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公開:2013-03/04
更新:2016-10/04 部分的に加筆・修正
関連:参考書の選び方 / 公式&模試 / 単語帳 / リスニング / Part 5・6 / Part 7
TOEIC リーディングパートのPart 5・6でおすすめの参考書・問題集をレベル別にまとめ、僕がTOEIC 910点を取るまでにやってきた勉強法やコツも添えてみました。
また、文法やPart 5・6対策については、次の記事も参考になると思います。
また、Part 7の問題集については、「TOEIC リーディング Part 7 おすすめ問題集と勉強の進め方」をご覧下さい。
それでは、本編に入っていきたいと思います(・∀・)b
Part 5・6 新形式の傾向
新形式に変わってから、Part 5は問題が「40問」→「30問」に減り、Part 6は「12問」→「16問」に増えました。それ以外にも大きな変更点があります。
● Part 5:空欄前後だけで解ける問題が減った
僕が受け始めた2010年に比べると、Part 5・6ともに、「空欄の前後だけを見ただけで解ける問題」の割合が大幅に減り、全文読まないと解けない問題が増えました。新形式に変わってからもその傾向は続いています。ですが、Part 5の特に前半は、コロケーションで瞬時に解ける問題はけっこう多いです。
※コロケーション:よく一緒に使われる単語群。strongly recommend、issue a statementなど。
「スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編」を参考に、Part 5・6を解いた後に、きちんと【 精読 】した上で、英文を繰り返し読むようにしていれば、口がコロケーションを覚えてくれるので、サクサク解けますよ。
● Part 6:時間がかかるようになった
旧形式のPart 6は、斜め読みしても全問正解しやすいパートでしたが、新形式に変わって「文選択問題」が追加されたため、英文をきちんと読んで内容を理解しないと全問正解できないパートになりました。詳しくは次の記事をお読み下さい。
【参考】新形式TOEIC リーディング対策・時間配分と勉強法まとめ
また、時制と文脈が絡んだ問題や、「Delayed Clue」という、空欄の前後の文を読むだけでは解けない、文書の最後のほうにヒントがある問題もあるので注意が必要です。
Part 5・6 攻略法
Part 5・6の勉強の進め方としては、
Step 0:文法の復習(R300点未満)
Step 1:問題の解き方の手順・コツを学ぶ
Step 2:まずは400問を10周ずつ(目標800点)
Step 3:さらに600問を5周ずつ(目標900点)
という流れが効率的かなと考えています。
TOEIC 700点台の頃、満点ホルダーの Tommyさん にPart 5・6についてご相談したところ、「TOEICで900点以上をめざすなら、Part5・6は1000問以上解く必要があります」とアドバイスしていただきました。
その後、すぐではないですが、1000問解いて5~10周したところ、Part 5・6では9割~満点が取れるようになりました。
詳しくは、「TOEIC リーディング Part 5・6が苦手な人によくある症状とその対策」の記事を参照下さい。
Step 0:文法の復習(R300点未満)
「学生時代英語はけっこう勉強した」「英文法は得意」という方は、このStepはスルーしてOKです。ですが、現在リーディング300点未満で、「学生時代、英語はあまり勉強しなかった」「文法が苦手」という方は、文法の復習から入ることをお薦めします。というのも、TOEICでは、中学レベル+αの文法を理解していないと、400点以上を取るのはかなり厳しいからです。
そんなわけで、TOEICの英文・問題形式で中学文法+αを復習できる次の4冊がお薦めです。
『TOEIC TEST やさしい文法レッスン』
『TOEICテスト600点 英文法集中講義』
『TOEICテスト英文法 プラチナ講義』
『新TOEICテスト 中学英文法で600点!』
この4冊は、あとで詳しく解説します。
●文法書を通読したい
