fc2ブログ

2024-07-31 11:54

東京新聞の蛇行記事 ブラジル政府日系人に謝罪

  今朝2ちゃんで拾った東京新聞の記事が、典型的な左翼論理でした。
 非常な長文なので記事本文のコピペはしませんが、しかしその長文での論理の蛇行がいかにも左翼なので、かいつまんで説明します。


 記事ではまず7月26日ブラジル政府が日系人に謝罪した事を取り上げてブラジル政府の対応を称賛し、日本はブラジルに学べと言います。

101_20240730124410553.jpg

 記事でも書かれているのですが、日本がアメリカに宣戦布告するとブラジル始め南米諸国の多くが、連合国側に立って参戦しました。 
 日本は南米諸国など攻撃する意思はなかったし、また南米諸国も実際には参戦していません。
 しかし当時南米諸国にいた日系人は「敵国人」として財産を没収されて、強制収容所に送られました。
 つまり南米諸国は実際には攻撃もされず参戦もしなかったのに、アメリカに便乗してアメリカと同じ日系人の迫害を行ったのです。

 日本の敗戦で国家主権を喪いましたが、サンフランシスコ講和条約で国家主権を取り戻すと、日本政府はこれらの「戦勝国」は、それぞれ日本から賠償金を得て、和平条約を締結しました。
 しかし南米諸国での日系人への差別や迫害が続きました。
 第二次大戦中に没収された財産が返還される事もありませんでしたし、政府としての謝罪や賠償もしていません。

 アメリカ政府は1988年にレーガン政権が、第二次大戦中の日系人強制収容を謝罪し少額ではありますが補償金を支払いましたが、しかし南米諸国は謝罪も賠償もしてきませんでした。
 しかしブラジル政府はこの7月26日、漸く日系人に公式謝罪したのです。

 2024年7月26日

103_20240731113729374.jpg

 東京新聞は大絶賛するのですが、しかしこれって絶賛するような話ですか?
 アメリカ日系人がアメリカ人だったのと同様、ブラジル日系人もブラジル人でした。 
 アメリカ政府が日系人に謝罪したのは、自国民を日系人であるというだけで、女性や子供など非戦闘員も全て敵視して強制収容所に収容したからです。
 因みにドイツ系ややイタリア系もアメリカとは敵国だったはずですが、このような扱いを受けていませんから、これは完全な「人種差別」だったのです。
 だから謝罪したのです。

 しかしブラジル政府は、アメリカ政府が謝罪した後も36年間も謝罪してこなかったのです。 それを漸く今頃になって謝罪したのです。
 謝罪しないよりする方がマシですが、しかし第二次大戦終結から89年も経ってからの謝罪に何を学ぶべきなのでしょうか?
 
 しかも前記のようにブラジル政府は、日本とは講和条約を締結し、参戦もしないのに日本政府からは賠償金を受け取っているのです。
 本来ならこの時点で、戦争は完全に終わったわけですから、日系人を強制収容所から解放するだけでなく、没収した私有財産も返還するべきでしょう?

104_20240731113731cf4.jpg

 ところがここから記事の論理の蛇行が始まります。
 まずなぜかドミニカ移民の話を持ち出します。 
 日本政府が推進したドミニカ移民のドミニカでの待遇が悲惨だったことについて、日本政府に賠償しろというのです。

 実際、このドミニカ移民は悲惨だったようです。 
 でも記事を読んでいて大変奇妙なのですが、ドミニカ移民の悲惨な待遇って、ドミニカ政府の責任じゃないんですか?
 しかもドミニカ移民達がこの問題で国を告訴したのは、時効を過ぎてからでした。

147_20240731113742af2.jpg
 
 そして更に奇妙な一文を挟みます。

 和泉氏は「アメリカの強さはアメリカの多様性の中にあるから、過去の過ちを語り、議論を活発化することで未来につなげようという姿勢が、リベラルな政治家だけでなく米国社会の中にもある。みんながアメリカ人で、誰かが主で誰かがマイノリティーであることにならない社会を目指してきた」と述べる。
 だが、それが「移民は犯罪者」などと公言したトランプ氏の登場以降揺らいでいるという。奴隷制や人種隔離政策など、より規模が大きな過去の人種差別に米社会がどう向き合うか。今秋の大統領選は「大きな分岐点になる」とみる。

「移民は犯罪者」などと公言したトランプ氏の登場

 ??
 トランプさんそんなこと言いましたっけ?
 
 トランプ氏は「不法移民は犯罪者」だと言いましたが、合法移民の受け入れは拒否していません。
 トランプ氏の奥様も移民一世だし、トランプ氏が副大統領候補に指名したヴァンス氏の奥様はインド系です。
 トランプ氏とその支持者が、移民を敵視し、マイノリティを差別するなら、インド系の女性を妻とする男性を副大統領に選ぶでしょうか?

110_202407311137348c7.jpg

 そもそも不法移民は不法だから犯罪者なのです。
 でも合法移民は合法だから犯罪者ではありません。
 幾らアメリカが移民国でも、世界中から無制限に移民を受け入れる事はできません。 だから昔から移民の受け入れにはきちんとした審査があり、その審査に合格した人だけが入国できました。 
 こうした入国審査があるから、伝染病の侵入も、テロ組織や犯罪組織の侵入も防げるのだし、また国内の労働市場も守れます。
 海外から低賃金の労働者を無限に受け入れたら、アメリカの労働者の賃金は絶対に上がりません。

 これはアメリカに限らず全ての主権国家に共通の問題です。
 だから出入国管理権は国家主権なのです。 そして民主主義国家なら「どのような移民をどれだけ受け入れるか」と言う事は、国民が決める事ができるのです。

 東京新聞の記事は、しかし「合法移民」と「不法移民」の違いを敢えて無視して、「不法移民」を受け入れないと言ったトランプ氏の発言を「移民は犯罪者」だと捏造しているのです。
 それによりトランプ氏の人格と政策目標を貶めるとともに、「合法移民」と「不法移民」の違いその物を消滅させようとしているのです。

121_20240731113735018.jpg
 
 そしてこれからが東京新聞の最大目的ですが、朝鮮人自称徴用工の話に持ってきます。

◆過去に向き合えるかが問われる

 日本は韓国との間で元徴用工問題を抱える。韓国で日本企業に賠償を命じる判決が続いているものの、日本政府は「解決済み」との姿勢を崩さない。「韓国徴用工裁判とは何か」の著書がある近代史研究者の竹内康人氏は、今回のブラジル政府の謝罪について「重大な人権侵害は、80年たっても問われ続ける」と意義を述べる。
 「日本政府の基本的な考え方は、当時の植民地支配は合法、その下での動員も合法、よって『強制労働ではない』となる」と竹内氏。その結果、「強制連行」や「強制労働」の記述は教科書から消え、群馬県では朝鮮人追悼碑が撤去された。「日本政府も、過去に向き合い、新しい関係を築くきっかけになってほしい」

124_20240731113737d19.jpg

 教科書から「強制連行」や「強制労働」が消えたのは、あの話が完全な捏造だったからでしょう?
 日本政府が正しく歴史に向き合ったから消えたのです。

重大な人権侵害?

 イヤ、日本製鉄への徴用工裁判の韓国大法院の判決文を日弁連が翻訳して掲載してくれたんですけどね。
 ワタシもあれ苦労して読みましたよ。
 

 でもあれをどこを読んでも「人権問題」なんて書いてないんですよ。
 だってあの原告の自称徴用工達は、日本製鐵の求人ポスターを見て応募し、日本国内の日本製鐵の工場で日本人従業員と同じ待遇で働いた事がきちんと書いてあるんですよ。

127_20240731113738243.jpg
 
 それじゃ何で日本製鐵が賠償を請求されるかと言えば、韓国大法院は日韓併合を不当だとしているからです。 日韓併合は不当、よって日韓併合中に行われた事には、全て日本が賠償するべきと言う論理なのです。

 しかしそれにしても論理滅茶苦茶なのです。 
 仮に日韓併合が不当であったのなら、賠償請求先は日本政府であるはずです。 大企業とはいえ一民間企業が日韓併合の責任なんか負えるはずもありません。
 
 イヤ、もうね、ワタシもあの判決分読んでいてアタマがクラクラしました。
 韓国大法院、つまり韓国の最高裁判所の判決文だけれど、ヤクザの言いがかりよりも酷い内容で、何が何でも「金払え」「誠意見せろ」ですからね。

139_202407311137394cf.jpg

 でもこの「徴用工」の話、韓国が未だに執着しているのです。
 そもそもこれまでも日本政府が言い続けてきた通り、また日本の裁判所での判決の通り、日韓併合中の問題は1965年の日韓条約で「完全かつ包括的に解決された」のです。
 そしてこの時、日本政府は韓国政府に日本の外貨準備全額に当たる程の支援へしています。

 当時の韓国政府はこれを高速道路建設等、国内のインフラ整備に使いました。
 この時「徴用工」を自称する人達が、日本に賠償を求めたという記録はありません。 だって1965年だと自称徴用工も殆どがまだ40前後だったのですが、彼等も自分達が日本に出稼ぎに行き、給料を貰った事を覚えているのですから。
 幾ら韓国人でも、この当時は日本での出稼ぎに賠償金を貰うという発想はなかったのです。

 ところが1980年代から韓国は慰安婦強制連行や徴用工などの話を捏造し始めました。 そしてこれは共産主義衰退以降の左翼にとっての最も重要なシノギになっているらしく、日本の左翼も韓国の尻馬に乗って、今もこれに執着しているのです。
 そして「歴史を学ぶ」とか「歴史に向き合う」とかを大義名分に、条約で完全に解決した問題を持ち出して、未来永劫謝罪と賠償を求めるのです。
 これが戦後左翼の基本姿勢ですから、この記事は最後にこう締めくくっています。

143_202407311137407e8.jpg

◆デスクメモ
 外国にルーツを持つ人々に、国を代表して頭を下げる。日本では見慣れない場面だが、ブラジル政府関係者は堂々として表情に曇りがない。率直に過ちを認める態度は、両国の距離を近づけるだろう。外国人が増えている日本の指導者もぜひ参考に。相互理解が戦争の抑止力になる。

外国にルーツを持つ人々に、国を代表して頭を下げる

 ??
 ルーツがどこでも関係ないでしょう?
 ブラジルは移民国なので、インディオ以外の国民は全部「外国にルーツを持つ人々」です。
 それを態々持ち出すって凄く差別的な発想だと思いませんか?

188_2024080114260550d.jpg

 そもそもブラジル政府のブラジル日系人への謝罪は、政府による自国民への謝罪です。 だから純粋に国内問題です。 
 つまり日本ブラジルの両国関係にも相互理解にもなりません。
 勿論戦争抑止にもなりません。  
 それでも東京新聞の記者がこのような事を書くのは、つまりは東京新聞の記者はブラジル日系人をブラジル人とは思っていないからでしょう?

