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2025-06-11

在日クルド人についてのまとめ

歴史的経緯*

川口市クルド人コミュニティ形成に関しては、複数の初期移住者が知られている。最初川口に住んだクルド人通称川口メフメト(川口メメット)」)は1990年頃に川口へ移り住んだとされる。彼はトルコでの迫害弾圧を逃れ、当初はオーストラリアへの渡航を目指していたが、イスタンブール空港イラン人から川口暮らしやすい」と勧められたことをきっかけに来日し、川口生活を始めた(後にトルコ帰国)。

難民申請者の法的地位*

最初短期滞在観光ビザ)で入国し、滞在中に難民認定を行う。

難民認定申請を行うと、短期滞在から特定活動就労可:六か月)へ変更でき、働けるようになる。

一回目の難民申請が不認定になった場合特定活動就労可)の更新はできなくなる。

二回目の難民認定申請を行っている最中は別のタイプ特定活動就労不可:3か月)へ変更になる。

二回目不認定後も同じ理由難民申請をしても、もう在留資格はもらえない。不法残留者として収容対象になる。

ただし、収容対象者でもその多くは仮放免健康上人道上理由一時的収容を免れた状態)で収容所の外で暮らしている。

https://www.moj.go.jp/isa/refugee/procedures/nanmin_nintei_shinsei_00001.html

日本合法的に働けるのは、住民登録社会保険労働保険対象になるのは、(1)特定活動就労可:六か月)で在留している難民申請者、(2)難民認定あるいは在留特別許可で他の在留資格を取得したものに限られる。

不法残留者の数*

令和7年1月1日現在不法残留者数は、7万4,863人であり、令和6年1月1日現在の7万9,113人に比べ、4,250人(5.4%)減少

(1) ベトナム 14,296 人 (-1,510人)

(2)  タイ 11,337 人 (- 157人)

(3)  韓国 10,600人 (- 269人)

(4)  中国 6,565人 (- 316人)

(5) フィリピン 4,684人 (- 385人)

(6) インドネシア 4,631人 (+  94人)

(7) 台湾 2,983人 (- 208人)

(8) スリランカ 2,043人 (+ 42人)

(9)  カンボジア 1,380人 (- 351人)

(10) トルコ 1,372人 (+  83人)

https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00053.html

トルコ国籍者のほとんどをクルド難民申請者としても絶対数は決して多くない。

また、強制退去処分をした数は1万8,908人(令和六年)、うちトルコ国籍者は471名で数的に突出しているわけではない。

ただし、被退令仮放免者、つまり強制退去命令が出ているにも関わらず帰国拒否し、外で生活している人間の数でいうとトルコが、579人と最も多く、被退令仮放免者全体の23.7パーセントを占めた。 また、トルコに次いで、イランスリランカパキスタンナイジェリアの順となっており、これら上位5か国で全体の57.3パーセントを占めた。

https://www.moj.go.jp/isa/publications/press/09_00011.html

人口*

川口市外国人住民数は約4万8千人で総人口の8%。そのうちトルコ国籍者は1513人。

https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01020/010/toukei/12/43956.html

ただし、住民登録ができるのは在留資格を持つものに限られる(特定活動就労可:六か月)で在留している難民申請者、または難民認定あるいは在留特別許可で他の在留資格を取得したもの)。

去年の朝日新聞には「1990年ごろからトルコ国籍のクルド人が住むように。現在約3千人が暮らしているとされる。」という記述がある。

仮に正しいとすると、約半数の1500人が合法的滞在許可を持たないと思われる。

https://www.asahi.com/articles/ASS4M4DZ9S4MUTIL01CM.html

学識者による整理*

イルファン・アクタン(クルド語版), 長沢栄治, 稲葉奈々子, 村上薫, 岡真理調査報告 KARIHŌMEN 日本で《クルド》として生きるということ」、プロジェクト・ワタン事務局2024年6月2024年9月3日閲覧。http://www.projectwatan.jp/wp-content/uploads/2024/06/20220717_FN-2.pdf

