いままでにも、
何回かありましたが、
10月28日の「突然の休診」や、
10月29日の「制限食の被害者か?」でも、
糖質制限食の愛好家?は、
けっこう存在していることを知りました。
今回の私の緊急入院騒動の原因は、
私自身が何年にもわたり気付かないうちに犯した、
糖質制限食の罠に見事に落ちたのが、
最大の原因だったように感じます。
どうもガンではなさそうでした。
しかし本物のがんを宿した患者さんでは、
糖質はダメ、
肉もダメ、
しかし何故か玄米の炭水化物だけはお咎めなしなどなど、
様々な流言飛語・ノイズに、
日々悩まされていることと思います。
公衆衛生学他様々な研究から、
がんという病気の発生確率と、
動物性蛋白質・油脂の過剰摂取とは、
因果関係がありそうだということは、
明らかになりつつあるように思います。
勿論それはタバコを吸う人間では、
肺ガンになる確率が、
吸わないヒトよりも高い、
というだけで、
喫煙者全員が肺がんを宿すわけではありませんし、
非喫煙者が肺がんに襲われることも珍しくはありません。
日本人にがんが少なかったのは、
欧米と比べて糖質が遥かに多い食生活が所以ではないか、
という仮説もあります。
僅か100~200年ほど前のお相撲さんは、
トンガラシ味噌だけで、
どんぶり飯をかけこんで、
あの体型を作り、
土俵に上がっていたのですよね、
一つの人種の体質はそんなに簡単に変わるのでしょうか。
糖質を制限することで、
体調が良くなるのであれば、
それはその個人にとって、
偶然当たっていた(いる)だけであり、
飽食の国の「不健康ダイエット」としては良いのではないでしょうか。
女性は体重が減ると、
理屈抜きに気分が晴れるようですから。
しかし他人に強要するべきではありません。
ましてがんを宿した患者さんにとっては、
根拠の無いデマは、
仮に善意であっても、
大きな迷惑です。
「お米が大好き」
「食欲はなくてもご飯だけは食べることができる」
と言われる患者さんは少なくありません。抗癌剤はいくら減量しても、
身体に良いクスリではありません。
露骨な味覚障害を発生する患者さんもいます。
その時には、
深手を負う前に、
即刻、その治療は変更しますが、
微妙な味覚の変化があるような場合、
日本人の本能として、
お米 = 糖質を欲するのではないでしょうか。
生れてすぐの赤ん坊も、
甘いモノは舐めようと反応しますが、
その他の味覚は遠ざけるように反応する、
という結果がでている実験があります。
がんを宿した患者さんは、
絶対に真似するべきではありませんし、
健康で一般的な日本人でも、
「糖質 = 炭水化物」を極端に制限した食生活では、
長い寿命は得られないように感じます。私は長生きしたいとは考えていませんが、
身体の自由が奪われるような食生活だけは改めて、
糖質もシッカリと食べるように改善しました。
じつは米の飯も麺類も大好きですから、
苦にはなりません。
食事は美味しく、楽しく、バランスよく、
それに尽きるように感じます。
特にヤツを同居させている患者さんでは、
制限の無い楽しい食事は、
抗癌剤なんかより、
遥かに効果があると思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ご心配いただいた体調は回復しつつあるような気がします。
「ご心配おかけして・・・」
テレビでは、
謝罪だらけのようですが、
「ご心配ありがとうございます」とは言えても、
深々と全員に謝罪するほどではないと考えています。
ただ、前日にキャンセルの電話をおかけした患者さんには、
診療の約束を守ることができずに、
本当に申し訳ありませんでした。
お詫びいたします。ところで、
私は行ったことはありませんが、
関西の一流と云われるらしいレストランが、
随分とデタラメをして謝罪していましたね。
トビッコ(トビウオの魚卵)をキャビアと偽り、
タダのネギをブランド野菜の九条ネギ、
タダの豚肉を霧島ポーク・・・
騙されて、
高いお金を払わされても、
「あのキャビア、美味かった」
と思うことができたなら、
知らぬが仏であり、
その時は至福の時間を楽しめたのですから、
バラさなかったほうが良かったという側面もあるように感じます。
日本中、恐らく世界中に、
良からぬことをして、
至福ならぬ私腹を肥やす人間もいるようで、
大規模な米の偽装もあったそうです。
日本では放射性物質を垂れ流しにしている地域もあるようですが、
食べてはいけない米が混ぜられていても、
食べる人間は気が付かないでしょうね。
放射性物質は、
致死量を食べても味はしないはずですから。
その海から取れる魚を国民に食べさせる試みも、
公然とおこなわれているようです。
件の事故発生から2年半も経ち、
その深刻さを徐々にマスコミも出してきたようですが、
かなり深刻な状況で、
オリンピックどころの騒ぎではないように感じます。
食という人間が生きていくうえで、
一番大切な事象さえも、
自分の意志とは別の方向を向かされている。
医療も同じように感じます。
医療も食と同様にヒトにとっては重要だと思います。
10月24日の「手術後抗癌剤治療」でも書きましたが、
捻くれ者の目には、
現在の「標準的」とされる抗癌剤治療も、
かなり怪しく映ります。
各種の学会が作成・提唱していますが、
がん治療の「ガイドライン」などで、
人間の命・生活を決めつけることが、
何故、神様以外に許されるのか、
不思議でなりません。
そして、それを知ってか知らずか知りませんが、
その命のガイドラインを甘受する患者さんの気持ちも、
理解に苦しみます。
日本人の温厚さ故のことでしょうか。
国立の××センターなどでは、
忠実にそのガイドラインに従うことを推奨しています。
現在の標準的な抗癌剤治療は、
自分自身あるいは身内の人間であれば、
執行したいとは思えない治療ですが、
様々な理由で、
がんに対する治療を受けることができない患者さんを出さない。
日本人全員一律に、
最低限度の同じ治療だけは受けることができる、
という仕組みとしてはアリなのかも知れません。
しかし個々の患者さんで、
多少の自由は許されても悪くないと思います。
現在の「標準治療か無治療か」の、
二者択一は、
あまりにも選択肢が少な過ぎるように感じます。でも、ブランド病院から出される定食なら、
無条件に美味しいと思うことができるならば、
それはブランド病院の大きな存在意義であり、
それは「悪」ではなく、
トビッコをキャビアと見せかけて、
美味しく食べさせるマジックなのでしょう、
きっと。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
個人の突然の体調不良に対して、
お見舞い励ましの、
たくさんのコメント・メールありがとうございます。
昨日も書きましたが、
緊急入院が必要と自ら判断するような状態にも関わらず、
検査データ上は一見すべて正常。
画像診断も頭・頸部のMRI、MRA、
輪切りだけでなく、縦切り横切りの全身CT。
何処にも異常が見つかりません。
鋭くはありませんが、
アタマの回転だけは通常通りに保たれていましたので、
病院のベットで寝ながら、
今回の原因を散々考えました。
様々な鑑別疾患名が浮かびましたが、
その中には、
「精神疾患」
「痴呆」
「老衰」
「仮病」
などの病名?も浮かびました。
自分自身が救急当直医をしているとき、
夜の11時過ぎに、
初老(爺さん)の意味不明の病態、
それに対する検査結果を診たら、
おそらく「仮病」という病名を付けていたように感じます。
他覚的にはそのような病状でした。
本人は死ぬこともあり得ると考えたような状態にも関わらず、
本当に理解不明の病態です。
いただいたコメントの中に、
「糖質制限」を勧めてくれる内容もありました。
勿論、善意のコメントであることは間違いないと思います。
じつは、今回のエピソードも、
食事の異常が積み重なって、
その負担が破綻したような気もしていました。
私自身の毎日の食事内容を考えると、
あまりにも大きく偏っていました。
通常の日本人と比較すると、
摂取エネルギーのうち、
炭水化物(=糖質)が異常に少なかったのは事実です。
いただいたコメントとはまったく逆の状態です。
日本人の祖先は農耕文化を獲得してから、
狩猟民族とは違い、
数千年にわたり、
ほとんど炭水化物(=糖質)からエネルギーを摂取していました。
1日4合の米の飯に、
みそ汁に漬物、たまに焼き魚、程度の、
タンパク質、脂質に乏しい、
ほぼ糖質だけで重労働に耐えて生きてきたのが日本人です。
明治時代にそのお粗末?な食事を観た西洋人が、
車夫に米の飯に牛肉を追加して食べさせた時と、
普段の米だけでの時で、
人力車を引かせる実験をしたことがあるそうですが、
米の飯だけのほうが、
日本人には合っていたようです。
私の人生の半分以上を占める、
医者になってからの時間は、
アメリカで生活したこともありますが、
食事は、日本の食生活とまったく逆の、
大きな糖質制限食を続けていました。
どうもそこらへんに、
今回の緊急入院を余儀なくされた症状と関係があるように感じています。
実際に他覚的所見で異常を認めない患者ですから、
当直医も困り、
とりあえず入院して、
おこなった治療は、
ブドウ糖と電解質の点滴、
それと塩分制限の全粥の病院食でした。