 ブラジルに移民し、ブラジルで働き、ブラジル国籍を取った人々でも、日本出身者ならブラジル人ではないと言う発想だから、こんな奇妙な事を書くのです。
 ワタシは先日このブログで左翼は血統主義だと書いたのですが、こういう一文を読むとこれを確信します。


 ワタシはこれは結局左翼が民主主義国家を理解していないからだと思います。
 だから自国民と政府の問題と、外交問題の区別もつきません。
 だから法治主義も理解できません。
 だから合法移民と不法移民の違いも理解できません。
 そして法に基づいて締結された契約も理解できませんから、国家同士の条約の意味も理解できません。
 
 だから国家同士できちんと条約を締結して解決した問題を無限に蒸し返して、謝罪と賠償を要求できると信じているのです。
 これ個人で考えてもわかるんですが、個人同士でトラブルがあった時に、それを正式に裁判や調停で解決したのに、際限もなく蒸し返して謝罪や賠償を求めたら、お互いの関係が良くなるんですか?
 そんなことをしたら和解なんか絶対不可能でしょう?
 まして国家同士で条約に関係なく際限もなく解決した問題を蒸し返す国とは、話し合いなど意味がない、問題は戦争で解決しかなくなるではありませんか?
 
 でもそれが理解できないのは、結局左翼が感情でしかものを考えられない、そして謝罪と賠償が彼等のシノギだからでしょう?
 だからこうやって執拗に論旨を蛇行させながら長文の記事を書いたりするんですね。
  1. 戦後民主主義
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2024-07-30 12:49

北朝鮮との同盟?? カマラ・ハリス米副大統領

 バイデン大統領は次期大統領選への出馬を取りやめ、代わりにカマラ・ハリス現副大統領が正式に大統領候補になりました。
 バイデン大統領が大統領選出馬を止めた原因は、高齢で認知症が疑われているからです。
 実際、7月にはNATOの首脳会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と言ってしまったりしましたからね。
  
 しかしカマラ・ハリス副大統領なら大丈夫なんでしょうか?
 元記事は英語ですが、カマラ・ハリス副大統領の発言がきちんとわかるようにそのままコピペしました。 日本語訳はDeepl翻訳です。
 Deepl翻訳凄いですね。 殆どそのまま綺麗な日本語になります。

083_2024073012440378e.jpg

Vice President Harris mistakenly touts US 'alliance with the Republic of North Korea'
ハリス副大統領、誤って米国の「北朝鮮との同盟」を宣伝 2,022年7月29日

WASHINGTON — Vice President Kamala Harris mistakenly touted the U.S. "alliance with the Republic of North Korea" in remarks Thursday from Korea's Demilitarized Zone that sought to reaffirm America's commitment to the security of its Asian allies. 
ワシントン - カマラ・ハリス副大統領は木曜日、韓国の非武装地帯でアジアの同盟国の安全保障に対するアメリカのコミットメントを再確認しようとする発言の中で、アメリカの「北朝鮮との同盟」を誤って宣伝した。

"The United States shares a very important relationship, which is an alliance with the Republic of North Korea," Harris said, intending to refer to South Korea as she kicked off remarks after touring the DMZ. "It is an alliance that is strong and enduring." 
「米国は、北朝鮮との同盟という非常に重要な関係を共有している」と、ハリスは非武装地帯を視察した後、韓国を指して発言した。「それは強固で永続的な同盟関係です」。

Although the vice president did not correct herself, she went on to hail the U.S.'s "ironclad" commitment to the defense of South Korea amid threats posed by North Korea. Harris said she told South Korean President Yoon Suk-yeo in a meeting Thursday that "we are aligned on this issue."
副大統領は訂正しなかったが、彼女は北朝鮮による脅威の中で韓国防衛に対するアメリカの「鉄壁の」コミットメントを称賛した。ハリス副大統領は木曜日の会談で、韓国の尹錫洙(ユン・ソクヨ)大統領に「この問題で私たちは足並みを揃えている」と伝えたという。

085_20240730124406c83.jpg

 韓国の英語名はRepublic of  Koreaです。
 北朝鮮の英語名はDemocratic People's Republic of Koreaです。
 何ともややこしいのでパリオリンピックの開会式でも、韓国選手団を「Democratic People's Republic of Korea」とアナウンスして問題になったようです。

 それで面倒なので英語圏でも普段は韓国をSouth Korea、北朝鮮North Koreaをと呼んでいるようです。
 ところがカマラ・ハリス副大統領は公式の演説で、「Republic of North Koreaとの同盟」と言っていたのです。

095_2024073012440693f.jpg
  
 韓国と北朝鮮は地理的にも完全に南と北に当たるので、両国の地理的な位置を理解していたら絶対に間違えようがないと思うんですが・・・・・。
 そしてアメリカが朝鮮戦争に介入し、米軍兵士から3万6千人もの戦死者をだしながら韓国を守ったのも、韓国の地理的な位置が極めて重要だからです。
 
 そしてこのうな地理的な位置関係故に、韓国とアメリカとの同盟は日本にとっても非常に大切です。
 だからそれを理解していない人が、アメリカ大統領になるというのは、日本人にとっても大変心配です。

 バイデン大統領の言い間違いは「高齢」「認知症」が原因でしょう。,しかしカマラ・ハリス副大統領は現在59歳、この発言は2022年の物ですから57歳の時ですから、「alliance with the Republic of North Korea」(北朝鮮との同盟)なんて言った原因はなんでしょうね?
 尤もこの発言をしたときは副大統領だったし、さほどの問題にはならなかったようです。 
 しかしこういう人が大統領になるかも知れないと思うと日本国民としても大変心配です。

  1. アメリカ
  2. TB(0)
  3. CM(0)

2024-07-29 13:53

護衛艦すずなみ見学

 一昨日(7月27日)ヘリ空母「いせ」と護衛艦「すずなみ」を見学しました。
 「いせ」は苫小牧港、「すずなみ」は室蘭港での展示なので、ワタシ達は午前中苫小牧港に行き「いせ」を見学し、午後は室蘭港に移動して「すずなみ」を見学しました。

106_20240729125251aa5.jpg

 苫小牧港から室蘭港まで移動して「すずなみ」の展示まで少し時間があったので、地球岬に行ってみました。
 ホントは港を一望できるはずですが、凄い霧で何も見えませんでした。

114_202407291252522dc.jpg

 この日は一日雨が降ったり止んだりで、天気が悪かったのですが、午後になって一段と天気が悪くなってきました。

115_20240729125254721.jpg

 しかし天気が悪いお陰か、至って涼しかったです。
 最高気温は24℃で、海風を受けていると肌寒い程でした。

122_20240729125256d2e.jpg

 実はこの日は港の傍でお祭りをしていました。
 また陸上自衛隊も装備品の展示をしていたのですが、雨の中で大変そうでした。

126_20240729125258abd.jpg

 さて護衛艦「すずなみ」ですが、これは昔風に言えば駆逐艦にあたるせいか、いかにも軍艦らしく猛々しい姿です。

127_2024072912525989f.jpg

 甲板にもブリッジにも、機関砲やミサイル発射装置など、様々な武器があります。

128_2024072913045019d.jpg

 でも残念ながら今回は甲板の上を一回りするだけで、船内に入る事ができません。

132_20240729130452b11.jpg

 実は15歳から31歳までの人は、アンケートに答える事で、特別に艦内を見学させてもらえるそうです。

134_20240729130453911.jpg

 つまり自衛官の採用目的で、採用対象になる若い人にだけ特別なサービスをしているんです。
 
136_202407291304553d7.jpg

 だったらミリオタのオジサンは、親戚の高校生を連れて行けば良いんですね。

138_20240729130456e66.jpg

 それにしても隊員募集で見学を優遇するなら、自衛隊も故郷納税の対象にしてもらって、自衛隊に納税した人には、特別見学とかさせてやればよいのでは?

142_2024072913045888d.jpg
 
 だってミリオタのオジサンって実は結構高学歴、高所得者ですから、納税額も多いのです。
 だからミリオタのオジサン達を喜ばせたら結構な資金が集まるはずです。
 
147_202407291305021d0.jpg

 こういう見学に行くといつも年配の紳士が子供みたいにはしゃいでいるのを見かけるので、故郷納税式の納税者の優遇見学って絶対成功すると思うんですけどね。

154_20240729130504ea0.jpg

 ところで「すずなみ」もヘリを積んでいます。
 ヘリの機種は「いせ」の物とは少し違うようですが、役割は同じ対潜哨戒です。

160_2024072913295810c.jpg

 だから中の様子は「いせ」のヘリと同じで、後部にはソナーが積まれています。

176_202407291330017da.jpg

 そしてこのヘリも古いのか、座席がボロボロです。

182_20240729133419e5d.jpg

 だから故郷納税に自衛隊も入れたら、座席の修理費ぐらい出るじゃないですか?

183_202407291334203a5.jpg

 戦争は絶対に起きてほしくないですが、しかし戦争も地震や台風と同じで、こちらが幾ら用心しても来ないという保証はないのです。

189_20240729133422af2.jpg

 それを思うと若い自衛官を座席がボロボロのヘリで戦場に送り出すのは、あまりに惨い気がします。

186_20240729133952cec.jpg

 「すずなみ」の傍では陸自が装備品の展示をしていました。
 このバイクは実は民生品で普通に市販されているバイクの色をカーキに塗っただなのだそうですが、凄くカッコイイです。
 ワタシはバイクの趣味はないんだけど、あまりのカッコよさに感動してしまいます。

190_202407291334237af.jpg

 そしてなんとも不思議な物が・・・・・。
 これは94式水際地雷敷設装置と言うのだそうです。
 これは名前の通り水際で地雷を敷設する事ができるのですが、兵員を乗せて海上も陸上も進む事ができます。

192_2024072913342556a.jpg

 この94式水際地雷敷設装置は、幌別駐屯地から来たそうです。 幌別から道路を走ってきたのでしょうか?
 幌別駐屯地は登別市内にあるので、室蘭からそう遠くありません。 しかし太平洋岸ですから、対露防衛には少し不思議な気もします。
 しかし調べてみると、この94式水際地雷敷設装置は東北地方や中部地方にも配備されているようです。 

195_2024072913342652c.jpg

 そしてパトリオットシステム。
 但しホントは他にもレーダーとか色々付属しているのですが、今回はミサイル発射台だけ展示です。
 昨年日本政府はこのパトリオットのミサイルだけをアメリカに送り、アメリカはそれをウクライナに送りました。 そしてウクライナではロシアのミサイルの迎撃に使われています。
 戦争の影は段々濃くなってきました。