川口エリア川口市蕨市)には、現在、2000人ともいわれるトルコ国籍のクルド人が、解体業などの仕事に就きながら生活しています日本人と結婚永住権を得た人を除き、ほとんど全員が難民申請していますが、つい先日(7月12日)札幌高裁判決により初の難民認定者が出るまで、認定された人はおらず、多くが仮放免者として不安定生活を強いられています難民申請を行うと、手続きが終了するまで強制送還が停止されますしか申請の結果、難民認定となれば在留資格は取り消されます。その場合、「人道的配慮」による在留許可を得られなければ、非正規滞在となり、入管収容施設に収容されるか、仮放免者となります在留許可更新されなかった人についても同様です。川口エリアクルド人あいだでは、最近在留許可更新できず、仮放免になる人が増えているそうです。 仮放免者は入管収容を免れるとはいえ就労禁止され、移動の自由を奪われます健康保険に加入することもできません。仮放免とはつまり、人が生きていく上で最も基本的権利を奪われた状態なのです。この「身分なき身分」としての《仮放免》は、人の生にいかなる困難をもたらすのでしょうか。 

2025-03-25

anond:20250325234012

ここ2年間でなく歴史的に見るべきだと思う。歴史的に見たなら、イスラエルパレスチナ土地ヨーロッパ諸国が無理やり奪って植民地したこと誕生し、徐々にパレスチナ土地さら占領して拡大していっている。要はヨーロッパで起きたユダヤ人虐殺問題を、パレスチナ土地勝手に利用して解消しようとしたわけで、ヨーロッパ植民地主義と人種差別交錯する事態なのよ。それが悪化してるのがここ最近のこと。この辺りの事情岡真理の本とかに詳しい。

この経緯を踏まえたときイスラエルパレスチナは決して「どっちもどっち」じゃなくて、パレスチナ占領しようとして侵攻するイスラエルと対抗するパレスチナという構図になる。だから、親パレスチナで報じる方がそもそも自然なんだと思うよ。でも、アメリカヨーロッパ諸国には、イスラエル支援し、この事態に加担してきたところが多くて、そうすると政治家などはイスラエル批判しづらくなる。日本で親パレスチナ報道が多いのは、アメリカとかと違ってイスラエルとの癒着が薄いか報道やすいんじゃないかな。国際的人権団体アムネスティとか)はどこもイスラエル非難する方向だと思う。

2024-12-09

(その2)クルド人ジャーナリストが語る在日クルド人

イルファン・アクタン, 長沢栄治, 稲葉奈々子, 村上薫, 岡真理調査報告 KARIHŌMEN 日本で《クルド》として生きるということ」、

プロジェクト・ワタン事務局2024年6月2024年9月3日

http://www.projectwatan.jp/wp-content/uploads/2024/06/20220717_FN-2.pdf

子供教育

特に男の子は、小中学校で直面する言葉の壁や人種差別的な経験もあって、しばらくすると学校を退学し、高校にも進学しません。思春期以降、18 歳になる前から父親や親戚と一緒に家屋解体仕事に就く者もいます。一方、仮放免女子は、男子に比べて働く機会が少ないので、どんなに困難があっても教育の場に残ろうとします。「学校をやめたら、結婚するしかない」と蕨のカフェ勉強していたクルド女子高生 2 人は口を揃えて言いました。

また、学業が非常に優秀だったり大学卒であったりしても、仮放免者の就職保証するものではありません。ビザがなければ教育ほとんど役立ちません。例えば、映画東京クルド』に登場するラマザンというクルド青年は、専門教育を受けたものの、ビザの発給を待つ間仕事が見つからず、家屋解体仕事を始めました。のちにビザを取得したのですが、今も家屋解体仕事を続けています。おそらく親族関係のなかで働くことが、彼に安心感を与えているのかもしれません。同様に、シリア出身クルド青年も、大学卒業日本修士号を取得したにもかかわらず、現在家屋解体仕事従事しています

家族の離散

先月(2022 年 6 月)、大変痛ましい一家離散のケースに遭遇しました。あるクルド高校生が、学校での差別言葉の壁からトルコに帰りたい」とずっと両親に訴えていました。トルコに戻りたい一心で、彼は学校試験白紙答案を提出し、わざと成績が悪くなるようにしていたと父親から聞きました。その結果、彼は学校を辞め、母親は泣く泣く息子を連れてトルコ帰国しました。

