非常な長文なので記事本文のコピペはしませんが、しかしその長文での論理の蛇行がいかにも左翼なので、かいつまんで説明します。
記事ではまず7月26日ブラジル政府が日系人に謝罪した事を取り上げてブラジル政府の対応を称賛し、日本はブラジルに学べと言います。
記事でも書かれているのですが、日本がアメリカに宣戦布告するとブラジル始め南米諸国の多くが、連合国側に立って参戦しました。
日本は南米諸国など攻撃する意思はなかったし、また南米諸国も実際には参戦していません。
しかし当時南米諸国にいた日系人は「敵国人」として財産を没収されて、強制収容所に送られました。
つまり南米諸国は実際には攻撃もされず参戦もしなかったのに、アメリカに便乗してアメリカと同じ日系人の迫害を行ったのです。
日本の敗戦で国家主権を喪いましたが、サンフランシスコ講和条約で国家主権を取り戻すと、日本政府はこれらの「戦勝国」は、それぞれ日本から賠償金を得て、和平条約を締結しました。
しかし南米諸国での日系人への差別や迫害が続きました。
第二次大戦中に没収された財産が返還される事もありませんでしたし、政府としての謝罪や賠償もしていません。
アメリカ政府は1988年にレーガン政権が、第二次大戦中の日系人強制収容を謝罪し少額ではありますが補償金を支払いましたが、しかし南米諸国は謝罪も賠償もしてきませんでした。
しかしブラジル政府はこの7月26日、漸く日系人に公式謝罪したのです。
2024年7月26日
東京新聞は大絶賛するのですが、しかしこれって絶賛するような話ですか?
アメリカ日系人がアメリカ人だったのと同様、ブラジル日系人もブラジル人でした。
アメリカ政府が日系人に謝罪したのは、自国民を日系人であるというだけで、女性や子供など非戦闘員も全て敵視して強制収容所に収容したからです。
因みにドイツ系ややイタリア系もアメリカとは敵国だったはずですが、このような扱いを受けていませんから、これは完全な「人種差別」だったのです。
だから謝罪したのです。
しかしブラジル政府は、アメリカ政府が謝罪した後も36年間も謝罪してこなかったのです。 それを漸く今頃になって謝罪したのです。
謝罪しないよりする方がマシですが、しかし第二次大戦終結から89年も経ってからの謝罪に何を学ぶべきなのでしょうか?
しかも前記のようにブラジル政府は、日本とは講和条約を締結し、参戦もしないのに日本政府からは賠償金を受け取っているのです。
本来ならこの時点で、戦争は完全に終わったわけですから、日系人を強制収容所から解放するだけでなく、没収した私有財産も返還するべきでしょう?
ところがここから記事の論理の蛇行が始まります。
まずなぜかドミニカ移民の話を持ち出します。
日本政府が推進したドミニカ移民のドミニカでの待遇が悲惨だったことについて、日本政府に賠償しろというのです。
実際、このドミニカ移民は悲惨だったようです。
でも記事を読んでいて大変奇妙なのですが、ドミニカ移民の悲惨な待遇って、ドミニカ政府の責任じゃないんですか?
しかもドミニカ移民達がこの問題で国を告訴したのは、時効を過ぎてからでした。
そして更に奇妙な一文を挟みます。
和泉氏は「アメリカの強さはアメリカの多様性の中にあるから、過去の過ちを語り、議論を活発化することで未来につなげようという姿勢が、リベラルな政治家だけでなく米国社会の中にもある。みんながアメリカ人で、誰かが主で誰かがマイノリティーであることにならない社会を目指してきた」と述べる。
だが、それが「移民は犯罪者」などと公言したトランプ氏の登場以降揺らいでいるという。奴隷制や人種隔離政策など、より規模が大きな過去の人種差別に米社会がどう向き合うか。今秋の大統領選は「大きな分岐点になる」とみる。
>「移民は犯罪者」などと公言したトランプ氏の登場
??
