肺ガンについては、
何回も書いていますが、
標準的抗癌剤治療は、
ぜひ避けるべきガンの代表格であるように思っています。アリムタという抗癌剤が、
遅まきながら日本でも認可されて、
それが広く使われ始めてからは、
それ以前ほど悲惨な治療ではなくなってはきましたが、
それでも、
自分自身あるいは、
身内の人間にはけっして行いたいと思う治療ではありません。アリムタに併用される、
標準量のシスプラチンの副作用は、
多くの患者さんでは、
けっして楽とはいえません。
お母様の肺ガン治療について、
その息子さんからメールをいただきました。
お母様のことを心配されてのことです。
あまり感心しないお子さんが多い中、
嬉しいメールです。
そのメールによると、
1年以上前から、
肺に異常な影が指摘されるも、
長期間変化は無く、
1年経って、
ガンでありしかもステージⅣと診断されたそうです。
そして大学病院ではお決まりの
標準治療という
当たり前の普通列車に
乗せられてしまったようです。
そのような状態での診断であれば、
治療開始前には、
当然、普通の生活ができていたはずですが、治療が開始されると同時に、
その普通の日常を失います。そして、その乗り心地の悪い列車では、
行き先も到着時刻も決められてしまいます。1年以上前に、
発見された異常所見は、
間違いなく肺ガンであったはずです。
しかし、1年以上経って診断が確定して(しまい?)、
治療が開始される前までは、
まったく普通の健康人としての生活を楽しむことができました。
そのときにすでにステージⅢ以上で
手術不能であったか否かは分かりませんが、
現在、他臓器転移を伴うステージⅣであることを考えると、
手術可能のステージであったとしても、
術後再発を来たした可能性は低くはない、
と思われます。
メールの親孝孝行の息子さんは、
お母様のガンの発見が、
1年以上も遅れたことをとても悔やまれているようですが、
むしろ1年間、
まったく自由な時間が与えられてラッキー、と考えることもできます。
もし、そのときすでに手術不能であり、
すぐに標準的抗癌剤治療が開始されていたならば、
お母様が現在生きている確率は50%以下です。問題は、
そのおとなしいガンに対して、
いきなり爆弾を投下するような治療が
理想的な治療であるのか否かです。
その爆弾は、
穏やかな普通の日常を、
間違いなく奪ってしまいます。
一口に肺ガンといっても、極めて悪辣なヤツから、
とても穏やかで、
おとなしいお利口さんもいます。「肺ガンです。」
「○○に転移があり、ステージⅣで手術不能です。」
「無治療だと平均半年です。」
「抗癌剤治療しかありません。」などと突然言われたら、
今現在、何の自覚症状も無く元気でいることなど、すっかり忘れてしまい、
アタマ真っ白か、
キラキラ星がアタマ全体に瞬いて、
何も考えられなくなり、
標準治療という列車に飛び乗ってしまいます。しかし、一歩下がって、本当に急いでその列車に乗る必要があるのか否か、
冷静に考えてください。列車に乗る前には、
必ずその行き先と到着時刻は確認するものです。先ず、そのガンの性質を見極めてから治療をはじめるべきです。
それを見極める時間程度の猶予は十分にあります。もし、素早いガンであれば、
すぐに動きが見えますから、
それに合わせて治療を開始すればよいことですし、のんびりやのガンであれば、
気長に観察していても、
十分に間に合います。メールをいただいた患者さんの場合、
冷静に観察するまでもなく、
すでに1年以上も「自然観察」をしてきたわけですから、
いきなりの、
爆弾投下は得策ではありません。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ガンが発見されたなら、先ずはじめに考えることは、
手術が可能か否かです。「手術が可能」と診断されたなら、
その次には、
その手術を受けるタイミングと、
その手術を受けることでの、
メリットとデメリットを考えます。その次には、その手術後の再発を如何に予防するかを検討します。手術が可能であるか否かは、
根治が可能であるか否かの差でもあり、
ガン治療では極めて重要です。
しかし手術が可能であっても、
現在では治療の進歩により、
放射線治療で同等の効果が得られることも少なくありません。
根治性、身体への侵襲などを考え、
どちらが有利か判断しなければなりません。
そのとき、
外科医は手術を勧めるでしょうし、
放射線科医は放射線治療を勧めるでしょう。
最終的には、
両者の意見を聞いた上で、
ご自身が決めることです。
また、いきなり手術を行うのか、
抗癌剤治療の後に、
手術を行うほうが良いのかも、
慎重に検討しなければなりません。
乳ガンなどの場合には、
術前に抗癌剤治療を行うほうが、
メリットが大きい場合が多くみられます。
次の手術後の再発予防を、
手術前から考えている患者さんは、
あまりみません。
しかし再発の予防は、
手術前に考えておくべきです。もし再発をする運命にあるのであれば、
将来、再発というかたちで現れてくる
まだ見えないガン細胞の種は、
手術をしたその時点ですでに存在しているか、
手術操作により、
身体中に飛散することも有り得ます。
また手術により身体が受ける侵襲によって、
免疫力の低下を招き、
それが引き金になって、
術前すでに撒かれていた種が、
術後に急成長してくる可能性もあります。
再発は手術を行ったその瞬間から始まっている、
と考えるべきです。特に手術前から、
再発の確率が極めて高いと考えられるようなケースも多々みられます。
そのような状況での手術の場合、
先ず、その確率を少しでも低下させるような治療を行い、
その後に手術を行うか、
どうしても手術を急がなければならないような状況であれば、
手術後如何に再発を予防するかを、
術前に考えておくべきです。
再発ガンに対して、
抗癌剤治療だけでは、
根治の可能性はほとんどありません。したがって、
再発ガンであっても、
手術が可能であれば、
積極的に行います。そのときには、
何回か紹介している、
ガン手術の名人にお願いしていますが、
名人の手術で、
簡単に治るというほどガンという病気は甘くはありません。その場合には、
術前から再発予防の準備を整えてから、
手術に望みます。多くの患者さんで、
手術という、
人生の一大イベントに望んで、
他のことなど考えている余裕は無いと思いますが、周到な準備により、
死に至る再発を抑制することも可能です。勿論、ガン治療ですから、
「これを行えば再発しない」
という便利な治療など存在しません。
あくまで、
「再発確率が減少する」というだけですが、
長く生きること、
天寿を全うすることを願うのであれば、
是非、適切な対処を考えるべきです。私は、手術により見える病巣は切除して、
体内のガン細胞数が、
目では見えない状態にまで減少しているときには、
手術前に効果を確認しておいたクスリを使っての、
少量持続での抗癌剤治療が有効だと考えますが、
同様に免疫細胞療法も有効だと思っています。
術前の綿密な段取りが、
その後の人生を大きく変えることも珍しくありません。手術前の忙しい時期ですが、
慎重に将来を考えてください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
2月になってから、
何通もの訃報のメールをいただきました。
一度も診たことのない患者さんばかりです。
セカンドオピニオンなどで、
ご家族だけとお会いしたかたや、
メールだけの交換に終わった方々です。
4名のかたからいただいたメールでは、
標準治療を開始後、
間も無く亡くなられています。
実際にその患者さんを診ていたわけではありませんので、
何ともいえませんが、
ご家族の話では、
すぐに旅立たれるような体調ではなかった患者さんばかりです。
何回も書いてるとおり、
標準治療が悪いとは思いません。
それが最善の治療である患者さんが存在することは事実です。
しかし一般的に、
治らないガンに対する最低限度の治療であり、
最高の治療ではありません。
そして、文字通り最低・最悪の治療に終わってしまう患者さんも
少なからずいることも、
間違いのない事実です。最近いただいたメールの患者さんなどは、
その典型だと思います。
無治療のほうが、
遥かに楽に長生きができたはずです。標準治療では、
「その治療を受けた場合、
無治療よりも○ヶ月長生きすることができる」という、
ほとんどの患者さんが望まない、
とてもありがたいエビデンスが存在しています。
それだけを頼りにその治療は開始されます。
標準治療の根拠はただその一点だけです。
しかし、そのエビデンスのなかには、
「治療によって死亡する患者さんも存在する」
「治療が寿命を縮める」という事実も含まれています。
勿論、その不幸な患者さんも統計確率には含まれての○ヶ月ですから、
昨日も書いたおり、
「やってみなければ分からない」一発勝負の大博打です。「はずれくじを引く可能性も存在している」
という事実を冷静に考えてから、
その死ぬかも知れない治療を、
選択するか否か決めてください。
勿論、最高の治療になる患者さんも少ないながら存在するから、
迷うところです。
ご報告いただきました患者様のご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
抗癌剤治療では、
副作用は必ず存在します。
抗癌剤の点滴をしても、
量の問題で、
「まったく何も感じない」
という患者さんも少なからずおられますが、
それでも、
脱毛が少し増えている気がするとか、
何となく肌が荒れる、
白血球が若干減少している、
などの何らかの副作用はあるのが普通です。しかし、その程度は、
個々の患者さんで大きな差があります。標準的に大量の抗癌剤を使った治療でも、
大きなダメージは無い、
という患者さんも稀ながらいますし、
辛くてとても耐えられないという、
普通の患者さんはたくさんいます。
治らないガンであれば、
治療は終生続けなければなりませんから、
大きな耐え難い副作用がある治療であれば、
終生その治療の害に悩まされることになります。その辛い治療を続けても治らないのですから、
というよりも、
副作用の大きな標準治療では、
根治・治ることなどははじめから想定外ですから、もし辛さを感じたならば、
その治療は受けるべきではありません。私は終生続ける治療であれば、日常生活に支障を来たすような副作用は伴わないことが、
絶対条件だと考えています。そのために、
使う抗癌剤の量を可能な限り少なくして、
長く治療を続ける。
もし10年間治療を続けることができたなら、
その患者さんは10年間は元気で生活してくれた、
ということになります。
実際に5年を超えて治療を続けている患者さんは、
数え切れませんし、
10年越えの患者さんも少なくありません。
そのために常用量の、
5分の1、10分の1というような量で使い続けている患者さんも
たくさんいます。
そんな非常識に少ない量でも、
有効だから使っているのですが、
それでも、
副作用に耐えられない患者さんもいます。
当然、そのような患者さんに、
標準量がはじめから使われたなら、
患者さんが受けるダメージは、
考えただけでも恐ろしくなります。
