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『柳橋物語』福山です!嵐芳三郎
岡山の六日間が終わり、今日は福山です。ぽかぽか陽気でセーターもいらなくなりました。これから先、着ないセーターをずっと持って旅を続けるのです。この時期の旅はそうしたもの。
それはさておき、今日は出演者紹介コーナーは一回お休み。
今回は三十数年前の楽屋裏話を書かせて頂きます。
「柳橋物語」の舞台稽古を観て下さった劇団の大先輩、いまむらいづみさんから聞いたお話です。いづみさんはこの芝居の初演から「おせん」を演じていらした。
「あんたのお父さんがね、幸太をやったとき、かんざしを忘れたのよ!」
僕の父とは六代目嵐芳三郎。しかし、父が幸太をやったことがあるとは知らなかった。
いづみさんのお話を書く前に、父が小道具のかんざしを忘れたシーンをご説明しよう。
幸太は思いを寄せるおせんに、かんざしをプレゼントしにきた。しかし受け取ろうとしないおせんに、幸太は無理に押し付けて行ってしまう。かんざしを手にしたおせんが家に帰ると、源六が「そのかんざしどうしたんだ?」と聞く。おせんは、「いらないって言ったのに、幸太さんが無理に押し付けて行ってしまったのよ」となる。ただそれだけのシーン。
ところが父は肝心のかんざしを忘れて舞台に出てしまった。困った父は小声で「ごめん、かんざし忘れた・・」といづみさんに告げたのだった。その後は二人も息が合っているので、うまくかんざしのくだりはカットして芝居を続けた。
しかし当時源六を演じていた役者は、かんざしが無いとは夢にも思わず、いつもの通り、「おせん、そのかんざしどうしたんだ」と言ってしまった。そこでいづみさんは、「かんざし?何の話?わたし知らないわよ・・」とやり過ごしたそうだ。源六はきょとん。
この話を僕にしてくれたいづみさんは、終始楽しそうだった。今となっては笑い話、いい思い出なのだなぁ、と思った。
この話を聞いて、かんざしだけは絶対に忘れないと、心に誓ったのでした。いやいや、かんざしに限らずどんな小道具も忘れちゃ駄目だけど。
話は変わって「かつら」のお話。
僕の幸太のかつらは三種類。
最初はきれいに整ったかつら。
火事のなか、源六をおぶって逃げるシーンでは、乱れたかつらになって、その後さらに乱れたかつらにかけ変える。
それがこちら。
急にかつらの話になりましたが、この乱れたかつらがとても気に入っているので、紹介したくなっちゃいました。
某画伯のイラストコーナー
幸太と源六の巻
本日のおまけ
ラーメン特集
「ヨッシーの、このラーメンうま三郎!」
去年の春、岡山に来た時からとても気になっていた。岡山駅から宿泊するホテルまで歩いていく途中に、小さいラーメン屋さんがある。それが、『中華そばのみせ 天神そば』さん。
お世辞にも綺麗なお店ではないし、人が並んでなかったら通り過ぎちゃうかも。でもいつも昼ごろ行列ができてるので、去年は昼公演が終わった後行ってみた。ところが営業時間は午前10時半から午後2時半まで。たった四時間しか開いてない。
なので去年は食べられなかったのだが、今回、一年かかってようやく食べられた。
福山への移動だけの日。開店と同時の10時半に行けば、列車に遅れることなくゆっくり食べられる。しかし、ラーメンのためにせっかく付いてるホテルの朝食を食べないなんて、もったいないこと僕にはできない。
7時前に起床して、食堂開店と同時にしっかり朝食は頂いて、そのあともう一回ベッドに入り二度寝、お腹を空かせて10時20分にはお店の前に並んだ。僕が一番乗りだった。すると、店から女性が出てきて、中で座ってていいですよと親切に言ってくれた。その人から聞いたのだけど、女性だけでやっている店なので、二時半までしか営業できないとのこと。
そして十数分後、念願がかなった。
こちらが「天神そば」。少しとろみを感じる鶏ガラ醤油味のスープは一口飲むと、「は~・・」っとほっとできる優しい味。ストレート麺もスープと良く合う。自家製チャーシューはとろとろ柔らかではなく、しっかり歯ごたえ肉の味が染み出る感じ。全体的に、ガツン!と強い個性のラーメンではなく、スタンダードな中華そばなのだが、お母さんが一つ一つの仕事を丁寧に作っているので、格別な一杯になっているのだと思う。個性的なラーメンはたまにでいいけど、ここのラーメンはまたすぐ食べたくなる。だから人気店なのだ。
僕が来て数分ですぐに満席。11時前に店を出るともう行列ができていた。それも納得、このラーメン間違いなく美味!よって、うま三郎!!
