昨日の「ガン告知」に対して、
一見、当然とも思われるコメントをいただきました。
再掲します。
知る権利、知らない権利
先生のおっしゃること、とてもよくわかります。
私は現在寛かい中です。
こちらで良く出てくる病院で告知を受けましたが、
「病名と治療法は聞くけれども、
私にとって気持ちが落ちることは一切聞きたくない、
付き添いの家族に言ってくれればよいですから」と、お願いしました。
しかし、看護婦さんは「どうして聞かないの?
自分のことですからちゃんと聞きましょう。
一緒にきいてあげるから。ね。」と私を説得し続けました。
自分のことだからと言って、
どうして聞きたくないことを聞かなくてはいけないのか、
納得いきませんでした。
私は受け入れるのに時間がまだ必要だっただけなのです。
その時感じたのは、
「聞くか、聞かないかは自己責任の問題であり、
そこから先は聞きたくないという選択肢もあって良いのではないか」
ということでした。言えませんでしたが・・。
病気と闘うために知る必要のあること、
知らなくても良いことがあると思います。
病院の先生は慣れてしまっているのでしょうか。
この点についてはこのブログでも、
何回か書いてきました。
患者さんが知らないでいる権利、
逆に事実を知って治療を選択する権利があること、
同時に真実を知ってご自身で方針を決める義務、
さらに医者の「騙しの告知」などについても書いてきました。
「病名と治療法は聞くけれども、
私にとって気持ちが落ちることは一切聞きたくない、
付き添いの家族に言ってくれればよいですから」
病名と治療法だけを聞いて如何するのでしょうか、
それだけで何を考えるのでしょうか。
ご自身でインターネットなどで調べるのでしょうか。
価値観の分からない「気持ちが落ちること」を、
医者は如何に判断するのでしょうか。
医者の説明はどの程度に留めればよいのでしょうか。
病名と治療方法だけしか知らないと、
根治の可能性もあったり、
治らないガンでエビデンスでは平均24ヶ月あるところを、
「きっと自分は半年も生きることはできない」
と大きな勘違いをして、
とても落ち込んでしまう患者さんもいます。投稿者のように完全寛解が得られるような種類のガンでは、
①「抗癌剤Aを○○mg、Bを△△mg、
これを3週間隔で点滴していきます。
それを6回繰り返します」と聞くだけでご満足でしょうか。
あるいはさらに、
②「その治療では、これこれこのような副作用があります。
副作用による死亡確率は○%です。」
まで聞くのでしょうか。そして、
③「完全寛解確率は○○%です」までで留めるのでしょうか。
さらに一歩進めて、
④「一時的に完全寛解に至っても、
エビデンスでは○年△ヶ月以内に
半分の患者さんは再発してきます。」この程度まで現実を説明するのでしょうか。
さらに最終的に、
⑤「完全寛解に至らなかった患者さんでは治ることはありません。
また、寛解後○年△ヶ月を過ぎても、
その後ほとんどの患者さんは再発してきて、
そのときには根治することはありません、
必ず、ガンで命を落とすことになります」⑥そこにエビデンスとしての正確な数字を提示すれば、
ほぼ完全な告知になります。
⑦ある種の「ガン」では、
統計確率上、寛解率は非常に高いですが、
再発確率は100%で、
その後根治はありません。
確実に亡くなります。
そこまで聞けばほぼ完全な説明になります。多くの病院では、
知る権利といっても、
患者さんのほうから積極的に医者に聞かなければ、
患者さんに対しては、
①から③または④程度までで、
⑤以上の真実の説明はなされていないのが事実のように感じます。
病名と①の治療法だけを聞いて、
副作用必発のその標準的な治療を受けてみて、
不安が発生してこない患者さんはいないと思います。「これだけ辛い思いをして、
この先ドウなるのだろう。治るのだろうか?」
と疑問を持たない患者さんなど存在するのでしょうか。③まで聞いていれば、
その○○%だけを信じて、
④から⑥⑦まであることは知らないで、
安心して⑥⑦に至ることができます。また、「家族にだけ言えばよい」
といわれるそのご家族は、
何回もの通院治療が必要になる、
あるいは標準治療などでは、
入院も必要になりますが、
患者さんが医者や看護師と接触するとき、
片時も患者さんから離れない環境にいられるのでしょうか。
治らないガンに対する、
死に至ることが前提の標準治療では、
「治らないこと」「余命がエビデンスでは○ヶ月」であるという事実を、
ご家族だけに説明しているときには、患者さんが単身で来院されたり、
ご家族が居ないときに病室に医者が来たときなど、
そのときには患者さんにウソを言って、
その日の治療を行うことになります。患者さんがそれを望むのであれば、
医者はそうすると思います。
それはある意味ラクです。私は日常生活を制限するような、
あるいは容認できないような副作用は
患者さんが感じないような治療を行っているつもりであり、
また、ご家族が毎回必ず、
診察室にまで付いてこられる患者さんも少なくなく、
そのような患者さんでは、
ご家族が希望すれば、
病名、治療に使っているクスリの種類すら知らないという、
患者さん少なからず診ています。副作用も軽くはない標準治療でも、
長い無病・無治療期間が得られる可能性が高いから治療であれば、
④⑤⑥⑦はご家族だけに説明して、相談の上、
それをお勧めすることもあります。
毎回欠かさず付き添って来られた
医者であったご家族にだけすべてを説明して、
何も知りたくないという患者さんは、
ただただ治ると信じて旅立たれたかたもいます。
死を恐れていた患者さんであり、
幸せな最期だったと思います。治らないガンの場合、
患者さんご自身に対しては、
③は「治ることはありません、抗癌剤治療で長生きしましょう」程度の説明に留める病院・医者も、
多いように思いますが、
多大な副作用を伴う標準治療では、
その治療を受けるか否かは、
患者さんご自身が、
価値観・人生観・死生観を加味して、
すべてを決定するべきだと考えますので、
正確なエビデンスを添えて、
④を「平均○○ヶ月の余命です」に変えて、正確な説明をするべきだと思います。
ただし余命は神のみぞ知る世界であり、
白衣を着た似非神様の
「もって○○ヶ月」などという無責任極まりない余命宣告は、
ご本人には絶対にするべきではないと考えています。
ただ、患者さんやご家族が、
患者さんがそこまで知りたくないことを希望すれば、
聞かない権利も遂行できることは当然です。すべての告知が必ずしも正しいことだとは思いませんし、
サバを読んだ数字で、
出鱈目な予後の告知など、
絶対にするべきではないと考えます。
それは、患者さんの知る権利を踏みにじる行為であり、場合によっては、
その患者さんの人生そのものを変えてしまいます。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
現在の日本では、
「ガン」という病名の告知、
さらには、
神様以外、誰も知りえないはずの、
余命までの告知まで普通に行われています。余ほどのご高齢などの特殊な場合を除き、
ほとんどすべてが、
患者さんご自身に伝えられます。この現状は、ここ10数年ほど前からのことです。
余命宣告にいたっては、
ほんの数年前からではないでしょうか。私は、1987年(昭和62年)に
シカゴのノースウェスタン大学というところに、
ポスドク研究者として留学しました。
その前は日本の大学病院や、
大学からの派遣病院の臨床医として働いていました。
当然、ガンの患者さんもたくさん診ていました。
しかし、ガンという病名の告知は日本では御法度でした。
まして「余命の宣告」、
「治らない事実の告知」など考えられませんでした。ところが驚いたことに、
アメリカでは、
まったく普通に今の日本のように、
否、今の日本では、
かなりサバを読んでの宣告・告知が行われますが、
まったくの真実を詳しく文書で説明していました。
昭和天皇の崩御は、
シカゴで知りましたが、
その前にアメリカのメディアでは、
「日本の天皇は膵ガンを患っている」
ということは流していました。
昭和天皇崩御のあとの平成の日本の臨床医に復帰したときにも、
昭和62年に出国したときと状況はまったく変わりませんでした。ガン病名の告知、
ましてや余命宣告など有り得ませんでした。その後徐々に世の中の考え方が変わってきて、
ガンという病名はなんとなく告知されるようになってきました。
ガンであることが確定していても、
「ガンではない」の一点張りから
「ガンかも知れない」へ、
進行ガンの場合「早期ガンです」へ、
そしてさらに進化して?
進行ガンであれば「進行ガンです」へと、
そして現在、
さらに進んで?
余命宣告なる、
余計な、
神様しか知りえない数字まで、
無責任な医者の口から発せられるように変わりました。何故、そのように変化してきたのか、
理由は幾つかあると思います。
インターネットなどの情報伝達手段の普及もその一つだと思われます。しかし、患者さんの知る権利を守る、
という思想のほうが遥かに大きいように感じます。「治らない事実」
「長くは生きていることができない現実」を知ることが、
必ずしも正しい、
患者さんにとってありがたいことだとは思えません。間も無く、
死を恐れている患者さんで
自分の一生が終わるということを、
まったく意識しないで、
旅立たれたかたを、
何人も診たきました。
そのような患者さんでは、
真実は知らないでよかったように感じています。しかし、ご自分の置かれた厳しい状況を、
十分に理解して、その上で、
残された時間を有意義に生活を送る、
余命の設計をご自分でなさるという、
患者さんの知る権利もあるようにも思います。ガンを患っているという事実を知ることは、
恐怖を与えられるだけではなく、
それに対する対策を考える上でも、
是非、知っておくべきだと考えます。
知る権利だと思います。20年前の日本のガン患者さんには、
日本人の死生観、国民感情に左右されるところが、
大きかったのだとは思いますが、
アメリカ人には認められていたその権利が、
与えられていなかったことは事実です。
知る権利、
そしてそれに対して行動を起こす権利が、
与えられていないのは、
現在の近くて遠い我侭ガキ大将大国と同じように感じます。自国民がノーベル賞を受賞したことまで、
ひた隠しにされて、テレビもインターネットも遮断され、
十分に反日教育の行き届いた年齢層の国民に、
ガス抜きのための反日デモ、
というオモチャだけしか与えらない、
哀れな大国と同等であったように感じます。しかし、現在の日本でも、
尖閣諸島の件のビデオ映像を、
自国の領土で何が起きているのか
当然知る権利のある国民に対して、
それを開示しないどころか、
国民から選ばれた国会議員にまでも、
一部だけしか見せない、
という現在の日本という国は、情報統制を布き、
国民に自由は与えず、
尖閣諸島の領有権を主張する、
共産党独裁国家とまったく
同等であるように感じます。人間は相手に対して無闇に遠慮をしてしまうと、
相手と同じレベルにまで、
落ちぶれてしまいます。
かつて赤い旗を振っていた闘士を
「菅亡長官」に据えた内閣は、
日本も一党独裁国家にするつもりでしょうか。
それを選ぶ権利だけは、
今のところまだ確保されていることだけは救いですが。話はそれましたが、
ガンという相手は、
人間にとって間違いなく凶悪な「敵」です。真実を知って、
その敵の情報を可能な限りたくさん仕入れて、敵の弱点を探して戦えば、
人間は簡単には負けません。逆に日本の政府のように、
相手にこちらの弱みだけを晒して、ただただ怯るだけで、
みんなと一緒の標準治療だけという、
100%死に至る治療を選択する道しかなければ、
残りの人生を苦しいものにするだけです。標準治療の途中で、
副作用の「院内管仙」で、
死に至るかも知れません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日、ガンおよびその治療に関して、
大きな誤解をしていると思われる患者さんからのメールをいただきました。
メールの文面から判断すると、
卵巣ガンに対して手術前に標準的抗癌剤治療を受けて、
極めて有効に効いていると考えられ、
検査でそれを再度確認して、
間も無くの手術を待っている状態での患者さんです。
一部再掲します。
一昨日、お寿司屋さんの△△さんからお話を聞いたところ、
梅澤先生の病院は、抗がん剤の治療をしながら仕事も出来、
副作用が殆どないと話してくださいました。
私は、ちいさな○○店をやっておりまして、
今は、私の体調と、お客様のお時間の都合が合う時だけ仕事をしている状態で、
△△さんの様に、治療をしながら日常生活を送れたら、
どんなにいいかなと思いまして、ご相談させて頂きました。
梅澤先生のブログを読ませて頂いて、
手術が終わったあとも抗がん剤の治療を今のまま続けて行ったら、
どんどん動けなくなって行く事を知りました。
私にとって、どの様な治療が必要なのか、
どうしたらいいのか、
梅澤先生に診察をお願いしたいと思いまして、
△△さんに先生を紹介してくださいとお願いしました。
勿論、はじめてガンを経験された、
一般的な患者さんのようですが、
大きな誤解をされているようです。
その一つは、
「ガンは一つではない」
「すべてのガンはみな別物」
「したがって治療もすべて違う」ということです。
現在、約20種類ほどのガンを診ています。
その一つ一つのガンで、
性格も治療方法も大きく違います。同じ種類のガンでも、
ガンの性格はまったく違っています。
したがって同一の治療になる患者さんはいません。多くの患者さんは、
はじめて「ガン」という病名を聞いて、
恐れおののいて、
「死」の一文字だけが、
または「辛い治療」への恐怖が、
あるいは「経済的な心配」などが、
アタマの中を独占することだと思います。標準的抗癌剤治療では、
その危惧も的を外してはいません。しかし、別の道を考えれば、
必ずしもそうではありません。
私は、治ること(モドキも含め)が期待できない
多くの種類のガンに対して、
終生続けることができるような治療を行っているつもりです。
勿論、何処かに根治への道が隠されていないかは常に考えていますが。
もし、治らないのであれば、
治療は終生続けなければなりません。もし、その治療が辛く厳しいものであったならば、