本日もある患者さんが、
常用量の約10分の1で使い始めたところ、
吐き気で3日間寝込んでしまった、
とのことでした。
一般的にそのクスリは、
標準量で使っても吐き気はほとんど出ません。
抗癌剤の副作用は、
そのクスリと患者さんとの相性だけで決まってしまいますが、
すべての抗癌剤に拒絶反応を示す患者さんもいます。そうなると、
武器が無くなってしまいます。
今まで何人か、
そのような患者さんがいました。
抗癌剤治療が上手くいくか否か、
それは患者さんと抗癌剤との相性次第という面も多分にあります。
しかし、それは実際に試してみなければ分かりません。また、たった一回の標準治療で、
骨髄が致命的なダメージを受けてしまい、
それ以降の抗癌剤治療に、
非常に難儀することもあります。しかし、大量の抗癌剤を使う標準治療が、
最適の患者さんも存在することも事実です。
すべての抗癌剤治療は、
「やってみなければ分からない」
であり、
とても難しいところです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は患者さんの数は、
あまり多くなかったのですが、
雑用がたくさんあり、
時間が取れません。
ブログは休診にします。
ただ一つ、
ほんの数年前まで、
手術不能で、
開腹後直ぐに、
お腹を閉じて、
「手術はできませんでした」
とご家族に宣告されていた胃ガンの患者さんが、
無事に根治手術を終えて、
外来に戻って来られました。
嬉しい限りです。
今後は如何に再発をさせないか、
すなわち、
まだ若いその患者さんに天寿を全うしてもらうこと、
それだけを考えて治療を進めます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
患者さんのことを
こころから心配するご家族によって、
ガンを悪化させて、
寿命を縮めてしまう患者さんがいます。
それは新興宗教のような代替療法に洗脳されたしまったご家族です。青天の霹靂であった
ガン宣告により、
ご家族への思いが強いが故に、
患者さん以上に、
アタマが真っ白な状態になり、
新興宗教の餌食になって、
完全に洗脳されてしまうと、真っ当なガン治療が、
まったく目に入らなくなります。
逆に、正当なガン治療は、
罪悪だと感じるようになってしまいます。
そのように洗脳されます。そしてその教祖の教えどおりに、
すべての科学的なガン治療を拒み、
まったく効果の無い、
似非治療へと突き進んでいきます。
当然ガンは悪化の一途を辿ります。
患者さんが亡くなられてはじめて、
似非治療であったことに気がつきます。
ガンという病気は、
特に治ることが期待できないガンでは、
無治療という対処法もあります。覚悟を決めて、
副作用のまったく無い無治療で、
短いながらも楽しい時間を過ごすという考え方であり、
それが悪いとは思いません。
したがって、
似非治療であっても、
効果が無い代わりに、
多くの場合、
副作用もありませんから、
「効くのだ」と信じてそこにのめりこむのも、
悪くはないと思います。
標準治療ではほとんど延命効果の期待できないガンでは、
激しい副作用に悩まされるより、
似非治療に騙されて
信者になっているほうがマシかも知れません。しかし手術が可能な状態、
すなわち根治も十分に期待できる状態の患者さんが
宗教のような似非治療に引っかかった場合は、
本当に悲劇です。
過去にも何人も、
手術不能の状態になってから、
はじめて来られた患者さんがいます。
現在も数名おられます。
勿論患者さんご本人が一番の被害者であり、
お気の毒ですが、
患者さんは遠くない将来、
ガンの進行により旅立たれます。
その後には、
洗脳されてしまい、
その似非治療を勧めたご家族が残されます。
そのご家族は、
ご自身が逝くまで、
終生後悔自責の念に縛られ続けることになるのではないでしょうか。患者さんご自身は、
その似非治療に疑問を持つも、
ご家族が強引にそちらに引き込むというご家族も時々見ます。
それは一種の家庭内暴力のようにも感じます。
もしご主人が患者である奥様に、
似非治療を強要するとなると、
まさにDV(Domestic Violence家庭内暴力)です。
しかし最終的には、
その暴力を振るった本人が、
一番苦しむことになります。
悪いのはその似非治療に、
患者さん、ご家族を誘った教祖ですが、
悪人は何時の時代、
何処にでも必ず存在します。その悪から自分を守るのは自分しかありません。悪に騙されるのは、
騙されるほうにも、
多少の落ち度はあるように思います。患者さんから聞くと、
教祖様は、
とても説得力のある話し方をするようですが、
内容を冷静に考えれば、
絶対におかしい、
ということにすぐに気がつくはずです。
どんな場面でも
冷静さを忘れないでください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
22222と2が5つ並んでいます。
ニャンニャンニャンで猫の日だそうですが、
今日は猫は出ません。
フト考えると、
次の元号22年2月22日は何年後になるのかは、
現在の陛下の御崩御が何時になるのか次第でですが、
次の22222には、
私が生きていることは有り得ません。
この文章を読まれているかたで、
次の22222まで生存しているかたは、
何%くらいでしょうか。
昭和22年2月22日に生きていた人で、
現在一番若い人は、
その日に生まれた、
63歳です。
当時このブログの文章を読む年代の人は、
ほとんどいなくなっていると思います。
また明治22年2月22日生まれの人は、
さすがに存在していないでしょう。
人間の命は、
長いのか短いのか分かりません。
何回も書いているとおり、
神様の気まぐれ・悪戯で、
人の寿命は決められています。それに毎日逆らおうとして必死になっている自分が、
虚しくなるときがしばしばあります。しかし、私が頑張ったことで、
延べ数百年は患者さんたちの寿命が延びたことは、
間違いないと自負しています。
でもこれも神様の手のひらの上での、
悪あがきだと考えると、
本当に寂しくなりますが・・・・
現在治らないガンを患っている患者さんでは、
気まぐれ神様がくださった、
宝物の時間を存分に楽しんでください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ある患者さんからうかがったことですが、
世の中には、
ガン治療とアトピーの治療を同じに考えている医者がいるようです。藁にもすがる思いで、
その病院にいかれたそうですが、
とても説得力のある喋り方で、
アトピーとガンを同義に説明されたそうです。
そして、お決まりの、
「抗癌剤治療は受けてはいけない」と言われ、
次のお決まりの、
高額な漢方薬?を買わされたそうです。その患者さんは、
患者暦が長く、
冷静さを取り戻していたようで、
そこまでで、
おかしいと気付き、
その先の深みには嵌らずに済んでいました。
その先には、
「洗脳」という入院治療?が用意されていたそうです。まったく自覚症状の無いガン患者さんが
何故入院するのか考えてください。
同じ自覚症状が無くても、
抗癌剤治療で入院するのは、
副作用が激しく自宅では生活できないからです。
似非治療での入院は、
確固たる洗脳のための入院です。話はそれましたが、
ガンもアトピーも免疫機構が
その発生およびその後の病態に
大きく関与していることは間違いなさそうですが、
両者はまったくの別物と考えるべきです。現在、自己免疫疾患を患う患者さんに発生してきたガンを
何人も治療しています。
自己免疫疾患もその発生メカニズムは、
分かっている面も有りますが、
まだまだ解明できていない部分もたくさんあります。
自己免疫疾患の発生メカニズムの一部を考えると、
ガンは発生し難いとも考えられますが、
実際にはガンが発生してきます。
ガンに対する免疫力を向上させるようなサプリメントを摂取すると、
リウマチのような自己免疫疾患様の症状が出てくることを
何回も診てきました。
「ガンと免疫」
これは極めて密接に関係していることは、
日々実感しています。しかし、免疫とは、
人間にとって宇宙のような存在です。現在、地球から数百キロメートルほどしか離れていない、
「身近な宇宙」に長期間滞在することが可能になり、
宇宙の謎がほんの僅かずつ解明されようとしています。
しかし、宇宙の存在の99%以上は未知です。
人間の免疫力も同じです。解明されているのは、
その本当の実力の、
恐らく1%以下か、
多くても10%程度だと思われます。ほとんど分かっていないというのが真実ですから、
その研究者と名乗る人間は、
何でも好きなことが言えます。どんなに出鱈目な仮説を唱えても、
すべてが未知の世界ですから、
その嘘を否定するのは、
極めて困難な作業になります。そして、それを苦労して否定しても、
免疫学に対して大きな進歩はありませんから、
それを行う研究者も出てきません。
ところで大学という研究機関は、
一つの学問に最低一人は
「教授」とよばれる人間を配置します。
免疫もほとんど解明されていないといっても、
これからの解明を進める立派な学問「免疫学」です。
当然、一人以上の「教授」の席が設けられています。日本には立派な教授もたくさんいると思います。
しかし、そうではない、
たくさんのトンデモ人間も、
「教授」という肩書きを背負っています。
トンデモ教授もたくさんいる現実を知ってください。何も解明されていない免疫の世界で、その「教授」という肩書きが、
出鱈目な仮説を唱えると、
それが素人には「真実」になってしまいます。一部の動物実験だけで確認された事実が、
あたかも人間での事実であるかのように宣伝している、
トンデモ教授なども日本にはいまだに生息しています。
その似非仮説は、何回も書いている、
真っ白いアタマを、
一瞬にして見事に染め上げてしまいます。そして、その染められてしまった色は、
簡単には落ちません。
まさに死ぬまで消えません。
ご家族も、
患者さんが死んで灰になってはじめて、
その嘘に気がつきます。
そのときでは遅いのです。
染まる前に、「免疫」には安易に近づかないほうが無難です。「ガンと免疫」
これは絶対に断ち切ることはできない関係にあることは間違いなさそうです。しかし現在、実際の臨床場での、
その活用の多くは、
何も分かっていないことを良いことに作り上げられた、
根拠の無い勝手な仮説だけに基づいていることも事実だと思います。
とくに代替療法、民間療法とよばれる似非治療は、
その際たるものです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「笑うこと」に対して、
またまた素敵なコメントをいただきました。
いただいたコメントばかりをネタにして申し訳ありませんが、
どうしても載せたくなりました。
すべての文章がそのとおりの内容です。
生きる
自分の症状に一喜一憂するのはやめました。
自分を辛くするのも楽にするのも自分の気持ち次第。
人間は開き治りも必要ですよね。
どうしても出ていかない癌であれば共存しながら先生のおっしゃる
「宝物の様な時間」をこれから大事にして生きて行きたいです。
私を支えてくれる家族の為にも周りの人達の為にも!
