あのアーティストとの出会い |
毎回異なるアーティストをテーマに、自分との出会いの想い出を語る不定期特集記事です。ビョーク、ニューオーダー、マイブラに続いて第四回目に取り上げるアーティストは、つい先日来日公演を行ったMUSE(ライブレポはこちら)です。
※しれっと特集名を微妙に変えました。
(3人ともアゴがケツ気味…)
※しれっと特集名を微妙に変えました。
(3人ともアゴがケツ気味…)
あのアーティストとの出会い |
音楽との印象深い出会いの想い出を語る特集です。前回取り上げたNew Orderから実に13ヶ月ぶり、第三回目となる今回は、このたび遂に過去2作のリマスター、そしてEP集がリリースされるMy Bloody Valentineを取り上げたいと思います。
(それにしてもこの特集名、我ながらダサいよなあ・・・と思う今日この頃。)
※最もよく知られたアー写。ボーカルよりもドラマーが目立ってますね
(それにしてもこの特集名、我ながらダサいよなあ・・・と思う今日この頃。)
※最もよく知られたアー写。ボーカルよりもドラマーが目立ってますね
あのアーティストとの出会い |
これまでの、音楽との印象的な出会いの想い出を語るこのコーナー、第二回目に取り上げるアーティストは「New Order」です。
ご存知の方も多いようにNew Orderは、Joy Divisionが圧倒的なカリスマ性を放つフロントマンでボーカルのイアン・カーティス(Ian Curtis)を、首吊り自殺という形で失った残りのメンバーが始めたバンド。Joy Divisionが持っていた、シンセを用いたポストパンク風味はそのままに、よりポップでダンサブルな方向性に発展していきました。基本的に彼らのサウンドは明るいですが、暗い気持ちを無理に笑って誤魔化しているかのような、たまに暗い影が見えます。
彼らの代表曲と言えば、クラブアンセムとしてはもちろん、カイリー・ミノーグが取り入れたことでも有名な「Blue Monday」。
このバスドラの「ドッドッ、ドドドドドドドド」は結構耳にしたことがある人も多いはず。この曲も実は、Ianが自殺したのが月曜日だったことから、重苦しく暗い月曜日のことを歌ってるんですね。それなのにこんなにノリノリのディスコ調。そんなやぶれかぶれ感が、チープな打ち込み音、せつないメロディと相俟って何とも言い難いブルーな雰囲気を醸し出しています。
さて、そんなNew Orderの音楽と僕が出会ったのは1993年。たまたま父親が聴いていたFMラジオから流れてきた「Regret」という曲でした。
もう、この涙を誘わずにいられないメロディが、当時中学生・思春期真っただなかだった僕の心に突き刺さったのです。でも、当時は何ていうバンドの曲なのか、どんなバンドなのか、そもそもバンドなのか歌手なのかもわからなかったんですね。とにかくこのメロディだけが僕の心を捉え、その後しばらく耳にすることはなくても、メロディは覚えていたんです。
その後、トレインスポッティングのサントラに収録された「Temptation」を知りましたが、曲自体は好きだったもののアーティストに特に興味を持たずスルー。またその数年後、大学生の時「Regret」に再会しました。正確に言うと、「Regretのメロディ」に再会ですね。New Orderの曲ではなく、The Get Up Kidsがカバーしたバージョンを聴いたのです。
「あ、懐かしい。昔ラジオで聴いた曲だ。この曲好きだったな…」
と思いながらThe Get Up Kidsのライナーノーツをめくると、「New Orderのカバー曲」と書かれてありました。そこでもっとNew Orderを聴きたい!知りたいと思って最初に買ったのが1989年の5枚目「Technique」。
なぜこのアルバムから入ったかというと、「Loveless Love」という曲や「Vanishing Point」という曲が入っていたから。その時すでに、マイブラやプライマル・スクリームが好きでしたから。
音が古い!ダサい!と思いながらも不思議な魅力に引き込まれて、先述の「Regret」収録の6枚目「Republic」、「Blue Monday」収録の2枚目「Power, Corruption & Lies」と購入、そしてシングル曲をコンパイルした「Substance」なども集めました。
