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ウルトラシブリン その58 「TDF基地爆破計画」

シブリンは地球防衛軍極東基地の格納庫を間借りして、ヘルスチェックを受けていた。

「ミライさん!
出入り口に侵入者!!」


「え?まさか。」


「今、ココに入ろうとしていた…。」


「あのね、シブリン、この格納庫は基地のほぼ中心なのよ。たとえ侵入者がここに来ようとしても、それまでに、通路に張り巡らされている何種類ものセンサーや監視カメラを掻い潜るなんて・・・…」

「それが出来てここまでやって来たとしたらどうするのさ。」

「・・・隊長。シブリンが格納庫に入ろうとした不審者を目撃したそうです。」

『何? 不審者?』 


『駄目だ・・・ここからじゃ外が全く見えない。』


『だが、どのカメラにもそれらしいものは映っていない。整備員と見間違えたんじゃないのか?』


「・・・直接この目で確かめる。」 


「ちょっと!まだ測定中・・・
もうっ」


『確か向こうに・・・

・・・ダメか・・・。
防衛の為の透視出来ない壁もこんな時不便ね・・・。

一瞬しか見えなかったけど、データベース照合・・・ボーグ…星人?
以前にも侵入されているって・・・なにやってるのかなぁ・・・。
第21区画のカメラにアクセス・・・
?何も通っていない?・・・いや、僅かに反射した痕跡・・・
映像操作・・・じゃない、光学迷彩?

