今年の夏は、
例年よりも遥かに暑いように感じますし、
マスメディアも、
その猛暑ぶりを、
繰り返し放送しています。例年ですと、
この季節になると、
大量に電力を消費するエアコンでの、
電力不足についても、
各メディアは懸命に訴えています。
しかし、今年は、
何処かの県が、
電力不足で他県から融通してもらったという話題を一回聞いただけで、
ほとんど、節電についてのお願い、訴えはなくなり、
逆にエアコンの使用を奨励しているように聞こえます。もちろん、すでに何人もの死者を出している、
異常な酷暑ですから、
エアコンは積極的に使うべきだと考えます。
しかし、昨年までの、
相当深刻にひっ迫していたはずの電力供給が、この暑さでさらに増加しているはずなのに、
国民にはあまり伝えられないとは、
本当に日本は電力不足の状態なのか否か、大きく疑問に感じてしまいます。
原発を再稼働させたいだけの、ポーズだったようにも勘ぐりたくなります。
マスメディアは、
お国の意向に従って報道を流しているのでしょうけれど、
国民には知らされていないウラの事情も、
たくさん存在しているように感じます。
それは、
ガンを宿した患者さんに、
真実が伝えられていない状況にも、
よく似ているように感じます。あまり暑いと、
思考力も落ちてしまいます。
その状況も、
患者さんは何も知らずに、
思考回路を鈍らせてしまう、ケモブレインと同じようです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
先日の
「抗癌剤と緩和ケア」に対して、
匿名でウラのコメントがありました。
死んでしまうかも
今まさにゼロックス2クール目ですが、
あらゆる副作用が一気に出てきています。
このままだと本当に死ぬかもしれないと感じています。
大腸ガンステージⅡで術後補助で勧められましたが、
もうやめたいです。
半年頑張っても廃人になってしまうかも知れないと思うと、
術前よりも辛いです。
ザックリとステージⅡと言っても、
ピンキリですが、
大腸がん手術後に、
まだ、オキサリプラチンをふんだんに使っている病院もあるのですね。インフォームドコンセントの存在していない病院の、
象徴のような施設だと思います。
ステージⅡの大腸ガン手術後の患者さん100人に、
ゼロックス(ゼローダ+オキサリプラチン)を、
執行したとした場合、
それにより、再発を免れる可能性のある患者さんは、
10人も存在しません。4人か5人程度です。
それが、エビデンスです。
90人以上の患者さんでは、
その儀式は必要なかったか、
受けても無駄だったということです。後者の場合は、
オキサリプラチンという武器を使った後での再発になりますから、
再発を確認してしまってからの寿命は、
それを受けずに再発を観てしまった患者さんよりも、
当然、短くなることが予想されます。日本にはインフォームドコンセントは無い、ということは、
何回も書いていますが、
患者には真実の数字は教えないという、その閻魔様の体質は、
諸般の事情もあり、
簡単には変わりません。
患者さんのほうから、
ご自身の身を守るべく、
行動を起こさなければ、
インフォームドお任せのまま、QOLだけではなく、
命まで閻魔様に与えてしまうかも知れません。QALYは確実に、大きく落ちます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
東京では、不思議な経路を辿っている台風も過ぎ去り、
本日は一転、
暑い一日に戻っています。
東京近郊では、
大規模な被害は無かったようですが、
先日、のんびりとホタル観賞に行った温泉地の近くでも、
物的被害はあったようです。
さらに、西日本の豪雨被災地では、
今後も逆行台風により、
被害が拡大する恐れがあるとか。
ご無事をお祈りいたします。
先日の西日本の大雨と、
今回の逆走台風は、
故意に特定地域に被害をもたらそうと動いているようにすら感じます。
もちろん、自然の偶然でしかないのでしょうけれども、
自然の無限のチカラの前には、人はただ逃げて、
平伏しているのが一番賢明なのかも知れません。
先日、ある患者さんが、
診察室に入ってきたときから、
明らかに精神的に落ち込んでいる気配を感じて、
「体調が良くないのですか?」と訊いたところ、
「私じゃなくて、毎日会っていた親友が亡くなったんですよ」でした。
イロイロ訊いたら、
肺ガンの診断が先月に確定して、
キートルーダを一回点滴したら、
すぐに体調を崩して、
2 週間も経たずに突然亡くなったそうです。その亡くなられた患者さんは、
昨年に重症のリウマチでの入院の既往があるそうです。
免疫力の暴走がリウマチの原因の一つです。
免疫チェックポイント阻害剤と云われるキートルーダも、
免疫力にブレーキをかけることで、
ガンの縮小、増大抑制の効果を期待される薬剤です。
キートルーダにより、
急激に一部の免疫反応が加速された可能性があります。
大学病院で点滴を受けたそうですが、
強引な治療は、
命を縮める可能性も十分にあります。ガンと云う自然現象も、
穏やかに付き合っていくほうが、豊かないのちの時間を楽しむことができると感じます。人間、いつかは死ぬことが自然の摂理です。
それは宿命です。
そうであれば、
その大切ないのちの時間を如何に楽しく過ごすかを考えることが、最善のガン治療だと考えます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本当に、へそ曲がり台風が近付いているようです。
危険な地域にお住まいのかたは、
明るいうちに、避難してください。
必ず、暗くなります。
私も、トットト自宅に避難します。
ブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は不思議な動きをしている台風の影響なのか、
久しぶりに涼しい東京でした。
人が見慣れていないだけで、
