森羅万象、始まりがあれば終わりが来ます。
人間の生もそれだけのことですが、
毎年、日本では春夏秋冬4サイクルで回っています。
本日は8月31日で、
気持ちは夏の終わりですが、
気候は明日から変わるわけではありません。
まだまだ残暑は続いて、
少なくとも東京ではとても秋とは思えない気候が続くと思います。
夏の終わりというのは、
なんとなく物悲しい気持ちになりますが、
何故でしょうかね。あの暑い炎天下の日差しを考えたら、
早く秋になってくれ、
と考えたくもなりますし、多くの穀物の収穫も秋にあります。
豊穣とともに秋が来るのですから、
寂しく思うのは、
少しおかしいように感じます。夏の終わりの寂しさには、
何か深い理由でもあるのでしょうね。
ところで人間の死も、
生れたときから定められた、
当然の帰天であり、
号泣するような事実ではないのですが、
生きていたヒトが、
次の瞬間には生きていないということになると、
やはり喪失感は大きく、
号泣するほどの悲しみが発生するのだと思います。
しかしそれの悲しみを味わうのは残された人間だけです。
当の本人は、
何の苦痛も無い、
生れる出でる前の「無」に帰すだけですから。
その残される人間にとって悲しい死も、
突然来ると、
喪失感はさらに大きくなるように感じます。がんなどの病が原因で死に至った場合でも、
悲しみもガン・それを宿した患者さんと同様、
百人百様です。
治らないガンを宿していても、
直ぐに死ぬこととは違うということは、
何回も書いていますが、
「治りません」宣告を受けてから、
標準的な最大耐用量の細胞毒で、
一発ノックアウトなどに至った時には、
残されたご家族の悲しみは計り知れません。しかし、治らなくても、
その病と長い時間、
同居することができれば、
大切な
宝物の時間を楽しむことができると同時に、
ご家族の悲しみも、
その時間により分散されて、
大きな悲しみが、
薄められるように感じます。
当然、ご本人の患者さんの、
QOLも高い治療ほど、
長く楽しい人生を送ることができます。同時に身辺の整理も可能になります。
当たり前の死に対する、
悲しみを緩和することもガン治療の、
重要な要素だと思います。私は、最近疲れも溜まってきました。
レセプトを明朝やっつけて、
時間旅行に出かけてきます。
恐らくネット環境はありませんので、
ブログはしばらく休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
7月31日の
「がん治療のリスク」に対して数日前に、
以下の表のコメントがありました。
通りすがりです。
基礎系教室に所属する通りすがりです。
既に先生もお気づきと思いますが、
某先生の化学療法に関する知識はかなり拙い印象を受けます。
少なくとも標準的な治療に限っても最新の治療成績など
知らないんじゃないかと。
なので先生の書かれている論文からの知識はもっている、
みたいなところも怪しいと私などは感じております。
また某先生は著書で上げている症例もここしばらく変わりなく、
恐らく確信犯なのではないかと思う次第です・・・。
コメント中の某先生が、
私のあの記事の中の某医者と同一人物か否か分かりませんが、
似たような人物だと思います。
同じよな「医者モドキ」は知っています。何年も前から、
座敷牢に入れられ、
ガン治療医としては、
臨床経験は、ここ数十年間は無いような噂を聞いたことがあります。
そしてすでに相当にお歳を召され、
近々、刑期も終了し座敷牢からご赦免になることも決まっているとの噂も、
耳にしたことがあります。
むかし日本が開発した飲む抗癌剤を、
「国の恥」とまで罵り、
週刊誌に散々登場して、
その挙句、効かないことを証明するために、
製薬会社ではなく、
医師主導で治験を行い、
意に反して、
その抗癌剤の効果が確認されても、
主張は変わらない。治験は件の降圧剤ディオバンの治験でも露見しましたが、
治験はそれを実施する側に有利に傾くように、
人為的にもバイアスがかかります。したがって「効果を出してくれ!」と願う製薬会社の治験の結果は、
その分差し引いて考えなければなりません。
逆に、医者が「こんな抗癌剤効くはずがない」を証明するための治験では、
「効かない」方向へバイアスがかかります。
しかし、逆に効果が証明されてしまった。
この事実は、バイアスがかかったうえでのデータですから、
信用することができます。
某先生はその結果を知らないのか、
無視しているのか知りませんが、
その時点から科学者でもなくなり、
その前から臨床医でもなく、ただ一枚の医師免許証という免罪符にしがみつき、
「医者モドキ」として生きている人間のように感じます。目出度く刑期を終えてご出所された後に備えて、
1時間6万円の豪華なセカンドオピニオンハウスを、
新造したという噂を聞いたことがあります。
バブルの絶頂期に、
座っただけで5万円というクラブが、
銀座にはたくさんあったそうですが、
セカンドオピニオン景気はまたバブル期に戻ったようですね。
「がんになったら無治療で死を待つべし」を、
唱え続けたいのであれば、
「医者モドキ」の地位を確保してくれるお札、錦の御旗は、
お上に返上して、
豪華セカンドオピニオンハウスではなく、
「慈慶院」(生を慶び慈しむ)というお寺でも建立して、
アタマを丸めて、仏に帰依し、
説法、お経に専念された方が、
患者さんに実害がなくありがたいですね。
否、すでに仏様の化身であり、
セカンドオピニオン料金は、
来世のご自身へのお布施かも知れません。
是非、有り難い説法を聞くべきかも知れません。無治療でのガンを宿した患者さんに対して、
「死を諭す」だけのお仕事ならば、
論文なんて読む必要はないのだと思います。
座敷牢はヒマなのでしょうね。
経典はたくさんお読みになられているのかも知れません。
万一、そんな「医者モドキ」が、
大学病院などに居たとしたら、
恐ろしい話ですね。
医学論文、臨床データは、
その種の実験・治験を行っている学者先生、
ガンを宿した患者さんやご家族、
および直接がん患者さんの治療にあたる臨床医が読まなければ、
「がん = 死」という考えに憑りつかれた「医者モドキ」が、
それを読んでもナンの役にも立ちません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一昨日の
「パージェタ・残念」でも書いたとおり、
パージェタという期待の大きな分子標的薬が、
本来8月27日までには発売されるはずでしたが、
それが9月中旬にまでずれ込んでしまいました。
製薬会社側は、
予想以上に需要が多くて、
供給が間に合わなかった、という言い訳をしていますが、
本当にそうなのかチョッと、
得意の下衆の勘ぐりを入れたくなります。
8月27日とは、
日本で製造承認が許可されてから、
60日経った日でした。
製造承認とは、
「そのクスリを作って販売してイイですよ」と、
お上が正式認めることです。
その日から起算して、
概ね60日以内には薬価が決まる。
それまでは許可されたとはいえ、
薬価が決まっていませんから売ることはできません。
薬価が決まれば、
公に販売することが可能になり、
勿論、何処でも健康保険で使えます。パージェタはイレッサ、タルセバ、アバスチンなどとは違い、
致死的な副作用の無いクスリです。
しかし、多くの大学病院、がん治療拠点病院などの
大規模病院では、
新薬の場合、
院内での薬事委員会や倫理委員会など様々協議をへて、
やっとその病院で使うことができるようになります。一方、多くの民間の小規模医療施設では、
会議などかたちばかりであり、
小うるさい厳密な薬事審査会など存在しません。
したがって、
患者さんにとって安全で有利と思われる薬剤は、
薬価収載、すなわち発売と同時に使うことが許されます。がん治療拠点病院では、
指を咥えて、
院内会議が終了するまで待っていなければなりません。
そのような惨めな状態を避けなければならない、
と考える、化学療法を牛耳っていたい白衣の閻魔様もたくさんいます。彼らにとっては、
患者の利益よりも、
自分たちの面子の方が重要なのです。
そんな彼らが、
製薬会社に対して、
自分たちが使えるようになるまで、
「発売を延期しろ」
という圧力をかけたとしても何ら不思議ではありません。「ドラッグラグ」が叫ばれて久しい中、
国内にも「ラグ」を作る輩がいるかも知れません。製薬会社側から見れば、
1日でも早く市場に出回れば、
確実に売れるクスリですから、
早い分だけ利益が上がります。
特許の期限も発売日からではありません。
日本のその製薬会社は、
アメリカの本社から、
すでに出来上がっている製品を輸入するだけのことですから、
「品数が揃わないから発売が遅れる」
などと言うのは詭弁にすぎないような気がします。製薬会社の「予定より使用量が多かった」という言葉が本当なら、
60日以上の調査期間がありながら、
その数字を掴めなかったということを意味し、
試算を担当した社員の首は簡単に飛ぶことでしょう。
実際には禿鷹のような製薬会社では、
そんな間抜けなことはあり得ません。
患者の命などよりも、
自分たちの面子・地位のほうが遥かに重要な、
閻魔学会の圧力と考えたほうが妥当だと思われます。昨日、ハーセプチンが日本で発売されてから数ヶ月の時に、
ハーツー蛋白の過剰発現を認める乳ガンが、
手術後間も無く再発してきた患者さんが来られました。
あれから10年以上のお付き合いで、
今も治療中ですが、
お元気で社会復帰されています。
しかしその患者さんも、
ハーセプチンの発売が、
半年遅れたら、
7回忌はとっくに終わっていると思います。命のリレーなんか、
ドウでもイイのが、
現在の日本の閻魔学会のように感じます。地位と名誉のためなら何でもする、
2年前の3月11日の原発事故以降、
そのような姿は、
先ず、本性を剥き出しにした御用学者として現れ、
国民の安全・命は二の次、三の次に考える風潮が
日本中に広がってしまったように感じます。
悲しい国ですね。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日一枚の葉書が届きました。
名前を知らないかたからでしたので、
何だろう、誰だろうと思いながら、
内容を見て唖然としました。
すでに10年以上前だったと思いますが、
手術など不可能なほど巨大で皮膚にも飛び出す状態にまで、
成長させてしまった乳ガンを宿した、
当時60歳を超えた患者さんを診ました。
当然腋窩リンパ節にも巨大な転移病巣がありました。
昨日の
「パージェタ・残念」でも書いた、
ハーセプチンが出て間もないころです。
当時まだ悪魔の遺伝子と考えられていましたが、
今思えばラッキーなことに、
ハーツー蛋白の過剰発現を認めるタイプの乳ガンでした。ご本人も病気のことは、
初診のかなり前から当然自分でも分かっていて、
「いつ死んでもいい」などとかなり自暴自棄になっていました。
まあ、手術はできないし、
「辛い治療は絶対にイヤ」とのことで、
ハーセプチンは効きそうだし、
ハーセプチンの標準量と、
4分の1の量にしたパクリタキセル(当時はタキソールだけでした)だけで、
治療を開始しました。すると見る見るうちに巨大なガンは縮小していき、
1年数か月後に手術が可能になりました。
町田胃腸病院で現在の院長先生に手術をしてもらいました。
病理検査結果を見てビックリしました。
顕微鏡上も、
「がん細胞の存在は確認されず」という状態に至っていました。
当然、治療開始の時には、
浸潤癌であることが顕微鏡で証明されています。
1年以上パクリタキセル(タキソール)を使っても、
カツラの必要はありませんでした。
その後ホルモン剤内服だけで、
お元気に生活されており、
ここ数年は3~4ヶ月に1回程度の通院になっていました。
「あの時、ずいぶん捨て鉢になられていたけど」
「生きているのも悪くはないんじゃないですか」などと言うと、
「こんなに生きていられるとは思わなかった」治ったのか否かは分かりません。
がん細胞のタネが身体の何処かに残っていた可能性もあります。
しかし、手術不能の状態から、
10年以上ガンの存在が確認されないまま生活されていました。
しかし、ガンとは関係の無い病気で突然急死された。という知らせの葉書でした。
苦しむことはほとんどない、
ラクな逝きかただったようです。人間はやはり死ぬ、