一つだけ違うのは、
「宝物のような時間」とは、
昨年の12月27日の「今年の言葉」でご紹介したとおり、
すでに旅立たれた患者さんからいただいた、
一生涯忘れえぬ言葉ですが、
私の言葉ではありません。
その宝物は、
ガンの程度に関係無く、
ガンを宿したすべての患者さんで享受できる、
ガン患者さんの特権です。2月11日の「突然死」でも書いたとおり、
たくさんの「死」を見てくると、
人の命は神様のオモチャとしか思えない状況に、
頻繁に出くわします。
神様のご意向であれば、
いくら足掻いても仕方ありません。開き直りも必要なときもたくさんあります。一喜一憂しているよりも、
開き直ったほうが、
遥かに気が楽になります。本当に
「自分を辛くするのも楽にするのも自分の気持ち次第。」のとおりだと感じます。
また、昨日も書きましたが、
病気を宿して、
辛いのは患者さんだけではありません。
ご家族のほうが余程辛いことも少なくありません。
ご家族は、
患者さん以上に、
一喜一憂していることもしばしば目にします。
本日来られた手術不能の胆管ガンの患者さんは、
すでに4年間も抗癌剤治療を治療を続けていますが、
ご本人は2週間の点滴毎に毎回測定している腫瘍マーカーの数字を、
一度も見たことがありません。
ご家族が見るだけです。
それを患者さんのほうが、
一喜一憂していたら、
ご家族の心労は、
さらに大きくなってしまいます。
大切なご家族のためにも、
開き直りも重要です。開き直って、
笑いに満ちた生活を送ってください。その笑いに、
例のバカ猫三人衆が、
随分役に立っていると、
本日も何人もの患者さんに言われました。
ただの穀潰しだと思っていましたが、
少しは人様の役に立つようです、
利用してやってください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
素敵なコメントをいただきました。
私も意識して笑うことを心掛けています。
口の口角を上に上げるだけでも良いと聞きました。
それから自分が病気になったことを悲観せず
前向きな気持ちを忘れないようにしています。
病気になった時は人に会うことも何をするのも苦痛に感じました。
今は背筋を伸ばして沢山笑って、
幸せであることを周りの人達にアピールしたいと思っています。
特に身近にいる家族にはそんな自分を見せることが
一番の恩返しかと思っています。
ガンという病気を宿していて、
笑うというのは大変なことかも知れません。
ガンという病気を宣告された多くの患者さんでは、
「病気になった時は人に会うことも何をするのも苦痛に感じました。」のとおりだと思います。
しかし、笑うことにより、
また、コメントにもあるように、
口角を上げることだけでも
免疫力はアップするといわれています。
もしも、笑いに効果が無かったとしても、
笑いに包まれた人生と、
悲観にくれて送る人生では、
こころのQOLが大きく違ってきます。また多くのご家族は、
患者さんご自身よりも、
遥かに辛く苦しい思いをされているように感じます。最悪の場合、
患者さんには死が待っているだけです。
しかし、それは、
眠ることであり、
苦痛からの開放でもあります。
大空を飛び回っているかもしれません。
一方、残されたご家族には、
悲しみだけが残ります。
そんな環境の中で、
患者さんが笑ってくれる、
というのは、
ご家族にとって最高の贈り物であり、
クスリにもなります。同時にそのクスリは、
患者さんご自身にも効くはずです。笑うことはすべての人間を幸せにします。標準治療の成績がお粗末であるのは、
あの治療では、
副作用により、
笑いが無くなってしまうことも大きな原因であるように感じます。今まで、副作用を感じないような治療でも、
笑うことができない患者さんを何人も診てきました。
予後の良かったかたは一人もいません。
逆に、
周囲の患者さんを笑わせるような患者さんでは、
驚くほどの生命力を感じます。常識では有り得ないほど長生きした(している)患者さんを
何人も診てきました。勿論、周囲を笑わせると同時に、
ご自身も大きな声で笑っていました。しかし笑うことができるのは、
コメントにもあるとおり、
ガンを患っていても、
幸せであることを感じることができる患者さんだけです。
それが無ければ難しいと思います。健康な人間では得ることができない、
「宝物のような時間」を享受できただけでも、
幸せであり、
そのことに感謝すれば、
それだけでも患者さんは幸福になれるのではないでしょうか。「感謝 → 笑い → 大きな延命」
という図式は確実に成り立っているように感じます。たくさん笑ってください。一昨日のバカ猫三人衆がお役に立てば猫たちも喜びます。
笑った分だけ、
寿命は延びると思います。
以上 文責 梅澤 充
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昨日の「おバカなコメント」で懲りずに掲示した
おバカ猫三姉妹に対して、
たくさんのコメントいただきました。
「兄弟」ではなく実は「姉妹」だったのです。
三匹とも卵巣は無く、
子供は産めなくはしてありますが、
れっきとした雌ネコです。
「又吉」「おそ松」などというと、
当然オス猫を連想されると思いますが、
大昔飼っていて、
何匹も子孫を産んだメス猫も、
名前は「大将」でした。
又吉に顔はそっくりですが、
あいつは相当に賢いネコでした。
コメントのなかに、
あの3猫たちが「賢そう」というのがありビックリしました。
オトボケのおバカ猫たちです。
あのコメント主よりは賢いかも知れませんが・・・・
ところで
アニマルセラピーという言葉もありました。たしかに、
小動物にこころを癒されるのは、
ガンという病気を宿した患者さんには、
良く働いてくれる可能性はあるように思います。笑ってもらおうと思い、
昨日の恥ずかしいコスプレ写真を載せました。
温泉での湯治なども、
メンタルな面での効果が大きいように感じます。
しかし、動物の場合、
実際に飼うと、
病気になったりしたときの心労が、
大きな逆効果になる可能性は多分にあります。又吉が一丁前に、
バカは引かないはずの風邪を引いて、
鼻がズビズビで、
息苦しそうなときは本当に心配しました。
餌にクスリを混ぜて飲ませたりと、
とても大変でした。
たしかにアニマルは
セラピーになりうるように思いますが、飼う苦労は他人にまかせて、
美味しいところだけを楽しむのが
一番であるように思います。超人気ブログなので、
ご存知のかたも多いと思いますが、
犬のチワワとトラ猫の写真ブログ、http://chiwatora.blog7.fc2.com/もとても癒されるのではないかと思います。
ガン患者さんが書かれている、
悲しいストーリーのブログを好んで読み漁り、
他人の不幸で蜜の味を楽しんでいる患者さんも
かつて見たことがありますが、
良い趣味ではないと思います。
ガン患者さんが書かれているブログは、
ほとんどの場合、
ご自身の治療の役には立ちません。
悲しくなるだけで、
けっしてセラピーにはならず、
逆効果になる可能性も十分にあります。あまりご覧にならないほうが賢明だと思います。ガンという病気は、
笑いに一番弱いように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「死なないガン」に対して、
「キムタク」とのハンドルネームで、
久しぶりに覗いたが
本日のブログのみだがあいかわらず上から目線と、
とうとう自分のパートナーのペットの悪口、
おっとたぶんすぐ削除されますが(笑)
というコメントをいただきました。
敢えて晒してありますので、
バカにして読んでみてください。
ペットというのはパートナーでしょうか。
家族の一員かも知れませんが、
パートナーというものでしょうか。
もし家族であれば、
それを褒め称えるバカが何処にいるのでしょうか。
愚息、愚妻は悪口でしょうか。
あの記事に対して、
コメントやメール、
あるいは直接イロイロな感想を聞きましたが、
自分のペットを
「バカ猫」ということで、
不愉快に思われている患者さんは、
いないように思います。
コメント主は、
一般常識も、
知性も教養もまったく無縁の人間のようです。
我が家のバカ猫よりも、
もっとおバカな、
真性バカ人間のようです。このコメントは、
1月26日の「ガンと向き合う!?」に対して、
「相変わらず」
というペンネームで、
欺瞞的
な内容でお疲れ様
というコメントを書いてきたのと、
同じ携帯から送信されていました。
おっとたぶんすぐ削除されますが(笑)
即座に削除されていることを知っているのは、
多くの場合投稿した本人だけです。
幾つかのコメントは投稿後十分から数十分で削除しています。
一回削除されただけであれば、
「おっと、すぐ削除される」とは思わないはずです。
「すぐに」削除されることを何回も経験した人間しか書けません。
イロイロな偽名を使い、
同じパソコンから投稿してきた、
一連の嫌がらせコメント以外は、
削除していませんから、
このコメントの投稿者は、
たくさんの名前を名乗り
しつこく投稿してきた
ゴキブリ人間と同一人物でしょう。
パソコンからは投稿できないようにしましたので、
携帯を使って執拗に嫌がらせをしてきているようです。
本物のストーカー、モンスターのようです。
そのゴキブリ氏は、
まだ公表はしませんが、
すでに誰であるかの特定はできています。
確証もあります。
ところで、
手抜き記事だった、
一昨日の「猫・ねこ・ネコ」は意外に好評でしたので、
調子に乗ってバカ猫パートナーズ?
