2018年もすでに一月が過ぎます。
抗癌剤を使った場合に、
延命できる時間として、
一月と云う単位もあります。
治らない膵がんに対して、
使う、使わないで、
「10日間延命」という有意な差をもって、
承認されている、
かなり副作用のキツイ分子標的薬も存在しています。
軽くはない副作用を受けてまでの、
10日や一月の延命が、
長いか短いかは、
それを受ける患者さんの価値観で決まります。
もちろん一ヶ月の間、辛い抗癌剤を使えば、
一ヶ月延びるという数字ではありません。
無治療放置にした場合12ヶ月程度と考えられる状態が、
10ヶ月くらい辛い修行に耐えた場合、
プラス一月程度のご褒美を頂けるという数字です。現在、無治療放置で観察をすることなどありませんから、
厳密には、
抗癌剤を使ったほうが長く生きることができるか否かは、腫瘍内科の偉い先生方も製薬会社も、
ご存じありません。
エビデンスがお好きで、
EBMを強く訴えている割には、
ご自身の仲間内の推測だけに支配された状態が続いています。
そんななか、
先日、細胞毒に対する、
飲む制吐剤の一つが製造中止と発表されました。
まだ、後発薬も出ていないはずの薬剤ですが、
製造中止の理由は「諸般の事情」だそうで、明確な理由は明らかにはされていません。
下衆の勘ぐりをすれば、
たんに売れなくなったから、
儲からなくなったから、
作るのやーめた。と云うだけの理由であるように感じます。
飲む制吐剤ですから、
外来での抗癌剤注入がお好きな閻魔様には、
お気に入りだったと思いますが、
細胞毒の使用頻度の低下が理由であれば、治らないガンを宿した患者さんにとっては朗報かも知れません。
制吐剤まで必要な、
大量の細胞毒の本来の目的は、
延命効果ではなく、ガンによる症状の緩和であることを、
忘れないほうが無難です。
閻魔様も製薬会社も嫌っているQALYという考え方は、
治らないガンを宿している患者さん、
ご家族では、
極めて重要です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
東京も寒い日が続いています。
寒い朝は、朝起きる時が辛いです。
そんな寒い日は、
起床予定時刻の1時間ほど前に目を覚まして、
暖かい布団の中で、
ぬくぬく、ウダウダしてから、目的の時刻に起床する。
ぬくぬく、ウダウダは、
想定外の大きな幸せを感じさせてくれて、かなりここちよく起床することができます。
もちろん、ウダウダしたい時間だけ、
早く就寝する必要がありますが、
それが可能なかたは、
是非お試しください。
それだけで、明らかに体調がイイという患者さんもいます。ガン・癌という病名に怯えてしまう患者さんも少なくありませんが、
ガンは、心筋梗塞などの急性疾患ではありません。
なかには、膵がんのように、
足の速いヤツもいますが、
多くは基本的に「慢性疾患」です。慢性疾患と免疫力は、
深く結びついています。
何処でドウつながっているかの解明は、
ほとんどできていませんが、ガンと免疫力も、
深く関わっていることは事実です。睡眠と免疫も、
交感神経、副交感神経を介して、
その結びつきは軽くはありません。
今は、抗インフルエンザウィルス薬が安全で簡単に使えますから、
すぐにそれを使えば重症化は防ぐことができ、
治癒までの時間も短縮されますが、
それが無かった時代には、
先人の知恵で、
「風邪には寝ることが一番重要」でした。クスリが手に入らない患者さんでは、
今でも寝ること、
すなわち免疫力を高めることが最善策です。
もちろん、エビデンスはありませんが、
慢性疾患である、
治らないガンにも、
寝ることでの対処は、
大きな威力を発揮してくれる可能性は十分にあります。こころ穏やかに、
たくさん寝る。
それが病に悪く働くはずはないと感じます。
実際に、病気への不安などで不眠に陥っている患者さんに、
睡眠導入剤を処方するだけで、
ガンの病態の改善を認めることは珍しくはありません。標準的に大量の細胞毒よりは、
遥かに充実した、
長くて楽しい、いのちが得られると感じます。人の身体も病も、
本当に、たくさんの不思議で成り立っています。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
治らないガンを宿していることが判明しても、
多くの場合、
肉体的な苦痛はありません。ここ20年ほどで急速に進化した機械の目で、
その存在が確認されるだけであり、
その機械の目を通さなければ、
健常人との区別などできません。
普通の生活を楽しむことができます。しかし、現在の日本では、
医療者に対する患者説明講習会、
インフォームドコンセント体験学習会なども開かれており、
言い方は、マイルドになっていますが、
健康で幸福な生活が、当たり前と考えている日本の患者さんにとっては、
内容は深刻です。「治ることまでは難しい」という迷台詞も、
相当に色が褪せてきて、
「治らない」現実を、
多くの患者さんが知るようになってきました。現実を知ることは極めて重要だとは考えますが、
その現実を受け止めるだけの、
精神的な体力が欠けている患者さんも少なくはないように感じます。
治ることはまったく期待できない、
末期がんであっても、
冷静に現実を考えてみると、
「自覚症状が無いこと」、
「末期ガンでも、直ちに人の命を奪うことはないこと」が現実です。そして、現在、健康・無病な人間も、
必ず、何時かは死に至ることが分かるはずです。死は、万人に公平に訪れる、
自然現象である現実。などの当たり前の世界を冷静に考えれば、
それほど慌てる必要もないはずですし、
慌てても、大きな意味はありません。
慌てれば、
誰もが避難所と勘違いしている、
最期の収容所に自ら飛び込んでしまい、
そこで過酷な最期を迎えるだけになってしまいます。期せずして、
末期ガンを宿してしまった場合、
精神的な体力は、
一番需要かも知れません。「治らないという現実」を前にして、
「治るという幻」を追い求めるのではなく、幻を追いかけなくてもいいような人生を送ることが、一番大切な「いのち」を楽しむことにつながるように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
先日の
「丸山ワクチン」に対して、
コメントがありました。
担当が内科腫瘍医で
「ハイパーサーミアは骨転移などの局所にしか効かない。」
「丸山ワクチンはエビデンスがない。」
+「間質性肺炎のリスクがある」と真っ向否定です。
ただ自己責任であれば「勝手にやって。俺に責任はないよ」と
丸山ワクチンの許可がでました。
日本医大に確認したところ、
いままで使用した患者さんで丸山ワクチンが原因で
間質性肺炎の副作用が起きた人はいないということでした。
主治医の腫瘍内科医は、
自らの錦の御旗である、
エビデンス・EBMを声高に叫び、
それだけを尊重する割には、
エビデンスをご存じないようです。丸山ワクチンは、
治験で延命効果は認められるも、
統計学的な有意差が、
僅かな数字で認められなかった。
然るに、保険承認に至っていない。
と云うのが、「表向きの未承認理由」です。しかし、その治験のときに、
「副作用の発現は認めていない」と云う、別のエビデンスも出されています。
投稿者はイレッサを3日に1度という、
エビデンスにはない素敵な使い方をされているそうですが、
イレッサの間質性肺炎は、
如何なる状況下でも起こり得るはずですから、
投稿者氏は今後、イレッサによる間質性肺炎のリスクは、
終生、付き合わなければならないとは考えます。
しかし、それが丸山ワクチンの副作用というのは、