198_202407291334288c2.jpg

 自衛艦の見学は久しぶりです。 
 凄く楽しかったけれど、色々考えてしまいました。
  1. 札幌の四季
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2024-07-28 13:10

ヘリ空母「いせ」見学 

 昨日は妹に誘われて「へり空母いせ」と護衛艦「すずなみ」を見学してきました。 「いせ」は苫小牧港に「すずなみ」は室蘭港に来ていたので、朝9時に札幌を出て午前中に苫小牧港の「いせ」、午後から室蘭港の「すずなみ」を見学と言う豪華コースでした。

008_202407281210237fc.jpg

 実は「いせ」は2016年にも一度見学しています。 その時は室蘭港でした。

 よもぎねこです♪ ヘリ空母いせ見学 (fc2.com)
 よもぎねこです♪ ヘリ空母いせ見学 その2 (fc2.com)
 よもぎねこです♪ ヘリ空母いせ見学 その3 (fc2.com)

010_20240728121025b2b.jpg

 この時は初めてだったので無暗の写真を撮っていました。
 しかし二回目でもやっぱり楽しいです。

011_202407281210261b9.jpg

 二回目でも驚くのが「いせ」の大きさです。
 船倉は空っぽなのですが、あまりに広く船の中という気がしません。
 実はこの船倉はヘリコプターを収容するための物で、ここにヘリを8機搭載できるそうです。

017_20240728121028b8e.jpg

 船倉のヘリはエレベーターで甲板へ運ばれます。
 ワタシ達見学者もここに乗って甲板に案内されます。

027_20240728121028340.jpg

 実は「いせ」などヘリ空母の造船計画が出た時、このエレベーターのサイズは、オスプレイやF35でも載せられるサイズだという事が、2ちゃんで指摘されていました。
 そして実際、このヘリ空母のうち「いずも」と「かが」はF35搭載用に改修される事になりました。

035_20240728121030aa7.jpg

 一方「いせ」は今もヘリ空母として使われています。
 ヘリ空母の役割は、文字通りヘリコプターを沢山乗せて、その母船になる事ですが、そのヘリコプターの役割は、潜水艦の探査です。

036_20240728121032323.jpg

 海面から25mぐらいでホバリングをしたままソナーを垂らして、海中を探査しするのです。 
 ヘリコプターからの潜水艦探査をやっているのは自衛隊だけだそうです。

039_20240728121033048.jpg

 だから潜水艦探査の為のヘリ空母を持っているのも自衛隊だけです。
 自衛隊だけがこんな事をするのは、自衛隊が冷戦時代から旧ソ連の潜水艦探査をやり続けた来た結果でしょう。

040_20240728121034862.jpg 

 しかしソ連が崩壊しても、ロシアはまだ侵略戦争を諦めないし、その上中国が際限もない軍拡を続けて太平洋に出てくるのですから、自衛隊側も対潜防衛を強化するしかないのでしょうね。

041_20240728121036f4b.jpg

 見学中にヘリの操縦士の方から聞いたのですが、海面から25mと言うのは、実際に海上を飛ぶ場合はホントに海とすれすれみたいな感じで大変だそうです。
 
042_20240728121037922.jpg

 25mは5階建てのビルの屋上ぐらの高さなのですが、周りに何もない海上で、しかももっとずっと高い所から降りていくのですから、感覚が全然違うようです。
 また10mを超える波もありますから、ホントに海面すれすれと言う感じのようです。

043_20240728121039844.jpg

 4月に自衛隊ヘリ二機が衝突して墜落、隊員8名が亡くなっていますが、この事故は夜間に潜水艦探査訓練をしていて起きました。
 元来非常に危険な仕事なのでしょう。

047_202407281210408fe.jpg

 因みに今回「いせ」が搭載してきたヘリは一機だけです。
 今回は訓練ではなく展示の為の来道なので、一機しか積んでこなかったそうです。

050_20240728124746b8e.jpg

 ヘリコプターも間近に見る事ができました。
 ヘリコプターは4人乗り、二人が操縦し、もう二人がソナーの上げ下ろしや救命活動などをします。

051_202407281247483ca.jpg

 ヘリは結構古いのか、座席が痛んでいました。
 危険な仕事をする人達の座る席なんだから、ちゃんと費用をかけてなおして欲しいです。

053_20240728124749d87.jpg

 このドアの脇にも操縦装置があり、ヘリからソナーを下す時、その作業をする人が、前後左右に機体を動かして、ヘリを作業に必要な位置に持っていくことができるそうです。
 
067_20240728124751f22.jpg

 ヘリは潜水艦探査だけでなく、救急救命作業なども行うので、作業中に作業を行う人が、自分でヘリの位置を決められるようになっているのです。
 
075_20240728124752521.jpg

 しかしこういう仕事は、今後はドローンなどで代用できるようなるのではないでしょうか?
 ウクライナ軍の開戦から2年余りの間のドローンの発達ぶりを見ていると、こうした技術は必要があり、実際に使い始めたら驚くほどのスピードで発達するのがわかります。

078_20240728124754393.jpg
 
 因みにウクライナ軍は今は世界一のドローン技術を持っているのですが、しかしあのドローンの主要部品は殆ど全部、アメリカ製や日本製です。 またドローンの運行に必要なデータ通信も、アメリカ等が全面的に支援しています。
 逆に言えば、日本も必要になればアッと言う間にドローン大国になる事も可能なのです。

080_20240728124755c8c.jpg

 昨日は一日小雨が降って、天気は今一でした。
 最高気温は24℃で、海の上だと肌寒いぐらいでした。 それで案内の自衛隊員の皆さまは迷彩服の上にトレンチコートまで着込んでいました。

081_20240728124757913.jpg

 「いせ」の甲板はあまりに広く、その上全く揺れないので、船の上にいる気がしません。 なんか巨大駐車場にいるような気分でした。 
 でもこれでも外洋に出て大きな波に遭うととんでもなく揺れるのだそうです。

097_2024072812475880a.jpg

 因みに乗員は300人、その一割程が女性だそうです。 案内の女性隊員の方は「楽しい」とおっしゃっていました。 若い綺麗な方だったんですけどね。
 
 中国有事の話が日に日に現実味を帯びてきます。 台湾有事になれば、中国潜水艦への対応でヘリ空母は真っ先に出動することになるでしょう。
 「いせ」の武運長久と隊員の皆さまの安全を祈らずにはいられません。
  1. 札幌の四季
  2. TB(0)
  3. CM(2)

2024-07-26 11:37

良きフランス人として生きている 国民って何?

 フランスの「極右」国民連合(国民戦線)の党首ジョルダン・バルデラの祖父母は父方母方共にイタリアからの移民です。 しかも祖母の一人はアルジェリアからの移民です。
 これについてマクロン政権のアルタ首相は「バルデラは極右なのに、フランス人らしさに欠ける。 自己矛盾ではないか?」と言いました。
 しかしバルデラは「出自に関らず自分は良きフランス人として生きている」と答えました。

 リベラリストとして排外主義、外国人差別に反対する政治家が、出自を理由に他人を「フランス人らしさに欠ける」と言い、排外主義極右と言われる政党の党首は「出自に関らず自分は良きフランス人として生きている」と答えたのです。
 
 実は昨日、こんな動画を拾いました。



 これは7月1日の東京都知事選で、桜井誠を応援していた若者へのインタビューです。 ワタシはこの動画を再生する前に、最初の画面を見た時、この画面の若者は外国人記者かYoutuberで、外国人が桜井誠の支持者にインタビューしているのだと思いました。 
 ところが動画を再生してみると、この若者はイラン人と日本人の混血で、日本生まれ日本育ちの日本人でした。 そして彼は日本人として桜井誠を応援するために、神奈川から来ていたのです。

153_20240726121639ce1.jpg

 そしてインタビューを受けた若者は、自分がなぜ桜井誠を応援するかを熱く語るのですが、それは結現在の日本では外国人が優遇され、日本人が蔑ろにされているという事に対する不満です。
 彼は奨学金で大学に行ったので、現在働きながらその奨学金を返還しているのですが、しかし日本政府は中国人留学生には多額の給付型奨学金を出しています。 給付型奨学金なら貰いっぱなしで返還は必要ありません。

 何で日本人の税金で中国人留学生に奨学金を与えるのか?
 そんな予算があるなら日本人の学生を助けてほしい。
 これは奨学金返還で苦労している若者達からの当然の不満でしょう?

 中国人留学生に対する貸与型奨学金は、中国が貧しく自費での海外留学など不可能な頃に始まりました。 この当時は中国側も日本に対して友好的な姿勢を見せていました。
 また当時は中国の大学進学率も低く、留学生は超少数で超エリートでした。
 だからこれならこうした学生達を日本に留学させる事で、日本を理解してもらい将来の日中友好に役立てるという意味もありました。

 しかし現在の中国では留学生はエリートどころか怪しげな出稼ぎ者だし、中国は日本への敵対姿勢を露にしています。
 このような状況で漫然と中国人留学生に給付型奨学金を与え続ける事には、ワタシも反対です。

148_20240726121641938.jpg

 けれどもこのような無意味な外国人優遇は、他にもあります。
 そりゃ日本の国家予算が有り余り、日本人は税金なんか払う必要がないのなら、外国人への無意味な優遇をいくらでもすればよいでしょう?
 しかし政府はひたすら「国の借金が~~!!」と喚き続け、消費税の増税他、ひたすらなる国民負担の増大を強要しているのです。
 この状況で何で外国人、しかも敵国である中国人を優遇しなければならないのでしょうか?
 これはワタシも非常に疑問です。 
 と、言うより中国人への給付型奨学金など即刻廃止するべきでしょう?

 更に許せないのは、日本の法や社会ルールを無視して、それどころか敢えて破壊しようとする外国人達の存在です。
 で、彼は言うのです。

 日本人の安全を守る為に、日本の社会を守る為に、このような外国人は断固排除するべきだ。
 日本の政治家なら日本と日本人を第一に考えるべきだ!!