第2弾をお見せします。
おそ松、チョロ松、又吉の順です。


以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の手抜き記事は、
意外と好評のようで安心しました。
ネコの写真は山ほどありますし、
綺麗な風景写真や、
不思議な光景などもたくさんありますので、
また何時か載せたいと思います。
居候の穀潰しもたまには役に立つようです。
ところで、
当然といえば当然なのですが、
ガンという病気に対する
患者さんの知識の少なさには驚かされます。ある年配の患者さんが、
膀胱ガンと診断されました。
その患者さん曰く、
「あと数ヶ月しか生きられないのですよね」そして、
身辺整理を開始されているそうです。
手術は内視鏡だけで終了。
入院も1週間だけでした。
内視鏡で肉眼的には、
完全切除がなされています。
残念ながら、
膀胱内に再発してくる確率は低くはありません。
しかし、定期的に観察していき、
再発したならば、
再度同じ手術をしていけば良いだけです。
まだ十分に生きていることは可能です。
その患者さんの年齢を考えると、
おそらく天寿を全うされることになると思います。
ガンで死ぬことはないと思われます。
私の父親も、
80歳で膀胱ガンが発見されて、
内視鏡手術を行い、
その後6年間も再発を観ませんでした。
また、別の患者さんでは、
切除不能の膵ガンが発見された状態で、
「これから転職して、
あと数年かけてやりたい仕事がある」と言われていました。
切除不能膵ガンの生存期間中央値は、
1年未満です。勿論、それは標準治療でのお粗末な数字ですが、
「何年も元気で仕事ができる」
という確率はけっして高くはありません。
希望的観測を持つことは悪いことではないと思います。
しかし、あまりにも現実離れした妄想を抱くのは、
如何なものでしょうか。
逆に、
「死ぬ死ぬ」と考えて、
長い時間生きているのは、
とても辛いことであるように思います。
ご自身の置かれた状態をシッカリ認識することは、
極めて重要なことだと考えます。標準治療での悲惨な数字を鵜呑みにする必要はありませんが、
現実問題として、
そのような数字が存在している、
ということ知ったうえで、
ご自身にとって最善の治療を探す必要があります。その数字に納得ができなければ、
別の治療を模索すればよいだけです。
別の治療では、
エビデンスは有りませんが、
大きな可能性は十分にあります。
標準治療のように、
十把一絡げにして、
ガチャガチャポンで、
出てくる数字はほぼ同じ、
という治療ではバカらしいと思います。
昨日のバカ猫三人衆ではありませんが、
すべての患者さん、
およびガンの病態は違います。個々の患者さんに合わせた治療を考えるべきです。一方、標準治療でも、
はじめから長生きできる可能性が高いガンでは、
その治療実績を理解して、
胸を張ってその治療を受けるべきです。
現実を知らないと、
ただ恐怖心だけに支配されてしまい、
正しい判断がつかなくなります。
正しい判断を下すためには、
知識をたくさん身に付けてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は雑用日だったのですが、
とても忙しくて、
ブログを書く時間はありませんでした。
昨日撮った我が家のバカ猫三人衆(3匹衆?)の写真がありますので、
癒されてください。
上にエアコンの吹き出し口があり暖かいために、
3匹が集まっています。
向かって左端が「又吉」、
野良猫の子でまだ目が見えないうちから、
我が家に来て、
ここまでデブに育ちました。
何故か地震予知能力があります。
バカそうな顔はしていますが、
ドアのノブに飛びついて、
戸を開けるという才能を持っています。
器用に後ろ足も使って、
内側にも外側にも開けることができます。
真ん中が「チョロ松」、
アメリカンショートヘアーと和猫のハーフ、
「似非ショー」とも呼んでいます。
愛嬌は一番ですが、
一番のおバカです。
右端が「おそ松」、
警戒心が異常に強く、
私の顔を見るとすぐに逃げる嫌なやつです。
比較的美猫ですが、
芸の無いバカ猫です。
猫3匹でもまったく性格が違います。
まして人間、
同じ人なんかいませよね。


以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日は予定通り飲み過ぎました。
昨日は2月13日でした。
まったくの偶然ですが4年前の、
2006年2月13日の「凶器のメス(2)」で書いた、
名人外科医と飲みました。
4年前にあの記事を書いた頃は、
私は拡大手術には懐疑的でした。
QOLは絶対に必要で
ガン治療では最重要条件だと考えていました。
勿論、その考えに大きな変わりません。
しかし、患者さんには可能な限り長く生きていて欲しい、
という気持ちが強くなってきました。
また、多くの患者さんも、
QOLも重要、
しかし長生きをしたい、
と考えていることも分かってきました。
この4年間、
たくさんの患者さんを診て、
そしてたくさんの悲しい別れを経験して、また、その当時には、
あまり有効に利用できなかった、
抗癌剤と手術以外の多くの武器の性能を知り、
それをある程度使いこなせるようになってくると、
考え方は少し変わってきました。多くのガンに対して、
拡大手術と現在標準的とされている手術では、
予後に差は無い、
という一応の結論が出され、
大きく標準をそれるような拡大手術は、
影を潜めるようになってきましたが、手術後に標準ではない治療を行えば、
拡大手術の先には根治も有り得ることを知りました。一方、標準的抗癌剤治療の先には
エビデンスどおりの標準的な終着点である、
「死」しかない。
という当たり前の現実もたくさん見てきました。治らないガンに対する、
標準的抗癌剤治療は一部のガン以外では、
行うべきではない、
という考えはまったく変わりませんが、
標準ではない抗癌剤治療と、
適応は無いとも思われる手術を組み合わせると、
治らないはずのガンに対する治療の可能性は、
大きく広がることが分かってきました。手術というガンに対する最大の武器を、
他の様々な武器と、
上手く組み合わせると、「余命○ヶ月」
と絶望的、そして無責任な宣告をされた患者さんでも、
標準的な治療だけではまったく考えられないほど、
長く楽しい人生を得ることができる可能性が、
大きくなります。
それを得ている患者さんを、
現在では何人も診ています。4年前は、
私は再発ガンに対する、
外科手術の限界を小さく見ていました。
勿論再発ガンに対して、
手術単独では大きな効果は期待できないと思います。しかし、ガン治療では、
幾つもの武器があります。
それらを組み合わせると、
可能性は大きく広がります。4年前に紹介した日本ではじめての手術は、
一生涯食事を摂れなくなるわけであり、
無謀だとも思っていました。
しかし現在、
まったく食事を摂ることができずに、
半年、1年と高カロリー点滴だけで
抗癌剤治療を続けている患者さんを見ると、
必ずしも無謀ではなく、
それが本当に必要な患者さんがいることも見えてきました。
再発 = 手術不能
ではありません。再発してしまった患者さんであっても、
手術のチャンスが何処かに隠れている可能性は十分にあります。やはりガンは、
考えられるすべての武器を総動員して、
戦わなければいけない
人類最強の相手です。ある公立病院で、
切除不能の診断で、
手術の途中で諦められてしまった患者さんを、
昨日会った名人に依頼したところ、
アッサリと根治手術をしてくれました。
その患者さんは、
すでに1年半も再発を見ていません。
手術はそれを行う外科医の技量が大きくものをいいます。
外科医の選択も患者さんの寿命を決めます。
手術はガン治療の第一歩です。
信頼できる外科医を見定めてください。
週刊誌や書籍の無責任な評価や、
医者の肩書きなどに惑わされるとトンデモない目に遭いますので、
ご用心を。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
副作用の無い抗癌剤は存在しません。特に標準的に大量の抗癌剤を使えば、
副作用は必発です。しかし、その程度は、
まったくそれを容認できないレベルにまで、
激しく現れる患者さんもたくさんいますが、
「大したことはない」と、
涼しい顔でいられる患者さんも稀にはいます。
また、使う量を極度に減らしていくと、
ほとんど何も感じない、
という患者さんもたくさん出てきます。
しかし、その量でも、
辛くて辛抱できない、
という患者さんもいます。
副作用も、
ガンの病態と同じで十人十色、千差万別です。もし治ることが考えられないガンであれば、
終生治療を続けなければなりません。
もし、その治療で日常生活に支障を来たすような
大きな副作用があったならば、
終生その患者さんは辛い思いをする。
したがってご本人が容認できないような副作用はあってはならない、
と考えています。
それが私のガン治療に対する基本的な考え方です。
しかし、抗癌剤治療で患者さんご自身が感じる副作用は、
医者には分かりません。患者さんが報告してくれなければ、
その実態を知ることはできません。
したがって患者さんには必ず、
辛くはないか否か聞きます。
本日来られた患者さんは、
「まったく何でもありません」と繰り返し言われていました。
使っている抗癌剤の量も、
標準量の5分の1程度ですし、
副作用は無いものだと思っていました。