それが自然の本性のような気がします。病気も自然の一つです。
強引に逆らおうとすると、酷い目に遭います。
涼しい一日でしたが、
時間がありません。
本日のブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
私が勤務しているのは、
大塚北口診療所という、
ただの有床診療所です。
いわゆる一町医者に過ぎません。
有床であり、
入院は可能でも「病院」ではありません。
治らない末期ガンの患者さんは、
たくさん通院されていますし、
通院が面倒という患者さんは、
入院での点滴治療を受けているかたもいますが、
もちろん、東京都のがん治療の拠点病院などではありません。
夜に賑わう街中の一診療所です。
先日、某有名腫瘍内科のことを書きましたが、患者さんから、
ウラのコメントがありました。
それにより、はじめて知りましたが、
よく吠えている腫瘍内科医が所属している病院も、
「がん治療拠点病院」ではないそうです。標準治療一点張りの、
がん治療拠点病院への、
昇格基準?は知りませんが、
専門医、指導医という、
学会所属年数だけで決まっているような資格と同様に、
「〇〇例以上、標準をこなしている」が、
基準になるのかも知れません。
もし、そうだとすると、
拠点病院への昇格?を目指して、標準一点張りの主張を繰り返しているのかも知れません。
しかし、その日本の腫瘍内科医が、
アメリカでのセカンドオピニオンを斡旋する会社の、宣伝塔とは、なんとも不思議な世界です。
コメントの投稿者氏は、
ページをコピーしてご自身のブログにもアップされていました。
私も、すでに、すべてコピーをしてありますが、
近いうちに、
不思議なページは観られなくなってしまうと思われますので、
患者会の患者さんも早いうちに、ご覧になったほうがイイかも知れません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
目的を持って治療を受けることは、
あまりにも当たり前過ぎますが、
その当たり前を、
何処かに忘れてきてしまった患者さんは、少なくありません。
病気だから治療を受ける。
目的は治療を受けることになってしまい、
生きるために治療を受けるのではなく、残忍な儀式の副作用に耐えるために生きるという、本末転倒の患者さんはしばしば見ます。
その治療の意味をまったく理解されていません。
そんな馬鹿げた状況の形成は、
患者さん側の、
ご自身の病気に対する認識不足だけではなく、
日本にしかない、
形式だけのインフォームドコンセントの賜物です。医療者は、患者さんに、
治療の意味を気付かれる前に、
最大耐用量の毒の注入という、
専門医としてのお仕事をサッサと終わらせて、「緩和ケアに行ってください」という、
最後の仕事である最終宣告でお仕事完了となります。
現在の日本は、
異常気象という災害に襲われ、
暑さだけで、
多くの命が失われていますが、
ガンという自然災害に襲われた時も、ご自身で身を守らなければ、
誰も守ってはくれないどころか、
平穏ないのちの時間を奪われ、寿命も縮められてしまいます。異常な暑さは、
患者さんの思考力を、
否応なく奪ってしまいます。
ご自身の行動を慎重に振り返ってください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
「先日の正しいガン治療」に対して、
面白いコメントがありました。日本からわざわざアメリカにまで行って、
そこでのセカンドオピニオンを受けることを、
斡旋する会社のようです。アメリカでのガン治療もサポートしてくれるようです。
もちろん、無料ではなく、
かなりのお値段が提示されていました。
その費用は普通の日本人では不可能と思われる金額でした。通常の日本人患者さんでは、
時間を作ることさえ困難だと感じます。
宗教的な感受性の違いから、
日本と欧米の間にかなりの開きがある、
臓器移植手術だけは、
莫大な寄付金を募って、渡米して手術を受ける患者さんが存在する現実は、
賛否は別にして、
理解はできます。
しかし、大きなお金と、
大切な時間を使って、
何故、根本的な思想・宗教が違うアメリカにまで、行かなければならないのか、
まったく理解不能です。
コメントにもありましたが、
その不思議な商売をしている会社のホームページに、
腫瘍内科医を名乗っておられる、
かの有名な勝○大先生の「つぶやき」が載せられている現実には、驚かされました。
抗癌剤点滴での一日入院さえ、
「患者を拘束する」という言い訳のもとに、拒否している医者が、
ホームページの顔とはビックリです。本人の同意が無く、
勝手にホームページに掲載することはあり得ないでしょうから、
本人同意のもとに、
その会社の宣伝塔になられているものと思われます。
ガンの外科手術は、
日本のほうが優れている現実は、
データからも当然ご存じでしょうから、
抗癌剤治療において日本の腫瘍内科は、
信用できないから、大金を支払って、
大切な時間も費やし、
アメリカに行って、
セカンドオピニオンを受けてきて、
標準的抗癌剤治療を受けなさい。という新たな布教をはじめられたのでしょうか。
勝○氏は、
大きな費用が必要な、
標準ではない治療に対して、
患者さんに告訴を促すような文言を書いている事実は、見たことがあるように記憶しています。
外国でのセカンドオピニオンや、
その取り次ぎサービスには、
大きなお金をかけることは奨励されているようです。日本の腫瘍内科が、
如何に当てにならない存在であるのか、ご自身が証明されているようです。
少なくとも、ご自身の勤務されている病院よりは、
アメリカのほうが優れているというメッセージかも知れません。あるいは、
もっと深いウラがあるのかは知りません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
先日、暑気払いに、
むさ苦しい中高年の同級生と、
暑気払いに、
一杯飲みに行きました。