また経済的に継続不可能であったならば、
その患者さんは、
治らないガンを宿したというだけで、
生涯つらい人生で終わってしまいます。したがって、
最大耐用量という最大限度の量の抗癌剤を使った、
標準治療はほとんど行いません。副作用は皆無である無治療と比較して、
辛い副作用を伴う標準治療での延命期間は、
あまりにもお粗末なエビデンスしか出ていませんので。標準的抗癌剤治療では、
梅澤先生のブログを読ませて頂いて、
手術が終わったあとも抗がん剤の治療を今のまま続けて行ったら、
どんどん動けなくなって行く事を知りました。
このような露骨な書き方をしたか否かは、
記憶にありません。
無いような気がします。
しかし、それに近い状態で、
人生の幕を閉じる患者さんは、
無数に発生していることだと思います。膵ガンなどでは、
毎年の罹患者数と死亡者数がほぼ同じ数字です。
これは膵ガンが治る患者さんは、
「ほとんどいない」ということを意味しています。
そこに、辛い治療を受けていたら、
辛く短い人生だけで終わるということです。
ガンという病気は、
日本では毎日1000人近くの患者さんの命を奪い去りますが、
そのうち500人以上は、
直接のガンによる死ではなく、
抗癌剤により死期を早められたか、
餓死した患者さんだと思われます。多くのガンでは、
辛い治療は、
無駄である場合が多いように感じています。しかし初発の卵巣ガンでは違います。
手術と標準的抗癌剤治療により、
半数以上の患者さんで、
ガンの存在が、
身体の中に証明されないという無病期間が、
1年以上得られます。
勿論、その間は無治療で生活をすることができます。さらに、稀ですが、
そのまま無病で天寿を全うするという、
ラッキーな患者さんが存在することも事実です。このような、
ほとんどの他のガンには無い、
すばらしいご褒美が、
卵巣ガンではありますので、
標準治療 → 手術 → 標準治療、
または、手術 → 標準治療、
は、是非受けるべきだと考えます。しかし、残念ながら、
多くの卵巣ガンの患者さんはその後再発をしてきます。
そのときには、
治るという夢は完全に消滅します。
それがエビデンスです。今度は短いながら、
標準治療でも、
再び無病・無治療期間が得られる可能性はありますが、その長さと、
標準的抗癌剤治療の辛さを、
ご自身の価値観という天秤で、
シッカリ判断しなければなりません。標準治療での副作用と延命効果を見比べて、
辛い副作用の割りに延命効果が短いと考えた患者さんだけを診ています。
ガンという病気では、
その治療を考えるとき、
その「種類」と「病期」は極めて重要です。メールにあったお寿司屋さんは、
現在、副作用を最小限度に抑えた抗癌剤治療を行っている患者さんです。
再発ガンを患うかたで、
ガン治療も私のことも、
まったく知りませんでしたが、
大塚北口診療所の院長先生の懇意のお寿司屋のご主人で、
院長から依頼されて治療を行っています。
ご本人は、
あまり病識があるかたではありませんが、
十分に根治(モドキかも知れませんが)も有り得ると考え、
それを目指して治療を続けています。
早ければ年内、
遅くても春くらいまでには、
根治治療を目論んでいます。
ガンもイロイロ、
治療もイロイロです。ご自身に最適なガン治療を探してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
10月25日の「外科医のための手術」で、
某有名がんセンターでは、
内科、外科、放射線科などで、
緊密な連携をとって、
一人の患者さんの治療にあたっているというような、
理想的なことを謳っていても、
それは現実ではない、ということを書きました。
ちなみに、
その日の記事でご紹介した患者さんの写真を、
当院の放射線科医に読影してもらったところ、
やはり、肺内転移がある可能性が極めて高く、
さらに原発病巣そのものも、
気管支を侵食している可能性が高く、
あるいは気管支のすぐ脇のリンパ節と一体化していることも、
十分に考えられ、
すなわち、
どの方向から見ても、
手術不能のステージⅢ以上と考えられ、
「これで胸開手術ですか!?」
と絶句していました。緊密な連携など、
某がんセンターでは、
エビデンス、EBMと謳っているのと同様に、
まったくの絵空事であり、
患者さんの立場ではなく、
自分たちの都合だけで、
すべての治療?が決められているようです。ところで、
最近国会中継をテレビなどでよく見るのですが、
「官僚脱却、政治主導」などと、
一見立派な旗だけは揚げていますが、今の日本の政治家に、
国の運営を任せられるような技量があるのでしょうか。「スッカラカン」や「空き缶」などと、
揶揄される人間や、
学生運動の闘士として活躍した、
極左の柳腰の爺さんなどには、
お国の舵取りを任せることなど、
私にはとても怖くて考えられません。
日本列島が、
近くて極めて遠くい、
自由の無い国に、
連れて行かれそうに感じます。
また、
「一番でなければいけないのか」
との大失言に対する、
激しい非難も、
ニワトリのように3歩歩けばすべて忘れるアタマしかないのか、
チャラチャラと国会議事堂内で、
百万円を超えるという服を着て
ファッションショーをしているような人間が、
日本の庶民感情や
大切な予算を如何に理解できるのでしょうか。
さらには
「辞めるの止~めた」と、
まったく節操が感じられない、
元総理大臣なども居すわったりしていて、
とても賢いとはいえない政治家の主導の
国の舵取りなど不可能であり、
賢い官僚に上手く働いてもらわなければ、
この国は何処に行ってしまうか、
想像もつきません。
話は大きくそれましたが、
ガン治療という、
一人の患者さんにとっては、
極めて重要な大仕事は、可能な限り、
多数の医者で行うべきだと考えています。私は現在、
放射線科領域では、
読影の専門医や、
放射線治療の専門医などに、
また、手術治療を考えたいときには、
名人に気楽に相談できる環境にはありますが、
「一番」長生きできて、
患者さんにとって、
「一番」ラクな治療は目指してはいますが、
基本的に一人で治療メニューを考えています。何とか、グループ診療という、
理想的な状態にしたいのですが、現行の健康保険医療制度では、
そんなことをしたら、
たちどころに赤字になってしまいます。
その前に医者が足りません。やはり、
日本では、
政治だけではなく、
医療もお寒いようです。それを選択する自由は、
国民に与えられているだけ、
近くて遠い国よりはマシですが。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
数日前に記者会見のニュースで、
実刑有罪判決が確定して、
収監されることが決まっている、
元?国会議員が、
「自分は食道ガンを患っている」
と公表していました。収監を一時逃れることができるが故か、
とても嬉しそうに見えました。食道ガンと診断されて、
喜んでいる人ははじめて見ました。もし早期の食道ガンであれば、
内視鏡だけでの根治手術も可能になります。
その場合、
食道ガンを喜ぶ御仁にとっては、
不幸にして?
数日で退院できます。
すなわち、間も無く塀の中に閉じ込められます。その彼には、
つい最近胃ガンの診断があったように記憶しています。
胃ガンの診断のためには、
必然的に食道も確認することになりますので、
進行食道ガンではないように推測されます。もし、本当に不幸にして、
早期の食道ガンではない場合、
収監されて檻の中で生活するよりも、
はるかに過酷な生活が待っています。標準的な手術と放射線、
そして多くの場合その後には、
とても厳しく辛い抗癌剤治療が待っているはずです。早期ガンであれば、
治療の名目で、
数日の間、
収監を逃れることができるだけで、
彼にとっては、
大きなメリットは無いように思います。
しかし、進行食道ガンであった場合には、
私の価値観から考えると、
数ヶ月で終わる手術と放射線治療の後、
再発予防効果はまったく不明な抗癌剤治療など受けることなく、
速やかに収監されて、
塀の中の生活を楽しまれたほうが無難です。そのほうが、
はるかにラクで高いQOLが得られると思います。
檻の中に閉じ込められているだけならば、
地獄のような副作用に悩まされることはありませんから、
よほど快適な生活ができるのではないかと想像されます。もし、かの御仁が、
まだ生に対して未練があるとしても、
収監を逃れるための、
時間稼ぎの抗癌剤治療などは受けないほうが無難です。
彼は面子にかけて、
収監は避けたいと考えているのでしょうが、
手術が可能な進行食道ガンであれば、
手術と放射線治療くらいで止めて、
効果のまったく不明な、
副作用の大きな再発予防の抗癌剤治療などを受けるよりも、
潔く、
刑務所入りするほうが、
ご自身のためです。最悪手術不能の食道ガンであれば、
氏のご希望どおりに、
終生収監されることなく、
来年のうちにはすべてけじめがつくと思います。
しかし今後は、
監獄生活よりも、
遥かにつらい生涯で終わると予想されます。
私は幸い、
まだ檻の中に入れられたことはないので、
そこでの生活は知りませんが、
激しい抗癌剤治療よりも過酷な生活など、
想像できません。
抗癌剤治療の副作用で命を落とす患者さんもいます。勿論、副作用が軽いという、
稀有な患者さんが存在することは事実ですが、効果があっても、
手術不能の食道ガンが治って、
収監されることは起こりえません。
ご本人はそれを願って、
笑顔の記者会見だったのかも知れません。健康な人間だけしか収監されないというのも、
ヘンテコな話であるように感じます。死刑囚にガンが見つかったら如何するのでしょうか。
国費で治療を行うのでしょうか。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は、
とても有名になった埼玉県の女子大生に対する、
ストーカー殺人事件での、
被害者の命日だそうです。
殺人にまで発展したのは、
「刑事告訴」を「被害届」に改竄までしていた、
埼玉の警察署の怠慢が大きな原因のようで、
数名の警察官が懲戒免職になったようですが、
その後、警察が被害者のご家族から訴えられたそうです。
本日のそのニュースでも、
警察を訴えたご家族は、
「裁判で真実を明らかにしたかった」
「警察の実態を明らかにできなかった」
「何も事実を明らかにすることができず残念」という、決まり文句を言っていました。
「割り箸事故」や「福島県の妊婦死亡事故」
「妊婦たらいまわし事故」のような、
トンでも医療裁判でも、
原告たちは口を揃えて、
「裁判で事実を、真実を」と訴えています。
いずれの「事故」でも、
医者は被害者であり、
医者にまったく落ち度など無かったことが証明されましたが、
百万が一、
医者に落ち度があったとしても、自分を有罪に追い込もうと目論む人間たちに、
誰が本当のことを話すのでしょうか。
すべてを知っている、
被告にされてしまった医者が、
自分に不利な真実など話すわけがありません。被告人に不利な証拠など、
原告がシッカリ掴んでいなければ、
被告とされた人間のほうから、
それを提示することなど有り得ないはずです。もし不利な証拠を突きつけられても、
適当な言い訳を作って、
言い逃れようとするのが裁判です。何でも医者に責任を転嫁したがる、
トンでも原告たちが、
裁判を起こした、
本当の目的は、
ただ医者に責任を転嫁したかっただけなのか、
割り箸事故のように、
自分の責任を、
運が悪かった「医者という他人」に押し付けて、
自分の罪の意識を軽くしたかったのか、
はたまた、
純粋に慰謝料というお金目当ての行動なのか、
まったく分かりませんが、判決前後での決まり文句である、
「裁判で事実を解明」
という掛け声を、
満足して成就した原告などいないと思います。多くの医療裁判を見ていると、
マスコミは医者を悪代官に仕立てようと躍起になりますが、本当に医者に落ち度があるように思うケースは、
ごく稀です。ほとんどが、
「何でこれで医者が告訴されるの」
と感じられるケースばかりです。しかし、法外な費用を伴う代替療法などでは、
告訴・告発されるべき医者や医者モドキはたくさんいます。かつて民事裁判で慰謝料を払わされ、
その後、刑事告訴まで受けた、
今も似非治療活動を続けているらしい、
あるインチキ免疫治療クリニックが、
今も複数の民事告訴を受けており係争中です。
元々、データ捏造の似非免疫クリニックですが、
係争中となれば、
似非治療にも身が入らず、
さらに適当な誤魔化し治療?で、
裁判のためにも、
お金儲けが行われているものと思います。
この裁判は、
明らかに医者に落ち度というより、
故意の悪質な事件で、
被害者はドンドン告発・告訴するべきだと考えますが、
代替療法と銘打った似非治療では、
そのように感じられる事例はいくらでも見てきましたし、
今も時々被害者の患者さんに出会います。話はそれましたが、
全うな医療行為では、
医者の目から見ると、
トンでも裁判が横行しています。原告者の本当の目的は何処にあるのか知りませんが、
「裁判で事実が明らかになる」
などということは、
起こりえません。むしろ民事裁判などは、
事実・真実を覆い隠すために、
行われるようなものです。本当に真実・事実を知りたいならば、
別の賢い方法を考えるべきです。トンでも家族が起こす、
身勝手裁判の結果、
一番の直接の被害者は医者ですが、
その被害は、
最終的には、
他の患者さんにシッカリと重く帰ってきます。昨日の「外科医のための手術」で
紹介した天下のトンでも名医が、
もし、その無謀な手術をして、
その後告訴されても、
有罪になることは無いでしょうし、
真実も真実も、
その医者が何を考えてのことだったのか、
明かされることは有り得ないと思います。喜ぶのはマスコミだけです。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
セカンドオピニオンに来られた患者さんから、
非常に興味深い話を聞きました。
患者さんの言われることが真実ならば、
大きな問題です。
勿論、事細かにメモを取られていたその患者さんが、
真実と違うことを言っているとは思えず、
ウソをついても何の利益もありませんから、
真実なのだと思います。
その病院の医者ならば、
然もありなん、