ガンも上手くコントロールされています。
その患者さんは本日ご家族と同伴で来られました。
「辛くはないですね」「何ともありません」「それなら今日も同じでいきましょう」といつもどおりの会話でした。
ところが、
「お父さん、いつもうちに帰ってくると吐いて、
ご飯食べられないじゃない、
先生に嘘言っちゃダメでしょ!」との予期せぬご家族の言葉がありました。
そして、
「嘘じゃないよ、気持ちよくて吐いているんだよ!」との強がりもありました。
よく話を聞くと、
何時も午前中に来られ点滴をして帰る患者さんですが、
当日の晩と、
翌日の朝は吐いてしまって、
ほとんど食事が摂れなくなるようでした。
その後はすぐに復活して、
食べられなかった分を取り戻すこともできるようでした。
以前にも同様の「患者さんの嘘」を何回か経験しています。
その治療は中止して、
他の抗癌剤に変更することを提案したのですが、
ご本人がどうしても続けたい、
との意向でしたので、
本日は、吐き気止めを変更・増量して、
同じ抗癌剤メニューで点滴をしました。
「まったく副作用を感じない」
という患者さんも少なくはありません。
本当に何も感じていないとも思われます。
しかし、この患者さんのように、
医者には真実は分かりません。
治療を続けるか否かは、
すべて患者さんの価値観で決めることです。治療を組み立てる医者としては、
自分が処方した抗癌剤治療で、
患者さんが自宅で吐く、
というのは気持ちの良いものではなく、
その治療は続けたいとは思いません。
しかし患者さんがそれでも良い、
と言われればそれを続けます。
逆に、チョッと気持ちが悪い、
というだけで、
「あの治療はしたくない」
という患者さんもいます。
勿論、治療法は変更します。
治療効果が落ちたとしても、
それは変更するべきだと考えています。
抗癌剤治療での副作用、
これはある程度は仕方ありません。しかし、それを何処まで容認するかは、
すべて患者さんの価値観で決めてください。治療効果も見られずに、
明らかに全身状態の悪化を来たし、
寿命を縮めてしまう可能性が大きい、
と考えられるような治療を
漫然と続けさせられている患者さんもいます。
それは、ご自身の価値観など、
まったく無視、
あるいはそんなことを考える余裕が、
与えられないまま、
レールに乗せられて、
自動的に治療が進行しているようなときです。
そのようなときには、
ご本人だけではなく、
ご家族も冷静に考えて、
その治療の継続が得策か否か、
十分に考えてください。
本日はこれから飲み会です。
私が研修医だった頃、
恐らく日本ではじめて癌性腹膜炎に対して、
腹膜全摘手術を行った先輩外科医です。
歳はとってもまだまだ現役の凄腕外科医です。
久しぶりに外科の話でもしてきます。
多分明日は二日酔いです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は一般診療は、
かなりヒマだったのですが、
救急に処置が必要な患者さんが出てしまい、
今から、
町田から都内へ移動です。
ブログの時間は作れなくなりました。
休診にします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一昨日の朝通勤時、
車で野良猫を轢いてしまいました。
恐らく即死だったと思います。
25年ほど前に次いで2回目です。
ちなみに十数年前には、
人間もはねてしまったことがあります。
痴呆症のお年寄りが、
他の歩行者は赤信号で信号待ちしているところから、
一人だけ横断歩道に自転車で飛び出してきました。
そのときは、
ボンネットを越えて天井を転がり、
地面に叩きつけられてしまいました。
死んだかと思いましたが、
骨折だけで済みました。
信号待ちしていた人たちが、
警察に証言してくれたので、
私にはまったくお咎めはありませんでした。
話はそれましたが、
猫を轢いてしまい、
一日非常に重苦しい気持ちになりました。
数十年前に我が家で飼っていたのと同じような感じの猫でした。
しかし何故、あの猫は、
わざわざ私の車の直前に飛び出してきたのか、
餌を追うような素早い動きではなく、
かなりスローな動きで、
絶対に避けることは不可能なタイミングで、
クルマの直前に出てきました。
ブレーキでもハンドルでも事故を防ぐことは不可能でした。
寒かったから動きが鈍かったのか、
しかしそれなら何処かでジッと丸くなっていれば良かったのに・・・
まさか自殺を考えたのではないでしょうけれども、
死を望んでいるかのような行動でした。
一匹の猫の突然の死をみて、
人間は、何故生きているのか、
そして、何故死ぬのかを考えるました。そこには人間本人の意思など
まったく関与していないような気がします。
ただただ神様の気まぐれで、
生かされている、というような感じがします。
非常に重篤なガンを背負って、
一気にその病気が進んで、
死への時間は長くはない、
と思われた患者さんのガンが、
特別なことなど何もしていないのに、
突然その進行を止めてしまう。
勿論、代替療法や食事療法などとは無縁の患者さんです。
神様の悪戯としか思えない場面にしばしば遭遇します。昨日まで元気だった人間が、
朝冷たくなって発見された。
私の周りには、
そのような知り合いもたくさんいます。
ここ数年で何人が逝ったか分かりません。
また、まだ犯人が見つかっていない、
一家4人殺害事件の被害者の一人は、
私が高校生のとき、
3年間机を並べた同級生の友達です。
彼も突然この世から消えました。
あのときの報道では、
3人の家族が殺された後、
彼が最後に殺害されたようですが、
もし生き残ってしまったなら、
彼には、
本当に過酷な一生が待ち受けていたと思います。
予期せぬ突然の凶行で家族3人が死んだ後であれば、
彼は生きていないほうが幸せだったような気がします。
数日前にも書きましたが、
日航機墜落の御巣鷹山では
500人もの人間が何の予告もなく突然消えました。
65年前の広島では、
一瞬にして20万人の人が消えました。
嫌でも常に死と向き合わされる環境に置かれていると、
私なりの哲学じみたものは、
持っているつもりですが、
生きること、
そして死ぬこと、
とは何なのか、
本当に分からなくなります。
しかし一つだけ、
人間は神様のオモチャである、
というのは間違いないように感じます。私は日々神様の意思に反することをしていますから、
神様からみれば不快な存在かもしれません。
否、それも神様の手のひらの上でのアガキのようにも思います・・・・
哀れか、幸福か、
一匹の猫の突然の死を見て、
イロイロと考えさせられました。
きっとあの猫も、
神様に操られたように感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
一口に代替療法といっても、
ピンからキリまでイロイロあります。
標準治療以外をすべて代替療法と考えている医者もいるようですから、
私はそうだとは思っていませんが、
私が行っているような抗癌剤治療も
その部類に入れられてしまうのかも知れません。
様々な代替療法のなかで、
免疫細胞療法などは、
それを受けるタイミングを間違えなければ、
素晴らしい治療だと思いますし、
サプリメントなどで、
免疫活性を向上させる治療?も
「ダメもと」「当たればメッケもの」だと考えて行うなら、
お財布にはダメージはありますが、
悪いとは思いません。
経済的に十分な余裕があるなら良いと思っています。
ただし、食事療法などは、
何回も書いているとおり、
生きていることができる時間が
限られてしまっている人間に対して、食の楽しみを奪う可能性が高く、
その被害のほうが、
ほとんど無いと考えられる利益を
大きく上回っていると思われます。
試すべき代替療法ではありません。また、大学教授の肩書きだけで、
出鱈目な理論を展開して患者さんを煙に巻く、
イカサマ免疫治療も絶対に引っかかってはいけません。しかし、それらの受けるべきではない代替療法には、
根強い信者がいます。以前にも書いたように、
ガンと宣告されて、
アタマが真っ白で、
何も分からないときに、
簡単に洗脳されたかたがたです。洗脳されてしまうというのも
その人の運命のように思います。
しかし、それを知人あるいは配偶者などに押し付ける人間がいます。ご家族から、
新興宗教のような、
まったく無効な代替療法を押し付けられた患者さんを
現在数名診ています。その患者さんがたは、
根治の可能性も十分にあった患者さんですが、
ご家族の手でその夢を無残にも奪い取られてしまいました。ご家族ですから、
患者さんを虐めようと考えてのことではないはずです。
ご家族のことをあまりにも心配するが故に、
アタマ真っ白状態に陥り、
完全に洗脳されてしまい、
本当に無残な結果を残すことになってしまったのだと思います。
それ以外の患者さんでも、
まったく効果の無い、
食事療法を信じ込んでしまったご家族に制限されて、
食べたいものを食べさせてもらえない、
というお気の毒なかたは少なくありません。
残念ながらそれらの患者さんでは、
生きていることができる時間は限られてしまっています。
その貴重な時間に、
食の楽しみを奪われているのをみると、
本当に悲しくなります。悪徳業者と結託して、
それら似非治療があたかも効果があるかのように、
何も知らない患者さんを騙す。
勿論、一番悪いのは、
白衣を着た教祖、宣教師ですが、
悪い人間は何時の時代にも必ず存在します。それらの悪人に騙されるのは、