という当たり前の現実をあらためて、
思い知らされました。治らないガンを宿していても、
「治らない = すぐに死ぬ」
ではありませんから、
諦める必要なんかありません。
辛い拷問に耐える必要なんてサラサラありません。辛くない治療で十分です。
パクリタキセルを使っている女性患者さんの、
ほとんどがカツラが必要になっていると思いますが、
脱毛が無いレベルでも、
十分に効いてくれます。暑さがぶり返した東京で、
その暑さも吹っ飛ぶビックリさせられる葉書でした。
患者さんのご冥福をお祈りいたします。
合掌以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
2ヶ月ほど前に、
ハーセプチンと同時に3週間に1回の点滴をおこなう、
ペルツブマブ(商品名:パージェタ)という、
新しい分子標的薬が、
製造承認が下りて、
今月中には薬価が決まり、
即、発売になる予定でしたが、
薬価は収載されましたが、
発売が遅れることになってしまいました。当該製薬会社によると、
予想以上に使われるであろうことが判明して、
供給が追い付かないために、
9月中旬になるとのことでした。
それだけ何処の医療機関でも、
期待が大きい薬剤であるという証ではありますが、
遅くても8月27日には薬価収載、
翌日28日から使用開始という手はずで考えていた患者さんには、
たいへんな迷惑をおかけしてしまいました。
申し訳ありません。
薬価が決まったのに使えないとは、
残念の一言です。しかし考えてみると、
10年とチョッと前にハーセプチンが登場してから、
乳ガン治療は大きく変化しました。
それまで極めて予後不良の因子であった、
「ハーツー蛋白の過剰発現」を来す遺伝子は、
悪魔の遺伝子でした、
それが一変、ハーツー蛋白の過剰発現を認めれば、
ハーセプチンが使えて、
予後も大幅に改善されて、
再発予防にも役立つ、
しかも副作用は極めて軽微。ハーセプチンの日本での発売当初、
アメリカでは心不全による死亡者も出ており、
心臓機能障害が懸念されましたが、
アドリアマイシンやファルモルビシンなどの、
アンスロサイクリン系の細胞毒で、
すでに心機能がボロボロにされた患者さんが、
ハーセプチンの、
ごく僅かな心毒性に耐えられなかっただけのことのようで、
発売当初義務付けられていた、
毎月の心臓超音波検査も、
初回開始前の1回だけ大丈夫と分かり、
(血液での心機能は月に1回観ていますが)
安全・安心に使える薬剤で、
患者さんの延命、再発予防に大きく貢献しています。
平成2~3年頃に、
手術症例でその遺伝子を調べたことがありますが、
当時のハーツー蛋白の過剰発現は、
本当に悲惨でした。
悪魔の遺伝子でした。
それを逆手に取ってハーセプチンを作った製薬会社には、
感謝しなければなりません。
しかしパージェタも同じ会社のクスリですが、
残念な結果です。想えばイレッサの時もそうでしたが、
がん治療は命のリレーみたいなところも多分にあります。クスリというバトンを上手く繋いでいくと、
楽しく長い人生が貰えます。チャンスを見逃さないでください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日の東京も涼しくなりましたが、
昨日は急に涼しくなり、
夏の終わりを思わせる天候の日曜日でした。
テレビを点けても能天気な、
お笑い番組ばかりで、
平和な国ですね。
ニュースは毎日のように花火大会での、
露天商のガソリン爆発や、
元歌手の自殺が面白おかしく、
取り上げられています。
事故を起こした露天商は、
恐らく業務上過失致死で有罪になるのでしょうね。
それよりもフクシマの事故のほうが、
何千、何万倍も大きな責任を、
誰かが負わなければならないと考えますが、
あまりにも事故が大き過ぎると、
誰にも責任が無くなるようですね。
アッそうだ、すべての責任は地震と津波でしたね。
困ったことに最近物忘れが酷くって・・・でも、露天商の事故も、
最大の責任者は太陽と発電機だったように感じます。
今の日本では、
現在、事故も深刻化しつつあるフクシマのことは、
忘れてしまったのでしょうか。
杜撰・泥縄とも思われる今の事故処理作業で、
本当にあと30年40年で収束するのでしょうか。
随分前にトボケタ終息宣言を出した人もいましたが、税金を払ってその国に住む一国民として、
とても心配になります。
予想よりも早く、
子供の甲状腺癌が急増していても、
有名な学者先生の説によると、
原発事故とは関係ないそうです。
予想よりもかなり早かったという事実は、
チェルノブイリよりも深刻な事故であった証のような気がしますが・・・
私自身、数年前に町田で診療しているときに、
事故後のチェルノブイリの立ち入り禁止地域を、
一人でキャンプの旅をしてきたという患者さんを診ました。
家族にがん患者はいないというのに、
「何でこんなになっちゃたの」とビックリさせられた、
まだ40歳代の多臓器多発重複がんでした。
当然、手術不能であり治ることはなく、
すでに亡くなられましたが、
チェルノブイリの事故から20年後のことでした。
勿論、その「死の旅」と重複がんの因果関係など分かりません。
しかし、その可能性も否定はできないことも事実です。
8月23日の
「標準的抗癌剤治療の仕組み」でも書いたとおり、
小学校児童に対して、
年に1回の胸のレントゲン写真も、
白血病のリスクを高めることを理由に中止させた日本で、
CTを年間100回くらい大丈夫とは、
根拠は何処にあるのでしょうか。
単純に予算と効果を考えただけだったのでしょうか。
頑張ってフクシマは忘れようとしていても、
福島県産の「絆」の名前の入った商品の宣伝に、
マスコミは余念がありません。
現世の人間のカタチばかりの「絆」は、
来世の人間のDNAの絆を切ってしまう可能性もありえます。しかし、大人でそれが分かるのは20年30年、さらにその後です。
子供ではもっと早く判明して、
損害賠償請求訴訟が、
たくさん起こされることも予想されますが、
その結果がでるのも、
それから20年30年。
先日、福島第一原子力発電所の元所長さんを、
偲ぶ会がおこなわれたようですが、
その人が生前に、
「チェルノブイリの10倍だ」と言った、
という週刊誌を見たような気がします。
そんな暗い気持ちの中、
大塚北口診療所に行く用事があり、
用事を済ませてきましたが、
涼しかったこともあり、
駅前の大きな本屋2店に行ってみました。
ある本の所在を確認したかったためです。
予想どおり書棚にはありませんでした。
店員に尋ねても「知らない」。
やはりまともな本屋には置けない「悪書」扱いにされているようです。
今の日本では
「放射線は安全です」と書かないと「悪書」にされるようです。
がん治療に携わる実地医家が書いた、
「がん難民をふせぐために」というタイトルの本ですが、
ガンを宿した患者さんは勿論、
今後その可能性があるご家族や、
今回の事故で被曝した(している)人は、
是非一目見ておく価値はあるように感じます。
でも、もっと暑い時のほうが、
良かったかも知れませんね。
現実を知らない平和な人が読むと、
少し寒く感じるかも知れませんので。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
「病気と向き合う時間は、家族と向き合う時間」という真っ当な内容のテレビCMが流されていましたが、
かなり副作用が激しい内服の抗癌剤を、
作っている製薬会社のCMでした。
その内服薬は使い方次第では、
非常に良いクスリだと思いますが、標準的に使うと強い副作用を感じられる患者さんも少なくありません。勿論、減量しても効果は得られますし、
副作用を減らすために、
同じ量でも様々な飲みかたがあります。
そのほうが長期間使うことが可能になります。長期間ガンと向き合えれば、
それだけご家族とも一緒に過ごすことも叶う、ということになります。
しかしそのためには抗癌剤・細胞毒とも、
向き合っていかなければなりません。無治療・放置では、
長い時間は得られません。したがって内服の抗癌剤では、
多くの患者さんで、
「最大量〇〇㎎までで、
自分の体調に合わせて、
副作用が容認できる範囲で飲んでください。
絶対に無理はしないように」と言って処方をします。
その量で効果があれば、
容認できる副作用だけではあっても、
普通に生活を続けることが可能です。
ところがご高齢の患者さんでは、
「あのクスリを飲むと食事が摂れなくなる、
しかしクスリだけはシッカリ飲んでいます」と言われるかたが少なくありません。
それは完全な本末転倒であり、
先ず、シッカリと食事を摂ることができることが、
最低条件であり、
食べなければドンドン痩せて、
いずれ餓死します。「はじめのクスリは先ず食事、毒はその後ですよ」
「毒を飲んで食事が摂れなくなれば餓死しますよ」と説明しますが、
高齢の患者さんはアタマがかなり硬くなっています。
「辛くても飲めば治る」と致命的な勘違いをされているかたも少なくありません。
シッカリと状況を理解した若いご家族がサポートしてあげないと、
本末転倒のまま餓死します。
昨日の
「抗がん剤治療」でも書いたとおり、
細胞毒はどれだけ量を減らしても毒は毒、
少量の抗癌剤・細胞毒は免疫活性を上げるという論文は、
幾つも出てきましたが、
身体が受け付けない患者さんもいます。
そのような患者さんに無理矢理、
毒を飲ませたり注入するのは、
文字通りの拷問であり、
治療ではありません。勿論、標準治療すべてが良くないのではなく、
それが最高の治療になる患者さんが存在することも事実です。
しかし普通の生活を続けながら、
ガンと向き合っている間に、
お子さんの進学、結婚、
お孫さんの誕生などに遭遇された患者さんもたくさんいます。
毒とクスリ、
そしてそれを使い理由を、
十分に理解して、ガンとクスリと長く付き合って、
ご家族と過ごす「宝物のような時間」を、たくさん楽しんでください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の
「標準的抗癌剤治療の仕組み」で、
下衆の勘ぐりの一つもしたくなる、
病む人間に対して、
とても治療・手当とは言えない、
細胞毒てんこ盛り注入の処刑のような、
現在の標準的抗癌剤治療の現実を書きました。
百人百様のがん細胞と、
これまた個性に溢れる個々の患者さんに対して、
全員すべて同じという治療など存在し得ないことくらい、
誰が考えても分かることです。本日は患者さんが多いはずの土曜日でしたが、
午前中に十数名の患者さんが来られただけで、
午後1時には診察終了になりました。
その中で、
「こんな量でもダメか」というかたが、
お二人いました。
ダメとは効かないのではなく、
副作用が甚大ということです。
私が言う「こんな量」とは、
白衣の閻魔様なら気絶するような量です。
標準の10分の1、20分の1というような量です。
「そんな量」でも効果があることは、
十分に観ています。しかし、ほとんどの患者さんでは、
「何でもない」
「副作用らしきものは一切感じない」と言われます。
しかし辛い患者さんにとって、
ダメなものはダメなのです。
医者に副作用の辛さは分かりません。いくら量を減らしても、
生身の身体に、
毒を盛るのですから、
それを拒絶する敏感な肉体を持った患者さんもいます。
そのような患者さんは、
けっして少なくありません。
それを何もためらうことなく、
標準的に最大耐用量の細胞毒が注入されれば、
大きな被害を被る患者さんで出るのも、
当たり前です。
大塚北口診療所には、
標準治療一発KOの患者さんも何人も来られています。
治験でのデータがエビデンスとなり、
それが「標準」として採用されるようになりますが、
そのデータはあの「毒攻め攻撃」に耐えた患者さんだけのデータです。副作用が容認できなかった患者さんは、
その治験からは離脱することになりますので、
耐え抜いた患者さんだけのデータです。
当然、生存曲線(=死亡曲線)が示すとおり、
治療開始直後に亡くなった、
治療開始の瞬間までPS.0、
すなわち、元気に働いていた患者さんも出ます。激しい苦痛に襲われても、
「死」はその一切を免除してくれますので、
治療開始直後の一発副作用死は、
ある意味ラッキーだったのかも知れません。
勿論、百人百様のガン・がん・癌では、
標準治療が最善の治療である患者さんもいると思います。