かなり、おかしな理屈であるように感じます。
多くの腫瘍内科医は、
「丸山ワクチンはただの水」
「害も無ければ、効果も無い」と切り捨てます。
一連の主治医の言葉が真実であれば、
丸山ワクチンには、
免疫を動かす何らかの作用が存在している、然るに、免疫と関連しているであろう、
イレッサによる間質性肺炎も危惧されると、
考えたのではないでしょうか。
もちろん、丸山ワクチン単独での間質性肺炎など、
報告を観たことはありません。
少なくとも私は知りません。
ハイパーサーミアに対する考え方も、
その腫瘍内科医は、
知識も経験もお持ちではなく、
あるのは、かなり歪んだ偏見だけだと感じます。しかし、
「勝手にやって。俺に責任はないよ」は、
正直ですね。
イレッサによる間質性肺炎でも、
細胞毒の副作用により、
患者さんが亡くなっても、
まったく責任などとらないのが、ガン治療医の当然のスタンスです。
とりあえず、その主治医は、
あらかじめ、
責任の所在をハッキリさせることができて、
内心ホッとしているのではないでしょうか。しかし、「丸山ワクチンに効果があったらドウしよう」と、少し、悩んでいるかも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ガンの発生を観ると、
急いで、好きだったお酒を止める患者さんは少なくありません。
アルコールと発癌の関係については、
ずいぶんと前から、
知られていました。
最近も、明らかな因果関係があるとの調査報告が出されていました。
お酒が、身体には悪いこと、
イイものではないことなど、
むかしから知られていたはずです。「百薬の長」や「般若湯」など、
言い回しだけで逃げ道を作り、
飲みたいから飲んでいるだけだと思います。
私自身も、
身体に良いなどとは一度も考えたことはありません。
むかし学生の頃、
アルコール性肝硬変の生体標本の肝臓を実際に見せられ、
触らされて、
コチコチで、ずいぶん酷いモンだと思いながら、
「ドラム缶3本4本も酒を飲めば、
これくらいにはなるよな、
そこまでは飲まないだろうな」などと、学生の頃からの酒好きの友人と、
話しをしていたことを思い出します。
しかし、フト考えると、
ドラム缶1本、200リットル。
5本でも1000リットル。
知らないうちに、
その程度の量は超えています。
幸か不幸か、
肝機能はまったく問題はありません。
もちろん、それは、私に特有の個人差であって、
下戸に飲酒を勧める気はありません。
もちろん、自分自身、禁酒するつもりなど毛頭ありません。
また、最近、卵の摂取量と、
がん死の関連性についての論文も出されていました。
1日2個以上食べると、
週に2~3個の人よりも、
有意にがん死亡確率が高くなるそうです。タバコでの発癌はもちろんのこと、
塩と胃がんの関係も有名です。しかし、仙人のような生活をされている人でも、
ガンは発生してきます。
仙人生活がお好きなかたは、
発癌確率が低い、
その生き方もイイのでしょうけれども、
多くの日本人は、
そんな前時代的な生き方を好まないはずです。
楽しい自由な生き方をしてきて、
いざガンの発生を観ると、
慌てまくり、仙人になろうとする患者さんまで出てきます。
時すでに遅し、です。
ひとたび発生してきたガンの致死確率は、
手術ができた患者さんも含め概ね40%程度です。
毎年100万人の発生で、
37万人が亡くなっています。手術不能の固形ガン患者さんでは、
致死確率は、ほぼ100%です。
すべての人間の致死確率も100%です。死はもっとも身近な自然現象ですから、
その接近に慌てるほうが間違っているように感じます。発生してきてしまったガンに対しての禁酒は、
願掛けの、お茶断ち、塩断ちと同じです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
人間は年齢が高くなるほど、
頭が固くなります。
自然な老化の一つだと感じます。
私もそうなりつつありますが、
このブログを書いているのも、
老化防止が大きな目的かも知れません。
現在、お会いしている患者さんの、
半数以上が私より若い患者さんですが、
ご高齢のかたもいます。
しかし、ご高齢の患者さんの思考回路は、
大きくはないように感じます。
ご高齢になられると、
「治らないことはない」と考えてしまう患者さんが多くなるように感じられます。
様々な困難を乗り越えて生き抜いて来られたからでしょうか。
客観的に観て、
有病者も健常者も含めての平均余命さえ、
それほど長い時間は残されていないのに、
治ることだけを考えているかたもおられます。
ガンが存在することで、
何らかの自覚症状を伴う患者さんでは、
先ず、その症状の緩和に努め、
その次に、副作用が容認できる範囲で、
ガンの増大を防ぐ方策を練ります。
自覚症状の緩和だけでも、
患者さんは、治療を受けていると感じられ、
ある程度の満足感が得られますが、
自覚症状を伴わない、
ご高齢の患者さんでは、
「辛くても抗癌剤治療を受ければ長生きできるだろう」あるいは、
「治るに違いない」と勘違いしてしまうかたが少なくありません。
昨年、厚労省が、
「高齢者には抗癌剤の効果が薄い」現実的には、
「効かない」という事実を発表しました。高齢社会での日本の選挙権者の数や、
製薬業界との利害関係もあり、
あの報告を出すには、
相当に大きな苦労があったと思います。
もちろん、無駄な医療費抑制の一環だと思われますが、
それは、高齢者に限ったことではありません。
若い患者さんでは、
「元気なうち」という、
時間的な余裕が、
高齢者よりも大きいというだけです。QALYをシッカリと確認して、治らないガンに対して、
本当に効果があるか否かは、
ご自身の価値観で考えるしかありません。「元気なうち」の状態にある患者さんは、
医療者のお囃子のウソに気付かれれば、そこから逃げ出すことも叶い、
ご自身の治らない病と、
上手く付き合うこともできますが、
アタマが硬くなってしまうと、
ただただ、閻魔様が勧める、
最期の儀式に流されていくだけのようです。
それも寿命のうちかも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がん治療は、
効果も副作用もやってみなければ分かりません。極めて少ない副作用で、
驚くほどの効果を観る患者さんも、
一発の「標準」で、
亡くなってしまう患者さんもいます。やってみなければ分からない。その現実を、
あらかじめチョッとだけ覗いてみる試みが、
エビデンスのような存在です。
くじの「当選確率」を事前に知っておくだけです。もちろん、確実なアタリくじの番号を教えてくれる存在ではありません。そんなこと、
ガンを扱う医療者なら誰でも知っていますが、
「最善の治療です」などとうそぶき、
あたかも「当たりくじの番号を教えてあげる」ような言動で、患者さんをエビデンスがあるだけの標準に、
誘い込もうとする腫瘍内科医は、
たくさんいるようです。
それを受ける個人には、
「大凶」かも知れません。「標準」とは本当に悪質な、
詐欺治療・インチキ治療だと感じます。実際に患者さんが、
終生負担を強いられる医療費も、
「保険だから安い」などということはありません。1000万円の3割は、
300万円です。それで、治らないガンが、
治ることはありません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
治らないことが分かっている状態のガンが発見されるや、
まだ、自覚症状も無く、
病人になる前に、多くの患者さんでは、
