オモテのコメントをいただきました。
とても重要な内容が含まれています。
オモテですのでそのまま再掲します。
件名 : 他人へ勧める場合の注意
一読者さんは、梅澤先生の本をご友人に勧めるのに、かなり慎重に対応なされたようですね。
そうであっても、受け取られた方が同じ感想を持ってくれるとはかぎりません。
自分の思い入れが強くても、他人に同じことを期待しすぎると、思わぬ拒絶反応にあったりすることもあります。
私は梅澤先生と出会い、大きな利益を得たので、私の受けた治療法を、同じ病気の人に最近よく紹介したりしていますが、何度か予期せぬ反応を受けたりするので、最初はかなり控え目な紹介をするように気をつけています。
友人のお母様が胃がんで腹膜播種があったのに、がんセンターで「とりあえずやってみましょう」とだまし討ち抗がん剤治療を受けさせられようとしていました。
「もう根治の望みは薄く延命治療でしかないのだから強い抗がん剤治療は考えものですよ」と助言をしたら「手術をやってもらったばかりなのに、そこまで考えられない」と拒否反応を示され、以後音信不通になってしまいました。
親切心からいろいろ私がいろいろ経験し、勉強した知識をたくさん提供したのですが、どうも押しつけがましくていけなかったようです。
人の考え方や価値観はさまざまであることを、身にしみて感じている昨今です。
健康食品の場合はかなり頻繁に見受けます。
「○○を勧められたけど、飲んでイイですか?」
「△△をいただいたのですがどうしたらイイですか?」
という質問はしばしばいただきます。
ハッキリいっていい迷惑です。
(私にではありません、患者さんにです。)
周囲の人々は、それぞれ心配をして、
イロイロな情報を何処かから、聞きかじってきて、
それを、心配している患者さんに紹介しているのだとは思います。
しかし、ガンという病は命にかかわる病気です。
患者さんご自身の治療は、
患者さんが一番真剣に考えています。
さまざまな角度からガン治療を考えることは
とても重要なことだと思います。
そして、一つの治療にしがみつくことなく、
すべての治療のいいとこ取りをしていくべきだと考えています。
しかし、患者さんご自身が真剣に考え、
結論が出そうになっている時に
横からまったく別の情報が入ると、
患者さんは迷ってしまいます。
その結果、変な方向へ進んでしまうこともありえます。
勿論、間違った方向から正しい進路へ方向転換することもありえます。
ヘンテコな治療に足を踏み入れてしまったなら、
それは気の毒すぎます。
そのような悲劇は何度も見てきました。
酷い状態になってからはじめてきた患者さんに、
「何で、その治療だけしなかったのですか?」
「○○さんから、とても良く効くと聞いたから・・・・」
このような会話は何回したか分かりません。
常識的に考えてあまりにもおかしな方向へ進もうとしている患者さんだけに
シッカリとアドバイスしてあげてください。
私は、ヘンテコな治療はしているつもりはありませんが、
私が行っていることが、
万人に合う治療だとはさらさら思っていません。
以前にも書きましたが、
ほんの僅かな抗癌剤での治療で
思わぬ効果をみて、
ガンが見る見る縮小するという患者さんもおられますが、
私が、最低限度の目標にしているのは、
ガンを抱いたまま長生きしてもらうことです。
「ガンとの同居」
言葉の上では簡単で、
すんなりと頭に入ってくるかもしれません。
しかし、大きくならないといっても、
小さくならないガンとともに生活をしていくのは、
精神衛生上けっして楽なことではないと思われます。
辛く、しかも、エビデンスどおりに長生きはすることは
あまり期待できない標準的抗癌剤治療では、
一度はガンが大きく縮小する可能性を秘めています。
奏功率のとおりの確率で、
その恩恵に与ることができます。
虚しい快感かもしれませんが、
一時的にでもガンが縮小する確率では、
標準的抗癌剤治療に勝る治療はありません。
小量の抗癌剤での副作用を来たさない治療は、
「しつこく居座るガンと仲良くしていく」
「ガンを目の仇にしない」という、
強靭で穏やかな精神力が無いとできないことかもしれません。
私のことを紹介してくださるのはありがたいことですが、
拙著「間違いだらけの抗癌剤治療」をお勧めいただくか、
このブログでも覗くことくらいからはじめていただきたいと思います。
患者さんの過大な自己評価で
期待され過ぎても困りますので・・・・
「標準治療よりはラクで長生きはできる」とは考えていますが、
上述のようにある程度の精神力も必要な治療です。
このコメントには、もう一つ重要なことがあります。
「もう根治の望みは薄く延命治療でしかないのだから強い抗がん剤治療は考えものですよ」
これは、至極まっとうなアドバイスだと思いますが、
『「手術をやってもらったばかりなのに、そこまで考えられない」
と拒否反応を示され』
この、ように誤解されている患者さんは多いのではないでしょうか。
治療は医者のためにするのではありません。
患者さんのためにあるのです。
医者に遠慮する必要はまったくありません。
その点だけは遠慮無く、
すべての患者さんにアドバイスしてあげてください。
以上 文責 梅澤 充