私は、「見よう!」と思って、構えて見たことはなく、
内容について記憶はありませんが、
その番組名は聞いたことがあり、
多分、一度や二度は見たことがあると思います。
しかし、連日他局が勝ち誇ったように放送しているとおり、
納豆、味噌汁、レタスとゾロゾロと酷い捏造が発覚してきているようですね。
しかっり調べてみれば、まだまだ出てくるような気がします。
番組すべてだったりして・・・
「納豆で痩せる」と虚偽の内容で放送された翌日には、
納得が売り切れる店が続出したとか。
単純ですね。
日本人は本当に善良で、人を疑うことを知らない人種のように感じます。
否、人ではなくテレビ局というマスメディアを疑わないのでしょう。
大きなものには、すぐに巻かれてしまうようです。
人を信じるのであれば、
何回もしつこく書いているとおり、
自己責任をシッカリ持って、責任を他人に転嫁することはしません。
今回の「あるある大嘘」事件で、
テレビ報道の信憑性というものも、
少しは理解される良い機会になったように思います。
多くのマスメディアは視聴率の向上を
至上命題にしているように見えてしまいます。
最近、ガン治療の番組もたくさん放送されているようですが、
その真偽のほども、よほど慎重に見抜かないと酷い目に遭う可能性があります。
私は、見ていませんが最近、
「血管内治療について放送された」
と、何人かの患者さんから聞きました。
奥野先生が行っている血管内治療は、
優れた治療だと考えています。
私も、数年前から何人もの患者さんを紹介しています。
しかし、どのように放送されたのかは知りませんが、
ガンが治る治療ではありません。
局所に抗癌剤を使ったり、栄養血管を閉塞させたりして、
ガンの縮小を期待し、
その結果、延命および苦痛の除去を図るという治療のはずです。
勿論、縮小が得られた暁に、
晴れて、根治のための放射線治療や手術が可能になる場合もあると思います。
ただ、少々高額な治療費用が必要なことが難点だと思います。
しかし、治療効果が全く不明な代替療法に
100万円単位のお金をかけるのであれば、
多くの場合、血管内治療にそのお金をかけるべきだと考えます。
血管内治療がどのように紹介されたのかは知りませんが、
恐らく、患者さんやご家族に過大な期待を持たせるような
内容で放送されたのではないかと少々心配です。
素晴らしい治療だとは考えますが、
ぬかよろこびに終わらせないためには、
恐らく放送で示された内容を
5割引くらいで考えた方が良いように思います。
テレビ放送は、視聴率が命です。
視聴率が上がらなければ、それは失敗番組です。
スポンサーも付きません。
どんなガン治療の番組も、
視聴率を上げなければならない使命を背負っています。
「極めて有効な治療」
「とても効果的な治療」
「夢のような新しい治療」
と崇め立てれば、イヤでもその番組に引きずり込まれます。
すべてのガン治療の紹介番組が「あるある大嘘」ではないでしょうが、
視聴者を引き付けるための細工は必ず施されているはずです。
正直に、
「抗癌剤治療のエビデンスからすると、
この患者さんは半年で亡くなっている筈ですが、
○○治療を行ったおかげで9ヶ月間生きていることができました。」
などと放送したら誰も見る気がしないと思います。
そこのところは、
今後、間も無く予想される残念な最期を伏せて
まだ元気なその治療中の患者さんの映像を流して、
「従来の治療では亡くなられているはずの患者さんが、
今なお、こうして元気にご家族に囲まれて生活されています。」
と、いうナレーションを流せば、
死んでいるはずの患者さんが生きているのですから、
絶大な治療効果があるかのような錯覚を受けます。
アガリクスはじめ多くの代替療法の治療効果の宣伝も同じです。
10000人の患者さんにその治療を試してみて、
一人だけ大当たりして、
「奇跡的」に元気でいる患者さんがいると、
亡くなった9999人については伏せておき、
その患者さんについてだけ紹介します。
宣伝を見る人の目には、
生きているその「奇跡の患者」しか映りません。
テレビ番組の視聴率獲得のための客寄せ手段も、
代替療法の宣伝も、
その手法はあまり変わらないように感じます。
断片的な情報に踊らされることなく、
冷静な目でご自身の治療を考えてください。
ただし、せっかくの情報ですから、
5割引くらいに考えて、
それが自分の病状に対してどの程度の効果が期待できるのかを
検討することは必要だと思います。
以上 文責 梅澤 充
追記:昨年の1月31日の記事を見ると、「おそまつ外科医の一席」と題して、
「トンでも外科医(モドキ)のおそまつ君」について書きました、その病院の関係者に最近会ったのですが、いまだにそのおそまつ君はその病院に生息して、外科医モドキとしてデタラメ医療を行っているようです。メスも持っているそうです。恐ろしいことですね。
なお、その病院は間も無く公に姿を現してくるそうです。