[英語] めざせネイティブ並みにペラペラ→言語学者「大人は手遅れ」

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対象:ネイティブ並みにペラペラになりたい
推奨:英語初心者🔰~
読了:約6分(3501字)
公開:2022-08/23
更新:2022-08/26 部分的に加筆・修正

残念ですがもう手遅れです…

大人は完璧な発音はほぼ無理

応用言語学者の白井恭弘教授より、残念なお知らせがあります。


完璧な発音を目指しても、大人の学習者の場合、完璧な発音を身につけるのはほぼ無理だ、ということも意識しておくべきです。(P. 175-176)




もちろん、YouTubeとかTwitterとかで、純ジャパでも米語や英語の発音が美しい方々がいらっしゃいます。

なので、発音にこだわりたい方や英語講師をめざす方(発音がきれいなほうが英語力が高く聞こえるなと)は、努力次第でそれなりに近づくことはできると考えています。


他のスキルもネイティブ並みにはならない

続いて、応用言語学者の中田達也教授より。


仮に成人してから20~40年間を英語圏で過ごしても、すべての領域 (例. 語彙、発音、文法) で完璧な母語話者レベルの能力を獲得できることはほぼありません (e.g., Abrahamsson & Hyltenstam, 2008)。(P. 3)


英語学習の科学
中田 達也・鈴木 祐一・他9名
研究社
2022-04/25

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英語圏で20~40年過ごしてもほぼ無理ということは、日本在住じゃ絶対無理だな(笑)。


実際に20年住んでみた青谷教授

理学・教育学博士の青谷正妥教授は、アメリカに20年住み、博士号を2つとり、MITを含む11大学で教鞭を執っておられたそうです。TOEIC・TOEFLともに満点で英検1級もお持ち。

そんなすごい方が、著書で次のように仰ってました。


青谷もパーティなどでネイティブスピーカー同士が早口で話し出すと、まったくついていけません

それどころか、テレビのアナウンサーのきれいな英語でも分からないことはしょっちゅうです。

話すのに苦労することは、もはやそんなにありませんので、この事実からも聞くことの難しさが分かるのではないでしょうか。(P. 64)



20年アメリカに住んで博士号を2つも取って、アメリカの学生に長年教えていた方ですら、早口のネイティブについていけないということは、純ジャパの僕には絶対たどり着けない神の領域だということが分かります。


米国在住13年のゆーすけさん

お次はアメリカに13年住んでおられた、がん研究者のゆーすけさん。


大人になってからの英語学習は本当に大変。僕の経験では、アメリカで英語だけの環境で過ごしてなんとか聞き取れるのに3年ぐらいかかって、ほぼ何言っているのかがわかるのに10年かかった

13年目(2018年当時)の今でも気を抜くと会話が頭に入ってこない時もある。解決策はとにかく日々英語に触れ続けるしかない。

【出典】ゆーすけさん / Twitter


1日中英語に触れられる環境にいても10年もかかるのなら、日本にいながらゆーすけさんのレベルに到達するのに僕は何年かかるんだ?(笑)



あきらめたらそこで試合終了ですよ


こういう事実を知って、軽く絶望したわけですが(笑)、諦めるのはまだ早いなと。

志は高く

最初にご紹介した白井恭弘教授は、発音について次のようにアドバイスされています。


ただ、日本人英語でいい、通じればいい、といって最初から目標を下げておくと、それさえ達成できないでしょう。

ですから、目標は高く努力し、なるべくターゲットに近づける、そしてそれができなくても、がっかりせずになるべく模倣する、という現実的なアプローチが大事です。

それから、発音については、個々の母音や子音に注意が行きがちですが、実際母語話者にとってわかりやすく、不快に感じない発音という観点からいくと、イントネーションとかリズムの方が個々の音の発音よりも重要だという研究結果が大勢を占めています。(P. 175-176)

