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K-POP

K-POPに突然ハマった人の話

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この記事は以前書いた「ラルク・アン・シエルに突然ハマった人の話」「BUCK-TICKにどハマりしたのでそのきっかけや魅力などいろいろ語ってみた」「平沢進という沼にハマった人の話」に連なるシリーズ(当初はシリーズものにするつもりはなかったが)で、今回取り上げるのはK-POP。特定のアーティストではなく、超ざっくりした括りで書いていきたいと思う。

※本記事における「K-POP」とは、韓国のポップ・ミュージック全体のことではなく、主に日本市場にも輸出されているボーイズ・グループやガールズ・グループ、所謂「K-POPアイドル」を指す
※後日追記:後から知ったけど、Wikipediaの「K-POP」の項によると「韓国では自国の大衆音楽のことは専ら「カヨ(가요、歌謡)」と呼び、日本で人気のあるすべての音楽をJ-POPと言うのとは異なり、韓国はK-POPという用語を「ダンスグループ」だけに限定して使用している」とのこと


これまでに取り上げてきたL'Arc~en~Ciel、BUCK-TICK、平沢進、そしてまだ記事にしていないがAdoも加えた4組は、この10年間で個人的に最もハマったアーティストと言える。それまで特定のアーティストを贔屓にすることはほとんどなかったが、これらのアーティストに関しては20枚以上あるアルバムを一挙買いしたり、Tシャツ以外のアーティストグッズ(トレカやアクスタ、ペンライトなど)を買うようになったり、ファンクラブに入ったり、地方にライブ遠征などもするようになった。


それらと同じくらいの熱量をいま注いでいるのがK-POPだ。その中で特に好きなグループというのもいくつかあるが、もはやK-POPシーン全体というかカルチャーそのものに愛着を感じている。本記事では、K-POPにハマったきっかけからK-POPの魅力、J-POPや洋楽ポップスとの違い、そしてお気に入り楽曲などについて書いていこうと思う。






■きっかけ①(浸透編)
まずはハマったきっかけの話から。いきなりハマったとも言えるのだけど、本格的にハマる1年ほど前からジワジワとK-POPは身の回りに浸透し始めていた。


私に最も影響を与えたのは毎年フジロックに一緒に行っている友人で、ここでは「Aさん」とする。Aさんはダンス・スクールに通っていて、2022年頃に課題曲としてStray Kidsの楽曲で踊ることになったのがきっかけでSTAY(彼らの公式ファンダム名)になったそうだ。ちなみにAさんはリノのペン(「ファン」を指す韓国語で、K-POP好きの間での共通言語)である。


私はこれまで馴染みがなかったのだけど、推し文化の中では「布教」というのはわりと一般的で、要は同じCDを複数買いして友人にプレゼントしたりする。というのも、K-POPのCDには大抵ランダムでトレカなどが封入されており、推しのトレカを"お迎えする"(「手に入れる」の意)ために複数買いし、"開封の儀"を済ませた後は手元に同じCDが大量に残るからだ。K-POPのCDはトレカ以外にもフォトブックやポスター、ポストカード、ステッカーなどが封入されていて、パッケージがやたらとデカいことがほとんどだから、持っていても保管場所に困るし、かといって捨てるには忍びないしということで、友人にあげてファンを増やすのが最も合理的なのである。


かくしてAさんからスキズ(Stray Kidsの通称)の布教として2ndアルバム『NOEASY』と6thミニアルバム『ODDINARY』をもらったのが2022年の11月のこと。ただ、正直なところ最初からピンと来たわけではなかった。これまでボーイズ・グループの音楽をちゃんと聴く機会が少なかったので、短いフレーズごとにヴォーカルが入れ替わるスタイルに慣れていなかったせいもあると思う。ただ、付属のフォトブックをパラパラめくっていた時に目に留まったフィリックスの写真に「なんじゃこの超絶イケメンは!?」という衝撃が大きかった。Stray Kidsは音楽よりもまず、フィリックスのペンになったといっても過言ではない。しかもこの端正なビジュですげー低音ボイス出すのよ…。

