この2日目の爆発は葬儀の最中でした。
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何で無線機やポケベルが爆発するの?
と、大変不思議だったのですが、実はどうやら無線機やポケベルの中に、高性能爆薬が仕掛けてあったようです。
だからヒズボラは犯人は「イスラエルだ!!」と言って、イスラエルを非難しています。
まあね、多分イスラエルがやったんでしょうね。
ワタシもそう思います。
色々なニュースを読み合わせると、ヒズボラは少し前からスマホから位置情報等が洩れる事から、戦闘員にはスマホの使用を控えさせ、代わりにポケベルの使用を命じました。 その為にポケベル5000個を用意し、それを各戦闘員に配っていたのです。
それでヒズボラ戦闘員達はこのポケベルを持ち歩いていました。 ところが17日それが一斉に爆発したのです。
爆発直前にベルがなったので、多くの戦闘員が自分のポケベルを手に取って、顔を近づけ液晶画面をのぞき込みました。 この時ポケベルが爆発したので、多くの戦闘員が指や顔や目を負傷しました。
こうなると命は落とさなくても、もう戦闘員として戦えなくなる場合も多いし、例え後遺症は残らなくても当面戦闘には参加できないでしょう。
そして翌日、このポケベル爆発の死者の葬儀の最中に無線機が爆発して、20人の死者と450人の負傷者が出ました。
これも無残なのですが、これじゃもうヒズボラの戦闘員は恐ろしくて通信機機器には触れなくなるでしょう?
こうなるとヒズボラの戦闘力は大きく削がれます。
しかしこれってヒズボラのようなテロリスト・武装組織相手の戦い方としては、実に見事な作戦です。
ヒズボラは武装組織とかテロ組織とか言われます。 これはハマスと同じなのですが、持っている武器や戦闘能力はハマスより遥かに上だと言われています。
そしてハマスもヒズボラもイランがバックについており、イスラエルの殲滅、イスラエルを地上から消し去る事を目標に戦ってきました。
それでイスラエルは過去何度も、ヒズボラからのミサイル攻撃等を受けてきました。 今回のイスラエルのガザ攻撃でも、ヒズボラはハマスを支援しています。
だからイスラエルから見ればヒズボラ攻撃は自衛権の行使です。
しかし問題はヒズボラが正規軍ではなく、正式には特定の国家に属するのでもないテロ組織或いは武装組織と言われる集団だという事です。
だからヒズボラを攻撃すると言っても誰がヒズボラかわかりません。
ヒズボラの本拠地はレバノンにあり、ヒズボラ戦闘員の多くはレバノンに居住しています。 中にはレバノンの国会議員の議席を持っている物もいるのですが、しかしヒズボラの戦闘員とそうでないレバノン人とを見分ける事は不可能です。
これだとイスラエルがヒズボラ殲滅の為に、レバノンに進攻したら、ヒズボラの戦闘員を殺すために多数の一般レバノン人を巻き込む事になります。
でもそれでヒズボラを放置したら、ヒズボラは際限もなくイスラエル攻撃を続けるでしょう。
だからネタニヤフ首相としては、この際レバノンにも進攻して、ヒズボラを叩き潰す気だったのでしょう。
だとしたらこのポケットベル爆破作戦は「お見事!!」と言わざるを得ません。
だってこの爆薬入りポケットベルも、無線機も、ヒズボラの本部がヒズボラメンバー一人一人に配ってくれたのです。
だからこれを爆発させたら、ヒズボラメンバーだけが被害を受けます。 子供が二人死んでいるのですが、この子達はヒズボラ幹部の子供です。 きっと父親が家の中に置いたポケットベルを、爆発時に触ってしまったのでしょう。
逆に言えば、この作戦で巻き込まれる非戦闘員はこのような不運なレアケースだけだったわけです。
こういう作戦を取らなかったら、ガザ攻撃のような大規模な空爆や砲撃に頼らざるを得ず、そうなったらポケットベル作戦より遥かに多くの非戦闘員が巻き込まれる事になります。
またポケットベル作戦では、ヒズボラ側の死者も少ないのです。 多くが目、顔、手を負傷したのですが、命までは落としていません。
ポケットベルのサイズを考えても、そんなに大量の爆薬を仕込めるわけもないので、死者は少ないのでしょう。
でもヒズボラの戦闘力を削ぐ事が目的ならこれで十分でしょう?
