フリートーク |
こないだ公開したブログ7周年記念企画「年間ベスト・アルバム・クロニクル 1997-2016」の〈第三回:2007-2011 インディー期〉にこんなことを書いたんですね。
"snoozerでは「レディ・ガガに勝てない日本のロック」という特集が当時物議を醸しました。この記事に感化され僕がこのブログで「日本のロック・バンドを斬る」みたいな企画をした際に(結局表には出さずボツ記事となりましたが)…"(以下略)
これについて、このボツ記事がどんな内容だったのか気になるという声を少しばかり耳にしまして。この記事は七年前に書いたものなので今さら公開する必要もないとは思うのですが、当時の自分は邦楽に苦手意識があってほぼ洋楽「しか」聴いていませんでした。というのも、やはり歌詞がダイレクトに入ってくることとか、その歌詞が奇を衒ったりしてサムいのが多かったりで。
でもこの記事を書いたことがキッカケとなり、邦楽もちゃんと聴くようになったんですね。なのでこれは自分のターニング・ポイントをリアルに記録したものであるし、「あの頃自分が抱いていた邦楽に対する憤り」が今読み返すと面白いなと思いました。もちろん当時の自分を「偏見の塊だな」とか「口悪いな」「頭悪そうな文章だな」みたく自虐的に見るという意味で。そう、ボツになった理由は公開直前に「これはもしかしたら荒れるかもな」と思ったからです。
これは2010年6月頃、つまりこのブログを始めてまだ5ヶ月目くらいの頃に書いたもので、当然ながら現在の気持ちとは異なります。この記事に登場するバンドの中には、後にアルバム買ったりライヴ観に行ったりするバンドもいるし。ただそれでも、ここではバンド名は伏せたいと思います。それでは意味がないと言われるかもしれませんが、そこはなんというか、自分も今は当時とは違って背負ってるものがあるというか、一応Spincoasterにも関わったりしてるので、ね。
2010年頃ってTwitterとかでも結構平気で毒吐いてたんです。でも自分の中で変わるキッカケというのがあって、それは当時「Hi-Hi-Whoopee」を主宰していたHi-Hi氏(後のLil $ega氏)と、ちょっとTwitterで舌戦(?)みたいになったことがあったんですね。その時に、だいぶ前の事なので正確には覚えてないですけど「あなたほどの人がこんな個人攻撃をするなんて失望しました」みたいなこと言われたんです。ここで僕は初めて「あ、自分ってそう見られているのか」って思ったんですね。いやこれ別に「あ、俺って有名人なんだ?」みたいな自惚れな意味ではなくてですよ。
Twitterやブログを始めた頃って、こんなん誰も読んでないだろとか思いつつやってたけど、インディー音楽やネット音楽などにおける日本国内のごくごく狭いコミュニティの中で少しは「あ、この人たまにTwitterで見掛ける」とか「あ、このブログ見たことあるかも」みたいな感じにはなってきてるんだなって。しかも僕にとってHi-Hi氏は「その界隈ではかなり知られた人」という認識だったから、そんな人からいきなりそう言われてかなりビックリしました。それで、もう少し「いろんな人が見ていること」「本人に届くかもしれないこと」そしてなにより「自分含めTwitter上の人が皆、実在する人間であること」を意識するようになりました(そんなんもっと前から意識してろよって話ですが)。実際Hi-Hi氏とは相互にフォローしてなかったのに僕のツイートが数分で届いてしまったし。
話を本題に戻して。そもそもsnoozer誌の「レディ・ガガに勝てない日本のロック」って何?という人もいると思います。これは2010年6月号の特集記事で、ざっくり言うと日本のバンドをいくつか挙げて批評した内容なんですが、当のバンドからその記事に対して反論があったりして(毛皮のマリーズの志摩氏がブログに書いた「1Q84に勝てない日本の音楽誌」とか)当時ちょっと界隈をざわつかせた件です。興味のある方は古本屋で探してみてください。
以下、2010年6月に書いた記事を初公開。バンド名全部わかる人がいたらTwitterで@David_Garle宛にこっそりDMください。
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