と思われる某がんセンターの実態です。
都内の某大学病院で検査の結果、
多発肺内転移を伴う肺ガンと診断された患者さんが、
ご自身で調べて、肺ガン症例数日本一ということを知った、
某がんセンターでの治療を希望され、
紹介状を書いてもらいました。そこから悲劇が始まろうとしていました。肺内転移というのは、
肺の内部でガンが動いて転移するのではなく、
ガン細胞が血液に乗って肺の原発部位以外の場所に
飛び火したと考えられるため、
ステージⅣとされ、すでに全身にガン細胞が飛び火している可能性が極めて高くなり、
手術適応はありません。したがって、
紹介先は「腫瘍内科」になるはずですが、
何故か「呼吸器外科」へ紹介されてしまっていました。
がんセンターの呼吸器外科のエラ~イ先生は、
「大学病院から呼吸器外科に紹介されたのだから、
手術ができるケース」
と誤解されたのでしょう。紹介元の大学病院から持参されたCTフィルム上での、
転移病巣を完全に見落としたようで、本来、有り得ないはずの手術を行う手はずを整えてくれました。
患者さんは皮膚の切り方まで、
ご教授されたそうです。胸腔鏡では原発病巣の手術は難しいため、
大きく胸を切って、
病巣切除を行う手術である旨説明されたようです。しかし、その後の外来診療で、
がんセンターのエラ~イ外科先生がいないときに、
その弟子のような若い、
研修医らしき外科医に、
「肺内転移がある」と言われ、
「エラ~イ先生はそんなことは言っていない」と言うと、
「件の先生はお忙しいからそこまで見なかった」と口走ってしまったそうです。
その後、若造君はしどろもどろになり、
放射線科医に写真を診てもらうことになり、「転移で間違いないでしょう」との結論に至っているそうです。私も再度精密なCTを切りなおし、
確認しましたが、
恐らく転移であり、
それも大学病院でのCTで確認されている2個だけではなく、
5~6個は確認されました。
しかし、某がんセンターのエラ~イ呼吸器外科の先生の、
大きく胸を切り開く方針は変わらず、
手術のための入院ベットの空きを待っている状態のようです。その後、転移の可能性のある病巣を、
見落としていたことは認めたそうですが、
予定通りに大きく胸を開き、小さな転移と思しき病巣をはじめに切除して、
検査の結果ガンであることが分かったら、
そのまま胸を閉じる。
と説明されていました。他の医者にもセカンドオピニオンを受けたところ、
「そんな馬鹿げた手術は避けるように」言われたそうです。
確かにCTだけでは、
転移病巣であることの確定診断は付きません。しかし、腫瘍マーカーも大きく上昇していることも考えれば、
99%以上の確率で、
転移であろうと考えられます。勿論、転移ではない可能性も、
極めて低いながら残されていますので、
延命のためだけの抗癌剤治療をいきなり始めるのも、
考えなければなりません。そのような場合、
一般的には、
胸腔鏡という身体に侵襲の少ない方法で、
肺の外側表面に接して存在している、
転移と思しき病巣だけを切除して、
その病巣に顕微鏡でガン細胞の存在が確認されたなら、
その場で確定診断がついたことになり、
手術は中止になります。胸腔鏡での一部分の切除手術であれば、
翌日にでも退院も可能になることもあります。
簡単な胸腔鏡手術(検査)で、
予想に反して転移ではない、
ということが確認されたなら、その場で、
胸開手術に切り替えればよいだけであり、
僅かに外科医の手間が増えるだけです。転移が強く疑われる病巣を伴う、
すなわちステージⅣで手術適応の、
まったく無いと思われる肺ガンに対して、
はじめから胸開手術を行った場合、
予想通りに転移であったならば、
身体が受ける侵襲が、
胸開手術とは比較になりません。
そんな馬鹿げた手術を敢行するのは、
はじめの誤診・見落としを糊塗する算段以外には考えられません。患者さんに大きな不利益を与えても、
自分たちの面子を守る。「天下の」がんセンターなど、
その程度のものです。
否、むしろ「天下」と付いてしまうため、
失態は隠さなければならないのかも知れません。患者さんを犠牲にしてでも。そして、今回の患者さんからの証言?から、
新たに分かった事実もあります。
それは、
「内科・外科などが緊密に連携を取り合ってガン治療を行っている」
というような謳い文句を聞いたことがありますが、そんなものは、
「天下の」がんセンターでは、
有名無実であったということです。現在の日本では、
検察も信用できないようですから、
「天下」などといわれても、
まったく信用はできません。
盲信すると酷い目に遭う可能性も多分にあることをお忘れなく。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
正確な月齢は分かりませんが、
東京では、
昨晩は綺麗な満月が楽しめました。
昨夜のような満月ははじめて見たような気がします。
空一面に広がっている雲を透かして、
まん丸に見えるお月様が浮かんでいました。
普通、暈をかぶるように見えるはずですが、
雲を透過して姿を現していました。
それもほとんど真上に拝めました。
40年以上前、
短歌を愛していた、
風流人だった祖父が亡くなった数ヵ月後に、
月面着陸はありませんでしたが、
人類史上はじめて、
アポロ8号が有人で月まで行って帰ってきました。
そのとき兄が、
「お爺ちゃんは夢を壊される前に眠ってよかったね」
と言っていたことを思い出しました。
美しい月を見ていると、
何故か、
すでに旅立たれた人たちを思い出します。
あの美しい光の中に、
多くの人が眠っていいるように感じます。
あるいは、あそこからこちらを見ているようにも感じられます。
昨夜もいろいろなことを考えながら、
お月様を肴に一杯飲んでいました。
少々寒かったのですが、
ベランダで美しさに見入ってしまいました。
おかげで少々飲み過ぎ、
本日は朝からクシャミと鼻水が止まりません。
あまりにも美しくて、
神秘的に見えたので、
ウィスキーを片手に、
写真を撮ってみました。
学生の頃までは写真小僧で、
何台もの一眼レフカメラとたくさんの交換レンズを持っていたですが、
すべてむかしのフィルムカメラであり、
今は、何処かで眠っています。
昨夜は、いわゆるバカチョンのデジカメですので、
あの美しさの100分の1も表現できませんが、
1枚見てください。

美しい月も関係なく、
何も考えていない、
おバカねこのチョロ松もご覧ください。

以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
大塚北口診療所では、
高血圧、糖尿病などの慢性疾患や、
急な発熱や風邪などの治療のために、
山手線の大塚駅から徒歩1分以内の場所にあり、
住宅地までもすぐ近くという地理的な条件から、
コンビニ的に、
誰でも何時でも利用できるように、
途中休憩はありますが、
朝9時から夜9時まで、
正月元旦から、
年中無休で診療しています。
CT超音波などの検査もできるようになっています。
(週末・休日は診療時間は短くなります)
現在、私は、そのコンビニ的な治療とは別に、
大塚北口診療所では、
ガンを患う患者さんだけを診ています。
そんな中で、
一度も顔も見たこことも無く、
病状もまったく分からない患者さんや、
そのご家族から、メール一本で、
「すぐに治療をしてくれ」
「来週からでも治療開始をお願いしたい」という類の依頼がたくさん来ます。すべてお断りしています。メールで知り得る状況だけから判断すれば、
すぐにでも治療を開始してあげたいと
思われる患者さんもいますが、
ガン治療を、
風邪や発熱程度の治療と勘違いされているとしか思えず、
ガン治療に対して、
24時間営業のコンビニと同程度の存在との、
甘いお考えが、
露骨に感じられてしまうので、焦るお気持ちは、
分からなくはありませんが、
すべてお断りしています。メールでの状況からは、
現状の治療では、
あと2~3ヶ月程度しか残されていない、
と思われる患者さんも少なくありませんから、
焦りも十分すぎるほど理解できます。
しかし、そのように重篤であるほど、
遠くはない将来、
絶望的な転機を考えると、もしも治療効果が出ることはなく、
本当に2~3ヶ月の寿命で終わってしまうかも知れない、
などということを考えたなら、ご家族がどのようなお考えであり、
また、その時の覚悟を如何にお持ちなのかを、
治療を行う側が理解していなければ、
ガン治療などとてもできません。私のガン治療への考え方は、
拙著やこのブログなどで、
ご理解いただいているのかも知れませんが、
私は、一度もお会いしたことの無い患者さんやご家族の
ガンという病気に対する考え方、
知識などについてまったく知りません。そのような状態で、
死に至る病気であるガンの治療など、
とてもお引き受けできません。
さらに最近、
理由は分かりませんが、
例えば、平均的に10ヶ月という数字が、
エビデンスとして出されているガン治療に対して、
数ヶ月のサバを読んで15ヶ月などと、
誇大提示をする病院もよく見かけます。
メールの文面から考えると、
早ければ2~3ヶ月も無理、
と思われる患者さんで、
無治療ならば半年、
治療をすれば1年などと、
大きくサバを読まれている場合などは、治療が上手く効いてくれて、
8ヶ月で亡くなられた場合、
ご家族は失った4ヶ月を恨むことになると思います。
6ヶ月で終わった場合などは、
無治療と同じだったとその治療を悔いることになるでしょう。天下のがんセンターなら、
その程度の誤差?は、
ご家族は黙認させられます。しかし無名の医者ではそうはいきません。
せっかく治療を行い、
それが上手くいっても、
後悔されたり恨まれたりするのでは、
堪ったものではありません。先日、
胃ガンのガン性腹膜炎に対して、
タキソールの腹腔内投与を、
地元の某がんセンターで希望するも、
「できない」
「適応は無い」
と拒否されたというまったく名前も顔も知らない、
地方の患者さんのご家族と名乗るかたから、「来週連れて行くから外来でタキソールの腹腔内投与をしてほしい」という依頼がありました。
呆れるというよりも、
正直、少々腹立たしく思いました。患者さんやご家族は、
ガンや病気、その治療に関して素人であり、
無知であることは分かります。
それは当然のことで恥ずかしいことではありません。しかし、ご家族のことを真剣に考えるなら、
気持ちばかり焦るのではなく、
その気持ちを実行に移してください。お近くの大学病院などでセカンドオピニオンを受ければ、
それが不可能であることくらい、
すぐに理解できるはずです。現在、胃ガンのガン性腹膜炎に対して、
数名の患者さんで、
腹腔内治療を行っていますが、
皆さん手順を踏んで適応があることを確認してから、
実行しています。
初回の時には入院も必要です。この本日の記事を書いている最中にも、
2件の診察依頼と、
相談依頼のメールが来ました。
はじめてお会いする患者さんへの、
いきなりの診察はしておりません。
私の治療が、
その患者さんの病態、価値観にあっているのか否か分かりませんし、
初発卵巣ガン手術前後の抗癌剤治療などでは、
標準治療のほうが勝っていると考えることもあります。
先ず、セカンドオピニオンに来ていただき、
そこで、目の前の患者さんに対する、
私の治療方針をご説明して、
同時に患者さん、ご家族の希望をお聞きして、
お互いに納得したなば治療を開始しております。
その説明には、
ほとんどの患者さんで、
1時間以上はかかります。
そのような時間は、
外来診療の合間にはとても作ることはできません。
定時の抗癌剤治療の患者さんで、
溢れてしまいます。突然の診療開始は、
一切お断りいたします。
コンビニ治療はしておりませんので、
ご了承ください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
随分むかしの、
2007年3月3日の「ビタミンC大量療法」に対して、
つい先日、オモテで、
「腹水のある方は注意が必要と報告されてるようです。」というコメントをいただきました。
それは当然のことです。
その後もビタミンC大量療法については何回か書きました。
そして実際にその治療?も行ってきました。
輸入のビタミンCを使ってでは、
恐らく日本で一番安く、
実施していました。
現在のような円高ならば、
さらに安く提供できたと思います。
効くか否か分からない治療で、
お金儲けはしたくなかったから、
原価ギリギリで治療?を提供していました。
しかし「ました」と書いたのは、
現在は行っていないからです。
結果的には、
残った分だけ損しました。
その治療?を止めたのは、
数十名の患者さんに、
1回あたり75g ~ 100gで点滴を行い、
明らかに効果を見た患者さんがいなかったからです。お一人だけ、
週に2回、
1回75gで3ヶ月ほど続けた患者さんで、
「少し効いているかも知れない」
と思えた患者さんがいましたが、
それ以外の患者さんでは、
効果は認められませんでした。勿論、全員抗癌剤治療との併用ですが、
その抗癌剤の効果を大きくしてくれているように見えたのは、
前述のお一人だけでした。
さらに抗癌剤治療のような、
副作用を訴えた患者さんも少なくなかったために、
現在は完全に止めています。むしろ、少量の抗癌剤治療のほうが、
はるかに副作用は少ないようです。現在まだ消費期限内の、
輸入ビタミンCは冷蔵庫に大量に残っていますが、
看護師の美容のために、
無償で提供しています。
元々美容から始まった治療?であり、
お肌には悪くはないようですが、
大塚北口診療所の看護師は、
みな若くて美しいので(チョッとお世辞?)、
美容にも、
しかも無料でも、
あまり人気はないようです。
本日は、本当に私の診療は休診日だったのですが、
休診日には急患が来たり、
その他の雑用が重なります。
時間がありません終わりにします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
10月19日の「義理立て」は、
ご家族からの訃報のメールに、
「勧めていただいた手術を受けなかったことを悔やみきれません」という一文があったので、
そして、まったく偶然に同様の患者さんに、
最近お会いしたので書きましたが、
その「義理立て」に対して、
以下のコメントをいただきました。
一部再掲します。
思考停止?