あと探知可能なのは通信電波・・・!? 発信電波?何? !起動信号?・・・! まさか!』





「うわーっ!」
「きゃあ!!」

「!」

「ホーク発進カタパルトと第2ゲートが爆発しました!!
負傷者多数!!」

「大変!!」

「ミライさん!これは陽動!ボーグ星人はこの混乱に紛れて、他の施設を襲うはず。

第23区画周辺の警備を!!」

「隊長!シブリンが不審者はボーグ星人だと言っています。
第23区画周辺の警戒を求めています!」

「この爆発はボーグ星人の仕業なのか!?」

『こ・・・こちら第24区画・・・し・・・侵入者・・・至急、応援・・・』

「23区から24区に・・・いかん!奴は原子炉を襲う気だ!!」



「待てえっ!!」


「フッ・・・」

「危ないッ!下がって!」


「ウルトラ戦士が地球に居るとは聞いていたが・・・
まさか我々の爆破計画を察知して、地球防衛軍基地の格納庫で待機しているとはな・・・」

「あいにく偶然居合わせただけ!
それより、ココまでフリーパスで来られたって事は、アンタの体はレーダーで探知出来ない素材で覆われているって訳?」

「フッフッフッ・・・そうだ。この全身を覆う鎧は探知に使用される殆どの波長を消波するだけでなく、映像素子を撹乱する反射板になっているのだ。」

「目的はココの爆破ってワケ?」

「そうだ。そしてもう一つ・・・」

「もう一つ?」

「ウルトラ戦士の抹殺だ」

「!」

「食らえ」

「要らないわよ!!」

「ムウゥ~」


「これ以上アンタの思い通りにはさせないから!」



つづく

ウルトラシブリン その59 「TDF基地爆破計画」

「とにかく、アイツを基地から追い出す。

第18区画の例の場所に誘導出来るようにして」
「分かった!」

「フッフッフッ・・・」


「行くぞ」

『コイツ・・・データベースのスペックよりも小柄ね・・・』


「フン!」
「たあっ!」

「ぐっ…!」
『重い蹴り、甲冑は伊達じゃないようね。』

『でも・・・なんだか、組み手をやってる感覚・・・』

『コイツ・・・ひょっとしたら・・・』


「まさかと思うけど、アンタ、新米の兵士?」

「そうだ、まだ私は訓練兵だ。」


「先鋭隊の階級を得るには、この作戦を遂行することが必要なのだ。」

「!アンタの試験の為に、無関係の人達が犠牲になる道理なんて・・・」

「フン!」
「!」

「このっ・・・」

「てぇぃ!」


「おのれ・・・」
「ならば、お前から葬ってやる。」


「基地の爆破はその後だ。」


「対ウルトラ戦士用に開発した強化剤の力・・・見せてやる・・・」

「・・・って、ちょっと!!ココは禁煙・・・!?」

「ン・・・!」


「ンっ!!ムウウウウ~」


「!いけないっ!」


つづく

ウルトラシブリン その60 「TDF基地爆破計画」

「急いでみんな退避して!!」


「ウグゥううう~放せ・・・」
「こんなところで自爆なんかさせない!」

「フッフッフッ・・・」
「何が可笑しいの・・・?」

「!?」

「うあっ!!」

「フッフッフッ・・・私が自爆などという愚かな事をすると思ったのか。」

「ちょっと…アンタ、大きくなってない?」

「言ったはずだ。強化剤の力を見せてやるとな。」


「ふんっ!」
「フッフッフッ」

「てぇいっ!!」
「ぐおっ」

「う…ううっ…」

「クスリとの相性が悪い様ね。早く撤退して処置しないと・・・…」
「!?」

「あぐぁっ!!」

「ううっ・・・」
「この強化剤は、我々に適した成分に改良してある…」

「ぐはぁ!!…」
「お前たちが知っている様な粗悪品ではない。」

「粗悪品?何の事?」

「うあっ!!」 

「フッフッフッフッ・・・
多くの侵略者を倒した噂のウルトラ戦士が、こんな小娘とはな・・・」

「ぐっ…あ…がっ…」
「今からは自分の心配をするんだな。」

「うぐっ!」

「がはぁっ!」

「これ以上痛め付けられたくなければ、降伏しろ・・・」

「力の差は歴然だ。お前に勝ち目は無い」

「・・・くっ」
「ひざまづいて・・・そうだ、早く降伏しろ。」

「アンタこそ!」
「!」

「クスリに頼った時点で、自分の負けを認めたようなもんじゃないのさ!」

「私を倒さなければ試験は合格出来ないんでしょ?
悪いけど、そんなものに頼っているアンタなんかに、負けるつもりは無いから!!」
「!」

『さあっ!追ってきてよ!』


つづく

ウルトラシブリン その62 「TDF基地爆破計画」

「何を考えている?」

「あうっ」

「私を原子炉から引き離そうとしても無駄だ」

「ぐぅッ」

「オマエを倒した後でも出来る事だからな」

「あ…あぁ・・・」
「・・・丁度いい場所があるな・・・」


「うあっ!」


「ここをオマエの墓場にしてやる」

「うぁ…」
「フッフッフッ・・・さっきまでの威勢はどうした?」

「あ・・・」
「腰が抜けたか?」
「くッ!」


「フッフッフッ・・・ロックしてワタシごと閉じ込めたつもりか・・・無駄なこ・・・」


「!?」
「うぉっ!?