騙されるほうにも多少の責任はあるように思います。冷静に考えれば、
絶対におかしいと気付くオレオレ詐欺に、
いまだに騙される人もいます。
悪人の言葉が巧みなだけではないと思います。
被害者にすきがあることも原因の一つではないでしょうか。
個人個人の注意は絶対に必要です。
いくらアタマが真っ白といっても、
少しだけは常識を残しておいてください。ほんの僅かな常識だけ残っていれば、ほとんどの似非代替療法の嘘は、
簡単に見抜くことができます。日頃から、
慌てないように心がけてください。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
身体の中にガンが存在していて、
それに対して抗癌剤治療を行うとき、
当然のことながら、
その治療が有効なのか無効なのか、
可能な限り頻回に確認していかなければなりません。その指標になるのは、
概ね3種類あります。
一つはCTや超音波などの絵で見る検査、画像診断です。
もう一つは血液だけで分かる腫瘍マーカー、
あと一つは、
痛みや咳などの自覚症状を伴うガンでは、
その自覚症状の変化です。
ちなみに抗癌剤治療の効果判定では、
画像診断だけで行われます。
自覚症状がいくら悪化していても、
画像診断上ガンの縮小があれば「有効」と判定されます。
話はそれましたが、
ある患者さんが、
根治手術を行うために、
お腹を開けたところ、
腹膜播種の存在が肉眼で確認され、
手術は中止して、
そのまま傷を閉じました。
手術前にCTや超音波検査などで、
腹膜播種が確認されていたならば、
その手術が行われることはありませんでした。
その患者さんの場合、
今後は残された唯一の治療である、
抗癌剤治療に入るわけですが、
その治療経過を診ていくときに、
画像診断はまったく役に立ちません。
何も見えないのですから。
腫瘍マーカーは手術前に、
異常高値を示していました。
自覚症状はまったくありません。
その患者さんの場合、
抗癌剤治療の効果を確認できるのは、
唯一腫瘍マーカーだけということになります。
腹膜播種の場合、
そのようなケースはしばしば見かけます。しかし、その患者さんでは、
抗癌剤治療を開始する前の腫瘍マーカーは調べられていませんでした。
はっきり言って、
出鱈目な抗癌剤治療です。身体に入れられた、
毒薬である大量の抗癌剤が、
ガン細胞に対して効果を発揮しているのか、
あるいは毒薬の性質だけを剥き出しにしているのか、
逐一確認していかなければなりません。効果が無いと判断されたなら、その治療は即座に中止あるいは変更しなければなりません。その患者さんでは、
その指標があるのに、
無視されてしまっていました。
標準治療では、
大量の抗癌剤が使われます。効果が無い治療では、
無治療よりも、
寿命を縮めてしまいます。治療費を負担した上、
副作用に苦しめられて、
挙句には無治療よりも早く目を瞑ってしまう。
これほど馬鹿げたことはありません。あまり頻回に検査をすると、
その結果に惑わされて、
判断を誤る、
などとトボケタことを言う医者もいるようです。
病院の組織上の問題や、
健康保険保険の縛りからそれができないことに対する、
患者さんへの言い訳だと思いますが、
本当に結果に惑わされるとすれば、
余程経験の無い未熟な医者だと思われます。
ガンという得体の知れない生き物を相手に戦うときには、
敵の情報は、
可能な限りたくさんあるほうが、
絶対的に有利です。敵の状態を知らないまま
治療を開始するなどとは、
もってのほかですが、
治療が開始されてからも、
可能な限り頻回に検査を行って、
敵の動向を見ながら治療の舵取りをするべきです。
治療の開始前に、
まったく情報を集めない、
という状況はしばしば見ます。医者の忙しさ故のことも、
あるいは、
「ただレールに乗せるだけだから」
という捨て鉢な考えからのこともあると思います。
いずれにしても、
患者さんのほうから、
自分の治療は何を指標に行われるのかについて、
シッカリと確認してから、
治療に取り掛かってください。患者さんの命を守るのはご自身です。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
ある患者さんがセカンドオピニオンに来られました。
驚くほど何もご存じない患者さんでした。
何故、セカンドオピニオンに来られたのか不思議なくらいでした。
親思いのお子さんがいなければ、
けっして来ることはなかったと思います。
発症から現在までの経過をみると、
そのガンにしては、
異例の長生きをしていました。
生存時間中央値を1年以上も越えており、
さらに全身状態もけっして悪くありません。
関東圏外の遠方からお元気に来られました。
その患者さんに
最近の腫瘍マーカーの動きについて聞くと、
「シュシュ?何ですかそれ?」でした。私は倒れそうになりました。長い経過中、
一度も腫瘍マーカーについて聞いたことが無かったようです。
その存在もご存じなかったようです。
患者さんが病気に対して
あまりにも無頓着だからなのか、
主治医がかなりいいかげんだからなのか知りませんが、
腫瘍マーカーは、
治療開始前に1回測定しただけで、
その後何年にも及ぶ治療中は一度も見ていないようでした。
治療開始前に、
高値に出ていたそのガン特有のマーカーもあったのですが、
治療中は一度も測定していません。
画像上の変化にも、
患者さんご自身は、
ほとんど関心は無かったようです。
しかし、結果は、
標準治療にもかかわらず、
重篤な副作用も無く、
元気で今も生活されています。
そして、楽しい生活を送られている間に、
新しいクスリも認可され、
今後の治療にも期待が持てます。患者さんご自身は、
「治ることはない」
とはじめに主治医から言われ、
その事実だけは、
漠然とご理解されているようでしたが、
手術で切除することができないガンという病気の本態は、
ほとんど分かっていないようでした。
現在私が診ている患者さんの多くは、
腫瘍マーカーの動き、
画像上の変化に、
一喜一憂しながらの闘病生活を送られています。そして、ガンの動きに対して、
グラフなどを作ったりして、
「あのクスリが効くみたいだ」
「この間隔で点滴をするのがベストのようだ」などとご自身やご家族が、
いろいろな角度から検討されている患者さんも少なくありません。
その作業そのものも、
けっして辛いことではなく、
患者さんとしては、
楽しみながら行っているかたが多いようです。
しかし、
病気・治療に対して、
まったく無頓着で、その動向にいちいちこころを動かされることなく、
楽しい毎日を送るという生き方も、
羨ましいものがあるように思います。そこまで悟りを開ける患者さんは多くはないと思いますが、病気についてはまったく何にも考えずに、
神様から与えられた一日一日を楽しく過ごす、
という生き方も、
ガンに対する理想的な対処の仕方かも知れません。ガンはアタマで考えて良くなるものではありません。気まぐれなガンという生き物の動向しだい、
という側面もたくさんあります。
ガンという自分とは別の生き物は脇に置いておいて、
あまり考え過ぎないほうが楽しく生活できるように思います。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
入院している患者さんであれば、
病気に対する治療だけではなく、
その患者さんに関する、
食事から入浴、睡眠など、
すべての責任を病院が負うことになります。
しかし外来通院で治療を行っている患者さんでは、
ご自宅での生活までは、
医者は面倒見切れません。
若くて判断能力は十分にあり、
日常生活での食事や睡眠など、
すべての仕事を自分で処理できる患者さんであれば、
一人住まいの患者さんでも診ています。
しかし、ご高齢になり、
病気・治療に対する判断能力も低下し、お一人ではいろいろと不自由を感じる患者さんであれば、
ご家族のサポートは絶対に必要です。まして抗癌剤治療を行う必要のあるご高齢の患者さんでは、絶対的にご家族の監視だけでも必要になります。稀に、高齢の患者さんお一人で抗癌剤治療を受けたい、
というかたを見ますが、
それは不可能です。
抗癌剤はいくら量を減らして使っても、
毒薬には違いありません。
どのような副作用が発現するのか、
特にお年寄りの場合には、
予測が立たないことも少なくありません。
さらに、ガンという重大な病気を抱えていたのであれば、
それが何時暴れだすかも分かりません。お年寄りのガン治療は、
ご家族のサポートがあってはじめて成り立つものだと思っています。医者ができることは、
そのご家族に支えられて生きているお年寄りの寿命を
少しでも延ばすお手伝いをするだけです。
現在は住宅事情やその他の様々な事情から、
お年寄りだけの世帯が増えていますが、
介護保険などの公共サービスなども、
少しずつですが充実してきていますので、
それらを上手く利用して、
お年寄りを一人にしないで、
外来で抗癌剤治療ができる環境を作ってあげてください。私が診ているお年寄りの患者さんでは、
毎回必ず外来にご家族がついてこられるかたもいます。
判断能力のあるご家族が同伴されるのが理想ではありますが、
それぞれお仕事もあるでしょうから、
毎回は大変だと思います。
ご自身の生活の妨げにならない程度に、
ご家族を見守ってください。
現在のお年よりは、
80歳を過ぎても元気で、
治療により、
まだまだ長生きできる患者さんも少なくありません。
しかし、そのためには、
