小野ディーがマリー・アントアネットになってしまいました。
小野ディーも元々苦労人で、気仙沼出身と言う事もあって、東日本大震災の時は随分な活躍をした人なのですが、長く自民党の中でやんごとない生活を続けていると、完全な宮廷人になってしまったのでしょうか?
2024年12月14日
自民党の小野寺五典政調会長は15日、X(旧ツイッター)に、年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」の引き上げを巡って、「野党各党は壁をとっぱらえとかいうが、根本おかしいと思う。なぜ学生が103万円まで働かないといけないのか」と自身が同日に札幌市で講演した内容を報じる記事を引用し、「『学業に専念できるよう政治が支援するのが本筋』との意図です」と説明した。
「103万円の壁」の引き上げを巡っては、自民、公明、国民民主3党が引き上げで合意。13日の3党協議で自公は非課税枠を123万円に引き上げることを提案したが、178万円への引き上げを目指す国民民主は「話にならない」(古川元久税制調査会長)と応じなかった。
103万円の壁ができたのは29年前です。
この29年間、物価は役2割上がり、最低賃金は1.73倍に上がりましたが、なぜか課税最低限は103万円で固定されたままです。
また消費税始め、多くの税が増税になり、社会保険料も上がっています。
更に大学の授業料も上がりました。
当然、親の生活は苦しくなっているのですが、それでも大学進学率は少しずつ上がってきました。 これは将来の事を考えたら、どうしても大学を出ておかないと・・・言う社会になって来たからです。
だから親の家計が苦しいのを承知で、自力で学資や生活費を稼ぐ事を前提に進学する学生が増えているのです。
因みに日本学生支援機構の調査では、学生の3割は親の仕送りだけでの進学は不可能と答えています。
だって今は国立大学でも授業料は年間53万8千円です。 私立なら150万を超えます。
自宅から通学できる大学や寮などの完備した大学に進学できれば良いのですが、殆どの学生はそういうわけにはいきません。
通学可能な圏内に多種多様な大学がある地域なんて、首都圏ぐらいです。
それで大多数の学生が、否応なく親元を離れて一人暮らしを始める事になるのですが、その場合生活費は最低限10万円は必要でしょう?
つまり学生が学業だけに専心するためには、国公立大学生で200万、私学生なら300万弱の仕送りが必要です。
これって現在の大学生の親全員が出せるのでしょうか?
勿論、奨学金制度はあります。 でも日本の奨学金と言うのは、そこそこ高金利のローンで、自己破産もできないのですから、借てしまうと返済が大変です。
だから奨学金は最低限にして、あとはできる限りアルバイトと言う学生が多いのです。
小野寺氏はXで、自身の学生時代について「授業料の減免を受け、大学構内の寮に住み、奨学金とバイトで生活費を捻出した」と振り返り、「だからこそ、学生には学業に専念できる国の支援が必要と思っている」と強調。「学生には安心してさまざまな活動に励み、視野を広げて社会人基礎力を磨いてほしい」と訴えた。
小野寺氏は札幌市内の講演でも「学生に十分学業に専念できるような支援をすること。本来はこれを国会でやるべき」とも述べていた。
一方、国民民主の玉木雄一郎代表は15日、Xで小野寺氏の講演の記事を引用し、学生が働かざるを得ない背景について、「・長いデフレで親の所得も伸びない。・インフレで生活費が上昇。・奨学金の所得制限で学生支援も不十分」などと指摘し、小野寺氏を念頭に「学生も親の生活も厳しいのです。まるで(18世紀に豪華な宮廷生活を送った)マリーアントワネットみたいな感覚ですね」と書き込んだ。
アントアネット・小野ディーは非常に優秀な学生だったんだと思いますよ。
だから授業料減免措置だって受ける事ができたんでしょう。 でも元来授業料減免なんて極一部の優等生だけしか受ける事ができません。 全学生に授業料減免なんてやったら大学が破綻しますから。
そもそも大学進学率が5割を超えているのですから、大学はもうごく一部の秀才・優等生だけが行く所じゃないのです。
また富裕層の子弟だけが行く所でもないのです。
現在の大学は、金持ちの子でもなく、また格別な秀才でもなく、それでもとにかく自分の未来を拓きたい若者達が学ぶ場所なのです。
だから必死で働いて授業料と生活費を賄いながら大学を卒業する学生が多数いるのです。
そもそも文科省はこれを前提に訳のわからないFランク大にまで、私学助成金なんて出してるんでしょう?