間髪を入れない、「元気なうちに」という、
医療者のお囃子に乗って、副作用の大きな治療・儀式が、
粛々と開始されます。
おおむかしに日本には、あったという、
特攻と同じ構図です。
飛び立ってしまうと、
二度と平穏ないのちは戻ってきません。治らない末期ガンであっても、
多くのガンは、
患者さんが恐れるほど獰猛ではありません。
すぐに命を落とすことなどありません。治療の開始は、
急ぐべきだとは考えますが、
先ずは、身体にいちばん優しい治療からが、大原則です。
治らない現実を直視して、
平穏ないのちを楽しむことを優先させた方が、
ゆたかで輝く人生になることは間違いありません。
乳ガンの再発が確認され、
治らない状態、
すなわち末期ガンと診断されるや、
いきなりパクリタキセルの標準爆弾が投下されて、
一発で髪も無くなり、
全身ボロボロになってから来られた患者さんがいます。治ることはない現実は、
ご本人も知っています。
治ることが期待できない再発乳ガンに対して、
副作用の大きいタキサンから開始しても、
それが、比較的少ない内服のTS-1から開始しても、
生存時間に差は無い、
副作用は少なく、QOLも高い、
という日本人でのエビデンスがあります。しかし何故か、副作用が大きなクスリを好む、
腫瘍内科医も少なくありません。
もちろん、パクリタキセルの投下を受けた患者さんが、
全員ボロボロになるわけではありません。
それに見合うだけの、
大きな恩恵を受ける患者さんもいます。
しかし、エビデンス・EBMを唱えるならば、
QOLが高く、副作用が少ない、
明らかに、患者さんはラク、
しかも、命の時間は同じと云うエビデンスには、何故、従わないのか、
不思議な腫瘍内科医も日本には少なくありません。
その治ることのない乳ガンを宿している、
かつてボロボロになった患者さんは、
そのエビデンスが報告される前から、
ゼローダを体調に合わせて飲むだけで、
すでに5年が経過しています。
今だに、はじめのパクリタキセルによる、
手足の痺れは残っているようですが。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の東京は、
予想外のたくさんの雪が降りました。
夜は、寒い中、雪の降る町の散策に出かけ、
日頃観ることができない、
素敵な一面を観ることができました。
朝起きると、
一面の銀世界。本日は天気も良く、
景色は美しいですが、
東京の交通はマヒしてしまったようです。30年前に2年間過ごしたシカゴの街は、
雪は多くはありませんでしたが、
真冬の最低気温はマイナス30℃にまで下がりました。
北海道での冬も何回も経験していますが、
たった2 0 ㎝ の雪くらいでは、
道路も鉄道もビクともしませんでした。
備えあれば憂いなし。東京に十分な備えが無いのは、
頻度があまりにも少ないですから、
備えのための予算よりも、
その希な偶然のときの被害のほうが遥かに少ないからだと思います。しかし、人の死亡確率は100%です。
誰にも逆らうことができない、
当たり前の自然現象です。
それが自然の法則通りに、
身近に存在していることに気付くと、はじめて、慌てだす患者さんが、
何んと多いことか。いつも感じられます。
当たり前の自然であることを、
はじめから意識をして生活を楽しめば、そんなに慌てることも無いように感じます。
東京の雪のたびに、
同じ構図を感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
夜空に浮かぶお月様を眺めるのは大好きです。
精神的にリラックッスできます。先日、その月について、
面白い記事を見つけました。
1万3000件のオートバイ事故と、
満月の関係を調べた、
すごい人がいるそうで、
その論文がネットで紹介されていました。
満月の夜の事故件数は、平均9.10件で、
そうでない月の夜は、平均8.64件だったそうです。
僅かに1.05倍ですが、
統計学的に有意な差が認められるそうです。
満月の夜は危ないようです。
ライダーはご注意ください。
13000件の調査で、
9.10と8.64
素人には、
同等に感じますが、
統計学では、
有意に違うそうです。
がん治療の統計も同じようなモノです。ごく僅かな差であっても、
統計学上、有意か否かで、
すべてが決まるようです。
少なくとも表向きには。そこには、
「患者の苦痛」という要素は、ほとんど加味されることはありません。
大きな数の患者集団での、
ごく僅かな数字の違いに、
多くの患者さんは振り回されています。
また、その数字がすべてと考えている、特殊な腫瘍内科医も日本には生息しています。
そんな輩や、数字に惑わされないで、
ご自身に合った治療を考えてください。
本日は三日月のはずですが、
生憎、月は観えません。東京は、大雪でした。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
1月10日に
「それぞれの生きかた」で、
平均寿命、日本最短のV9 達成という、青森県民のチョッと魅力的な生きかた、人生観について書きましたが、
先日、青森県の中でも短命な青森市民の健康長寿を願って、
昨年末にポンと20億円を寄付した匿名の青森市民がいる。
というニュースが流れていました。
スポーツ振興のために使われるとか。
その奇特なかたの、
崇高な理念には敬服すると同時に、
ずいぶんすごいお金持ちもいるモノだと感心してしまいます。
しかし、喫煙率が日本第二位、
大量飲酒者も大量。
県民挙げて、しょっぱい食べ物が好きで、
インスタントラーメン、甘い缶コーヒーの消費量が、
半端ではなく多い。
さらに運動はしない、
と云うのは、
その地域住民の個性であり伝統文化であるような気がします。そして「長生きには興味が無い」というのは価値観だと思います。大きなお金で、
それを変えることができるのでしょうか。
住民は変えることを望まれるのでしょうか。
酒やタバコ、
塩分や甘いモノを控える、
そして運動をする。
それにはお金はかかりません。
長寿を願いたい、
変えたいと望むなら、
すでに実行していて、
短命街道まっしぐらの道からは外れているように感じます。もちろん、たくさんお金をかけても、
少しでも長生きを望む、
末期ガンを宿した患者さんは少なくありません。
しかし、その半分以上の患者さんは、
経済的にそれは叶いません。
標準儀式に騙されない患者さんでは、
限られた予算の中で、
ご自身にとって最善のいのちを楽しまれています。篤志家のかたには申し訳ありませんが、
おそらく、早く逝かれたご家族を偲ばれてと感じられる、
20億円と云う大金は、
もう少し別の使い方もあるような気もします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の
「メリット・デメリット」はじめ、
何回も書いていますが、
デメリットの無いがん治療は存在しません。
現在の標準的な拷問のような儀式は、
デメリットの方が、
メリットよりも遥かに大きいように感じます。
もちろん、製薬会社や、
その番犬のような、
一部の特殊な腫瘍内科医にとっては、
大きなメリットがあるから、
日本中で執行されています。
その利益と損失を考えると、
昨日は書ききれませんでしたが、
損失が無いなら、
利益が無くても、
ダメもと、という考えもあるはずです。
先日の
「丸山ワクチン」などは、その代表格だと感じます。
自宅で注射する丸山ワクチンなら、
廉価で副作用はありません。ダメもとです。
また、昨年紹介した、
「自家がんワクチン」は、
少々、値は張りますが、