ご家族の協力は不可欠であり、
何回も書いているとおり、
ご家族の努力と患者さんの寿命は間違いなく比例します。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
乳ガンに対して、
ジェムザールが有効であることは、
随分前から分かっていたことであり、他のクスリが無くなってしまった乳ガン患者さんに対して
たくさん使っていました。
残念ながら日本では、
健康保険では認可されていなかったため、
自費での治療になってしまいました。
しかし、昨日付けで、
乳ガンに対してもジェムザールが、
日本の健康保険でも使えるようになりました。現在、ジェムザールは日本では、
肺ガン、膵ガン、胆管ガン、膀胱ガンに対して、
健康保険で認可されていますが、
使い方は、
対表面積1平方メートルあたり1000mgを、
週に1回3週続けて、
1週休みそれをエンドレスに続けるというものでした。
今回の乳ガンに対するジェムザールは、
対表面積1平方メートルあたり1250mgを、
週に1回2週続けて、
1週休むというものです。
ジェムザールは、
いままで相当数の乳ガン患者さんに対して使ってきましたが、
標準量で使ったことは一度もありません。
健康保険では通らかったため、
自費負担になってしまうので、
大量の標準量を使うことが憚られた、
ということもありますが、
今回設定された標準量の、
10分の1、5分の1という、
非常識な量でも効果は認められます。
健康保険で認められたといっても、
必ずしも標準量で使う必要はありません。すべての抗癌剤は、
標準量を減量して使うこと対しては、
健康保険のほうからは一切のクレームは来ません。
アタマの硬い先生では難しいかも知れませんが、
ご自身の身体に最適の量で使ってもらってください。
長生きしていれば、
いろいろなクスリに巡り合えます。そのクスリによりさらに延命できれば、
さらにその時間に、
新しいクスリが開発されてくる可能性もあります。
長生きできる治療を続けてください。土曜日の外来抗癌剤治療のニーズは非常に高く、
本日も戦争のような一日でした。
終わります。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の立春を迎えたと同時に、
日本中に寒波が襲ってきているようです。
風邪をひいている患者さんが増えています。
十分にご注意ください。
ところで、
「これでいいのだ!」とは、
ご存知、赤塚不二夫氏の
漫画「天才バカボン」の偉大な“パパ”の、
名せりふです。
内容ははっきりとは覚えていませんが、
昨日、車を運転中のラジオで、
公共団体のCMのなかで
この言葉が使われていました。
「上手いこと言うな」
と関心したことだけを覚えています。
ガン治療をしているとき、
それを執行する医者としては、
「これでいいのだ」と思ってはいけないのですが、
患者さんとしては、
「これでいいのだ!」と妥協しなければならない場面もしばしば見られます。
ガンの多少の悪化をみても、
大きな動きでなければ、
少々の悪化は、
クスリが効いていることも十分に考えられるわけであり、
もし副作用が無いのであれば、
「これでいいのだ!」と妥協も必要になることもあります。
ガンの縮小を願うとなると、
辛い副作用の発現も危惧されます。
何処かで妥協は必要です。
また、ガン治療では、
健康保険の枠を超えれば、
まだまだたくさん手が残っている、
という状況は珍しくありません。しかし、そこには経済的な問題が、
大きくのしかかってきます。昨日もチョッと書きましたが、
分子標的薬の値段には、
目を覆いたくなることもあります。
新しい抗癌剤も安くはありません。
1回あたり40万円前後かかる抗癌剤もあります。
「効くけどその値段じゃ・・・」というクスリはたくさんあります。
そして、ほとんどのガンでは、
それらの高価なクスリを使っても、
ガンが治ることはありません。
数ヶ月の延命効果を得るだけです。
そのために数百万円、
不幸にして?
上手く奏効して治療が長期間になれば数千万円・・・・
それを楽々負担できる患者さんもいますが、
ほとんどのかたでは不可能です。
そんな時、
それらのクスリを知らない、
というのが一番幸せかも知れませんが、現在、インターネットで検索すれば、
すぐに情報は入ってきます。
とても美味しそうな情報を見せつけられてしまいます。
「治療法はあるけど経済的に・・・」というときには、
現在の治療に対して、
「これでいいのだ!」という一種の開き直りも必要ではないでしょうか。
副作用は激しく、
あまりありがたくはない標準治療でも、
それしか行ってもらえないのであれば、
「これでいいのだ!」という呪文は、
副作用を軽減してくれるような気もします。
「それしかない」であれば、
「これでいいのだ!」とでも考えなければ、
やっていられません。
「これでいいのだ!」は患者さんのこころを随分と楽にしてくれる、
奥の深い言葉であるように思います。上手くこの呪文を唱えると、
幸福な闘病生活を送ることができるような気がします。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨年の11月、12月と書きましたが、
本日も月初め恒例のレセプトに追いまくられる一日でした。
時間がありません。
ブログは休診にします。
ところで、
そのレセプトを見ていて、
強く感じるのですが、
抗癌剤は高いですね。
特に分子標的薬は異常な値段です。
分子標的薬は減量して使う意味は無いので、
標準量で使っていますが、
一月の外来治療費だけで、
100万円近くになる患者さんもいることには驚かされます。
今後分子標的薬は次々に発売されてきます。
医療費はドウなってしまうのか、
少々心配になります。
また、朝青龍の引退には驚きました。
彼の天敵のオバサンが、
横綱審議委員を降りた直後というのは皮肉です。
当然のケジメだとは思いますが、
彼にとっては、
死ぬことよりも辛いのではないでしょうか・・・・以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
1月26日「ガンと向き合う!?」に対して、
一度引用したこともある一つのコメントをいただいて以来、
随分といろいろなことを考えさせられました。
一部、抜粋再掲します。
死と向き合う
・・・・・・・前文省略・・・・・・
ガン患者にとって「死と向き合う」ことこそが
大きな困難を伴う辛い作業ではないでしょうか。
人は必ず死ぬものであり、そんなことはわかりきったことですが、
それは通常の日常生活を送っている人にとって、「頭」で理解しているものです。
ガン患者になって、「頭」で理解していたことが、
感覚的に、肉体的に、全人格的に「死」が身近なものになってきたのを感じました。
これまで初めてというくらいの恐怖で、
考えるたびに心身の震えが止まりませんでした。
家族や友人や仕事関係の親しい人たちにとっても、私を「失う」ということは
非常に大きな衝撃のようでした。
家族や親しい友人は、自分以上に驚くほど取り乱して、ともに号泣してくれました。
・・・・・・省略・・・・・・
一般人のガン患者にとって、「死」は非日常で、その心の処理に苦悩します。
私も一時的にでしたが「死と向き合う」ことが一切できなくなり、
現実逃避に陥った時期がありました。
そのときは、どんな医師の話も受け入れることができません。
現実から耳を塞ぎたいのです。
けっして、医師のいうことを信じていないわけではないのです。
・・・・・・省略・・・・・・
死と向き合うことにより、後悔のないように、家族に何を残すべきか、
自分に何をするべきか、それを考え、
一日一日を実行する大切な時間がいただけました。
標準治療に突き進んでいたとき、全身状態の悪さに動くこともできず、
「このまま副作用死」という言葉が頭をよぎり、自分の死を受け入れる、
死と向き合う余裕はなく、ただただ、家族に何もできなかった、
自分に何もできなかったと後悔の日々を送っていました。
そして、「ガンは治る」という代替療法の言葉に奇跡を願いました。
ガン患者は、ガンが怖いのでなく、死が怖いのです。
「ガン = 死」と誤解していることも原因の一つですが、
「ガン患者さんは死を恐れている」ということは、
痛いほど分かっています。
だからこそ、「アタマの中が真っ白」
になるはずです。
「日常生活のなかで、
日本人ほど死を意識していない国民はいない」ということを聞いたことがあります。
神風特攻隊のように、
天皇陛下のために当たり前の死を強要された時代の反省なのか、
国民にわざと死を意識させないような配慮でもあったのでしょうか。
ともかく、
日頃、死を意識しないからこそ、
突然のガン宣告が下ると、
アタマの中が真っ白になってしまいます。すべての動物は死を恐れます。
そこから逃れようと努力します。
しかし、必ず誰にも平等に死は訪れます。
その生物界のなかで人間だけが、
自ら命を絶つという自由を与えられています。
日本では毎年30万人以上の人間が、
ガンで亡くなります。
しかし3万人以上の人間が、
自殺によりこの世を去ります。死は、現世を離れて、
未知の世界に旅立つという恐怖もありますが、
現世のすべての苦痛から逃れるという自由への旅立ちでもあります。
ヘッセの車輪の下ではありませんが、
死は「甘美な誘惑」でもあるように思います。私は、死は自由の世界への旅立ちなのか、
