Albums of the Month |
フジロックの初日ヘッドライナー、SZAに代わってThe Killersに決定とか胸アツすぎる。SZAもまあ観たかったけど、The KillersのフロントマンであるBrandon Flowersと言えば私にとってはロック・アイコン的な存在。ステージ上での挙動はたまに笑ってしまうくらいダサいときがあるけど、そんなところも含めてカッコイイのである。
The Killersのライブは過去に2回観たことがあるが(*)いずれも思い出深いシチュエーションだった。最初は2013年で、当日キャンセルとなりその2日後に急遽振替公演が決まったという伝説のアレ。しかも会場は当初の新木場スタジオコーストから、格闘技専用アリーナであるディファ有明に変更されたのだった。
*後記:2018年の日本武道館公演も行っているので正しくは3回でした
海外フェスでヘッドライナークラスのアーティストのコンサート会場としてはあまりに小規模で体育館然とした場所には1,200~1,300人ほどしかおらず、これ大丈夫なのか?二度と来日しなくなるのでは?と思われたが、いざコンサートが始まってみたら「そうはさせん!」と息巻いた観客が超・大盛り上がりの大合唱で迎えたという、忘れられないコンサート体験となった。その時の様子は当ブログにも記録されている。
[過去記事]ライブレポート:The Killers@ディファ有明
二回目に観たのは海外フェスで、2016年にニューヨークで行われたThe Governors Ball NYC。ディファ有明公演を経て、じゃあ彼らのホームであるアメリカのフェスでヘッドライナーだとどんな盛り上がりなのよ?てな感じで観に行ったけど、ラスヴェガス⇔ニューヨークの距離はあれどさすが本国なだけあってめちゃくちゃ盛り上がっていた。
[過去記事][海外フェスレポ] The Governors Ball NYC Music Festival 2016
彼らのフジロック出演は20年ぶりとなるが、2004年のレッドマーキーは観れておらず私にとってフジロックでのThe Killersは初。超絶楽しみ。
というわけで今月聴いた作品まとめ。10作品全て新譜となった。
椎名林檎 / 放生会 (2024)
★★★★★
椎名林檎のアルバムを購入するのは初。1st『勝訴ストリップ』(99年)の頃はMDで聴いていたし、2nd『無罪モラトリアム』(00年)は予約していたにもかかわらず発売日直前に突然熱が冷めて予約キャンセル(奥さんが所有していたため、結婚後に初聴き)。その後しばらくは東京事変も含め聴いてこなかったが、前作にあたる『三毒史』(2019年)は奥さんが購入したので自分も聴いてみたという程度だった。
発売2日前にアナウンスされサプライズ・リリースとなった本作は、のっち(Perfume)、新しい学校のリーダーズ、Daoko、もも(チャラン・ポ・ランタン)ら女性アーティストオンリーの客演ラインナップに興味をそそられ購入。AIとコラボした高速ジャズ曲「生者の行進」(Mステでのパフォーマンス時にはスーツにインスタポンプフューリーを合わせ、腕組みしたまま歌唱するというスタイルにシビれた)が特にお気に入り。
ところで『三毒史』は椎名林檎より上の世代を中心とした男性アーティストがコラボ相手に選ばれていたけど、今回は椎名林檎より若い世代の女性アーティストが選ばれている。ということでおそらくはAdoの参加も検討された、もしくは実際にオファーが行ったのではないだろうか。ただAdoはワールドツアーに国立競技場公演にアルバム制作があり、スケジュールの関係で実現しなかったんじゃないかと思われるので、いつか共演(楽曲提供ではなくデュエット歌唱で)が実現したら嬉しいなと思う。
椎名林檎とAI - "生者の行進"
Camila Cabello / C,XOXO (2024)
★★★★☆
4枚目のアルバム。先行シングルの「I LUV IT (with Playboi Carti)」も「HE KNOWS (with Lil Nas X)」もカッコよくてかなりお気に入りだったので購入。14曲で33分未満とコンパクトだが、随所にアコースティック寄りな曲が配置されて緩急付けられているので物足りなさは感じない。