 イランにルーツを持ち、容貌も明らかに一般日本人とは違う若者が、このような理由で桜井誠を応援しているのです。
 そして他の桜井誠の支援者達も彼を全面的支持しているようです。

152_20240726121640911.jpg

 桜井誠は「在特会」の創設者でしたが、今は政党「日本第一党」の党首です。 
 「在特会」(在日特権を許さない市民の会)は、新聞・テレビで「差別団体」と非難されました。 そして在特会のデモを「立法理由」として「ヘイトスピーチ規制法」まで作られました。 
 実はワタシも在特会のデモには何度か参加していますし、その時の事をこのブログでもアップしています。
 だからこの若者の発言には全面的に共感できるのです。

 但しワタシが在特会のデモに参加していた頃「在日特権を許さない市民の会」の名前の通り、特別永住許可を持つ在日コリアンを問題にしていました。
 この特別永住許可は戦前から日本に居住していた朝鮮・台湾・満州など戦前まで日本領だった地域の出身者とその子孫に与えられる永住許可です。
 しかし台湾人、満州人の殆どは早々に帰国したり帰化したりしているので、特別永住許可の保持者の圧倒的多数は韓国人と北朝鮮人なのです。

158.jpg
 
 この在日つまり韓国人と北朝鮮人達は「外国人参政権」始め、不当な要求を繰り返しながら、それを日本人が非難すると「差別だ!!」と叫びました。
 ところが日本の新聞テレビなど大手マスコミは、この在日コリアンを要求を全面的に支援し、これに反対する日本人を「差別主義者」と罵倒しました。
 ワタシもネットを始めるまでは新聞テレビからの情報しか得られなかったのですし、元々右翼でも愛国者でもなかったのですが、しかし新聞テレビの情報をだけを見ていても、在日コリアン達の要求は不当だと思いました。

 そもそも戦後、何世代にもわたって帰国せず日本に居住し続けながら、ひたすら日本と日本人を非難する人達と言うのが理解できませんでした。 そしてそう言う人達に好意を持つ事は無理だし、むしろ普通に嫌悪します。 
 こうして在日コリアンに嫌悪感を持つ日本人は多いのでです。
 しかし彼等はこれを「差別」と言うのです。
 
 人を非難し続けて、人に不当な要求を続けたら、嫌悪されて当然でしょう?
 それで嫌悪されたら差別ですか?
 
 しかしインターネットが普及すると、新聞やテレビなど大手マスメディアが報道しない情報も普通に入るようになりました。
 それで民潭のHPや朝鮮新報など、在日コリアンの団体による発信も直接見られるようになりました。
 これを実際に自分の目で見ると、彼等の言い分の余りの不当さにあきれ果てるしかありませんでした。 
 こうして在特会が生まれ、ワタシもそれに参加したのです。

162_20240726121644235.jpg

 因みに在特会の会員には当初から日本に帰化済みの元在日コリアンもいたし、また所謂部落出身者もいました。
 しかしこれについて他の会員が彼等の出自を問題にしたことはありません。
 元在日コリアンでも民潭や朝鮮総連、それに賛同する日本人政治家や言論人などの言動に反対する為に在特会に入った人を拒否する理由はありません。 
 
 つまり在特会の会員にとって「日本人」であることは出自ではないのです。
 「出自に関らず良き日本人として生きている。」人が日本人なのです。 だから日本に帰化し、日本の為に在日特権に反対する人なら、出自に関係なく仲間なのです。

 しかし残念ながら在日コリアンではこうした人は非常に稀な事も事実です。
 韓国も北朝鮮も「民族」を非常に重視するのですが、その民族か否かは血統によります。 そしてそれ故か国籍も血統書か何かのように考えている節があります。
 
 よもぎねこです♪ 国籍は血統書じゃない (fc2.com)
 よもぎねこです♪ 国籍は血統書でも原産地証明でも無い (fc2.com)

163_2024072612164626b.jpg

 そして驚いた事に外国人参政権などを推進する日本の自称リベラリスト達も、同様に国籍と血統書の区別がつかないのです。
 しかし国籍と血統書を同一視するって、ナチス党と同じでしょう? 
 ナチス党はドイツ民族の純血性を重視し、ユダヤ人やスラブ民族との混血者を排除しようとしました。 だから当時ドイツ人の多くが愛国者と認めていた化学者フリッツ・ハーバーまでユダヤ人だという理由で追放しました。

 一方、極右政党フランス国民戦線は「出自に関らずよきフランス人として生きてきた」人なら、党首にするのです。
 そして差別団体から生まれた日本第一党の支持者達も「出自に関らず良き日本人として生きてきた」若者を歓迎します。

165_20240726122146af1.jpg

 これは何とも奇妙ですが、しかし少し考えると理解できます。
 要するに自称リベラリストや左翼は、実は国家も民主主義も理解できないのです。
 民主主義って国家と国民があって初めて意味を成すのです。 
 
 色々意見の違いはあるけれど、みんなこの国を愛してるのだから、仲良くしていこう。
 自分達の生活を守る為に、皆で協力してこの国を守って行こう。

 国民が圧倒的多数がこのような意思を持っていて、初めて民主主義国家が成立するのです。
 これを理解していれば「出自に関わりなく、良き日本人として生きてきた人」は日本人として受け入れられて当然だし、「良きフランス人として生きている人」はフランス人として受け入れられるのです。

 しかしそれができない、理解できない人達は、結局「国家を愛して色々意見の違いはあっても、皆でこの国を良くしていこう。」とは思っていないか?、或いは「自分達の生活を守る為に、皆で協力してこの国を守って行こう。」と思っていないか?のどちらかではありませんか?
 自分の国を愛していない、自分の国を守る気もないのなら、そりゃ犯罪者だってテロリストだっていくらでも寛大に受け入れる事ができるでしょう?

160_20240726122144eb9.jpg

 それにしても「良きフランス人と生きている人」をフランス人と受け入れるって、民主主義の理想じゃないですか?
 そして「どのように生きる心算かわからない人」を無制限に受け入れて面倒を見る事はできないなんて常識以前です。
 しかしフランス革命を起こし近代民主主義国家を作った国で、それを主張する政党が「排外主義」「極右」と非難されているというのは、そもそも現代フランスの国家観が狂っているとしか言えません。
 
 尤もこれは日本も、そしてアメリカなど他の先進国も同じですが。
 
  1. 差別ニダ!!
  2. TB(0)
  3. CM(10)

2024-07-25 12:58

左翼・リベラリストは労働者農民の敵 フランス国民議会選挙

 7月8日のフランス国民議会選挙では、最初の予想を裏切って左派連合が第一党になりました。 
 6月11日に行われたEU議会選挙では、国民連合が大勝利していたので、今回の選挙でも国民連合が勝利すると思われていました。
 実際7月8日のフランス国民議会選挙でも、第一回選挙では国民連合が圧勝したのですが、決戦投票では多くの選挙区で左派に負けて、結局国民議会では極左人民戦線が第一党、次がマクロン率いる与党連合になり、国民戦線は前回より票を伸ばしたものの、過半数には全く及びませんでした。

 これはフランスの国民議会選挙制度では、第一回投票で過半数に満たなかった場合、上位2二名で決戦投票が行われるのですが、マクロンと与党連合、そしてフランスメディアの多くが、必死になって国民戦線に投票しないように運動した結果です。
 マクロンと与党連合は決戦投票で国民連合と人民戦線が残った場合は、人民戦線に投票するように呼び掛けたのです。
 
 しかしマクロンと与党連合は中道左派、人民戦線はその名の通り完全な極左です。 だから政策方針なら与党連合は国民連合にずっと近いはずです。 一方人民戦線は極めて危険な存在です。
 これについて内藤陽介先生は、フランスで議席を持つ政党はとにかく「新参者」、つまりこれまでフランス議会で勢力を持ってこなかった政党を排除したかったからだと言います。



 しかし内藤陽介先生の解説でワタシが興味を持ったのは、EU議会選挙、そして国民議会選挙の第一回投票で、国民戦線が大勝利したかです。 
 この原因は結局、マクロン政権と与党連合も、また左派も一般フランス国民の利益を守る意思がなかったからです。

127_20240725124742a72.jpg

 典型が移民問題です。
 フランスメディアだけでなく日本や欧米のメディアは、国民連合を「極右」「排外主義」と呼び、ひたすら非難し続け来ました。
 しかし国民連合の現党首ジョルダン・バルデラはイタリアやアルジェリアからの移民の血筋です。
 その上ゲイ疑惑もあります。

 これについて与党連合のアタル首相は「バルデラは極右なのにフランス人らしさに欠けるのは自己矛盾ではないか?」と言いました。
 これに対してバルデラは「出自とは別によきフランス人として生きている」と答えました。 
 つまりリベラル政権の首相が「フランス人らしさ」を出自に求めているのに対して、「極右」国民連合とその支持者達は「出自に関らずよきフランス人として生きる人」をフランス人として認めているのです。

 そしてバルデラ自身の出自が移民ですから、国民連合も移民排斥など唱えていません。
 フランス社会に融和して良きフランス人として生きる意思のある移民は歓迎する、しかしフランスの法や伝統に敵対しフランス社会を害するような移民は認めないと言っているのです。
 またこのような発想から、合法移民は認めるけれど、不法移民は認めないというのです。

129_2024072512474305b.jpg

 これ逆に言うと、極左は勿論、マクロン政権もそれ以前のフランス与党も、不法移民の流入は勿論、良きフランス人になる意思などなく、敢えてフランス社会を破壊しようとする移民も、歓迎してきた、少なくとも「排斥」しなかったという事です。 
 実はマクロンだってこうした移民には手を焼いて、何とかしようと努めてはいます。
 しかしマクロン自身が国民連合を「極右」「排外主義」と非難しているのですから、だったらマクロンは不法移民も暴動や犯罪を犯して暴れまわる移民も歓迎していると思われても仕方ありません。
 
 多くのメディアや左派もまた移民の犯罪や暴動を非難する代わりに、移民の犯罪や暴動を非難する人々を「レイシスト」「排外主義者」と非難してきました。 そして移民が犯罪や暴動を起こすのは、差別と貧困で追い込まれているからだと、更なる移民支援を要求してきたのです。

132.jpg

 しかし再々移民による暴動が起きて、車が焼かれたり、商店が略奪されたりするような状況が、一般国民の利益になるはずもないではありませんか?
 勿論、「難民」を歓迎し差別せず、手厚い福祉を与えて優遇するのは、人道から言えば大変立派な事です。 
 だから高邁な人道の立場に立てば、彼等が犯罪を犯そうと、暴動を起こそうと、それは差別と貧困で彼等を追い込んだ社会が悪いと言っていれば、非難される心配はありません。

 しかしその犯罪や暴動の被害に遭った人々はどうなるのでしょうか?
 移民の暴動の度に車が焼かれるのですが、あの車の持ち主は大変でしょう? 
 だって一般勤労者が車を買うのは大変なのです。 それなのに暴徒にその車を焼かれてしまった時、「移民歓迎」「排外主義反対」を唱えている人道的な人々は、募金とか寄付とかしてこの損害を補填してくれるんでしょうか?