管理栄養士がメニューを考えてくれますが、
ごく普通の日本人向けの食事です。
その内容をみて、
炭水化物(=糖質)の割合があまりにも多いので、
少々ビックリしました。
自分の食生活の大きな過ち、
「糖質制限」に気が付きました。私は自分の好みだけで勝手にずれてしまいましたが、
食事は制限してはいけません。砂糖をなめても、
米の飯(炭水化物)を食べても、
最終的にはブドウ糖にまで分解されて吸収されます。
通常の日本人で、
糖質を制限することは、
死ぬことを意味します。
甘いものを控えても、
ご飯を食べれば同じです。
パンでもソバでもウドンでも同じです。
糖質制限でもし体調が向上するなら、
それは、日本人独特?の、
願掛けの「お茶断ち」程度の効果だと思われます。
「偏食の害」については、
何回も書いていますが、
自分自身が偏食の大きな被害に遭ったような気がします。
好きなものを食っているのだから、
それも良しですが・・・普通の人間に対して、
制限を勧告できるのは、
酒とタバコだけでしょうね。
しかし基本的に私自身、
「しょっぱくもねぇ味噌汁飲んで100まで生きてドウする。
うめぇもの食って50で死んだ方がイイ」
という言葉は大好きで、
それも理解できます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
2006年1月からこのブログを開始して、
「休診」はしばしばありましたが、
更新しなかった日はほとんどありませんでした。
しかし、昨日はブログを突然「休診」してしまいました。
10月26日の土曜日の夜に、
急に、大塚北口診療所の兄弟病院である、
東京北部病院に緊急で入院することになってしまいました。
土曜日の夜、
緊急検査でMRI、CT、心電図、
血液検査などをおこなうも、
異常は何処にも見つかりませんでした。
しかし明らかに異常な症状はありましたので、
入院することになりました。
原因が分からない異常というのは、
イヤなものです。
ところが、
昨日、夜に寝て、
起きてみたら異常な症状は明らかに改善。
本日からとりあえずの仮釈放で、
シャバに出てきました。
人間生きていると何が起こるか分かりませんね。
今後は、突然の休診はあるかも知れないことを、
お伝えしておきます。
2006年1月から私自身、
8歳も歳をとりました。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日のブログを休診にしたのは、
忙しさだけが原因ではありません。
午前中に患者さんは集中して、
午後は比較的ヒマでした。
しかし、あまりにも悲しく虚しい現実を見てしまいました。巨大多発肝臓転移に対して治療を希望されて来られた患者さんです。
一月ほど前から週に1回の点滴治療をおこなっています。
前の超ブランド病院での治療は、
「あまりにも辛すぎる」
「点滴後、数日間身動きすらできなかった」ということで、
先月大塚北口診療所に来られました。
しかし細胞毒は大きく減量しても、
「全身が痺れて寝られない」
「体調があまりにも悪くなる」という激しい副作用に悩まされています。
常用量の10分の1以下にしても「辛い」
勿論、客観的に見て分かる副作用は軽微ですが、
ご本人が辛いと言えば、
それがすべてです。そこまで辛いなら、
治ることが期待できない病気ですから、
「何もしないというのも一法ですよ」
「むしろ副作用で辛い思いをすると、
がんを悪化させる可能性もありますよ」とは、
2回目から話していましたが、
「辛くてもかまわない、やって欲しい」の一点張り。
治ることは期待できないことは、
はじめて来られた時から、
ご本人も自覚されています。
4回(4週)終わった時点で、
CTを再度撮ってみると、
肝転移は増大している。
その前に3種類の腫瘍マーカーのうち、
低下しているのは1つだけ、
残り2つは確実に増大している。
CT上での増大は、
患者さんの目で視てもハッキリしています。
「全身が痺れる」
「夜も寝られない」程の、
激しい副作用の代償が、
がんの増大。
それを見て、
「やはり治療は止めましょう」
「むしろ、何もしない方が長生きできる可能性もありますよ」
と話しても、
「辛くてもやりたい」との考えは変わりません。
「縮小が無くても、せめて増大が無いのであれば、
苦しむ価値と同時に、
鞭を打つ人間にも、
それなりの言い訳はできるけど、
明らかな増大・悪化と平穏な日常生活を妨げるような、
拷問を執行する正当な理由は見当たらない」ことを、
他の患者さんを待たせて、
何回も話をしていて、
あまりにも大きな虚しさに衝撃を受けました。
おそらく鬱症状だと思われますが、
ご自宅の目の前にあるという病院でも、
体調不良の時には診てもらっていますので、
そちらの病院か緩和ケア病院で、
対処してもらうように説明して、
やっと納得?されて帰りました。
日本中多くの患者さんが、
標準的に大量の細胞毒での拷問を受けていると思います。その責苦の代償の価値をシッカリと認識して、
その代償に納得されてから、
それを続けてください。苦しみだけで、
代償などまったく無いことも少なくありません。鞭を打たれる患者さんほどではないにしても、
それを打つ人間も相当に辛いことも事実です。
治らないこと、
僅かな延命効果しかない、
もしかすると延命効果など無いかも知れない現実を知りながら、
本気で鞭を振り下ろす人間の気持ちは理解に苦しみます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
明日くらいに、
台風が東京に近付いてくるという予想のためか、
本日の大塚北口診療所は、
多くの患者さんが来られました。
時間がありません。
ブログは休診にします。
台風の被害が出ないことをお祈りします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がんに対する根治手術後の、
再発予防の抗癌剤治療については何回も書いています。
ラクではない、
細胞毒の大量注入を受け入れるか否かは、
すべてご本人の判断に委ねられます。
「見える範囲のがんは全部取りきりました」という、
一見、ありがたい執刀医のお話しをいただくと、
その言葉の裏に隠されている、
「見えない部分は取ってはいません」という当たり前の事実は忘れてしまいがちになります。
私自身もと外科医として、
その裏を含んだ台詞をずいぶんたくさん発しました。
とりあえずの根治手術後の再発治療では、
「見えない」残存がん細胞を、
生かしておけば、
恐らくそこから芽が出て、
いずれかの時期に「再発」という言葉を聞くことになります。
手術後の再発予防の抗癌剤治療は、
その種を見えないうちに皆殺しにして、
再発を防ごうという考え方です。
乳がん、大腸・直腸がんなどでは、
たいそうなエビデンスがあるように扱われ、
当たり前として執行されています。大腸がんの場合は、
すでに肝臓転移がありステージⅣの状態で、
転移を認める肝臓を同時に切除できれば、
「見える範囲は全部切除した」ということになります。
そのとき多くの場合、
手術後の再発予防の標準的抗癌剤治療が、
後に待ち構えています。
しかし手術直後に再発予防の抗癌剤治療をおこなった患者群と、
高い再発確率を知ったうえで、
経過観察だけをおこない、
経過中に再発が確認されてから、
その標準とされるラクではない治療をはじめた患者群とで、
統計学的に有意な差はありません。すなわち、
とりあえずの根治手術直後に、
辛い思いをしても、
ラクな時間を楽しんでから、
不幸にして再発を観てから治療を開始しても、
生きていることができる時間に差が無い、
ということです。
それは大腸・直腸がんに限ったことではないように感じます。随分とむかしの
2010年12月23日の「乳癌手術後再発確率」でも書きましたが、
現在一般的になってきた、
乳がん手術後の標準的再発予防治療も、
その数字の信憑性には大きな不安も感じます。現在、大腸・直腸がんでは、
ステージⅡおよびⅢでは、
標準的な儀式・拷問を受けると、
閻魔様の気分も少し落ち着かれるのか、
再発確率が僅かに低下するらしい、
というデータが、
製薬会社主導の治験結果として出されています。乳がん手術後の再発予防に絶大な効果が噂された、
パクリタキセルも、
製薬会社の専売特許権が切れて、
後発薬品が出た途端に、
「予防効果無し」のデータが出されました。大腸・直腸がんの再発予防に対して、
現在の主役の一つである、
高額なオキサリプラチンも、
間も無く特許が切れ、
後発薬が出て来るそうですので、
予防確率のデータも変わるかも知れません。変わらないのは副作用だけのような気がします。再発予防のための、
かなりの苦痛を伴い、
場合により終生その後遺障害の残る儀式に対しては、昨日の「無知の強さ」でも書いたとおり、
その個人が如何なる価値観を持っているかですべてが決まります。万一、現在データ化されている数字に、
恣意の変動が無かったとしても、
その数字はあくまで確率であり、
たった一人の患者さんの利益を担保するものではないことは、
忘れないほうが賢明だと思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
手術後に何も症状がないのに、なぜ、治療??