な…何だ?」

「・・・ッ!この…区域の部屋は全て…超重力実験施設…」


「なん…だと? ムン・・・ウウ~ッ」

「高速エレベーターにも成っているから、このまま地上まで直行よ!!」

「ぐううっ」

「ぬおぉっ・・・・・・ンンン~ッ」
「無駄よ!100メートル級の怪獣の足も止められる程の重力だから、
このサイズじゃ・・・」
「ウグゥ~・・・ンンン~ッ」

「無・・・!?
ウ…ウソでしょ・・・」
「ウグォォォォ・・・」

「フウッ・・・フウッ・・・舐めた…真似を…」


「こいつで切り刻んでやる・・・」

「!?」
『くっ…この体勢じゃ・・・避けられない…』 

「あ…ああっ…」

「フッフッフッ…胸部のプロテクターが最も硬いことくらい知っている。そんなところは狙わない」


「むんっ!」

「!!」


つづく

ウルトラシブリン その63 「TDF基地爆破計画」

「何!? 刃が・・・折れただと!?」



「そうか…全身の皮膚硬度を極限まで硬くしたのか・・・」


「ならば・・・」
「!? ちょっ!…こんなところで!?・・・」

「うわあああっ!!」



「・・・」



「うう・・・」

「ハアッ…ハアッ…」

「!」 


「・・・フンッ…フンッ…」


「あそこが発進ゲート・・・思っていたよりも引き離されたな・・・」

「ゲートをこじ開けてこのまま中に入るか・・・」


「ま・・・待ってよ・・・」


「?」
「ん・・・」

「わ…」
「私を葬るのが先なんでしょ?」


「!!」




「てえいっ!!」
「ぐぉ?」


 
「踏んだり蹴ったり好き放題してくれたけど、今度はこっちの番だからねっ!!」




つづく

ウルトラシブリン その64 「TDF基地爆破計画」

「小娘が!!」


「あんただって!!」

「クスリを使って大きくなっただけで、中身は私と同じくらいじゃないのさ!」
「大きくなっただけではない。パワーもウルトラ戦士の5倍以上は出せる」

「ハァ?じゃあ私の10倍以上あるって事?」

「フッフッフッ…お前に勝ち目は無いのだ。」
「そんなこと!!」

「フンッ!ンンン~~ッ!!」

「フッフッフッ・・・」

「こっのぉぉぉぉっ!!」
「ナニッ!?」

「バカな!パワーは確実に私の方が上のはずだ」
「重力部屋での事?あんなところでアンタと力比べするつもりなんて無かったから。」

「ぬああああッ!」

「!?」

「ムゥゥ」

「ハッ!!」
「グォッ」


「てぃやああっ!!」
「グェ」

「ウウゥ・・・」

「!」
「おのれぇぇぇ」

「ウオオオッ」
『…?押しが弱く成っている?』
「タアッ」

「ウオオオッ」
「ダァッ」
「っと!!」

『動きも鈍ってる。クスリの効能が弱まっているの?』
「今までのお返し!」

「ウッアッウアアアアア!!」

『後ろを取った!今だ!』




つづく

ウルトラシブリン その66 「TDF基地爆破計画」

「!?」


「うあっ!!」


「な・・・何?」
『後ろ?』

「フンッ!」
 「!!」
「ぐはぁっ!」

『後ろを取ったつもりが、取られていたってワケね…』

『宇宙船・・・アイツもレーダー波に引っかからない装備が…』

『こっちに?』

「ナニ?アンタが相手?」

「上等じゃないのさ!」


「!?何よ…それ・・・シールド…なの?」

「フッフッフッ…」
「!くッ…後ろ・・・から

・・・こっ・・・の・・・」

「てえいっ!!」


「うあっ!!」

「ぐうぅぅ・・・」

「1対2…ってワケね」

「!」

「・・・う・・・それにしてもこのジクジクする傷み・・・
防御層が再生されないなんて・・・どうなってるのよ…」

「ヒーリングライトでは傷口を塞ぐのが精一杯なのに・・・」

「傷口を狙われたら・・・」

「アザになっちゃう!」
「うわっ!」

「このっ!!」


「なんなのよアレ!エネルギー障壁じゃないの?」
「フッフッフッ・・・あの絶対防御の障壁を破る事は不可能だ」

「あっそう!!」
「グォッ」

「それなら!!」

「くっ!!」

「これにするか」

