文化ブログ
阿部和璧(あべかへき)が世の中の良いもの、凄いものを紹介する。
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凄い本14 窪美澄著『ミクマリ』
たまたま手にした小説新潮の6月号。いきなり始まる性描写に、つい読み始めてしまったこの物語。しかし読み進めていくうちに、普通の官能小説とは違う文学的肌触りを感じることになる。
主人公はどこか覚めた感覚を持つ今どきの男子高校生。彼が相手をしているのは10歳以上も年上で、しかも結婚しているアニメ好きの女性。彼と彼女の関係は偏っていて歪んで見える。
そんな彼が直面する女性という性にまつわる様々な出来事。表面的に流れていく物語の中に、時折垣間見える理性や常識では割り切れない存在が作品に深みを与えている。
タイトルの『ミクマリ』とい言葉には、流れる水を配るという意味があるという。乾いた心に不思議な読後感を与えてくれるこの物語にも、そのような効用があると思う。
ウィキペディア R-18文学賞
R-18文学賞ウェブサイト
電子書店パピレス 『ミクマリ』
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コメント
R-18なガーリー小説って一体
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当然、ミクマリが第1話として含まれてます。
すごい作品でしたが、読むたびに登場人物に引かれましたね。
あと、最近発売された木爾チレンさん「静電気と、未夜子の無意識。と炭酸水」も。
こちらはなにか虚しいというか、欲しいものが手に入らないときの気持ちというのが痛いほど伝わってきました。
いろんな作家さんの記事をネットで読んでみたら、普通とは
違う視点から作家さんを評論しているサイト発見です。
http://www.birthday-energy.co.jp
窪さん、木爾チレンさんの他にも、山内マリコさんや
三日月拓さんも。
みんな面白い性格をお持ちで・・・。