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『柳橋物語 山崎辰三郎特集』 嵐芳三郎

芳三郎です。『柳橋班』は、今日はまた名古屋に帰ってきました。こっちは秋になったのかなと思ったら、日中はまだまだ気温が高めです。道行く人の装いも夏服のまま。そろそろ持ってきた上着を着たい。ずっとキャリーバッグに入れてるのがちょっと邪魔。

と、旅の日常から入った今日のブログ。本日は山崎辰三郎先輩の特集です。ご本人からのコメントと写真をどうぞ!

権二郎に変身

『柳橋物語』今回のコースでは、飛脚屋の権二郎を勤めさせて頂いております。

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幾多の災難に、もがき苦しむ、 ( おせん ) 。その ( おせん ) に、心優しく手を差し伸べる市井の人達。下町の人情が温かく描かれているのが『柳橋物語』です。

そんな登場人物の中で、唯一、 ( おせん ) を悪口で追い込む、嫌われ者として登場するのが、 ( 権二郎 ) であると言えましょうか。 初めて演出部から、権二郎の配役を頂いた時は、「主人公達と同世代に見えなきゃいけないし、あくの強い役柄は、チョットなぁ、、、、」と、正直、気乗りがしませんでした。 しかし、台本を読み直してみると、芝居が展開してゆくポイント・ポイントで登場する、大事な役どころである事が改めて判明。

初演時のパンフレットにも脚本の田島栄さんが、「単なる悪人では、リアリティーがなくなる。ただ噂好きの酒ぐせの悪い男である方が現実的、、、、」と書かれていました。 私なりの ( 卑俗な男・権二郎 ) を作り出さねばと、舞台に立っています。

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今回、『柳橋物語』の再演に臨んで、痛感した事がいくつかあります。 まず、周五郎先生の原作の素晴らしさ! 当たり前だと言われそうですが、原作を読み直す中、何度も「ウワァー!」と、唸りたくなりました。その人物描写・自然描写の圧倒的な筆力には、只々脱帽です。

そして、田島栄さんの脚色台本の巧みさ! 初演が、約40年前。「古さ」を観客に感じさせない展開に、「さぶ」と並んで周五郎作品への愛情がほとばしる素敵な脚本だと思うのです。

そして、80歳をゆうに超えた、演出家十島英明さんの衰えぬパッション! 私が入座した当時、十島さんは既に何本も演出を手掛けていらっしゃいましたが、稽古場での情熱溢れる姿が強く印象に残っています。俳優に情熱をぶつけて魅力を引き出す。その姿を見せ続けて下さいと、願わないではいられません。

劇団に入座して、44年目。 『柳橋物語』は、北陸巡演・帰京しての三越劇場公演とまだまだ続きます。 素敵な周五郎作品の舞台に立ち続けていられる ( 幸せ ) を想う毎日です。

記 山崎辰三郎

辰三郎先輩のように、劇団員全員が芝居に携わって生きていけることを、『幸せ』に感じなきゃだめですよね。素敵なコメントありがとうございました。辰三郎さんとのツーショットなどあまりないので、せっかくなので一枚!

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「権二郎」と「幸太」。舞台上では幸太が権二郎の胸ぐらをつかむシーンがあって、大先輩なので僕が遠慮気味になってしまうのを、「もっと乱暴にやんなきゃ駄目だよ!」と、注意してくれました。やりにくいけど、思いっきり乱暴にやらせて頂きます。

本日のおまけ
役者の日常企画

山崎辰三郎さんの趣味は料理!!。最近は関西の公演などで長期に同じ場所に滞在するときは、ホテルではなくウイークリーマンションを使用する場合があります。辰三郎さんはいつもマンションを希望。なぜならキッチンがあるからです。そして若手達に自慢の手料理をご馳走してくれます。それが、どの料理も本当に美味しい!!とくに天ぷら!ころもが厚過ぎず薄すぎずで、さっくさくで、具材の良さを引き出してる。ほんとにプロの天ぷらみたい。辰三郎さ~ん、またご馳走してくださいねー!!

記 嵐芳三郎
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