標準治療の拒否もありなんですよね。
などという呑気な裏のコメントありました。
そのコメントのがんの場合、
標準的な抗癌剤治療を受けると、
無病期間が平均20ヶ月程度得られます。
しかし無病期間が、
無治療よりは長く得られるだけで、
標準的な治療を受けても、
再発確率は低くありません。一方、再発を観た場合、
標準的に大量の細胞毒を注入しても、
統計学的には治ることはありません。何が目的で治療をおこなうのか、
その結果、如何なる利益と不利益を被るのか、
すべて自己責任で、
考えて行動してください。
拒否も実行も、
すべて自己責任です。勿論、「何も症状がないから無治療」も、
自己責任の上で、
十分にアリです。実際に再発が確認された時、
すなわち治らない癌が発見されたとき、
「あれだけ辛い思いをしたのに再発してしまった」
「あの辛い治療はナンだったのか」
「あの時、辛い治療を受けていれば再発をしないで済んだかも知れない」
「辛い治療に耐えておけばよかった」と後悔される患者さん。
「あれだけ辛い思いをしても再発したのだから仕方がない」
「辛いことはしていないのだから、再発しても当然」と割り切ることができる患者さん。
手術後の辛く厳しい標準治療を受けた患者さんでは、
終生再発を観ることなく天寿を全うした場合、
その治療を受けたから再発しなかったのか、
受けなくても再発しなかったのは、
誰にも分かりません。
細胞毒からは、
すべて逃げても、
終生再発を観ない患者さんもいます。
ご自身の価値観・人生観だけが、
すべてを決めてくれます。「知識は武器」ということを何回も書いていますが、
「無知」も人生の大きな武器かも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
手術後に執刀医から、
「見えるがんはすべて取った」というありがたい言葉を裏から聞くと、
「見えない癌は取ってはいない」という極めて紛らわしく表現される、
とりあえずの根治手術後に癌が再発して、
一般的な標準的抗癌剤治療を執行され、
すべて無効と判断された患者さんは、
現在も何人も通院されています。
「見えない癌は取ってはいない」という、
裏の言葉が聞こえなかったのだと思います。
はじめて大塚北口診療所来られてから、
すでに1年以上の時間が経過している患者さんは何人にもいます。
皆さん治らないことは、
はじめの病院で標準治療を開始した時から、
すなわち再発が確認された時から、
シッカリと宣告されていて、
はじめて大塚北口診療所に来られた時にも、
お話ししてあります。「治るという類の病気ではない」こと、
ただし、
「治らないということと、すぐに死ぬということは別」であることを、
シッカリと説明して、
その後も何回も同じことを話しています。
しかし、その意味をまったく分かってくれない患者さんも、
けっして少なくありません。
分かりたくないのだと感じます。ほぼ初診時の状態を続けるも、
少しずつ悪化している、
という状態の患者さんは何人もいます。
使える武器もほぼ尽きてしまっている患者さんもいます。
「諦めないがん治療」というのがあるそうですが、
必ず何時の日にか、
諦めざるを得なくなります。諦める前に、
まったく別の原因で旅立った患者さんもいます。
しかし平均余命が、
30年以上あるような患者さんでは、
治らない癌を宿してしまった場合、
治療は不可能になる日はいつの日か、
ほぼ間違いなく来ます。
それが治らない癌の現実です。
そのような癌に対する治療では、
患者さんに、如何に長く、
そして快適な生活を続けてもらうこと、
それだけを考えています。昨日の「責任と価値観」でも書きましたが、
再発は多くの場合、
治らないということを意味します。
その厳しい現実を、
敢えて無視しているのか、
知らないフリをしているのか分かりませんが、
直視して、
真剣に向き合うことを嫌う患者さんも多々見ます。
がんの存在による症状が継続している患者さんもいます。
それに対しては対処療法しかありません。
しかしすでに標準時間の何倍もの時間は得られています。
そのような患者さんの口から、
「ちっとも良くならないし」
「同じことの繰り返しですね」などと言われると、
とても悲しくなります。
地球上のすべての生きている人間では、
24時間経つと明日を迎えます。
毎日、毎日その繰り返しです。
しかし、1年8760時間であり、
百万時間、同じ生活を繰り返すことができる人間は一人もいません。
すべての人間は病など関係なく、
時間が経てば確実に老いて死に向かいます。がんはその時が来ることを少しだけ早める可能性があるだけです。
死は、嫌でもすべての生きている人間に絶対に訪れる現実を、
シッカリ理解しないと、
大切な宝物のような輝く人生を失ってしまうように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ここ数日、がんと云う病を宿したときには、
ご自身の価値観をシッカリと持つことが重要です。
という当たり前のことを書いていますが、
その当然であるはずの、
価値観も死生観も持たない患者さんは、
けっして少なくはありません。ただただ、「がん宣告 = 死刑宣告」と勘違いして、
慌てふためくだけという患者さんが、
圧倒的に多いように感じます。さらに、
10月18日の「がん情報と価値観」で書いたような、
正解など存在していない、
「再発予防の抗癌剤治療を受けるべきか否か」を問う、
無理なメールが18日から3日間で3通迷い込んでいました。
年齢、ステージに若干の違いがありますが、
いずれも乳がんの手術後で、「標準的な細胞毒の注入を勧められている」
「しかし迷っている」という内容です。
顔も見えないメールでの返信は不可能であり、
すべて無視しています。
おそらく
「受けないほうがイイですよ」といってもらいたいのだと感じます。
そして、
その「答え」で、受けない自分の責任を分散させたいのだと思います。すべてはご自身の価値観の上で、
自己責任だけで決めてください。細胞毒の大量注入がどうしても容認できない患者さんでは、
これも自己責任になりますが、
4月2日の「大塚北口診療所で免疫細胞療法」で紹介した、
免疫細胞療法を再発予防に利用している患者さんは、
何名もおられます。当然エビデンスはありませんが、
細胞毒のように
「削られる命」も無いと思われます。
私の個人的な価値観から考えると、
すでに再発を観てしまった患者さんでは、
それだけでは大きな期待は持つべきではないと思います。しかし再発前、
すなわちがん細胞の塊がまだミクロの段階では、
それを死滅させてくれる、
その結果、再発を抑制してくれる可能性はあるように感じます。「再発 = すぐに死ぬ」ではありませんが、
多くの場合、
「再発 = 治らない」という結果になります。その事実を考えると、
再発予防のための免疫細胞療法は、
経済的な問題が解決できれば、
けっして悪い選択肢ではないように感じます。乳がんのように、
手術後の標準的な抗癌剤治療で、
再発確率が僅かでも下がるであろうことが期待されるのであれば、
「命を削って」再発の予防のために、
毒壺に突入することも悪くはないと思いますが、
他の種類のがんでは、
もし予防効果があっても、
極めて僅かな数字だったり、
あるいは予防効果そのものも、
シッカリしたエビデンスと思えるものが存在しない、
不思議な「標準治療」も、
たくさん執行されていますので、そんな治療(儀式?)であれば、
受けないほうがよほどマシです。経済的に余裕があれば免疫細胞療法は、
大きな選択肢になると感じます。大塚北口診療所には、
小田原から専門の医者が来てくれています。
そして増殖活性化された免疫細胞の点滴は、
大塚北口診療所でおこなっています。
多くの患者さんで免疫細胞の効果を増強させる意味もあり、
副作用の容認できるレベルの抗癌剤や、
分子標的薬による治療と併用しています。
その
専門医を招いたのは、
同じ治療で他と比較すると一番安いからです。
同一治療での患者さんの経済的な負担が少なくなるからです。当然、私との利害関係はまったくありません。
同時に、その治療に関して、
大塚北口診療所でも受け付けてはいません。
直接、
専門医と電話かメールでご相談ください。
その上で大塚北口診療所でその治療を受けることは可能です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
10月16日の「自然の中の人間」に対して幾つかのコメントがありました。
「毎日が最後の晩餐」との素敵なHNの患者さんから、
以下のコメントがありました。
抗がん剤治療による味覚異常
再発治療のためのため、私も5月にジェムザールを50%で治療をしましたが、
味覚異常が出て、食事が食べられなくなったため、
抗がん剤治療を即刻中止し、緩和医療に入りました。
効くはずもない再発治療の抗がん剤の味覚障害で餓死するよりは、
最後の晩餐を楽しんだほうがいいと思っています。
時間があれば、味覚異常は回復して、
美味しく食事が食べられるようになることもあるでしょうね。
ゲムシタビン(ジェムザール)による味覚障害は、
他の細胞毒と比較すると、
頻度は多くはないように感じますが、
50%量以下の、
10%や20%でも味が変わってしまうという患者さんは、
何人か診ています。
即刻、別のクスリに変更しますが、
深手を負わないうちに中止すれば、