一発KOの患者さんと同数くらいは。しかしそれは、
正規分布表の頂点にいるごく限られた、
一部の「標準的な患者」だけです。多くの患者さんにとって拷問のような治療は、
医療経験者なら、
誰でも「よろしくない」ことくらいは、
分かっているのですが、
何も知らないフリをして
昨日書いたような、
ごく一握りの人間の欲望を満たすために、
粛々と執行されているように思えてなりません。なんだかヘンな国になってしまったようです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
何回も書いていますが、
標準的に大量の細胞毒の注入だけを是とする、
現在の標準的抗癌剤治療には、
無治療と比較して、
本当に延命効果が有るのか否かハッキリしません。ハッキリと分かっていることは、
その治療を執行すると、
半分の患者さんは〇〇ヶ月以内に死亡する、
という事実だけです。それを執行する医者は、
その事実を十分に知っているはずですが、
何故そんな治療モドキが日本全国津々浦々、
何処でもおこなわれているのか、
とても大きな疑問ですが、
その謎が少し見えてきました。
やはり思ったとおりだったようです。
フクシマで子供の甲状腺癌が、
明らかに異常に増加している事実を観ても、
チェルノブイリの事故後と比較して、
検査技術の進歩、
検査手技の差、
などの屁理屈を並べて、
強引に「放射線被曝とは因果関係はない」を繰り返す、
福島県の大学教授がいるようですが、
そのセンセは、
一般市民に対する講演会で、
「毎時100マイクロシーベルトくらいは大丈夫」と言っているそうです。
毎時100マイクロシーベルトとは、
年間800ミリシーベルトを超える線量です。老若男女関係なく健康なヒトに、
1年間CT検査を100回おこなっても大丈夫、
ということになります。
日本の法律規制では、
ご存じのとおり年間1ミリシーベルトです。
かつて、カドミウム汚染が原因のイタイイタイ病や、
有機水銀が犯人の水俣病に対して、
その因果関係を否定し続けて、
その後、叙勲の栄誉を受けた学者先生もいるようです。日本ではお上のご意志に沿う学説を唱えると、
栄誉ある叙勲が待っているようです。
フクシマの巨大被曝事故に対しても、
「絆」という呪文を唱えながら、
「放射線と発癌とは関係ない」
と屁理屈並べて言い続け、
ご褒美がもらえる。標準的な抗癌剤治療も、
学会を牛耳る白衣の閻魔様が、巨額の研究費を出してくれる製薬会社に協力して、
標準的抗癌剤治療を日本全国にそれを浸透させれば、
「標準治療を日本に普及させた」という業績により、
ありがたいご褒美が貰えると同時に、
多額の研究費も転がり込む。下衆の勘ぐりかも知れませんが、
そのようにでも考えなければ、
患者の悩みを救うという使命を持つはずの医者が、
病を宿しただけで元気に生活を送っている患者さんに対して、
大きな苦しみを与えた挙句、
1年以内に半分は亡くなっていくことが分かっている、
治療と称した拷問を執行するのか理解できません。
巨大組織の中で、
患者さんを直接診るような立場の医者は、
上司の言いなりにならざるを得ない状況は知っています。その上司もまたその上の閻魔様からの命令には、
背くことはできません。
一番偉い閻魔様は、
患者さんの惨状を直接診ることは、
ほとんど無い立場になっています。
処刑の執行役である末端の医者は、
大きな矛盾を感じながら、
上司に逆らえば、
認定医、専門医など、
将来の自分の鎧になるかも知れない資格を取れなくなります。昨年の11月27日に書いた
「国立がんセンターの本音」とおり、
自分が全うした職場から離れれば、
本音が出てきます。
そこから去ってしまえば、
その後の業績とご褒美とは結びつかないようです。
だから本来伝えたかった本当のことを、
躊躇なく患者さんに話すことができるようになるのだと思います。
あんな本心を国立がんセンターで喋ったら、
総スカンを食い、
そこには居られなくなったでしょう。
一握りの人間の醜い欲望が、
多くのがん患者さんを苦しめているように感じてなりません。フクシマも同じです。日本は本当に悲しい国に成り果ててしまったような気がします。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
多くの日本人は「がん」という病名を告知されただけで、
慌てふためきます。私は1987年から2年とチョッとの間、
シカゴに居たことがあります。
昭和62年から平成元年までです。
当時の日本ではがんの告知は、
「禁忌」という状態でした。治ることがないがんでは勿論、
根治手術ができる可能性が高い早期がんでも、
ほとんど真実の告知はありませんでした。
しかしアメリカは違っていました。
治るがんは勿論、
「あなたが宿したがんは治ることはない」
とまでキッパリと本人に告げていました。
ノースウェスタン大学に籍を置いていましたが、
別の数箇所の病院も見て廻りました。
どこでも対応は同じでした。
フト気が付くと、
何処の病院にもチャペルがあり、
宣告を受けた患者はそのチャペルで祈る。
その宗教観の違いにより、
「がん」という言葉のみならず、
「治らない」ということまで受け入れることができるのか、
と、単純に考えていました。
あれからすでに25年経っていますが、
数年前から、
「それだけではない」ように感じてきました。たしか当時のアメリカでは強制的な徴兵制度は終了していても、
実質的な徴兵は残っていたはずであり、
実際に今も世界最大の軍隊を擁していて、
ベトナム戦争では多くの犠牲者を出した直後で、
「死」が日常の一部になっていた(いる)のではないでしょうか。
「死」が身近な存在である事実を知っていれば、
慌てることも取り乱すこともないように思います。したがって一見残酷とも思われる宣告を、
冷静に受けることができているのではないか、
と感じます。
一方、日本でも今は、
ご丁寧に神様しか知らないはずの、
余命の宣告までする、
白衣の閻魔様を気取っている医者もいるようですが、
「がん」という病名を聞いただけで、
多くの患者さんが、
自分とは無縁と勘違いしていた「死」を連想するがために、
ただただ慌てて、
恐怖におののくのではないでしょうか。
それにより冷静な判断力を失う。
その結果
「霊感商法」などに騙される。
たしかに癌では、
ザックリ言って半分の患者さんは亡くなります。しかし今この記事を読んでいるかたは、
100年前は「無」であり、
100年後には100%の確率で骨になっています。
それが事実です。抗癌剤治療で癌が治ることはありません。
しかし、然るべき治療を受ければ
それを受けることができる状態であれば、
半分のガン患者さんは、
ガンでは死にません。
もしも、治らないガンを宿してしまっていても、
「治らない = 直ぐに死ぬ」
ではありません。
一般的なヒトの寿命よりも多少短くなる可能性は、
多分にありえますが、
どれだけ大切なヒトでも、
いつの日か必ず死ぬのが生物の掟です。何回も書いているとおり、
ガンという病は、
ご自身の生の意義を教えてくれる、
そして
「宝物のような時間」を与えてくれる、
ありがたい病気だとも思います。
日本は70年近く戦争がないという、
世界でも珍しい国です。
敗戦により押し付けられた民主主義が、
けっして悪いことだとは考えませんが、
それにより、いつの間にか、
「死」という当たり前の現実から逃避するように教育され、
「死」は忌み嫌うものにされてしまっているようです。死を好む人間は居ないでしょうけれど、
「無」の状態から偶然に生まれてしまったならば、
その瞬間から、
「無=死」の世界に戻る宿命を負っています。死を常に意識して生を楽しむと、
充実した人生を送ることができるように感じますが、現在の平和ボケが、
ガンを宿した患者さん、ご家族を不幸にしているように思います。しかし昨日の
「NHKとがん」で書いた、
放射線被爆での数十年後の死は、
ご自身だけの問題ではなく、
世代を超えての事件ですから、
ガンも含めた「自然な死」ではありません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
国民から視聴料金を徴収して運営しているはずのNHKが、
三重県津市と岐阜とを取り違えて
今年の4月から、
4ヵ月半も逆の気象情報を流していたそうですね。
延々と4ヵ月半にもわたり、
誤報・間違った情報を流し続けたそうです。
昨日5時台のテレビニュースで、
呉越同舟であろう民放は鬼の首を取ったようにはしゃいで、
その放送・誤報を紹介していました。
民放によれば、
つい先日、正しい元情報を流した気象庁の職員が、
偶然NHKのテレビを見て気が付いたそうです。
18時以降チャンネルをNHKに変えましたが、
NHKはその事件には一切触れていません。
全国放送では流したくないのでしょうね。
誤報を流した責任、
その時間の視聴料金は返金されるのでしょうか。気象情報はひとによっては、
生命をも左右しかねない極めて重要な情報です。
それでも件の放送局は、
全国放送では謝罪もしない。
マスメディアの情報とはその程度のモノです。8月18日の「がん治療は情報戦」をはじめ、
何回も書いていますが、
がん治療には、
情報は極めて重要です。
しかし困ったことに、
件の放送局は、
がん似非情報をたくさん垂れ流しにしています。「夢のがん治療」を披露したり、
「〇〇さんのガンは絶対に再発しません」などと、
真顔で冗談を言ったり、
(再発の可能性がゼロならば癌とは言いません)
などなど酷いものです。
視聴率を上げるためには手段は選ばないようです。
その放送局をはじめ日本中の各局が流していた、
あのフクシマの事故の後の、
「直ちには被害はない」の、
「直ちに」は、
少なくとも5年以上程度を指す言葉かと思っていましたが、まだその半分も経っていない今、
すでに子供の甲状腺癌が明らかに、
自然発生数を超えて異常に増加しているようです。半減期が短く、
多分、現在は存在しない、
放射性ヨウ素の体内被曝が原因でしょうけれども、
現在も大量の放射性汚染水の漏洩が問題になっているようです。
セシウムの他に骨へ蓄積するストロンチュームなども、
含まれているそうです。
恐らく東京電力・原子力の巨大な利権の傘の下のマスメディアですから、
公表の数字が実際よりは、
かなり少ないことも疑われます。
もし、その数字どおりであったとしても、
ヒトはその場所に数日間いれば、
発癌を待たずに簡単に死ねる線量です。すでに十分量を被曝してしまった被害者は、
その線量に応じて、
今後数十年を経て発癌の可能性が高くなりますが、現在も大量の放射線被曝のリスクが、
フクシマに存在しているとなると、
被害は今後も続き、
さらに拡散しつつあるはずです。
日本近海の綺麗な水も汚染されて、
その汚染は海水を介して、
魚や陸地にも及ぶことが危惧されます。8月9日のナガサキの日に書いた、
「原爆・原発」のとおり、
世界唯一の原爆被曝国が、
それとは比較にならないほど大量放射線の自爆国になるとは、
何ともお粗末なはなしですね。日本のマスメディアの偏向報道・情報操作では、
多くの被害者を出す可能性もあります。正確な情報を何も知らずに、知らされずに、
将来のガンが発生して、
死にいく人間も数千から万単位で出る可能性もあります。
すでに子供の甲状腺がんが発生している現状を、
如何に考えるべきでしょうか。日本の原子力政策を進めてきた政府は、
東京電力を保護するのではなく、本当にお気の毒なフクシマの住人を、
手厚く保護したうえで、
薄っぺらな「絆」という、
呪文、合言葉など捨てさせて、
真剣に現状を考えるべきだと思います。事故当時のフクシマでは、
マスクをしていると、
白い目で見られ、
村八分にされたという噂がありました。
マスクで「絆」が損なわれると思ったのでしょうか。
体内被曝をある程度は防げたと思いますが。「直ちに被害はない」が口癖だった、
某官房長官は凄い厳重装備でしたね。
すでにガンを宿してしまっている患者さんには、
国是であるらしい標準的抗癌剤治療を勧めるメディアもあります。そのマスメディアの情報に翻弄されて、
拷問の挙句、死に至るヒトもいます。
本当にお気の毒です。考え方次第により、
どうせ人生たかだか80年ですから、
その数十%が減っても、
ドウでもイイのでしょうか?
