推奨:英語初心者🔰~
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公開:2022-08/17
関連:リスニング重視のすゝめ / 多読を中断した3つの理由
僕は結局大学には行っていないのですが、受験勉強で文法と英文解釈は学び、アラサーの頃にTOEIC 900点を取り、その後英検準1級を取りました。
これらがなければ今の僕の英語力はなかったので、どれも感謝していますが、デメリットもいくつかあったなと感じており、その1つが「会話で書き言葉が出てきてしまう」という点です。
初級者はあまり気にしなくてもいいですが、上級者をめざす中級者の方は、口語体と文章体を意識していったほうがいいなと。
現在、受験・TOEIC・英検で英語を勉強されている方は、この点に注意しておけば、将来英会話にスイッチしたときに役立つかもしれないと思ったのでシェアしておこうと思いました。
受験英語・TOEIC・英検の欠点
口語体と文章体の使い分けが身につきにくい
普段自分が使っている単語やフレーズが話し言葉か書き言葉かを意識されています?僕は「例解 和文英訳教本」のお陰で、意識しているつもりでいましたが、気づいたら書き言葉を日常会話で使っていました。
例えば、ネイティブと"雑談"していて、「この間、イベントに参加しました。」と英語で言いたいとき、「~に参加する」はどう表現しますか?ちょっと考えてみて下さい。
TOEICをやっていた人は、TOEICによく出る「take part in/participate in(~に参加する)」を使われるかもしれません。
オンライン英会話「エイゴックス」でネイティブ講師にこう言ったら、「間違いではないけど、表現が堅苦しい」と指摘されました。
会話では、「I went to an event.」「I joined an event.」と言うのがネイティブ的には自然だそうです。
また、2018年頃から使い始めた無料の添削サービス「HiNative」で、900回近く添削してもらってきたのですが、「文法的には正しいけど、日常会話ではその表現は使わないね」という指摘を何度もらったか分かりません(笑)。
こんな感じで、受験英語やTOEICや英検で育つと、話し言葉と書き言葉の違いがよく分からないまま英語を身につけてしまうわけですよ。
準ネイティブレベルに到達するためには、口語体と文章体をきちんと区別できるようにならないといけないと思うようになってきたんですよね。
口語・文語の区別を学びにくい理由
【理由1】口語・文語を知る機会が少ない
そもそも、文法書も大学受験参考書も、TOEIC本も英検の過去問も、語注などで口語体と文語体の区別を教えてくれるものは非常に少ない気がしています。僕の知る限りでは、「例解 和文英訳教本」、竹岡広信さんや大西泰斗さんの本くらいかと。今は増えているのかな。
本屋で新しい文法書を見つけたら、「seldom」の項目をチェックします。「seldom」が"踏み絵"(笑)。
僕がチェックしている限りでは、「seldomは基本的に書き言葉で、会話で使われることはめったにない」といった記載がある文法書は、一億人の英文法くらいなんですよね。
「◯◯さんは著書で、口語体と文章体の区別をよく説明してくれてるよ」とかあったらコメント欄やメッセージで教えて下さい(*_ _)人
【理由2】リスニングとリーディングを同時に開始
僕らが口語と文語を混同してしまうのは、リスニングとリーディングを同時に勉強し始めるから、というのも大きいと考えています。
「英語圏の子供は5歳頃までに母語を17,520時間"聞く"」という研究があるんですね。
つまり、ネイティブの子供はまず最初にリスニング(話し言葉)で大量インプットするわけですよ。その後、徐々にリーディングが増えていく。
だから、口語体と文章体の区別ができるようになるわけです。
一方、日本ではどうか。
今の中学・高校は分からないですが、僕が学生時代のときは教わった記憶はないですね。
また、TOEICも英検も基本的に、リスニングとリーディングは同時に勉強しますよね。
2016年に英検準1級に合格するまでは、僕の英語のインプットは主に、TOEIC本と英検準1級の過去問で構成されていました。
TOEIC本や英検の過去問で、「◯◯は基本的に書き言葉なので、会話では△△を使ったほうがいいです」という注意書きって見たことあります?僕はないです。
リスニング(口語体)とリーディング(文章体)を同時勉強するだけでも混同する原因になります。
にもかかわらず、その区別を学ぶ手段もない場合、当然ながら口語体と文章体を混同して覚えてしまいますよね。
【理由3】学習初期からリーディングを猛プッシュ
日本では、学習初期からリーディングを猛プッシュされる感じがするんですが、いかがですか?
