「病気と向き合う時間は、家族と向き合う時間」
という真っ当な内容のテレビCMが流されていましたが、
かなり副作用が激しい内服の抗癌剤を、
作っている製薬会社のCMでした。
その内服薬は使い方次第では、
非常に良いクスリだと思いますが、
標準的に使うと強い副作用を感じられる患者さんも少なくありません。
勿論、減量しても効果は得られますし、
副作用を減らすために、
同じ量でも様々な飲みかたがあります。
そのほうが長期間使うことが可能になります。
長期間ガンと向き合えれば、
それだけご家族とも一緒に過ごすことも叶う、
ということになります。
しかしそのためには抗癌剤・細胞毒とも、
向き合っていかなければなりません。
無治療・放置では、
長い時間は得られません。
したがって内服の抗癌剤では、
多くの患者さんで、
「最大量〇〇㎎までで、
自分の体調に合わせて、
副作用が容認できる範囲で飲んでください。
絶対に無理はしないように」
と言って処方をします。
その量で効果があれば、
容認できる副作用だけではあっても、
普通に生活を続けることが可能です。
ところがご高齢の患者さんでは、
「あのクスリを飲むと食事が摂れなくなる、
しかしクスリだけはシッカリ飲んでいます」
と言われるかたが少なくありません。
それは完全な本末転倒であり、
先ず、シッカリと食事を摂ることができることが、
最低条件であり、
食べなければドンドン痩せて、
いずれ餓死します。
「はじめのクスリは先ず食事、毒はその後ですよ」
「毒を飲んで食事が摂れなくなれば餓死しますよ」
と説明しますが、
高齢の患者さんはアタマがかなり硬くなっています。
「辛くても飲めば治る」
と致命的な勘違いをされているかたも少なくありません。
シッカリと状況を理解した若いご家族がサポートしてあげないと、
本末転倒のまま餓死します。
昨日の「抗がん剤治療」でも書いたとおり、
細胞毒はどれだけ量を減らしても毒は毒、
少量の抗癌剤・細胞毒は免疫活性を上げるという論文は、
幾つも出てきましたが、
身体が受け付けない患者さんもいます。
そのような患者さんに無理矢理、
毒を飲ませたり注入するのは、
文字通りの拷問であり、
治療ではありません。
勿論、標準治療すべてが良くないのではなく、
それが最高の治療になる患者さんが存在することも事実です。
しかし普通の生活を続けながら、
ガンと向き合っている間に、
お子さんの進学、結婚、
お孫さんの誕生などに遭遇された患者さんもたくさんいます。
毒とクスリ、
そしてそれを使い理由を、
十分に理解して、
ガンとクスリと長く付き合って、
ご家族と過ごす「宝物のような時間」を、
たくさん楽しんでください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
という真っ当な内容のテレビCMが流されていましたが、
かなり副作用が激しい内服の抗癌剤を、
作っている製薬会社のCMでした。
その内服薬は使い方次第では、
非常に良いクスリだと思いますが、
標準的に使うと強い副作用を感じられる患者さんも少なくありません。
勿論、減量しても効果は得られますし、
副作用を減らすために、
同じ量でも様々な飲みかたがあります。
そのほうが長期間使うことが可能になります。
長期間ガンと向き合えれば、
それだけご家族とも一緒に過ごすことも叶う、
ということになります。
しかしそのためには抗癌剤・細胞毒とも、
向き合っていかなければなりません。
無治療・放置では、
長い時間は得られません。
したがって内服の抗癌剤では、
多くの患者さんで、
「最大量〇〇㎎までで、
自分の体調に合わせて、
副作用が容認できる範囲で飲んでください。
絶対に無理はしないように」
と言って処方をします。
その量で効果があれば、
容認できる副作用だけではあっても、
普通に生活を続けることが可能です。
ところがご高齢の患者さんでは、
「あのクスリを飲むと食事が摂れなくなる、
しかしクスリだけはシッカリ飲んでいます」
と言われるかたが少なくありません。
それは完全な本末転倒であり、
先ず、シッカリと食事を摂ることができることが、
最低条件であり、
食べなければドンドン痩せて、
いずれ餓死します。
「はじめのクスリは先ず食事、毒はその後ですよ」
「毒を飲んで食事が摂れなくなれば餓死しますよ」
と説明しますが、
高齢の患者さんはアタマがかなり硬くなっています。
「辛くても飲めば治る」
と致命的な勘違いをされているかたも少なくありません。
シッカリと状況を理解した若いご家族がサポートしてあげないと、
本末転倒のまま餓死します。
昨日の「抗がん剤治療」でも書いたとおり、
細胞毒はどれだけ量を減らしても毒は毒、
少量の抗癌剤・細胞毒は免疫活性を上げるという論文は、
幾つも出てきましたが、
身体が受け付けない患者さんもいます。
そのような患者さんに無理矢理、
毒を飲ませたり注入するのは、
文字通りの拷問であり、
治療ではありません。
勿論、標準治療すべてが良くないのではなく、
それが最高の治療になる患者さんが存在することも事実です。
しかし普通の生活を続けながら、
ガンと向き合っている間に、
お子さんの進学、結婚、
お孫さんの誕生などに遭遇された患者さんもたくさんいます。
毒とクスリ、
そしてそれを使い理由を、
十分に理解して、
ガンとクスリと長く付き合って、
ご家族と過ごす「宝物のような時間」を、
たくさん楽しんでください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。