また、「文法書を通読しておきたい」という方は、「英文法が苦手な人にこそ読んで欲しい!おすすめ文法書8選と勉強法」でご紹介している『一億人の英文法』や『Forest』辺りがお薦め。
●瞬間英作文で処理速度で実力向上
あと、時間的に余裕のある方は、「瞬間英作文 最新おすすめ本・教材」でご紹介している瞬間英作文本を1冊、あらかじめやっておくことをお薦めします。
というのも、僕が800点台で伸び悩んでいたときに、瞬間英作文本を1冊やってから、リスニングで瞬時に聞き取れる割合が大幅に増え、リーディングでの速読速解力が向上したんです。
これはなぜか言いますと、文法項目別の瞬間英作文本をやると、英文の基本的な組み立て方が瞬時に分かるようになる → リスニング・リーディング時の「意味を理解する速度」が上がるからです。
「瞬間英作文をやるようになってから、リスニング力・リーディング力が上がった」「スコアが上がった」という結果報告をいただくことがとても増えてきたので、瞬間英作文は再現性の高い(誰がやっても効果の出やすい)トレーニングだと感じています。
瞬間英作文本は、1冊10~20周するのに、2~3ヶ月はかかりますが、一番文法力が身につきます。お薦めは次の2冊。
中学文法+αを、瞬間英作文で一通り復習したい方向け。個人的には、一番お薦めの瞬間英作文本。「英語教材レビュー「会話できる英文法大特訓」文法が分かる→使えるに」で詳しくレビューしてます。
仕事で英語を使うのであればコチラがおすすめ。前半は文法項目別で、後半は仕事でよく使う表現別・場面別。丁寧でファーマルな表現が学べる。
Step 1:問題の解き方の手順・コツを学ぶ
「学生時代に英語はそこそこ勉強した」「文法は得意」という方は、後述する「究極のゼミ Part 5・6」という参考書を使って、TOEICのPart 5・6によく出る問題の種類別に、解き方の手順とコツを学びます。これで、Part 5・6の解き方を体系的に学んだ後、後述する「特急シリーズ」や「模試・公式問題集」などのランダムに問題が並んでいるものでドリル的にやっていくのが効率的かなと。
Step 2:まずは400問を10周ずつ(目標800点)
僕自身は、Part 5・6で300~400問くらいを何度も繰り返している最中に800点に到達しました。ですので、目標800点の方は、400問をひたすらやり込めば、到達できるはずです。この400問は一気にやるのではなく、
● 公式問題集や模試 → 46問(Part 5:30問+Part 6:16問)ずつ
● 特急シリーズや究極のゼミPart 5・6などのPart 5・6対策本 → 1冊ずつ
を10周してから、次の問題集に進むようにします。初心者が一気に400問やってしまうと、最初の頃にやった問題を忘れてしまうので非効率なんですよね(^_^ゞ
また、TOEIC学習初期は、5周で問題を間違えなくなり、10周すると正確かつ高速で解けるようになります。
【参考】TOEIC 700~800点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
Step 3:さらに600問を5周ずつ(目標900点)
Step 2の400問をひたすらやり込んで、●瞬時に解けない問題が1割未満
●精読しても文構造が理解不能な問題文が1割未満
になったら、次の600問に挑んで下さい。完成度1割未満=完璧でなくてもOKということです。
英語力が低いうちは、日本語訳や解説を読んでも、どうしても理解できない問題・英文というのが存在します。ですが、英語力が上がってくると解決することが多いです。ですので、800点を超えるまでは、完璧はめざさないこと。
各問題集5周ずつやり、試験前に1~2周繰り返すようにしてたら、10周する頃には、900点に届いていると思います。
【参考】TOEIC 900点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
Part 5・6 おすすめ問題集(現在スコア別)
文法書について
お薦めの文法書については、お手数ですが、「英文法が苦手な人にこそ読んで欲しい!おすすめ文法書8選と勉強法」に詳しく書いてあるので、そちらをお読み下さい。英語"超"初心者/学生時代は英語をサボった