体にメスを入れていただくという事は、
一般人にとって肉体的にはもちろん、
精神的にも大きな負担のようです。
治ったと思ったのに、またか。もうたくさんだ、とか、
それで本当に終わりになるのか?という心理になるようです。
絶望感、不信感などから治療に前向きな気持ちにならない、
思考停止に陥ってしまうようです。
コメントとおりだと思います。
内科医はガンに対して、
すぐに標準的抗癌剤治療を勧めますが、外科医は簡単に人の身体を切ることを勧めます。その手術はガン治療の場合には、
少なくとも、
「長生きしたい」という一般的な価値観から考えれば、
けっして間違いではありません。現在、一部のガンを除いて、確実にガンを治すことができるのは、
手術だけです。しかし、「治す」といっても、
何回も書いているとおり、
ガンというしつこい生き物は、
「治ったモドキ状態」に至るだけであり、
本当に治ったか否かは、
天寿を全うして死ぬときにも分かりません。当然患者さんは迷います。
まして、複数回の手術となると、
素直に受け入れられないほうが普通かも知れません。むかし、センスが抜群で、
非常に手術が上手だった後輩がいました。
現在は開業してしまい、
完全にメスは置いてしまいました。
当時、腕が立つだけに、
すぐに手術をしたがりました。
勿論、間違った適応は一つもありませんでした。
その彼が「痔ろう」を患い、
「切らなければならない」となったとき、
怖がること怖がること、仲間の外科医がみんなで笑う中、
痛いお尻を押さえながら、
震えて逃げ回り、
当時、東京の病院に勤務していたのに、
わざわざ富士市の病院まで行って、
「痛くしないでください」と先輩に頭を下げて切ってもらっていたことを思い出します。
また、むかし自衛隊の駐屯地のすぐ隣の病院に、
大学から派遣でアルバイトに行っていたとき、
その駐屯地の幹部らしき自衛官の胆石を、
研修医であった私が手術をしたことがあります。
手術の上手い先輩外科医の指導で手術をしたのですが、
熟練した外科医よりも、
当然、時間もかかりますし、
傷も大きくなります。
開腹手術を受けて痛くないはずはないのですが、
術後に、
「傷は痛みますでしょ、鎮痛剤を使いましょう」と言っても、
脂汗をかきながら、
「痛くありません!」と、言い張り、
術後一度も鎮痛剤を使わなかった患者さんもいます。
「痛みを感じることを恥」と思われたのだと想像しています。
そのような人が、
お国を守ってくれていたのですね。
一方、若い自衛官などは、
虫垂炎の手術だけでも、
術後「痛い痛い」と泣きべそをかくほど大騒ぎをして、
痛みが治まると、
看護師にセクハラをして喜んでいました。
ヘラヘラ笑っている某総理大臣や、
それを支える「管亡超管」では、
この国はどうなるのかとても心配です。
彼らを見ていると、
むかし見た若いおバカな自衛官を思い出します。
私自身の元々の専門分野は、
今は完全に姿を消した十二指腸潰瘍の外科でした。
研究テーマは、
外科における消化器生理学であり、
如何に切らずに治すか、
あるいは、如何に侵襲を小さくするかが、
私の課題でした。自分自身、
お腹を切られるのは嫌ですから、
如何に切らずにすませるか、
同時に、どのようになったら切らなければならないかを、
真剣に考えていました。当時、シカゴの大学病院で、
クスリを1日2回飲むだけで、
完全に抑えることができる状態の十二指腸潰瘍患者さんが、
手術を受けるということになったので、
「クスリを飲んでいれば症状も無いのに、
何故手術なんか受けるのか?」と聞いたところ、
「このクスリ、いくらか知っているのか?
これを一生涯飲むより手術のほうが安い」と言われ、
文化、価値観、保険制度の違いに驚かされました。
話はそれましたが、
現在はガンという病気ばかりを診て、
昔とは逆に、
如何に切るか、
どのように手術治療を利用するかを考えています。
積極的に切ることを考えます。ガンという、
本当にしぶとい生き物は、
考えられるすべての武器を総動員しなければ、
とても戦える相手ではありません。患者さんが一番恐れることの一つである、
手術後の痛みの対策も、
昔とは比較になりません。ほとんどの手術では、
翌日には、
自分の足で歩いてもらうのが普通です。
ガンという病気が進んだ時の恐怖に比べたら、
現在の手術に対する怖さなど、
比較になりません。手術治療が利用できる患者さんは、
恐れることなく、
積極的に根治への道を目指してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
最近のテレビなどの報道を見ると、
近くて、極めて遠い存在である、
世界のガキ大将のようなお国では、
反日過激運動が盛んになっているようです。
あの報道を見ると、
民衆のパワーに圧倒されます。
何故、反日運動があれほどまでに行われるのかを考えると、
件のお国の民衆の、
長年にわたり積もり積もった鬱憤を、
日本を利用して、
わざと爆発させて、
ストレスを発散させているような気がします。
適度なガス抜きをしているように見えます。
自分たちの言論の自由も、
知る自由も奪われた人間が、
ストレスを感じないはずはないと思います。
その本当のストレスの原因を追究され、
そこにあの圧倒的なパワーがぶつけられたなら、
せっかく世襲継続の道を掴みかけた政府が、
転覆する恐れすらあります。
自国の国民が自由を得ると、
国がひっくり返るというのは、
とても不思議な現象のように感じます。
大きな国の民衆にとって、
小さな島の一つや二つよりも、
彼らが失っている人間としての最低の基本的な人権のほうが、
はるかに重く貴重であることくらい、
サルでも分かると思います。
ガン治療を続けている患者さんでは、
当然、大きなストレスがかかっています。標準的に大量の抗癌剤を使う治療では、
肉体的なストレスがあまりにも大きく、
精神的に悩んでいるヒマは無いかも知れません。今年、相次いで亡くなった有名人のように、
アッという間に、
命さえ奪ってくれます。
しかし、副作用を最小限度に抑えた治療では、
精神的なストレスが大きな問題になってきます。現在、抗癌剤の点滴治療を、
毎週行っている患者さんもたくさんいます。
毎週で1年以上になるかたも少なくありません。10日に1回、
2週間の割合の患者さんでは、
数十名にのぼります。
1回毎の副作用は、
最小限度に抑え、
少なくともご本人が、
容認できる範囲内に留めるようにはしていますので、毎回の点滴はあまり苦にはなっていないように、
「他人」である私は感じています。
苦にならないから治療を続けられるはずです。しかし、
「毎週点滴をしなければならない」
という精神的な重圧は、
小さくはないように感じます。ガン治療は肉体的に負担が無いだけでは、
続けることができません。勿論、ごく少量の抗癌剤でも、
回数が重なってくると、
白血球、血小板の減少、
すなわち骨髄抑制を合併してくることも珍しくはありません。特に、一度でも標準的に大量の抗癌剤を使った治療を
受けた患者さんでは、
私が治療をはじめるときには、
すでに骨髄が疲弊しきっているというかたもいます。そのような患者さんでは、
毎週の点滴など不可能であり、
はじめから休み休み治療を続けなければなりません。
そのような副作用はまったく無い患者さんで、
毎週点滴をしているかたでも、
時に休みを入れることで、
精神的にリラックスできることがよくあります。
以前、何回かメトロノミック テラピーという言葉で、
少量の抗癌剤を繰り返し使っていく治療について説明しましたが、
本当のメトロノームのように、
キチン・キチンとした狂いの無いリズムだと、
何処かの国民のように、
「酷民」になってしまい、
精神的な重圧はかなり大きくなるようです。
その重圧もガンには害になる恐れもあります。健康な人でも、
某国のように他国の利益・権利など完全に無視して、
強かに生きている国を見ているとストレスが溜まります。
戦艦大和は、
日本本土を守るために、
玉砕覚悟の自爆攻撃で、
見事に沈没しましたが、
「某国の属国」だと言っているらしい、
柳腰ではない、
弱腰、及び腰の、
泥舟「仙管ヤマト」に乗せられている日本の国民は、
何処へ連れて行かれて、
沈められてしまうのでしょうか。
沖縄県民の血で真っ赤に染めて守った海や島を、
友愛の海などと、
トボケタことを言っている人間に、
命を預けなければならない国民も本当に悲しく思います。
沈没前に「院内管仙」が手遅れになり、
で死んでしまうかも知れません。
そんなことを考えていると、
さらにストレスが積もってきました。
話は大きくそれましたが、
現在、私が診ている患者さんで、
このブログを読まれているかたの中で、
精神的な苦痛を受けている患者さんが居られましたなら、
是非、申し出てください、
配慮はしているつもりですが、
精神的な負担までは、
気が付かないことも多分にあると思います。
遠慮無く言ってください。各地で紅葉も見頃になっているようです。
抗癌剤治療などよりも、
旅行や温泉などでの精神的なリラックスのほうが、
余程有効なこともあるのがガン治療です。
某国のように、
上手なガス抜きをしてください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
いろいろな患者さんを診ていると、
医者に義理立てして、
自分の命まで捧げてしまうかたもいます。主治医への義理立てにより、
明らかに破滅へ向かっている治療からも、
逃れられなくなっている患者さんもいます。医者はただの他人です。死に向かうのは主治医ではありません。
医者は自分が診ている患者さんが、
不幸な転機を辿れば、
悲しくは感じますが、
家族が居なくなるのとは大きく違います。主治医から逃れることができない大きな理由の一つは、
最期の時にどうするか、
その時の行き場が無い、
ということのようです。地方の医療環境は知りませんが、
少なくとも東京近郊であれば、
終末期医療は、
多くの病医院で積極的に行っています。現在、ご自宅で最期の時間を過ごしたい、
という患者さんも少なくありません。
そのための在宅での訪問看護、訪問診療も、
積極的に行われています。それは、
医療費削減の大命題のために、
「お金のかかる入院治療は極力減らしたい」
という極めて単純な政治屋か官僚の発想から、
在宅医療に対して、
高い診療報酬点数がつけられたためです。同時に終末期のガン患者さんのように、
長期間一人の患者さんが一つの病院に入院すると、
その病院の診療報酬が減るような仕組みも作られています。現在の日本の病医院は、
医療費削減の影響をもろに受けて、
何処も疲弊しています。
そこにそのような診療報酬体系が作られましたので、
赤字で苦しむ病医院は、
こぞって在宅医療に力を入れるようになっています。緊急事態発生時や、
最期のときに、
本当に難民になる可能性は低くなっています。少なくとも、元気なうちから、
ご自宅近くの医療機関を探しておけば、最終的に難民になることはなく、
主治医の推し進める確実に死に向かう治療ではなく、
もっと楽に長生きができる、
あるいは、根治を目指す治療も、
安心してうけることが可能です。
二年近く前に、
明らかに手術でのガンの取り残しが発覚した、
卵巣ガンの患者さんが、
セカンドオピニオンに来られましたが、
外科医であれば十分に完全切除手術が可能な場所でした。
手術前から、
CTやPETという機械の目でも、
その部位のガンも存在は確認されていました。
手術では婦人科医の手の届くところではなく、
手術時には手をつけず放置されていました。
セカンドオピニオンに来られた後に、
再度CTおよびPET検査を行いましたが、
その部位にだけシッカリと、
ガンは描出されていました。
卵巣ガンは肉眼で見える病巣を手術ですべて切除して、
その後に抗癌剤治療を行っても、
再発確率は極めて高く、
再発したならば、
「治る」可能性はほとんどゼロ%になります。再度、手術や抗癌剤治療などで、
ガンが見えない状態に至っても、
天寿を全うすることはほとんどありません。
それはエビデンスが証明してくれています。セカンドオピニオンに来られた患者さんは、
肉眼的にも完全切除がなされていない状態でした。
これでは、
はじめから再発をしているのと同じであり、
治る可能性は限りなくゼロに近く、
卵巣ガン特有の長い無病、無治療期間を得る可能性も、
ほとんどありません。
術前から確認されていた場所だけに取り残されたガンの塊ですから、
切除は十分に可能であり、
確実な技術を持った外科医に、
手術をしてもらうこと、
あるいは、ピンポイントの放射線治療を受けることを