再発予防という点では、
お財布が許す患者さんでは、副作用はほとんどありませんので、
これも、ダメもとです。
継続的な出費はありませんので、
その金額で固形ガンの再発を防ぐことができたら、
けっして高額すぎるということはないように感じます。
一部の特殊な腫瘍内科医は、
患者会に尻押しをさせ、
魔女狩りを思わせる手法を使ってまで、躍起になって、「自家がんワクチン」を阻止したいようですが、
そこまでやるのは、
それに効果があることを知っているからであるような気がします。副作用はほぼ皆無で、
再発予防をされてしまっては、
彼らの立場も、
それを支えてくれる製薬会社も非常に困ります。
標準的な拷問のような儀式を受けた患者会だって、
面白くはありません。
高額と云われるコストだって、
今のところまだ健康保険が使えないというだけで、
抗癌剤よりは、
遥かに廉価です。メリットとデメリット。
利益と損失。すべてのガン患者さん個々人で、
価値観は違うはずです。
平等ではないはずです。まさかの再発を観て、
治らないガンを宿してしまった患者さんを観ていると、
経済的に余裕がある患者さんでは、
ご自身、ご家族の、
いのちを守るための、
プチ贅沢があっても良いように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ほぼすべてのガン治療には、
メリットもデメリットも存在しています。
血液がんでは、
抗癌剤により根治もありますが、
固形ガンは抗癌剤では治りません。患者さんが期待するほどの延命効果もありません。
オプジーボの登場で、
「1%程度の確率で、肺がんも治るかも知れない」と予測している腫瘍内科医もいます。
治ることがあるとしても、
その程度の確率だと思われます。
現状では、治ることは期待できません。
「治ることまでは難しい」ではなく、
「治ることは無い」のが現実です。その現実を前にして、
治療を行うのですから、
それに伴う、
メリットとデメリットを十分に理解しておかなければなりません。
日本の腫瘍内科医は使いたがらない、
QALYという考え方は極めて重要です。治療により、失われる時間と、
治療により、稼ぐことができる時間を考えると、
現在、標準的に大量の抗癌剤の注入は、
一部の卵巣ガンや肺小細胞ガンなどの、
ごく一部のガン以外では、
けっしてお得だとは思いません。
自分の身内の人間なら、
もしも多少の延命効果があったとしても。
人としてのいのちの時間を大きく失う、
拷問のような儀式は勧めません。
標準儀式か無治療か、究極の選択を迫られたなら、迷わず無治療を選びます。一発で亡くなる患者さんが出る標準的拷問は避けます。しかし、現実には、
失われる「いのちの時間」は短く、
すなわち副作用は軽微で、
延命効果が得られる患者さんが存在することも事実です。
それは、やってみなければ分かりません。
同時に、一発で死ぬか否かも、
やってみなければ分かりません。
患者さんが即死しても医者は責任はとりません。それもエビデンスですから。
ならば、副作用が出ない、
あるいは軽微と考えられる範囲で試すという方法もあるはずです。
「それは、効かないばかりか、耐性を作るだけ」と言う腫瘍内科医もいますが、
効かなければ耐性はできません。副作用が容認できる範囲で、
効果があれば、それでヨシ。
その薬剤と量を探すのがガン治療です。不幸にして、
それが見つからない患者さんが希に出てしまうことも事実です。
しかし、副作用が無いのであれば、
ガンはすぐには命を奪うことはしません。
平穏な時間だけは確保されます。手術不能、再発などの、
治らないガンの治療は、
命とQOLに直結します。命懸けの治療に飛び込む前に、
真っ白なアタマを冷静にリセットしてから、
慎重に選択してください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
末期膵がんを宿した患者さんのお友達と称する方から、
メールがありました。
まだ、40代の患者さんのようですが、
「これでもか」とばかりに、
痛めつけられて、完全に日常生活を失ってしまっているようでした。
膵がんは、
先日の星野仙一氏の訃報でも分かるとおり、非常に足の速いガンです。
手術ができる確率も低く、
根治手術を受けることができたとしても、
再発確率は非常に高く、
根治はごく希です。
星野仙一氏は、
如何なる治療を受けられたのかは知りませんが、
旅立つ一月前には、
痩せてはいても、お元気そうで、
発病から1年半とは、
標準時間よりずいぶんと長く生活を送られたようです。
しかし、如何なる治療でも、
生存期間中央治値は1年未満です。それがエビデンスです。
短いということは、
拷問を受ける時間も短いということでもあります。
他の種類の治らないガンでは、
治ることは無いことが分かっていても、
膵がんよりも少し長いイバラの道を歩かされます。
本当に終末期を迎えてはじめて来られる患者さんでは、
むしろ、無理矢理、歩かされなかったほうが、
長い時間を有意義に過ごすことができたのではないかと、感じてしまうこともしばしばあります。
実際に、末期肺がんに対する標準的に大量の殺細胞性抗癌剤の注入は、
規定回数まで行わずに、
早期に中止するほうが、
長生きができるというエビデンスも出されています。もちろん、毒が無い分、
遥かに快適な生活を楽しむことができます。
イレッサなどの分子標的薬が使えずに、
殺細胞性抗癌剤がファーストチョイスにされてしまった患者さんでは、
閻魔様のご機嫌伺いのため、
1回だけは辛抱して、
2回目からは、
副作用が軽微なアバスチン程度にしてもらったほうが、
遥かに素敵ないのちの時間を楽しむことができるはずです。
アバスチンの単独は、
立派に健康保険でも認められています。
「ナニは無くてもエビデンス」という閻魔様では、柔軟な対処はしてもらえないかも知れませんが、
「エビデンスが無い = 効果が無い」
ではありません。逆に、
治らないガンに対するエビデンスは、
確実に死に至るという、
誰も願わないエビデンスです。そこに至るまでの、
中央値(時間)が示されているだけです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
自分達だけに都合よい定義を勝手に作り上げ、
それに合わなければ、
否、気に入らなければ、
すべて、
「インチキ」
「詐欺治療」
「金儲けだけクリニック」と、
吠えまくっている、
特殊な腫瘍内科医が、
日本には生息しています。
日本は、言論の自由が保証された、
ありがたい国だと思います。
しかし、その自由を勘違いしている人もいるようです。
どの世界も同じだと思いますが、
医療界も、
ピラミッド構造になっています。
大学の教授職という立場は、
そのピラミッドの、
かなり上の方に位置付けられています。
片や、一方的に罵られる医療者は、
私なども含めて、底辺を支える実地臨床医たちです。
上から下に一方的に、
理屈抜きに気が済むまで罵倒する。
弁明の余地すら与えない。この構図は、
完全に「パワーハラスメント」の世界であるように感じます。
しかも、
その尻押しに利用しているのが、一見、弱い立場であるかのように錯覚してしまう、
「患者会」という強権的な組織です。
かなり手の込んだ、
悪質なパワーハラスメントです。そして、そのイジメの被害者は、
治療の道を制限された患者さん自身です。
それに気付かない患者会も哀れです。彼の目には日本の患者は、
そんなに愚かに見えるのでしょうか。あるいは、ただヒマなだけでしょうか。それを許す大学も、
