蝉(セミ)です。
本日で8月も終わり、夏もとりあえず終わろうとしています。
蝉が、行く夏を惜しむように盛んに鳴いています。
蝉には大きな不思議があります。
ご承知のとおり蝉は5年間ないしは7年間地中で生活をして、
夏の暑い日に地上に這い出てて来て、
盛んに鳴き、子孫を残すと速やかに消えていきます。
地上で蝉として生きるのは概ね1週間といわれています。
安全な地中で長い年月生活をして、
危険がいっぱいの地上では速やかに仕事を終え死んでいきます。
日本の蝉は、5年、7年のタイプが多いようですが、
外国には13年ゼミ、17年ゼミという種類の蝉がいます。
13年、17年周期で大量発生してきます。
それぞれ13年間、17年間地中生活を送り、
地上では1週間です。
しかし、10年ゼミ、15年ゼミはいません。
9年ゼミもいません。
何故、5年、7年、13年、17年なのでしょうか。
これは有名な話ですのでご存知の方も多いと思いますが、
その数字の共通点は何でしょうか。
すべて、素数なのです。
何故、素数を神様が選んだのかについて、
人間はイロイロ推測しています。
蝉が一時に大量発生するのは、
一つには子孫を残すチャンスを増やすためであろう
と考えられています。
子孫を残すことができるのは地上にいる1週間ですから、
その1週間にできるだけたくさんの同類の蝉が出てくれば、
それだけ生殖の機会に恵まれます。
その時同時に、他の種類の蝉が大量に発生してきたら、
餌や繁殖場所の問題も出てくるかも知れません、
そこで、素数が選ばれた、と考えられています。
また、他の虫か何か蝉にとっての天敵の出現が何年周期かの場合、
やはり素数であれば、
その天敵に巡り会うチャンスも最小限度になります。
13年ぜみと17年ゼミとが一堂に会するチャンスは、
ナンと221年に1回です。
このようにして子孫を残すメカニズムは
精密に蝉のDNAにプログラムされています。
神様が創った種の保存のメカニズムは非常に合目的的に創られています。
これは、人間が生き抜くためのプログラムとて同じです。
恐ろしいほどに精密にぬかりなく、
生き抜くそして子孫を増やすメカニズムが
人間のDNAには組み込まれています。
その一つは免疫です。
ばい菌やウィルスが進入してくると、
見事にそれを退治してくれます。
また、怪我をしたときも、傷口をただ舐めていれば、
自然に治癒します。
ガンが発生してきた時とて同じです。
人間の身体は、自分に不都合なことが発生すれば、
必ずそれに立ち向かいます。
私は、1万例以上のガン患者さんの免疫力を見たデータを持っていますが、
ガンを背負っていても全身状態の良い患者さんでは、
ほとんどの方で免疫力は高くなっています。
それは、ガンと対峙していこうという人間の姿勢の表れだと思います。
しかし、ガンの場合、
その増殖力の方が、人間の免疫力よりも強力であるが故に
また、8月28日の「リンパ球療法」でも書いたとおり、
ガン細胞の方が人間より賢いが故に
ガンは放置すれば増大します。
一方、その憎きガンを何故、神様は創られたのかについては、
イロイロな説があります。
(発生原因とは違います)
一つには、蝉と同じように種の保存のためであろうという考えもあります。
生命存在の意義は、その種族を未来永劫残していくことだろうと考えられています。
そうなると、人間は子供を生み育て、その子供を教育したならば、
もはや用無しです。
百歳を超えたお年寄りが街中に溢れていたらどうなるでしょうか。
一部の文明国では、
そのお年寄りを支えることもできるかもしれませんが、
今なお、世界の多くの国では食糧難に喘いでいます。
そのような国では、お年寄りが食べればそれだけ若い人間の食料が不足します。
種の保存の危機です。
したがって、生物としてはある一定の年齢になったならば静かに消えて欲しいのです。
80歳を超えた高齢者には非常に高率にガンが発生している実情を見ても、
この、「種の保存のために個人を消滅させるためのガン発生」という考え方は、
説得力を持ちます。
若くしてガンが発生してしまったのは、
プログラムの小さなミスなのかも知れません。
しかし、そうであれば、
神様が仕組んだ消滅のためのプログラムに対して、
人間の高々数十年の近代医学だけで対抗するにはかなり無理があるように思います。
やはり神様が与えてくれた、
生き抜くためのプログラムも大いに活用しなければならないように思います。
蝉の不思議から、
イロイロと想像を廻らせました。
8月も本日で終わり、
また今年も、何処にも行けない夏で終わりました。
以上 文責 梅澤 充