例えば、「読めないものは聞き取れない。まずは読めるようにしよう」という妙に説得力のある謎理論がありますよね。
でもよくよく考えてみると、ネイティブの3歳児は読めないけど聞き取れるよなと(笑)。
言語学者の方々も含めて、英語学習初期から多読を勧めておられる方も多いなと。
この数年、第二言語習得の本を読んできたことで、僕がリスニングで伸び悩んできた大きな原因の1つは、スピーキングとリーディングに時間を割きすぎたからだと気づきました。
英語学習初期に、リスニングよりもリーディングに多くの時間を割くと、次の3つの懸念が生まれるなと。
(1) 我流の間違った発音が身につく危険性
(2) 読めるけど聞き取れない問題が残る
(3) 会話で書き言葉が出てきてしまう
【関連】英会話重視ならリーディングは減らしたほうがいいかもしれない話
もちろん、読書が大好きなのであれば、リーディングから始めてもいいと思うんです。英語を学ぶ目的は人それぞれですし。
ですが、「英語を話せるようになること」が目的の方は、第二言語習得的にはリスニングに最も時間を割いたほうが効率的だと考えています。
そんなわけで、2019年にいったん多読をストップしました。
僕は読書好きですし、ネット上で見つけた英語記事は読んだりするのでまったく読んでいないわけではないです。ただ、今は会話重視で全勉強時間の6割くらいはリスニングに費やしています。
【関連】300万語近く多読した結果、中断することにした3つの理由
口語体をインストールする方法
口語体(会話)を聞く機会を増やす
日常会話がメインのものであれば、マテリアルは何でもいいと思います。映画でもドラマでもリアリティ番組でも。
個人的には、多聴的には「MJ and Adam Show」「Hololive EN」をよく聞いています。精聴的には「森田勝之先生の映画・ドラマCD」「リスニング難度A+」「英語でドラマを楽しもう!」「Hip Talk LA」などでトレーニングしてきました。
それで気づいてきたのですが、TOEICはリーディングはもちろん、リスニング(会話)ですらそこそこフォーマルな表現が使われているなと。
英検準1級のリスニングパートは、Part 2の説明文問題以外は比較的カジュアルですが、二次試験の解答例はスピーキングなのに堅苦しいと感じます。
また、「NHK WORLD TV」は、番組によってはフォーマルなものも多いので、なるべくカジュアルな会話が多い番組を選んだほうがいいです。
あと、TEDなどのスピーチ系や、YouTubeでも一人語り系のものは意外とフォーマルだったりするので、なるべくネイティブ同士が会話しているものを選んだほうがいいかと。
ネイティブと交流する
いろんな媒体でネイティブと交流するのも大事です。実際にやりとりすることで気づけることって多いなと。
僕はHelloTalkやDiscordの言語交換コミュで野良ネイティブとやりとりしたり、エイゴックスでネイティブ講師と話してきました。
瞬時に返答しないといけない会話だと、英語初心者の方にはハードルは高いかもしれないですが、HelloTalkやDiscordでのテキストチャットだと自分ペースでやりとりできます。
また、SNSはライティングですが、比較的カジュアルな英語が使われるんですよね。
ただ、最終的に「英語を話せるようになること」が目標なのであれば、実際に会話をしていったほうがいいのは間違いないです。
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