同じ年の友人との話は、
決まって「いつまで働くか」の話題になります。
すでに定年退職をして、
嘱託という形態で働いている友人もいます。
病気になったら、
そこで退職だそうです。
ある自由業の友人は、
仕事を大幅に減らして、
すでに半分隠居・半隠居の生活を楽しんでいるようでした。特別なお金持ちではありませんが、
仕事も好きなようですが、
お金よりも自由な時間を大切にして生きたいそうです。経済的に不自由が無ければ、
最高の生活・人生であるような気がします。
私自身も、
一回だけの人生ですから、
自由な時間はたくさん作って、
いのちを楽しんでいます。いまだに豪雨被害に遭われ、
暑い中、不自由な生活を強いられている、
多くのかたがたには申し訳ありませんが、
夏の温泉巡りの旅も計画していました。
しかし、この暑さを肌で感じると、
外に出るのも、
また、大好きな温泉に浸かるのも、
少し躊躇してしまいます。
人生思いどおりには、
ならないですね。
思いどおりにならないのが人生なのかも知れません。襲ってきた病に対して、
何も対策を取らないのは、
少々、バカげているように思いますが、
病と云う自然に対しては、
人間は、まだまだ、ほぼ無力であることも、アタマの片隅に置いておいたほうが、
いのちが輝くと思います。患者さんのお尻に火を点ける医療者も少なくありませんが。。。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
燃えるほど暑い毎日が続いています。腐りかけている脳ミソが、
熱で溶けそうになっています。
先日、とても暑かった避暑地の、
白馬に行ったのですが、その時に何回か乗ったのがリフトが災いしたようで、
髪の薄くなったアタマに容赦なく直撃した強烈な太陽光が、
頭皮に突き刺さり、
頭皮の日焼けと云う、
生れてはじめての体験に悩まされています。
確実に歳は重ねているようです。
もともと旅行は趣味ですが、
このような異常に暑い季節は、
何処かの避暑地に行ってノンビリしたくなります。誰もが行きたいと願うのは、
涼しくて、他の観光客があまり居ない、静かなところです。しかし、考えてみると、
それは、自宅でした。そのようなことが、
先日のある新聞に書かれていました。
特に我が家には、
居候のネコもいますから、
動物鑑賞付きの特別室です。
空気の綺麗なところでの、
いのちの洗濯は、
「標準的な大量の毒」の注入よりも効きます。などと、何回も書いていますが、
ここまでの殺人的な熱波の中では、現在のエアコンは空気清浄器機能を備えた機種も多いようですので、
涼しくした家で、ダラダラ、のんびりと、
いのちの時間の流れを楽しむというのも、悪くないような気がします。
今日も外は35℃を超えています。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
テレビを観ていると、
不要不急の外出は控えるように、
というアナウンスが頻繁に流されています。
数年前、二月の北海道に行ったときに、
数年に一度という、
素敵な猛吹雪に出遭いました。当然、過酷な風雪猛の予報が出ていて、
その時にも、
「不要不急の外出」という言葉を何回も聞きました。
外に出れば、
すぐに吹雪に出遭ってしまう北海道では、
外出するときには、
徒歩ではなく、
車が必須になります。
放送ではアナウンサーが、
車を運転することは罪であると感じさせるように、叫んでいました。
安全を促し、
事故死を避けるためには、
その程度の言い回しは許されるのかも知れません。
しかし、日本の一部の腫瘍内科医は、
「標準治療を受けないことは犯罪」であるようなことを、
平気で叫んでいます。
自らが、
患者に真実を知らせずに、
むしろ、
虚偽のデータを提示して、標準的に大量の薬剤を注入することを
患者さんに強いる、
その上、高額な薬剤費は患者に負担させる。これが、明らかな犯罪行為であることには、気付いていないのでしょうか。
気付いていないフリをしているだけでしょうけれど、
きわめて悪質です。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
毎日、1000人以上の、
日本人が確実にガンと云う病で亡くなっています。
何回も書いているとおり、
直接の死因は餓死であることが多いのですが、死亡診断書の死因の欄には、
「〇〇癌」と記載されます。
その1000人の患者さんは、
ほとんどのかたが、
何らかの治療を受けます。
多くは標準治療とされる、
厳しい儀式・修行の後に、治療の最終段階である、
緩和ケアに進まれて最期を迎えます。無治療・緩和ケアに進む前の、
その標準治療とは、
多くの患者さんにとって、
嬉しいとは感じない、
あまりにも悲惨なデータの羅列でしかない、エビデンスを錦の御旗に、
あまりにも残忍な薬剤が、
世界に誇れるほど大量に注入されるだけです。その大量の薬剤に依り、
平穏な時間の代償として、
一時的なガンの縮小を観る患者さんは、
データ上は半分程度は存在しますが、
最終コースはみなさん同じで、
多くの患者さんは、
緩和ケアで餓死に至ります。インフォームドコンセントが存在していない日本では、医療者の視線と、
患者さんの望みとが、
シッカリ一致していることなどほとんど無く、同床異夢の状態が普通です。そのような現状で、
何が正しい治療であり、
ご自身が望まれる方向は何処なのか、患者さんご自身が決めなければなりません。
きわめて難しい問題ですが、
答えを知っているのはご本人しかいません。平和ボケしてしまっている日本では、
確固たる死生観を持っている人は多くはありません。
そこに、嫌でも死を意識しなければならない、
「癌です」という病名告知を受けてしまうと、
皆さん、ただ慌てふためいて、何が、ご自身にとって、
最善の治療であるのかという、
一番大切な現実を忘れてしまいます。
日本の腫瘍内科医の多くは、
「標準治療こそが正しい治療」だと、