Stray Kids - "MANIAC"

フィリックスの爆イケパートは0:55から


ほぼ同時期、BTSのJinのソロ曲「The Astronaut」(Coldplayとのコラボ曲)をたまたま耳にした。BTSと言えば「Dynamite」や「Butter」はヒット曲としてもちろん知ってはいたものの、そこまで刺さったわけではなかったのだが、Jinのソロ曲はインディー・シンセポップ調ということもあり結構気に入った。そしてこの頃から、「生活の中で何気なく耳にするK-POP」に対して「誰の何という曲だろう?」という意識が自然と湧いてくるようになったと思う。K-POP専用のアンテナが一本立った感じ。

Jin - "The Astronaut"



2023年に入ると、春から夏にかけてK-POPが一気に私の周りに浸透してきた。まず4月にJinと同じくBTSのJiminのソロ曲「Like Crazy」を聴いて、レトロな哀愁エレクトロ・サウンドにヤラれた。同時期にPinkPantheress, Ice Spiceの「Boy's a liar Pt. 2」がUSチャートを賑わせていて、「欧米のアーティストがK-POPの要素を取り入れて全米でヒットするって凄いな」と思ったし、さらに同月のコーチェラではBLACKPINKがK-POPアーティスト初、そしてガールズ・グループ初のヘッドライナーとして出演し、生配信を観てその力強く堂々としたパフォーマンスに圧倒された。そんなことが立て続けに起こり、私のK-POP熱はますます高まっていったのだった。

Jimin - "Like Crazy"


BLACKPINK - "Pretty Savage (Live at Coachella 2023)"







■きっかけ②(ガチハマり編)
ここまでは「K-POPすごいなー」「もっといろいろ知りたいなー」というところまでの話。ここからは、本格的にハマることになる2023年7月~8月頃の出来事だ。


7月、Aさんがスキズの新作だよーってことで『THE SOUND』(日本デビュー・アルバム)と『★★★★★ (5-STAR)』(本国3rdフルアルバム)をくれた。その時に「これもいいからぜひ聴いてみて!」と布教されたのが8人組ボーイズ・グループ、ATEEZ(エイティーズ、通称アチズ)だった。彼らの『THE WORLD EP.2:OUTLAW』は、ダークで重厚なエレクトロ「This World」で幕を開け、各メンバーそれぞれに個性がありながらバランスの取れたヴォーカル・ワークが素晴らしく、私の感性にかなりブッ刺さった。それでフジロックの時にAさんにアチズを気に入ったことを伝えると、翌8月には前作にあたる『THE WORLD EP.1: MOVEMENT』のCDを早速くれたのだが、こちらも同様にかなり気に入った。


アチズにハマってからはメンバープロフィールを見て顔と名前を覚えてみたり、MVなどもYouTubeで自発的に観るようになったが、特に「Guerrilla」のMVは現在に至るまで何度も繰り返し観てしまうくらい好きだ。SFディストピアやサイバーパンクといった個人的に大好物な世界観、EDM系トラップ×ヘヴィ・ロックのような重厚なサウンド、アグレッシヴなダンス・パフォーマンス、パワフルでスキルフルなラップ、圧倒的に上手いジョンホのヴォーカル。2022年に出会っていたら年間ベスト・ソングの1位に選んでいたかもしれない。

ATEEZ - "Guerrilla"



時を同じくして8月、LE SSERAFIMの日本盤ニューシングルにAdoがフィーチャリング参加というニュースがAdoサイドから入った。LE SSERAFIMは2022年の紅白で観たり、楽曲をちょいちょいSpotifyで聴いたりする程度だったけど、Adoが参加するならとCDを予約してみた(ちなみにシングルCDの購入なんて25年ぶりとかだと思う)。