お勧めしましたが、
はじめに手術をした婦人科の主治医に、
義理立てされたのか、
手術も放射線治療を受けることはなく、
そのまま来なくなってしまいました。先日ご家族から、
患者さんが亡くなられたとの知らせがありました。
一度も無病・無治療期間は得られず、
終生、辛い標準治療を続けられたそうです。肉眼的な完全切除を行った後に、
標準治療を行うと、
長い無治療期間を得ることが可能であるのが卵巣ガンの特徴でもあり、
それ故、卵巣ガンの初回手術時の標準治療は、
悪い治療だとは考えていません。
是非受けるべき治療だと思います。しかし、
「一度再発を来たしたならば治ることは無い」という確実なエビデンスはシッカリと受け止めて、
その後の治療を考えるべきです。その患者さんの場合、
再手術を受けていても同じ結果だったかも知れません。しかし、可能性を失ったことだけは間違いありません。
まだお若かっただけに、
他人事ながら、
とても残念です。卵巣ガンでは同じような状況の患者さんも、
おられると思います。
是非お近くの外科医に相談してください。患者さんの
ご冥福をお祈りいたします。
合掌
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は体調が悪いのではありません。
腰痛のほうは、
腰痛ベルトを締めるようにしてから、
急に軽くなってきました。
本日は、
普段はお断りしている飛び入りの患者さんが来られたりして、
忙しくて時間がありません。
休診にします。
以上 文責 梅澤 充
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昨日テレビで、
同じ犯人から63回も続けて振り込め詐欺の被害にあった、
というニュースが流されていました。
一人の被害者が、
一人の犯人から63回です。ガンに対する似非治療の被害者、
および似非治療の施術者と
まったく同じ心理・精神構造であったように感じます。はじめは、
本当に騙されたのだと思います。
しかし、2回目3回目と、
回が重なってくれば、
相手がいくら巧妙な詐欺師であっても、
被害者は「おかしい」と気が付くはずです。
しかし、何回目かに、
騙されていると気が付いたときには、
すでに被害者になっていることにも、
同時に認識しなければなりません。詐欺に遭った被害者としては、
「自分が騙された」
ということを絶対に認めたくない、
という心理が働くそうです。
それが詐欺師の狙い目だそうです。何回目かに、
「おかしい」と考え、
息子に電話一本していれば、
すぐに詐欺に遭っているということが、
確認できます。
しかし被害者は、
自分が騙されたという現実を知るのが、
怖いそうです。似非治療もまったく同じ心理・精神構造です。詐欺師お得意の、
「好転反応」なる向上で、
説得されても、
実際にガンが悪くなっているのを実感しているのですから、
「その治療モドキはウソに違いない」
とすぐに分かるはずです。しかし、
そこでその治療を打ち切れば、
騙されたことを認めることになり、
お金だけではなく、
「命」あるいは貴重なガン患者さんの時間まで奪い取られた、
という現実を思い知らされることになります。
それだけは、
何としても避けたいと被害者は考えます。そこにさらに、
「もう少し続ければ良くなる」
「好転反応です」
などという詐欺師の向上が、
絶妙のタイミングで入り、
被害者の
「離脱したい」
という本心を、
アッサリと切り捨ててくれます。そして、
「騙されてはいないと信じたい」
という影の気持ちを後押ししてくれて、
死に至るまで離脱不能になります。このブログを読まれている患者さんでも、
現在も「騙されている」かたは無数にいると思います。
人を騙して、
お金だけではなく
命や大切な時間までも奪ってしまう行為は、
人間として本当に恥ずかしい、
してはいけない犯罪です。
しかし、彼ら詐欺師はプロです。
そのプロに騙されることは、
恥ずかしいことではありません。「騙されているかも知れない」
と感じたらすぐに離脱してください。
離脱のチャンスを逃すと、
死に至ることにもなります。出鱈目な誰も認めていない免疫理論で、
何も知らない素人の患者さんを煙に巻いて、
「サプリメントだけでガンが治る」
と宣伝を続けて、
生き残っているクリニックなども存続しています。
それの仮説が本当ならば、
ノーベル賞をもらっています。
ホメオパシーや、
ガンが治ると言って売られてる、
異常に高額な「アロマ水」などの、
似非治療もいまだに横行しています。
ガンという病気では、
「命」をチラつかせれば、
患者さんは、
簡単にたくさんのネギを背負って来てくれる、
詐欺師にとっては、
最良のカモになります。一刻も早く、
逃げ出してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
20日ほど前に、
ギックリ腰で、
腰痛を発症し、
一時軽快してきたのですが、
数日前に再び、
ギクッと来て、
再度悪化しました。
今までは10日程度で治っていたのですが、
歳でしょうか、
治りが遅くなっています。
午前中は良いのですが、
午後になると徐々に、
腰が、重くなり、だるい痛みが出てきます。
本日は早めに診療が終わりました。
これからすぐに帰って、
長~くお風呂に入り、
その後、一杯飲んで熟睡します。
本日のブログはお休みにします。
一言だけ、
先日、例の尖閣諸島の大事件の記事を読んでいると、
「仙管大和」「院内管仙」
(「戦艦大和」「院内感染」)
といずれも悲劇を辿った(辿る)名前で、
今の日本を代表する人間たちを、
揶揄している四字熟語を見つけました。
思わず頷いてしまいました。。。
ちなみに、先日の「仙人」のほうが、
「弱腰外交」と責められて、
「自分は柳腰だ」
と強がっていましたが、
「柳腰」とは、
腰のキュッと締まった細身の美人を形容する言葉のはずです。
あのトボケタ爺さんが「柳腰」とは思えません。
私は正真正銘の、
「弱腰」のようです。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
某国立がんセンターで、
激しい副作用に悩まされながら、
そこで治療を続けたいという意向の上で、
大塚北口診療所で私にも診てくれ、
と言われた患者さんがいます。
当然、お断りしましたが、
何を考えているのか理解できません。
肺小細胞ガンなどでは、
標準的抗癌剤治療も良くない治療だとは考えていません。奏効率も非常に高いですし、
副作用も個人差が非常に大きいですが、
あまり苦痛に感じない患者さんも少なくありません。非常に良く効く確率が高くて、
副作用の程度はやってみなければ分からない、
という状態であれば、はじめから標準的抗癌剤治療を毛嫌いするのではなく、
一度だけは、
試してみるのも悪くはないと考えています。多くの場合、
3~4週間に1回の割合で
4回程度繰り返す治療になります。
そのときには、
毎回必ずその治療が有効であるのか、
無効なのか確認しなければなりません。大学病院やがんセンターなどでは、
治療中に経過を診ることはほとんどしません。
4回と決めたなら、
途中経過など完全無視で、
4回終了時点ではじめて、
効果が確認されます。酷い場合、
治療開始直前の状態すら検査していない。
という病院もあります。副作用はご自身で体感できますから、
それが容認できる範囲であれば、
治療を続けても悪くはないと思います。しかし、ガンの状態は検査をしなければ分かりません。1回目の直前に検査を行い、
2回目に突入する直前に再度検査をして、
効いていることを確認してから、
2回目を行う。
3回目以降もそれを繰り返す。
患者さんがそれを主治医に訴えても、
「1回だけでは分からない」
という決まり文句が待っていますが、「分からない」のではなく、
「物理的にできない」というのが正解です。標準的に大量の抗癌剤を使った治療であれば、
また、特に小細胞ガンのように、
抗癌剤治療に良く反応するガンであれば、
1回でも十分に効果は確認されます。
しかし、非常に多くの患者さんを抱える、
がんセンターや大学病院などでは、
CTなどの頻回な検査は物理的に不可能なのです。
腫瘍マーカー検査くらいはできるはずですが、
それもしないのは理解ができません・・・
以前にも書きましたが、
はじめ15cmだった腫瘍が、
1回目の治療で、
7cmになり2回目に突入、
その結果4cm。
3回目に突入。
2.5cmまで縮小。
最終回の4回目も決行。
しかし今度は3cmまで増加していることが認められました。
すなわち4回目には効かなくなっていました。
しかし、某大学病院では、
開始前の15cmと最終回終了時の3cmしか診ていません。
2.5cmから3cmへの増大は知りません。
それを見た主治医は、
「非常に良く効いているもう1、2回追加しましょう」
と、とんでもない提案をしてきました。「4回目は効いていないのだから絶対に止めたほうがいい、
4回目は効いていないことを主治医に話して止めてもらってください」と、患者さんを説得しましたが、
主治医から、
「治るかも知れない」
などと有り得ないことを言われ、その効かなくなった治療を受けてしまい、
結局、抗癌剤の副作用と思われる症状で、
不幸な機転を辿りました。
治療のたび毎に検査をして、
ガンの状態を把握していくことは極めて重要です。
無駄な抗癌剤が身体に入っていないことを確認しなければなりません。「意味が無い」
「細かく調べても変化・効果は分からない」
との決まり文句で、
簡単に却下されるかも知れません。
しかしダメもとで、
是非、頼んでみてください。
予想通りダメなら、
他の病院の応援を頼むのも悪くないと思います。標準的に大量の抗癌剤を使った治療では、
効かないときには、
寿命を縮めます。
十分にご注意ください。現在、小細胞ガンや卵巣ガンなどでは、
他の病院で標準治療を受けながら、
大塚北口診療所で経過だけを観察している患者さんもいますが、
その他のガンでは、
標準治療はけっして良い治療だとは、
考えていませんので、
ダブル治療?はお断りしています。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日、一杯飲みながらテレビを見ていると、
どこぞの政党が行っている、
「政策コンテスト」なるものの
是非を論議していました。私も治療の方法を患者さんに
丸投げすることがしばしばあります。しかし、数種類の治療方法、
およびそれに対する副作用を提示して、
その中から選択してもらいます。一般的に健康保険で許される範囲から、
患者さんの選択肢を提示しますが、
保険外の自費治療で、
経済的にいくらでもかまわない、
というような患者さんでは、
分子標的薬のような高額な治療を提示することもあります。
治療効果および副作用を受けるのも、
お金を払うのも、
私ではありません。また、ガン治療では、
如何なる治療が奏効するかなど、
すべて「やってみなければ分からない」ですから、
治療の方法は患者さんが決めるのが当然だと思います。選択肢の中身は、
抗癌剤治療だけではありません。
手術や放射線、免疫治療なども含まれます。
その「やってみなければ分からない」
リスクとメリットは、
患者さんに決めていただきます。患者さんへの、
治療の丸投げは、
私自身、無責任のようにも感じることもありますが、
ガンを宿した患者さんには、
治療を決める権利と同時に、
その結果に対する責任もあると考えています。しかし、政策与党が、
単純にその大事な最策を素人の国民に作らせるとは、
一見合理的で、
国民目線に立った「政策」のようにも感じますが、
無責任極まりなし、
とも思えます。
自分たちの責任を放棄しているようにも感じます。
高額な歳費は何のために支払われるのでしょうか。
すべて税金であることを考えると腹が立ちます。
一連の領土侵犯問題でも、
日本と外国のどちらが犯人か分からないような態度に終始して、
「粛々」という言葉しか知らず、
日本人の利益、権利を守ろうとする姿勢が、
まったく感じられない、
事なかれ主義の人たちが、
国民に政策を決めろといっても、
それがうまくいかなかったときに、
それを立案した国民に
その責任を転嫁するためだけの
「コンテスト」のように見えてしまいます。無策な政府を見ていると、
いつもガンに負けている、
情けない自分と重なります。日本には患者さんのこと、
をまったく考えないように見える医者も、
少なからず存在しています。
しかし、
昨日の「ガン治療と哲学」で書いたように、
治らないガンに対しては、