正常ではないように感じます。言論の自由と同時に、
患者には、
治療を、選択する自由も、存在しているはずです。
それを、認めることも、
医者の仕事だと思います。
抗癌剤では、
固形ガンを治すことはできないのですから。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
最近、テレビで紹介されたのでしょうか、
丸山ワクチンについて、
患者さんからよく訊かれます。
コメントにも時々登場しています。
丸山ワクチンは、
残念なことにまだ正式に保険薬剤としては承認されていません。
しかし、その10倍濃縮液である、
アンサー20という薬剤は、
保険適応範囲は狭いですが、
健康保険で承認されています。丸山ワクチンやアンサー20が、
効く患者さんがいることは事実です。
副作用はほぼ皆無です。
丸山ワクチンの治験でのデータは、
延命できる傾向は認められるも、
統計学的な有意差を示すことができずに、承認に至っていない。
と言うのが未承認であることの表向きの理由ですが、
ウラの事情もたくさんあるようです。
それはともかく、
その治験の際のデータでも、
副作用の存在は認められていません。患者さんが苦しむ副作用がお好みのような、
一部の特殊な腫瘍内科医は、
そこら辺も気に入らないのかも知れません。
たしかに、アンサー20だけで、
明らかにガンの縮小を観た患者さんもいることは事実ですが、その頻度はけっして高いとは言えません。
「効く = 縮小」といより、
再発病巣の増大を遅くしてくれる、
あるいは再発していない状態を続ける程度の、
効果なのかも知れません。
しかし、丸山ワクチンは、
標準で使われるよう薬剤とは違い廉価です。
懐にも優しく、
しかも、副作用がありません。ダメもとで使っても、
まったく悪くはありません。ただ、インフルエンザが流行っている時期に、
そのためだけに頻回に医療機関に行くことは、
デメリットの方が大きくなってしまうかも知れません。
自宅で注射をするのであれば、
それは是非、試してみる価値はあると考えます。
身体もお財布も傷つかないガン治療は、
ほとんど存在しません。
もちろん、標準では両方ともに大きなダメージを避けられません。ダメもとの丸山ワクチンは、
是非、お勧めです。
現在、標準的に苦しんでいる患者さんでも、
その辛い「標準」に追加することも意義はあると考えます。
初回、日本医科大学でアンプルを受け取るために、
診療情報提供書が必要ですが、
そのフォームは、
ネットから簡単にプリントアウトできるようです。
それを、主治医に持って行って書いてもらえばイイだけです。
それは、主治医でなくても、
どこの医療機関でも大丈夫です。患者さんのリクエストどおりに、
今まで何枚書いたか分かりません。
閻魔様は書いてくれないでしょうけれど・・・以上 文責 梅澤 充
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1月15日は年寄りには、
「成人の日」と感じてしまいますが、
今年の成人の日はすでに1週間前に、
大きな問題を残して終わったようです。
昨日まで、
北日本と日本海側を中心に、
大荒れの天候が続いていたようです。
そんななか、
大学入学へのセンター試験なるモノが行われたそうです。
インフルエンザも流行るし、
天候も過酷な時期を敢えて選んでいるのでしょうか。
受験生はお疲れ様です。
そのまだ若い未成年と思しき受験生に、テレビ局の記者が、
インタビューをしている絵が流れていました。
その中の一人の受験生が、
「この試験で人生が決まりますから頑張ります・・・」年寄りには、
人生なんて簡単には決まらないように感じます。人生の転換点は幾度もあったと感じますが、
人生そのものは、
どの道に進んでも変わらなかったように思います。
ただし、治らないガンを宿した患者さんでは、
ガンとの付き合い方の方針を、
如何に選択肢するかによって、
ご自身の人生は大きく変わります。標準・エビデンスが、
悪い・いけないなどとは、
考えません。
それも一つのいきかたです。
イイ大学に入って、
イイところに就職して、
イイ地位にまで出世する、
という型通りの、
枠にはまった人生がお好きなかたには、標準・エビデンスは、
ピッタリの逝きかたかも知れません。エビデンスで敷かれた線路の上を歩くだけで済みますから。
エビデンス一辺倒の日本の一部の腫瘍内科医は、
末期ガンを宿した患者さんを、
上手く生かすことは、
得意ではないように感じますが、最期は大丈夫です。
現在の日本には、
ここちよく逝かせてくれる、緩和ケアの専門医はたくさんいますから。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
インフルエンザが本格的に流行りだしています。治らないガンを宿してしまっている患者さんでは、
インフルエンザは大敵です。
人混みに出ない。
うがい、手洗い、マスク、室内の加湿。
などなど、
手軽にできることは、
ナンでもしてください。
エビデンスなど必要ありません。
理屈抜きに予防をしてください。ご家族と一緒の患者さんでは、
ご家族の協力が必要です。
家にウィルスを持ち込まないようにお願いしてください。
健康保険では認められていませんが、
タミフル、イナビル、リレンザなどを、
予防的に使うことも有効です。
予防投与にはエビデンスがあります。ただし、厳密には、
インフルエンザ未発病者への処方は、
健康保険での適応はありません。
予防注射と同じ扱いで自費になります。一回咳をしてみせただけで、
「チョッと風邪みたいですね、
インフルエンザかも知れないから、
処方しましょう」と、
気楽に言ってくれるかかりつけ医だと、
保険適応の可能性もありますが、
厳密には、
「予防」は「保険」にはなりません。予防的に使うのは、
インフルエンザ患者または、
それが強く疑われる人との濃厚接触したあとです。濃厚接触とは、
数時間同一の部屋に居たとか、
至近距離で会話をしたなどの場合です。
予防注射のように、
今日、注射(内服・吸引)すれば、
今シーズンの発症確率を下げるという効果は期待できません。私はインフルエンザに弱く、
過去に何回も酷い思いをしています。
現在も感染しやすい生活環境にありますから、
二剤を常備していて、
チョッと疑わしい咳が出たときなどにも使ってしまいます。今年もすでに使っています。
一剤は去年処方した薬剤ですが、
十分に消費期限は残っています。
何人かの患者さんにも処方してあり、
すでに使って発症を抑えたかたもいます。
厳密には、再発予防の抗癌剤と同じで、
その薬剤が発症を抑えたか否かは誰にも分かりませんが・・・標準点滴の真っ最中の患者さんでは、
インフルエンザにかかれば、
がん治療病院に行くことも許されず、
当然、その期間は、
辛い点滴を逃れることはできますが、
インフルエンザで、
毒薬注入の難を逃れてもイイことはありません。
先ずは、予防を心がけてください。身体が嫌がるようなキツイ点滴ならば、
電話一本の「仮病」という選択肢もあります。塩野義製薬が開発した、
とても良く効く新薬が、
早く承認されることを祈りますが、
イナビルの第一三共製薬は困ります。
明らかに役に立つと思われる薬剤の許認可にも、
不思議な力は付き物のようです。
本日の東京は快晴でした。
我が家のおバカな二つのネコは、
一日中、お日様天国を楽しんでいました。こういう生活をしていると、
ニャンフルエンザにもかからないようです。以上 文責 梅澤 充
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久しぶりに、