しかし、被爆者本人だけではなく、
被害が子々孫々に及ぶことは、
だれも容認できないと思います。
日本にも言論統制が存在するようです。
がん・治療に関するマスメディアの報道も、
真に受けたら、フクシマの子供の甲状腺がん同様に、
酷い目に遭います。
十分にご注意を。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
お盆も終わり、
懐かしいご家族もお帰りになり、
すでに8月もあと10日余りだというのに、
東京は、毎日、毎日、
酷暑が続いています。
これも昨日書いた
「がんと異常気象」の一環なのでしょうね。
犯人は人間だけではないと感じます。
人類が住まわせて貰っている地球様が、
チョッと熱を出しているだけですので、
ご主人様に従い生活を楽しむべきなのだと思います。人間は一般的にここまで暑いと、
8月14日の「鋭いコメント」で書いたとおり、
バカ猫同様に、
やる気が削がれますが、
ガン君はご主人様の体温に守られて生きていますから、
暑さで元気を失ってくれることはありません。
年中無休で活動しています。この暑いさなかにも、
ガンに栄養を与えるから、
アレは食べちゃダメ、
コレも食べないほうがイイ、
などと根拠の無いことを吹聴して、
塩分抜きの玄米菜食、
ニンジンジュースという、
お決まりの「死への誘い定食」を勧め、
結局はサプリメント業者と結託して、
何の効果も無いサプリ漬けにする輩もいるようですが、
そんなモノに騙されたら、
ガンを宿した患者さんでは、
すぐに栄養状態の悪化を招き、
餓死に大きく近づいてしまいます。体力を消耗する暑いときこそ、
十分な栄養を補給してください。
塩抜き玄米菜食・ニンジンジュースは、
酷暑の中、
ただの偏食を超えた「餓死定食」です。お盆で帰って来られたご家族にお供えしたのは、
玄米飯と野菜とニンジンジュースでしょうか、
定番のお饅頭と、
故人が生前好きだったものではないでしょうか。
凡人の目からは、
人間は生きているうちしか、
食を楽しむことはできないと思いますけど。
大切なご家族に対して、
悪気は無くても、
厳しい食事制限を課したご遺族の後悔は、
生きている限り続くことになるはずです。さらに
7月23日の「がんを無治療??」で書いたとおり、
すべての抗がん剤治療はおろか、
手術治療まで否定し、
江戸時代のような無治療を勧める輩まで存在するようです。むしろ江戸時代のがん治療のほうが、
「癌」という病名も現在ほどは知られていなかったはずであり、
効果が無いにしても、
何らかの「手当て」を受けているという、
安心感はあり、
「現在のがん」に対して、
無治療で放置されて、
確実に増大してくる病の恐怖に晒されるよりも、
江戸時代のほうが遥かに人間的で、
幸福だったように思います。勿論、江戸時代には、
拷問のような細胞毒の大量注入など、
存在しなかったと思います。
しかし、恐らく江戸時代以前から現在でも、
有名なトリカブトを弱毒化した漢方薬は使われていますので、
むかしの治療もけっして安全というものではなかったと思われます。
漢方薬が無害・副作用が無い、
というのも迷信です。
現在の健康保険の範囲内の漢方薬は比較的安全ですが。
標準的に細胞毒てんこ盛りの拷問。
はたまた、無治療という精神的終身刑。さらに巷には
8月17日の「霊感商法」なども横行しています。
暑くて思考回路がショートしがちな、
患者さん、ご家族の治療選択の道は厳しいですが、
アタマを冷やして、
冷静に判断してください。
「がん治療は情報戦」です。
オーバーヒートでのエンストに注意しながら、
情報収集に励んでください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
日本全国お盆休みが終わり、
厳しい残暑の中、今日から仕事再開のかたも多いと思います。
最近、日本各地で、
記録的な豪雨に襲われたり、
逆に日照りで農作物に被害が出たり、
潮流が変化して取れる魚の種類が替わったり、
取れなくなったり、
「異常」と云われる気象状況が続いています。日本だけではなく世界中のことだそうです。
すべて「地球温暖化」が犯人だそうですが、
本当にそうでしょうか。6万年後には、
地球全体が凍りつく氷河期が来るそうです。もしかすると、
地球温暖化が世界各地での異常気象の、
小さな因子になっているのかも知れません。
しかし毎年同じ気候を維持することのほうが、
よほど不思議なような気がします。
ただ「変動」は文明を持ってしまった人間にとっては、
「不自由で厄介」というだけのことではないでしょうか。
太陽と地球と月、
それ以上に太陽系、銀河系、
さらにそれを取り巻く大宇宙と云う存在から考えれば、
顕微鏡レベルの存在でしかない地球なんか、
毎年、多少ガタツクのは当たり前のように感じます。
鹿児島の桜島もクシャミをしたようですね。実際に地球の46億年の歴史の中で、
氷河期・温暖期は繰り返されているようです。
我々のご先祖様の猿人類が登場した後にも、
氷河期と温暖期が繰り返されているようです。
当然、文明など無かったご先祖様の時代です。
温暖化が異常気象の元凶であり、
温暖化を防げば解決する。
という単純な問題ではないように感じます。もし本当に人間が温暖化に多少寄与しているとしても、
それを防ぐだけで、
異常気象?を抑えることなどできないように感じます。
それよりも地球温暖化を悪者にして、
それを予防することで巨大な利益・利権を得ようと目論む、
作為的な輩が暗躍しているように感じます。
46億年の歴史上地球は様々な試練に遭っているようです。
最大で最後の試練は、
発達しすぎた人間の手による、
環境の破壊であることは事実のように感じます。そして、それにより将来人類自ら消滅して、
その後、地球の存在も無くなるのでしょうけど・・・ところで、
昨日の「がん治療は情報戦」でご紹介した、
他の「がんネタ」本とは一味違う、
「がん難民をふせぐために」という書籍にも、
そこらへんのキナ臭い真実も書かれています。
それはともかく、
人間の命など、たかだか80年。7月21日の「病気の悩み」でも書いたとおり、
10万年以上もむかしの人類にも、
ガンが発生していたという痕跡が見つかっているそうです。
がんという病気の有無に関係なく、
将来100%の確率で死ぬということは、
人間という小さな生き物にとって、
ごく自然な出来事であり、
ガンが発生してきたからといって、
それは「異常」ではありませんので、
特別に慌てる必要はなく、
ガンが発見されたら、
「これ幸い」と、
人生を楽しみながら、
その時間を可能な限り長く維持することを考えるべきです。個々の価値観に依りますが、
そのためには、
手術が可能であればそれを受けることも必要です。
ただし大量の細胞毒による、
体内汚染で自滅するような法策は、
避けたほうが無難だと思います。この異常に暑い夏も、
地球という神様のお遊びであり、
小さな人間はそれに従うしかありません。
暑かったら、
たくさん水を飲んで、
エアコン、扇風機、団扇に打ち水、ビールなどで、
涼を楽しむのも素敵です。
寒いところでは涼は楽しめませんから。昨年の12月28日の「ガン治療の常識?」で紹介した、
真冬の旭川は東京人の、
寒いという常識を超える温度でした。
あそこで涼は、
絶対に楽しめません。
常識に囚われていると、
一番大切なものを失います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がん治療を患者さん自ら考えるうえで、
情報は絶対に必要です。ということは何回も書いています。
「がんという難しい病気だから素人には無理」
「専門家に任せておけば最善の治療をしてくれる」と考えているかたは少なくないように感じます。
しかしそれは致命的な勘違いです。
たしかに、がん治療を専門とする医者もいます。
しかし、私もそうですが、
患者さん個々の価値観などはまったく分かりません。がんという病気では、
ザックリと言って、
半分の患者さんが亡くなります。ご自身の人生観をシッカリと持っていないと、
その人の命の賭けた病気に対する治療法など、
決められるはずがありません。一般的に手術不能で、
不幸にして腫瘍内科に廻されるや、
そこで執行される拷問のような、
標準的に最大耐用量の細胞毒の注入という儀式は、
患者という個々の人間の価値観など、
まったく考慮されてはおらず、
100%確実な死が前提の治療です。治らないガンを宿した、
多くの患者さんは、
何の情報も無く、
本当に有るのか無いのかも不明な、
僅かな延命に望みを託し、
人生と命を失います。しかし、
「標準治療 → 拷問 → 確実な死」という、
ほぼ正しい情報だけを察知していて、
その考えだけに執着してしまうと、
ただそれを避けるためだけに、一昨日の「ガン免疫霊感商法」昨日の「霊感商法」などの似非治療の餌食になります。
アレも2億3億円程度の費用は何でもない、
というほど無尽蔵にお金を持っていれば、
治療効果はまったく期待できませんが、
細胞毒で苦しむよりはマシかも知れません。
しかし莫大なお金を使うことで、
家計が狂ってしまうような、
一般的な金銭感覚の患者さんでは、
絶対に近付かないことです。
プロの巧みな「騙しの口上」に引っかかり、
入り込んだら最期、
アリ地獄からは抜けられません。がん・がん治療に関する情報は、
無尽蔵に書店・ネットなどで、
垂れ流しにされています。
その中には「霊感商法」「似非治療」も、
獲物を待ち構えるようにヒッソリと存在しています。
玉石混交の情報です。
情報の取捨選択は、
医学素人の患者さんご家族には難しいと思いますが、
確実な情報の把握は、
間違いなく患者さんの延命につながります。今年の4月から大塚北口診療所でも、
専門の先生に来てもらい、
抗癌剤治療と併用で免疫細胞療法を実施していますので、
そのためだと思いますが、
最近、患者さんご家族から、
免疫細胞療法についてよく聞かれます。
私の個人的な考え方ですが、
免疫細胞療法が最大の効果が得られるのは、
根治手術後の再発予防として利用する時だけだと考えています。その他の用途ではほとんどお勧めしていません。
話しは逸れましたが、
現実の問題として、
様々な情報を取捨選択しなければなりませんが、
「がん難民をふせぐために」という、
他の「がんネタ本」とは、
違った角度から観た、
現在のがん医療、現在の日本の医療情報について書かれた本があります。
ウソは書かれておらず、
参考になる部分も多々あるように思います。
氾濫している情報のなかでは、
読んでみても良いように感じます。
お盆休みも終わったようですが、
その休みの時間を、
どれだけの患者さんご家族が、
情報取集に充てられたでしょうか。
その情報は、
命の長さとQOLに大きく反映されるはずです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日「ガン免疫霊感商法」について書きましたが、
霊感商法は、
むかし随分と話題になったような気がしますが、
ガンなんて、
何も知らなくても医師免許をもった人間が、「ガンかも知れないな~」
「ガンに違いないな~」と言えば法律の網に引っ掛かることもなく、
明らかに詐欺と思われる霊感商法が何の制限も受けずに、
抜け抜けと実行することが可能です。
恐ろしいことに、
医者の霊感商法は一度足を踏み込んでしまうと、
二度と抜け出すことができなくなります。
「止めたらガンが悪化しますよ」の一言で。同時に、途中で騙されたと気付いたときには、
それまで費やした莫大なお金と時間が、
まったくの無駄であったという事実を、
すなわち自らの過ちを、
自ら認めなければならず、
それが大きな苦痛になり、
騙されたと気付いても、
続けることになります。オレオレ詐欺に、
何回も引っかかるお年寄りは、
騙されたことにうすうす気付いてはいるも、
すでに支払った大金が、
まったくの無駄であった、
という事実を認めたくない、
という被害者心理から、
何回も自ら騙されます。
詐欺師もその心理を巧みに利用します。
一度入り込んだらお終いです。抜け出すことができるのは、
まったく効果などなく、
順当に死に至ったときか、
吸い取られるだけ吸い取られて、
お金が無くなったときです。ネット上でも、
その宣伝は華やかですが、
絶対に近付いてはいけません。
近付いたり、
興味を持っただけで、
ガンを患った患者さんや、
ガンかも知れない、
あるいは再発の疑いもある、
などと考えているかたでは、
自然と吸い寄せられるようです。
凄い引力を持っているようです。
夢のような治療を見たら、
直ちに無視してください。夢のような治療など存在しませんし、