が、3曲入りのシングルCDだけ持っていてもなんか物足りない気分になるかなと思い、すでに5月にリリースされていた1stアルバム『UNFORGIVEN』も買ってみることに。シングルよりも先にアルバムが届き聴いてみたところ、これがとにかく良かった!中でも「Eve, Psyche & The Bluebeard's wife」は2023年のベスト・ソング1位に選んだほどお気に入りの曲だ。

LE SSERAFIM - "Eve, Psyche & The Bluebeard's wife"



この曲はダンスも面白いと思ったのでMVを毎日のようにYouTubeで観ていたんだけど、そうしているうちに推しができた。MVの中で網タイツを履きキャップを被っているユンジンである。LE SSERAFIMの中で一番背が高くて手足も長く、ダンスも一番上手いと思うし大人びた雰囲気も良い。それだけではないのだけど、あまり書くとキモイのでやめておく(笑)。


こうして音楽・ビジュアルの両面においてK-POPに興味津々となった私に必要となってくるのは、次々と最新K-POPを音楽+映像で供給してくれるメディアだ。そこでCSチャンネルのMTVが大いにその役割を果たした。平日はほぼ毎日、23時から「KOREAN MIX」という番組を流してくれるし、金曜の朝には最新K-POPチャート番組もオンエアされている。というわけで、この頃からほぼ毎日MTVでK-POPの番組を観るようになった。最新ヒット曲から2、3年ほど前の曲も織り交ぜ、1時間~3時間ひたすらK-POPのMVを流してくれるのでとてもありがたい。最近では他のチャンネルも合わせると、毎週10時間くらいはK-POPの番組を観ていて、これらが私にとってメインのK-POP情報源となっている。

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とある週の21時-24時のMTV番組表。赤で囲った部分がK-POP関連の番組なので、ほぼ毎日相当充実していることがわかると思う


こうなると、どんどん新しい情報が入ってきて、新たなお気に入りもどんどん見つかるようになる。番組を観始めてしばらくは、気に入ったものを片っ端からメモってはCDを購入していたから毎週のように何かしら届いていたし、チャート番組も次第に「オンエアされてる曲、全部持ってるわ…」みたいな状態になっていった。


この時期ガンガン流れていて特にお気に入りだったのはNCT DREAM「ISTJ」NCT 127「Ay-Yo」aespa「Spicy」IVE「I AM」など。あと、2022年当初はそこまでハマっていなかったスキズも『★★★★★ (5-STAR)』で遅ればせながらハマり、今では大好きなグループとなった。






■K-POPの魅力とは
自分でもなぜこんなにK-POPにハマってしまったのか最初はよくわからなかったのだけど、考えてみた結果、一番の要因は洋楽とJ-POP両方の良いところを兼ね備えているからだと思う。主語が大きくなってしまうけど、洋楽の特に近年USチャートに入ってくるような曲はビートがカッコよかったり音の質感やミックス・バランスが優れている一方で、コード進行や曲の構成がシンプルなものも多い。シンプルなりの良さというのはもちろんあると思うけど、やっぱり「ここでこんな展開するの!?」みたいな驚きがあった方が個人的には好きだ。あとやっぱり、アメリカのヒップホップやR&Bにありがちなマッチョイズムとか過激な性表現がどうも苦手というのもある。


かたやJ-POP(また主語がデカすぎるが)は対照的で、Aメロ・Bメロ・サビ・Cメロなど目まぐるしくコードが展開し、いろんな音が飛び交って音も歌も密度感のある楽曲が多い。しかしビートがしょぼかったり歌唱力の面で弱かったりヴォーカルがリズミックじゃなかったりと、ネガティブな面を感じることも少なくなかった。それに対してK-POPは洋楽とJ-POPの良いとこ取りで、双方の弱い部分がK-POPでは補われていると思う。ディスコ・ファンクやトラップ系のトラックはもはや定番だが、ドラムンベースや2ステップ、ジャージークラブといった、リバイバル含む昨今のトレンドを上手く取り入れた楽曲も多く、また曲の途中でメロディやBPMやビートが変化するなど起伏に富んだアレンジの楽曲が多いのも特徴だ。