患者さんに、声高に布教しています。彼らの立場からは、
それ以外を正しいとは、
けっして言えない深い事情もあります。もちろん、十把一絡げの標準治療が、
その患者さんにとっては最善の治療であるという場合も、
少数ながら存在しています。
実際に標準治療を勧める患者さんもいます。
しかし、正しい治療は、
患者さんの数と同じだけ存在している現実は、忘れないほうが無難です。
以上 文責 梅澤 充
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毎年のこの時期は、
ブラリとニッコウキスゲを観に行きます。
いつもは車山高原に行きますが、
今回は、白馬村に行ってきました。
車山高原よりは標高が低く、
また、例年より暑く、
満開の時期は逃してしまったようですが、
残雪を頂いた山々を背景に、
まだまだ美しく健気に咲いていました。車山高原の名所では、
ツボミが鹿の食害に遭ってしまうそうで、
無粋な電気柵で囲われていますが、
白馬では柵はなく、
遊歩道も作られていました。
高原でも、
かなりの暑さでしたが、
いのちの洗濯には、最適な場所でした。
泊まった宿には、
見るからに抗癌剤で、
そうとうに傷つけられてしまった患者さんと思しき方が、
ご夫婦で来られていました。
患者さんのほうは、
明らかに食欲はなさそうでした。
連泊されている様子でしたが、
抗癌剤なんかよりも、
素敵な景色、
美味しい空気のほうが、
よほど大きな治療効果があるように感じます。少なくとも、
QALYは間違いなく向上します。ニッコウキスゲが咲いているような地域では、
暑いと言っても、
東京の暑さとは、
比較になりません。
避暑地としても、
肉体的に休養をとることにも役に立ちます。あの後ろの残雪の山に登るのは、
抗癌剤が使われている患者さんでは、
チョッと無謀かも知れません・・・

以上 文責 梅澤 充
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このブログは、
2006年1月からはじめていますので、
すでに12年間以上続けています。
ちょうどそのころに買った携帯電話を、
重宝して使っていました。
しかし、バッテリーの劣化が酷く、
何回か交換はしていますが、
本体は一貫して元気でした。
当時、スマホは出現していたか否かは定かではありませんが、
少なくとも主流ではなく、
カメラ付きの携帯ばかりが売られていました。
そんなご時世で、
使わないモノは付いていないほうがイイという信念から、
カメラ無しの珍しい薄型の携帯電話を使っていました。
しかし、バッテリーも生産中止とかで、
手に入らなくなりました。
先日、おもいきって、
携帯を諦めて、
スマホなるモノに替えました。
ちょっと大きめのタブレットは、
旅先などでパソコン代わりに使っていましたので、
操作にはそれほど不自由はありませんが、
あまりにもたくさんの機能が付いていることには、
驚かされました。
この機能をすべて使いこなすことができる人は、
居るのでしょうか。
また、ここまで必要なのかも、
少々疑問に感じます。
研修医の頃は、
携帯電話などなく、
ポケベルを持っていました。
それだけでも、
ずいぶんハイテクだと感じましたが、
現在の掌に乗る、
小さなスマホの比ではありません。
緊急時などでは、
このハイテクで救われる命もあるのでしょうね。
機械の進歩は、
凄まじい勢いを感じますが、
がん治療はドウでしょうか。
外科手術は機械の進歩と同時に、
かなりの速度で進歩しているように感じますが、
抗癌剤治療の世界では、
分子標的薬という新しい概念の薬剤が、
20年ほど前に出現してはいますが、
40年、50年もむかしの猛毒が、
今でも大量に使われています。
激しい吐気・嘔吐や、
白血球の減少という骨髄抑制を軽減する薬剤は、
進歩していますが、
クスリの上乗せと云うだけで、
当然、人間が毒に強くなることなど起こり得ず、
毒が人の命を大きく延ばすことなどありません。
毒を正当化するだけの脇役に過ぎません。
ガンの発生は、
人間を死に至らしめるために、
ヒトのDNAに組み込まれた自然の摂理と云う説もあります。
人間は必ず死にます。
死ぬ必要があるから死があるはずです。
医療の進歩は悪いことではありませんが、
生にだけ執着するのも、
如何なモノかと考えてしまうこともしばしばあります。
はじめてのスマホを手にして、
ここまで、便利にする必要があるのか。
これで得られる便利さと同時に、
失ってしまう人間本来の能力もたくさんあるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
現在の日本では、
治ることは期待できないガンに対する抗癌剤治療は、
標準的に最大耐用量の抗癌剤を注入し、
それが効かなくなるか、患者さんの体力が持たなくなった時点で、「緩和ケアに行ってください」という、
はじめから決められていた敗北宣言が出されます。それは腫瘍内科医だけの作法ではありません。
標準とされる抗癌剤を使う、
ほぼすべて施設で同じことが繰り返されています。
その繰り返しで、
毎年、38万人弱の患者さんが、
旅立たれています。
一部の腫瘍内科医は、
治らないガン、
すなわち末期ガンでも、
早い段階から、
緩和ケアを同時に進めるようなことを言っているようですが、
ドコも痛くも痒くもない患者さんに対して、
最大耐用量の細胞毒(殺細胞性抗癌剤)を注入するという、
全力で鞭を振り落とすに等しい行為を実行している、その被害者に対して、
どうやって、どのツラさげて、緩和ケアを行うのでしょうか。
本来、固形ガンに対する抗癌剤の目的は、
延命ではなく、
症状の緩和ですから、緩和ケアを並行で行うのは、
当然ですが、
現在の末期ガンに対する抗癌剤の多くは、
ごく僅かな延命のために、
患者さんの平穏な時間を犠牲にして消費されていくのが現実です。緩和とは真反対の存在です。
まったく反対の医療を、