そんな時、フジロック'01へのNew Orderの出演が決まり、当然のように観に行きました。その時はギターにスマパンのビリー・コーガンが参加していて、二度おいしい思いをしました、肝心のライブはと言うと、本当にヘタクソ!特にボーカル。何年やってるんだと思うくらいに、裏返ったり音程外したりしまくり、そして片足で飛び跳ねたりの不自然なダンス。でもそんなところが愛せるバンドなのです。
2001年に出したシングルの「Crystal」のPVに出てくる架空のバンドが「The Killers」で、あのThe Killersはそこからバンド名を拝借していたり、最近の80'sサウンドを鳴らすインディバンドの多くがNew Orderのファンであることを公言していたりと、音楽シーンに広い影響を与え続けていますが、喧嘩が元で事実上の解散状態に。
でも、彼らはいつかきっと、和解する日が来るんじゃないかって気がしてます。いろんな困難を分かち合い、乗り越えてきたバンドなので・・・。それこそ、喧嘩したことを後悔(Regret)する日が来るのではないでしょうか。僕はその日を待ちます。
ご存知の方も多いようにNew Orderは、Joy Divisionが圧倒的なカリスマ性を放つフロントマンでボーカルのイアン・カーティス(Ian Curtis)を、首吊り自殺という形で失った残りのメンバーが始めたバンド。Joy Divisionが持っていた、シンセを用いたポストパンク風味はそのままに、よりポップでダンサブルな方向性に発展していきました。基本的に彼らのサウンドは明るいですが、暗い気持ちを無理に笑って誤魔化しているかのような、たまに暗い影が見えます。
彼らの代表曲と言えば、クラブアンセムとしてはもちろん、カイリー・ミノーグが取り入れたことでも有名な「Blue Monday」。
このバスドラの「ドッドッ、ドドドドドドドド」は結構耳にしたことがある人も多いはず。この曲も実は、Ianが自殺したのが月曜日だったことから、重苦しく暗い月曜日のことを歌ってるんですね。それなのにこんなにノリノリのディスコ調。そんなやぶれかぶれ感が、チープな打ち込み音、せつないメロディと相俟って何とも言い難いブルーな雰囲気を醸し出しています。
さて、そんなNew Orderの音楽と僕が出会ったのは1993年。たまたま父親が聴いていたFMラジオから流れてきた「Regret」という曲でした。
もう、この涙を誘わずにいられないメロディが、当時中学生・思春期真っただなかだった僕の心に突き刺さったのです。でも、当時は何ていうバンドの曲なのか、どんなバンドなのか、そもそもバンドなのか歌手なのかもわからなかったんですね。とにかくこのメロディだけが僕の心を捉え、その後しばらく耳にすることはなくても、メロディは覚えていたんです。
その後、トレインスポッティングのサントラに収録された「Temptation」を知りましたが、曲自体は好きだったもののアーティストに特に興味を持たずスルー。またその数年後、大学生の時「Regret」に再会しました。正確に言うと、「Regretのメロディ」に再会ですね。New Orderの曲ではなく、The Get Up Kidsがカバーしたバージョンを聴いたのです。
「あ、懐かしい。昔ラジオで聴いた曲だ。この曲好きだったな…」
と思いながらThe Get Up Kidsのライナーノーツをめくると、「New Orderのカバー曲」と書かれてありました。そこでもっとNew Orderを聴きたい!知りたいと思って最初に買ったのが1989年の5枚目「Technique」。
なぜこのアルバムから入ったかというと、「Loveless Love」という曲や「Vanishing Point」という曲が入っていたから。その時すでに、マイブラやプライマル・スクリームが好きでしたから。
音が古い!ダサい!と思いながらも不思議な魅力に引き込まれて、先述の「Regret」収録の6枚目「Republic」、「Blue Monday」収録の2枚目「Power, Corruption & Lies」と購入、そしてシングル曲をコンパイルした「Substance」なども集めました。