(中略)その家族は、日本が幼い子供たちを追い出し、一家崩壊につながったと考えています。母と息子はトルコに戻りましたが、父親政治的経済的理由日本に残ったからです。日本で働いて得たお金トルコ家族を養わなければならない父親は、今、川口の小さな家で一人、家族を恋しく思いながら、先行きの分からない生活を送っています

フキャン(川口多数派)以外のクルド

フキャン人と心ならずも共生余儀なくされている他地域出身クルド人もいます。マフキャン人が家屋解体業を営んでいるため、他地域出身クルド人はマフキャン人の雇い主に雇ってもらうことが多くなります仮放免クルド人は、他の業種で仕事に就くことができないため、マフキャン人と一緒に働くしかなく、彼らとうまく付き合っていかなければなりません。時には男女関係から生じる問題や、ハラスメント不倫事件、労使間の緊張からコミュニティ男性同士の喧嘩家族間の問題が起こり、共同体から個人排除されることもあります

フキャンの出身ではないあるクルド青年は、「マフキャン人同士で争ってもしばらくすれば和解するが、自分が彼らと争うとなると行き場がない。だから私たちはとても注意しなければならない」と語っています

日本人の責任

労働災害障害を負い、再就職できなくても、仮放免クルド人は、健康保険に加入できないため何の保障もありません。それがもうひとつ不安感につながっていきます。あるクルド労働者は、「若いうちに一生懸命働いてお金を貯めておけば、もし自分障害者になったり、明日死んだりしても、子どもたちが飢えることはないだろう」と語っていました。また、高齢病気を抱える仮放免者は、年金保障がないため飢餓に直面しています心臓疾患のある仮放免クルド人は、マフキャン部族の親戚の経済的支援を受けて家族を養っています。つまり日本に暮らす高齢クルド人が安心して暮らせるのは、日本政府ではなく、マフキャンの部族主義、氏族親族関係のおかげなのです。そのため、当人はつねにクルド社会内部のバランスを観察し、争いに与らず、必要に応じて強者の側につくようにしています

今日、この会場で私の話を聞いてくださっている日本のみなさまに申し上げます毎日、前を通っている家の中で悲惨事件が起こり、子供虐待され、女性暴力を受けていると想像してください。その家の前を通りかかるだけでは、何が起こっているのかは分からない。しかし、虐待被害にあった子ども暴力被害にあった女性がその家の窓から外を見たときあなたの姿が目に入るのです。その窓の前を通り過ぎるときあなたは楽しそうに笑っていることもあるでしょう。その家の中で起こっている悲劇を知らないのだからあなたには責任はない。しかし、その家で起こっていることを誰かに言われてもなお無関心でいれば、暴力を振るう加害者共犯者になってしまます

クルド人ジャーナリストが語る在日クルド人

イルファン・アクタン, 長沢栄治, 稲葉奈々子, 村上薫, 岡真理調査報告 KARIHŌMEN 日本で《クルド》として生きるということ」、

プロジェクト・ワタン事務局2024年6月2024年9月3日閲覧。

http://www.projectwatan.jp/wp-content/uploads/2024/06/20220717_FN-2.pdf

なぜ解体業につくのか*

日本では、川口メフメトがこの地で家屋解体業を営んでいたため、後から来た人たちはそのままこの部門で働くことになりました。 しかし、クルド人が家屋解体業に従事する理由はそれだけではありません。一つは、家屋解体作業では日本語を話す必要がないことです。また、仮放免の者たちがほとんどですので、他の業種に就けないことも理由の一つです。入国管理局による厳しいルールの一つとして、仮放免の者は就労禁止されています。そのため、ほとんどの者たちが違法に働くことを余儀なくされています。また、近年では、日本人との結婚によって日本での在留資格を得たクルド人が、仮放免親族を内々に雇用して、家屋解体業社を設立するケースも出てきています