味覚は戻るようです。徐々に増量していって、
標準量を超えても、
何も感じないという患者さんも少なくありません、
しかし、戻る「ようです」という、
極めて無責任でいいかげんな言いかたをするのは、
自分以外の人間から教えてもらうだけで、
実際に他人の味覚はまったく分からないからです。私自身知恵が無いことは十分に承知していますので、
観察だけは怠らないように気を付けていますが、
他人の味覚を知ることができる人間は、
おそらく存在しないように思います。
絵画や音曲では、
他人とある程度共有することも可能かも知れませんが、
味覚の共有はできません。
同じく患者さんの痛みに関しても、
他人には理解はおよびません。
無責任なようですが、
医者の観察の及ぶ範囲は、
極めて僅かです。また、多くの場合、
患者さんと医者の価値観は違います。
患者さんはご自身が感じている異常について、
逐一主治医に報告して、
善処策を取ってもらわなければなりません。
そして、ご自身の価値観・死生観を、
主治医にシッカリと伝えるべきだと思います。
10月18日に紹介した「FOLFIRINOX」などでは、
日本の「標準的な閻魔様」も最大量で注入することは、
躊躇する可能性もあります。
あまりにも厳しい刑ですから、
ヒトのこころを少しでも持っていれば、
はじめから100%はないように思います。そうであれば値切るだけ値切って、
閻魔様のお許しになる、
最少量を1回だけ試して、
それでも、予想どおりのダメージであれば、
1回で中止して、あとはゲムシタビンかTS-1などの、
FOLFIRINOXよりは、
一般的には軽い刑に減刑してもらい、
治療を続ける。それが許されないような病院からは、
早々に離れて、
緩和ケア専門の医療機関に移住することも、
賢い選択肢だと思います。現在の日本の医療は、
アメリカも同様のようですが、
癌という病だけしか診てくれない傾向にあります。
それを宿した人間のケアは二の次です。それが標準的な抗癌剤治療の、
悲しい現実です。
膵癌に限らず、
ごく一部を除き、すべての種類の固形癌に対して、抗癌剤で治ることはないことを、
十分に理解して、
ご自身の治療・人生を設計してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
毎度のことですが、
昨日の「地獄への案内人FOLFIRINOX」では、
かなり過激な、
個人的な感情を書きましたが、
膵癌という極めてタチのよろしくない、
狂犬のような癌に対して、
生存期間中央治値が11.1ヶ月という数字は、
現在の医療の過渡期としては画期的です。
しかし半分以上の患者さんが、
1年以内にその細胞毒の大量注入をおこなっても、
死に至ることは事実です。
同時に比較的副作用が少ないゲムシタビン単独よりは、
4ヶ月以上長く生きていた、
というのも事実です。
一方、同じ条件の患者群で、
副作用の無い無治療で、
緩和ケアだけに徹したときのデータは存在しません。無治療では、
恐らく、とても厳しい数字になるとは思いますが、
ゲムシタビン単独にしても、
地獄への案内人のように過酷なFOLFIRINOXにしても、
その病を患ってしまった場合、
死は極めて近い存在になることは間違いなさそうです。その時に、
如何に対応するかは、
すべてご自身で決断しなければなりません。
高額な藁を売りつける、
悪徳業者も存在しています。
一般的に医者は、
統計学的な数字を知り、
少しでも長く生きる可能性のある治療を勧めます。
生を追求するのも、
医療の重要な使命ですから当然です。しかし医者は大量の細胞毒による、
生存時間のおおよその予測はできても、個々の患者さんの副作用に関しては、
検査データ上見ることができる、
骨髄抑制や腎機能障害、肝機能障害などの、
自分の目で確認できることしか分かりません。実際に自分が執行している治療に対する、
患者さんの生活の満足度に関しては、
患者さんから聞かなければ何も分かりません。すでに亡くなっている他人の統計データという客観的な数字と、
ご自身が受けている治療の満足度、不自由度とを、
シッカリと天秤にかけることができるのは、
実際にその治療を受けているご本人だけです。自分を診てくれている医者が判断してくれる、
などと考えたら、
それはとんでもない勘違いです。
現在の日本の抗癌剤治療では、
多くの場合、
大きな減量は認めてくれないようですから、
継続か中止か、
二者択一になってしまうかも知れませんが、
いずれを選択しても、
最終結果は変わりません。選択を迫られたとき、
如何にご自身の人生を考えるかは、
シッカリとした価値観・死生観を持っていないと、
判断に迷い、
結局、副作用に苦しんだ挙句に、
最終局面を迎えることになります。ヒトが生きていくうえで、
当たり前のことですが、
何をするにも、
ご自身の価値観だけが頼りです。意外にも、
ご自身の価値観を持たない患者さんはたくさん見ます。
やはり今の日本は、
かなり平和ボケしているように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
拙著
「使い方次第で抗がん剤は効く!」でも取り上げましたが、
残念なことに、
日本でも遠隔転移を伴うステージⅣbの膵癌を宿した、
PS.0または1の元気な患者さんだけを対象に、
FOLFIRINOXという、
4剤同時併用の激しい抗癌剤治療が認可されそうです。
治らない膵癌を宿した元気な患者さんに、
その過酷な治療?をおこなうと、
11.1ヶ月以内に半分の患者さんが死ぬ、
というデータが出されています。じつは、その数字は膵癌治療では、
画期的な数字です。
比較対象患者群では、
ゲムシタビンの単独治療がおこなわれています。
その数字は6.8ヶ月以内に半分の患者さんが亡くなっているのですから、
じつに4.3ヶ月も生存期間中央治値を延ばしたことになります。
しかし治験参加患者342名のうち、
2年後に生存が確認されている患者さんは知りません。
一方その4.3ヶ月の代償として、
一般的には非常に激しい
地獄絵図のような副作用を被ります。FOLFIRINOXとは、
現在、日本でも大腸・直腸がんに対して認可され、
一般的に執行されている、
イリノテカンが主役のFOLFIRIと
オキサリプラチンを柱としたFOLFOXを合わせたような、
細胞毒の同時てんこ盛り注入です。実際には誰も喰えないような、
目だけで満腹になる、
今流行の「メガ盛り」みたいなものです。
標準量のFOLFOX、FOLFIRIだけでも、
「辛くない」という患者さんはほとんどいないと思います。
ほぼ全員が正常な日常生活は奪われるはずです。製薬会社主導の治験では、
生存期間中央治値、奏効率などの数字を示すだけで、
副作用については、
命に直結する骨髄抑制などの発現確率程度を並べるだけで、
その毒の注入を実際に受けた患者さんの、
「幸福度」については何ら明らかにされていません。
全員、渦に巻き込まれたまま亡くなるのですから、
当然かも知れません。単独でも辛く厳しい拷問のような儀式を、
同時におこなって、
延命が得られたとしても、
それは、様々な価値観・死生観を持つ個性豊かな人間を、
一般的に価値観を認められていない実験用のネズミに見立てた、
製薬会社と医者のお遊びにすぎないように感じます。
しかし、その大量のネズミ君のお蔭で、
医療が進歩していることも事実だと思います。膵癌に対して多くの場合、
イリノテカンもオキサリプラチンも有効です。しかし両者ともに、
標準量の20%、30%という量でも、
苦しい、辛いと言われる患者さんも少なくありません。
それは実際に使ってみて実感しています。
それを標準的最大耐用量で注入する、
考えただけで恐ろしくなります。
自分の身内の人間なら、
絶対に執行しない拷問だと感じます。膵癌で4.3ヶ月という数字は、
現在までの医療では、
画期的な数字かも知れません。しかし、それは生き地獄を味わう時間を延長しているだけ、
であるようにも感じます。現世で地獄の責苦を味わってから、
確実に天国に旅立つ。
あまりにも馬鹿げているように感じます。天国はこの世で味わうものだと思います。今後、その治療とは思えない行為は、
日本中で頻繁に執行されるのでしょうね。
FOLFIRINOX
その4剤の組み合わせは、
患者さんの生活の満足度を落とさない程度に減量しても、
十分に延命効果はあるように感じます。閻魔様には、
「そんな量では効かない」と言われるでしょうけれども、
それを受ける患者さんの「満足度」は、
閻魔様には分かっていただけないし、
「効かない」「延命効果無し」というデータもありません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
10月4日の「無料ネットがん相談室?」でも書きましたが、
メールという便利なツールでは、
まったく顔も見えない、
その存在自信の確証も取れない状態です。
そのメールで、
それが真実であっても、
回答不能のメールが今でも幾つも飛び込んできます。以下のメールは、
はじめは携帯から、
次は、パソコンから、
氏名らしきモノを名乗り、
内容を少し変えて送信されてきました。
はじめの携帯からのメールです。
おはようございます。
乳ガンで、全摘出手術をして、リンパに9個転移してました。
術前は放射線療法とホルモン療法がよいと言われましたが…
この場合の抗がん剤治療は受けた方が良いですか?