冷徹に「粛々」と標準治療を進めるのが、
医者の責任であるようにも感じます。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
1年以上前の
2009年8月18日「ガンと寿命」に対して、
すでに削除(報告)しましたが、
「所詮、他人事か」
「出るわけないだろ」という匿名で、
ガンという病気はその時期を知ることができる、
そして、その時期をずらすこともできる、
とても有意義な体験でもあるように感じます。
自分がなったらそんな事は言えないだろ。
「ガンになってよかった」
という言葉が出てくると思います。
出るわけないだろ。
というコメントがありました。
ガンを患う患者さんでしょうか、
ご家族でしょうか。
患者さん自身がまだ若く、
小さなお子様を抱えて、
子育てという、
動物としての人間の義務をまだ果たしていないうちに、
ガンという病気で命を縮めてしまいそうな患者さんでは、
「ガンになってよかった」
などという気持など、
出てくるはずはなく、
死期を悟って喜ぶ人間などいないはずです。
ご家族も同様だと思います。
しかし、子供を育てあげ、
動物としての人間の仕事を終えた患者さんであれば、
そう考える人も少なくないことも事実です。
かつて「嫌な病気」という言葉を、
周囲の患者さんに撒き散らして、
周りの患者さんを皆さん不幸へ誘っていた、
本当に不幸な患者さんも見たことがあります。そのかたは、
動物としての仕事は、
すでにすべて成し終えていましたが、
生への執着が、
並外れて強かったのだと思います。
周囲の患者さんにはとても迷惑な存在でしたが、
ご本人も孤独で本当にお気の毒なかたでした。
投稿者はどのような状況の人間か知りませんが、
こころの貧しいかたのように感じます。
現在の医療水準では、
半数以上のガンは治ることはありません。
それが現実です。勿論、標準治療では、
無治療よりは若干長く生きることができるだけであり、それを嫌って、
多くの患者さんが騙される、
世間に蔓延している似非治療などでは、
延命すら叶いません。治らないということは、
ガンという病気により死に至るということを意味します。そして、その治らない、
すなわち近い将来、
死に至る事実は、
一般的には死の直前ではなく、
治療の途中で、
あるいは治療開始時の、
まだ患者さんが元気なうちにハッキリと分かります。そのような場合、
すなわち現実のガン治療の半数以上は、
医学、医療、医者と患者との関係ではなく、
宗教や人生観、価値観、哲学などの世界になります。患者さんが、
ご自身の「死」および「生」を如何に考えるか、
如何に死と向き合うのか、
それは科学者としての医者の考えることではありません。半数以上のガン治療は、
本来、哲学者や、
僧侶か牧師のような人間が、
医者と二人三脚、
患者さんを含めて三人四脚で行うものだと思いますし、
日々、そう感じています。現在、精神科医の力を借りている患者さんもいますが、
現実にはガン治療は、
内科医や外科医に、
ほぼすべてが委ねられています。
私自身、
まだ30歳代40歳前半という、
一般的な人間の人生の半分と思われる時間が過ぎるまでと、
人生も、そして医者としての時間も、
半分以上過ぎて終盤にいる今とでは、
ガン、そしてそれを宿した患者さんに対する考え方は、
大きく変わってきています。
似非治療で有名なO先生に対して、
以前は軽蔑していました。
しかし、その年配の医者は、
ガンを宿した、
死に直面している患者さんに対して、
精神論的な治療?説法?をされているようで、患者さんにとって、
大きな励みになっているのは事実であるように感じています。
それもガン医療の一つの姿であることは間違いないと思います。しかし、私などの未熟者には、
そんな真似はとてもできません。したがって、
その先生に診てもらいたいという患者さんには、
まったく反対はしていませんし、
私の治療と併用されている患者さんは、
少なくありません。
ガンという病気に対して、
少なくとも自分より年長の患者さんに対しては、
医者ごときが、
その治療などしてはいけないようにも思います。あるいは、
何処かのがんセンターのように、
医者は黙って、
ただ粛々と、
標準治療だけを行うことが、
正しいガン治療であるような気がします。まだ学生の頃、
「名医になりたければ長生きしろ」と、大先輩から言われたこと、
また、母校の校訓である、
「病を診ずして、病人を診よ」という言葉を思い出しました。
私はとても名医にはなれません。
本日も一日、
迷医で過ごしました。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
現在、某国立がんセンターで治療中の患者さんが
セカンドオピニオンに来られましたが、
そのとき、
今までのがんセンターからは信じ難いことを聞きました。
治る確率の非常に低いガンに対して、
はじめてがんセンターで、
治療を開始した時点で、
最終受入病院を紹介してもらっていたというのです。私が知っている限りでは、
そのがんセンターでは、
全身状態の良い、
しかし、治る確率の低いガンを宿した患者さんに対して、
黙って「粛々」と、
標準治療だけを遂行して、ガンの進行、
または標準的抗癌剤治療の副作用で
患者さんの全身状態が悪化するか、
エビデンスのある標準治療が無くなると、
患者さんがいくら元気であっても、「治療法はありません」の
ただ一言だけで、
無数のガン難民を輩出してきました。今までガン難民を作り出してきたのは、
がんセンターそのものでした。しかし、今春から理事長が変わり、
「ガン難民を作ってきたのはがんセンターだ」
と言い切って、
改革をするという話は聞いていましたが、
本当に
「治療法はありません」の
難民宣告の前に、
受入病院を探すという態度の改変ぶりには、
少々驚きました。今まで、
「最期までは診ない」
ということを隠し続けて治療をしてきた病院とは思えません。また、それまでは有り得なかった、
患者さんの副作用が辛いために、
メインの抗癌剤を、
40%以上も減量して使うという姿も、
はじめてみました。声高に謳っていた、
エビデンス、EBMは、
何処へ行ったのでしょうか。何回も書いているとおり、
治らないガンを宿した患者さんにとっては、
エビデンス、EBMなど、
ただの参考値にしかなりませんから、
そんなもの無視しても良いと思いますが、がんセンターも今までの、
医者のための医療を少しでも反省して、
患者さんが望む医療を行うようになれば、
少しは期待ができるかも知れません。国費なのですから、
当たり前のことです。しかし、その皺寄せが、
東の方の病院に行っているという噂も聞きますが・・・本日は大塚北口診療所での診察は無かったのですが、
何かと忙しい一日でした。
時間がありません。
終わりにします。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
私の世代では、
東京オリンピックの開会式が行われた、
「10月10日が体育の日」という印象が残っていますが、
休日ナントか法により、
本日が体育の日だそうです。
あまりピンときませんが。
清々しい青空が広がり、
空だけは、
まさに体育の日という感じがします。
ところで、
昨日の「ジェネリックの抗癌剤」で、その危うさを書きました。
一つの薬剤の開発から発売に至る詳しい経路・数字は知りません。
しかし、抗癌剤の場合、
その治験などの開発費に対して、
百億円単位の莫大な経費がかかるということは、
周知の事実のようです。
私自身治験に携わったことがありますが、
1~2名の治験患者さんのために、
その担当医師への謝礼も含めて、
数百万円のお金が動いているのを目にしています。
新薬開発には、
相当額の予算が想像されます。
それ故、新しい抗癌剤には、
高い薬価が設定されます。
薬価の8割9割は開発費用ともいわれています。
新薬の薬価をあまり抑えすぎると、
会社が潰れてしまい、
新しい薬が創造されなくなってしまいます。
ジェネリック薬品の場合、
宣伝とは大きく違い、
「効果は同じではない」ことは、
昨日含め何回も書いたとおり、
明らかですが、
後発抗癌剤の場合、
先発抗癌剤の概ね3割引の薬価が設定されます。先発薬品の薬価が10000円なら、
後発薬品のそれは7000円になります。
化学構造が明らかにされている物質では、
定価10000円の薬剤を、
10円~100円で売っても一般的には損はしません。一番お金がかかる開発費用がゼロである、
後発薬品メーカーは、
濡れ手に泡の大儲けになります。
したがって、
薬価よりも大きく値引きをして売ることが可能になり、
その事実も考慮された薬価改正では、
さらに低い薬価になっていきます。
それでも後発薬品メーカーは損はしません。
アメリカでは、
極めて有名で、
たくさんのエビデンスを持つ乳ガン治療薬タモキシフェン、
先発品の商品名ノルバデックス(アストラゼネカ社)、
というホルモン剤は、
100%ジェネリック薬品に置き換わっています。
現在のアメリカにはノルバデックスはありません。
しかし、そのクスリの原末は、
本家アストラゼネカ社が、
作っているという噂もあるくらいに、
ジェネリック薬品でも、
効果に差は無いといわれています。
残念ながら、
日本では医療費削減の大目標到達のために、
後発薬品への規制が甘く、
ジェネリック薬品と先発薬品は、
「似て非なるクスリ」であり、
品物も効果も同じではありません。「値段は安いが、効果は違う」
先発薬品と微妙に似ているジェネリック薬品を使うときには、
宣伝広告費とその製薬会社の大きな利益が、
身体の中に入っていくという覚悟も必要です。現在では、
値段が安い「ジェネリック薬品」を患者さんが、
調剤薬局で選べるようにもなっていますが、
先発薬品に無く、
ジェネリック薬品にだけしかない副作用も知られています。
安いクスリを使うには、
患者さんの自己責任も必要です。小学生か中学生の時に習った、
「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉をフト思い出しました。
以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
「値段は安くて効果は同じ」という、
事実とは大きく違う宣伝を行い、医療費削減の一助にしようと躍起になっている、
ジェネリック薬品(後発薬品)については、
今まで何回か書いてきました。
値段が安いことは紛れもない真実ですが、効果は同じではありません。先日もある有名な、
日本で一番たくさん使われていると思われる、
消炎・鎮痛・解熱剤“L”の
ジェネリック薬品“K”を処方したところ、
「効果は同じ」であるはずの L と K で、
大きな違いがありました。
その患者さんは、
ジェネリック薬品ではない、
先発薬品の L もまだ手元に持っており、
今回私が処方したジェネリック薬品 K と飲み比べたそうです。患者さん曰く
「痛みには L のほうが良く効くけど、
熱には K のほうが効果が大きい」
「 K は痛みには効果が薄い」とのことでした。
何回試しても、
同じ結果だったそうです。
一人の患者さんの身体での違いです。
同様の事例は、
L と K だけではなく、
様々なジェネリック薬品で経験しています。
高血圧に対する降圧剤でも、
よく見る現象です。
喘息のジェネリック薬品が、
喘息を誘発したというニュースもありました。
「先発薬品とジェネリック薬品とが同等の効果がある」
という根拠は、「生物学的同等性試験」といわれる、
同等性を主張する検査だけです。日本の場合、
この試験は、原則として健常人に、
先発薬品とジェネリック薬品を投与して、
両者の間に薬効成分の血液濃度推移に、
統計学的に有意な差が無いことを証明するものですが、
一般的に10名から20名程度の健常人に対し行われるだけであり、その程度の人数では、
余程大きな差が無い限り、
統計的には有意差あり、
すなわち「違うもの」とはなりません。10例や20例程度で統計学的に差が出れば、
それは、まったくの「別物」であることを意味します。また、抗癌剤などでは、
健常人に投与することは、
人道的に許されませんので、
その場合には、
動物実験だけで終了します。ガン患者さんは、
ある意味「動物と同等」と見なされます。「生物学的同等性試験」という、
形ばかりの「証明手形」は、
それほど、敷居の低いものです。実際に、
あるジェネリック薬品製造会社の社員が病気になり、
自分のために病院で処方してもらった薬を
調剤薬局に受け取りに行ったとき、
