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阿部和璧(あべかへき)が世の中の良いもの、凄いものを紹介する。
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「確かに面白くはあったのだけれど…」メイドラウンジin台湾~「カオスラウンジ・オープニングイベント」ニコニコ生放送を観て~
『村上隆&itkz出演!OTAKU
×CHAOS@台湾~それぞれのカタチ~』と題されたイベントは、1部は台湾の「OTAKU」の現状、2部はカオスの黒瀬さん、BOMEさん、Pixivの片桐社長がそれぞれ自身が関わっている展覧会の紹介。さらに日本のオタク文化が台湾を足掛かりとして世界へ展開していく可能性についての懇談した。第3部ではカオス、破滅の主要メンバーが集い、「カオスとは、破滅とは何か」とのトークを行ったのだが、少なくともニコ生上はそんな話は全部吹っ飛んで、「メイドラウンジ」というものになっていた。
多分、このニコ生を見てない人には、一体何が「メイドラウンジ」なのか分からないと思いますが、見ていた方もどう説明していいか難しい。簡単に説明してみると、会場には台湾の「OTAKU」系の若者が結構いて、その中になぜか6名ほどの同じメイド服を着た「メイドさん」が並んでおり、1部、2部までは時折、通訳が入る合間の箸休め的に会場の若者たちの姿を映していたのだが、3部になり、ニコ生視聴者の一部が猛烈に「メイドさん萌え!」的なコメントを書き込み始めると、ノリの良いカメラさん、編集さんがそのコメントに応え、「メイドさん」メインの映像を流し始たのだった。
それは司会をする黒瀬さんまでもが思わず笑い出してしまうほどのもので、このイベントを計画したであろう村上さんも青字のコメントで「冥土さんへ話を個人的にきくお~」などと悪ふざけの書き込みを画面にしていた。個人的には、何か貴重な話が聞けるかも、とペンを手に待機していたのだが、いつのまにかトークは二の次で、「メイドさん、カメラさんGJ(Good Job)」などいかに祭り的なコメントを書き込むかに腐心してしまっていた。見始めた開始20分過ぎには視聴者は2600人程度だったのが、「メイドラウンジ」最高潮の終盤には何と8000人以上の視聴者のコメントが画面上を乱れ飛び、これまで見たニコ生の中で最も面白い番組となっていた。
しかし少し冷静になってみると「果たしてこれでよいのだろうか?」という思いが頭に浮かんでくる。カオス&破滅ラウンジにとっては初の海外展での絶好のプレゼンの機会だっただけに、会場的には途中退場者も出だした終盤は、ちょっとマズイような気もした。台湾の来場者に「だから日本文化は内輪受けばっかりのカラパゴス的なんだよ」といわれれば、「はいそうなんです。すみません」という以外にない状況と言えなくもなかった。しかし結局は日本では見ることができない今回の展覧会での作品たちが彼らの評価を決めるであろうから、まあこの放送はこれで良かったのかもしれない。
とにかく多くの人にニコ生の本当の楽しみ方を教えたという点ではこの放送は完璧と言えるものだった。でも「カオス&破滅については?」と思う方は、twitter上でfuchiz
akiというユーザーネーム方から「黒瀬帰りは泳げ」という突っ込みを入れられていた黒瀬さんに直接尋ねてみる以外にないのかもしれない。
(2番目の写真はウィキペディア メイドから、3番目は梅ラボさんから無断お借りしたものです。この場を借りてお礼申し上げます)
カオス*ラウンジ2010基本情報 カオス*ラウンジ in 台湾
台湾で開催されているカオスラウンジ展など3つの展覧会を紹介したカイカイキキ台北のホームページ
ニコニコニュース 海外で破滅*ラウンジ?台湾カオス*ラウンジより生放送
ウィキペディア メイド
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