それにしても、朝食ばっちり食べて、その三時間後にはラーメン・・・食いしん坊な僕、そりゃ、太るわなぁ・・・
記 嵐芳三郎
それはさておき、今日は出演者紹介コーナーは一回お休み。
今回は三十数年前の楽屋裏話を書かせて頂きます。
「柳橋物語」の舞台稽古を観て下さった劇団の大先輩、いまむらいづみさんから聞いたお話です。いづみさんはこの芝居の初演から「おせん」を演じていらした。
「あんたのお父さんがね、幸太をやったとき、かんざしを忘れたのよ!」
僕の父とは六代目嵐芳三郎。しかし、父が幸太をやったことがあるとは知らなかった。
いづみさんのお話を書く前に、父が小道具のかんざしを忘れたシーンをご説明しよう。
幸太は思いを寄せるおせんに、かんざしをプレゼントしにきた。しかし受け取ろうとしないおせんに、幸太は無理に押し付けて行ってしまう。かんざしを手にしたおせんが家に帰ると、源六が「そのかんざしどうしたんだ?」と聞く。おせんは、「いらないって言ったのに、幸太さんが無理に押し付けて行ってしまったのよ」となる。ただそれだけのシーン。
ところが父は肝心のかんざしを忘れて舞台に出てしまった。困った父は小声で「ごめん、かんざし忘れた・・」といづみさんに告げたのだった。その後は二人も息が合っているので、うまくかんざしのくだりはカットして芝居を続けた。
しかし当時源六を演じていた役者は、かんざしが無いとは夢にも思わず、いつもの通り、「おせん、そのかんざしどうしたんだ」と言ってしまった。そこでいづみさんは、「かんざし?何の話?わたし知らないわよ・・」とやり過ごしたそうだ。源六はきょとん。
この話を僕にしてくれたいづみさんは、終始楽しそうだった。今となっては笑い話、いい思い出なのだなぁ、と思った。
この話を聞いて、かんざしだけは絶対に忘れないと、心に誓ったのでした。いやいや、かんざしに限らずどんな小道具も忘れちゃ駄目だけど。
話は変わって「かつら」のお話。
僕の幸太のかつらは三種類。
最初はきれいに整ったかつら。
火事のなか、源六をおぶって逃げるシーンでは、乱れたかつらになって、その後さらに乱れたかつらにかけ変える。
それがこちら。
急にかつらの話になりましたが、この乱れたかつらがとても気に入っているので、紹介したくなっちゃいました。
某画伯のイラストコーナー
幸太と源六の巻
本日のおまけ
ラーメン特集
「ヨッシーの、このラーメンうま三郎!」
去年の春、岡山に来た時からとても気になっていた。岡山駅から宿泊するホテルまで歩いていく途中に、小さいラーメン屋さんがある。それが、『中華そばのみせ 天神そば』さん。
お世辞にも綺麗なお店ではないし、人が並んでなかったら通り過ぎちゃうかも。でもいつも昼ごろ行列ができてるので、去年は昼公演が終わった後行ってみた。ところが営業時間は午前10時半から午後2時半まで。たった四時間しか開いてない。
なので去年は食べられなかったのだが、今回、一年かかってようやく食べられた。
福山への移動だけの日。開店と同時の10時半に行けば、列車に遅れることなくゆっくり食べられる。しかし、ラーメンのためにせっかく付いてるホテルの朝食を食べないなんて、もったいないこと僕にはできない。
7時前に起床して、食堂開店と同時にしっかり朝食は頂いて、そのあともう一回ベッドに入り二度寝、お腹を空かせて10時20分にはお店の前に並んだ。僕が一番乗りだった。すると、店から女性が出てきて、中で座ってていいですよと親切に言ってくれた。その人から聞いたのだけど、女性だけでやっている店なので、二時半までしか営業できないとのこと。
そして十数分後、念願がかなった。
こちらが「天神そば」。少しとろみを感じる鶏ガラ醤油味のスープは一口飲むと、「は~・・」っとほっとできる優しい味。ストレート麺もスープと良く合う。自家製チャーシューはとろとろ柔らかではなく、しっかり歯ごたえ肉の味が染み出る感じ。全体的に、ガツン!と強い個性のラーメンではなく、スタンダードな中華そばなのだが、お母さんが一つ一つの仕事を丁寧に作っているので、格別な一杯になっているのだと思う。個性的なラーメンはたまにでいいけど、ここのラーメンはまたすぐ食べたくなる。だから人気店なのだ。
僕が来て数分ですぐに満席。11時前に店を出るともう行列ができていた。それも納得、このラーメン間違いなく美味!よって、うま三郎!!
それにしても、朝食ばっちり食べて、その三時間後にはラーメン・・・食いしん坊な僕、そりゃ、太るわなぁ・・・
記 嵐芳三郎
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- カテゴリ : 柳橋物語
- 2017-04-06
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