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惑星観測所の記録

アニメの感想、雑記など徒然と記すブログ マイペースにまったり更新中

『きみの友だち』について 



君の友だち


新潮文庫にて出版、著者は重松清さん。
あとがき合わせて436ページ。


ネタバレがございますので、まだ読んでないって人は気を付けてくださいね。








ふらりと本屋さんに立ち寄って、数多の小説たちを何気なく眺めていたら本作を発見。
何だかしっとりさせてくれるタイトル名だな、と感じて手に取り、あらすじを読んで私の好きそうな雰囲気だったので購入。
そんなわけでこの作品と出会ったわけですけど、本作は両手が必要なぐらいの数の短編を通して「『真の』友だちとはなんなのか」について書かれているものです。
最後まで読み終えた感想としては……うーん、よくもなく悪くもなくといった感じかな(^-^;)
多分、この作品は万人受けするような作品ではないんだと思います。
んー、まぁ何と言いますか、どの話も「結」の部分に頼りなさがある気がするんだよね。
ふと思いついた例がそれを説明するに相応しいかちょっと自信ないんだけど、例えば突風が吹くじゃないですか。
そうすると誰だって目をつぶったり手で髪を押さえたり、友達とかと一緒だったら「スゴい風だったね!?」みたいな感じの事を話したりすると思うんです。
でも、この作品はそういうタイプの作品じゃないんですよね。
言うなれば、「そよ風」みたいな作品。
確かにそこを流れてるんだけど、誰も気にも留めないし話にも上がらない。ただただサーッと流れていく。そんな作品です。
交通事故で左足が不自由になってしまって、松葉杖の生活が余儀なくなった恵美と生れつき病弱で入退院を繰り返し、その結果ロクに学校も行けない女の子・由香との話はまだいいんですけど
恵美の弟であるブンとその周りの人たちの話になると、特にそれが顕著に見られる気がします。
だから、私個人としては「これ絶対に読んでね!」ってオススメはしません。

ただ、「友だちとは何たるか」についてある種の筆者なりの見解がそこはかとなく見え隠れしているのもまた事実。
特に印象に残ってるのは、中学3年生になってほとんど入院してばかりになってしまった由香ちゃんのために、転校して間もない西村さんがクラスの「みんな」で千羽鶴を折ろうとする話でしょうか。
クラスの女子がたくさん放課後に残ってくれる中、恵美はさっさと帰っちゃうんだよね。
クラスの子たちは恵美の事を協調性がないって苦言を呈するだろうし、確かに千羽鶴の中に恵美の折った鶴がなかったら意味がないのかもしれない。
でも、恵美にとって放課後残って千羽鶴を折る事で「形だけのお見舞い」をするよりも、1分1秒でもいいから由香ちゃんの傍にいてたくさんの思い出を作っていきたかったんだろうね。
中学3年生にもなれば、由香ちゃんが最終的にどうなってしまうかぐらいは分かってくるから。
だから、一生忘れられない思い出を作るんだ……って。
恵美と由香ちゃんの関係はとてもステキで、少し羨ましくも感じたなぁ。
「友だち」であって「友だち」でない関係なんだよね、多分。
というか、言葉で言い表せられる類のものではないんだと思います。
本当の意味での「友だち」って、私にはいるんだろうか……一生忘れたくないと願うような友だちが。


もしこれからこの作品を読むような方がいらっしゃれば、我慢して先へ先へと進んでください。
多分、序盤~中盤ぐらいまではちょっと辛いと思います。
でも、先へ進むにつれて、恵美の言葉を一つ一つ肌で感じるたびにどこか心地よい気分になれる……はずです。
願わくば、全ての読者が「読んでよかった」と思える作品であらんことを。



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2012/01/23 Mon. 08:00  edit

Category: .書籍物の感想 小説

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