読了:約4分(2610字)
公開:2017-07/22
「Enjoy Life in English! 質問・感想・要望フォーム」でご質問をいただきました。かいさん、ありがとうございます!
僕も同じようなことで以前悩んでいましたし、わりとよくある悩みだと思ったので、解決策をシェアしておきます。
Question
この度TOEICに挑戦してみようと思いました。その中でこちらの記事を読ませていただいて、いくつか疑問が生まれたのでご連絡させていただきました。
私は現在大学三回生で大学受験はしていません。高校生の時に英検2級は取りました。文法が昔から苦手で、今となってはほとんどの文法を理解できていないと思います。
今回質問したいのは勉強の進め方についてです。
「TOEIC初心者が確実に600点取れる6つの戦略と勉強法」の記事を読ませていただいただきました。
Step1の『いきなりスコアアップ!TOEICテスト600点英文法集中講義』という本を10周程度をするとのことなのですが、まずはこれをひたすら10週するべきでしょうか?それとも他の本での勉強も同時並行で進めるべきでしょうか?
初歩的な質問で申し訳ありません。よろしくお願いします。
Answer
テキストは絞ったほうが成長が速くなる
よく言われていることですが、英語学習では、なるべくテキストは絞ったほういいです。理由としては、
→ 各テキストを終わらせるのに、より多くの日数が必要になる
→ 各スキルがなかなか上達しにくくなる
→ モチベーションを維持しづらくなる
→ 勉強が頓挫しやすくなる
からです。ちなみに、僕は今、TOEIC・英検・英会話を同時並行でやっていますが、どれもなかなか上達を感じられないので非常に苦しいんですよね(笑)
TOEIC 900点を超えていても、英検準1級を持っていても、いろんな勉強を同時並行で勉強すれば、それぞれのパートの上達速度が下がります。
TOEICのリスニングパートと、英検のリスニングPart 1・Part 3はある程度被りますが、それ以外はあまり被らないですし、リーディングパートはほとんど被らないので、同時並行でやるのはあまり賢くないなと(笑)
僕はこういうブログをやっているので、同時並行していますが、基本的にはどちらかに特化したほうがいいです。
文法を最初にやったほうがいい理由
かいさんのケースにおいては、仰られたように、リーディングパートは購入されたに絞ってやるといいと思います。この問題集は、すべての英文に文構造の解説がついているのが特長です。
英語を勉強していると、解説や和訳を読んでも「なんでこの英文はこんな和訳になるんやろう(?_?)」ということがよくありますが、文構造が解説されてあると、スッキリ理解できることが多いんですよね。
これ1冊ですべての文法問題が解けるようにはならないですが、この問題集を10周することで、文法の理解度が高まり、文構造も少しずつつかめるようになってくるはずです。
「TOEIC スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編」でもお伝えしていますが、Part 5の文法問題を徹底的にやると、英文の文構造(特に主語と動詞)がつかめるようになってきます。
なぜならPart 5の文法問題では、主語と動詞を瞬時に把握する必要があるからです。
その結果、複雑な文構造の英文でも、主語と動詞を見抜けるようになり、Part 7の英文の【 精読 】もやりやすくなってきます。
また、かいさんは「文法が苦手」ということなので、不明な文法事項に出会ったら、お持ちの文法書で徹底的に調べることをオススメします。リーディングだけでなく、リスニングでも。
ブログのあちこちでご紹介していますが、言語学者の白井恭弘教授が著書で、ピッツバーグ大学のロバート・ディカイザー教授の調査結果を紹介しておられます。
ピッツバーグ(アメリカのペンシルバニア州南西部にある都市)周辺のハンガリー人のコミュニティで自然に英語を習得した人々の英語力と、文法分析能力の適正の関係を調べました。
結果は、十六歳以降にアメリカに移住した人については適性テストの得点が高い人だけ、つまり文法分析能力の高い人だけが英語ネイティブに近いレベルまで達した(P.63)
文法用語を覚えて詳しく説明できるようになる必要はないですが、TOEICのリーディングのアビメのR5(文法が理解できる)で、90%以上をコンスタントに取れるようになると、文法で困ることはかなり減ってきます。ゼロにはならないですが(笑)
それは結果的に、リーディングのみならず、リスニング、スピーキング、ライティングにも効果があります。
【参考】英文法が苦手な人にこそ読んで欲しい!おすすめ文法書8選と勉強法
リスニングとリーディングは毎日やる
ただ、リスニングパートは同時並行で勉強して下さい。理由は、リスニングで聞き取れるようになるまでには、次の3つの条件が必要だからです。
(2) 聞き取った音から意味がつかめる
(3) 会話・トークの状況がつかめる
文法を勉強すると、主に「(2) 聞き取った音から意味がつかめる」に効果があります。
ですが、その前提条件である「(1) 音が聞き取れる」ようにならなければ、最終的に聞き取れる状態にはなりません。
そして英語初級者の方や、リスニングが苦手な方は、聞き取れない音が非常に多いと考えられます。
なので、聞き取れる発音や音の連結・消失のデータベースが増やす必要があります。
初級者の方は、『公式問題集』か何かお持ちのリスニングパートの問題集を解いて、【 ディクテーション 】して、何が聞き取れていないかを把握することが大切です。
【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 1・2編 / Part 3・4編
やりたい人は単語集をやってもいい
時間に余裕がある方でやりたい方は、スキマ時間に単語集をやるのはアリです。【参考】TOEIC おすすめ単語帳4選と効果的な勉強法&おすすめでない単語帳
単語集を並行してやることで、単語集で勉強した単語が、『公式問題集』などで出てくるからです。単語は、出会う回数が増えれば増えるほど、より正確に、より速く理解できるようになります。
ただ、僕自身は単語集はやりませんでした。
単語集で勉強するのが好きな方はやったほうがいいと思いますが、僕みたい「単語集はなんか受験勉強みたいでやりたくない」という方は、やらなくても大丈夫。僕は単語集をやらずに950点取れました。
どちらが正しいということではなく、好みで決めるといいと思います。
● 初心者~600点/700~800点
● 900点/990点満点
【 おすすめ参考書・問題集 】
● 参考書の選び方 8つの注意点
● 900点獲るのに役立った参考書まとめ
● 公式問題集・模試/単語帳/文法書
● Part 1~4/Part 5・6/Part 7
【 リスニング対策 】
● 新形式リスニング対策
● 勉強法:Part 1・2編/Part 3・4編
● Part 2:間接応答・距離が遠い問題
● Part 3・4:先読み/キーワード400
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● オーバーラッピング&シャドウイング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 リーディング対策 】
● 新形式リーディング対策
● 勉強法:Part 5・6編/Part 7編
● 精読(英文解釈)/通読/速音読
● キーワード400/言い換え
【 問題解決 】
● 英語学習の継続のコツ
● 各スコアに必要な勉強時間&問題数
● スコアが伸びない9パターン
● 時間が足りない対策:Part 5・6編/Part 7編
● アビメの見方:リスニング/リーディング
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