それが万一あれば、
世界中の医者、製薬会社が注目して、
1個人だけしか行わない治療になるはずがありません。
学会云々を謳っている施設もあるようですが、
学会など誰でも何時でも立ち上げられます。
このブログをご覧のかたも、
「大日本ブログ学界」を立ち上げることも可能です。
そんな気はありませんが、
私でも「減量抗癌剤治療学会」などと命名してそれを立ち上げて、
会長、理事長に就任することも可能です。
一般的に抗癌剤は高価です。
分子標的薬のアバスチンなどは、
100mgで5万円近くします。
肺がんなどでは、
体重60Kgの患者さんで1回量は、
15 X 60 = 900mgになります。
40万円以上です。
勿論、健康保険でしかも高額医療になりますから、
患者さんの負担はそれほど大きなものにはなりません。
先日、セカンドオピニオンを、
聞きに来られた患者さんから聞いた話だと、
訳の分からない免疫を上げるという内服薬??で、
一月50万円もかかるそうです。
勿論、保険は使えません。抗癌剤の薬価が高いのは、
開発費に数百~数千億円という莫大な出費を必要とするために、
妥当な薬価だそうです。
しかし1個人が、
それだけの私財を投げうって開発したとは思えません。
「ガンが治る水」ア〇マ水もいまだに横行しているようです。
世の中他人の恐怖に付け込む、
悪質な詐欺商法が、
ガン治療の現場でも、
かなり浸透しているようです。
十分にご用心ください。
治らないガンと診断されても、
すぐに死ぬ患者さんはいません。
同時に、似非治療で根治をみた患者さんも存在していません。万一引っかかってしまった場合には、
多額のお金が不当に動く場合が多いですから、
消費者庁などへ相談するのも一法です。私が実行している治療でも、
ガンが治ることは期待していません。
治ったモドキ状態で何年も経過している患者さんは何人もいますが、
治ってはいません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
乳ガン手術後何年も経過した後で、
転移も疑われる、
ごく小さな腫瘤が発見されて、
その後1年間以上も、
経過観察するもまったく変化が観られない、
という患者さん来られました。
大塚北口診療所でCT検査をすると、
たしかに、腫瘤は観られるも、
小さすぎて性状不明でした。
当然PET-CT検査も行われていて、
それでも性状不明。
そのような場合、
頻回に経過を行っていきますが、
残念なことに、
すでにガンの霊感商法に引っかかってしまっていました。数十万円かけて、
腫瘍マーカーを幾つも調べて、
さらに免疫系統の検査をして、
乳ガンとまったく関係の無い、
特異な腫瘍マーカーが僅かに高いことネタにして、
「再発の可能性が極めて高い」と脅され、
数か月前からひと月に50万円もするという、
お呪いのようなくすり?を処方されて飲まれていました。
酷い話です。
免疫系統の検査でガンの存在は分かりません。
血液を取るだけでそれが分かるなら、
人間ドックも検診も不要です。また、腫瘍マーカーもたくさん測れば、
一つ二つ多少の異常値が出て来ることは珍しくありません。
私は自分自身で、
東京の町田市で「うめざわクリニック」をひらいていた時に、
ほぼすべて腫瘍マーカーを調べたことがあります。
見事に3項目ほど、
明らかな異常値が出てきました。
その後CTやMRI、PET、内視鏡などの検査を行いましたが、
何も見つかりませんでした。
その後も検査を希望された数名のかたに、
健康保険どおりの値段で、
二十項目程度の腫瘍マーカーを行ったことがありますが、
すべて正常と云うヒトはいませんでした。同時に、それでガンが見つかったかたもいませんでした。(保険どおりの値段でも20項目も想定すると3万円近くかかります)前立腺癌の腫瘍マーカーPSAでは、
人間ドックでも採用されているところも多いようですが、
早期の前立腺癌が発見されることも珍しくはありませんが、
その他の腫瘍マーカーでは、
ガンの発見には適した検査ではありません。
その医療機関では、
訪れる健康なヒトを、
どうしても
「癌が存在している」か、
「非常にガンになりやすい」人間にしたいようです。
そして免疫を高めるクスリと称して、
一月に50万円も徴収するようです。
検査をすれば、
さらに数十万円。
ほとんど霊感詐欺のようですね。免疫活性は、
キノコと海藻、ヨーグルトを少しずつ毎日食べているだけでも、
勝手に上がります。
巷で売られている、
一月、数百円~数千円レベルのサプリメントでも、
十分に上がるかの可能性があります。
しかしその活性化された免疫力と、
ガンとが如何に絡まっているのは、
誰にも分かりません。
明らかに善良でガンの影に怯える人間を騙す、
悪徳商法だと感じます。私自身もインチキ免疫治療の現場を観たこともあります。
しかし騙されていたのは、
間違いなくガンを宿した患者さんや、
「治療法は無い」と宣告されたような患者さんでした。
しかし治療効果の宣伝の仕方は、
治療前と治療後の画像を反対に提示して、
ガンが増大しているのを、
縮小しているように見せたり、
明らかに放射線治療など、
他の治療でガンの縮小を認めた症例では、
インチキ療法だけで、
ガンが縮小しているように説明したりと、
散々でした。
ただしガンではない可能性が高い健康人を、
「ガンの可能性が極めて高い」と騙して、
多額の費用を徴収する。
これは詐欺行為であるように感じます。万一何処かで、
「ガンの可能性が高い」と言われたならば、
然るべき医療機関で、
健康保険でその真偽を調べてください。「ガンの可能性が高い」だけで、
高額な治療費?を支払うのは、
その目的が何処にあるのか、
多額のお金と引き換えに、
「ガンの可能性が下がるのか」
いつまでその料金を支払い続ければ良いのか。
総額は幾らになるのか、
冷静に考えて、
騙されないようにしてください。
万一本当に癌が存在していたならば、
そんな似非治療ではガンは良くなるどころか、
延命も叶いません。ところが、そのような施設では、
よくガンが治るのです。
はじめからガンなど存在していないからです。エビデンスある標準治療ができなくなったというだけで、
無責任な「治療法が無い」宣告を受けて、
それを信じた患者さんであれば、
似非治療に騙されて、
治療を受けているという、
満足感だけを味わうには、
高額な費用の似非治療も悪くはないと思います。それが唯一の似非治療の存在意義であり、
拷問のような標準的に最大耐用量の細胞毒漬けよりは、
マシかも知れません。お財布には相当に厳しい試練が待っていますが。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
放射線や原発報道以外では、
現在のかなり自由度が高い日本では、
医者もそれなりに自由です。
困ったことに、
多くの医者がエビデンスや学会に縛られていますが、
本来医者はその技量により、
患者さんに対して、
良かれという治療を執行することが許されています。
多くの医者がその自由を放棄してしまっているのは残念です。
その医者本人だけではなく、
患者さんにとって大きな迷惑です。ところで、
細胞毒を生身の人間に注入するという、
残虐な行為も、
すべてエビデンスという、
免罪符があればこそできることです。しかしエビデンスとは、
8月5日の「エビデンスの矛盾」で書いたとおり、
年齢制限もあります。
治験に参加した患者群の年齢です。
多くの治験は、
下は30歳前後から上は80歳止まりで、
それ以上の高齢者は治験対象とはなりません。
細胞毒で命を落としてしまえば、
治験の成績を大きく下げることになりますし、
製薬会社も年齢を制限します。先日、ステージⅡ以上の乳ガンを宿した、
80歳をとうに超えた、
患者さんとご家族がセカンドオピニオンに来られました。
耳がご不自由でしたが一見お元気そうで、
乳ガンの存在による自覚症状はまったくないそうです。そこの病院はあまり有名な施設ではありませんが、
エビデンス・EBMを高らかに謳っている、
その病院から避難して大塚北口診療所で治療をしている患者さんは、
何人かいます。
驚いたことに、
その病院の主治医から、
「まだお元気そうだから、標準的な抗癌剤治療をした後、
根治手術をして治しましょう」と言われたそうです。
お子さんが聞かれているので、
その言葉は正確なのでしょうが、
流石に医者をそのバカげた治療内容を、
他の医者に告げるのは恥ずかしかったのか、
診療情報提供書には、
それについては一切書かれていませんでした。
太めの針で採取した検体の病理検査結果についてだけ、
記載されていました。
十数年以上むかしになりますが、
毎年乳ガン学会では発表していましたが、
その中で70歳以上の高齢者乳ガンについて、
自分の病院のデータをまとめて報告したことがあります。
一般的に閉経前乳癌と比較すると、
予後は極めて良好でしたが、
発表後のディスカッションで、
様々な意見が飛び交いました。
70歳過ぎに
「抗癌剤治療は不要」という意見が多かったように記憶していますが、
その中で、
「少なくともホルモン陽性で80歳を過ぎていたら手術も不要、
死ぬまでホルモン剤を飲んでいればイイ」という意見があったことはシッカリと覚えています。
私もそのとおりだとも考えます。
少なくとも標準量の抗癌剤治療を執行する、
などと言うあまりにも馬鹿げた治療はしません。「80歳過ぎ」「元気」「標準治療」「根治」
これらの言葉を如何につなげても、
その患者さんの治療のエビデンスにはなりえません。
「標準的抗癌剤治療 → 手術」という症例を、
1例でも増やして、
乳ガン学会の専門医資格の獲得でも目指しているのでしょうか。
ご相談の患者さんが宿した乳ガンは、
ホルモン剤が極めて良く効くタイプです。
閉経後乳ガンに対するホルモン剤では、
物忘れが激しくなるような、
困った副作用もありますが、
別の薬剤に変えれば、
それは止まります。
その前に、
その患者さんで一般的に残された命の長さ、
平均余命を考えなければなりません。
その患者さんの場合の平均余命は10年もありません。
恐らく完全に無治療で放置したとしても、
3~4年程度は癌で死ぬことはないように思います。一方、標準的に「元気だから」という、
エビデンスにはなりえない根拠の元に、
標準的に最大耐用量の抗癌剤爆弾を投下されたなら、
癌で死ぬ確率は下がる可能性はあるかも知れませんが、大量の細胞毒が高齢患者さんの、
寿命を大きく縮める可能性も多分に危惧されます。
少なくとも余生のQOLはボロボロにされることだと思います。本日は日本の敗戦記念日ですが、
ご高齢の患者さんに、
根拠・エビデンスのまったく存在しない爆弾を投下したら、
敗戦直後の日本のような姿になるでしょうね。
学会・資格の魔力なのか、
自分の親には絶対に執行しない刑をおこなうことを目論む、
あまりにも愚かな医者がいることも事実のようです。それともその医者自身が若過ぎて、
同時に戦争が無く、日本中平和ボケしているため、
すべての人間は死ぬという、
あまりにも当たり前の現実を知らないのかも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一昨日の「ネコの哲学?」で、
あるコメントの一部と、
ヤツらの恥ずかしい姿を晒してしまいましたが、
同じ投稿者から、
鋭いコメントがありました。
やる気なさ度全開
おはようございます。
チョロ松さんたちのショットありがとうございます。
この、ダラッとしている姿は、やる気なさ度全開。
あくびしてる姿は、危機管理ゼロ(天敵がいないからなあ。)
ヒョイッと相棒の方を向いている姿は、そこそこふてぶてしげ。。
これは、人間の(私の)勝手な見え方ですが、
こういうふうに見える猫ライフそのものが、ニャンダフルです。
これだけ毎日暑いと、
人間(当然私も)もやる気が無くなり、彼らみたいに、
あくびをして、
ダラ~と寝ていたくなります。
しかしヤツらは1年中、
本当に「やる気」が無いのです。
本当に危機管理能力はゼロです。
ただ、地震警報の、
あの不穏を煽るような音には反応して、
匍匐前進して、
二匹別々のテーブルの下に隠れたのには、
驚かされました。
「ヒョイッと相棒の方を向いている姿は、そこそこふてぶてしげ。」まったく言われるとおりなのです。
本来、又吉が親分のはずですが、
小次郎(旧姓チョロ松)は、
自分が一番偉いと勘違いしています。
又吉親分が心地よく寝ていると、
その居場所を奪ったり、
又吉ようと小次郎ように、
二つ用意してあるエサ場も、
小次郎は気の向いた方で食べる、
一方又吉親分は自分の皿でしか食べることはない。
