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公開:2013-01/14
更新:2016-06/27 部分的に加筆・修正
関連:初心者600点 / 700~800点 / 900点 / おすすめTOEIC本 / Part 1・2 / Part 3・4 / Part 5・6 / Part 7 / スコアが伸びない - 2年で10点 / 最後まで解けない / アビメL - アビメR
2012年10月にTOEIC 900点を超えてから、ブログ読者さんのご相談をお受けしてきたことで、TOEICでスコアが伸びない人は、いくつかのパターンに集約されること分かってきました。
※僕自身は、800点前後で1年くらい「さまようよろい」でした…orz
そんなわけで、TOEICで伸び悩むパターンをまとめ、その対策・改善策も書いておくとお役に立つかなと。「長らくスコアが停滞している」という方や「今年中にTOEIC ○○○点取らないとクビ・減給…orz」という方の参考になれば幸いです。
ちなみに、特定のパートだけ伸び悩んでおられる方は、次の記事のほうが参考になると思います。
それでは本編へいってみましょうヾ(゚Д゚ )
1. TOEIC初心者~全レベル
まず、TOEIC初心者~700点くらいの方によくある伸び悩むパターンをまとめていきます。
(1) 本気になっていない
TOEICで伸び悩んでいる人に一番多い原因が、「本気になっていない」です。どうですか?「今、自分は本気で英語を勉強している」と太陽神・松岡修造氏の御前で言えますか?ヾ(゚Д゚ )
僕を欺くことはできても、太陽神を欺くことはできないですよ。
※松岡修造氏が2014年末にスペインに行ったところ、日本の気温が下がり、スペインの気温が上がったので、ネット上の一部では、太陽神と呼ばれています。
800~900点を獲得された当ブログの読者さんたちは、毎日1.5~3時間くらい勉強されていました。
僕自身も、リスニング・リーディング力が大幅に向上して、700~800点獲れるようになってきたのは、2010年の夏頃から、毎日2~3時間勉強するようになってからです。
900点前後が獲れるようになってきた今は、英会話と英検も並行して勉強しているので、1日3~4時間は勉強しています。これだけやっていても、まだ中の下くらいの英語力だと感じています。
僕ら英語学習者がついつい軽く口にしてしまう「英語ペラペラになりたい」「洋画を字幕なしで観れるようにしたい」がどれほど果てしない目標か、勉強をすればするほど気づいてくるんですよね。
【参考】英語を5000時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
(2) 毎日英語を聴いてない・読んでない
「Part 2の連続25問がしんどすぎる」「リーディングパートの英文量が多すぎてツライ」という方に質問。
TOEICはリスニングが45分、リーディングが75分ありますよね。つまり、普段からそれくらいの時間、英語音声を聞いていない、英文を読んでいない人が、いきなり本番で2時間も持つわけがない、というのはお分かりいただけると思います。
普段から走ってない人がいきなりマラソンに出ても、完走はできないのです。
とは言え、TOEICのリスニングには無音部分やディレクションなどの不要な音声もありますし、リーディングは解く時間も含まれます。
ですので、700~800点をめざすのであれば、英語音声を30分聞く&英文を30分読むのを日課にして下さい。900点をめざすのであれば、それぞれ1時間ずつ投資すると、より早くたどり着きやすくなります。
【参考】英語学習を続けるために大切なのはモチベよりも「日課」
注意点としては、
ようにしないと効果が低いです。
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編
【参考】TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法
また、「本気で勉強したいけど、時間を捻出するのが難しい」という方は、スキマ時間を活用しましょう。スキマ時間については、下記の記事・サイトを参考にして下さい。
【参考】【TOEIC】忙しい人必見!スキマ時間にできる勉強ネタ9選
(3) TOEICを受験してない著者の教材を使っている
「本が売れない」という近頃の出版業界において、TOEICは非常に儲かる市場のようです。そのせいか、TOEICを受けたことがない英語講師が、出版社に頼まれて書いているケースがあります。以前の僕は、そういった事情を知らなかったので、そういった「なんちゃってTOEIC対策本」もけっこうやってきたのですが、当ブログではお薦めしていません。
この「TOEICを受けたことがない英語講師が、出版社に頼まれて書いている本」というのは言ってみれば、ラーメン屋の大将が書いた「うどんレシピ本」です。
ラーメンもうどんも同じ麺類ですが、似て非なるものですよね。美味しいうどんを作りたいのなら、美味しいうどん屋の大将のレシピ本を買うと思います。