在日クルド人の労働条件*

在日クルド人の労働条件についても触れておきましょう。労働安全の面では、世界的に大きな発展を遂げていますが、在日クルドはいまだ中世のような条件のもとで働いています。ご存知のように、仮放免身分の者は就労を禁じられています。この禁止は、人々を餓死させることに等しいものです。この禁止令のせいで、クルド人は不法就労を強いられています就労が解禁されれば、家屋解体工事に携わる者たちの労24安全を確保するための研修検査が行われ、安全作業を行うことができるようになります仮放免の者は公的医療サービスを受けることができません。そのため、仕事中に事故に遭った場合治療をするにも莫大な費用がかかります資本主義的な医療制度は、日本政府がクルド人に課している「仮放免」という奴隷制度をさらに深刻化させています。同じく仮放免身分クルド人は、居住している都道府県の外への移動、つまり移動の自由が禁じられています。また、家屋解体以外の職に従事することもできません。

クルド人の女性地位*

女性たち同士はほとんど家で会っていて、日常生活が家に「閉じこめられている」と言えます男性たちは朝早く家を出て、家の解体作業しますが、女性たちは家で育児家事をして、社交も家でします。週末には夫や子どもたちと公園に行き、一緒に過ごします。したがって一部の例外を除いて、日本社会在日クルド人の間には社会的相互浸透がありません。 1960年代から70年代にかけて、欧米フェミニスト家庭内暴力に対して女性が街頭に出ることを呼びかけましたが、アフリカン・アメリカンフェミニスト作家ベル・フックスは、街頭に出ることは黒人女性にとって解決にならないと主張しました。黒人女性にとって街頭は人種差別さらされる場所であり、路上での暴力差別は、時に家庭内暴力よりもはるかに激しいものでした。日本にいるクルド女性にも同じことが言えると思います

在日クルド人の社会*

クルド部族構造では、個人家族の間の問題は、部族を治める家族族長が介入して、問題エスカレートする前に解決することができるのですが、在日クルド人同士の問題に介入して、反目し合っている人たちを和解させるには、超家族的、超部族的な構造がないために時間を要しがちです。家族間や個人間の緊張、恨み、喧嘩が数カ月、時には数年続くこともあります。 その一方で在日クルド人は、日本国家や日本社会排他的な態度ゆえに、クルド人同士で問題があったとしてもその関係を解消することができません。「外部に対抗して団結する」というモチベーションが非常に高いのです。そのため、クルド人同士の紛争は、まさにこの理由自然解決することもあります。お互いに問題を抱えたり、仲違いしたりした家族個人が、共通親族結婚式や弔い事、週末のピクニックなどに集まり、そこで和解することもあります

2009-09-23

うまく話が通じてないと思った(女性器切除の話)

うまく話が通じてないと思った(「女性器切除」)

女性器切除」

http://anond.hatelabo.jp/20090923003429

に端を発する

「ちょっと待って、「女性器切除」の話題!」

http://d.hatena.ne.jp/font-da/20090923/1253674546

ブックマークコメントを流し読みしてみたが、やや話が通じてないような気がして非常にもやもやした。

この問題に明るくない人間には読みにくいよ。

という指摘があったが確かにそうなのかもしれん。(font-daさんのエントリが悪いわけでは全くない。)

ブックマークコメントをながめていて、私は古典であるサイードの「オリエンタリズム」を読めばいいのに、とまず感じた。岡真理の著作は読んだ事はないが、引用されている部分は「オリエンタリズム」で議論されていた事にルーツがあり、あれを読めばまず基礎の認識ができると思ったから。「イスラーム」と出てきて面食らってる人もいるようだし、想像以上に多くの人にその辺の前提が共有されてないと思った。(「前提が共有されてない」などという生易しい状況ではない恐ろしい人も若干いるようだが……)

だがこのエントリですら長くて読めないと言ってる人たちには無理な話だし、どうしたものか。

私に才能があれば「やるおで学ぶ『オリエンタリズム』」を作ればいいのだろうが……

「彼らは、自分自分を代表することができず、だれかに代表してもらわなければならない」

カール・マルクス『ルイ・ボナパルトのブリューメル十八日』

エドワード・W. サイードオリエンタリズム」より孫引き

先進国(旧帝国主義国)でありなおかつ非白人(が多い)の日本人はこのような問題を考えるのに面白い立場にいると思うのだが……

 
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