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聞こえなかったことに…

できごと①
06 /20 2020
かつてカナダへ行ったとき、
ノースバンクーバーで一人の素敵な女性に会いました。

キャサリン先生。

日本に6年半もいたので、日本語はペラペラ。
先生からカナダの歴史をほんの少しお聞きしました。

もちろん日本語で。

「カナダに白人がやってきて、ネイティブの人の土地を奪いました。
白人はほんの少しの品物をネイティブの人たちにあげて、
その代わりに、彼らの土地をどんどん奪っていきました」

白人のキャサリン先生が、白人の罪を赤裸々に話すので私はびっくり。

「白人はネイティブの人たちにひどいことをしました。
親と子どもたちを引き離してしまいました。

子どもたちは教会に連れていかれて、
そこで神父さんたちに性的に犯されました。男の子も女の子も。
実に許しがたいことです。

その人たちが今、公けにすることを始めました。
そしてそれが、補償問題になっています」

先生は文化の違いについても語った。

「日本は単一の、古い伝統的なカルチャーを守ろうとする国。
アメリカはアメリカという新しいカルチャーを作って、
そのカルチャーにみんなを吸収していく国です。

けれどカナダは違います。
カナダはそれぞれの母国のカルチャーをお互いに尊重しつつ、
一つの国を作っていこうとする国です」

キャサリン先生と。
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「日本人とキャナディアンの考え方は違います。
日本人は本音と建て前を使い分けますが、
キャナディアンは思った通りのことを言います」

ああ、そうか。

姉が人種差別に遭ってもこの、「思った通りのことを言う」
そういう感覚が肌に合って、それでここに住み続けたんだ。

そうだよな。「思ったことが言えない」なんて、息苦しいもの。
私もそのことに早く気づくべきだったんだ、と思ってももう遅い。

キャサリン先生はなおも話を続けます。

「その違いはどこから来たのかというと、私はこう思っています。

日本の家屋はふすまや障子というプライバシーを守れない構造になっています。
だから隣で話していることがこちらの部屋にみんな聞こえてしまいます。

そこで日本人は考えました。
聞こえても聞こえなかったことにしよう」

「聞こえても聞こえなかったことにする」
うーむ。
弊害もあるけどなあ。

でもキャサリン先生は、それをプラス思考で解釈しました。

「そうすることで、お互いの関係を上手に保ってきた。
そしてそれが、日本人の特性の一つ、本音と建前でモノを言う
というようになっていったのだと思います」

もうはるか昔のことになりましたが、
キャサリン先生の言葉は、今もとても新鮮に私の心に響いています。

そして、こんな思い出も。

「KIYOKOさん、
マクドナルドの店はどこですか?なんて聞いてもダメですよ。
あれは、ドーを強く言って、

マクドーナルド

バンクーバーは鼻の下に指を置いて、
はい!

ヴァンクーヴァァァー


     ――――― \(^o^)/―――――

私事ですが、4人目の孫が生まれました。
 女の子。瑠佳(ルカ)ちゃん。
 出産時に羊水を飲んでしまい、保育器へ入りました。
 心配しましたが、
 翌日には心拍も正常になり、ミルクもよく飲みよく泣いて、ひと安心。
 懸命に助けてくださった病院スタッフのみなさまのおかげです。
 コロナ禍で当分会いに行けませんので、遠くから見守っております。

     ―――――◇―――――

  
   #わたしは伊藤詩織さんを支持します。


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雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