同様に、TOEICを受け続けていない英語講師が、最新のTOEICに出る、良質な英文・問題を作れるとは考えにくいのです。
あと、TOEICが今よりももっと簡単だった時代に、900点~満点を取得した人が本を書いているケースもたくさんあります。
ですが、TOEICはここ数年難しくなってきているので、ひと昔前の勉強法や問題の解き方では、伸び悩む可能性大です。
そんなわけで、著者が最後に受験したのはいつなのか?年に何回受けているのか?も重要になってきます。
TOEIC対策本の選び方や、TOEICを毎回受け続けている著者は、次の記事にまとめてあります。
(4) TOEIC以外の教材を使っている
DUOを使って180日間勉強した結果、「総合的な英語力向上」という意味では、DUOはいい単語帳だと感じました。
ですが、900点が最優先事項なのであれば、DUOはあまりお勧めではないなと。DUOにはTOEICに出ない語彙や表現がけっこう掲載されているからです(上図イメージ参照)。
どちらが早く900点に到達できるかは、何となくお分かりいただけると思います。
似たようなケースで、Part 5・6の対策に大学受験用の文法問題集をやる方もおられますが、これもPart 5・6対策本をやったほうが、伸びるスピードは圧倒的に早いです。
僕も最初の頃は、こういったことをよく分かっていなかったので、TOEICに関係ないテキストを使っていました。スコアが伸びにくかった原因の1つです。
【参考】TOEICリスニング満点の僕が2年勉強しても10点しか上がらなかった頃の話
他にも洋画・ドラマ・YouTube・洋書・ニュース・受験参考書などのTOEIC以外のマテリアルは、TOEICに出ない語彙・表現・トピックを含んでいるので、こういったもので勉強していると、スコアが伸び悩む可能性があります。
応用言語学者の白井恭弘教授も著書で、特化して勉強することの重要性を説いておられます。
ここ数十年のコーパス言語学研究や、ジャンル分析などの結果、英語といっても、ジャンルによって使われる単語や構文は全然違ってくることがわかってきました。
たとえば、アナウンサーがテレビでしゃべっているときと、家で子供に向かってしゃべっているときでは、単語も文法もかなり違うものを使っています。
このような違いを意識して考え出されたのが、ESP (English for Specific Purposes) です。
例をあげれば、薬剤師のための英語とか、看護師のための英語とか。当然、使う単語や、表現などは恋愛映画のそれとは相当異なります。
ですから、TOEFLなら、TOEFLに特化した学習をしたほうが効率はよいのです。(P. 78)
【関連】英語やTOEICで伸び悩んでいる?科学研究「ジャンルを絞って勉強しよう」
下記の記事は、僕が900点を取るのに貢献してくれたTOEICや、TOEICを毎回受け続けておられる、信頼できる著者の本を紹介しています。
(5) 古い教材で勉強している
2016年に新形式に変わったのはご存知だと思います。特にPart 3・4・6・7に新しい問題が追加されました。詳しくは次の記事をご覧下さい。
【参考】新形式TOEIC 対策と勉強法まとめ リスニング編 / リーディング編
TOEICは今まで50回以上受けてきましたが、毎年徐々に変化しています。
800点くらいまではそんなにシビアにならなくてもいいと思いますが、900点をめざすのであれば、なるべく新しい公式問題集やTOEIC本を選んだほうがいいです。
今、本屋にあるものは、基本的には新形式に対応していると思いますが、買うときはどんなに古くても、2017年以降に出版されたものを買うようにしたほうがいいです。
2. TOEIC 600~800点台
続いて、TOEIC 600~800点台で伸び悩むパターンをまとめていきます。
(6) 英会話をやっている
英会話をやり始めると、英語に触れる機会が増える → 単純に英語力が上がるので、スコアもある程度は上がります。
実際、「公式問題集と英会話を中心に勉強してきて、900点を超えることができた」という方もおられますし、他にも「オンライン英会話でTOEICスコアが伸びた」という方はおられるので、英会話はTOEICのスコアを伸ばすのにそれなりに役に立つと考えています。
ただ、その一方で、英会話を続けていて、スコアで伸び悩んでいる方もけっこうおられます。
僕自身は800点前後の頃に【 オンライン英会話 】を週に2~3回やっていた時期があります。
TOEICの勉強時間が減ってしまっただけでなく、そのオンライン英会話の予習・復習をする時間も確保できず、TOEICと英会話のどちらの勉強も中途半端になっていました。
当時は、会話力をつけることよりも、900点を取ることのほうが、僕にとって優先順位が高かったので、「900点超えるまでは、オンライン英会話は我慢したほうがいいな」と思って、いったん止めました。
【参考】オンライン英会話はTOEICに効果があるか?