「アンタからを叩き落とす!」




つづく

ウルトラシブリン その67 「TDF基地爆破計画」

「はっ!!」


「てえいっ!!」


「むんっ!」

「やあっ!」

『あのシールド・・・原理は分からないけど・・・』

『衝撃エネルギーでブッ飛ばす事は出来そうね』

「ふんっ!」

「やっ!」
「てぃやっ!」

「よしっ!」

「えいっ!」

「たあっ!」
「!」

「はっ!!」
「てゃあ!!」


「エイッ!」

「むんっ!」
「オオッ!?」


「ぬぉぉぉぉ・・・・」

「でえいっ!」
「ウウゥゥゥ・・・」


「・・・」






つづく

ウルトラシブリン その68 「TDF基地爆破計画」

『機能が停止していれば、シールドは出ないはず』


「アアッ!!」

「イカン!!」
「ウォアアア~ッ!!」

「なっ!?」

「宇宙船を…庇った?」

「残り少ないエネルギーで先にワタシ撃たなかったのは致命的なミスだったな。」


「ムッ…ムウゥゥゥゥゥ~」

「フッフッフッ・・・」

「船はこの様に私の武器になるだけでなく、積載された強化剤を体内に直接投与する事が出来る…


しかも、吸気式よりも効果の持続力が有る。
さあ、逃げるなら今だぞ。これが最後のチャンスだ。」

「くどいわね。
言ったはずよ。そんなものに頼っているアンタなんかに、負けるつもりは無いって。」

「後悔するぞ・・・」

「・・・」

「フンッ!」

「!」
「ぐっ!」

「うあっ!」
『・・・このパンチの威力・・・さっきのキックと同程度…なら、キックはどれくらいに・・・』

「!!」
『だからって受ける訳に行かない!』

「くっ!」


「!?」

「ぐはあっ!!」



「ワタシの力量を測っているつもりだろうが、無駄な事だ。」


「くっ・・・」


つづく

ウルトラシブリン その69 「TDF基地爆破計画」

『シブリン!キリユウだ。今、そっちの援護に向かっている』

「援護?どうやって?」


『昔、先代がやっていた兵法に倣ってさ!もう少し頑張ってくれ!』
「うん、それで、怪我した人達は?」

『幸い死者は出ていないが、重傷者が多数で、その応急処置が追い付かない。基地内の生命維持装置を全機フル可動させている。まだしばらくかかりそうだ』

「・・・そう、分かった。」



「フッフッフッ…」

『…シールドか…』

「もう普通のキックじゃだめだ・・・流星キックで急所を撃つしかない・・・

それには動きを止めて背後を取らないと・・・
隊長たちの援護があれば・・・あと…10分くらいかな…』

『それまでアイツが待ってくれるワケ…無いよね』

『懐に入ってエネルギー衝撃波を撃ち込んで、動きを封じる…』

『よし、行ける!』
「ナニッ!?」

「ハアァァァァ・・・ッ」

「破ァッ!!」
「うグォッ!!」

「・・・」
「よし・・・?」

「え・・・?」

「ウ…ウソでしょ・・・」

「フッフッフッ…何を驚いているのだ?」

「うあっ!」

「あ…ありえない!エネルギー衝撃波をシールドで完全に消すなんて!」


「フッフッフッ…絶対防御の障壁を破る事は不可能だと言った筈だ。」

「フンッ!」

「うあっ!」
「フンッ!」

「!!」
「フッフッフッ・・・」

「う…あぁ・・・」

『ま…まずい・・・か…肩が…』

「さあ、腕を引きちぎってやろうか」

「・・・冗談は…やめてよね」

「いつまで強気で居るつもりだ?」

「や・・・やめて!」

「ぐはあっ!!」

「ぐううう・・・」
「フッフッフッ・・・」


つづく
プロフィール

ガルダンガンガル

Author:ガルダンガンガル
歳を重ねる毎に忘れてしまう幼少のころに手にした、あるいは目にした、おもちゃ(プラモもオマケも“おもちゃ”に含む)に関する記憶を残しておく事から始めたブログも、気が付けば干支が一回り。
今では可動フィギュアに魅せられてイロイロ改造を施してイロイロポーズを取らせたり、二次創作をしてみたり。

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