お返事お待ちしてます
49才です。ホルモンは陰性ですから、
ホルモン療法がきくタイプと言われました。
幾ら待たれても、
返信は届きません。「ホルモンが陰性でホルモン剤が効く」
と書かれている時点で、
もはや内容が意味不明ですが、
「ホルモンレセプター」が、
「陰性」と「陽性」を間違っていたとしても、
この質問に答えることができる医者など、
存在するのでしょうか。
そもそも「正解」があるのでしょうか。10月8日の「生きいそぐ?」で取り上げたコメント、
および、その記事に対してのコメントにもあるように、
客観的な数字と、
ご自身の価値観だけで決まる、決めるものです。
勿論、手術後の再発予防の抗癌剤治療も、
製薬会社のクスリを売りたいという、
大きなバイアスはかなりかかっていますので、
とりあえずの「客観的」数字であることは、
忘れないほうが無難です。そのとりあえず出されている客観的な数字の意味を、
シッカリと把握・咀嚼して、
ご自身の価値観、
経済状態、死生観などすべてを十分に考慮して、
すべてを決めるのは、
決めることができるのは、
患者さんご自身しかいません。細胞毒注入の専門家に訊けば、
その人間の生活に対するすべての価値観を無視して、
数年以内の再発確率だけを考え、
延命効果があるか否かには、
かなり疑問もありますが、
標準的な抗癌剤治療を勧めるでしょう。しかし専門家が勧めれば、「ハイそうですか、やります」になるのでしょうか。2通目3通目の回答を催促するメールに、
お住まいの地域が書かれていましたが、
東京から近くはないようです。
ご自宅近くの大きな病院で、
正確で客観的な数字を訊いて、
その上で、
ご自身ですべてを決めてください。数日前に書いた
「金木犀」の花は、
昨日の台風ですべて散りました。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日の朝は、
かなり大きな台風が首都圏に接近する、
との予報があり、
昨夜は南側の窓は、
滅多に閉めないシャッターを下ろして寝ました。
朝起きると、
ヒューヒューと風が激しい音をたてていました。
我が家にはかなりおバカなネコが2匹寄生しておりますが、
家の内部に異常は無かったのですが、
モトモト落ち着きのない小次郎(旧姓:チョロ松)が、
いつもは明るい時間に、
シャッターで暗くなっているせいか、
風の音が気になるのか、
ソワソワと不安そうな動きをしていました。
7時半くらいに私が家を出ようとしたときに、
風が強くなってきたので、
テレビのニュースと睨めっこで、
家を出るのを控えている間も、
小次郎君の不安は収まらないようで、
ソワソワ・チョロチョロしていました。
ノラ猫なら当然ですが、
生れたときからヒトの手の中で生きているヤツらにも、
平常な状態ではないことを察知する能力はあるようです。
本日は、天変地異というほど、
大袈裟な状況ではありませんでしたが、
交通網はかなり乱れ、
予約の患者さんのキャンセルが相次ぎました。
大塚北口診療所の近隣には、
ビジネスホテルがたくさんありますが、
昨夜は何処も満室だったようです。
大塚北口診療所でも、
遠方から通勤しているスタッフは、
近くのビジネスホテルに泊まりたかったようですが、
すべて断られてようです。
しかし大塚北口診療所に、
空ベットがありましたので、
そこに入院?したようです。
宇宙の中ではチリのような地球の上では、
ほんの僅かなつむじ風程度でも、
人間の生活は大きく乱されます。人間の存在そのものが、
あまりにも小さいと感じます。その小さな生き物が、
「生きる死ぬ」と大騒ぎ、
3月31日の「桜の季節」はじめ何度も書いていますが、
自然は偉大な存在です。
しかし、ちっぽけな人間にも、
ヒトとしての使命があるように感じます。たかがガンを宿したくらいで、
慌てふためき、
小さなことに囚われると、
本当に重要なことを失います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がんに対する根治手術をおこなったからといっても、
再発をしてくる可能性があるのがガンです。そして再発をきたした場合、
多くは治らないガンに変身しています。再発の可能性が無いのであれば、
それは「悪性腫瘍」であるという、
病理学的な絶対条件を満たしていません。
「がん」という診断名を聞いたなら、
すぐに根治手術あるいは、
根治のための放射線治療を考えなければなりませんが、
それが無事遂行されたなら、
あるいは遂行される目途が立ったら、
次には再発を予防する手段があるか否か、
どのような方法が考えられるのか、
すぐに「知識の準備」を開始しなければなりません。しかし、恐らく、
かなり進行したがんとは思われますが、
病理組織(または細胞)検査という確定診断がつく前に、
慌てふためいている患者さんも時々見ます。
縁故を頼りに、
大学病院で手術を受けることを決めたり、
再発予防の抗癌剤治療は受けるべきか、
放射線治療はドウだ、
免疫細胞療法はドウか、
とあまりにも先走って、
目の前の現実をシッカリ見定めることを忘れているご家族もいます。
シッカリとした知識があれば良いのですが、
ネットなどで目にしたことがあり、
その名称だけは知っている治療について考えても、
何も結論は出てきません。
ご家族の先走りだけの徒労に終わることも、
少なからず観てきました。
ご家族を想う気持ちだけが先行してしまっていることが、
最大の理由だと思いますが、先ずは目先の現実をシッカリ受け止めたうえで、
一歩一歩治療を考えるべきでだと思います。先回りして、
アレコレ考えるのは、
悪いことではありませんが、
10月13日の「がんのセットメニュー」でも書きましたが、
ひとたび大学病院で手術を受けると、
おまけの有り難くないセットも、
もれなく付いてくる場合も少なくありません。大学病院などの場合、
概ねセットの内容は決まっていますが、
かなり標準から逸れた、
患者さん本位の治療をしてくれる大学病院も存在しています。
当然手術後に外科医がおこなっている抗癌剤治療ですが、
同じ大学内の腫瘍内科とは、
同じ疾患に対して治療法が大きく異なります。大学内では倫理委員会やら何やら、
相当に煩い圧力がかかるなか、
患者さん本位で治療を進めるのは、
かなりのご苦労があると思います。
大学病院でも、
治らないがんに対しては、
外科医のなかでは変化の兆しが見えますが、メスを持ったことのない医者は、
大量の細胞毒の注入方針は譲れないようです。
患者さんご自身が、
治らないがんの治療に対して、
何を望まれるのか、
シッカリした価値観を持たないと、
毒塗れで苦しんだ挙句、
寿命を縮めてしまいます。「治らない = すぐに死ぬ」
ではありませんから。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
日本中連休だらけですね。
先月も2回ハッピーマンデーとやらがありましたが、
少し休みが多過ぎるように感じます。
20年ほど前までは、
日本では土曜日も半ドンであり、
日曜日と祝日が重なっても、
ハッピーな日は無かったように思います。
1987年にはじめてアメリカで生活した時に、
土曜日が完全にお休みであることに感動しました。
しかし外科のミーティングだけは、
土曜日の朝に開かれていましたので、
その恩恵はあまり感じることはなく、
むしろ社会がお休みであることに不便さを感じていました。
いつの日からか、
日本でも土曜日は休みが当たり前。
オマケにハッピーな月曜日までくっつけて、
休ませ過ぎのように感じます。
休日を決めるお役人が、
働きたくないのでしょうか。
などと勝手なことを言っている自分こそ、
火曜日は休診なので、
何処かにぶらっと一人旅でも出かけようかしら、
しかし台風が近付いているみたいだし、
ドウしましょ。
台風が去って秋晴れのころには、
お月様も丸く輝くはずですから、
来週まで待とうかな。
最近、腰痛も徐々に回復して、
本日はセカンドオピニオンだけはありましたが、
迷っているうちに時間が無くなりました。
本日のブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
最近は歳のせいか、
あるいは自分の血管の狭窄を観てしまったためか、
あまり油ギッシュなモノはあまり食べなくなりました。
肉よりも魚へと、
お酒以外の食物は、
歳とともに変わるようです。
朝のマクドナルドもむかしは好きでした。
多くの客が、
セットメニューを注文していたように感じますが、
私は〇〇バーガー、〇×マフィンなる主品だけを、
2つか3つだけ注文していました。
それを職場で好きな飲み物とともに食べていました。
ポテトもドリンクも頼みませんでした。
笑顔がウリのはずの店員は、
あまり良い顔はしませんでした。
面倒なのでしょうか。
がん医療の現場でも、
セットメニューだけしか注文できないシステムもあるようです。早期とは思われないがんなどの場合、
手術と同時に、
その直後からの、
標準的に最大耐用量の細胞毒の注入がセットなっていて、
手術前に、
その儀式を受けることを約束しないと、
手術すらしてくれない病院なども、
存在するようです。
大学病院などで散見されます。マクドナルドは、
ポテトが利益率では最高だという噂を聞いたことがあります。
ドリンクの利益も大きそうですね。
そうだとすると、
売り手としては、
セットで買ってもらうことを考えるのは当然です。
客もそのほうが便利かも知れません。
しかし手術に限らず、
抗癌剤治療では、
薬剤費ばかり高くて、
医療機関の利益は極めて薄いのが事実です。何故、大学病院などでは、
赤字にもなりかねない、
標準治療を条件に手術を行うのか疑問になりますが、