Camila Cabello - "HE KNOWS (with Lil Nas X)"
洋楽と邦楽は上記1枚ずつのみで、他は全てK-POP作品となった。
aespa / Armageddon (2024)
★★★★★
待望の1stフルアルバム。先行公開された本作からの1stシングル「Supernova」はキャッチーかつヘヴィなダンス・チューンで素晴らしかったし、2ndシングル「Armageddon」も中近東っぽいメロディ(でも中近東っぽい音は敢えて使っていないのが見事)のヒップホップ曲でとても良い。黒髪オン眉カリナ、最高か。
ちなみにZine Ver.を購入したのだけど、90年代末~00年代初頭くらいの洋モノ雑誌っぽいデザインがダサカッコよくてとてもオシャレ。
aespa - "Armageddon"
tripleS / ASSEMBLE24 (2024)
★★★★★
これまでグループ内ユニットでのリリースはあったが、初の24人での完全体フルアルバム。Pale WavesやThe Acesのようなインディー・ロックなムードをまとった「Midnight Flower」が特に好き。
tripleS - "Girls Never Die'"
Kep1er / Kep1going On (2024)
★★★★☆
2年6ヶ月の期間限定ユニットだったが、活動期限を迎える2024年7月以降は7人での活動継続がアナウンスされている。というわけで9人体制の"第一期"を締めくくる初のフルアルバム。本作は韓国リリース盤で、日本で今年5月にリリースされている「Kep1going」とは収録曲が異なるので注意が必要。
「ガルプラ」を観ていないこともあり、Kep1erにはこれまでそこまで思い入れがなかったのだけど、今年4月に公開された「Straight Line」に打ちのめされた。この曲は00年代前半の洋楽R&B(デスチャやAaliyah、TLCなど)を想起させるサウンドで始まるが、様々な要素を加えながら変化していくアレンジがとても新鮮。その韓国語ver.のほか、昨年リリースされた日本シングル「Grand Prix」の韓国語ver.やドラムンベース要素のあるエレクトロ・ポップ「Shooting Star」も収録されるなど充実した内容となっている。
Kep1er - "Straight Line"
BOYNEXTDOOR / HOW? (2024)
★★★★☆
2nd EP。Sticker ver.を購入したのだけど、ステッカーがたくさん貼られたノートPCを模したパッケージがめちゃくちゃかわいい。ステッカー部分はちゃんと厚みと光沢のある仕上がりになっているし、開くと内側にはPCのディスプレイとキーボードがしっかり印刷されていて、裏面に至るまで本物のノートPCの写真が使われている。年間ベスト・パッケージ暫定1位。
BOYNEXTDOOR - "Earth, Wind & Fire"
ATEEZ / GOLDEN HOUR : Part.1 (2024)
★★★★☆
サイバーかつディストピアなムードのあった「THE WORLD」シリーズが終了し、新たなコンセプト・シリーズの幕開けとなる10thミニアルバム。一転して中南米っぽい要素が増し、「Shaboom」ではレゲエのアレンジも取り入れられている。
ATEEZ - "WORK"
EVNNE / RIDE or DIE (2024)
★★★★☆
「ボイプラ」参加者を中心としたボーイズ・グループによる3rdミニアルバム。これまでの『TARGET : ME』や『Un : SEEN』はどちらかというとセクシーさやワイルドさが感じられる楽曲中心だったが、本作はタイトル曲のMV含めてかなり爽やかなイメージ。
EVNNE - "Badder Love"
SEVENTEEN / 17 IS RIGHT HERE (2024)
★★★★☆
