言いたかったことは、
「身体にそして生活に優しい治療からスタートしましょう。
残念ながら、それが上手くいかなかったら、
少しずつ厳しい治療に移行していけばよい。
それでもけっして遅くはない。」
ということです。
飲む抗癌剤での治療は、身体に優しいだけではありません。
病院に通院・入院する必要がありません。
それだけでも、患者さんにとっては大きな魅力であるはずです。
それでダメなら、次に通院で抗癌剤の点滴治療を追加すれば良いだけです。
昨日の記述でチョット分かり難かったところもあったと思います。以下の部分です。
ほとんど副作用の伴わない量の経口抗癌剤で
ガンの増殖が止まれば、
少なくともその増殖停止期間は患者さんは延命できたことになると思います。
大きな延命効果は出ていません。
また、今では抗癌剤治療での延命効果は確認されています。
すなわち無治療で放置するより数ヶ月延命できるというエビデンスが出ています。
しかし、それは、長い抗癌剤治療の歴史から考えるとホンの最近の出来事です。
大腸ガンに対する抗癌剤治療で延命効果が証明されたのが1992年。
胃ガン、肺ガンでは1995年頃のことです。
それまで、抗癌剤治療には延命効果は認められませんでした。
無治療の患者さんと比較して、
抗癌剤治療を行った患者さんのグループの平均寿命は延びていませんでした。
しかし、ガンが縮小するという奏功率は立派に存在していました。
ガンが縮小するのに、何故延命効果が得られなかったのでしょうか。
このブログを書き始めた頃の
1月10日の「抗癌剤治療は有効に効いても長生きできない!?」
でも書きましたが、
一番考えられる理由は、
ガンが縮小した、すなわち抗癌剤治療に効果を見た患者さんは
無治療の患者さんより長生きしたと思いますが、
抗癌剤が効かなかった患者さんでは、
無治療の患者さんより、
「抗癌剤の副作用で寿命を縮めてしまった」ために
平均すると、無治療と変わらないことになってしまうだと思われます。
抗癌剤治療では、多少長生きできる患者さんもいるけど、
寿命を縮める患者さんもいるから、平均すると無治療と一緒。
ということになっていたものと思われます。
しかし、その寿命を縮めた副作用は
抗癌剤治療が有効に効いた患者さんにも一様に降りかかります。
効かなかった患者さんだけが被るのではありません。
したがって、一時的にガンが縮小したといえども、
その副作用のために大きな延命は得られないというのが
現在の抗癌剤治療の現状です。
患者さんの命を脅かすのは、ガンばかりではないのです。
抗癌剤そのものも人間の寿命を縮めるのです。
抗癌剤のなかには、戦争中人間を殺傷するために開発された毒ガス兵器や、
原住民族が動物を狩する時の毒矢の矢毒として使用していた薬剤などから転用されているものもあるくらいであり、
間違って使えばそれが人を殺傷することは容易に想像できます。
それら薬剤が人の寿命を延ばすものでないことは明らかです。
したがって、その使用量を最小限度にして
副作用を発現させないレベルにまで減量しての治療であれば、
ガンは縮小しなくとも、
増大が抑えられている時間だけは、
抗癌剤による寿命の短縮がありませんから、
延命期間になるはずです。
少なくとも、その期間は患者さんは、
副作用に束縛されることなく今までどおり普通の日常生活が営めるはずです。
最小量の経口の抗癌剤治療で、
半年間ガンの増大が抑えられたのであれば、
その期間は延命期間になります。
さらに、何度も書いているとおり、
最小限の抗癌剤を使った治療では、
いくらでも次の治療に移ることが可能です。
その次の治療で、またガンの増大が抑えられれば、
その期間がまた延命期間になります。
現在の乳ガン、卵巣ガン、大腸ガンなどを除き多くのガンでは、
標準的抗癌剤治療のエビデンスで、
半年間の延命効果を認める数字はほとんど出ていません。
それも、目一杯の副作用を受けてのうえでです。
全身状態を現在の良いままに保っておけば、
厳しい治療は何時でも受けることができます。
しかし、全身状態を悪くしてしまうと、
優しい治療も難しくなります。
現在も、標準的抗癌剤治療をタップリと受けてこられ、
優しい治療も儘ならない患者さんを何人も診ています。
もったいないことです。
以上 文責 梅澤 充
追記:11月28日の「入院治療」に対して、
徒然雲さんからコメントを頂きました。
免疫治療で有名な某医院に関するニュースのページを教えて頂きました。
やっぱり、彼もガンビジネスに走っていたようですね。
オモテのコメントですので是非ご覧ください。
この某医院についての真相は知りませんが、
私の知る範囲で、「免疫治療」を謳っているところで、
患者さんを紹介できるような真っ当なところは知りません。
怪しげなところばかりです。
騙されないで下さい。