現在の日本には、
認定医・専門医・指導医なる、
各学会が支配している資格があります。
先日のブログでもチョッと書きましたが、
私もたくさんの認定医・専門医・指導医なる、
意味の無い資格を持っていた時期もあります。
たしか一つだけは「終身」と書かれていた賞状が、
ありましたが何処に置いてあるのか不明です。
その他の資格は、
すべて期限付きであり、
「学会費未納」を理由に、
すべて剥奪されました。
先日廃棄した書類の中には、
どの学会だったか忘れましたが、
未納の〇年分を一括入金すれば、
「その資格を戻してやる」
という内容の手紙もありました。
先日破棄するまで保存しておいたということは、
すこしその資格に未練があったのかも知れませんが、
今はそんな資格は何ら意味がないことを、
十分に知ってしまい未練はありません。
しかし今後、
大学病院に残るのか、
大病院に勤務するのか、
開業するのか、
どの方面に進むか分からない、
若い医者には、
とても重要な意味を持つ資格かも知れません。それら全ての臨床上の資格は、
専門医や指導医の居る病院で、
その疾患に対して、
規定数以上、標準的な治療をおこなった、
経験があることが条件になっています。
大学病院などでは、
それら認定医・専門医・指導医なる資格を、
後進に取らせる義務も背負っている「教育機関」です。セットメニューも納得できる気がします。「カロリーの高いポテトは要らない」
と言えるのはマクドナルドだからです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ガンを宿してしまった患者さんでは、
食事が極めて重要でることは、
何回もしつこく書いています。
勿論、餓死誘導食でしかない、
玄米菜食+ニンジンジュースではありません。
アレは「ガンに悪い食事」の見本みたいなものです。大切なことは、
シッカリと、そして楽しく、
栄養・カロリーを摂取することです。
ガンを宿していても、
エネルギー摂取がシッカリできていれば、
人間は簡単には死にません。しかし食べることができなくなると、
あっという間に死に至ります。栄養状態の指標の一つとして、
血中のアルブミンという蛋白質がありますが、
食事摂取量が減少している患者さんでは、
ほとんど間違いなく、
アルブミン濃度が低下してきます。
それを見たとき、
患者さんへは、
「どの程度食べることができているのか」
あるいは
「健康な時と比較してどの程度減少しているか」
などをしつこく訊きますが、
多くの患者さんでは、
ナンだカンダ言い訳をして、
実際には十分な食事摂取ができていないことを正当化しようとします。肉はドウした、
野菜中心がドウだと、
カロリー摂取量が大きく減少して、
生命を支えるには足りなくなっている現実を隠そうとします。
食べなければ必ず死ぬ、
という現実が垣間見えるから、
必死にその死の影に対して、
見ないフリをしているように感じます。私は診ていませんが、
大塚北口診療所では糖尿病の患者さんもたくさん来ています。
栄養指導や、
運動療法の指導・実施などもおこなっています。
私が診ているガンを患い食事摂取量が減少している患者さんも、
栄養士さんに食事指導をお願いすることもありますが、
大塚北口診療所で栄養指導を受ける患者さんの多くは、
糖尿病・高脂血症などの生活習慣病の患者さんです。
そのとき、
興味深いことに、
食べ過ぎの患者さんは、
明らかに自分が食べている量を「過少申告」して、
逆に食べられない患者さんは、
実際に食べている量の3割増しくらいの「過大申告」をしています。3割5割増しの過大申告をしても、
食べなければ、
確実に死に至ります。食べずに生きている人間は存在していません。
抗癌剤治療で食べられなくなるならば、
まったくの本末転倒であり、
即刻中止するべきです。
ガンの存在だけでは、
ヒトは簡単には死にません。
ガン治療の前に、
先ず栄養状態を改善させる必要があります。
餓死していくことが見えている人間に、
細胞毒を注入して何の意味があるのでしょうか。国立がんセンターの研修医向けのマニャル本の最初に、
その当たり前のことは書かれていますが、
実際は逆のように見えます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
今年は秋にしては、
まだ少々蒸し暑い日がつづいています。
そんな中、
そろそろ終わりになりますが、
まさにネコの額ほどもない小さな庭に植えてある、
一本だけの金木犀(キンモクセイ)の樹が、
たくさんの小さな花を咲かせています。
香を楽しむ樹であり、
周囲に魅力的な香りを漂わせていますが、
よく見ると小さな花も可憐で綺麗です。
そしてすでに散って、
地面に落ちている花弁も健気で美しい。
桜の樹もそうですが、
毎年咲き、
時期が過ぎれば確実に散る。
ヒトの一生と同じように感じます。
人間も散っても美しいヒトは輝いています。
酷暑だった今年の盛夏を考えると、
すっかり秋めいてきた今、
来年も同じように、
この花を楽しんでいるのか否か、
なんとなく考えてしまいます。
この樹の寿命は知りませんが、
きっと人間のそれよりは長いのでしょうね。
なんとなく秋な気分です。
少々ピントが甘いですが、
金木犀の花
散った花弁です
大あくびをして、
舌でぺロの又吉と、
眠そうに見ている小次郎(旧姓;チョロ松)です。
こいつらのアタマの中は、
いつも春のお花畑です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日10月10日は私の世代だと、
「体育の日」という認識があります。
成人式は1月15日と、
アタマの中にはインプットされています。
政治が勝手に、
ヒトの思い出を壊して欲しくないですね。
「体育の日」の由来は、
1964年の東京オリンピックの開幕式の日です。
まだ小学生でしたが、
真っ青な東京の空に、
飛行機の爆音と同時に、
大きな五輪の輪がえがかれた光景を鮮明に覚えています。
7年後にも東京で開催するとか。
現在の日本にそんなことをしている余裕があるのでしょうか。
暴走を続けるフクシマは、
その頃ドウなっているでしょうか。また7年後のがん治療は、
どのように変わっているでしょうか。
9月22日の「アメリカのがん治療」でも書いたとおり、
アメリカが変換方針を出しましたので、
変わらざるを得ないと思います。
何回もしつこく流された、
あの白々しい言葉だけの「おもてなし」ではなく、治らないガンを宿しただけで、
罪の無い患者さんに対して、
少しは「おもてなし」のこころを持って歩み寄り、
拷問のような行為は、
是非、終了していて欲しいものです。拷問はドウ見ても、
医者の「おごり」であり、
「おもてなし」ではありません。
「おもてだけ」です。
10月8日の「生きいそぐ?」に対して、
以下のコメントがありました。
術後補助療法としてFECを4クール行い、
ホルモン療法も丸5年行い、
晴れて今年お薬から解放されました。
当初6クール予定でしたが、
あまりに副作用がひどく4クールでやめました。
もう二度とあの治療はしたくありません。
命を削られる思いでした。
そんな自分が今、外科慢性期病棟で、
化学療法を行っている患者さん方の看護をさせていただいています。
私が化学療法を経験して、たったひとつ良かったと思えることは、
同じ苦しみを持つ患者に体験者として寄り添えることでしょうか。
ただ、この治療やめてもいいんですよ、
と言えない立場であることが辛く、
日々さまざまな葛藤の中で仕事をしています。
投稿者もお気付きのとおり、「命を削られる思い」をしても、
そのお蔭で、
現在再発を免れているのか、
じつは何もしなくても、
再発をせずに天寿を全うするのか、
今後、再発を見るのか、
誰にも分からない、
というのが真実です。ただし、手術後の補助化学療法を受けることなく、
再発を経験せずに天寿を全うできた患者さんは、標準的な治療で、
「削られなかった命」の分だけは、
長生きができるように感じます。再発予防の抗癌剤治療でも、
当然、ヒトの天寿までの数字など統計は取られていません。
他の種類のガンに比べれば、
再発予防効果が、
少しは大きいかも知れない乳ガンの手術後の標準治療でも、
「削られる命」は確実に存在していることは、
意識しておいた方が賢明だと思います。その上で、
ご自身の価値観で、
治療の有無、
およびその程度を決めてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
相変わらずに腰の具合がスッキリしないので、
チョッと気に入ったマッサージ器を買うことにしました。
かなり大きい物体であり、
何処に置くか考えていました。
居間に置けば一番ラクですが、
我が家の居間には、
お邪魔な生き物が生息しています。
このブログでも、
何回か登場させているかなりおバカなネコです。
ヤツらのことですから、
夜中に不意にオシッコをしてしまったら・・・
フェンスで囲むことも考えましたが、
デブの又吉は飛び越えることができなくても、
身軽な小次郎(旧姓:チョロ松)は、
軽々と飛び越えてしまう。
さて困った、
と迷った挙句に、
ダダの物置になっている部屋に設置することにしました。
その部屋は扉を閉めておけば、
ネコは絶対に入りません。
昨日は、その部屋の片付けで、
汗をかきました。
何年も放置されていた書類や論文、
会費不払いのための、
様々な認定医・専門医の資格剥奪の脅しの書類などなど、
山ほど出てきました。
すべて処分しましたが、
その後がイケません。
不自然な体勢で作業していたため、
腰が痛くなってしまいました。腰痛の改善のためを考えての、
機械設置のために、
逆に腰を痛める。