どうやって一人でこなすことができるのか、とても不思議です。
大学病院や××センターで、
腫瘍内科医として働いていた医者が、
緩和ケア専門医として、
独立して開業している姿は散見されます。
その気持ちは理解できますが、
強烈な鞭を手にしながら、飴を与える姿は想像できません。
閻魔様はお釈迦様にはなれないと考えます。
フリをする輩は居るかも知れませんが、近付かないほうが無難です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
治ることはない、
末期ガンに対して、
標準的に厳しい儀式を受けた患者さんが来られました。
「その治療は、相当に辛かったでしょう」と聞くと。
「もし効いても、あんなに苦しい治療を続けることは考えていない」
「断るつもりでした」との答えでした。
幸か不幸か、
2 回ほどで効果無しの判定が、
閻魔様より下され、
アッサリ、無治療・緩和ケア行が勧められています。
多くの患者さんは、
無治療で死を待つだけの緩和ケアへ行くことは、
望まれていません。
実際にまだ治療の方法は残されています。
「標準」を無視すれば、
健康保険の範囲内でも十分に可能です。
「効いていても、あの治療を続けることは断る」とは、
もし効果があっても、
それを受ける患者さんが、
辛すぎて断らざるを得ないのであれば、それは、「治療」と言えるのでしょうか。副作用により死に至ることはない状態で生きてはいるけど、
平穏な日常は完全に失う。
人のいのちとはそんなものでしょうか。患者さんの周囲の医療者からは、
無責任に、
「ほら、ガンが小さくなっているのだから続けましょう」「まだ、体力もあるから、頑張りましょう」と、無責任な、
「励まし」ではなく、
ただの「お囃子」が飛んできて、
患者さんは、
その気にさせられて、
ついつい続けてしまい、
平穏な人生を失っていきます。苦しんだ挙句、
「そろそろ、緩和ケアに行ってください」の言葉に、
目が覚めます。
時すでに遅し。副作用がまったく無いガン治療は存在しません。
しかし、患者さんご自身の人生の中で、
その副作用に見合うだけの「効果」があるのか否かを判断できるのは、患者さんご自身しかいません。
ご自身の確固たる価値観を持つことが、何よりも重要です。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
「猛暑、酷暑」
「あまりにも暑い」
「高温注意報」
「熱中症に注意」
などと、長袖で正装のアナウンサーが、
涼しいスタジオの中からいくら叫んでも、
ただの絵空事に過ぎません。本日は日曜日、
明日も旗日で休みです。
仕事のスケジュールは、
年齢相応に余裕をとって、
無理のない生活をしていますが、
朝から一日、
義務の仕事が無いというのはありがたいことです。
そのありがたい時間を使って、
愛車の視界周りの整備をしました。
明るいうちのほうが、
窓やミラーの掃除に適していますので、
お日様がまだ高いうちに、
車周りでチョッとだけ仕事をしました。
屋外に居たのは20分もありませんでしたが、
凄まじい汗をかき、
めまいがするほどの暑さでした。
熱中症で倒れる人が続出する意味が良く分かりました。百聞は一見にしかず。まさにそのとおりで、
ナンでも自分自身で体験してみると、
本当の姿が観えてきます。
実際に経験したことが無い医療者が、
「抗癌剤の副作用は、軽い、重い」などと言っても、
説得力はありませんね。
このブログで抗癌剤の厳しい副作用について書いているのは、
私自身の実体験ではありません。
実際に、標準的に大量の抗癌剤を注入された患者さんから、
拝察した結果です。
また、入院で抗癌剤を使っていた時の、
患者さんの生の姿から感じた経験だけです。
副作用の本当の厳しさは、
実際にそれを受けている患者さんだけが知ることができます。しかし、その副作用に見合うだけの、
延命効果が得られるか否かは、
誰にも分かりません。閻魔様も知り得ません。ただし「標準」では、
その儀式における結果は、
患者群のデータとしては出されています。そのデータを主治医からシッカリと確認して、
その数字と、
今感じている副作用とを天秤にかけて、それを、続行するか否か、
慎重に判断して決めてください。
一部の腫瘍内科医では、
エビデンスを錦の御旗にして、
残忍な儀式を執行していますが、
その錦の御旗に背くような、
架空の数字を提示することも少なくはないようです。
それは、完全な詐欺と云う犯罪ですが、それが横行しているのが、
世界の恥である、
日本の悲しい抗癌剤治療の現実です。現実を直視して、ご自身の治療を考えてください。
豪雨被災地のかたがたは、
熱中症には、
くれぐれも気を付けてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
暑い、暑いと言っても、
涼しくはなりませんが、
暑い一日で、
何も書く気がおきません。
一言だけ、
再発予防の抗癌剤治療を、
大きく勘違いされている患者さんが、
多いことには驚かされます。
その辛く厳しい治療(儀式?)で、
救われる患者さんは、
きわめて僅かしか存在していない現実を、正確に知ったほうが、
人生を失わずに済みます。
ブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
暑い日が続いています。
何年か前には、
同じように暑い夏の日に、
熱中症・脱水が命取りになってしまった、まだ若かった患者さんも、
居られました。
「点滴で水分補給をしましょうよ」「今日は時間が無いから」が、
最期の会話になってしまいました。
抗癌剤を使っている患者さんでは、
日頃から、
経口食事、水分摂取が減少しているのが普通です。健康な人よりも、
よけいに注意が必要です。本日も患者さんは、
多くはなかったのですが、
なんやかやと雑用があり、
時間がありません。