そんな時、フジロック'01へのNew Orderの出演が決まり、当然のように観に行きました。その時はギターにスマパンのビリー・コーガンが参加していて、二度おいしい思いをしました、肝心のライブはと言うと、本当にヘタクソ!特にボーカル。何年やってるんだと思うくらいに、裏返ったり音程外したりしまくり、そして片足で飛び跳ねたりの不自然なダンス。でもそんなところが愛せるバンドなのです。
2001年に出したシングルの「Crystal」のPVに出てくる架空のバンドが「The Killers」で、あのThe Killersはそこからバンド名を拝借していたり、最近の80'sサウンドを鳴らすインディバンドの多くがNew Orderのファンであることを公言していたりと、音楽シーンに広い影響を与え続けていますが、喧嘩が元で事実上の解散状態に。
でも、彼らはいつかきっと、和解する日が来るんじゃないかって気がしてます。いろんな困難を分かち合い、乗り越えてきたバンドなので・・・。それこそ、喧嘩したことを後悔(Regret)する日が来るのではないでしょうか。僕はその日を待ちます。
あのアーティストとの出会い |
今回から始まった新企画。
「あのアーティスト・この出会い」は、僕が今まで出会ったアーティストで、想い出深い、印象的な出会いのエピソードを紹介する、まあほんとに独りよがりな企画です。人の想い出話ほど他人が聴いて面白くない話はないかもしれませんが、軽く読んでいただければ。
記念すべき第一回目のテーマは、僕の今の人生を大きく変えたアーティスト、Björkさんです。
こうやって昔のビョークの写真見ると・・・美人!かわいい!色っぽい!今はちょっとオバチャン化激しいですが笑
それはさておき、僕が初めて聴いたビョークの曲は、1997年のシングル「Joga」でした。
高校生だった僕が当時聴いていたのは、いわゆるJポップ。TKプロデュースだったり、ラルクだったり、ジュディマリだったり。一応「ロック」としては、Green DayやProdigy、Thee Michelle Gun Elephantなんかも好きだったかな。洋楽と言えば、AquaやScatman John、Me & Myなんかのユーロ・ダンスを好んで聴いている高校生でした。
LUNA SEAも好きだったので、ギターのSugizoがやっていたラジオを、97年当時聴いていました。Sugizo氏はドラムンベースやトリップホップなどが好きで、ラジオではいつもそういう音楽がかかっていて、当時の僕は漠然と、エレクトリックで攻撃的なビートと、静寂を感じさせる冷たいサウンドに徐々に魅力を感じつつあったのです。
そんなある日、いつものようにラジオを聴いているときに紹介されたのが「Joga」でした。その頃、そのラジオでかかる曲はでれでも構わずカセットテープに録音していたので、その時も録音。今まで聴いたことのない圧倒的にエモーショナルな歌声、今まで聴いたことのない、従来のフォーマットから大きく逸脱したドラムビート。そしてエレクトリックな音と重厚なオーケストラの融合。
何から何まで、新しかった。
そして何度も何度も繰り返し、カセットを聴きました。
まるでこの曲のPVのように、自分の中で今までなかった感性がドクドクと躍動していくのを感じました。本当に、PVのように空を飛んで、新しい世界を見つけていくような感覚。
それから数日経たないうちだったと思いますが、同じクラスの友人と何となく話しているときに、「ビョークって人の曲がすごくイイ」と友人が言いました。
「えっ!それおれもついこないだ聴いたよ!すごくよかった!」
「え?お前もそういう音楽聴くんだ。じゃあ今度何か貸すよ」
それから数ヶ月のうちに、ビョークの1st~3rd(「Joga」収録の「Homogenic」)、レディオヘッドの1st~2nd、オアシスの1st~3rd、ケミカル・ブラザーズの1stと2nd、プロディジー「Fat of The Land」、ブラー「Blur」、べック「Odelay」、プライマル・スクリーム「Vanishing Point」を、その友人が一挙に貸してくれました。