これらのK-POP楽曲は、欧米のメインストリーム・ポップス系ですでに主流になっているようにプロデュース・チームが存在し、クレジット上7人~10人ほどがソングライティングに関わることで楽曲クオリティを向上させている。また、グループのメンバーが作詞作曲や編曲にたずさわっているケースも多く、日本のアイドル・グループと比べると自己プロデュース能力が高いことが多い。NCT系はクセの強い"ヘンな音"が入ったトラックが特徴的だし、ATEEZやxikersといったKQエンターテインメント所属グループを手掛けるプロデュース・チーム、Eden-aryはクラシックやイギリスのロック&ポップスからの影響を感じさせたりと、それぞれに個性を発揮している。

NCT 127 - "Sticker"

尺八のような"ヘンな音"のリフが頭から離れなくなる


他にも、各メンバーのダンス・スキル、ラップ・スキル、ヴォーカル・スキルが異常に高いのも大きな魅力だ。まずダンスに関しては、カオが良くて歌も上手い人が「それなりに形になっているダンス」をするというようなレベルではなく、プロのダンサーに見劣りしないほど激しく複雑な構成の振付を見事にこなす一方で、ついつい素人がマネしたくなるようなキャッチーな振付、所謂「ポイントダンス」も取り入れていて、SNS上での「ダンスチャレンジ」ムーブメントを次々と生み出したりもしている。振付を自分たちで考案するグループもいるし、リアリティ番組など観る限りではK-POPグループのレッスン量は世界的に見ても相当なものではないかと推察される。


ラップも、所謂黒人系ラップとは声質が全く異なるが、その声の細さを逆手に取ったハイトーン寄りのパワフルな高速ラップを得意とするメンバーも多い。スキズのチャンビンとハン、アチズのホンジュン、NCTのマーク、xikersのイェチャンなどがこのタイプと言えるだろう。ラップのリリックを自ら手掛けることも多く、K-POPにおけるリリックとフローのスキルは平均水準が本当に高いと思う。あと日本のラッパーと決定的に違うところは、みんな英語の発音がイイんだよね…。

Stray Kids - "Muddy Water (Changbin, Hyunjin, HAN, Felix)"

超絶ラップ・スキルが堪能できるヒップホップ・トラック


ラップ以外のヴォーカル・パートに関してもハイレベルで、そもそもグループを組む際にソフト&メロウなパート、パワフルな低音パート、ハイトーンを聞かせるパートなど役割に合わせ、バランスを重視した人選がされている。だからオーディション番組で歌の上手いメンバーをただ集めただけでは楽曲としてバランスが悪くなることもままある。楽曲のセクションごとにヴォーカルが入れ替わった際にメンバーそれぞれの個性を際立たせることができるかが成功のカギとなっていて、Stray KidsやATEEZはその辺のバランス感が抜群に優れていると思う。


もう一つ忘れてはならない大きな魅力が…そう、ビジュアルだ。男女問わず、見た目がカッコよく、美しいというのがK-POPにおける最大の魅力だと思う。単純に顔がカッコイイorカワイイということ以外にも、ヘアスタイルや髪色、ファッション、メイクも含め、下世話な言い方をすると「目の保養になる」から、CDに付属するフォトブックを眺めるだけでも楽しい。作品によって変わることもあるもののグループのビジュアル・イメージとしては、健康的かつ明るく爽やかな方向性、かつ音楽的にはディスコファンクやエレクトロ・ポップ中心のグループ(TWS、BOYNEXTDOOR、STAYC、Kep1er、fromis_9など)と、コンセプト重視で激しめのダンスに特化し、音楽的にはEDMトラップやヒップホップ中心のグループ(Stray Kids、ATEEZ、aespa、LE SSERAFIM、(G)-IDLEなど)に大別されると思うが、個人的に好きなのは後者のタイプ。この中でとりわけガールズ・グループは「ガールクラッシュ(Girl Crush)」、つまり「女性が憧れる強くてカッコイイ女性像」の対象となっており、女性ファンの割合が高いのも特徴だ。