2015年のデビュー以降、K-POPシーンを牽引してきたセブチの2枚組ベスト・アルバム。韓国リリースの各ミニアルバムとフルアルバムのタイトル曲のほか、日本シングルの韓国語ver.や新曲4曲が収録された大充実の内容。中でもHIPHOP TEAMによる「LALALI」がとてもカッコイイ。
SEVENTEEN - "LALALI"
NewJeans / How Sweet (2024)
★★★★☆
先日東京ドームにてファンミーティング「Bunnies Camp 2024 Tokyo Dome」を行ったNewJeansが5月にリリースしたシングル。
アートワークが素晴らしくて、LPサイズで厚みのあるボックスタイプのパッケージに、封入されているフォトブックもオシャレで見応えあり。ニュジもaespaもボネクドも、K-POPの作品はデザインやアイデアが優れているものが多く、フィジカルとしての付加価値の付け方が秀逸だと思う。
タイトル曲はマイアミ・ベースを現代風に再解釈しているのが見事。当時のサウンドのままだとただ懐古的なだけになってしまうが、トレンド感と"当時"感のさじ加減が絶妙だ。マイアミ・ベースは個人的にはわりと好きだったけど当時からダサいダサい言われていたから、こういう昇華のされ方には唸るしかない。ニュージャックスウィングを取り入れた日本デビュー曲「Supernatural」にも同様のことが言えると思う。
NewJeans - "How Sweet"
■K-POPサバ番
前回の「Albums of the Month」の冒頭でも書いたサバ番「I-LAND2:N/a」がいよいよ大詰めで来週ファイナル!I-MATEによる2次SAVE投票が6/6から6/27まで行われていたけど、毎日欠かさず投票したぞー。
▲毎日0時に再投票できるようになるので、0時過ぎたら「あ、投票しなきゃ」という習慣がついてしまった
ちなみに2次投票では3人選べるので、マイ、チョン・セビ、ユ・サランに投票。が、PART2に入ってからジユンが精神面でもパフォーマンス面でも目覚ましい成長を見せていて私の中で評価爆上がり中だし、ココがダンスだけではなくラップでも覚醒、ユジュと共に披露したCL「SPICY」は圧巻のパフォーマンスで、何度も繰り返し観てしまうほど。ダンスしながらラップって普通に息続かないはずだよね…。
[I-LAND2:N/a 第9話] ユジュ、ココによるCL「SPICY」のラップ・パフォーマンス・バトル
▲このCL(2NE1)の「SPICY」という曲、2021年リリースということで遅ればせながら今回初めて知ったんだけど、めちゃくちゃカッケェエ!!誰が作ったの?と思ったらBaauerでしたか。やっぱこの人天才だわ
ただココとジユン、そしておそらくファンが最も多いであろうジミンは最終メンバーの6人に絶対入るだろうから、私はちょっと危ないセビ、マイ、サランを最後の最後まで推し続けたいと思う。と言っても現在実施中のファイナル投票は1日1人しか選べないので、日替わりで3人に入れていくしかないのだが。
サバイバルオーディション番組をリアタイで追うのは今回が初めてなんだけど、この体験があるのとないのとでデビュー後のグループの推し方とか全然変わってくる。デビュー時点ですでにメンバー全員の顔と名前が一致済みなわけだし、それぞれのキャラクターや魅力もわかっているから思い入れの強さがまるで別モノになると思う。もしジミン、ジユン、ココ、セビ、マイ、サランの6人を最終メンバーとしてデビューしたら、もう私は大ファンになるしかないだろうなー。
7月4日はいよいよファイナルを迎え最終メンバーが決定するが、日韓同時生配信なので必ずリアタイ視聴したいところ。実は6月27日の最新話配信時も、Aさん(「※K-POPに突然ハマった人の話」参照)を自宅に招いてリアタイ鑑賞会をし大いに盛り上がった。「I-LAND2:N/a」はBIGBANG、2NE1、BLACKPINKを手掛けたTEDDYがプロデューサーということで、おそらくカワイイ系ではなくカッコイイ系のガールズ・グループになると思われ、個人的にはやはりそっち路線の方が好みなのでとても楽しみだ。今のところプロデューサー陣の評価にも概ね同意で結果にも納得だけど、そこは番組を楽しめるかどうかの結構重要なカギだと思う。