ある腫瘍内科医の新年早々のブログ・つぶやきを見て、
ビックリしました。
個人の免疫治療クリニックを名指しで、
「怪しいクリニック」と、
つぶやきを拡散していました。
その腫瘍内科医は、
「○○療法が良く効いた△△のような症例」を提示することに対し、
「一例報告など意味は無い」、
「エビデンスの無いインチキ宣伝」と決めつけていますが、
彼自身、
「標準治療でガンと共存している患者さんもいます」などと平気でつぶやいているようです。
正確には、
「標準治療では、ほぼすべての患者さんは、
心身共にボロボロになります。
副作用死される患者さんも時々出ます。
万一、長生きしてしまうと経済的負担も莫大になります。
そんななか、ごく希に共存している患者さんもいます。
共存ができなくなれば、ただちに緩和ケアに案内します。」となるはずです。
そんなことよりも、
つぶやき主は、一応、分院と言えども、
大学病院の一教授という立場にあるような人間だそうです。
一個人の医療を、
怪しい・インチキ・金儲けだけ、
などと決めつけて、
それを公言することが許されるのでしょうか。
日本は言論の自由は保障されていますが、
お得意のエビデンス・根拠も無く、
他人を誹謗中傷することまでは、
許されないはずです。
たしかに多くの免疫細胞療法を行っている医療機関では、
数百億から数千億円もかかるという、
エビデンス作りに投資する財力など無く、
多くの患者さんを集めての実験などはできないのが現状です。
なお、「本当にお金儲けしか考えていないのかな」と、
疑問に思う医療機関も幾つも存在していることも事実です。
しかし、そう感じる医療機関とて、
本当にそれだけを考えて運営しているのか否かは、
当事者でなければ絶対に分からないはずです。
「ナニは無くてもエビデンス」が信条であることは、患者さんを巻き込み不幸にするかも知れませんが、
一つの考え方です。
それも信教の自由です。
しかし、他者をインチキ、怪しいと決めつけるためにも、
そのエビデンスは絶対に必要です。
何回も書いていますが、
治ることがないガンに対して、
「確実な死」をエビデンスとして崇めて治療・儀式を執行するに当たり、そのエビデンス・データ・数字を、
それを受ける患者さんに対して、
シッカリと説明しないままの、
曖昧な日本のインフォームドコンセントのもとに、騙し討ちで執行することほど、
悪質なインチキ詐欺治療は無いと考えます。日本は、狭いように見えても、
かなり大きな世界です。
大多数の日本人は、
エビデンスも何も知らずに、
「お医者様の言うことだから」と、何も疑問を持たずに信じて、
「九死に一生」も無い、
「十死j零生」の必死の突撃攻撃に誘い込まされます。それが現実です。
それに気付いた患者さんに対して、
本当に、真剣に、
免疫細胞療法を行っている医療機関は、
幾つもあります。
まだ保険適応が得られていないことや、
設備投資、人件費のために、
多少高額な自己負担が発生したとしても、
そのお金は、つぶやき主の腫瘍内科医が払うわけではありません。患者さんの価値観から出て行くお金であって、
それに文句を言える他人は何処にも存在しないはずです。
製薬会社が困ると、
彼らも困るという、
深刻な事情は分かりますが・・・以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の
「光免疫療法」はじめ、
何回も書いていますが、
日本のマスコミは「夢の新薬」というフレーズが大好きの様で、
今まで、ずいぶんとたくさんの、
「夢の新薬」や「夢のガン治療」が、
現れては消えていきました。
分子標的薬イレッサもその一つですが、
イレッサは、
患者さんが想像した夢とは大きくかけ離れていたとは思いますが、
肺がんに対する、
「標準の細胞毒」しかなかった時代を考えれば、「夢」に近い存在であるような気がします。
現在、その弟分のような薬剤も幾つも開発されて、
特定遺伝子構造を持つ細胞には、
毒で苦しめ、
場合によっては毒殺に至る前に、
ファーストラインの治療として使われて、末期がん患者さんのQALYも大きく延ばしています。その他の、固形ガンに対しての「夢の新薬」では、
ハーセプチンの登場は、
かなり大きな「夢」を実現させてくれました。
平成3年当時、
遺伝子などと言うお洒落な単語の意味すら分かりませんでしたが、
手術後の乳がん細胞の遺伝子を調べた経験があります。
erbB2と呼ばれる遺伝子が存在すると、
がん細胞の表面にHER2蛋白がたくさん作られる。
所謂、ハーツー蛋白の過剰発現を観るがん細胞です。
根治手術が可能であっても、
このHER2蛋白を持つ乳ガンは、
ともかく予後不良でした。
再発確率は極めて高く、
再発してしまうと、
極めて短い時間で確実な死に至る。
ハーセプチンがその現実を一変しました。平成13年に日本で承認された時は、
「奏功期間7ヶ月程度」の有効性が謳われていただけで、
しかも「心臓機能障害での死亡率も高い」
という注意書きも付いていて、
心臓エコー検査は毎月実施すること、
との指導もありました。
しかし、実際に使ってみると、
副作用は非常に軽微で、
効果の持続時間は極めて長い。
発売当時は、
毎週8万円以上と言う高額な薬価でしたが、
細胞毒とはまったく違い、
患者さんのQALYは、
大きく延ばしたと考えられます。
日本での発売当初から、
現在まで使い続けている患者さんもいるくらいです。
その患者さんは、
ごく僅かな毒も同時に使っていますが、
一貫してフルタイムでかなりキツイ仕事を続けています。
「ガンを治す」という夢には至りませんが、ハーセプチンは、
厳しい現実を、
かなり夢に近付けてくれた「新薬」であるように感じます。
「夢の新薬」は、
世に出る前には、
誰にも分かりません。何年間も使われ続けて、
タダの夢だったか、
正夢だったかが分かります。
オプジーボなどの免疫を利用する薬剤の真価も、
あと10年くらい経たないと判明しないと思います。
ただ、多くの患者さんは、
そんな長い時間は、
待っていられませんから、
可能性のある治療は、
棘が無いならば、
一部の腫瘍内科医のオモチャのような、
エビデンスなどに振り回されることなく、積極的に使ってください。
投稿されたコメントにもありましたが、
丸山ワクチンだって、大きな「夢」はないかも知れませんが、
副作用は皆無か、
万一、あっても極めて軽微であることだけは確かです。
しかも廉価です。
騙されてもイイ夢だと感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
すでに削除しましたが、
「光免疫療法を、
ドウ思うか。効かないと言うのか。」という、不躾なコメントがありました。
その治療の名称は聞かれたことがある患者さんは多いと思います。
その治療のメカニズムは、
乳がんに対するカドサイラという薬剤と同様程度と考えています。
カドサイラは、
ハーセプチンという、
がん細胞膜に過剰発現したハーツー蛋白に対して、
人工的に作った「抗体」であるハーセプチンに、
エムタンシンと云う極めて毒性の強い薬剤をくっつけて、
ハーツー蛋白の過剰発現を観るがん細胞だけに、
エムタンシン爆弾を落とすという、
ハーセプチンの開発時点で誰でも考えた、
ごく単純なメカニズムの薬剤です。
ハーセプチン同様に、
「抗体」を使う、
免疫療法の一つです。光免疫療法という治療の正確なメカニズムも実力も知りません。
がん細胞の表面抗原にくっつく人工的な抗体が、
赤外線という起爆装置で活性化される薬剤なのかな?