最後に、これは私個人の趣味嗜好によるものだけど、単純に韓国語の響きが好きなのである。韓国語に限らず、日本語と英語以外で歌われている楽曲というのはエキゾチズムを感じる。これは数年前にロシア語で歌うt.A.T.u.やIC3PEAKにハマったり、平沢進がタイ語で歌っている楽曲に惹かれたりしたのと同じ理由によるもの。日本デビューしたK-POPアーティストはJapanese Ver.をリリースすることも多いけど、正直そちらにはあまり惹かれなかったりする。






■K-POPの楽しみ方
楽しみ方は人それぞれなのでここでは私個人の楽しみ方を書く。まず大事なのは「推しを作ること」だ。私の場合、入り口こそ確かに音楽ではあるけど、気になったアーティストがいたらまずメンバーについてググる(メンバーのプロフィールを紹介している個人サイトやメディアの記事は無数にある)。もしくはとりあえずCD買ってみて、付属のフォトブックを眺めながら「一番カッコイイメンバー」を見つける。男女を問わず、「カッコイイ」と思えるかが重要なポイントで、この時点では取り急ぎの推し決めなので第一印象による軽い気持ちでOKだ。推しが決まれば自然とパフォーマンス動画が観たくなる。韓国では音楽番組が日本よりも充実していて、所謂Mステ的な番組がいくつかあり、カムバ(新作のリリース)のタイミングで短期集中的にいくつもの音楽番組に出演するのだが、それらのパフォーマンス映像は番組公式のYouTubeチャンネルで公開されているものも多いから手軽に楽しむことができる。


パフォーマンス動画を観ているうちに「推し変」が起こることがある。要は「推し」のメンバーを変えることだけど、これは全然アリだと思う。私もATEEZは最初ソンファのビジュに惹かれたけどMVやパフォーマンスを観ていくうちにミンギ推しになった。ENHYPENならソンフン、xikersならイェチャン、NCTならテヨン、ガールズ・グループだとLE SSERAFIMはユンジン、IVEはレイ、ITZYはユナといった具合だ。ちなみにaespaのように、初めはウィンター推しだったがしばらく追っているうちに全員カッコよすぎて「ハコ推し」に落ち着くというケースもある。


YouTubeのほかにも、CSチャンネルのKBS Worldで放送されている韓国の人気音楽番組「ミュージックバンク」の字幕放送版を毎週観ている。人気のアイドル・グループはもちろん、デビューしたての若手グループやバンドも多数も出演し、最新のK-POPチャートの発表もあるから情報収集に最適だ。MCを務めるウンチェ(LE SSERAFIM)らによるダンスチャレンジのコーナーも楽しい。


韓国の音楽番組の特徴と言えるのか、カメラワークが凝っているものが多い。MVでもよく見られるけど、楽曲や振付とシンクロしてカメラが揺れたり激しくズームしたり。フレーズごとに歌う人が変わるのでそれぞれの歌っているメンバーをしっかり追ったり切り替えていく必要があるから、事前にカメリハで綿密に打ち合わせしているのだと思う。カメラマンもスイッチャーも楽曲の構成やパート分けが頭に入っていないといけないから、かなりの技術力が求められるはずで、K-POPが世界的にも優れたコンテンツとなり得たのはこういった縁の下の力持ちが支えている部分もあると思う。先日、MTVのVMAでのStray Kidsのパフォーマンスを観たのだけど、カメラワークが全然ダメだったしエンディング妖精(曲終わりで特定メンバーをアップで映すやつ)すらないという…。せっかくなので同じ曲の「ミュージックバンク」版と比べてみよう!