小次郎は、やる気がないくせに、
やりたい放題。
本当にニャンダフルな彼らの世界ですね。
小次郎君はあと30年くらい生きるかも知れません。
気を使う又吉はメタボだし、
長くはないでしょう。
昨日の「肺がんの標準治療??」で、
無知は恐ろしい、
と云うことを書きましたが、
ヤツらくらいにまで無知になると、
世の中楽しくなりますね。
「無知は恐ろしい」とは、
私自身も先輩から言われたことが何回もあります。手術の匠・大師匠曰く、
「世の中、何が怖いって、
研修医ほど恐ろしいモノは無いな。
免許証1枚でヒトを殺しても許されるんだからな」30年前に何度となく言われました。
幸い、ヒトを殺した経験はなく、
現在はそんなことは無いのでしょうけれど、
むかしは、
相当に乱暴な医療行為は存在していたのは事実です。
マァ、肺ガンに対する標準的な抗癌剤治療よりは、
遥かに人道的だったとは思いますが。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
まだ60歳半ばで、
ステージⅣの肺がんを宿した患者さんから、
セカンドオピニオンの依頼がありました。
日時も決まっていましたが、
「子供たちが標準治療以外の治療に大反対のため、
大塚北口診療所でセカンドオピニオンは受けられなくなった」というメールが来ました。
60歳を過ぎた患者さんでは、
患者さんのお子さんたちから、
「標準治療は避けたい」という当然の気持ちで、
セカンドオピニオンの依頼が多いのですが、
お子さんが標準治療を受けて欲しいと、
親に懇願された、
というケースは診たことはありません。勿論、私の知らないところで、
粛々と標準治療の実刑が執行されて、
何万人もの肺ガン患者さんが、
拷問のような標準的に大量の細胞毒を注入されて、
苦しんだ挙句、
ヒッソリと旅立たれている光景を、
直接見る機会が少なくなったというだけのことで、
その背景には、
「標準治療 = 最高の治療」と文字通り致命的な勘違いをされて、
親御さんを、「拷問 → 死」というまったくお決まりのコースに乗せてしまうのでしょうね。
無知とは恐ろしいものだと思います。4月25日の「プラチナ製剤は猛毒?」はじめ、
肺癌に対する、
標準治療でのあまりにもお粗末な数字、
生存曲線とは言えない、
死亡曲線の上を歩かされるだけの、
あの数千人もの人間を、
完全に実験動物にしたような治療成績は何回も書いています。あの実験動物と同じように、
殺されていく実態は観たことないと、
分からないのでしょうね。ネットという便利なツールを使えば、
標準治療のお粗末な実態はすぐに分かるはずです。
患者さんの年齢から推察するに、
まだ30歳代程度、
一番知識を蓄えることができるご家族が、
自分の親を地獄へと追いやる姿は、
想像もしたくありません。
無知は大きな凶器にも変身してしまうのですね。メールの内容からは、
全身状態は悪くは無さそうですので、
標準治療開始により、
即座に重篤な病人に豹変してしまうことだと思います。
何回か書いているとおり、
肺癌に対して、
無治療か標準的抗癌剤治療か、
選択肢が二つしかないのであれば、
私自身であれば、
そして自分の身内の人間なら、
何の迷いもなく。
無治療を選択します。メールの患者さんは、
すでに転移病巣に対するピンポイント放射線治療だけは、
無事に終えておられるようです。
そうであれば、
標準的な最大耐用量の細胞毒の注入が、
無治療と比較して、
延命効果があるという、
現在のデータは存在していないのです。しかし激しい副作用は容赦なく襲い掛かり、
平穏な日常は失われたまま灰になって終わる。
そのことだけは証明されています。日本中お盆で、
たくさんの患者さんが戻って来られている中、
自らの子供の手で、
旅立ちを待たねばならない患者さんが、
本当にお気の毒です。
8月2日の「肺がんの標準治療」で紹介した、
多発肺内再発で5年以上通院されている患者さんは、
点滴をした翌日、
成田からヨーロッパまで飛んでいきました。
そろそろ帰った頃かと思い、
昨日、電話したら、
「ご心配ありがとうございます。
昨日、帰ってきました」とお元気そうでした。
標準量の細胞毒が注入されていたら、
翌日のヨーロッパ行きはないでしょうね。ステージⅣのガンは治りません。
拷問では命を縮めるだけです。
ラクな治療を受けて、
あるいは副作用は皆無の無治療で、
楽しい人生を送るほうが、
よほど長生きできると思います。昨日の「ネコの哲学?」で書いた、
小次郎(チョロ松)は長生きするでしょうね。
私よりも長いように思います。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
イヤー毎日暑いですね。
昨日は自宅で過ごしましたが、
エアコンが古くなり、
効きが悪くなってきたのか、
部屋の中も涼しくなくなっていたので、
外に置いてあるエアコンの室外機に水をかけて冷やしたところ、
エアコンの効きは急によくなりました。
節電よりも、
十分に部屋を涼しくして、
快適に生活してください。ガンを宿した患者さんは、
食事も減少しがちであり、
脱水にも陥りやすいですから、
十分に注意してください。ところで、
8月10日の「本日休診」でチョッと書いた、
ネコの不思議でチョッと可愛い行動に対して、
以下の裏のコメントありました。
こんにちは。
先生はいつも猫をバカだと書かれていますが、
(私もそう思わないでもないですが)実は猫って、
すごく哲学的な顔していると思いませんか?
何かを深く思索しているのかなあ?と思う瞬間も表情から見受けたりします。
まあ、猫は表情を変えませんけどね。
エアコンの効きが良くなり、
部屋が涼しくなると、
ヤツらすぐさま暖を取りに、
暑い廊下の階段に避難します。
下の二枚がそれですが、
眠いから寝る、
食べたくなれば餌をねだる、
ただただ自由で気儘に、
最高の生活をしているように見えます。
哲学を持ったアクビには、
ほど遠い顔をしているような気がします。
つい先日、
小次郎君に改名されたのも忘れている、
元チョロ松と又吉兄弟です。
いつものことですが、
これだけ毎日暑いと、
思考回路が回りません。
おバカでお気楽なネコでも、
観てやってください。
観ても全然涼しくはなりませんが・・・
自分のしたいように生きる、
それがガンを宿した患者さんにとって、
最善の哲学のような気もします。大あくび ↑ の後、
何もなかったようにエラそうに又吉兄たんをにらむ小次郎君です ↓
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
数日前に以下の表のコメントがありました。
今日父(85歳)が膀胱小細胞がんだと診断されました。
よく抗がん剤は、良い細胞も破壊すると言われています。
食べる事が何より好きな父なので、
副作用で食欲がなくなるのもかわいそうな気もします。
医師から抗がん剤を薦められても、
むやみに同意しないように良く考えてみます。
何処の病院で、
如何なる抗癌剤治療が行われるのか知りませんが、
執行されるであろう治療には、
エビデンスはまったく存在していません。
したがってEBMなどあり得ません。当然インフォームドコンセントも、
患者さんを騙す、
詐欺師の口上と同じです。8月5日の「エビデンスの矛盾」でも書いたとおり、
先ず、85歳の患者さんでの抗癌剤治療データなど存在していません。
その上、前立腺の小細胞癌に対する、
エビデンスのある治療などありません。
肺の小細胞癌に対するエビデンスのある治療は存在しています。
当然、患者さんが満足できるようなデータは出ておりません。
そのエビデンスのある治療を開始すると、
1年程度以内に約半数の患者さんが亡くなる、
というあまりにもお粗末な結果です。投稿者のお父上様は、
恐らく高齢であるが故に、
「標準量の80%程度で治療をしましょう」などと言われるのではないかと思われますが、
「標準量」というのは、
恐らく肺小細胞癌に対する大量の細胞毒のことでしょう。
肺の小細胞癌のエビデンスはあっても、
前立腺はじめ他の臓器の小細胞癌に対するエビデンスなどありません。「エビデンスの無い治療は行わない・EBM」が、
日本全国のがん治療拠点病院で、
共通の合言葉になっていたような気がしますが、エビデンスが存在しなくても、
すなわち治療効果はまったく不明でも、
標準的に大量の細胞毒を注入する行為は、
許されるようです。勿論、標準的に大量の細胞毒が注入されれば、
一般的な患者さんの苦痛は尋常ではありません。
その副作用は、
万一、健康人に標準的に大量の細胞毒を入れても、
同様に発生します。
その副作用だけがエビデンスとして証明されていて、
効果はまったく不明の治療が何故許されるのか、
とても不思議です。エビデンスという錦の御旗を振りかざして、
有無を言わせず執行される標準治療でも、
患者集団同士の比較試験を行った結果であり、
個々の患者さんでは、
副作用死もあることが事実です。
すなわち、エビデンスの庇護のもと執行される標準治療は、
個々の患者さんの治療効果を担保するものではなく、
確実に約束されているのは、
軽重の差はあるも、
副作用が存在するという事実だけです。治療効果が担保されないなら、
せめて副作用が出ない範囲で治療をおこなうことは、
当然許されるべきことだと考えますが、
多くの白衣の閻魔様は、
「そんな量では効かない」を合言葉に、
絶対に認めません。8月9日の「原爆・原発」で、
白々しい「絆」などという、
「厄除けのお札」「呪文」など、
放射線は容赦なく貫通します。と書いたところ、
直接のメールで、
「みんなで頑張って絆を頼りに救援しているのに水をさすな」という趣旨のメールが幾つもありました。
当然、支援は善意でおこなっているのでしょうけれど、
中途半端な善意は、
むしろ将来のフクシマを苦しめる結果になる可能性もあります。
放射線も細胞毒も、
毒は毒です。
フクシマから今も垂れ流しにされている放射線も、「日本製だから安全です」などというエビデンスはまったく存在していないことをお忘れなく。将来、ご自身の子孫を残す可能性がまったくない人には、
ほとんど無害かも知れませんが。
白衣の閻魔様も、
多少の善意をもって、
あの虚しい結果を知っていながら、
実刑の執行を粛々とおこなっているのでしょうけれど、
それは患者さんにとっては、
じつは大きな迷惑である可能性も多分にあります。エビデンス・EBMと、
「絆」というお札・お呪いは似ているように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
豪雨に襲われている地域もあるようですが、
本日の東京は、
凄まじい暑さです。
何も書く気にはなれません。
本日のブログは休診にします。
アッそうだ、
一つだけチョッと面白い話がありました。
数日前に後に誤報と判明した地震警報がありました。
丁度自宅でテレビを見ながら1杯という時でしたが、
テレビから緊急ニュース速報の、
「ヒュルルン、ヒュルルン」
という音と、
私の携帯が、
「ヒィヨン、ヒィヨン」と鳴り出しました。
その時です。
バカ猫コンビが、
異常を察したようで、
デブの又吉はノソノソと、
チョロ松(小次郎)は肩と腰を低くして、
匍匐前進を開始して、
別々のテーブルの下に潜り込みました。
バカだ、バカだと思っていましたが、
むかしの本当に揺れて恐ろしかった記憶が、
まだアタマの中に残っていたのでしょうか。
その姿が、
とても可愛く見えて、
ヤツらの大好きな美味しいエサを与えてしまったので、
この次の、
「ヒュルルン、ヒュルルン」
「ヒィヨン、ヒィヨン」が鳴った時には、
よだれをたらすかも知れません・・・
つまらない一席でした。
今晩はビールが一番でしょうか。
この暑さ、
熱中症・脱水には、
十分に気をつけてください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
8月9日は、
日本が二回目の原爆投下を受けた日ですね。
ヒロシマに次いでの被曝を受けました。
世界で唯一の被爆国なのに、
フクシマではそのなん百倍もの放射性物質がぶちまけられました。
そして、再度その可能性もある、
発電所を利用しようとしているようです。
「絶対に安全」などということはありません。
だから、電力主要消費地の東京近郊には、
造らないのでしょうね。ガンという病に対して、
少しでも長く快適に生きることを目標とした、
僅かな量の抗癌剤でも、
致死的な副作用が発現することもあり得ます。
ガンという病は、
ほぼ確実にあまり長くはない時間のうちに、
人の命を奪ってしまう確率が低くはない病気ですから、
多少のリスクは仕方がない、