ブログは休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
報道のたびに数が増えていく、
豪雨の被害者に、
お悔やみ申し上げます。
大きな雨は天災ですが、
人災的な要因も多分にあるように感じます。地震では、
現在の科学では、
予知はまったく不可能なようですので、
日頃の備え以外には、
減災の方法は無いのかも知れません。
しかし、今回の災害は、
幸い被害に遭われなかったかたにとっても、
対岸の火事ではないようです。
がん医療の世界でも、
同じことが起こっています。インフォームドコンセントが無い、という現実です。
気象を予測する省庁は、
それなりに科学を駆使して、
最善の情報を得ているのだと思いますが、それを利用する一般庶民に、
その意志が通じていなかったことが、多数の犠牲者を出してしまった、
大きな要因の一つであると感じます。
治ることは期待できない、
そもそも根治などまったく想定に無い、末期ガンの治療において、
満足できるインフォームドコンセントを得ている患者さんは、
日本には存在しているのでしょうか。
患者が望む方向と、
医療者の視線とは、
まったく逆という現象は、あまりにも頻回に観ます
閻魔様には、
学会や製薬会社とのつながり、などなど、
とても解決の難しい問題もたくさんありますが、
患者の不幸を心から願っている医療者は居ないと信じます。少しでも患者のためになりたいとは考えても、
結果は真逆というのがインフォームドコンセントの存在していない、日本の末期ガン治療です。
患者さんは、
他人である医療者に対しては、
先ず、ご自身の望む進路を、
ハッキリと提示することが、きわめて重要です。
その意志表示により、
少しは、
ご自身の望む方向に近付くことができるかも知れません。以上 文責 梅澤 充
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大雨被害に遭われた多くのかたには、
お見舞い申し上げます。
さらに被災地でも、
梅雨が明けて、
酷暑が続いているとか。
まさに、弱り目に祟り目、
踏んだり蹴ったりの状況だとお察しいたします。
一日も早い復興をお祈りいたします。
雨の少ない東京も、
陽光だけは降り注いでいます。
暑い日が続いていますが、
我が家の居候のおバカなネコは、
毎年、暑い夏になると、
一風、変わった行動をとります。ネットでは、
ペットの熱中症予防対策などの記事も散見されますが、
居候たちは、
エアコンを入れると、
その部屋からは、
一目散に逃げて、
熱の籠る廊下に移動していきます。
先日、彼らのお気に入りの、
その暑い廊下に温度計を置いてみると、
まったく風は入らず、
気温35℃、湿度70%でした。
40℃超えても涼しい顔をしています。5分も居れば、
汗が出てきそうな場所に、
ノビノビと寝て、
喉が渇くか、
お腹がすくと、
冷房の入った部屋に、
渋々入ってきて、
食べて、飲んで、出すものを出すと、
トットト、暑いお気に入りの場所に避難します。
一般的に、ネコは、冬は暖かい場所、
夏は涼しいところを好むと聞いたことがありますが、
我が家の居候は、
ご主人さまに似たのか、
相当の変わり者のようです。
ヤツラには、
何の制限も与えてはいませんので、
単純に暑いところが好きなようです。気持ちの良い時間を過ごすことは、
人間でも長生きにつながるように感じます。以上 文責 梅澤 充
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今回の西日本の大雨は、
130人以上の犠牲者を出すなど、
大変な被害をもたらしたようです。
川が氾濫を起こせば、
甚大な被害が出ることは想定されていた地域もあるようですが、
氾濫を起こすほどの雨量があるとは、
想定していなかったのでしょうか。
自然現象に対する、
たかだか人間による、
完全な想定など、
不可能であるような気がします。
ガンと云う病も、
まったく想定外の動きを見せることが普通です。たんなる医療者の想定よりも、
ヤツの動きが、
すべてであり、
治療はその動きに従うことが最優先されます。悲しいことに、
現在の日本での標準治療とされる、
ただの儀式では、
ヤツの動きをまったく観察することなく、粛々と毒薬の注入だけが遂行されてしまいます。
途中で、当の患者さんが、
副作用で塗炭の苦しみを味わっても、閻魔様にとっては、
それは「想定内」であり、
その注入後に、
効果が認められなかった場合は、それは想定外とされてしまうようですが、
想定外は、
高い確率で起こることは、エビデンスとして知られています。医療ばかりではありませんが、
現在の日本は、
科学に頼り過ぎているように感じます。
自然は優しくもあり、
また、極めて厳しい存在でもあると思います。
想定外に、
進行の遅い末期ガンも、けっして珍しい存在ではありません。
以上 文責 梅澤 充
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先日も
今年のASCOの報告例を書きましたが、
もう一つ、
乳がんの手術後の抗癌剤について、興味深い報告がありました。
アメリカ人での乳ガン患者さんの手術後の抗癌剤についてですが、
報告内容からでは、
9729人の、ホルモン感受性陽性、ハーツー陰性の、手術後の患者さんでは、
ある遺伝子解析の結果によると、
少なくとも8000人以上で、細胞毒(殺細胞性抗癌剤)による有意な利益は得られず、ホルモン剤単独と同等という結果でした。
その遺伝子解析は、
まだ日本の健康保険では認められていませんが、
その検査が保険で承認されれば、
患者さんに苦痛を与えるだけで、無駄に消費される細胞毒が、大幅に削減することが可能になります。
患者さんの苦痛を軽減するだけではなく、
医療費の節約にもつながりますが、
毒の注入を生業とする閻魔様には、困ったことになるかも知れません。
患者会にとっても、
自分たちが受けてきた拷問のような儀式が、