Stray Kids - "S-Class (Music Bank 4K Bonus Ver. 230602)"

迫力のある見事なカメラワーク。1:52あたりのカメラがブルッってなるやつ、カッコイイけどどうやってるんだろう


Stray Kids - "S-Class (2023 VMAs)"

終わってる方のカメラワーク


そんな感じでK-POP熱が高まっていくと、生でパフォーマンスが観たくなるってものだ。そんな中、昨年12月にそのミュージックバンクによる音楽イベント「Music Bank Global Festival 2023」(通称ミューバン)がベルーナドームにて開催された。先行抽選は争奪戦の末惨敗したものの、先着の一般申し込みでチケットをゲットできた。Stray Kids、ATEEZ、LE SSERAFIM、NMIXX、NewJeans、STAYCなどお気に入りのグループや、SHINee、GOLDEN GIRLS、J.Y.Parkといった大御所・ベテラン系アーティストまで、初のK-POPコンサート体験にしてぼっち参加ではあったものの、めちゃくちゃ楽しめた。

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さらに今年2月には、さいたまスーパーアリーナで行われたATEEZのワールドツアーの日本公演に、Aさんらとともに参加することができた。多数のアーティストが出演するイベントと違い、ステージのセットからしてコンセプチュアルな作りになっており、それぞれの曲ごとに演出もかなり凝ったものになっていて、とにかくその世界観に没入できた。隣の席の人なんて、メンバーが暴行されたり銃で狙われたりする演出の時に「やめて…逃げてー!!」とか本気で叫んでたほど(笑)。

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決して良席ではなかったが、K-POPアーティストの単独公演初参加は貴重な体験だった(撮影可能な時間帯に撮影したもの)


コンサートに行くようになると、今度はグッズが欲しくなってくる。ミューバンの際にはLE SSERAFIMユンジンのうちわを入手して持って行ったし、昨年12月に渋谷109で開催されたStray Kidsのポップアップ・ストアでは、キャップやポストカード、ステッカーなどを購入した。


ボーイズ・グループの現場では男性ファンはかなり少なく、ATEEZのコンサートは9割が女性だったし、スキズのポップアップでは自分以外に男性の姿を見掛けなかった。が、K-POPに限らず「推し活」するにあたり私が心掛けているのは、周囲の目を気にせずとにかく推しを愛で、無心で楽しむということだ。周囲に男性ファンや同世代がおらず多少浮いていようが、気にしてはいられない(他人に迷惑を掛けないようにはするけど)。あとそういう場ではとにかくオシャレをして行くようにしている。

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あとこれは「楽しみ方」と呼べるのかわからないけど、グループのメンバー名とか所属事務所名、ファンダム名を覚えるのって単純に脳トレになると思う。この歳になると脳の衰えをひしひしと感じるしね。最近はそれらを覚えることが一つの趣味みたいにもなっている。






■J-POPとK-POP
K-POPファンにとって楽しみなのがカムバ、つまり新作のリリースである。K-POPの場合はしばらくTVに出ない時期と、リリースタイミングでTVに出まくる時期がハッキリしている。そして人気のグループであれば1年に2、3回、ミニアルバムやシングルアルバムでカムバすることもある。ちなみに最初はよくわからなくて混乱したけど韓国で「アルバム」とは「ディスク」に近いニュアンスで、シングルCDはシングルアルバムと呼ばれる(なのでデジタルシングルはシングルアルバムとは言わない)。また最も大きな特徴と言えるのが、K-POPにおいてはフルアルバムよりもミニアルバムが主流なことだ。ミニアルバムはだいたい5曲~6曲入りが多く、その分リリース周期を短くして長くファン待たせないようになっている。まあ、単純に商売的にその方が儲かるからというのもあるだろうけど。