『TOEIC TEST やさしい文法レッスン』
TOEICライクな英文で中学文法を復習できる参考書?問題集。
Part 5・6の文法問題のみならず、「平叙文」「否定文」「文型」「現在進行形」「過去形」といった中学文法の基礎の基礎から勉強し直したい超英語初心者向け。
「学生時代に、英語はそこそこ勉強したけど、文法は復習しておきたい」という方は、この本よりも、次の項目「R300点未満/中学文法を復習したい」でご紹介している本から選ぶといいと思います。
R300点未満/中学文法を復習したい
現在リーディングが300点未満の方は、中学レベルの文法がきちんと理解できていない可能性が高いです。また、「中学文法を復習したほうがいいのは分かってるけど、今さら中学レベルの文法書はやりたくない」という方は、次の3冊のようなTOEICのPart 5・6に必要な文法だけを学べる効率的な参考書?問題集をどれか1冊やっておくといいと思います。3冊とも二色刷りで分かりやすい。
『TOEICテスト600点 英文法集中講義』
新書で薄い=どこでも勉強できる→通読しやすいので挫折しにくい。基本的に、見開き2ページで簡潔するので、分かりやすい&読みやすいです。前半の「入門編」で各品詞別に解きながら学び、後半の「実践編」で鍛えていくという流れ。
『TOEICテスト英文法 プラチナ講義』
僕が最もお世話になったTOEIC満点ブロガーで、現在講師をされている HUMMERさん 監修の新刊。
少し分厚いですが、この3冊の中では解説がもっとも詳しいと思います。また、英文のMP3形式の音声ファイルが、「出版社サイトのページ」から無料でダウンロード可。
残念ながら、Amazonで「なか見!検索」ができないですが、上記の出版社のページで、目次だけ確認できます。中身が見られるようにして欲しいなぁ。
下記の『新TOEICテスト 中学英文法で600点!』に比べると、新刊なので問題が最近のTOEICの傾向に近いのと、解説が丁寧な印象を受けますが、その分100ページほど多いです。今まで勉強したことがない人にとっては威圧感あるかも。
『新TOEICテスト 中学英文法で600点!』
上述の『英文法プラチナ講義』同様、TOEICに必要な中学文法+αだけを復習できる参考書+問題集。
今から購入するのであれば、最近発売された『英文法プラチナ講義』のほうが、より最近のTOEICに近いのでお薦めですが、『新TOEICテスト 中学英文法で600点!』がダメというほどのものではないです。
上記3冊で迷った場合は、『TOEICテスト600点 英文法集中講義』がオススメです。英語初心者にとって、小さくて薄い本 → 出先でもパッと取り出して勉強できる → 勉強を続けやすい → 継続は力なり、です。
【参考】失敗しない!TOEIC参考書・教材の選び方 7つの注意点
R300点~400点/解き方を学びたい
現在リーディングが300点~400点くらいで、学生時代にそこそこ英語を勉強していて、文法は得意ではないが何とか分かるという方にオススメの問題集です。【参考】TOEIC 700~800点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
『究極のゼミ Part 5&6』
● 設問タイプ別に(=体系的に)問題の解き方が学べる
● 苦手な問題の解き方が分かる
後述する『文法特急シリーズ』は、問題の質・解説は素晴らしいのですが、問題の並び方がランダムなんですよ。
ですが、この「究極のゼミ Part 5・6」だと、例えば苦手な設問タイプがあった場合、その部分を何度も復習しやすいんですよね。
ですので、先にこの「究極のゼミ Part 5・6」で、先に設問タイプ別に、体系的にPart 5・6の問題の解き方を学び、その後の演習として、文法特急・単語特急シリーズに入っていくのが効率的ではないかと、今は考えています。
注意点が1つ。多くの問題は、旧形式の『究極のゼミPart 5&6』と同じなので、旧形式版をお持ちの方にはあまりお勧めではないです。個人的には、1~2年待たされても、すべての問題が刷新されたものが欲しかったんですよね……
Part 6の「文挿入問題」は、易しいものもありますが、難しいものはけっこう厄介ですし。