程度の知識です。
それが正しいとすると、
「副作用が無い」
「ガンが治る」
というふれこみは
今までに何回も流されてきた、
マスコミお得意の「夢の新薬」以上でも以下でもないように感じます。
しかし何故か、楽天の三木谷浩史氏が投資しているそうですから、
巨大なビジネスにつながる可能性は高いのかも知れません。
その真の実力は知りませんが、
いずれにせよ、
実用化されたとしても、
日本では、まだ数年先のことでしょうから、
先ずは、目の前の整理が重要です。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨年末のヒマな時間に、
ネットサーフィンをしていて見つけた、
素敵な記事があります。
青森県在住のかたには失礼ですが、
青森県はなぜ早死にするか 平均寿命最短でV9
衝撃的すぎる食生活と題する記事でした。(週刊新潮)
お読みいただければ分かると思いますが、
長命を願う普通の日本人は、
最善の反面教師として、
逆をいけば良いようです。ともかく、しょっぱい食べ物が大好きな県民性のようです。
そして、野菜の消費量は極端に少ない。
さらに、喫煙率が高く、
大量飲酒者が多い。
そのうえ運動はしない。
という、私自身を見ているような生活をされているようです。
私は、その記事ほど、
醤油好きではありませんが、
けっして薄味ではありません。
さらに、海から帰った漁師は、
真っ先に温泉に入るが、
それが熱湯のように熱い。
その風呂上りに焼酎を飲む。
まさに、自分自身の生活を見せられているようです。
私も熱い風呂が大好きです。
48℃ 程度になると、
素人さんには熱湯のように感じると思います。
入浴後の熱い身体に、
濃いめのウィスキーのハイボールがなんと美味いことか。
「しょっぱくもネエ味噌汁飲んで、
百まで生きてドウする。
ウメ―もん喰って、
五十でしんだほうがイイ」という、青森の芸能人のセリフがあります。
その考え方がイイとは思いませんが、
そのとおりと考えることもしばしばあります。
先日、逝かれた星野仙一氏は、
おそらく余命も宣告されたであろうと思います。
しかし、逝去後何回も流されている、
末期ガンを宿している時期の画像からは、
その宣告されたであろう時間よりも、
ずいぶんと長く、
そして充実した、いのちを楽しんでおられたように感じます。人のいのちの価値は、
時間だけではないように思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日、有名な野球人の膵臓がんによる死亡について書きましたが、
膵がんは、毎年の発症患者数と、
死亡患者数の差がきわめて少ないガンです。
診断が付いてしまうと、
手術ができたとしても、
ほぼ確実に亡くなられるということを意味します。
もちろん、手術ができた患者さんでは、
希に、根治に至るという患者さんもいますし、
膵臓内分泌腫瘍という、
本来の膵腺ガンとは違い、
比較的予後が良い穏やかな、
「広い意味での膵がん」もあります。
しかし、手術不能の膵腺がんでは、
地獄のようなFOLFIRINOXを執行した場合、
生存期間中央治値は11.1ヶ月です。
手足のシビレや骨髄抑制が極めて大きい、
ゲムシタビン+アブラキサンの場合、
9 ヶ月以内に半分以上の患者さんは亡くなります。
それが現在の標準の実力です。あの拷問のような、
大量の毒薬の注入が治療と呼べるのか否かは疑問ですが、
現在の日本の腫瘍内科では、
その程度の治療・儀式しか提示されません。費用対効果と、
QALYの観点から、
禁止されている国もあるようです。
膵がんよりは、
生存期間中央治値の数字は多少大きくなりますが、
他の種類の、
ステージⅣ、再発などの治らない固形ガンの場合、すべてエビデンスとして、
冷酷な数字は出されています。そこに飛び込んでしまえば、
確実に押し寄せる副作用と、
ガンの進行に伴う苦痛との戦いに明け暮れ、理想と現実との乖離に悩み迷う余裕も時間も、
与えられることはなく、
その瞬間から、
平穏ないのちの時間は止まってしまいます。迷わずに自分の意志に従って、
進路を決めるのは、
そこに飛び込む前です。
先日、膵がんで逝かれた闘将も、
二年以上前に、
膵がん同様に予後の良くない胆管がんで逝った女優も、
傍目からは、大きく迷われることは無かったように感じます。
ハッピーな結果ではなかったとしても、
そして、ご遺族の悲しみはあまりありますが、
ご本人は、大きな不幸は感じなかったのではないかと思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一昨日の土曜日の朝に、
星野仙一さんという有名人の訃報をテレビで知りました。
最近はテレビでも身かけることは少なくなっていましたが、
突然の訃報には驚きました。
報道が正しければ、
2016年7月に膵がんと診断されたようです。
病気について周囲には秘密にしていたようですので、
手術は受けていないと思われます。
一月前の画像では、
髪はカツラかもしれませんが、
前髪だけが白い10年前とほぼ変わらず、
抜けてはいないようでした。
周囲に知られることを拒んでいたそうですから、
脱毛が必発で、
平穏な日常が奪われる、
厳しい拷問そのものである
FOLFILINOXや、
痺れが激しいゲムシタビン+アブラキサンなどは、
使われてはいないように感じます。
膵がんに対する「標準」での、
最高の成績は、
PS.0 の患者さんを対象にしたFOLFIRINOXで、
生存期間中央治値は11.1ヶ月です。
ボロ雑巾のようになっても1年以内に半分以上の患者さんは、
確実に亡くなります。
根性論では、
厳しい大量の毒薬による副作用から逃れることはできません。
今のご時世、
本人に告知は無しに、
治療を進めることはありません。
深層は知りませんが、
オモテに見せていたご本人の性格を考えると、
負けが分かっている戦でも、
戦いを放棄した無治療ではなかったと思います。
ゲムシタビンやTS-1程度の、
穏やかな治療を受けられていたと推察します。
放射線治療単独だったのかも知れません。
あるいは、経済的には恵まれていたようですので、
免疫細胞療法などの、
代替療法などを受けておられたのかも知れません。
しかし、18ヶ月の時間を、
一月前までは、
お元気そうに生活をされていたようです。
起きていられない状態になったのは、
ほんの2日か3日前からとか。
手術ができない膵がんを宿して、
死を意識しない患者さんはいないと思います。
ご自身の最期は、
シッカリと意識されて、
充実した1年半の、
穏やかないのちの時間を過ごされたような気がします。
70年という時間は、
けっして短すぎるとは思いません。
現在の日本人の平均寿命には、
少し足りないだけです。
厳しい現実を前にしても、
慌てることなく、
迷わずに生き抜かれた、
お手本のような人生だと感じます。
故人のご冥福をお祈りいたします。
合掌以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の
「幻を追いかける」でも書きましたが、
どうしても、
思いのままにならない現実はたくさんあります。
治ることがないガンなどは、
その代表的な存在かも知れません。病など、患いたい人はいません。
もし、患ってしまったなら、
誰でも、一刻も早い治癒を願います。しかし、手術不能のステージⅣ、再発がんでは、
多くの場合、
治癒することは叶いません。
「治ることはない」、
それが現実です。その現実からは、
けっして逃げることはできません。
すべての人間が、
死から逃れることができない現実と同じです。
もちろん、
本当に逃げることができないのか否かは、
シッカリと確認する必要はあります。
じつは、根治への避難路が残されていたのに、
医療者の都合で危うく行き止まりに案内されてしまった患者さんは、
今まで何人か診ています。しかし、本当に逃げることができないことが確認されたなら、
逃げなければ良いだけのことです。ガンなど宿さないほうが良いに決まっています。
しかし、それを宿してしまい、
それから逃れることができない現実が判明したなら、
逃れることは考えず、
他の納得を得る必要があるように思います。
恐れおののき、