無駄であったことが証明されてしまったら困りますから、
健康保険の早期承認には、
閻魔様同様、
積極的にはならないと思われます。無駄な細胞毒による、
患者さんの苦悩は、
まだまだ続くように感じます。大量消費一本槍の日本の抗癌剤治療は、欧米よりも遅れているのかも知れません。以上 文責 梅澤 充
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東日本は大雨による、
洪水、がけ崩れなど様々な災害が発生して、
犠牲者も多数出ているようです。
まだ安否の確認されていないかたの、
無事をお祈りすると同時に、
お亡くりになられたかたの、
ご冥福をお祈りいたします。荒れた日本のそんななか、
昨夜、東京でも、
かなりの揺れを伴う、
地震がありました。
その直後に、
地震警報が流されていました。
千葉県沖で地震が発生して、
その近くの陸地が揺れる、
すなわち地震がすでに発生した後の、
至急のアナウンスだと感じました。
当てにならない天気予報や地震警報など、
気象庁発表は
それを発表する必要はあるのでしょうか。
不確実な情報は、
害になることもあります。空模様、風雨の程度は、
レーダーや各地気象台からの膨大なデータが集積されて、
それをコンピューターが解析して、
予想を作り、
住民により正確な情報を流すことが気象庁の、
大きな仕事一つだと思います。
しかし、現実には、
災害が起こった後で、
予見できなったことの言い訳と、
安全な避難方法などの「解説」ばかりを流しているように感じます。「自然に対する人間の科学のチカラなど、
その程度なのだと」言うことを、
日頃から正直に説明すれば、
誰も気象庁を責めることはないと思います。
比較的、予想の立ちやすいと思われる天候についても、
1日2日先の未来を的確に予想することもできない現実が、科学の能力であると感じます。
まして、平穏な時期に、
地震の予知などまったく不可能という事実を、
昨日の地震、先日の大阪の大地震他、
たくさんの突然の地震が教えてくれています。
気象庁は、所詮無理な予測を流すよりは、
「科学は、その専門科以外の人間が期待しているほど進歩はしていない。」という現実を、
素人である我々国民に教えることのほうが、
重要であるような気がします。
医療も同じです。個々人の予後・余命など、
誰にも分かりません。その事実を、
マスコミはもっと、訴えてもイイのではないかと感じます。
「専門医のごく一部の小さな、しかし一般の人は知らない、
そして、あまり重要ではない知識」を、
視聴者を驚かせながら流すほうが、
重要な視聴率稼ぎはできるのでしょうけれど、
科学の真実の進捗状況を正確に報道するほうが、どれだけ、国民の役に立つか分かりません。
現在のマスメディアが誘導するとおりに、
がん患者さんを腫瘍内科医の手に委ねてしまったら、ごく狭い範囲の、
彼らの知識の中だけに閉じ込められてしまいます。それは、あまりにも勿体ない。
マスメディアは真実は知っていても、
スポンサーの関係で、
国民に真実を伝えることは許されない。
製薬企業の収益が、
日本の経済を支える重要な役割を果たしていることも事実です。
しかし、毒であることも知らされずに、不味いエサを知らずに食べさせられる患者さんは、本当に不幸だと感じます。以上 文責 梅澤 充
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先月、ASCO(米国臨床腫瘍学会)が、
シカゴで開催されました。
しかし、そこで、
日本の愛知県のがんセンターが、
ランダム化比較試験の興味深い結果を報告していました。
266名の70歳以上で、
ハーツー蛋白の過剰発現を認める(ハーツー陽性)
乳ガン手術後の患者さんが対象で、
手術後の再発予防として、
ハーセプチン単独患者群が135人
ハーセプチン+標準的抗癌剤注入患者群131人の比較試験です。
ステージはⅠからⅢAまでの患者群でした。
3年後の無再発確率は、
ハーセプチン単独患者群で91.7%
ハーセプチン+抗癌剤患者群で95.6%
と記されています。
3.9%の差しか出ていません。当然、有意な差ではありません。もちろん、ハーセプチン単独患者群と比較して、
抗癌剤患者群では、
QOLは有意に低下しています。臨床試験は、
「患者の命の長さ」ただそれだけの物差しを、
人道的観点として、
積み重ねの連続で計画されていきます。
現在の乳がんに手術後のハーセプチンは、
その過渡期であり、
とりあえず、データの存在している細胞毒への、
積み重ねまでしか行われていません。
今回の試験は、
対象を高齢者に絞ることで、
その細胞毒を使わないことも、十分に人道的に許されるという状況を作り、
行われました。
それよりも若い患者群では、
現在のデータ上、
細胞毒を使わないことが、
許されない状況ですので、
ハーセプチン単独での試験は行うことが困難です。
しかし、高齢者と、
そうではない患者さんの、
ハーツー陽性乳がんで、
ハーセプチンや細胞毒に対して、
大きな差が出るとは考えられません。現在、日本でも、
がん治療拠点病院以外では、
ハーセプチン単独で、
使ってくれる医者も増えてはきました。
ただし、患者さんが、
強引に主治医に頼み込んだ場合だけです。
患者さんご自身の価値観で、
頼むか否かお考えください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
明けたはずの梅雨が戻って来たような天気が続いています。
素人の勘で、
梅雨は明けたと感じていました。
気象庁も宣言していました。
しかし、
本当に梅雨は、開けていたのでしょうか。誰も、実像を観ることなく、
人間が勝手に作り上げた天気図を頼りに、
無理矢理に科学的な感じの処理をして、無理に予想を出してしまうから外れる。
天気予報などは当てにはしていませんが、
実際に地球と云う生き物を診ないで、他覚的な情報だけを頼りに、