「何か覚醒していた」僕は、その大量投下に消化不良を起こすでもなく、むさぼり聴き、化学反応を起こすかのように吸収していきました。まさに、ビョークの「Joga」がきっかけでまったく今までとは別の世界に降り立った感覚だったのです。そしてその世界は、今までいた世界よりも遥かに広い世界でした。
そんなわけで、所謂「オルタナティブ・ロック」(この言葉自体は好きではない)に目覚めた僕は、そこからさらに様々な音楽を聴いて行くようになったのです。
あの時僕にたくさんのCDを貸してくれた友人とは、連絡が取れず、もう12年以上会っていません。でもいつか再会したら、照れずに「お前のおかげで今の自分がいるよ」と伝えたいと思います。
「あのアーティスト・この出会い」は、僕が今まで出会ったアーティストで、想い出深い、印象的な出会いのエピソードを紹介する、まあほんとに独りよがりな企画です。人の想い出話ほど他人が聴いて面白くない話はないかもしれませんが、軽く読んでいただければ。
記念すべき第一回目のテーマは、僕の今の人生を大きく変えたアーティスト、Björkさんです。
こうやって昔のビョークの写真見ると・・・美人!かわいい!色っぽい!今はちょっとオバチャン化激しいですが笑
それはさておき、僕が初めて聴いたビョークの曲は、1997年のシングル「Joga」でした。
高校生だった僕が当時聴いていたのは、いわゆるJポップ。TKプロデュースだったり、ラルクだったり、ジュディマリだったり。一応「ロック」としては、Green DayやProdigy、Thee Michelle Gun Elephantなんかも好きだったかな。洋楽と言えば、AquaやScatman John、Me & Myなんかのユーロ・ダンスを好んで聴いている高校生でした。
LUNA SEAも好きだったので、ギターのSugizoがやっていたラジオを、97年当時聴いていました。Sugizo氏はドラムンベースやトリップホップなどが好きで、ラジオではいつもそういう音楽がかかっていて、当時の僕は漠然と、エレクトリックで攻撃的なビートと、静寂を感じさせる冷たいサウンドに徐々に魅力を感じつつあったのです。
そんなある日、いつものようにラジオを聴いているときに紹介されたのが「Joga」でした。その頃、そのラジオでかかる曲はでれでも構わずカセットテープに録音していたので、その時も録音。今まで聴いたことのない圧倒的にエモーショナルな歌声、今まで聴いたことのない、従来のフォーマットから大きく逸脱したドラムビート。そしてエレクトリックな音と重厚なオーケストラの融合。
何から何まで、新しかった。
そして何度も何度も繰り返し、カセットを聴きました。
まるでこの曲のPVのように、自分の中で今までなかった感性がドクドクと躍動していくのを感じました。本当に、PVのように空を飛んで、新しい世界を見つけていくような感覚。
それから数日経たないうちだったと思いますが、同じクラスの友人と何となく話しているときに、「ビョークって人の曲がすごくイイ」と友人が言いました。
「えっ!それおれもついこないだ聴いたよ!すごくよかった!」
「え?お前もそういう音楽聴くんだ。じゃあ今度何か貸すよ」
それから数ヶ月のうちに、ビョークの1st~3rd(「Joga」収録の「Homogenic」)、レディオヘッドの1st~2nd、オアシスの1st~3rd、ケミカル・ブラザーズの1stと2nd、プロディジー「Fat of The Land」、ブラー「Blur」、べック「Odelay」、プライマル・スクリーム「Vanishing Point」を、その友人が一挙に貸してくれました。
「何か覚醒していた」僕は、その大量投下に消化不良を起こすでもなく、むさぼり聴き、化学反応を起こすかのように吸収していきました。まさに、ビョークの「Joga」がきっかけでまったく今までとは別の世界に降り立った感覚だったのです。そしてその世界は、今までいた世界よりも遥かに広い世界でした。
そんなわけで、所謂「オルタナティブ・ロック」(この言葉自体は好きではない)に目覚めた僕は、そこからさらに様々な音楽を聴いて行くようになったのです。
あの時僕にたくさんのCDを貸してくれた友人とは、連絡が取れず、もう12年以上会っていません。でもいつか再会したら、照れずに「お前のおかげで今の自分がいるよ」と伝えたいと思います。