【出典】外国語学習の科学


ご多分に漏れず、僕の発音もネイティブレベルにはほど遠いと思います。

ただ、学習初期に「英語耳」で3ヵ月くらい発音練習し、発音やアクセントもなるべく注意を向けてきました。

その結果、ネイティブに十分聞き取ってもらえる発音にはなっているかなと。

ちなみに、TOEICや英検で音読していたとき固定化してしまった発音や、カタカナ英語を矯正するのに苦戦してます(笑)。


加えて、音声知覚の運動理論と脳機能研究から、「リスニングで聞き取れない音 ≒ 正確にスラスラと発音できない音」だと言えるので、シャドウイングを通して自分の発音音変化が改善されれば、リスニング力も向上します。

なので、英語学習を続けるのであれば、発音や音変化のスキルも向上させ続けていくべきだなと。


また、自分の経験上、シャドウイングをやるときにイントネーションやリズムも模倣するようにすれば、両方とも上達してくるなと。

応用言語学者の中田達也教授によると、シャドウイングは発音向上にも寄与するそうですしね。

もちろん、過去の僕みたいにシャドウイングのやり方を間違えていると伸びないのでご注意(˜∀˜;)


ネイティブ並みの英語力がなくても会話はできる

上述した中田達也教授も、発破をかけて下さっています。


母語話者レベルに達することが困難だとしても、悲観する必要はありません。母語話者ほどの英語力がなくても、英語を使いこなすことは可能だからです。

例えば、成人の英語母語話者は20000程度の英単語を知っていると言われていますが、同じような語彙知識がなくても、日常の読み書きに支障はありません。

また、中学校で習う基礎的な文法を使いこなせれば、流暢に会話できます。さらに、母語話者のような発音でなくても、相手に理解してもらうことは可能です。(P. 3)

【出典】英語学習の科学


これ、本当に仰る通りだなと。

2022年現在、僕の語彙力は8千~9千語程度で(しかも停滞気味w)、ネイティブの半分もありません。アクティブ語彙(使える語彙)は増えてきましたが、それでもまだまだ限定的です。

ですが2022年現在、1対1で、相手が標準的なアクセントであれば、早口なネイティブ相手であっても会話できるようになってきつつあるんですよ。

相手がアクセントが強い人だったり、話すトピックによってはまだまだ厳しいときもありますが、2007年に英語を始めたときの目標の1つであった「ネイティブと話せるレベル」に片足が入り始めてきたかなと。

自分がやってきたことは次の記事にまとめてあるので、興味のある方はぜひ!

【関連】オンライン英会話3000回に到達したので効果と現在の課題をまとめてみた


完璧に聞き取れない→聞き返せばいい

僕のロールモデルである多聴多読学習者のYukoさんが「リスニング2500時間経過」で次のように仰ってたんですね。


以前ペネロペ・クルスがInterviewで、”今でも英語での会話は95%しかわからない。でも後の5%は訊ねればいいのよ”と言っていました。うろ覚えなのですが、彼女が英語を勉強して11年程たったころの話だったと思います。

この話を初めて聞いた時は、”11年たっても完璧じゃないんだ”と思ったのですが、今は”残りの5%は、分からなければ聞きなおせばいい”、という態度が大事だと気づきました。

完璧にこだわって出来ない自分にガッカリするより、徐々に聞き取れる範囲が広がってきたことを素直に喜んだほうがいい


上述したように、「アメリカに40年住んでもネイティブレベルにはならない」ということが判明したわけですが、聞き取れなければ訊ねればいいは本当にその通りだなと。

ちなみに、僕は洋画やドラマをほとんど観ないので、ペネロペ・クルスさんという女優さんを知らなかったのですが、スペインのマドリード生まれの方みたいですね。

スペイン語と英語に加えて、イタリア語とフランス語も話せる(!)そうです。英語を話しておられる動画を見つけました。




ペネロペさん(左)、Ellenさん(右)の早い英語を聞き取っておられますよね。十分な気がするなぁ。
 
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