予想を出してしまった拙速な結果だったように感じます。
人の余命宣告と同じような構造を感じます。人の余命など、神様以外には、
誰にも分かりませんが、
何でも知ったふりをしたい医療者も、少なくないようです。
科学は万能ではありません。むしろ科学では説明できない事象のほうが、
医学の世界でも溢れています。
人間の身体に備わった「免疫力」一つとっても、そのほとんどすべては、
ブラックボックスの中にあります。生きている地球の、
明日の状況など、
誰にも分からない。その現実が、
本当の科学であるように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
東京近郊では、
今年のホタルの季節は、
そろそろ終わります。
一昨日も、
ホタルの淡い光を楽しんできました。
温泉もある宿でしたが、
この暑さで温泉気分ではありませんでした。今年はすでに何回かホタルを楽しみました。
毎年、同じような地域に行きますが、
昨年までとは、
かなり違う状況に気が付きました。
ホタルを楽しむためには、
しつこい蚊の攻撃を我慢しなければなりません。
虫除けスプレーもありますが、
それを付けると敏感なホタルに嫌われてしまいます。先日も手にも乗ってきました。
しかし、何故か、今年は、
一度も蚊に刺されていません。
合計すれば、かなりの時間、
皮膚はそのまま露出して、
無防備な状態で、
静かに鑑賞していたのですが、
まったくか蚊に出遭っていません。
もちろん、ホタルの近くではタバコは吸いません。
いずれの地域も、
自然発生のホタルでしたが、
ホタルは残って、
蚊だけが居なくなるというのは、
ありがたい現実ですが、
なんだか、とても不気味な感じもします。
日本のホタルの激減は、
農薬の影響が非常に大きいと聞いたことがありますが、
ホタルは消えても、
夜の野外は蚊がいっぱいでした。農薬のような細胞毒(殺細胞性抗癌剤)と同じで、がん細胞と同時に、
大切な人の細胞も巻き添えにするような、殺虫剤は使われていないはずです。
地域住民が、
蚊の発生源だけを、丹念に除去してくれた結果であれば嬉しいことです。
蚊のようなガンを殺すことは簡単です。毒を大量にバラまけばイイだけです。しかし、ホタルを生かす治療は、
現在の日本では行われていません。それは閻魔様が大嫌いな、
個々の患者さんを診るという、とても面倒な方法で、
なかなか実行してもらえないのは、
悲しい日本のガン医療の現実です。以上 文責 梅澤 充
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凄まじい暑さで、鈍い思考回路が、
さらに動きが悪くなっています。
本日のブログは休診にします。
熱中症に気を付けてください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
最近、
「同じに生きていても、ペットのほうが早く歳をとる」という内容のテレビCMが流れていました。
犬や猫など、
人間のペットの多くは、
人間よりも早く歳をとります。
生れてから、
犬では10年から20年程度、
ネコでも、長くても25年も経てば、
多くは老衰で消えていきます。
如何に観察したか知りませんが、
野良・野生だと、
その半分以下の数字だそうです。
それは個体の特有の運命であり、ドウすることもできません。
同時に生まれた日本人の子供は、
犬や猫が旅立つ頃には、
中学生や高校生、
あるいは、新入り社会人で、
元気バリバリの新人たちです。
犬や猫は、
短い寿命しかなく不幸でしょうか。同じ人間でも、
広い地球上では、
平均寿命が、
50歳に満たない未開の地もあるようです。
そこに住む人間は、
自らの定めが不幸だとは考えていないように思います。
不幸だと考えれば、
その状況から脱却することを考えるのが、人間であるはずです。
短い寿命でも、
その時間を謳歌して、
輝かしい人生を楽しめば、それで十分であるような気がします。
カメは、人間より長生きのようですが、
カメをペットにすると、
世話してくれる人間のほうが、
先に居なくなってしまい、
それは、それで不幸ですね。
我が家の居候ネコの又吉も、
そろそろ老衰で、
最期のひと時を楽しんでいます。
幸い、どこにも苦痛は無いようです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ただの末期ガンを宿しただけの患者さんに対して、
「無治療ならば半年」
「標準治療を受ければ、1年程度」などとの、
脅し文句は、
後を絶ちません。
もちろん、エビデンスも根拠もない、
架空の数字の羅列です。何回も書いていますが、
チョッと考えればすぐに分かることです。
無治療で経過を診ただけの患者さんなど、
日本に存在しているでしょうか。けっして満足のいく、
QALYを得ることは不可能という現実を知って、
無治療という選択肢をとる患者さんは、
少なからずおられると思います。
しかし、そのような患者さんは、
ガン患者統計を作っている、がん治療拠点病院などには行きません。
本当に体調に異常を来すまでは、
病院などへは行かないか、
行っても、自宅近くの緩和ケアか、
民間療法などの、
がん統計とは関係の無く、
有意義な時間を送ります。
しかるに、統計データは存在しません。
捏造データを提示してまで、
患者さんを、
自分たちだけが望む儀式へと誘い込む。患者さんにとっては、
許されざる犯罪的行為ですが、
それを強要される、
多くの若い腫瘍内科医の心も痛んでいるように感じます。患者さんにとって、
ただの意地悪医ではありません。そのただの犯罪行為に慣れ過ぎて、
「正義」であるかのような、
勘違いが発生してしまう前に、
まだ、医者の心が残されているうちに、
医者自身がその蟻地獄からは、
逃れたほうが無難です。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。