなことを続けられたら、イスラエルが困るのは当然ですが、しかしこれでテロ組織が肥大化すれば、エジプト・サウジアラビア・アラブ首長国連邦も困るのです。

 サウジアラビアなどアラブ諸国は現在イランの脅威を受けています。 現在のイランはイスラム革命によって生まれた革命国家で、革命の輸出を画策しています。 だからハマス始め、パレスチナで暴れているテロ組織を支援しているし、イエメンを使ってサウジアラビアを攻撃させたりしています。
 中東でこのようなイランに対抗できる軍事力を持つ国家は、実はイスラエルぐらいです。
 だから対イラン防衛を考えたら、イスラエルは大切な国なのです。

 更にハマスなどイスラム原理主義のテロ組織の目標は、ISISと同じでイスラム教による国家建設です。 だからそれぞれが自国の政府とも敵対しているのです。
 ハマスは元来エジプトのイスラム原理主義組織ムスリム同胞団のパレスチナ支部でしたが、このムスリム同胞団はエジプトでもルクソール事件など大規模なテロを行っています。
 それで現在エジプト政府はムスリム同胞団を徹底的に弾圧しています。
 こういう状況でガザにテロ組織が入り込み、イスラエルへのテロを繰り返して、それで自国内のイスラム教徒を鼓舞するような事なるのは絶対に困ります。

 こういう事を色々と考え合わせると、とりあえずガザの住民は一旦シナイ半島に移し、その間にまずはイスラエル軍にガザを徹底的に掃除してもらう。
 掃除の終わったガザをどうするかは、その後イスラエルとエジプトで話し合って決めるのでしょうね。

 因みに第一次中東戦争で、エジプトはガザを、ヨルダンはヨルダン川西岸地区を占領しました。 イスラエルとしたら、それでエジプトとヨルダンがイスラエルを承認してくれたら、ここはそのままエジプトとヨルダンの物で良かったのでしょう。
 だってイスラエル建国時、イスラエルは国連のパレスチナ分割案で与えられたイスラエル領だけで満足して建国を宣言をしたのですから。
 ガザやヨルダン川西岸地区は最初から、イスラエルの物じゃなかったのですから、文句を言う筋合いじゃないのです。
 イスラエルにすれば、パレスチナ人の居住地をきちんと統治してくれる国があるなら、その国と友好関係を維持して、その国がきちんとテロを取り締まってくれたらそれで良いのです。

 だから第四次中東戦争の後、シナイ半島をエジプトに返還した時に、ガザも一緒に返すと言ったのです。
 でもエジプトは断りました。
 その時点で既にガザはテロリストが一杯の厄介な地域になっていて、こんなの返されても迷惑だったのです。

 現在エジプトが整備している土地がどうなるのか?、これはまだわかりません。
 しかしこれまでの状況から憶測すると、とりあえずガザ住民がここに移される事だけは間違いないのではないでしょうか?
 ガザの住民は結局、際限もないテロの果てに、最も無残な成果を得た事になりますが。

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