『究極のゼミPart 5&6』の勉強のやり方については、次の記事を参考にしてみて下さい。
【参考】スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編
『文法特急シリーズ』
東京でTOEIC特化型の塾を経営しておられる、TOEIC講師・花田徹也先生のPart 5・6の文法対策問題集です。文法特急シリーズ2冊は、個人的には、
Part 5・6のマスト本だと思っています。
問題を解くときに気をつけるべきポイントが分かるようになりますし、解説が丁寧で、不正解の選択肢の説明もされてあるので、類書によくある「なんでこの選択肢は間違いなの?」ということがない。
また、文構造を把握する力もつくので、Part 5・6のみならず、Part 7の英文を読む力もつきました。僕は2冊とも、問題文の音読も含めて10周しました。
『単語特急シリーズ』
Part5・6の約半分は語彙問題です。
なので文法問題だけやっていたのでは、高得点は狙えません。『単語特急シリーズ』は、Part 5・6によく出る語彙問題が満載です。
上述した『文法特急シリーズ』2冊とこの『単語特急シリーズ』2冊のお陰で、Part 5・6では7~8割獲れるようになり、800点台に到達しました。
また、『単語特急シリーズ』はところどころに語源の解説があったり、類義語・派生語の記載が多いのが親切だなと。TOEIC本で語源の解説があるのは、僕がやった中では、この本くらいなんですよね。
ちなみに、『単語特急 新形式対策』は『単語特急1』の改訂版で被っている問題はけっこう多いので、『単語特急 新形式対策』を購入された方は『単語特急1』は不要だと思います。『単語特急1』をお持ちの方も、他の問題集をやったほうがいいかと。
『特急シリーズ』の勉強のやり方については、次の記事を参考にしててみ下さい。
【参考】スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編
R400点前後/900点をめざす
現在リーディング400点前後で、Part 5・6が8割以上(52問中40問以上)取れる方で、トータル900点をめざす方向け。【参考】TOEIC 900点を確実に獲る!6つの戦略と勉強法
『900点特急』
この「900点特急」の著者、加藤優先生は、TOEIC界では有名なエッセンスイングリッシュスクールの講師のお一人です。
解説は上記の「文法特急シリーズ」並に丁寧です。Part 5・6で9割~満点を狙う上級者が落としやすい問題を集めてあります。非常にクオリティーが高い。
ちなみに、加藤先生は、文法特急の花田先生と違って、Part 5・6の問題を解くときの「問題文全文読み」を推奨されてますが、部分読みでOKな問題はけっこう多いです。
僕はわりと部分読みしてる派ですが、それでも900点超えました。Part 5・6の正答率も約9割くらいあります。
ただ、Part 5・6で満点をめざす方は、全文読みは必須だと感じていますので、900点超えた今は、Part 5・6をもっと高速で読み・解くスピードが必要だと感じています。
『千本ノックシリーズ』
千本ノックシリーズも、最新の傾向を反映している優れた問題集です。ただ、初心者やPart 5・6が苦手な人がいきなりこの問題集をやると「はて、なんでこの選択肢は不正解になるんやろう?」ということが起きると思います。あと、問題文の語彙レベルも少し高めいです。
対象としては、『究極のゼミPart 5&6』『特急シリーズ』をやり終えていて、現在リーディングで400点を超えてきて、450~満点をめざしている方向けかなと。
次の記事で、最新の千本ノックのレビューと使い方をまとめてみました。検討中の方はどうぞ(・∀・)b
【参考】レビュー&使い方「中村澄子の千本ノック 即効レッスン1」
パート5特急
毎回TOEICを受け続けている神崎正哉先生の本なので、問題のクオリティは間違いないです。最新の傾向が反映されていると思います。また、この本1冊で400問もあるので、コスパは最強かなと。
ただその分、解説はほとんどないに等しいので、Part 5・6は得意で、解き方も分かっていて、数をこなしたい人向けだと思います。
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