逃げ惑う人生よりも、逃げずにその状態を楽しむ。その結果、「ガンになって良かった」という言葉を、
末期ガンを宿した患者さんから聞くことは、
珍しくありません。
話術に長け、その講習会まで行っている一部の腫瘍内科医が、
如何に巧妙な言葉を並べても、
現実は変わりません。出口のない逃げ道に誘い込まれてしまったら、
ただ、たた焦り、
さらに迷ってしまうだけです。
迷いの闇の中では、
平穏ないのちなを楽しむことはできないはずです。現実を直視してこそ、
納得のできるいのちが存在しているように感じます。以上 文責 梅澤 充
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正月三日も仕事始めも一段落したかと思ったら、
多くの日本人は、
本日から再び三連休。
連休明けが、
本当の始動かも知れません。
メリハリがなく、
なんとなくダラダラとはじまり、
ダラダラと時間が過ぎていく。
治らないガンとの共存のお手本のようです。ガン治療も、
厳しいスケジュールに合わせて、
かしこまって受け身になってしまうと、共存は叶いません。患者さんの体調に合わせて、
ダラダラと辛くない範囲で、
治療を受けることが、
長く治療を続ける秘訣です。昨年もそして今年も、
「治らない」という現実を書きます。昨年、ある僧侶から聞いた言葉ですが、
「治らないという現実」を前にして、
「治るという幻」を追い求めるのではなく、幻を追いかけなくてもいいような人生を送ることが、本当の幸福につながるように感じます。
真実だと思います。
以上 文責 梅澤 充
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東京は暖かいお日様に包まれ、
ノンビリゆっくりの2018年のお正月休みも、
アッという間に過ぎていきました。
初詣にも行きませんでした。
外出は、現在、改装中の診療所の工事の進捗状況を、
偵察に行ったくらいです。
先日の
お気楽な二つのネコを手本に、
暖かい日差しの中で、
気持ちの良い転寝も楽しむ、
ヒマな休暇を過ごしました。
しかし平和な時間も終わり、
本日から診療開始、臨戦態勢入りました。
工期は予定より長引いており、
今月前半くらいまで、
ドンドン・ガタガタと騒音で、
ご迷惑がかかるかも知れません。
しかし診療所の業務時間にも、
検査機器にも影響はありませんので、
今までどおりに安心してご利用ください。
治らないガンとの付き合いに理屈はありません。共存していく以外には道はありません。治りたいという希望は、
捨てることは必要ありませんが、
希望と現実をシッカリと見据えて、今年もダラダラ続けてください。焦りは禁物。身体を苛めることなく、
ダラダラと付き合っていれば、治らないガンを背負っていても、
また素敵なお正月を迎えることができるはずです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
日本の社会では、
本日が仕事始めになるかたが多いと思います。
多くの病院も本日から、
救急以外の外来診療が開始されます。
大塚北口診療所は、
一般外来診療は年末年始も休み無く、
年中無休ですが、
私の仕事はじめは、
明日 1 月 5 日からです。
ガンを宿した患者さんは、
年末年始は、
ゆっくり休むことはできたでしょうか。
年末年始による病院の休みで、
本来のエビデンスどおりの、
注入スケジュールとは違って、
長い休薬期間が得られたラッキーな患者さんも少なくないと思います。病院が休みだから、
点滴の時期をずらす。患者という人間を心身ともに縛るエビデンスとは、
その程度の存在です。毒の注入予定に身体を合わせるのではなく、
患者さんの生活・体調に、
合わせて行われるのが、治らないことが分かっている病に対する、
正しい治療だと考えます。
身体に鞭を打って無理無理 3 週間毎の、
毒薬の注入が辛ければ、
4 週間に5 週間に1 回に減らせば、
身体が感じる負担は大きく減ると思います。
その結果、エビデンスどおりの、
3 週 1 回よりも、
明らかに不利な結果が出てくるでしょうか。
あるのは3 週間に1 回で行なった時のデータだけで、
その他のインターバルで実行した場合のデータなどありません。ラクな上に、より大きな効果が得られるかも知れません。実際に卵巣がん再発や手術後の、
お決まりの抗癌剤は、
本来 3 週間に1 回でエビデンスが出されていますが、
一部の腫瘍内科医をあざ笑うかのように、
はじめから 4 週間に1回で予定される病院も、
少なくないようです。
エビデンスしか錦の御旗を持たず、
それがすべてである一部の腫瘍内科医のアタマの中は、
「データが無い = 効果が無い」という思考回路しか存在していないようです。
患者さんが苦しむ姿を楽しんでいるのではないかと、疑いたくなることもあります。
患者と医者、
求めるところは、
相当に違っていることは珍しくはありません。今年こそは、
患者さんご自身の為の治療を探してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
お正月も、早くも三日。
下の写真は、
サンデー毎日で年末年始もなく、
タダ寝ているだけの、
ヒマなネコ二つです。
元日の、
穏やかなお日様をいっぱいに浴びて、
のどかな一日です。
奥に観えるブーねこ、又吉は、
すでに15歳を超えています。
たくさん寝ることこそ、長生きの秘訣であるように感じます。
それは、人間様にも通じるところがあります。
お正月は、
身体に溜まった毒を抜くためにも、美味しいお酒でも飲んで、
ゆっくり休んでください。
2018年寝正月の二つネコ年はないからヒマだにゃ~以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
年末の
「自家がんワクチン」に対して、
何が目的かは知りませんが、「健康保険で賄えるように臨床試験をしないのって、
最早犯罪だと思います。」というお気楽、無責任なコメントがありました。
余程ヒマな、腫瘍内科の大先生でしょうか。
臨床試験はすでに進められています。しかし、一民間零細企業にとっては、
凄まじく高いハードルです。
ニボルマブ(オプジーボ)が発売にこぎつけるまでに、
5000億円の費用がかかっているとの報告もあります。
然るに、お一人様一年間で3500万円という、
異常な薬価がはじき出されてきます。
自家がんワクチンも、
コツコツとデータは積み重ねてきています。
ランダム化比較試験も行われています。
日本の自家がんワクチンが、
膠芽腫という、
極めて予後の良くない脳腫瘍の根治手術後には、
明らかに有効と思われるデータが、昨年、アメリカで報告されています。
同時に、過去のデータの解析からは、
乳がんの骨転移に対しての有効性も、論文化されています。
零細企業も地道な努力は積み重ねています。それを「最早詐欺」とは、
ずいぶんと無責任だと感じますが、
腫瘍内科系統の人には、
何故か、親の仇のように嫌われていますので、仕方がないコメントだとも感じます。
投稿者は、
医療者か、
ご自身あるいは身内の人間で、
再発を危惧している状態ではない、
岡目八目でのコメントだと感じます。
しかし万一、再発も危惧しなければならない、
根治手術後の患者さんであれば、
再発の予防に対して、
「最早詐欺」などと、
本気で考えていたら、
大きな後悔を残す可能性も多分にあるように思います。今のところまだ保険適応になっていないことは現実であり、
100万円以上の費用は痛手ですが、
身内の人間なら、
費用は工面して、
迷わず使います。細胞毒での、
再発予防には、
最悪、廃人に豹変してしまう可能性もある、
身体が受けるダメージと時間、
その後のQOLの低下、
さらに、健康保険でも安くはない薬剤費用、
その極めて大きなマイナス面と、再発確率が低下するかもしれないというメリットを、天秤にかけると、
多くの種類のガンに対して勧めません。
この種のコメントは、
すみやかに削除していきますが、
今年も、たくさん投稿されるのでしょうね。
チョッと憂鬱です。以上 文責 梅澤 充
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