「うちの会社のクスリだけは出さないでください」
と、調剤薬局の薬剤師に訴えたという話も聞いたことがあります。
実際にあまりにもいい加減なジェネリック薬品を作っていて、
製造停止を命ぜられた会社もあります。
日本のジェネリック薬品やその程度のものです。
私は抗癌剤治療で、
数種類のジェネリック薬品を使っています。
すべて先発の抗癌剤も製造しているメーカーが作っている後発品です。
後発品だけしか作っていない製薬会社のジェネリックは、
使っていません。
大々的に「効果は同じ」と宣伝している製薬会社は、
ジェネリック薬品専門メーカーのような気がします。
何度かそのような会社が、
その会社のジェネリック薬品を使って欲しいと、
セールスに来たことはありますが、
宣伝マンが、
その抗癌剤についての知識にあまりにも無知であることに、
唖然としました。
実際にそのようなメーカーのジェネリック薬品は、
「値段も違うが効果も違う」
という事実も嫌というほど見ていますので、
それ以降、
ジェネリック薬品専門メーカーの抗癌剤は、
まったく信用していません。勿論、開発・治験などを経て、
先発抗癌剤を作っているメーカーの
ジェネリック薬品といえども、
「ジェネリック薬品 ≠ 先発薬品」
である事実は十分に承知していますが、先発抗癌剤製造にまったく経験の無い、
ジェネリック薬品専門メーカーとは違い、
会社の威信に賭けて、
「いい加減なものは作らないのではないか」
という若干の信頼もあり、同時に、私の抗癌剤治療では、
効果と副作用を逐一確認しながら使っていますので、
効果があって副作用が少ないのであれば、
「値段が安い」ほうが良いに決まっていますので、
種類は多くはありませんが現在は使っています。しかし、驚いたことに、
エビデンス、EBMを連呼する、
某がんセンターでも、ジェネリック薬品しか作っていない製薬会社の
怪しげな後発抗癌剤を使っていました。セカンドオピニオンに来られたある患者さんが持参した、
抗癌剤治療の説明書を見ると、
メーカー名まで明記されていました。
エビデンスはすべて、
先発抗癌剤から得られたものです。しかし、前述のとおり、
「ジェネリック抗癌剤 ≠ 先発抗癌剤」です。
エビデンスが出されたのは先発抗癌剤であり、
「似て非なるジェネリック抗癌剤」には、
エビデンスは存在しません。後発抗癌剤と先発抗癌剤の同一性の根拠は、
高々20名の健常者または動物での、
血液中の濃度に統計学的有意差が無い、
ただそれだけのことです。先発抗癌剤を使って、
何百、何千あるいは何万人もの患者さんの統計データから、
得られたエビデンスとは比較にならない信頼度です。勿論、エビデンスとは、
患者集団のハナシであり、
個々の患者さんの治療効果を担保するものではありませんが、
それにしがみついて、それだけを根拠に治療を行っている病院としては、
20名の健常者または動物のデータだけを根拠に、
その怪しげなクスリを使ってよいものでしょうか。エビデンスにこだわり、
否、それだけに縛られ、
小数点以下の数字にまで気を使っている病院とは思えません。
どうせエビデンスの無い治療をするならば、
患者さんが懇願する、
副作用の無い治療を行うべきだと思いますが、
そうはいきません。一見、患者さんの医療費を配慮しての、エビデンスの無いジェネリック抗癌剤の登場
かのようにも思えますが、標準量の抗癌剤治療を使った治療では、
ジェネリック抗癌剤でも、
高額医療になりますから、
患者さんにとっての経済的な負担は変わりません。逆に「効果は違うも値段は安い」ジェネリック薬品のために、
中途半端な値段になると、
高額医療費に届かなくなり、
むしろ患者さんの負担が増すことにもなります。公的な病院などでは、
国是のためには、
患者さんの経済負担など、
そして実はエビデンスも、
あまり関係ないのでしょうね。治らないガンを宿した国民は、
お国の負担を軽くして、
似非エビデンスに従わされ、
粛々と亡くなっていけということでしょうか。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
本日は強烈な一日でした。連休のためでしょうか。
11日月曜日午前中は、
外来診療を予定していますが、
休日はあまり人気がありません。
患者さんが集中してしまい、
大忙しでした。
あまり忙しくない日でも、
昼食を摂る時間は無く、
ケムリだけで過ごすのですが、
本日は節煙にもなりました。
お蔭様で半年分以上買いだめしておいたタバコも、
あまり減りませんでした。
患者さんには、
長い時間待たせてご迷惑をおかけしました。
本日は疲れ果てました。
ブログは休診にします。
一杯飲んで、
早く寝ます。
以上 文責 梅澤 充
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エビデンスどおりに、
決められた種類の抗癌剤を
あらかじめ決められた量だけ、
粛々と入れていくだけの、標準的な抗癌剤治療などは、
それを行うのは医者である必要はない、
ロボットで十分だ、などということを何回も書きました。
しかし、先日、柳田邦夫著「壊れる日本人」の一節を見て、
「私自身もロボットになりかけている」と唖然とさせられました。
「壊れる日本人」から一部抜粋省略して書きます。
現在は医療の現場ではパソコンが普及している、
検査データを見るのもパソコン、カルテを書くのもパソコン。
そして同じパソコンから必要な薬の処方もできる。
あるとき、長期にわたり肝臓病で外来診療を受けている患者さんに、
医者はパソコン画面だけを見て、
前回の検査データを確認し、
患者さんの話すことをそのパソコンカルテに書き込み、
「症状は安定していますね、いつもの薬を出してておきます」
と、言ったところ、
患者さんから、
「センセイ、今日は顔も見てくれないし、
聴診器もあててくれなかった、身体に触ってくださいよ」
と言われて、
医者は慌てて
「そうですね、お変わりないようですが、念のため聴診器で診ておきましょう」
と言ったまではよかったが、
右手に持っていたのは聴診器ではなく、
パソコンのマウスで、
それを患者さんの胸にあてようとしてしまった・・・
笑い話のようですが、
しかし現在の日本の医療現場では、
十分に起こりうる話です。現在私が診療を行っている大塚北口診療所では、
まだパソコンを使った電子カルテは導入されておらず、
血液データはカルテに貼ってある紙を見なければなりませんが、
重要なCTや超音波などの画像診断は、
検査が終われば10分以内に、
すべて机の上のパソコンで見ることができます。
過去の画像との比較も、
右手のマウスと自分の目があれば、
簡単に検索できます。
時間に余裕があるときには、
患者さんの顔を見て、
十分にお話をすることができますが、
忙しいときには、
カルテ上の採血データと、
当日の採血結果、
それとパソコン画面の画像診断だけで、
次の患者さんのカルテを気にしながら、「お変わりないですね」
「病気は良い方向に向かっているようですから、
同じ点滴でいきましょう」
と、簡単に片付けてしまうことも、
少なくなくなってきました。患者さんの身体に触ることも、
診ることも、
外来診療ではあまりしなくなってしまいました。
入院中の患者さんに対して、
時々行うくらいです。
忙しさの責任にしてしまえばそれまでですが、
本来の「手当て」という医療の原点は、
科学技術の進歩により、
いつの間にか何処かに置き去りにされてしまいました。10年位前までは、
問診、視診、聴診、打診、触診と、
五感を駆使して、
診療をしていましたが、
現在の現場では、
それはできなくなってしまいました。
五感を生かした診察は、
時間がかかります。
その割りに、
得られる収穫は、
画像診断や血液検査などの科学的なデータと比較すると、
あまり大きくはありません。
打診などは、
1000回行って1度くらい、
胸水などが見つかる程度です。
CTならば一目瞭然。
しかし、患者さんには、
身体的にも経済的にも負担はかけません。
1日5人~10人程度の患者さんであれば、五感での診療と科学的な検査の併用で、
理想的な診療が可能になるのでしょうけれども、
そんなことをすれば、
医療機関はすぐに赤字になり、
潰れてしまいます。世の中、思うとおりにはいきません。
柳田邦夫氏の文章を読んで、
自分の現実も見せつけられた感じがしましたが、やはり最終的には、
日本の医療は貧しい、
という結論になるような気がします。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
先日2歳の子供が、
自宅近くの踏み切りで電車に跳ねられて亡くなるという
痛ましい事故の報道がありました。
2歳児の死亡原因のトップは、
不慮の事故でしょうから、
ご両親にはお気の毒ですが、
珍しいことではありません。
しかし、同じ日に、
ある老人ホームの建物に、
隣接する工事現場から、
クレーン車が倒れ掛かったというニュースがありました。
そのクレーンはホームの一部の、
お年寄りの居住区を直撃し破壊したようですが、
そこにお住まいの100歳のお年よりは、
まったくの無傷だったそうです。
富士山の駐車場で、
他にいくらでも場所はあるのに、
偶然一台の車が駐車していた場所に落石があり、
その直撃を受けて亡くなったかたもいました。
一台分隣に停めていたら・・・
一つの飛行機が落ちて、
同時に発生した500もの遺体を見たこともあります。
100歳のお年寄りが無事だったことは、
幸運なことでしたが、
すべてただの偶然でしょうか。
何か、誰も知らない力が働いているような気がしてなりません。その力があったから、
100年間も生きることができたようにも感じます。毎日、人間の生と死を見つめていると、
「偶然」では説明つかないことが、
あるいは「偶然としか考えられない」ことがたくさんあります。似非治療に捕まることなく、
すぐに真っ当な治療をしていれば、
まったく別の世界が広がっていた患者さんもいます。はじめから標準的に大量の抗癌剤が投与され、
その一発で、
ノックアウトになった患者さんもいます。勿論、すべてご自身で選択された道です。
サプリメントなどの似非治療を勧める、
「悪魔の囁き」を聞かなければ、
アリ地獄に嵌ることはなかったでしょうし、
「ガン → がんセンター」
という単純思考を持っていなければ、
あるいはご親族にがんセンター信仰が無ければ、
「がんセンター → 標準治療 → エビデンスどおりの死」
という経過も無かったと思われます。
すべて偶然ではなく、
何者かの見えない力が働いたような気がします。
あるいは偶然だったのかも知れません。
すべての出来事を「運」というのかもしれません。
祖父はガンで入院していたのですが、
病院で祖父の余命は1週間もないと言われて、
家族が「ならば、家に引き取る」と病院側の猛反対を押し切って、
病院での治療をやめ自宅介護したら、
祖父はその後5年、生き延びました。
というコメントをいただきましたが、
もし、コメントが真実ならば、
病院にいたら、
その予言どおりの結果であったかも知れません。そうならなかったのは、
患者さんの「運」があったのか、
ご家族の「勘」が存在したのかも知れません。人の命は、
「運」と「勘」だけで、
神様に遊ばれているような気がします。日本人のノーベル化学賞を取得しましたが、
医学、ことに医療は学問どおりにはいきません。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
手術後には、「あなたの場合再発する確立は低い」
「高くはありません」などと言われたのに再発をしてしまった。
という患者さんは少なくありません。「高くはない」
という場合の相場は、
それを言う人間で違います。50%の確率を「高くない」という人もいますし、
「高い」という人もいます。
30%でも高いという人もいます。
患者さんと医者でも、
その捉え方は、
大きく違うはずです。現在のガン治療では、
エビデンス一辺倒ですから、
曖昧な「高くはない」ではなく、
そのステージではどの程度の数字が出ているのか、
シッカリと聞いてください。しかし、何回も書いているとおり、
同じステージでも、
リンパ節への転移具合や、
ガンが発生した臓器へのガンの進展程度など、
様々な違いがあっても、
十把一絡げに、
同じステージに押し込められている場合も少なくありません。
「少なくない」と曖昧な言い方をしましたが、私の感覚からすると、
ガンは百人百様であり、
百人の術後患者さんがいたら、