本末転倒。
本当にバカですね。しかし治らないガンを宿した患者さんの多くも、
賢くない選択をしているように感じます。
それを強要されているように思います。多くの患者さんでは、
治療の目的は、
可能な限り長く、
楽しい生活を送ることではないでしょうか。
標準的に大量に注入される細胞毒は、
そのような患者さんの願いに、
何処まで寄与しているでしょうか。多くの患者さんでは、
致命的な勘違いの上に、
希望とはまったく逆の方向を、
強制的に向かされているのではないでしょうか。「騙されて」と言ったほうが正確かも知れません。何回もしつこく書いているとおり、
無治療で生きていることができる時間など、
データそのものが存在しませんから、
それを口にする医者の捏造・想像の数字に過ぎません。
データが一見シッカリしているように感じさせる、
日本全国津々浦々で執行されている、
標準的細胞毒満載の治療では、
その拷問のような治療を開始した患者さんの半数が、
現世から消えるまでの時間が知られているだけです。その時間は、
患者さんの想像をはるかに超えて短いことを、
正直に宣告する医者は多くはないように感じます。数字にサバを読む医者は少なくありません。
エビデンスとしては12ヶ月のところを、
18か月、20ヶ月と。
もしその数字を正確に患者さんに宣告したとしても、
データの出されていない、
無治療で経過を観察した時の「捏造の時間」までも、
付け足しますから、
患者さん、ご家族は、
失望のうちに、
騙されたまま、
標準治療に突入しているのではないでしょうか。
快適な長い人生を送るために、
その逆の結果が見えている拷問に飛び込む。患者と医者の、
まったく馬鹿げたイタチゴッコが続いています。漁夫の利を得て喜んでいるのは、
製薬会社だけではないでしょうか。本日の私の腰は、
ゆっくり風呂に入った後の、
ピップエレキバンと湿布だけで快調です。
それと、手術後に血栓予防のための、
足を締め付けるストッキングも、
かなり有効なように感じます。
いずれも辛い治療ではありません。
辛くないなら、
効かなくてモトモト、
「だめもと」という考えもかたも、
治らない病気に対しては重要かも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日の東京地方は、
少し傾いてはいましたが、
朝から真夏を思わせるような太陽が照りつけ、
同時に夏のような雲も出ていましたが、
午後からは台風の影響なのか曇って蒸し暑くなっていました。
しかしカレンダーを見ると、
今年も残り3ヶ月もありません。
3ヶ月経てば、
本日のような空は見ることはないでしょう。
生臭い現世を離れて、
自由になられたかたがたは、
この四季折々の空を楽しまれていることと思います。昨日の「手術後の検査」に対して、
私も乳がん術後は放射線治療のみで、
会社で実施する健康診断以外は、一切病院には行っていません。
アジュバンドオンラインの結果と自身の価値観で、
ホルモン療法も経過観察もしないと決め、
主治医に伝えた所、「だったらもう来るな!」とすごい剣幕でしたが、
おかげさまで今月無事3年経過し、術前と何一つ変わらない生活をしています。
ただこの先再発の事も考えて、少し生き急いでるような気もしますが、
毎日幸せです。
というコメントがありました。
何故「だったらもう来るな!」と言うのかは意味が不明ですが、
外科医がそんなことを言ったのでしょうか。
それはともかく、
「少し生き急いでいる」とは、
充実した人生を送られているということであり、
素敵なことではないでしょうか。
がんという病気がくれた、
宝物のような時間であるように感じます。乳がんの手術後補助療法は、
ホルモン剤以外は、
ほぼ拷問のような仕打ちです。
患者集団で比較すると、
ご利益があるかも知れないというだけで、
一人の患者さんに対しては、
何も担保してくれることはない、
あの標準治療は、
私の個人的な感覚からすれば、
身内の人間ならば勧めることはありません。ただしヤツの行動観察だけは、
おこないます。しかし昨日も書いたように、
「自分は大丈夫」と決め込んで、
「生き急ぐ」のも、
濃密で素敵な人生だと思います。それは個々の患者さんが決めることであり、
「もう来るな」はないと思います。
他の患者さんを不幸に陥れることを喜びとしていた、
鬼のような患者さん、
お気の毒で孤独なお年寄りや、
あまりにも不遜・傲慢な患者さんでは、
退場をお願いしましたが、
無治療で経過観察だけの患者さんも、
何人か診ています。
「ヤツが動いたら何か治療をしましょう」
「何をいつするのかは自由ですよ」とだけ言って。
やはりがん治療は、
観ていくことがすべてだと思います。毒を粛々と注入することが、
がん治療ではありません。また投稿者のように、
誰にも分からない将来のことは、
すべて神様にお任せして、
現世を精一杯楽しむのも、
重要な治療方針だと感じます。投稿者氏も、
100年後に生きていることはないでしょう。
その時が来るまで、
最高の人生を送られることをお祈りします。
素敵なコメントありがとうございました。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
手術で根治を得られるかも知れないガンに対してまで、
無治療を勧める輩も、
存在しているようですが、
現実のがん・がん治療を知らない、
そのような輩の戯言は無視して、
根治の可能性があるなら、
あるいは自覚症状・QOLの大きな改善が認められる状態であれば、
手術は積極的に受けるべきだと考えます。
標準的な抗癌剤治療では、
いずれも得ることはできません。もし根治手術ができたとしても、
その後再発の可能性はゼロではありません。
再発の可能性が無ければ、
それは癌ではありません。ただし「可能性」という言葉は曲者で、
100人、1000人その手術をしたら、
何%の確率で再発をきたす、
ということでたとえその確率が90%であったとしても、
10%の確率で再発しない患者さんもいます。
ただ一人の患者さんの今後は、
誰にも分かりません。再発確率が50%であれば、
半分の患者さんは再発を経験することなく、
天寿を全うするか、
他の死因で亡くなります。
手術を受けた患者さんの多くは、
自分は再発をするのかしないのか、
再発するならいつ出て来るのか、
とても心配します。そこで再発を察知するために、
様々な検査がおこなわれます。
しかし乳がんなどでは、
手術後に検査をして、
再発の有無を早期に知っても、
検査無しで、
再発による自覚症状が発現してから検査をおこない、
再発を確認して、
それから治療を開始しても、
予後は同じという、
たしか1990年代が最後だったと記憶していますが、
ヨーロッパの論文その他で幾つも報告されています。
当然、アメリカなどでは、
再発検査などまったくおこなわないようです。
それは医療費削減の問題が一番大きいようです。
しかしそれは、
執行すれば、
半分の患者さんは、
〇年以内に死亡するという、
お粗末な標準治療でのことであり、
再発でも傷の浅いうちに見つけ出せば、
標準的に大量の細胞毒の注入以外の方法により、
根治は期待できなくても、
治ったモドキの状態で長く人生を楽しめる可能性もあります。特に消化器のガンの手術後などでは、
病巣が大きくなければ、
再度の手術の可能性も残されます。
ただし検査の度に、
ドキドキと心配して、
食事もノドを通らなくなる、
というタイプの患者さんもいますので、
そのような性格であれば、
すべて確率だけの問題ですから、
「自分は大丈夫」と決め込んで、
経過観察無し、
というのも十分にアリだと思います。
逆に「再発が心配で心配で」
というタイプの患者さんであれば、
定期的に「安心を買う」というのも、
悪くはないと思います。
治らないガンの治療も、
根治の可能性もある手術後も、
患者さんの個性は極めて重要です。たしか昨年の1月から、
乳がんの手術後に、
経過観察検査無し患者群と、
経過観察患者群とに無作為振り分けで、
治験がおこなわれているはずですが、
どちらの患者群も予後は同じように感じます。
現在の「再発 = 標準治療」を考えると、
検査をして再発を早く見つけない方が良いかも知れません。以上 文責 梅澤 充
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最近たくさんの悲惨なニュースが飛び込んできます。
マスコミの報道ですから、
真偽の程度は不明ですが、
今後の平均余命が十数年という年寄りを助けようとして、
まだ50年もの余命を持つはずの若い命を捨てて、
自ら死んだ若い女性。
勲章授与云々といわれているようですが、
死んでから、
そんなモノもらって如何するのでしょうか。
すでに火葬も終わっているのではないでしょうか。
それが真実であれば、
助けられたはずのお年寄りは、
今後は、現世で地獄を味わいながら生きていかなければならない、
重すぎる十字架を背負わされるのではないでしょうか。
また
8月26日の「寒い一日」でも書きましたが、
何処かの花火大会でガス爆発を起こした露天商は、
予想どおり、
業務上過失致死で逮捕されたそうです。
3人しか死んでいないのに。
しかしすでに被害者も出して、
今も被害を拡大させているらしい、
そして今後は、
何千、何万の人間を死に追いやる可能性もある、
件の原発事故では、
当時の最高責任者である元総理大臣は勿論、
その現場担当の人間は誰一人として罪には問われないようです。
すでに癌で亡くなられた、
当時の所長を罪人にするのでしょうか。
かつて、
「一人殺せば殺人、百万人殺せば英雄」と言った人間がいるようですが、
そのとおりですね。
現在の治らないガン治療でも、