136_20240725124747ab0.jpg
 
 そして労働市場を考えた場合、安価な労働力が移民として入る事は、フランス人労働者にとって脅威です。 資本主義社会では労働もまた商品だから、安価な労働力が流入すれば、労働者の賃金は下がるのです。
 また福祉を考えた場合、福祉の恩恵を必要とする人が増えたら、その分必要な予算は増税するか、或いは他の予算を削るしかありません。
  
 安価な労働力とされた移民からの納税は限られています。 それどころか2015年の難民危機でドイツに流れ込んだ大量の「難民」は今も殆どが無職です。 
 そしてこれはイギリスも同様で、「難民」としてイギリスに入り込んだ人々の多くが無職なのです。
 これはフランスでも同様でしょう?
 こういう「難民」を抱え込めば、国が多額の予算を出して養うしかありません。 それでも不満を持って犯罪やテロや暴動を起こす「難民」も多いのです。

 この状況で一番被害を被るのは、一般勤労者、そしてそれよりもさらに弱い立場の人々、つまり病気や障害等で福祉を必要とする人々です。
 ところが「労働者の味方」を標榜するはずの左派も、またリベラルを名乗る与党も、結局「人道」を盾に自国の労働者や弱者を守ろうとしないのです。
 そして現在、こうした移民問題で労働者と弱者を守ろうとしているのが、「極右」国民連合だけなのです。
 これでは国民連合の支持率が上がるのは当然でしょう?

151_20240725124748a3c.jpg

 更にもう一つの問題は環境です。
 これまで欧米諸国は環境を盾に、自動車のEV化、再エネ推進などを進めてきました。 
 更にフランスでは環境を理由に農家に対して化学肥料や農薬の削減などを要求しています。 
 なるほど地球温暖化が危険なら、できる限り二酸化炭素排出は止めるべきでしょう。
 しかしどこまでホントかわからない似非科学みたいな話で、国民は大きな負担を被ります。
 
 実際、2018年フランスでは全国で「黄色いベスト運動」が起きました。 これはマクロン政権が脱炭素推進の為に燃料価格を引き上げた事に対する抗議でした。
 しかしそんな事をされたら、一般国民は大変です。 特に郊外に住み車なしに生活できない人は生活できなくなります。
 ところがマクロン政権は実に安直にこれをやってしまいました。

142_20240725124750ec9.jpg

 また農薬や化学肥料の削減も農家にとっては大変です。
 そりゃオーガニック栽培した野菜や果物の方が、美味しくて健康に良いのかもしれませんが、それで農家の労働負担が増え、収量が減った分を価格に転嫁できるんでしょうか?
 フランスって実は農業生産額世界第二位の農業大国なのに、マクロン政権はどこまで農家の事を考えていたのでしょうか?
 このようなマクロン政権に怒った農民たちは、国民連合に投票したのです。

 こうしてみると結局、左派とかリベラルと言われる人達は、実は労働者農民の敵です。
 左派政党は本来は「労働者・農民」の味方のはずだったのですが、現実には彼等は不法移民や「難民」を大歓迎しているし、環境政策の推進を唱えているのです。
 なるほどその方が人道的でカッコイイとは思います。
 しかしこれだと結局、自国の労働者・農民を苦しめるばかりです。

157_20240725124752498.jpg

 つまり左派もリベラルも、ひたすらきれいごとを唱えるだけで、自国民の生活を守る意思などないのです。 それどころか自国民を苦しめる政策を推進するばかりです。
 そして自分達に反対する連中を「レイシスト」「排外主義者」「極右」と誹謗中傷に励んでいるのです。
 これでは国民は国民連合に期待するしかないでしょう?
 2017年の大統領選挙で国民連合が大量得票したことについてこんな記事がありました。

 フランスのゲイはなぜ極右政党に投票するのか - BBCニュース 2017年4月24日
 
 何とフランスのゲイの大半が国民連合に投票していたのです。 国民連合は同性婚の禁止など、反LGBTの姿勢を明確にしていたにもかかわらずです。
 なぜなら彼等にとって重要なのはLGBTより失業などの経済問題の解決の方がはるかに重要であり、更にフランスの右派よりイスラム教徒の方がはるかに危険だからです。
 幾らLGBTに手厚い政策をしてくれても、それで潤うのは一部の利権団体だけです。 そして同性愛者に敵意をむき出しにするイスラム教徒の増大は、右派よりはるかに恐ろしいのに、リベラル・左派はイスラム教徒の暴力には至って寛大です。
 これならゲイは国民連合を支持するしかありません。

138_202407251256445e0.jpg

 で、ここまで書いて思うのですが、これって実は現在のトランプ支持と同様ですね。
 トランプ大統領は2016年の選挙期間中から、「排外主義者」「レイシスト」と言われ続けました。 そしてトランプ支持者も低学歴低所得の白人至上主義者の男性だけだと言われました。
 しかし例えば今回の大統領選で、トランプ大統領が選んだ副大統領候補ヴァンス氏は、まさに左派の嫌うアメリカ白人貧困層の出身なのですが、奥様はインド系です。
 トランプ大統領の奥様も、スロベニア出身の移民一世なのです。

 つまりどちらも全然「レイシスト」でも「排外主義者」でもないのです。 アメリカの文化や伝統、法を尊重する移民なら本心歓迎しているのです。 
 しかしアメリカ社会を破壊するような移民は歓迎できないと言っているだけなのです。
 同様に環境問題のような怪しげな似非科学の為に、国民生活を犠牲にする事も許せないのです。
 これは国民を守る立場から言えば当然ではありませんか?

 フランスの国民連合の躍進も、またトランプ大統領支持も同じです。
 国民が美しい理想を盾に国民生活を犠牲にする左派・リベラリストに失望し、自分達の為の政策をしてくれる政治家を支持しているというだけではありませんか?
 結局左派・リベラリストは労働者農民の敵であり、それらから国民を守ってくれる政治家を国民は支持しているというだけでしょう?
  1. レイシスト
  2. TB(0)
  3. CM(4)

2024-07-24 10:53

左翼のセンスと昭和の扇子

 昨日、こんな記事を拾いました。


 評論家で作家の佐高信氏が2024年7月21日にXで、ハンディファンを持っている若年層を批判した。

■「団扇も扇子も同じ」「扇子持ってる人と何が違うんや」

 佐高氏はXで「一人で扇風機を持っている若者が嫌いだ」とハンディファンを持つ若者を批判。その理由について「自分だけよければいいという感じで社会が関係ない」と説明した。

 そこから佐高氏は、ハンディファン批判を「都知事選で石丸にイカれた人もそうなのだろう」と、7日に投開票が行われた東京都知事選で、次点となった石丸伸二氏の支持層に絡めて持論を展開する。

彼らは権力を知らない。石丸は市長として権力を持っていた。それに抵抗するのは簡単ではない。ところが権力の存在を感じたことのない者は石丸に同化してしまう

 この佐高氏のポストには、

「団扇も扇子も同じだけど」
  「飛躍ってレベルじゃないで...扇子持ってる人と何が違うんや」
  「扇風機から石丸批判に繋げる不思議理論」

という声が集まっていた。

149_2024072410374869d.jpg

彼らは権力を知らない。石丸は市長として権力を持っていた。それに抵抗するのは簡単ではない。ところが権力の存在を感じたことのない者は石丸に同化してしまう

 なるほどね。 これが学生運動世代、団塊世代の権力観だったんですね。

 確かに石丸氏は安芸高田市の市長でした。 その意味では一般東京都民よりは権力者と言えます。
 だったら蓮舫にも同化したらダメだし、投票してもダメです。
 だって蓮舫は国会議員でした。 民主党政権時にはいくつも大臣職を歴任しています。 
 人口24600人の安芸高田市の市長なんか、指一本で吹き飛ばせるほどの大権力者でしょう?
 
 権力者だから同化してはイケナイ。
 権力者に投票してはイケナイ。
 そんなことを言っていたら民主主義は崩壊します。

175_20240724103749051.jpg

 佐高氏とお仲間が大好きな日本国憲法では、国民が自治体首長を選び、国会から地方議会までの議員も国民が選ぶのです。 
 つまり国民に選ばれた人が権力者になるのです。 
 それなの権力者に同化してはイケナイ、権力者に投票してはイケナイと言うなら、一期でも議員や首長を務めた人には、絶対投票してはイケナイことになります。
 しかしこれが結局、団塊左翼の政治センスだったのですね。

 この佐高信氏は1945年生まれですから、まさに学生運動真っただ中に生まれた左翼言論人です。
 ワタシは1954年生まれですから、安田講堂事件始め学生運動の最盛期には、まだ高校生でした。
 当時のマスコミはこぞって学生運動を美化し応援してたので、高校生にもそれに感化されて、学生運動をまねごとをする連中がいました。
 それで高校一年の時に、ワタシの高校でも全校集会とかがあり、授業が数日ストップした記憶があります。

223.jpg

 で、当時の若者の間では「反体制」「反権力」が絶対正義だったのです。
 若者がこれに共感するのはわかります。 
 だって権力とか体制とかと戦うって、なんか凄くカッコイイです。
 それにそもそも反抗期が終わってない連中です。 親でも何でもとにかく目上の人間に反抗したい年頃なのに、テレビや新聞がその反抗を応援してくれるのですから。
 「評論家」とか「文化人」とか名乗る、エライ人たちが「反抗」を推奨してくれるんですから。

 しかしその「権力」とは何か?、「体制」とは何か? 
 でも佐高氏のツィートを見るとわかるんですが、彼等は結局この「権力」が何であるか、「体制」とは何かを全く考えていなかったのでしょう。
 だってホントに反権力・反体制なら、護憲なんて言えるわけないでしょう?
 ところがこの佐高氏と佐高氏のお仲間は、日ごろ「反体制」「反権力」を喚きながら、日本国憲法大好き!! 護憲派を自称しているのです。

149_2024072410375235c.jpg
 
 しかし日本の体制も権力も、日本国憲法に定められた通りに作られているのです。
 これって中学公民で習いましたよね?
 中学公民で日本国憲法を習うんですけど、その時に日本の司法・立法・行政と言う日本の国家体制が、日本国憲法に基づいて構成されている事を教えられます。 
 だったら、反体制・反権力=反日本国憲法ではありませんか?

 これは全ての法治国家で同様です。
 だから革命やクーデターで国家体制を転覆した連中は、速攻で現行憲法を停止、更に憲法を改正するのです。
 例えば第一次世界大戦末期のドイツで革命が起きて、プロシャ帝国の体制が崩壊した時、革命勢力はプロシャ帝国憲法を改正して、ワイマール憲法を制定したのです。

 ウィキによる佐高氏は慶応義塾大学法学部卒との事なのに、憲法について中学公民レベルの知識もないのでしょうか?
 しかし結局、これが団塊左翼のセンスなんでしょう?
 何でも良いから「反体制」とか「反権力」とか言っていれば、皆から褒められる、誰にも咎められない、だから権力についても体制についても、何も考える事をしないままとにかく「反体制」「反権力」と言い続けたのでしょうね。

143_20240724103754152.jpg

 そしてそもそもそうやって考える事の出来ない人だったのでしょう。
 だからハンディファンを使う若者を「自分の事しか考えない」と言うのでしょう。

 しかしX上で佐高氏に反論している人たちの言う通り、ハンディファンと扇子や団扇はどう違うんでしょうね?
 佐高氏のお年なら、冷房が普及する以前、夏の外出時に扇子を持ち歩く習慣があった事を覚えていらっしゃるでしょう?