J-POPの場合はシングルのリリースが主軸になっていて、ある程度たまるとそれらを収録したアルバムがリリースされるし、洋楽だとアルバムが制作の主軸になっていて、リリース直前や直後に収録曲のいくつかがシングルとしてリリースされるのが一般的だが、K-POPの場合はミニアルバムが主軸でそれぞれにタイトル曲と呼ばれるリードトラックがあり、日本のマキシシングルやEPに近い側面を持っている。しかもミニアルバムの収録曲は後にリリースされるフルアルバムに全く収録されないのが一般的だ。


私はもともとフルアルバムというフォーマットが好きで、中途半端な印象のあるミニアルバムという形態は苦手だったのだけど、K-POPを聴き始めてからはミニアルバムのヴォリューム感に慣れて抵抗がなくなった。むしろ6曲で20分程度に収まるコンパクトさというのはちょっとしたスキマ時間で聴くのにちょうどいいサイズとも言える。


K-POPがなぜこんなに世界に広まったのか、という点は非常に興味深い。なぜならJ-POPアーティストも、もっと世界中でファンを増やせるのではないかと思うからだ。K-POPの場合、国策として政府がバックアップしている主要産業だからという話も聞くが、育成システムや新人発掘のフローが確立されているというのも大きいのでは。事務所とメディアがガッチリ手を組んで、事務所が異なっていてもアーティスト同士で交流し、競い合いながら互いに刺激されて能力を高め合っている。ファンダムも巨大で、ダンスチャレンジなどSNS上で様々な「楽曲を広めるためのカルチャー」が存在し、音楽番組もたくさんあり、そのMCは芸人などではなくミュージシャン自身であることも珍しくない。日本の場合、特定の事務所や特定の著作権管理団体の力が強すぎたり、慣例によってアーティスト側を取り巻く環境が旧態依然としている印象を受ける。J-POPはまだ、海外ではアニメのタイアップありきで聴かれていて、「J-POP」という括りで注目を集めるには至っていないのが実情だが、最近は少しずつ開かれていっているとはいえ、やはり既得権益を守ろうとする古い構造がまだまだ障壁となっているように思う。


ただ日本においても、近年ではBE:FIRSTやMAZZEL、number_i、JO1などのボーイズ・グループが頑張っている。私もこれまで日本のボーイズ・グループにはあまり関心はなかったけど、K-POPにハマったのをきっかけにこれらを好んで聴くようになったし、実際、彼らはハイクオリティな楽曲をリリースし、ハイクオリティなMVを作り、ハイクオリティなパフォーマンスを見せてくれていると思う。SKY-HIがCEOを務めるBMSG、そしてタッキーのTOBEが、J-POPのこれからのグローバル展開を引っ張っていってくれるのではと期待している。






あとがき(これからのK-POPとの付き合い方)
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だいぶ長々と書いてしまったけど、以上がK-POPにハマったきっかけとその魅力である。2023年は世間的に見てもK-POP飛躍の年だったと思うし、私もハマり始めで何を聴いても新鮮で面白く、調子に乗ってバンバンCDを買いまくったから、年間ベスト・アルバムでは上位50作品のうち約半数がK-POPになったりした。


が、先ほども書いたようにK-POPのCDは封入物が充実した特殊パッケージで大型のものが多く、最近ついに「これ、このまま買い続けたら一体どこに置くんだ…?」ということに気付いてしまった。なので2024年以降はCD購入は最小限に抑え、なるべくストリーミングで聴くようにしている。楽曲のリリース年ごとに3つのK-POPプレイリストを作ったので、もし興味があればぜひ聴いてみてほしい(随時追加&曲順入れ替えあり)。








あと今年はスキズとaespaを生で観れたらいいな!と思っている。

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