あるいは、まったくの「無」の世界、
眠り込んでいるときの自分だと考えています。現在、生きていることによる楽しみ、喜びもたくさんあります。
しかし、それと同じかそれ以上の苦悩、苦痛もあります。
差し引きゼロといったところです。
私の場合は、
そのような、
あまり幸福ではない人生だからこそか、
長生きをしたいとはまったく思いませんし、
どうしても生きていたいとも考えていません。
「死にたい」とは思いませんが、
ガバク図図しく生きていたいとはまったく考えていません。
今まで、
本当に疲れ果てて、
「明日の朝には冷たくなっているかな」などと考えながら眠りについたことも何回もあります。
若いときには、
「お前、働きすぎで死ぬぞ」と先輩から言われたことも何回もあります。
ホテルに泊まって生活しているときも、
「内鍵をかけたら明日の朝従業員が気がつかないと困るかな」
などと考えて、
合鍵だけで開けられるようにして眠ったこともあります。
私は患者さんという他人の生・死には、
執着しますが、
自分自身の死に対して、
かなり無頓着です。
死をたくさん見てきたから感じるのかも知れませんが、
人間の死とは、
何時でも起こりうる本当に身近な出来事です。
25年ほど前の
日航機墜落の御巣鷹山の現場に救助隊として行った時にも、
あまりにもおびただしい数の死体を目の前にして、
「お気の毒・可哀相に」
などという感情ではなく、「人間の命なんてあっけないもの」
という感覚がアタマを支配しました。誰でも分かりきっていることですが、
死はすべての人間に平等に訪れます。
恐れるのは、
動物の本能であり、
仕方がありませんが、
どんなものに対してでも、
恐れながら生きている、
という状態はけっして幸福なことではないはずです。
生意気ですが、
死ぬこと、
そして生きることとは、
如何なることなのか、
それを真剣に考えると、
死に対する恐怖はあまり大きくはならないように感じます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
胃ガンや肺ガン、乳ガンなどのように、
何処にでもあるガンでは、
標準治療という、
あまりありがたくはありませんが、
とりあえず確立された治療法があります。
しかし、発生頻度が低い、
珍しいガンでは、
確立された治療はありません。したがって、その治療はできない、
という馬鹿げた大学病院も存在するようです。
胃ガン、肺ガン、乳ガンなどは、
現在も何十人も診ています。しかし、一人として同じ病態の患者さんなど存在しません。
同じ治療をしている患者さんは一人もいません。何回も書いているとおり、
すべてのガンは違います。クスリの効き方も副作用も、
十人十色、千差万別です。分かっていることは、
抗癌剤Aを標準的に使った場合、
○○%の確率で効果が認められる、
生存期間中央値は○ヶ月である。
というエビデンスだけです。
100%というエビデンスは、
一つも出ていません。
唯一、ほぼ100%なのは、
一般的な標準治療では、
確実に死に至るという事実だけです。たった一人しかいない患者さんに対しては、
何にも分かっていません。効果が有るのか無いのかも、
実際に治療をしてみて、
はじめて分かることです。
そして、残念ながら目を瞑るその日が来て、
はじめてどれだけの時間生きることができたのか分かるのです。すべてのガン治療は、
まったく何も分からないまま始められます。エビデンス、統計確率など、
一人の患者さんにとっては大きな意味はありません。勿論、統計的に平均1年しか生きることができない治療よりは、
平均2年間生きることができる治療を選択するべきでしょうけれども、
その治療でも、
半年で亡くなる患者さんもいます。
逆に、1年の治療で10年元気で生きている患者さんもでます。
それがガン治療です。
珍しい種類のガンだ、
ただそれだけで、
治療ができないということはありません。
「普通のガン」と同じで、
やってみなければ分からない、
です。
ただし、発生頻度が低く、
患者さんの数が少ないガンでは、
健康保険で認められているクスリの種類が、
限られてしまっていることだけは事実ですから、
その点からは、
大きく治療の制限を受ける可能性はあります・・・・
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
「ガンです」と宣告された多くの患者さんでは、
「まさか自分が・・・」という言葉が一番先に頭に浮かび、そこから先は、
真っ白で何も考えられなくなります。そして、
根治の可能性も十分にある患者さんであっても、真っ白なアタマの中は、
「真っ暗な死」に対する恐怖だけが
支配されることになります。そのときには当然、
ガン・治療に対する正しい知識など、
まったくありません。
1月26日の「ガンと向き合う!?」に対して、
一般人のガン患者にとって、「死」は非日常で、その心の処理に苦悩します。
私も一時的にでしたが「死と向き合う」ことが一切できなくなり、
現実逃避に陥った時期がありました。
ガン患者は、ガンが怖いのでなく、死が怖いのです。
というコメントをいただきましたが、
「ガンです」と宣告されただけではなく、
「余命○○ヶ月です」
などとのダメ押しの宣告が出たときには、多くの患者さんご家族では
何も考えられなくなってしまうのではないでしょうか。インターネットや書籍から情報を得ようとして、
パソコンのキーボードに向ったり、
本屋さんに走ったりする、
ただそれだけの行動をとるだけでも、
宣告を受けた直後ではできないのではないでしょうか。
同じコメントのなかに、
「ガンは治る」という代替療法の言葉に奇跡を願いました。
という一文もありましたが、
まったく知識が無く、
恐怖心だけが先走っているときには、新聞などでよく広告が出されている、
本当に死に誘導するような、
まったく効果の無い、
似非治療、代替療法が、
救世主のように見えてしまいます。そして白衣を着た悪魔の使者たちは、
このときとばかりに、
真っ白なアタマを、
必死に洗脳しようとします。そして多くの患者さんが、
見事に洗脳されて、
似非治療の信者になります。
知識が無く、
恐怖心だけが先にたっているのですから、
完璧な洗脳が簡単に終了します。一見偉そうな肩書きのある人間が、
何も知らない素人を騙すのは、
本当に簡単なことです。「肩書き」が出鱈目な理屈を喋ればよいだけです。
それは患者さんにとっては、
ありがたい救世主の唱える、
「ガンが治る科学的な理論」になってしまいます。しかし、フト考えてみると、
騙されて信じ込んで、
そのまま亡くなっていく、
それも、悪くはないような気もします。
恐怖に慄きながら生きている、
あるいは、
治る可能性などまったく追求することなく、
ただただ激しい副作用に耐え忍んで生きているだけの、
人生であるなら、
似非治療に騙されて信者になって、
それを盲信して、
恐怖から逃れるというのも、
一つの方法なのかも知れません。しかし、治らないといわれた多くのガンでも、
大きな延命の可能性も、
あるいは、場合により根治の可能性も出てくることもあります。似非治療の信者になってしまったら、
そのようなチャンスはすべて失い、
恐怖心は薄らぐのかも知れませんが、
確実に、まっしぐらに死に向かいます。
根治の可能性の高い患者さんでも、
その大切な機会を逃してしまいます。セカンドオピニオンに来られた患者さんで、
ご自身の病気・病態、
その対処方法を、
極めて綿密に考えているかたでも、
似非治療の講演会に行かれたときには、
「私も絶対に玄米菜食にしなければいけない、
という気持ちにさせられた」と言われていました。
その患者さんは、
他の患者さんと比べて、
知識も遥かに豊富にお持ちで、
ご自身の病気を客観的に見つめて、
経済的な問題も冷静に考えて、
将来を見据えて治療計画を立てておられるかたです。
そのような患者さんでも、
知識が乏しいときには、似非治療の、
講演会と称した、
「有料の勧誘集会」などに行ってしまうと、
簡単に洗脳されてしまいます。お金を払わせるというのも、
彼らの騙しの手法の一つです。無料よりも遥かに有難みが沸いてきます。冷静に考えてください、
食事療法はじめ、
免疫療法などの治療?は、
人類の英知の結集ともいえる
真っ当な抗癌剤などが開発される遥か以前から、
ガン治療として、
実行されていました。
しかし、抗癌剤はじめガン治療技術の進歩によって、
それは不要になってきたものです。
何故、英知の結晶である有効な武器を放棄して、
かつての人間が連敗を続けてきた治療?に
逆戻りしようとするのでしょうか。愚かの一言です。勿論、何もしないよりは、
ごく僅かな効果はあるのかも知れません。しかし、現在のガン治療の前には、
「無効」との敗北宣言を出して、
撤退していった大昔の治療です。そんな似非治療に、
再び迷い込むのは、本当に愚かなことです。真っ白なアタマは、
少し時間が経つと、
血が流れて、
暖かくなり、
正常に働くようになります。
その時まで、
静かにお待ちください。
白地に一度染み込んでしまった色はなかなか抜けません。「標準治療が最高の治療」だと、
染み込まされても、
それは、激しい副作用により、
一気に消えていくことは珍しくありませんが、
効果が無い代わりに、
大きな副作用も無い似非治療、代替療法では、
なかなかそのシミは消えません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。