多くの戦闘員が戦闘不能になり、無事だった連中も怖くて通信機器を触れなくなれば、当面ヒズボラはマトモに戦闘できません。
それにしてもどうやってヒズボラのポケットベルに爆薬を仕込んだのでしょうか?
これについては、ポケットベルの仕入れ担当にモサドが食い込んでいたと言う説が出ています。 それでなくてもモサドはイラン側には随分食い込んでいるのです。
で、ヒズボラが戦闘員にポケットベルを配るという情報を得たら、仕入れ担当にイスラエルが用意した爆弾入りポケットベルを納入させたのでしょう。
5000個ですからね、爆薬を仕込むのも手作業で十分できます。 まず台湾製のポケットベルを5000個買って、爆薬を仕込むスペースを取る為に、台湾製ポケットベルのボディより少し大きなボディカバーを用意し、台湾製のポケットベルのボディから中身を取り出し、用意した大きなボディに爆薬と一緒に詰め込んだら良いのです。
こんな作業だから、作業員が20人程いれば、一人1日10個ぐらいこなして、1か月弱で爆弾ポケットベルが5000個できます。 勿論特別な設備や場所も必要ありません。
無線は数が少ないからもっと簡単だったでしょう。
情報とアイディアさへあれば、実に簡単にできる作戦だったと思います。
ところでこの作戦について玉川徹がこんな事を言っています。
毎日新聞と玉川徹ですから、マトモに取り合う必要があるかどうかは疑問ですが、これホントに「国家的テロ」とか国際法違反になるんでしょうか?
だってヒズボラってテロ組織ですよ。 で、今回のポケベル作戦の死傷者も殆ど全部ヒズボラの戦闘員なのです。
前記のようにヒズボラはこれまでイスラエルに散々ロケット砲を打ち込んだり、また現在のガザ進攻についてはハマス側についてイスラエルを攻撃しています。
因みにハマスもそうですが、ヒズボラの攻撃も殆ど全部、イスラエルの非戦闘員を目標に攻撃しています。
これは明確な国際法違反と言うより、完全な犯罪です。
そこでイスラエル側は犯人を倒すために、このポケベル作戦を敢行したのです。
毎日新聞はこんな事を書いています。
しかしヒズボラの戦闘員用に配られたポケベルが爆発したら、爆発で死傷するのはヒズボラの戦闘員だと考えるのが妥当でしょう?
そして実際に死傷者の殆どがヒズボラの戦闘員です。
これでジュネーブ条約違反になるんでしょうか?
因みジュネーブ条約では、戦闘員は戦闘時には自分達の所属のわかる軍服を身に着ける義務があります。 そうしないと民間人が戦闘に巻き込まれるからです。 その点ヒズボラやハマスは完全にジュネーブ協定違反なのです。
そもそもイスラエルがこのような作戦を取らざるを得なかったのは、ヒズボラがこのジュネーブ条約を完全に無視する戦法を取り続けてきたからではありませんか?
軍服を着ず、民間人に紛れてイスラエルを攻撃し、イスラエルが反撃したら、民間人を盾にして逃げだしていたからではありませんか?
こうした武装集団・テロ組織を「カワイソウ」で見逃しているから、多くの民間人が彼等の盾にされて殺害されてきたという現実をもっと重視するべきでしょう?
しかし一方でこれからの世界では、このヒズボラやハマスのような「武装集団」「テロリスト」との闘いが深刻化する事も想定せざるをえません。
その場合、国際法はどうなるのか?
これも考えておかざるを得ません。
だってこれまの国際法って、国家対国家の戦いしか想定していませんからね。
武装集団、テロ組織が警察では対応不能な武器を持って、国境を侵犯し大量虐殺を行うような場合はどうしたらよいのか?
これも考えておかなければならない時代が来ているのです。