などと無責任なことを考えていますが、
放射線被曝のリスクは、
如何なるものでしょうか。
ヒロシマ、ナガサキでの被曝後の調査でも、
子々孫々にまで病害が及ぶことも明らかにされています。今までも、
医療費が免除になる被爆者手帳をお持ちの、
被曝2世3世の患者さんを何人診てきたか分かりません。
全患者数から考えると、
その割合は、
けっして低いとは感じられません。
フクシマも将来が心配です。
福島の復興・支援は重要なことだと考えますが、
被曝被害と支援・復興は別の問題だと思います。白々しい「絆」などという、
「厄除けのお札」「呪文」など、
放射線は容赦なく貫通します。元・福島にお住まいで、
帰宅が許されず、
現在東京近郊の避難所で生活されている患者さんも診ています。
毎日その避難所で、
放射線量をご自身で計測されておられるそうですが、
北風が吹くと放射線量が上がり、
南風の日は下がるそうです。
偶然でしょうか。
いまだにあのフクシマは、
日本人の子々孫々に至る被害を出し続けているように感じます。
被爆国でありながら、
自爆国に陥っている惨状を、一発の原爆で、
命を落とした市民、
被曝後に病を発症して、
亡くなられた患者さんも、
間も無く、お盆で現世に戻って来られるのでしょうけど、
我々にナンと言うでしょうか。
ヒロシマ・ナガサキの犠牲者の、
ご冥福をお祈りいたします。しかし、フクシマ近隣での被曝は、
今からでも、
避けることは可能です。後悔する前に、
行動は起こしたほうが無難だと思います。
様々な妨害に遭いながらも、
そのような著書を出されたガン治療の臨床医もいるようです。
近々、その著書をご紹介したいと思います。
8月7日の「再発予防治療」でも書いた、
手術後に、
ガンが治ったモドキでいるときの対処にも、
通じるものがあります。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「再発予防治療」で、
免疫細胞療法のことを書きました。
それに対して、
以下のコメントがありました。
D「効くか効かないかやってみないとわかりません」
P「副作用が心配です」
D「何かを犠牲にしないと無理です」
そうしてやった母の抗癌剤は、
副作用だけあって効き目は全くありませんでした。
なんともない臓器を犠牲にしてまでやった抗癌剤なのに
得る物は何もありませんでした。それどころかマイナスです。
そんな治療の保険治療が認められていて、
同じように「やってみないとわからない」免疫療法は、
副作用もほとんどないのに
保険治療が認められていないのはなぜなのでしょうか。
あからさまに、
「なんともない臓器を犠牲にして」と断定されるのは、
プラチナ製剤の腎毒性でしょうか。
元祖プラチナ製剤のシスプラチンはじめ、
幾つかの弟たちがいますが、
比較的腎臓に優しいのは、
オキサリプラチン(商品名:エルプラット)くらいで、
他の弟たちも、
長男同様に激しい腎毒性を発揮してくれます。
そしてそれを合併すれば、
あえなく「治療法はありません」宣告が下されます。治療法なしとまで言われなくても、
次には腎機能には影響しない、
しかし副作用の強烈なイリノテカンあたりが、
待ち構えていると思います。ガンに限らず、
何らかの病気を宿してしまうと、
その病気を治す、
あるいは付き合っていくためには、
必ず犠牲も伴います。少なくとも病院に行く時間と、
治療にかかるお金は犠牲になります。
糖尿病などでは、
美味しい食事を満腹に食べるという満足感を、
犠牲にしなければなりません。
がん治療では、
標準的に最大耐用量の細胞毒を注入すれば、
時間とお金どころか、
一番大切であるはずの、
平穏な日常を失うことになります。
それはエビデンスとしても証明されています。しかし製薬会社には、
兆の単位のお金が転がり込みます。それは私腹を肥やすのとは違い、
製薬業界に生きる人間の生活の糧としても必要であると同時に、
新しい薬剤の進歩へもつながります。
それは結果的に、
将来の人間の幸福にもつながります。
しかし
細胞毒をてんこ盛りに注入する現在の、
標準治療が「良い治療」だと本気で考えている、
お粗末な医者はほとんど存在していないと思います。細胞毒の開発、
標準的な治療はすでに限界に来ていると感じます。分子標的薬へと、
首座は移っています。
しかしその分子標的薬も、
現在のところ、
激しい副作用を伴うのが一般的です。ハーセプチンや今月薬価が決定され、
販売開始になる予定のペルツブマブ(商品名:パージェタ)などは、
現在までのデータでは、
副作用は軽微で容認できるレベルだそうです。
ハーセプチンのような、
身体に極めて優しい分子標的薬ならありがたいですが、
現在の他の分子標的薬は、
厳しいモノがほとんどです。
しかし製薬会社、
しいては未来の人類のためにも、
ガン患者さんには、
しばらくの間、
我慢・矛盾は背負わされると思います。免疫細胞療法は、
政治も変わり、
高度先進医療のようなかたちで、
自費では認可される可能性は多分にあるように感じますが、
健康保険では無理だと思います。
現在は企業の工場生産のリンパ球もありますが、
多くは医者の手間賃と、
処理に使う薬剤の費用であり、
製薬業界の利益にはなりませんから、
効果・副作用云々以前の問題だと感じます。
手術や放射線治療後の、
免疫細胞療法は、
経済的にゆとりがあれば、
是非、お勧めの治療ですけど残念です。私が
専門医を呼んで、
大塚北口診療所で免疫細胞療法を行っているのは、
私の知る限りでは、
民間で実行している中では、
一番安いことと、
副作用が無いことは事実ですが、
効果が不確実であることも事実であり、
それに対して高額な治療費を請求するのが、
イヤだからです。
したがって大塚北口診療所では、
免疫細胞療法に対しては、
金銭の授受には関与しておりません。
さらに、まったく同じ治療を、
名前だけを変えて、
異常な高額な費用を払って受けている患者さんの、
費用負担を軽減してもらうことが目的です。保険治療が解禁になれば、
少なくとも、
手術後の患者さんには全員無条件で、
お勧めする治療ですが、
現実にそうなることは、
数十年の間ないと思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一般的な固形癌は、
手術あるいは放射線治療でしか、
根治を得ることは不可能です。
今から5年前に、
私がまだ町田で診療をしているときに、
肺がんステージⅢaという厳しい状態で、
セカンドオピニオンに来られた患者さんから、
数日前にメールがありました。
当時、根治の可能性は極めて少ない旨の、
厳しいお話ししたように記憶しています。
その後、
放射線治療後に免疫細胞療法を受けて、
5年経過した現在、
再発も無くお元気で生活されているそうです。
残念なことに、
5年間というのは、
一つの統計的な目安であり、
今後、終生再発を見ることなく天寿を全うできるか否かは不明です。
乳ガンなどでは、
20年後の再発と云うのもアリです。
ただし、再発までの時間が短い肺がんで、
5年を過ぎれば、
その可能性は高くはないと思われます。現在、手術後6年で再発した肺がん患者さんも診ていますが、
それはとても希なケースです。
そのセカンドオピニオンの時に推奨したか否かは忘れましたが、
ガンの存在が確認できない現在の状態があるのは、
放射線治療後の免疫細胞療法が、
大きく貢献しているのではないかと推測されます。放射線で根治があるなら、
外科医は積極的に手術に挑みますが、
それをおこなう外科医はあまりみません。
ほとんど意味がないことを知っているからです。
放射線治療により、
がん細胞数が最小限度になった時期に、
免疫細胞療法をおこなったことにより、残存していたはずの、
見えなくなったガン細胞を。
壊滅することができたのではないかと思います。ガンは小指の先ほどの大きさになれば、
すでに10億個の細胞集塊だと考えられます。
それが1000分の一の大きさになったとしても、
100万個が残存することになりますが、
当然その大きさだと、
機械の目では捉えることは不可能です。
しかし放置すれば、
確実に増大してきて、
機械の目でも、
腫瘍マーカーでも異常が発見されるようになります。
その残存しているかも知れない細胞を、
死滅させる目的で、
大量の細胞毒を注入しても、
大きな効果はないことが、
エビデンス・データとしてシッカリ残されています。しかし、エビデンスこそありませんが、
ガンが目に見えない状態での、
免疫細胞療法は、
残存細胞を死滅させてくれる可能性が多分にあり得ます。ガンは手術により、
十分に根治の可能性のある病気であり、
放射線治療でも、
それを得ることができる可能性があります。
しかし再発を観たときには、
ほとんどのガンが治らない病気に変身します。無事手術を終えても、
安心できる病気ではありません。
手術後の抗癌剤治療は、
あの治療成績と副作用を考えると、
けっしてお勧めできません。
しかし免疫細胞療法は、
経済的に問題が無ければ、
受ける価値は十分にあるように感じます。4月2日の「大塚北口診療所でも免疫細胞療法」でも書いたとおり、
小田原から専門医が来てくれておこなっています。
再発を観る前に、
受けて損な治療ではないと考えます。
ただし経済的な問題と、
命に関する価値観はシッカリと考えなければなりませんが。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は大塚北口診療所での診療は休診でしたが、
月初恒例のレセプト攻撃もあり、
その他、雑用も多く、
時間がありません。
本日は休診にします。
先月も書きましたが、
最近患者さんの数が減っている、
ラクになってイイことだと感じていましたが、
レセプトを見ると、
患者さんの数が減っているのではなく、
人数は同じかむしろ増えているも、
通院間隔を敢えて延ばしているためのようでした。
通院間隔は、
なるべく長い方がイイですもんね。
私もラクになるし・・・
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「抗がん剤の使用量」で、
エビデンスという檻に閉じ込められ、
拷問のような窮屈な治療モドキを、
執行することを余儀なくされている、
かなしい現在の抗がん剤治療について書きました。昨日も書いたとおり、
エビデンス・標準治療の錦の御旗を振り回して、
そのエビデンスに従った標準治療を執行する時には、
そのエビデンスを作りだした患者集団と、
まったく同じ条件でなければなりません。治験の時に、
白衣の閻魔様が、
20%の減量までをお許しになっていますので、
そこまでの減量は許されるけど、30%はダメよ。という決まりはエビデンスが醸成された条件から外れるからです。じつはエビデンスには、
その20%規制より、
さらに厳しく行動制限を受けなければならない、
鉄格子のような柵も用意されています。
その一つは年齢です。
治験は患者集団で行われますが、
年齢はバラバラです。
しかし100歳のガン患者さんは、
治験の対象にはなりません。
一般的に80歳未満が普通です。
仮に治験の被験者の平均年齢が50歳で、
年齢分布が30歳から80歳であった場合、
30歳にも80歳にも治療と称した、
同じ量、種類の細胞毒の注入が均一に実施されます。しかし、81歳の場合には、
昨日の「20%減量の原則」と同じで、
エビデンスは存在しなくなりますから、
執行してはいけないことになるはずです。
しかし、高齢を理由にはじめから、
20%減量しての薬剤注入をおこなったり、
81歳でも「元気だから標準量でいきましょう」
などとまったく根拠の無い、
治療と称した、
タダの細胞毒の注入が実行されます。インフォームドコンセント、エビデンス、EBMと、
掛け声だけは威勢がイイですが、
やっている内容は支離滅裂です。
エビデンスに則り、
30%引き、50%減量が、
「そんな量では効かない」が事実なら、29歳や81歳の患者さんでは、「そんな歳では効かない」ということになります。
しかし誰もそれを言いませんね。そもそも、同じ治らないがんを宿していても、
30歳で、まだ小学校にも行っていない幼い子供を持つ患者さんと、
孫が成人しているような患者さんで、同一の治療をおこなうという発想自身、
狂っていませんかね。患者さんもガンも百人百様、当然年齢も。
それをすべて十把一絡げにして、
それを標準・ガイドラインに仕立て上げようとする輩の、
本当の目論みは、
薄々は読めますが、
真意は私には理解できません。
医学者としての優劣は別にして、
臨床医としては、
如何なものでしょうか。
しかし、各医学会を中心に、