トランプさんそんなこと言いましたっけ?
トランプ氏は「不法移民は犯罪者」だと言いましたが、合法移民の受け入れは拒否していません。
トランプ氏の奥様も移民一世だし、トランプ氏が副大統領候補に指名したヴァンス氏の奥様はインド系です。
トランプ氏とその支持者が、移民を敵視し、マイノリティを差別するなら、インド系の女性を妻とする男性を副大統領に選ぶでしょうか?
そもそも不法移民は不法だから犯罪者なのです。
でも合法移民は合法だから犯罪者ではありません。
幾らアメリカが移民国でも、世界中から無制限に移民を受け入れる事はできません。 だから昔から移民の受け入れにはきちんとした審査があり、その審査に合格した人だけが入国できました。
こうした入国審査があるから、伝染病の侵入も、テロ組織や犯罪組織の侵入も防げるのだし、また国内の労働市場も守れます。
海外から低賃金の労働者を無限に受け入れたら、アメリカの労働者の賃金は絶対に上がりません。
これはアメリカに限らず全ての主権国家に共通の問題です。
だから出入国管理権は国家主権なのです。 そして民主主義国家なら「どのような移民をどれだけ受け入れるか」と言う事は、国民が決める事ができるのです。
東京新聞の記事は、しかし「合法移民」と「不法移民」の違いを敢えて無視して、「不法移民」を受け入れないと言ったトランプ氏の発言を「移民は犯罪者」だと捏造しているのです。
それによりトランプ氏の人格と政策目標を貶めるとともに、「合法移民」と「不法移民」の違いその物を消滅させようとしているのです。
そしてこれからが東京新聞の最大目的ですが、朝鮮人自称徴用工の話に持ってきます。
◆過去に向き合えるかが問われる
日本は韓国との間で元徴用工問題を抱える。韓国で日本企業に賠償を命じる判決が続いているものの、日本政府は「解決済み」との姿勢を崩さない。「韓国徴用工裁判とは何か」の著書がある近代史研究者の竹内康人氏は、今回のブラジル政府の謝罪について「重大な人権侵害は、80年たっても問われ続ける」と意義を述べる。
「日本政府の基本的な考え方は、当時の植民地支配は合法、その下での動員も合法、よって『強制労働ではない』となる」と竹内氏。その結果、「強制連行」や「強制労働」の記述は教科書から消え、群馬県では朝鮮人追悼碑が撤去された。「日本政府も、過去に向き合い、新しい関係を築くきっかけになってほしい」
教科書から「強制連行」や「強制労働」が消えたのは、あの話が完全な捏造だったからでしょう?
日本政府が正しく歴史に向き合ったから消えたのです。
>重大な人権侵害?
イヤ、日本製鉄への徴用工裁判の韓国大法院の判決文を日弁連が翻訳して掲載してくれたんですけどね。
ワタシもあれ苦労して読みましたよ。
でもあれをどこを読んでも「人権問題」なんて書いてないんですよ。
だってあの原告の自称徴用工達は、日本製鐵の求人ポスターを見て応募し、日本国内の日本製鐵の工場で日本人従業員と同じ待遇で働いた事がきちんと書いてあるんですよ。
それじゃ何で日本製鐵が賠償を請求されるかと言えば、韓国大法院は日韓併合を不当だとしているからです。 日韓併合は不当、よって日韓併合中に行われた事には、全て日本が賠償するべきと言う論理なのです。
しかしそれにしても論理滅茶苦茶なのです。
仮に日韓併合が不当であったのなら、賠償請求先は日本政府であるはずです。 大企業とはいえ一民間企業が日韓併合の責任なんか負えるはずもありません。
イヤ、もうね、ワタシもあの判決分読んでいてアタマがクラクラしました。
韓国大法院、つまり韓国の最高裁判所の判決文だけれど、ヤクザの言いがかりよりも酷い内容で、何が何でも「金払え」「誠意見せろ」ですからね。
