2009年06月30日 (火) | 編集 |
きのうの続き、です。
たまにはこういうのもいいでしょか。
今日は、40代男性高校教師の悩みに対する、作家の車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ)さんの回答を、
そのまま転載します。
【2009年6月13日朝日新聞 be on Saturday】10面 《悩みのるつぼ》 より
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
私は学校を出ると、東京日本橋の広告代理店に勤めた。が、この会社は安月給だったので、どんなに切り詰めても、1日2食しか飯が喰(く)えなかった。
北海道・東北への出張を命じられると、旅費の半分は親から送ってもらえと言われた。仕方がないので、高利貸から金を借りて行っていた。生まれて初めて貧乏を経験した。2年半で辞めた。
次に勤めたのは総会屋の会社だった。金を大企業から脅し取るのである。高給だったが、2年半で辞めた。30代の8年間は月給2万円で、料理場の下働きをしていた。この間に人の嫁はんに次々に誘われ、姦通事件を3遍起こし、人生とは何か、金とは何か、ということがよくよく分かった。
人は普通、自分が人間に生まれたことを取り返しのつかない不幸だとは思うてません。しかし私は
不幸なことだと考えています。あなたの場合、まだ人生が始まっていないのです。
世の多くの人は、自分の生はこの世に誕生した時に始まった、と考えていますが、実はそうではありません。生が破綻した時に、はじめて人生が始まるのです。従って破綻なく一生を終える人は、せっかく人間に生まれてきながら、人生の本当の味わいを知らずに終わってしまいます。気の毒なことです。
あなたは自分の生が破綻することを恐れていらっしゃるのです。破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、はじめて人間とは何かということが見えるのです。あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえば、それでよいのです。そうすると、はじめて人間の生とは何かということが見え、この世の本当の姿が見えるのです。
せっかく人間に生まれてきながら、人間とは何かということを知らずに、生が終わってしまうのは実に味気ないことです。そういう人間が世の9割です。
私はいま作家としてこの世を生きていますが、人間とは何か、ということが少し分かり掛けたのは、
31歳で無一物になった時です。
世の人はみな私のことを阿呆(あほう)だとあざ笑いました。でも、阿呆ほど気の楽なことはなく、
人間とは何か、ということもよく見えるようになりました。
阿呆になることが一番よいのです。あなたは小利口な人です。
:::::::::::::::::::::::(原文は段落が無かったですが、読みやすいように私が間を空けました)
私自身いろいろ考えてしまったので、全文書いてしまおう、と思いました。
これを読んだ私の感想はまた、書きます。
続く。
たまにはこういうのもいいでしょか。
今日は、40代男性高校教師の悩みに対する、作家の車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ)さんの回答を、
そのまま転載します。
【2009年6月13日朝日新聞 be on Saturday】10面 《悩みのるつぼ》 より
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
私は学校を出ると、東京日本橋の広告代理店に勤めた。が、この会社は安月給だったので、どんなに切り詰めても、1日2食しか飯が喰(く)えなかった。
北海道・東北への出張を命じられると、旅費の半分は親から送ってもらえと言われた。仕方がないので、高利貸から金を借りて行っていた。生まれて初めて貧乏を経験した。2年半で辞めた。
次に勤めたのは総会屋の会社だった。金を大企業から脅し取るのである。高給だったが、2年半で辞めた。30代の8年間は月給2万円で、料理場の下働きをしていた。この間に人の嫁はんに次々に誘われ、姦通事件を3遍起こし、人生とは何か、金とは何か、ということがよくよく分かった。
人は普通、自分が人間に生まれたことを取り返しのつかない不幸だとは思うてません。しかし私は
不幸なことだと考えています。あなたの場合、まだ人生が始まっていないのです。
世の多くの人は、自分の生はこの世に誕生した時に始まった、と考えていますが、実はそうではありません。生が破綻した時に、はじめて人生が始まるのです。従って破綻なく一生を終える人は、せっかく人間に生まれてきながら、人生の本当の味わいを知らずに終わってしまいます。気の毒なことです。
あなたは自分の生が破綻することを恐れていらっしゃるのです。破綻して、職業も名誉も家庭も失った時、はじめて人間とは何かということが見えるのです。あなたは高校の教師だそうですが、好きになった女生徒と出来てしまえば、それでよいのです。そうすると、はじめて人間の生とは何かということが見え、この世の本当の姿が見えるのです。
せっかく人間に生まれてきながら、人間とは何かということを知らずに、生が終わってしまうのは実に味気ないことです。そういう人間が世の9割です。
私はいま作家としてこの世を生きていますが、人間とは何か、ということが少し分かり掛けたのは、
31歳で無一物になった時です。
世の人はみな私のことを阿呆(あほう)だとあざ笑いました。でも、阿呆ほど気の楽なことはなく、
人間とは何か、ということもよく見えるようになりました。
阿呆になることが一番よいのです。あなたは小利口な人です。
:::::::::::::::::::::::(原文は段落が無かったですが、読みやすいように私が間を空けました)
私自身いろいろ考えてしまったので、全文書いてしまおう、と思いました。
これを読んだ私の感想はまた、書きます。
続く。
この記事へのコメント
私の生は、破綻しかけていますね、完全じゃないけど(笑)。
ゆうこさんの感想、楽しみにしております。
ゆうこさんの感想、楽しみにしております。
> 私の生は、破綻しかけていますね、完全じゃないけど(笑)。
緑虫さん、こんばんは
そうなのですか・・
あまり、緑虫さんご自身のことについて(もちろんブログ拝見していますが)知らなくて、
謎だなぁ(笑)というのは感じますが・・・
何でしょうねぇ・・私自身は・・・おっと。この続きは、また明日に
緑虫さん、こんばんは

あまり、緑虫さんご自身のことについて(もちろんブログ拝見していますが)知らなくて、
謎だなぁ(笑)というのは感じますが・・・
何でしょうねぇ・・私自身は・・・おっと。この続きは、また明日に

ゆうこさんも、じゅうぶん謎ですよ、私にとっては(笑)。
> ゆうこさんも、じゅうぶん謎ですよ、私にとっては(笑)。
緑虫さん、おはようございます
そうですか・・(ノ´∀`*)
自分自身のことは、本当は自分が一番、謎に感じているのかも…
って、禅問答みたいになってしまいますが(^^ゞ
そうですよねぇ・・顔も声も分からないし。
顔は一瞬だけなら出してしまっても構わないのですが、
(本当は愛犬の写真を先に載せたいですが)
アップの方法が分からなくてここまで来てしまいました。
緑虫さんもやっぱり謎かなぁ。私は素敵な人だと思っていますよ(笑)
緑虫さん、おはようございます

自分自身のことは、本当は自分が一番、謎に感じているのかも…
って、禅問答みたいになってしまいますが(^^ゞ
そうですよねぇ・・顔も声も分からないし。
顔は一瞬だけなら出してしまっても構わないのですが、
(本当は愛犬の写真を先に載せたいですが)
アップの方法が分からなくてここまで来てしまいました。
緑虫さんもやっぱり謎かなぁ。私は素敵な人だと思っていますよ(笑)
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