>だからこそ、学生には学業に専念できる国の支援が必要と思っている
?? それでどこにそんな支援があるんですか?
>学生には安心してさまざまな活動に励み、視野を広げて社会人基礎力を磨いてほしい
?? 小野ディーが必要だと言う「支援」はいつできるんですか?
いつできるかもわからない「支援」を当てにして安心しろ言うのですか?
因みに現在「勤労学生控除」と言う制度があります。 勤労学生がこれを申請すると130万円まで所得税がかかりません。 その代わり親は扶養控除を受けられません。
つまり親の援助を一切受けないで勉学する学生を前提にした制度です。
それでも国立大学の授業料でも年間53万8千円ですから、ホントに親の援助がないとなると、生活費込みで200万弱の収入は必要でしょう?
しかし現在の税制では、130万を超えた分の収入には課税されるのです。
「学生には安心してさまざまな活動に励み、視野を広げて社会人基礎力を磨いてほしい」と言うのであれば、勤労学生については、最低でも国立大学の年間授業料+生活保護費程度の収入までは非課税にするべきでしょう?
それなのに勤労学生控除が130万円でとどまっているのは、国立大学が授業料を上げ続けても、勤労学生控除額を上げずに放置してきたからでしょう?
こんな怠慢を続けた挙句に、まだまだ増税したいというのです。
因みに国民民主党が要求している非課税枠178万円と言うのは、最低賃金でフルタイムで働いた場合得られる金額です。
最低賃金と言うのは、労働者が生活するのに必要とされる最低の給与と言う事で決められています。
つまりこれは人間が生きていくのに最低必要な金額なのです。 だからその金額までの収入には課税してはいけないのです。
この最低賃金は戦後最低賃金法が定められて以降、物価等から毎年少しずつ上がってきました。 だから非課税枠も数年置きに上がっていました。
それで29年前には当時の最低賃金のフルタイム労働賃金から103万円に決まったのです。
ところがその後29年間、非課税枠は29年前に固定されたままなのです。
一体何でこんな事になったのでしょうか?
現在、最低賃金はこの当時の1.73倍になっています。 だったら非課税枠も103万円の1.73倍、つまり178万円になっていたはずなのです。
だから国民民主党は「178万円まで上げろ!!」と言っているのですが、自民党は断固拒否しているのです。
これは学生だけの問題じゃないです。
所得税は所得から非課税枠を差し引いた金額に課税されるのです。
だから非課税枠が上がらないと、全ての勤労者の課税額は増えるばかりです。
非課税枠引き上げは学生だけの問題じゃないのです。 すべての勤労者の問題なのです。
更に奇妙なのが年金受給者非課税枠です。
勤労学生非課税枠が130万なのに、年金受給者非課税枠は158万円なのです。
どう考えても年金受給者の方が勤労学生より生活は楽でしょう? そもそも授業料の支払いがないのですから。
それなのに勤労学生の非課税枠が130万、一般勤労者の非課税枠が103万で、年金受給者の非課税枠が158万円なのでしょうね?
これはもう完全に「働いたら負け」「若者虐め」以外の何物でもないでしょう?
小野ディーはホントにどうしちゃったんでしょうか?
増税モンスターに取り込まれて自分も増税モンスターになってしまったのでしょうか?
それにしても自民党は12月11日に非課税枠178万円への引き上げを目指す事を約束したはずです。
それなのに平然とこれを無視するような発言って何でしょうね?
騙される奴が馬鹿、騙した方がエライ。
こんなの日本人のメンタリティじゃないです。
地球上には「騙した方がエライ、騙される方が馬鹿」と言う国も沢山ありますが、しかし日本はそういう国じゃないのです。
それをこうやって真向から国民を裏切った事を、誇って嘲笑うなんてことをいつまで続ける気でしょうか?
来年の7月28日までですか?
2024年10月29日
何というか凄い話です。
少数与党に転落し、次の選挙は更に厳しい事が予想される政党が、ひたすら減税を拒否し、更には増税まで画策し続けているって、歴史上の珍事です。
こんな珍事が起きるのは、これまで30年間、日本には減税を要求する政党が存在しなかったからです。
これはもう民主制の歴史上の珍現象と言うしかありません。
だって「代表亡きところに課税なし」と言うのが、民主主義の原則です。
それなのにこれまで30年間、全ての政党が課税の強化だけに励んできたなんて・・・・。