001_20240724104034cf2.jpg
 
 冷房がオフィスの常識になったのは1970年前後で、それまではデパートや銀行窓口など接客に関係しない職場では冷房は入っていませんでした。
 それで夏は男性も半袖の開襟シャツ一枚、ジャケットはなしでの出勤も普通でした。
 そして夏の外出には男女共にに扇子を持っていきました。
 
 当時の事ですから、扇子もジェンダーフリーではなく、紳士用と婦人用に分かれていました。 婦人用は紗やレースを使った華やかな物な物が好まれました。
 紳士用は婦人用より少し大きめで、絵柄も地味ですが、涼し気で上品な絵柄が好まれました。 
 こうした扇子はチョッとした記念品や贈答品としても使われました。
 それでワタシの父も扇子を何本も持っていました。  
 今、我が家にあるものだけで7本もありました。 中には一度も使った事がないらしい物もありました。 

007_20240724110602fbe.jpg

 お洒落な人なら扇子に凝るものわかりますが、父は全然お洒落なんかしない人でした。
 それでよく見たら柄に電話番号が入っている物が3本ありましたから、これはこの電話番号の会社からのもらい物だでしょう?

 因みに父の扇子は全部ワタシが持っています。 
 父の形見だし、ワタシは物を捨てられない病気だし、それにしまっておいても邪魔になるものでもありませんから。

003_20240724104037335.jpg

 で、この佐高氏の記事を読んで、箪笥から出してみましたが、どれも父の生前同様、綺麗なままでした。 
 前記のように父はお洒落をする人じゃないので、この扇子も殆どが記念品等のもらい物でしょうが、それでも皆それぞれに涼し気で上品なデザインです。
 これが昭和の紳士のセンスなんですね。

  1. パヨクの世界
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2024-07-23 12:13

自動車産業を第二の半導体産業にするな!!

 トヨタ自工社長、豊田章男氏の発言が深刻です。

不正に揺れるトヨタ、会長「今の日本は頑張ろうという気になれない」(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース 2024年7月16日

大規模な認証不正に揺れるトヨタ自動車の豊田章男会長は18日、「(自動車業界が)日本から出ていけば大変になる。ただ今の日本は頑張ろうという気になれない」「ジャパンラブの私が日本脱出を考えているのは本当に危ない」と述べた。長野県茅野市の聖光寺で開かれた交通安全祈願の催しの後、所感などを報道陣に語った。

豊田会長は「日本のサイレントマジョリティーは、自動車産業が世界で競争していることにものすごく感謝していると思う」と述べた上で、「業界の中の人にも感じるような、応援はぜひいただきたい」と求めた。

100_20240723120433423.jpg

 まず記事のタイトルに「不正に揺れる」とありますが、この不正とは国土交通省が今年の6月に摘発した「不正」です。
 
 トヨタ自動車 マツダ ヤマハ発動機 ホンダ スズキ “性能試験で不正” 国交省 出荷の一部停止を指示 | NHK | 自動車 2024年6月3日

 自動車業界で相次ぐ認証不正 どうなる「日本車」の信頼 | NHK | ビジネス特集 | 自動車
 2024年6月18日

 国土交通省はこの「不正」を理由に、トヨタ、ヤマハ、ホンダ、スズキ、マツダの5社の自動車や自動車部品に出荷停止命令など極めて厳しい処分を下しました。

 これについてNHKの一連の報道を見ていると、ホントに何か重大な不正をしたように思ってしまうのですが、しかし以前もエントリーした通り、この「不正」は科学的にも常識的にも「不正」と言えるような物ではありません。

 よもぎねこです♪ 自動車認証不正の怪 EVと石炭火力 (fc2.com)

103_202407231204341c4.jpg

 これらの5社は海外に広く製品を輸出しています。 その為、国内の安全基準よりも輸出先の安全基準で検査をして製品を開発していたのです。
 輸出先の安全基準が国内の基準より低ければ問題です。
 しかし輸出を考えたら輸出相手国の基準が日本より厳しい場合、相手国の基準に合わせるしかないのです。
 だからこれら5社は、国土交通省が定めた国内基準より厳しい基準で検査をして自動車を開発していたのです。

 これは最近の話ではなく、自動車が日本の主力輸出製品になった頃からの話です。
 だから国土交通省より厳しい安全基準で検査を行う為に独立行政法人自動車事故対策機構(JNCAP)と言う組織を作り、1995年以降日本で日本で市販されている自動車はそこで行っている安全検査を受けていました。

109_202407231204365b5.jpg

 ???、1995年から???
 だったら国土交通省は1995年から今まで29年間、このことを知らなかったのでしょうか?
 んなわけないでしょう?

 そもそもこの手の独立行政法人には、関係官庁からの天下りが沢山入るのですから。
 それなのに、それなのに、国土交通省は今年の6月突然、独立行政法人自動車事故対策機構(JNCAP)の検査を受けた製品を「国土交通省の検査を受けていない不正製品だ」と言い出して、製品の出荷停止命令を出したのです。

 これはあまりと言えば余りに理不尽な話です。
 だからこれについては、国土交通大臣が公明党であることから、中国製EV車を売らせる為に、日本メーカーを迫害しているのだという説が出ています。
 けれどもこの説は証明不能です。

104_20240723120437fff.jpg
 
 しかしこれで思い出すのが日本の半導体産業の末路です。
 1981年、日本の半導体は世界シェアの70%を占めていました。 
 当時既に半導体は「産業の米」と言われ、全ての産業に必須部品となっていました。 この必須部品の70%を日本が作っていたのです。

 これに危機感を持ったのがアメリカです。
 アメリカは半導体で日本がアメリカの優位を奪う事を阻止するため、「日本市場の解放」「ダンピングの防止」などを名目に日米半導体協定を持ちかけました。
 しかし現実にこの協定で実際に行われた事は、日本の半導体市場の20%を外国製品にするなど、数値目標を定めて、日本に半導体輸出を減らし、輸入を強制することでした。

 これは自由貿易の観点からは全く理不尽です。 
 だから本来なら日本政府はこれは断固拒否するべきだったのです。 ところが日本政府は殆どこれに反抗せず唯々諾々とアメリカの要求を呑んでしました。
 そしてその後もアメリカの要求は苛烈になり、日本の半導体メーカーは世界シェアを落としていきました。

107_20240723120850eb6.jpg

 そしてこれを機会に躍進したのは、韓国と台湾です。
 アメリカのメーカーが日本の半導体メーカーの市場を奪い返す事はできなかったのです。
 これには半導体製造独特の事情がありました。
 
 半導体需要は一定ではなく、大きな波があるのです。 そして需要の増減によって、価格が大きく変わります。
 だからメーカーはうまくこの波を読んで、需要拡大を狙って工場の増設など投資をしなければなりません。
 この投資のコストが千億単位なのです。
 波に乗れば莫大な利益が得られますが、読み損なうと工場を増設して生産量を拡大したところで半導体価格が下がり、大きな損出を被る事になります。
 つまり常に大きな博打を打たなければならい産業なのです。

110_2024072312044006d.jpg

 アメリカの圧力を受け、日本政府から庇護もない日本の半導体メーカーは、この博打が打ち続ける事ができなくなりました。 
 一方、韓国や台湾は政府が半導体産業育成の為に、国内メーカーを全面的に支援しました。 その為韓国や台湾のメーカーは、博打の負けは政府が埋めてくれる、勝てば自分の利益となり、いくらでも大胆な投資ができるようになりました。

 これで結局日本メーカーは次々と半導体製造から撤退していきました。
 東芝、富士通、NECなど日本の半導体メーカーは、半導体以外の製品で何とか生き延びていますが、日本の半導体産業は完全に崩壊してしまったのです。 
 一方、半導体製造装置や半導体原料の製造産業は、今も生き延びて世界で大きなシェアを維持し続けています。
 それで日本は半導体製造装置や半導体原料の製造では、世界最高の技術を持ちながら、半導体産業は存在しないという奇妙な状況になっているのです。
 これは結局、アメリカの圧力が半導体製造だけに集中した結果です。

112_20240723120442234.jpg

 今回の国土交通省の国内自動車産業迫害にどういう背景があったのかはわかりません。 
 しかしワタシが想像するのは、欧米がEVシフトに失敗し、結果自動車市場が日本の一人勝ちになった事が問題ではないか?という事です。
 そもそも欧米のEVシフト自体が、日本車メーカー潰しでした。

 日本車は世界でシェアを伸ばし続けて、世界のトップに上り詰めました。
 そこで欧米政治家はエンジン車を禁止すれば、この競争が仕切り直しになり、欧米メーカーが復活すると考えたのです。
 しかしこれは見事に失敗しました。

123_2024072312044348a.jpg

 なぜなら現在のEV技術はまだ未熟で、補助金を出したり、エンジン車に交通規制を掛けたりしても、到底エンジン車の代わりになるような代物ではなかったからです。 
 何より、これで仕切り直した所で、優位に立つのは欧米メーカーではなく、中国メーカーだという事が明白になってきたのです。

 そもそもEV車は結局、全く新発産業なので、どの国にも技術の蓄積のような物は殆どなく、全ての国が同じ所から出発することになります。
 その中で中国は環境も人権も糞食らえ、他国の技術も国を挙げてパクり放題ですから、欧米メーカーより圧倒的に安い価格でEVを作る事ができるのですから。

114_20240723120445e14.jpg

 そこで欧米諸国も慌ててEVシフトを放棄したのですが、しかしそうなると結局日本車の競争力が絶大になりました。
 だってコイツラ、EVシフトの口実にひたすら「地球温暖化阻止」「二酸化炭素排出削減」を喚き続けたのです。
 そうなると結局、ハイブリッド車か軽自動車が一番という事になってしまいますから。

 これに円安が加わって昨年、日本自動車産業は空前の利益を上げたのですが、しかし当然ですかこれを面白く思わない、何とか日本の自動車産業を潰したい勢力が世界中に存在することは明らかでしょう。
 ワタシはだから今回の国土交通省による日本メーカー迫害には、このような背景があると思うのです。

121-copy-0.jpg

 しかし自動車産業は日本にとって最も重要な産業です。
 膨大な雇用が自動車産業によって生まれ、国富の源になっています。
 確かに一つの国が重要産業で世界シェアを独占し続けるのは難しいです。 独占する側はウハウハだけれど他の国が面白く思うはずがありません。
 けれどそれで他国と折り合う為に自国の産業を潰していいのでしょうか?