「TOEICスコアはそんなに急いでおらず、英会話力も身につけたい」と考えているのであれば、オンライン英会話とTOEICを並行してやっていくのもアリだと思います。
ですが、先ほどもお伝えしたように、「少しでも早く900点を取りたい!」のであれば、TOEIC教材を中心に勉強したほうが時間対効果が高いと考えています。
【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた
(7) 問題を解いた数が少ない
TOEICの公式問題集の問題文を使って、ひたすら音読・シャドウイングなどのトレーニングはすると、それなりに英語力は身につき、そこそこ点数が取れるようになります。ですが、2011年以降の難化したTOEICでは、音読やシャドウイングなどのトレーニング”だけ”では、700~800点台で止まってしまう可能性があります。
※800点前後で停滞していた、2011年の僕がこのパターンでした。
僕が900点を超えたときは、だいたい2000~3000問(模試10~15回分)くらいの問題を解いて、その音声と英文を使ってトレーニングしていました。各スコアを取るのに必要な問題数の目安は次の通りです。
※現在400点台だった場合を想定。
【参考】TOEIC 700・800・900点に必要な勉強時間と問題数の目安
それぞれの目標スコアの勉強のやり方については、次の記事を参考にしてみて下さい。
(8) 解いた後にトレーニングしていない
これは先程のパターンとは逆で、問題集を解く → 答え合わせをする → 新しい問題集を解く……というように、ただ問題を得だけで、トレーニングをしないパターンです。「問題を解く」だけでは、必ず伸び悩みます。TOEICは「聞き取れない」「読めない」で高得点が取れるほど易しい試験ではなくなってきつつあります。
900点前後の僕ですら、勉強時間の8~9割は、精読と瞬間英作文・シャドウイング・通読などのトレーニングです。いかにトレーニングが重要かがお分かりいただけると思います。
僕が今までやってきた勉強・トレーニングとその効果についてまとめておきます。
(1) 精読 → 英文の意味・文構造を把握することで、正確に英文が読めるようになる
(2) ディクテーション → 自分が聞き取れない音を判別できる
(3) オーバーラッピング&シャドウイング → 音が聞き取れるようになる
(4) 瞬間英作文 → 聞き取った音や読んだ英文から瞬時に意味がつかめるようになる
(5) 暗唱 → Part 3・4の会話・トークの流れをつかみ、展開を予測できるようになる
(6) 通読 → Part 7のさまざまなジャンルの文書を速読できるようになる
(9) 問題文・設問・選択肢の分析をしていない
Image courtesy of ddpavumba / FreeDigitalPhotos.net
800点台で伸び悩んでいる方は、このパターンの可能性も考えられます。
TOEICの問題集を解いて、答え合わせをして、音読やシャドウイングなどのトレーニングもしているけど伸びないという方は、漫然と問題文(本文)を読んで、漫然と解いているということはないでしょうか?
例えば、Part 7の問題集をやっていて、履歴書に関する問題が出てきた瞬間に、
などは瞬時に思い浮かびますでしょうか?