毎年何万人も拷問死の犠牲者を出しても、
誰も罪は追及されません。責任はすべて、
「ガンの存在」
それだけです。そんなことがあってもいいのですかね。
世の中、何処か間違っているように感じます。
間も無く、
私の母親の一周忌を迎えます。
私のようなバカを生んで育てた責任はとわれることなく、
91年の生涯を閉じました。
動物として91年間も生きていること自身、
犯罪的な行為かも知れません。
生と死とは何か、
毎日考えていますが、
死ぬまで結論など出ないでしょうね。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「無料がんネット相談室」で、
「高校生」とだけ名乗る、
患者らしきコメントがあることを書きましたが、
本当に存在する人物のようです。
「私がウソを言って何が得か?」
その他こまごまと内容が書かれている、
裏メールがありました。
そこまで虚偽の内容を送る人間はいないと思われますので、
「高校生」「卵巣癌告知」は真実だったようです。
しかし、もしそうだとすると、
私との年齢差があまりにも大き過ぎます。
そんな重要なことを、
如何なる事情があったにしても、
名前も名乗ることなくメールで相談するとは、
私にはまったく理解ができません。たしかに私が医者になった時代には、
パソコン、携帯、ネットなどという便利なツールは、
一切ありませんでした。
しかし現在の高校生では、
生まれたときからそれらすべてが揃い、
小学生でも携帯を持っている世代だと思います。
自分のアタマの中身が薄いことは、
十分に分かっていますので、
せめて柔軟性だけは持とうと努力していますが、
40年もの差があると、
柔らかさだけでは対処できないようです。
毎日、患者さんと接していると、
特にご高齢のかたでは、
アタマの硬さをイヤでも感じさせられますが、
自分自身のアタマを、
もう少し柔らかくしたほうが良いのかも知れないと思わされることは、
ほとんどありません。
しかしあまりにも若過ぎる患者さんでは、
ジイさんの私のアタマのほうがついていけないこともあるようです。若いヒトには当たり前になっているらしいネットという、
闇の世界が、
真っ当な現世とは考えることはできません。
それはアタマの硬さだけの問題ではないように感じます。医学部の学生時代に、
小児科医になろうと考えた時期もありましたが、
自分よりも遥かに若い子供の悲惨な姿を見るのがイヤで、
諦めました。
しかし今は、
それよりも大きな年齢差を感じさせる歳になってしまったようです。
今まで20歳代の患者さんは、
何人か診てきました、
そして現在30歳を超えているかたもいます。
10歳代患者さんは、
診たことがありませんし、
今後も絶対に診たくはありません。
自分よりも若い人間の幸福ではない姿を、
見聞きすることは、
辛いことです。
あまり長い時間、
つまらない仕事はするべきではありませんね。
昨日引退したプロ野球の選手が、
「野球を楽しいと思ったことは一度も無い」と言ったそうですが、
なんとなく分かるような気がします。
同時に「標準治療」を執行する閻魔様の気持ちも、
少し分かるような気もします。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
このブログでは、
毎日(週4日ですが・・・)ガンを背負った患者さんを診ていて、
日々感じることを、
徒然に書いているだけです。
最近は自分自身のボケ防止の意味合いもあるように感じています。
その中で何回も書いているとおり、
顔も存在そのものも分からない、
ネットという闇の世界で、
個別の質問には答えていません。
答えられるはずがありません。
すべて無視しています。
最近、何回か、
当然、真偽の程は不明ですが、
高校生で卵巣癌の告知を受けたという内容の、
裏のコメントがありましが、
それが事実であれば、
先ず相談するのは保護者でしょう。
見ず知らずの私にアドバイスを求めるのは、
筋違いだと思います。
その他にも、
直接のメールでもたくさんの相談が来ますが、
無視しております。
無料のネット相談室のようなものも、
存在するそうですから、
そのようなサイトを見つけて、
シッカリした情報も無いまま相談してみてください。
最近、あまりにも多くの無理な相談が来ます。
申し訳ありませんが、
一切、無視いたします。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
がん治療では、
当然お金がかかります。
新しいクスリが出るたびに、
痛感させられます。
まだレセプトは完成していませんが・・・
それはすべての病気で、
医療機関に行けば、
それなりのサービスを受けるのですから、
資本主義社会では当然だと思います。
日本では、
その良し悪しは別にして、
国民皆保険が概ね成立しています。
そのお蔭で、
先日発売された乳がんに対する、
異常に高額な薬剤でも、
保険で使うことができて、
その上、それを使う患者さんのほぼ全員が、
高額医療費制度という恩恵にも与ることができます。
勿論、その高額の限度額が、
毎月続きますから、
けっして安いという金額ではありません。しかしけっして景気が良いとは思えない日本でも、
いくらお金を使ってもかまわない、
という豪気な患者さんも希に見ます。お金と寿命は、
比例する側面があることは事実ですが、
治らない癌の場合は、
その有り余るお金をもってしても、
それを上手く運用しないと、
寿命の僅かな延長程度であることがほとんどです。今までにも、
むしろ、そのお金に溺れて寿命を縮めた患者さんも、
何人か診てきました。
「何でそんなクスリ使っちゃったの?」
「何故、そこまでやっちゃったの?」という言葉を最期に、
旅立たれたお気の毒な患者さんもいます。
大きなお金を持っているヒトは、
そのお金で何でも解決できると、
錯覚しがちです。
医者を含めたその取り巻きたちも、
お金を使わせたがる。
IT企業の創始者の大金持ちも、
漏れ聞く情報だけから考えると、
相当に大きなお金を使って寿命を縮めたような気がします。
治らない癌に対する治療では、
いくら大金を出しても、
治ることはありません。お金では多少の延命とQOLを買うのが精いっぱいです。ほとんど見ませんが、
たくさんお金を使いたいという稀有な患者さんでは、
効くか否かは不明だけど害は無い、
その程度の浪費に廻す方が無難です。
患者さんやご家族を診ていると、
つい「自分自身なら」と考えてしまう癖がありますが、
多くの場合、
自分自身や家族なら、
今の元気で楽しい生活ができる時間を、
如何に有効に過ごすかを考えてしまいます。自分の身内の人間では、
治療と同時に、
如何に楽しい時間を過ごしてもらうか、
そのために私自身の仕事の時間調整を如何に行うかを、
最優先に考えて、
その上で治療を組み立てました。ある程度以上の年齢の患者さんでは、
無駄なお金は、
子孫に残しておこう、
というのも十分に有り得る考え方だと思います。
でも、せっかくのお金ですから、
現世に残っている間に、
楽しいことに費やすほうが無難な気がしますけど・・・
自ら拷問への道だけは、
絶対に選択しません。以上 文責 梅澤 充
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昨日は休診日でしたので、
腰痛のためのマッサージチェアを見に行ったのですが、
気持ちが良く、
そこそこ気に入った機械もあり、
買おうかなと思ったら、
注意書きをみると、
「ヘルニアの患者」
「辷り症の患者」
「脊椎に変形のある患者」は、
主治医と相談すること、
と書かれていました。
訴訟リスクの回避のための注意書きだと思われます。
しかし私に主治医は居ないので、
大塚北口診療所の整形外科の専門医に一応相談したほうが良さそうです。
本日はレセプトもあり、
ブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
光陰矢のごとし。
今年も残り3か月になりました。
早いですね。
今年は出雲大社も遷宮が済み、
今月に伊勢神宮が20年に1度の遷宮がおこなわれるそうです。
そして日本各地の神様たちは、
出雲大社で学会を開くとか。
神様が居なくなって心細いですね。
でも白衣の閻魔様は、
すぐ近くにへばりついていますから。
標準的なナニかは、
喜んで執行してくれると思います。
でも、それが執行されると、
患者さんご本人が、
神様・仏様になる時期が決定されてしまいます。
すべての患者さんのこころの中には、
個性的な神様が、
住み着いていると思いますが、
現物的・俗世的な神様を信じるかたは、
今のこの時期は、
ご利益が薄くなるかも知れませんので、
「無治療ならばあと〇ヶ月」などという、
根拠のまったくない、
タダの脅しに騙されないで、神様の帰りを待つ方が無難です。
標準的なアレは、
あと3ヶ月以内に・・・という患者さんも何人も出てきますから。
今年も残りあと3ヶ月だけです、
楽しくガンと付き合って、
素敵な来年を迎えてください。
本日は私の休診日であり、
タップリと寝ました。
寝ることが腰痛には、
最善の治療のようです。
また、昨日大塚北口診療所でマッサージを受けていたとき、
足の三里のツボの圧迫が非常に気持ちが良かったので、
そこにお灸をしたのも、
良かったのかも知れません。
でも昨日撮った3D・CTでは、
腰椎のズレは、
確実に大きくなっている・・・
そしていずれかの時期に人間は死ぬ。
それが歳なのでしょうね。
それは神様でも何もできない。
以上 文責 梅澤 充
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