 ワタシは非常に危機的な状況だと思っています。
 日本の自動車工場を誘致したい国、日本の自動車産業を奪いたい国はいくらでもあるのです。
 このような状況で政府自ら自動車メーカー虐めをやっていたら、日本メーカーが次々と海外移転する、或いは半導体産業のように潰される事になるのではありませんか?
 これだけは絶対に阻止するべきでしょう?

  1. 岸田
  2. TB(0)
  3. CM(8)

2024-07-22 13:05

不正選挙陰謀論と梅田さんの不思議

 昨日突然、梅田さんがアメリカ民主党の大統領候補を降板しました。 
 トランプ大統領の右耳をかすめた弾丸は、梅田さんの政治生命を奪ったようです。

 苺畑より In the Strawberry Fields (hatenablog.com)

 しかしねえ・・・・何で今頃?
 と、言うか何で今まで梅田さんだったんでしょうね?

094_202407221257249d1.jpg
 
 ワタシはこれ凄く不思議でした。
 だって梅田さん大統領候補降板の理由が政策の問題でも、スキャンダルや急病でもなく「高齢」ですからね。
 しかし人間は毎年一歳ずつ歳を取るわけで、それは合衆国大統領だって同じです。
 梅田さんは最近急に高齢化したわけじゃないのです。

 梅田さんは2020年の就任時から十分高齢でした。
 だから就任直後から、梅田さんの体力や記憶力の衰えを指摘する声はあったのです。
 そして大統領になってからも、毎年一つずつ歳を取っていたのです。
 これだと普通に考えたら、誰も梅田さんは今期で限界、来期はもっと若くて健康な人を大統領候補に建てようと思うんじゃないですか?
 それどころか任期途中に梅田さんが倒れる事も十分考慮して、いつでも梅田さんの代わりを務められる人を副大統領にして置くべきと思うんじゃないですか?

 そりゃこれが中国なら長幼の序とか敬老精神とか、高齢でヨボヨボの指導者も好まれるでしょうが、しかしアメリカは違うでしょう?
 アメリカ人は若々しく颯爽とした指導者大好きじゃないですか?
 それなのに高齢で認知症疑惑の大統領候補なんて・・・・。
 けれども民主党は梅田さんを次期大統領選挙に出馬させ、梅田さんもまた老体に鞭打って選挙戦を続けたのです。

099_202407221257263de.jpg

 それにしても何で梅田さんはここまで頑張ったのでしょうか?
 と、言うよりアメリカ民主党は何で梅田さんにここまで頑張らせたのでしょうか?
 他にもっと若く能力もそこそこある人はいなかったのでしょうか?

 それで思い出したのが、2020年の不正選挙です。
 梅田さんが当選した2020年の大統領選挙が不正選挙だったという話は、陰謀論扱いですが、しかしワタシはこの選挙が不正選挙だったと信じています。
 そして2021年2月タイム誌にこの不正の全容の暴露記事がでました。

 The Secret History of the Shadow Campaign That Saved the 2020 Election 2021年2月4日
 
 ワタシと同様英語ダメ子の為に、タイトルを翻訳すると「2020年の選挙を救った影の作戦の秘密の歴史」です。
 ワタシはこれをDeepl翻訳で読んで、内容をこのブログで紹介しました。 元々非常に長い記事なのでここでは全容は書ききれません。 興味のある方はそちらを見てください。

 よもぎねこです♪ 沼地の反撃 陰謀は実在した  (fc2.com)

096_20240722125727082.jpg

 でも簡単に言うと、アメリカ最大の労働組合会長ALF-CIOの会長で選挙のプロでもあるマイク・ボードボーザーが、民主党は勿論、共和党反トランプ、財界、メディアからBLM、アンティファ、中絶推進運動の過激派フェミニストなどの極左団体、更に反トランプの極右団体にまで、全ての反トランプ派とリモートで話し合い、反トランプ勢力を全て結集して、2020年の大統領選挙に勝つために組織化したのです。

 そしてまず財界から集めた金を使って、州・群・市町村などの自治体に働き掛けて、郵便投票の取入れさせました。 
 郵便投票は不正の温床になるので、当然反対意見が出るのですが、これはメディアやツィッター、フェイスブックなどのSNS使って封殺させました。 当時アメリカはコロナパンデミックで各地で厳しい外出規制があった事も、郵便投票推進に有利でした。
 そして中絶推進活動家など過激派活動家を、開票作業員として送り込みました。
 結果、バイデンはアメリカ史上最大の8200票を得て当選したのです。

 このタイム誌の暴露記事は、それまでピーター・ナヴァロやジュリアーニが報告書で書いていた選挙不正不正疑惑を原因を見事に説明してくれました。
 また統計学から見た梅田さんの得票についての疑問も完全に解くことができました。
 だからワタシはこれで完全にこの選挙が不正であったと確信したのです。

100_2024072212572958b.jpg

 そしてこの選挙が不正であったと確信すると、その後の梅田さんの政策の迷走ぶりも理解できます。
 不正選挙の総司令官であったマイク・ボードホザーは、選挙に勝つことだけを考えて、反トランプのすべての勢力に協力を求め、当然ですがその成功報酬も約束しました。
 ところが反トランプ勢力と言っても、共和党左派から極左・極右の活動家まで色々なので、彼等の求める報酬はそれぞれ全く違います。 協力者同士が全く相いれない要求をしていたりもしたのです。
 しかし不正選挙に協力してもらった以上、梅田さんもこれを無視できません。
 だから梅田さんの政策目標は最初から迷走することになりました。

098_20240722125731d06.jpg

 そしてこの不正選挙で一番「ヤバイ」事をやったのは、投票用紙の収集や開票作業で不正を行った連中です。 献金や偏向報道と違ってこれはもう完全な違法行為ですから、もし発覚すれば刑務所へGOです。
 勿論、開票作業や投票用紙の収集で不正を指示したことがわかれば、指示した側、つまり民主党からも刑務所へGOの人が出てきます。
 開票作業や投票用紙の収集で不正をやった連中は、当然これを知っていますから、最も執拗に成功報酬を要求したのです。
 
 だからこの選挙後、梅田さんは左傾化政策に狂奔しました。 LGBTとか国境開放とか環境保護とか、これらの左傾化政策は何の国益にもならないし、一般市民からも支持されない事は、民主党の議員達の大多数もわかっていたでしょうが、しかし不正選挙の弱みがありますからどうしようもありません。

106_20240722125732234.jpg

 それで梅田さんの任期中、内政は迷走を続け、梅田さんの支持率も民主党の支持率も落ち続けたのです。
 だから普通なら、次期大統領候補は梅田さんの不人気を払拭できる人にするべき、という話になります。 
 しかしそうなると2020年の不正選挙の後始末はどうするんでしょうか? 
 例えば民主党内に凄く有能で、若々しくカッコイイ人がいて、その人が次期大統領に立候補したいと言い出しても、それで優秀な人が不正選挙時の協力者を切ったりしたら、民主党の幹部の中から切られる人が出てきます。

 だから不正選挙の後となっては、若くて優秀な人なんて、大統領にできないのです。 後何年、何十年かかるかわかりませんが、不正選挙のほとぼりが冷めるまでは、民主党としては不正選挙の協力者全員とそれなりに優遇し、波風立てない候補を選び続けるしかないのです。
 2020年の大統領選挙で梅田さんが民主党の候補者になったのは、まさにそのような理由でしょう?
 だから次も梅田さんにやってもらうしかなかったのです。

107.jpg

 ところがここに至って、梅田さんの寿命が尽きかけている事がわかりました。 
 このままでは不正選挙のほとぼりが冷める前に、梅田さんが昇天してしまうかもしれません。
 イヤイヤ、その前にトラちゃんが追い上げてきてたのです。
 それでも事情が事情ですから、民主党側も梅田さんの代わりが見つかりません。 イヤ、不正選挙隠蔽の為には未来永劫梅田さんに大統領をやってもらわないと困るんですが、しかしここに至って、漸くそれは不可能と思い知ったのです。

 だって不正選挙に協力した連中からしたら、トラさんが当選したらそれこそ一大事じゃないですか?
 だから何が何でもトランプ当選阻止に回ったのです。

115_20240722130420753.jpg
 
 こういう状況だから、次期大統領選挙はホントに大変ですね。 
 因みに日本からすれば梅田さんは格別悪い大統領ではありません。 アメリカ国内は滅茶苦茶だけれど、外交ではちゃんとトランプ・安倍路線を引き継いで対中包囲網を頑張ってくれました。
 そして円安だって完全に完全に放置してくれたので、日本の輸出企業は儲け放題でした。
 しかしトラさんはそんなに甘くないでしょう。
 そして日本にはもう安倍総理はいないのですから。
  1. アメリカ
  2. TB(0)
  3. CM(6)

2024-07-21 11:55

フィクションとポリコレ 弥助騒動

 アサシングリード・シャドウズの「弥助」問題、何だか異常な方向へ拡大していました。 
 この「弥助」に関してネットに溢れている情報を、内藤陽介先生が上手く集約して解説してくださっています。



 実はワタシは「弥助」の問題について、ゲーム上の主人公なのでフィクションのキャラクターだからと、深刻な問題だと思っていませんでした。
 ゲームの製作会社が「史実」としてこのゲームを売り出している事も、芸能・娯楽の世界ではありがちな広告として、あまり気にしていませんでした。

 よもぎねこです♪ 弥助・黒い悪魔・啓蒙の褐色の星 (fc2.com)

 ところが「弥助」の登場は、何とも厄介な問題を引き起こしていました。。
 この動画で内藤陽介先生が解説しているように、日大準教授トーマス・ロックリー氏なる人物の活動です。
 彼は2015年頃からウィキペディアの英語版で「弥助」に関する記事を何度も書き換えていました。

074_20240721113631042.jpg

 弥助についての歴史資料としてはフランソワ・ソリエが1627年に記した『日本教会史』、「信長公記」「家忠日記」などにごく僅かにあるだけです。

 そしてそれらによると弥助はイエズス会の宣教師によって信長に献上されました。 信長は黒人を見た事がなかったので、目の前で弥助に沐浴させ、弥助の肌がホントに黒い事を確かめると、大変気に入ってその後、傍仕えさせました。 
 このエピソードは司馬遼太郎も信長の好奇心と実証精神の現れとして、自身の作品にも描いています。 だからワタシも随分昔から弥助の存在を知っていました。

 当時弥助は25~26歳、身長180.2㎝の立派な体格で、十人力と言われた力持ちでした。 そして信長は珍しい物好きですから、弥助を傍に置いて可愛がったでしょう。
 だから弥助が環境の変化への適応力が強く、日本語を覚えていたら、武士になりさらには大名になる事だって可能だったでしょう。
 しかし哀しいかな弥助が信長に仕え始めて15カ月後に本能寺の変が起き、主人信長は死んでしまいます。 
 