でもこの「徴用工」の話、韓国が未だに執着しているのです。
そもそもこれまでも日本政府が言い続けてきた通り、また日本の裁判所での判決の通り、日韓併合中の問題は1965年の日韓条約で「完全かつ包括的に解決された」のです。
そしてこの時、日本政府は韓国政府に日本の外貨準備全額に当たる程の支援へしています。
当時の韓国政府はこれを高速道路建設等、国内のインフラ整備に使いました。
この時「徴用工」を自称する人達が、日本に賠償を求めたという記録はありません。 だって1965年だと自称徴用工も殆どがまだ40前後だったのですが、彼等も自分達が日本に出稼ぎに行き、給料を貰った事を覚えているのですから。
幾ら韓国人でも、この当時は日本での出稼ぎに賠償金を貰うという発想はなかったのです。
ところが1980年代から韓国は慰安婦強制連行や徴用工などの話を捏造し始めました。 そしてこれは共産主義衰退以降の左翼にとっての最も重要なシノギになっているらしく、日本の左翼も韓国の尻馬に乗って、今もこれに執着しているのです。
そして「歴史を学ぶ」とか「歴史に向き合う」とかを大義名分に、条約で完全に解決した問題を持ち出して、未来永劫謝罪と賠償を求めるのです。
これが戦後左翼の基本姿勢ですから、この記事は最後にこう締めくくっています。
◆デスクメモ
外国にルーツを持つ人々に、国を代表して頭を下げる。日本では見慣れない場面だが、ブラジル政府関係者は堂々として表情に曇りがない。率直に過ちを認める態度は、両国の距離を近づけるだろう。外国人が増えている日本の指導者もぜひ参考に。相互理解が戦争の抑止力になる。
>外国にルーツを持つ人々に、国を代表して頭を下げる
??
ルーツがどこでも関係ないでしょう?
ブラジルは移民国なので、インディオ以外の国民は全部「外国にルーツを持つ人々」です。
それを態々持ち出すって凄く差別的な発想だと思いませんか?
そもそもブラジル政府のブラジル日系人への謝罪は、政府による自国民への謝罪です。 だから純粋に国内問題です。
つまり日本ブラジルの両国関係にも相互理解にもなりません。
勿論戦争抑止にもなりません。
それでも東京新聞の記者がこのような事を書くのは、つまりは東京新聞の記者はブラジル日系人をブラジル人とは思っていないからでしょう?
ブラジルに移民し、ブラジルで働き、ブラジル国籍を取った人々でも、日本出身者ならブラジル人ではないと言う発想だから、こんな奇妙な事を書くのです。
ワタシは先日このブログで左翼は血統主義だと書いたのですが、こういう一文を読むとこれを確信します。
ワタシはこれは結局左翼が民主主義国家を理解していないからだと思います。
だから自国民と政府の問題と、外交問題の区別もつきません。
だから法治主義も理解できません。
だから合法移民と不法移民の違いも理解できません。
そして法に基づいて締結された契約も理解できませんから、国家同士の条約の意味も理解できません。
だから国家同士できちんと条約を締結して解決した問題を無限に蒸し返して、謝罪と賠償を要求できると信じているのです。
これ個人で考えてもわかるんですが、個人同士でトラブルがあった時に、それを正式に裁判や調停で解決したのに、際限もなく蒸し返して謝罪や賠償を求めたら、お互いの関係が良くなるんですか?
そんなことをしたら和解なんか絶対不可能でしょう?
まして国家同士で条約に関係なく際限もなく解決した問題を蒸し返す国とは、話し合いなど意味がない、問題は戦争で解決しかなくなるではありませんか?
でもそれが理解できないのは、結局左翼が感情でしかものを考えられない、そして謝罪と賠償が彼等のシノギだからでしょう?
だからこうやって執拗に論旨を蛇行させながら長文の記事を書いたりするんですね。