ステージは100まであると考えています。同じステージでも、
個々の患者さんで予測される再発確率は違います。
再発をきたす確率が高いと思われるステージⅡも、
その確率が、
文字通り「高くない」と考えられるステージⅡもあります。
同じステージⅣの手術不能の患者さんでは、
生存期間中央値は、
エビデンスで決まっていても、
個々の患者さんで、
予測される生存期間は違っています。手術後に、
執刀医が、
「再発の確率は高くはない」
と言うのは、
ひとつには、
外科医の患者さんへの優しさだと思います。確率など高くても低くても、
一人の患者さんにとっては、
当たるか外れるかの二つに一つでしかありません。将来、再発をしなかった場合、
「確率が高い」と言われ、
ビクビクしながら生活するのと、
「高くない」と言われて、
安心して生活するのとでは、
こころのQOLは大きく違います。一般的に日本では、
再発確率の多寡により治療を選択されるわけではなく、
術後に何か再発予防の治療をするにしても、
ステージにより十把一絡げにされるだけの、
標準的な治療しか存在しませんから、
ビクビクして生活するより、
こころのゆとりを持って生活してもらうことを、
外科医は考えているのだと思います。あるいは、
ガンの進展状況から考え、
それ以上は無理であった、
最善の手術であっても、手術直後に、
「再発確率が高いような手術をしたのか」
と患者さんに思われるのが嫌だという外科医の本音も
あるように思います。再発の可能性の多寡は、
個々の患者さんで皆さん違います。同じステージでも、
安心してよい患者さんもいれば、
心配したほうがよいかたもいます。心配するべき患者さんであれば、
エビデンスなどなくても、
やるべきこともあります。
再発してからでは遅すぎます。
ステージという、
十把一絡げの集団に押し込められるのではなく、
ご自身が置かれている立場を、
真剣に見つめてみてください。そのためには、
ご自身の足を使って、
お近くのがんセンターなど、
データの宝庫である病院など、
できる限り多くの病院へ、
セカンドオピニオンを受けに行くのがベストだと思います。
以上 文責 梅澤 充
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月初恒例のレセプトのお仕事です。
休診にします。
以上 文責 梅澤 充
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一般的に消化器のガンで、
肝臓に転移がある場合、
肝臓の転移病巣を同時に切除することもありますが、多くの患者さんでは手術不能と判断されます。それに対して、
従来は、
「切除不能 → 標準治療 → エビデンスどおりの死」
と十把一絡げにされていた、
多発肝転移などを伴う状態で、
肝臓転移病巣の合併切除不能の大腸ガンの患者さんに対して、術前に抗癌剤治療(標準治療)を行うと、
3分の1の患者さんで、
肉眼的な根治手術が可能になるというデータがあります。今年のASCOで報告されたデータですが、
あらためて読み直してみると、
まだ臨床試験段階ですが、
信憑性は高そうです。
日本では健康保険では認められていませんので、
それを行う施設はほとんどないと思われることが残念です。
肉眼的な根治手術が可能といっても、
何回も書いている、
「治ったモドキ」状態が得られるに過ぎませんが、手術不能の烙印を押され、
標準的な結果を待つよりも、
まがりなりにも切除手術が可能になるのとでは、
大きな違いがあるはずです。論文では、
手術不能の状態での標準治療だけの場合との、
患者さんの生存期間の差については、
まだ、ハッキリとした数字は出ていませんが、
手術を行い肉眼的な根治切除ができれば、
その後の治療にも、
幅が出てきます。
大きな延命、
場合によっては、
「切除不能 → 標準治療 → エビデンスどおりの死」
から逃れて、天寿を全うできる、
本当に根治状態に至ることもありえます。日本の健康保険でも、
エビデンスはありませんが、
ASCOでの臨床試験を少しアレンジすれば、
治療は可能になると思われます。
ガン治療は、
大腸ガンに限らず、
確実に進歩しています。はじめから、
「諦めの標準治療」は、
一歩下がって考えたほうが無難です。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
昨日の「誰の治療?」に対して、
幾つかのコメントをいただきました。
二枚舌、というご意見もありました。
一つのコメントは削除しました。
以下のコメントはそのまま晒してあります。
少し配慮を
次の文面は、あまりにも患者に対する配慮が欠けてるのではありませんか?
誰でも死亡確率は100%です。
全ての癌が同一でないとおっしゃってる先生が十把一絡的な投げやりにも
感じ取れる発言、患者には辛いです。
お二人とも、
再発をきたした場合、
死亡確率は100%に近くなります。
それを真剣に考えておられるか否か、
文面からは考えると大いに疑問が残ります。
私は投げやりだとも、
思慮を欠いているとも思っていません。以下のコメントもありました。
それにしても、自分や家族の重大な問題を、
病歴や治療歴や画像などの情報を全く持たない人に相談して、
どれほど信頼できる答えが返ってくると思っているのでしょうか?
そう考えるのが普通であり、
こちらが私の考え方に近いと思います。顔も見たことがなく、
病気・その患者さんに対する情報もまったく無い状態で
たくさんいただくご質問の多くは、
このブログも含めて、
ネット上にすべて答えが出ています。このブログを5年近く続け、
1700回以上更新しています。
原稿用紙にすると、
恐らく1万枚はラクに超えていると思います。当然のことですが、
私はこのブログをすべて読んでいます。
自分で書いているのですから。私以外に、
数人の知人に頼んで、
必ず読んでもらっています。
違和感があったり、
思慮に欠いているときには指摘してもらっています。その知人と私以外に、
すべてを読んでいるかたは、
どのくらいいるでしょうか。「言葉って難しい?」というコメントもありました。
「二枚舌」「ダブルスタンダード」と書かれてきた投稿者もいます。
このブログは、
ガンを患う患者さんにとって、
わずかでも参考になればと考えて、
書き続けています。「生」「命」「死」「ガン」という、
答えの無い問題について、
正しい考え方など存在しません。だからこそ、
巷にはイカサマ治療も蔓延っています。
そのイカサマ似非治療とて、
必ずしも「害」だけではありません。
良い面も何処かにあります。
つい先日も、
ホメオパシーに騙された患者さんが来られましたが、
それとて、
前にも書いたとおり、
「神社仏閣へのお参り」
「オマジナイ」と考えれば、
けっして害ではありません。
話はそれましたが、
全文をお読みいただければ、
お分かりになると思いますが、
私は、かなり
答えの無い現実を書くことに対して、
「配慮」はしているつもりです。
しかし、
右に配慮すれば、
左には思慮に欠く内容になると思います。
永遠に答えなど出ない問題について語るとき、
「二枚舌」「ダブルスタンダード」どころか、
舌もスタンダードも何十、何百も必要になるでしょう。しかし、理解されるか否かは別にして、
私の根本的な考え方は、
総論では一貫して変わっていません。
各論では、
時間と共に、
すなわち、自分自身が歳をとったり、
新しい事実を学んだりしてきて、
かなり変わっています。
そして、その自分の中で変わってきた最新の事を、
このブログに書いていくことは、
悪いことだとは考えていません。このブログでは、
如何なるコメント投稿されるのもご自由にするために、
敢えてオープンにしています。
何を書かれるのもご自由です。
しかし同時にこのブログは、
ほとんどボランティアで支えていただき、
僅かですが私もお金をかけて立ち上げているブログですから、
これからも私独自の視点で勝手なことを書いていきます。意に沿わないコメントは、
「FC2ブログ」への「報告」というかたちで削除します。私には分からない便利な機能があり、
「報告」するとスパムメールとして、
二度と投稿できなくなるようです。
他の「FC2ブログ」へも投稿拒否になるかも知れません。
その点はご注意ください。お嫌いであれば、
読まないでください。
私も嫌なコメントは、
遠慮無く「報告」します。ただそれだけです。わざわざパソコンや携帯を駆使して、
読む必要はまったくありません。
日本は「人民日報」しか読むことができない国ではありませんので。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。
以下のコメントをいただきました。
いつも拝見しております。
舌ガンを手術して2年経ちました。
幸いリンパ節への転移も無くUFTを2年間服用していました。
先月よりUFTを処方されなくなり、抗がん剤は飲んでいません。
UFTの服用期間が2年で大丈夫なのか、それ以上の期間の見続けるべきなのか
お教え下さいますようお願い致します。
いろんなページを探しましたが、これというページが無いようなので、
ここで先生の意見を…
同時に、メールでも似たような内容での、
質問をいただきました。
一部抜粋コピーを掲載します。
貴殿の著書「間違いだらけの抗ガン剤治療」を読んで、
そのような使用法もあるのかと感心しております。
今年7月末にたまたまPETで肺ガンらしき物が見つかり、
8月25日右肺上葉肺を切除致しました。リンパ節に転移なし。
担当医では形が悪い(たぶん血管が集まっている形)ので、
抗ガン剤を2年間服用してみても良いとのことで
UFT(150mg/0.75g)を1日3袋服用しております。
小生としては昼に服用すると昼からだるさがあるので、
昼の服用をやめようかと担当医に相談しましたところ、
「きちんと飲むか、あるいはやめるかだ」との返答でありました。
1日3袋のところを2袋にしても良いのでないかと思われますが、
どのように考えた方がいいでしょうか。
前者のコメントは、
「いつも拝見しています」となっていますが、
そうであれば、
答えを何回も見ているはずです。
セカンドオピニオンに来られるのはかまいませんが、
このブログを精読されるだけでも十分だと思います。
いろんなページを探しましたが、これというページが無いようなので・・・
どのようなネットのページを見たのかは知りませんが、
私のこのブログの「いろんなページ」には、
このコメントの投稿者に対するお答えは散りばめてあります。是非、再度お読みください。
後者のご質問は、
拙著だけをお読みいただいただけのようですので、
このブログを読まれることをお勧めしました。お二方に共通することですが、
誰のための、
何を目的とした治療なのでしょうか。
その当たり前のことが見えません。またガン治療を考える上で、
絶対に必要な患者さんの年齢が抜けています。年齢が書かれていない紹介状は存在しません。お二人とも、
再発をきたした場合、
死亡確率は100%に近くなります。それを真剣に考えておられるか否か、
文面からは考えると大いに疑問が残ります。日本中が震撼した新型インフルエンザでは、
死亡確率は0.1%にも遠くおよびません。
どんなに恐ろしい伝染病でも、
狂犬病を除けば、
死亡確率は50%以下です。
一方、ガンは再発したときには、
多くの場合、
死亡確率は100%です。他人が死ぬのではありません。
亡くなるのは再発をした患者さんです。
患者さんのガンが再発して命を落としても、
主治医の命にはまったく関係ありません。ガンは統計学どうり、
すなわちエビデンスどおりの確率で再発してきます。そして、その後の経過は、
標準的にお決まりのコースを辿ります。ただそれだけのことですが、
その確率を少しでも減らそうと考えるのは、
主治医だけの仕事ではありません。
医者はエビデンスの範疇でした判断をしません。ご自身、ご家族の努力は、
大きく予後を左右します。メールという安直な方法では、
適確で納得できる治療方針などを見つけることは、
不可能だと思います。このブログは、
徒然にくだらないことも(ばかり?)たくさん書いていますが、
患者さんにとって有用な内容もたくさん(少しは)散りばめられています。それをシッカリと理解されるほうが、
メール一通よりは、
余程手間はかかると思いますが、
ご自身にとって有用な情報を得ることができると思います。是非、ご自身の力で答えを出してください。以上 文責 梅澤 充
著者に許可無く当ブログの文章をインターネットその他に転記・転載することは堅く禁じます。