 イエズス会日本年報では「ビジタドール(巡察師)が信長に贈った黒奴が、信長の死後世子の邸に赴き、相当長い間戦ってゐたところ、明智の家臣が彼に近づいて、恐るることなくその刀を差出せと言ったのでこれを渡した。家臣に弥助をどう処分するかを聞かれた光秀は、『黒奴は動物で何も知らず、また日本人でもない故、これを殺さず』として、『インドのパードレ[注釈 4]の聖堂に置け』と命じた」という記録があります。
 だから弥助は本能寺の変は生き延びたのでしょう。
 しかし以降弥助についての記述は途絶え、弥助は歴史の闇に消えました。 

075_20240721113633372.jpg

 けれども日本に来た黒人、それが信長に仕えたという話は多くの人々のロマンを書き立てのか、日本でも彼を主役にした小説や漫画が随分書かれています。
 問題はロックリー氏がこうした漫画や小説と、史実をないまぜにして自身が作り上げた弥助像を、ウィキペディアの英語版で史実として拡散し、更に2017年には「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」をノンフィクションとして出版しました。 
 またアメリカでも『African Samurai: The True Story of Yasuke, a Legendary Black Warrior in Feudal Japan』したのです。
 そしてこの著書の中で弥助は唯の侍ではなく、日本のヒーローであると描かれているのです。
 これで欧米ではトマス・ロックリーの描く弥助のロマンが、史実として受け入れられるようになってしまったのです。 

 しかもロックリー氏は「信長と弥助 本能寺を生き延びた黒人侍」の中で「イエズス会の反対にも拘らず、日本では権力者たちの間で黒人奴隷を侍らせる事が流行した」などありえない話まで書いています。 
 更にそれが飛躍して「黒人奴隷の使用を始めたのは日本」だとまで言い始めているのです。 しかもそれを信じる欧米人も結構出てきました。
 さすがにここまで来ると、ゲームだから、フィクションだからと言って放置できません。
 これじゃホントに内藤陽介先先生達の心配するように「弥助」が次なる慰安婦強制連行捏造になってしまいます。

077_2024072111363463e.jpg

 それにしても「黒人奴隷の使用を始めたのは日本」って、こんな話を信じるってアタマ大丈夫でしょうか?
 だって戦国時代に日本が黒人奴隷狩りをしていたなら、日本はアフリカまでの航海を普通にできた事になります。 これだと日本の方が西欧に先駆けて大航海時代を迎えていた事になります。
 だったら鉄砲の伝来ももっとずっと早かったはずですよ。 だってアフリカに行けるのだから、中東やオスマントルコ帝国にも十分行けます。 この地域は十字軍のころからヨーロッパと交流があり、鉄砲は勿論、大砲も早くから普及していました。
 だからもし戦国時代から黒人奴隷狩りをしていたのなら、中東との交易も行い、鉄砲や大砲もその頃から入っていないと話が合いません。
 つまり世界史が崩壊してしまうのです。

079_20240721113636f89.jpg

 しかしそれでもこんな馬鹿話を信じる西欧人が多いのは、実はポリコレのせいだから笑えると言うか、笑いごとじゃないと言うか・・・・。
 これはつまり西洋の自称インテリ達が言うほど賢くない、教養がないというだけの話ではないでしょう?
 散々人種差別反対を叫び、黒人奴隷制の悲惨さを反省させられた白人達が、その罪から逃れる為に、どこか別な国に責任転嫁をしたい思うようになってしまったからではありませんか? 
 だから最初は弥助個人の歴史ロマンだったはずが、日本でも黒人奴隷制があった、日本が黒人奴隷制を始めたとドンドン話が膨らんだのです。

 挙句に日本が黒人奴隷制を始めた!!
 それなのに日本は反省していない!!
 なって、日本非難へと傾いているのです。
 泥棒が逃げる時に、「泥棒!! 泥棒!!」と叫んで、自分の前を歩く通行人に罪を被せようとするような話ではありませんか?

082_2024072111363830f.jpg
 
 ワタシはここまで話が歪むのは、現在のポリコレ、人種差別反対運動の問題だと思います。 
 ポリコレ活動家や反差別活動家って、本当の意味で差別をなくそうとしているのではなく、差別をする人間を見つけて糾弾することにだけ注力するのです。
 だから現実の社会で差別が亡くなってくると、今度は昔の話を蒸し返すのです。 つまり歴史上の差別を持ち出して「お前たちはこんな酷い事をやった!! 反省しろ!!」と糾弾し続けるのです。
 そうなると糾弾される方も辛いので、何とかしてその罪を他に擦り付けることを考えてしまいます。
 そして今度は自分達も糾弾する方に回るのです。

 因みにトーマス・ロックリー氏が言う「戦国時代の権力者の間で黒人奴隷を侍らせるのが流行した」と言う話なんて、まさに西欧の話の焼き直しです。
 ルネサンスからロココぐらいまでの間、西欧の王侯貴族や富裕層の間では、黒人奴隷の従僕や小間使いを使用するのが流行していました。
 ヴェネツィアの富豪達は豪華なゴンドラを作り、それを華やかに着飾らせた美男の黒人に漕がせました。
 つまりロックリー氏の記述って、実は自分達西欧人のやったことなのです。

068_20240721113640c6d.jpg

 それにしても人種差別反対始め差別反対って本来は、「人種や性別、宗教、性的指向などの当人はどうしようもない属性に関係なく、全ての人は平等にあるべし」という理想を求めていたはずでしょう?
 だったら先祖の所業などと言うこれまた当人にはどうしようもない事で、特定の国民や人種を糾弾するなんて一番やってはいけない事でしょう?
 しかし現実の反差別運動やポリコレでは一番これが流行っているんですよね。

 だって現実の社会では、欧米でも人種差別は完全になくなりました。 だから黒人が大統領にでも、米軍の統合参謀本部長にでもなれるのです。
 これではもう差別反対の活動で飯を食い続ける事ができません。 だから昔の話でも蒸し返すしかないんです。
 そして昔の話なら、いくらでも適当に話を作れます。
 そこで黒人奴隷制の罪は日本に擦り付けようという話になっているのです。

083_20240721113640e72.jpg

 ところが日本の中にもこれに呼応する人たちがいるのです。 
 何とNHKが2021年にトーマス・ロックリーの言い分をそのまま入れた番組を放送していました。 
 そしてアサシングリード・シャドウズで「弥助」が炎上してからこっそりと内容を削除しています。

 Black Samurai 信長に仕えたアフリカン侍・弥助 |番組|NHKアーカイブス

 日本側がこうした対応なので、ポリコレ側も日本に黒人奴隷制の罪を擦り付けやすいのでしょうね。
 それにしてもNHKはお粗末です。 この番組がホントなら、NHKがこれまで散々放映してきた大河ドラマや歴史関係の番組は全部インチキで、NHKは黒人ヒーロー弥助の存在を隠蔽してきたことになります。
 
 どうするNHK?

087_20240721113642b0a.jpg

 因みに歴史的は黒人奴隷制、つまりアフリカで奴隷狩りをやって黒人を大量に拉致して奴隷として売りさばく事を始めたのはアラブ人です。
 863年に始まり883年まで続いた「ザンジュの乱」と言うのがあります。 ザンジュとはアラブ世界で黒人奴隷をさす言葉です。

 サラセン帝国ではウマイヤ朝時代から黒人奴隷の大規模な使用が始まりました。 黒人奴隷はメソポタミアとその周辺で厳しい労働を強いられてました。 その数は100万人ともいわれます。 
 地図を見ればわかりますが、サラセン帝国とアフリカ東海岸は地理的には比較的近いのです。 だからアラブの商人達はサラセン帝国成立以前から、アフリカと交易をするだけでなく、黒人奴隷狩りもやっていたのです。 

 そしてメソポタミアでの過酷な生活に耐えられなくなった黒人奴隷達が大反乱を起こし、一時は帝国の首都バクダットも陥落しました。
 反乱は最後には鎮圧されましたが、これはアッバース朝衰退の原因になりました。

 西欧諸国の黒人奴隷狩りが本格化するのは17世紀末からですが、イスラム世界の方がそれより1000年早かったのです。
 尤もイスラム世界では奴隷狩りの対象は黒人限定ではありませんでした。 ローマ帝国が衰退し始めてから地中海沿岸でのイスラム教徒による奴隷狩りが深刻化しました。 イタリアやフランス、ギリシャなど地中海沿岸はこの奴隷狩りの被害に遭って荒廃しました。 

089_20240721113643396.jpg

 イスラム諸国が奴隷狩りを止めたのは、19世紀末、アフリカが完全にヨーロッパ諸国の植民地になってからです。
 しかしイスラム世界が完全に奴隷制を禁止したのは1970年代になってからです。 
 尤もイスラム法でもコーランでも奴隷制は禁止していないので、ISやボコハラムなどイスラム原理主義団体は、今でも武力武力制圧した土地では奴隷狩りをやり、奴隷売買をやっています。

 こんな状況なのにイスラム側には何も言わず、代わりに日本を攻撃するのがポリコレなんですよね。
 イスラムを批判するとテロが怖いし、それにポリコレとしては、イスラム世界はカワイソウな途上国だから、批判したら「差別!!」なのです。

090_20240721115445412.jpg
 
 因みにワタシはフィクションとしてなら弥助は非常に魅力的なキャラクターだと思います。
 現在、「将軍」がリメークされて放映され、世界的に非常な好評を得ています。 日本でも絶賛されています。
 「将軍」の主人公は家康に仕えたイギリス人三浦按針なのですが、しかし「将軍」は家康もその他の実在の武将達も実名ではなく、別の名前を使って描いています。
 だからこれは完全にフィクションなのです。 フィクションだけれど、戦後時代と家康の天下統一を日本人から見ても違和感のない程見事に描いているので、世界的に大好評なのです。

 だったら「弥助」もそのような「小説」にすればよかったのでは?
 ワタシが「弥助」を描くなら、弥助の来日を史実よりも15~16年はやめて、日本語を覚え、当時の日本社会の状況を理解して適応して、活躍する時間を与えます。
 そうすれば弥助が下僕から武士になり、信長の最も信頼する家臣になっても違和感がありません。
 そして本能寺の変で最後まで勇敢に戦って果てた事にすれば、凄く感動的な物語になるじゃないですか?
 そうすれば「将軍」との二部作と言える位置を得られます。

091_20240721115939826.jpg

 つまりフィクションは楽しく素晴らしいけれど、ノンフィクションとの峻別は重要だという事です。
 しかし世界中にもそれを理解している人々も多いのでしょう。 
 最初に紹介した内藤陽介先生の動画のコメントを見てください。 殆どが英語その他外国語です。
 だから日本人も日本国民もフィクションはフィクションをして楽しむけれど、史実との違いはきちんと発信していくべきでしょう。
  1. レイシスト
  2. TB(0)
  3. CM(13)