Entries
『裏長屋騒動記』お殿様です。河原崎國太郎
お殿様です
「裏長屋騒動記」で、やっと三幕目に登場します土浦藩藩主赤井綱正を勤めさせていただいております。
薄納戸色綸子紗綾形の着付けに朱に金の帯。藤色の紗の道服を着ています。
道服は高貴な方が自宅で羽織っていたそうで、肩と袖に組紐が使われています。
綸子紗綾形はお殿様やお姫様のお決まりの衣裳です。色はそれぞれの役柄や役者の好みで決めていきますが、今回は薄納戸色で柔らかさが出ました。
「雁金」という紋を付けております。
同じ場面に登場していますお侍の裃にも同じ紋が付いていますが、これは赤井家の家臣であるという事で、お殿様と同じ紋を付けています。
大詰めの花嫁行列で武井さん演じる千代田朴斎の裃にもこの紋が付いていて、家臣に取り立てられた事がわかるようになっています。
この「雁金」という紋は本当に赤井家さんで使われているようです。しかし赤井家が土浦藩の藩主であった事実はありません。松本・朽木・西尾・大河内といったお殿様が藩主を勤められ、その後土屋家が長く藩主となっており、家紋は「三石」。
土浦藩は九万五千石の譜代大名で、この石高は全国185家中の中で54位にランク付けされています。
ですので今回のお芝居に出てくる赤井綱正とは全く関係ないという事をお知らせしておきます。
道服には撫子があしらわれています。私、山崎屋は正式には「角宝結び」という紋を使っていますが、代え紋として「撫子」も使っています。ですので撫子をあしらった道服を使わせて頂いています。
他のお芝居でも撫子をあしらった衣裳を着ていますから、ご注目下さい。
前進座は創立メンバーで松本清張作「左の腕」を世話物歌舞伎として創り、第二世代は鶴屋南北の「解脱衣楓累」を発掘初上演しました。
今回私どもの世代で新作世話物歌舞伎「裏長屋騒動記」を創れた事はこれからの私どもにとりまして大きな自信となりました。
山田洋次監督に、そしてご来場下さいました皆様に感謝いたします。
河原崎國太郎
「裏長屋騒動記」で、やっと三幕目に登場します土浦藩藩主赤井綱正を勤めさせていただいております。
薄納戸色綸子紗綾形の着付けに朱に金の帯。藤色の紗の道服を着ています。
道服は高貴な方が自宅で羽織っていたそうで、肩と袖に組紐が使われています。
綸子紗綾形はお殿様やお姫様のお決まりの衣裳です。色はそれぞれの役柄や役者の好みで決めていきますが、今回は薄納戸色で柔らかさが出ました。
「雁金」という紋を付けております。
同じ場面に登場していますお侍の裃にも同じ紋が付いていますが、これは赤井家の家臣であるという事で、お殿様と同じ紋を付けています。
大詰めの花嫁行列で武井さん演じる千代田朴斎の裃にもこの紋が付いていて、家臣に取り立てられた事がわかるようになっています。
この「雁金」という紋は本当に赤井家さんで使われているようです。しかし赤井家が土浦藩の藩主であった事実はありません。松本・朽木・西尾・大河内といったお殿様が藩主を勤められ、その後土屋家が長く藩主となっており、家紋は「三石」。
土浦藩は九万五千石の譜代大名で、この石高は全国185家中の中で54位にランク付けされています。
ですので今回のお芝居に出てくる赤井綱正とは全く関係ないという事をお知らせしておきます。
道服には撫子があしらわれています。私、山崎屋は正式には「角宝結び」という紋を使っていますが、代え紋として「撫子」も使っています。ですので撫子をあしらった道服を使わせて頂いています。
他のお芝居でも撫子をあしらった衣裳を着ていますから、ご注目下さい。
前進座は創立メンバーで松本清張作「左の腕」を世話物歌舞伎として創り、第二世代は鶴屋南北の「解脱衣楓累」を発掘初上演しました。
今回私どもの世代で新作世話物歌舞伎「裏長屋騒動記」を創れた事はこれからの私どもにとりまして大きな自信となりました。
山田洋次監督に、そしてご来場下さいました皆様に感謝いたします。
河原崎國太郎
- 関連記事
- カテゴリ : 『裏長屋騒動記』
- 2017-05-21
- コメント : 3
- トラックバック : -
[C266] 承認待ちコメント