瞬時に思い浮かばないのであれば、問題文や選択肢をよく分析していないか、問題を解く量が足りていない可能性が高いです。
国内・独学でTOEIC中心に勉強して900点を超える人は、問題文・設問・選択肢を見た瞬間に上記のことが思い浮かび、話のストーリーや問題のパターンを推測することができます。
それは大量に解き、分析し、なおかつ何度もトレーニングされてきたからです。
問題や選択肢の分析については、まず、【 言い換え 】を学んで下さい。
TOEICでは、問題文に出てきた語彙・表現が、設問や選択肢で言い換えられるケースがよくあります。そして、TOEICには、各パートでよく出る言い換え(パラフレーズ)のパターンがあります。
つまり、言い換えパターンのストック増えれば増えるほど、瞬時に解ける問題が増えてくるというわけです。
【参考】TOEIC 800~900点高速突破のカギになる「言い換え」とは?
また、Part 3・4・7においては、話の流れがつかめる語彙・表現、問題の答えやヒントに頻繁に使われる語彙や表現というものがあります。
問題を解いた後、【 精読 】する際に、それらをチェックし、【 通読トレーニング 】をする際に意識して英文を読むようにしていると、試験時にも注意して聞く・読むべきポイントが分かるようになります。
それらの語彙や表現は、「TOEIC Part 3・4・7 攻略のコツ&重要キーワード400」にまとめてあるので、ぜひチェックしてみて下さい。
3. 実力は伸びてるけど点数が伸びない場合
公式問題集や信頼できる著者の模試を中心に、数ヶ月勉強してきて、
「リスニングは以前よりも聞き取れる割合が増えてきた」
「リーディングで読むスピードは上がってきている」
にもかかわらず、スコアが上がらないというパターンになる場合があります。
そういった以前よりは実力が上がってると思うけど、スコアがイマイチ伸びていない場合は、悲観せず、そのまま勉強を続けて下さい。近いうちに必ずスコアに反映されてきます。
上述したように、「公式問題集や信頼できる模試」の音声・英文を使ってトレーニングし、量をこなしていくと、TOEICによく出る会話・トーク・文書・問題のパターンのストックはどんどん増えていきます。
そうすると、聞き取れる・読める割合が増える → 解ける問題が増えていきます。
ですが、800点未満の方は、それらのストックがまだ少ないので、未習得のものがたくさん出た試験ではスコアは低くなりますし、逆に、習得済みのものがたくさん出た試験ではスコアが高くなることは知っておいたほうがいいです。
【参考】TOEICの点数が下がってもヘコまなくていい理由
4. アビメを分析して伸び悩みを解決!
公式認定証のアビリティーズ・メジャード(アビメ)って、TOEICを何度か受験している方にとっても、イマイチよく分からないシロモノではないかと思います。「なんでパート別に表示されてないねん!」と。
ですが、アビメの見方が分かると、自分の弱点が明確になり、どう勉強していったらいいかが分かるようになります。
次の記事で、アビメの分析方法と対策の仕方をかなり詳しくまとめてあるので、ぜひ参考にしてみて下さい(・∀・)b
【参考】弱点と対策が分かる!アビメの見方 リスニング編 / リーディング編
いかがでしたでしょうか?
伸び悩みの原因が判明して、点数向上の一助になれば幸いです♪
● 初心者~600点/700~800点
● 900点/990点満点
【 おすすめ参考書・問題集 】
● 参考書の選び方 8つの注意点
● 900点獲るのに役立った参考書まとめ
● 公式問題集・模試/単語帳/文法書
● Part 1~4/Part 5・6/Part 7
【 リスニング対策 】
● 新形式リスニング対策
● 勉強法:Part 1・2編/Part 3・4編
● Part 2:間接応答・距離が遠い問題
● Part 3・4:先読み/キーワード400
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● オーバーラッピング&シャドウイング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 リーディング対策 】
● 新形式リーディング対策
● 勉強法:Part 5・6編/Part 7編
● 精読(英文解釈)/再読/速音読
● キーワード400/言い換え
【 問題解決 】
● 英語継続のコツ
● 各スコアに必要な勉強時間&問題数
● スコアが伸びない - 2年で10点
● 時間足りない対策:Part 5・6編/Part 7編
● アビメの見方:リスニング/リーディング
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