K-POPサバ番にすっかりハマってしまったということで、6月はABEMAプレミアムにも登録し、昨年配信されていた「R U Next?」(この番組からILLITがデビュー)全エピソードも視聴したほか、現在は「PEAK TIME」を視聴中。アユネクはプロデューサー評価が少し謎な部分もあったけどILLIT自体は好きだし、グループのコンセプトを固めるうえでジミンが最終メンバーに選ばれなかったのは致し方ないのかな。あとはデビュー前にILLITを脱退したヨンソと、6Rで脱落したシャネルたち実力者で別グループとしてデビューしてくれたりしたら嬉しいが…。
「PEAK TIME」の方はK-POP初のグループ・オーディションで、ファイナリストたちがグループを組んでデビューする通常のサバ番とは異なり、すでに過去にデビューしたもののヒットに恵まれなかったグループが、名前を伏せて再起を賭けてパフォーマンスするというコンセプトがユニーク。しかも脱落したらその場でグループ名を公表!さすがやることがエグい!よくこんな面白い企画思いつくよなあ。ただ審査は割と甘々で、チーム名も覚えにくいし今のところ脱落もそんなにないのでグループ多すぎ・人数多すぎで推しグルをまだ決めかねている。サバ番は推しができるとより一層楽しめるので、これからというところ。
■最近観たアニメ
『葬送のフリーレン』第一期全26話、ようやく観終わった。ユル~く、ふわっと物語が進行する感じがとても新鮮で、そんな中で人生観とか「人間とは、人生とは」みたいな哲学的なテーマが盛り込まれていて見応えがあるし、「大人になるにつれて忘れてしまっていた大事なこと」にあらためて気付かされたりするような深い作品だと思う。たぶん「バトルが盛り上がらない」など賛否両論ある作品だろうけど、自分は好きだし第二期も楽しみにしたい。
そして間もなく始まる『【推しの子】第二期』がとても楽しみ。アニメ第一期を観終わった後、原作コミックも読んだのでストーリーはすでにわかっているから、第一期の時とはまた違った見え方になりそう。「2.5次元舞台編」から「プライベート編」までをやる感じかな。
■今月観た映画
1日(サービスデー)が土曜だったこともあり、2本の映画を同日にハシゴ。1本目はジョナサン・グレイザー監督の『関心領域 The Zone of Interest』。ジョナサン・グレイザーと言えば音楽好きにとってはJamiroquai「Virtual Insanity」があまりに有名だけど、個人的にはRadiohead「Street Spirit (Fade Out)」、Blur「The Universal」、UNKLE feat. Thom Yorke「Rabbit in Your Headlights」のMVがかなり好きで、2005年にリリースされたDVDシリーズ「Directors Label」の『ジョナサン・グレイザー BEST SELECTION』は当時ディスクが擦り切れるほどに観た思い出がある。
Radiohead - "Street Spirit (Fade Out)"
▲この曲はこのMVを観てから大好きになったようなもの
で、映画の方は素晴らしかった。もし「無関心な人」が何の予備知識もなくダラーッと観たらめちゃくちゃつまらない映画になると思う。でもこの映画に登場する「無関心な人たち」を、「関心を持った人」が観ることで本当に恐ろしい映画になっていて、「意味が分かると怖い話」みたいな構造になっているところが面白い。
その後に観たのは『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』。思いもよらない結末となったけど、原作コミック最終巻はその後も描かれているらしいので近いうちにそちらも読んでみたい。でも前章・後章合わせてめちゃくちゃ面白かったし、幾田りらとあのちゃんもハマリ役で素晴らしい映画だった。はにゃにゃフワー。
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