死へのガイドライン作りに余念がありません。百人百様の患者さんとガンを、
個別に診ていけば、
ガイドラインより、
確実に長く楽しい生活を送ることができる、
そんな自明の理は、がん治療医であれば、
誰でも知っているはずですが、
何故、その方向に向かないのか不思議でなりません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
大塚北口診療所ではセカンドオピニオンを行っていますが、
その多くは、
「標準治療は受けたくない」という患者さんご家族からです。
何回も書いているとおり、
エビデンスに従った、
標準治療的に最大耐用量の細胞毒を注入する、
まさに拷問のような治療を、
自分や、自分の親には受けさせたくない、
という患者さんご家族からの依頼です。あの拷問の実態を知っていれば、
あるいはデータだけでもアタマにあれば、
受けたくないのは誰しもが願うことだと思います。標準治療では、
患者さんが副作用に苦しみ、
副作用の元凶である細胞毒の減量を懇願しても、最大20%引きまで、
副作用などあまり変わらない、
80%の量は患者さんが拒否しても注入されてしまいます。30%50%引きにしてくれと懇願しても、
「そんな量では効かない」と、
一蹴されてしまいます。
何故20%まで減量するのに、
30%以上はないのか。それはすべて製薬会社が資金を提供して、
それに医者が群がり、
協同で作り出したエビデンスだからです。
エビデンスは莫大な資金が必要な大規模臨床治験などを経て、
作り出されます。
その数字の信憑性は、
昨日の「がん治療データの観かた」でも書いたとおり、
とても鵜呑みにできる数字ではありません。
その薬剤を使って欲しいと考えて、
治験を行い莫大な研究費をばら撒く製薬会社が望む方向に、
数字は自然にシフトしていくことは、
人の情だと思います。それはともかく、
その人情が入っていなかったと仮定しても、
お粗末なデータです。
患者さんは納得できないであろう、
そのお粗末なデータをエビデンス・錦の御旗にして、
標準治療は執行されますが、そのエビデンスを得るための治療の段階で、
開始時点ではすべての被験者となる患者さんに、
全員同一の量、間隔で薬剤注入が執行されますが、当然、その中には、
その副作用に耐えられない患者さんも出てきます。その時に白衣の閻魔様は、
渋々20%引きまでの許可を下します。もしも、その20%引きでも、
副作用が容認できないような患者さんでは、
閻魔様から「根性無し」の烙印を押され、
その治験からは追放処分になります。除外症例です。
すなわち、その治験のデータの一つにはなりません。したがって、
あの患者集団から得られたデータは、
80%~100%の間で細胞毒の注入が執行され、
その苦痛に耐え抜いた、
云わばエリート患者集団でのデータです。それ故、70%や50%の量で、
その薬剤を使った時のデータは存在しなくなります。だから「そんな量では効かない」という言葉が、
簡単に出されてきます。
しかし冷静に考えてみてください、
そんな量でのデータが無いのですから、
「効かない」という断定は、
誰にもできないのです。
製薬会社も、
根性無しの離脱患者群を集めて、
「50%・30%の量で再試行してみましょう」
などとは絶対に言い出しません。もしも、半量のほうで良い結果が出てしまったなら、
その薬剤の消費量、売り上げは半分になってしまいますから。一方「100%の量で使えば確実に効く」という保証は、
まったくありません。その拷問治療で、
延命効果どころか、
苦しんだ挙句、
敢え無く副作用死をされる患者さんも出ます。
あの臨床データは、
すべて何百、何千という数の患者群でのデータです。
千人の患者さんでは、
千通りの経過があります。
副作用も効果も千通りです。一人の患者さんが、
1番から1000番の何処に位置するのかは、
実際に刑の執行を待たなければ分かりません。
延命効果が得られる患者さんも、
副作用死をする患者さんもいます。
ただ確実に約束されているのは、
人間が耐えられる最大量の細胞毒を注入された場合、
軽重差はあっても、
副作用が出ない患者さんは居ないということです。本日は父親の命日です。
暑い暑い夏の日の夕暮れ時でした。
入院していた病院の主治医は呼ばずに、
最期は私が診ました。
親不孝者の息子は、
本日墓参りに行きませんでした。
しかし、千人の患者の中では、
かなりの特等席で人生を送ってもらうことはできたと思います。
お盆で、すでに戻ってきているかしら。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「肺がんの標準治療」で、
チョッとだけ書いた、
臨床データ捏造に対して、
以下のコメントがありました。
ノバルティスファーマ社のディオバンのこと、
ねつ造されたデータを基に売っていた。。
しかも製薬会社も大学も、「私が犯人?じゃありません」と言っていて、
なんなんでしょう?
カネボウの美白化粧品のように、これを内服した患者さんと保険組合に、
ノバ社はお金返さなくていいんでしょうか?
効果はウソ、お金は返さないじゃあ、悪徳健康食品と同じに思えます。
(消費者庁は関係ないんですかね)
まったく人をバカにした事件ですね。
件の化粧品も不備・副作用が発覚してから、
公にするまで、
かなり時間がかかっていたようで、
その間にも被害者は広がっていったようです。
原発事故に代表されるように、
他人に対しては、
いくら大きな被害を与えようが、
自分の利益になればそれでよしが、日本の風潮になってしまったようで悲しい限りです。電力会社保護のためか、
国民に対しては、
政府自らが「被害はない」を連呼して、
被害を拡大させたことはまだ鮮明に覚えています。
物忘れが激しい日本人では、
数年経つと記憶は薄れるでしょうが、
今後十年後くらいから、
じつは、こんなトンデモナイ大きな被害があったと、
再度記憶が戻ると思います。しかし、その被害者の多くは、
当時の自らの記憶もはっきりしていない年齢です。
結局ウヤムヤになって終わるのでしょうね。
ところで、
件の降圧剤のデータ捏造も酷い話です。
「病気を診ずして、病人を診よ」と教えた学祖は、
天国で泣いていることと思います。
「病人なんか診ないで、数字を観よ」と、
校訓を変えたほうが良いのかも知れません。
ただしカルテの数字と論文の数字に齟齬があったことは事実のようですので、
改竄は業者が行ったと信じたいですが。
しかし、あの事件は、
一般人にも臨床データのいい加減さを暴露してくれた、
良い教訓になったようにも感じます。
勿論、抗癌剤の治療データ成績にも、
同様のことがない、
などとはとても言えません。業者から多額の研究費が入ってきていることを知りながら、
その会社の薬剤の効果を観るのですから、
おのずと手心が加わってしまうのが人間だと思います。
しかし、その上乗せ部分を無視して考えても、
標準的抗癌剤治療での、
成績はあまりにもお粗末ですね。ステージⅢb以上の肺がんが見つかるや、
製薬会社が作ったエビデンスどおりの治療に乗ると、
治療開始直前まで健康人だった患者さんの、
約半分が1年以内に亡くなる。
数千人でのデータがその事実を示しています。
あのデータに手心が入っていたら、
もっと悲惨な数字になります。
現在、ステージⅢb以上の肺ガン患者さんを、
無治療で経過を診たデータは存在しません。今現在、元気なナンチャッテ末期肺ガン患者さんが、
無治療でも1年経つと半分になっているとは、
とても考えられません。現在の標準治療のお粗末なデータを知れば、
「無治療で経過を診て欲しい」
というボランティアもたくさん出て来ると思います。
是非、末期肺ガンで、
無治療患者群と抗癌剤治療患者群との、
生存時間の比較をしてもらいたいものです。しかし絶対にそのようなデータは出てきません。
製薬会社が困るからです。
患者さんは、
副作用はまったく感じることなく、
平穏な宝物のような時間を楽しむことができ、
その上、経済的負担も圧倒的に少なく、良いことずくめのデータになるはずですが、
世界中の製薬会社が困るようなデータは、
絶対に出てきません。国にとっては、
末期ガンといえども仕事ができる元気者であり、
社会人としての生産性を削ぐことなく、
無駄な医療費も大幅に節約できて、
イイことばかりだと思いますが、
国も国民も製薬業界が衰退すると困ることは事実です。世の中、複雑な歯車を順調に回すのは、
難しいようですね。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
最近、私の母校が、
データ改ざん云々と話題になっているようです。
あまりありがたい話ではありません。
「病気を診ずして、病人を診よ」という学祖の言葉がかすかに分かってきた、
その子弟の医者にとっては悲しい限りです。
しかし臨床データなど、
所詮あの程度の存在です。
数字一つで莫大な利益が転がり込むとなれば、
多少(かなり?)の捏造など簡単に行われてしまうのだと思います。
抗癌剤治療のデータとて同じであり、
製薬会社にとって多少の手心が加わっているモノと考えて、
その分差し引いて見なければなりません。
今回の騒動の責任は免れないでしょうが、
製薬会社の人間だけが関与して、
大学の医者は知らなかった、
ということを祈っています。
ところで、
一昨日の「がん治療のリスク」および、
昨日の「無治療ではダメです」でも、
無治療では残されたご家族に、
大きな悔いが残る。ということを書きました。
男女合計では年間死亡者数第1位の肺がんは、
発生患者数では第3位です。
ちなみに男女合計で発生数が第1位は胃がんであり、
死亡者数は肺がんに次いで第2位です。この統計データは、
様々なノイズは入っていますが、
捏造しても誰の利益にもならず、
概ね正確だと感じます。
死亡者数と発生患者数に乖離が見られるのは、
7月29日の「膵癌の厳しい現実」はじめ何回か書いているとおり、
ガンの種類により、
診断を受けた後の死亡確率が大きく違うからです。
発生数が3位であり、
死亡者数が1位ということは、
死亡確率が非常に高いことを意味します。
逆に胃ガンの、
発生数が1位で、
死亡者数が2位ということは、
胃ガンでは確定診断を受けても、
その病気では死なない患者さんもたくさんいることを意味します。
勿論、無治療で根治した患者さんは皆無だと思います。ところで、
その死亡確率が極めて高い肺がんですが、
4月25日の「プラチナ製剤は猛毒?」でも書いたとおり、
「それしかない」「それが最高」といわれる、
標準的に最大耐用量の細胞毒の注入が、
本当に受けるべき治療か否か、
十分に考えなければなりません。少なくとも、
死亡患者数1位2位を争う、
肺がん、胃がんに対する標準的な抗癌剤治療は、
「無治療」か「標準」かの二者択一の選択肢しか与えられないのであれば、
何の迷いもなく、
「無治療」を選択します。特に肺がんの場合、
標準的抗癌剤治療に延命効果が有るか否かも、
まったく不明です。
どの治験をみても、
ほぼ1年以内に半分の患者さんが確実に死ぬ。
それもPS.0
すなわちほとんど自覚症状も無かった患者さんが消えてしまうのです。ステージⅢb以上で手術不能でも、
元気な肺ガン患者さんが、
無治療・放置であっても、
1年以内に半分が死ぬとはとても思えません。無治療の生存期間中央治値に関しては、
現在のデータそのものが存在しませんので、
何とも言えません。
しかし少なくとも、
元気だった末期肺ガン患者さんが、
標準治療が開始されると同時に、
入院が必要な重篤な病人に豹変します。「再発肺癌 = 標準治療 = 仕事は無理」と、
6年近く前に診断された患者さんは、
現在もガンは治ってなどいませんが仕事は続け、
趣味の山登りを楽しんでおられます。
今回はヨーロッパの山に行くそうです。
勿論、無治療ではありません。
治療は継続中です。
治療開始後、何回目かの海外旅行のようです。
今年は小笠原にも船で行ってきたようです。
細胞毒はその程度で十分です。標準治療では、
7回忌も近いと思われます。
無治療であっても、
3回忌はとっくに過ぎていると思われます。「肺がん → 手術不能 → 標準治療」という、
概ね1年以内に半分の患者さんが亡くなる、
お決まりの選択肢が示されたなら、
それは冷静に考えて、
無治療という選択肢も考慮したほうが無難です。
胃ガンでも同じような成績です。何が悲しくて登山などするのか、
私にはまったく理解できませんが、
人間の価値観は百人百様であり、
人間生きていること自体が楽しいですね。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。