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公開:2020-10/12
更新:2020-11/07 読みやすさ・分かりやすさ向上のため大幅に加筆・修正
質問・感想・感謝・要望フォームから「オンライン英会話の復習ってどうすればいいのでしょうか?」というご質問をいただきました。
2013年頃にオンライン英会話を始めたのですが、2020年10月現在トータルで2800回を超えました。
今でももちろん、「英語でなんて言えばいいか分からない」という状況はありますし、おそらく死ぬまでゼロにはならないと思いますが、それでも当時に比べたら格段に減りましたし、とりあえず何か意見を言える、説明できるレベルには到達してきたかなと。
というわけで、試行錯誤してきたノウハウをまとめてみました。参考になれば幸いです。
ただ、どちらかと言うと多少英語が話せる初中級者~中級者向けかもしれません。初心者~初級者の方は「オンライン英会話 初心者が撃沈しないために準備すべき5つのこと」をまずは実践されたほうがよろしいかと。
それでは参りましょう!٩(ˊーˋ*)و
ご相談内容
いつもブログを拝見しております。以前はTOEICの記事を参考に、800点を超えることができました。
今後、仕事で英会話が必要になるので、今年の夏から、ネイティブキャンプをはじめました。テキストは、スピーキング、トピックトーク、5分間ディスカッション、デイリーニュースをやっています。悩み事は2つあります。
1つは、復習方法です。はじめて英会話を習い始めたので復習に困ってます。
とりあえず、言えなかったことやサンプルアンサーをノートにまとめてます。他の勉強もあるので、英語にばかり時間がさけないですが、うまく復習できてる気がしなくて、消化不良な感覚です。
ネイティブキャンプのカウンセラーから、復習に関してまともなアドバイスをもらえず、困りました。復習は絶対必要だと思いますし、他の方のブログでも「復習はしましょう」ってよく書いてますが、具体的な方法は示されてません。
TOEICの勉強なら、間違えなくなるまで、単語を覚えるまでとか繰り返しますが、「英会話のレッスンの復習」となると方法がよくわからないです。
TOEICの記事で「Part◯は〜を繰り返しましょうlと、超超具体的に書かれているような感じで、英会話のレッスンの消化方法を提案していただきたいです。
言えなかったことやサンプルアンサーをノートにまとめるのは大事な作業だと思います。
ただ、おそらくもう気づいておられると思いますが、ただまとめるだけでは英語でスラスラ言えるようにはならないと思うんですよ。
僕も最初の頃はまとめていたのですが、やはりそれだけだと英語で言えるようにはならなかったんですよね。
ではレッスン中に英語で言えなかったことを、次その機会がきたときに言えるようにするためにはどうすればいいか?
英会話 ≒ スピーチとQ&Aセッション
個人的には、オンライン英会話のディスカッションやフリートークって、スピーチとその後のQ&Aセッションみたいなものだと思っています。(2) まとめた文を暗唱する
(3) スピーチする
(4) 質問を受ける→答える
(5) うまく説明できなかった点を修正→次回に備える
スピーチって絶対に準備しますよね。あらかじめ話すことは決まっているわけですし。また、本番でスムーズに言えるようにするためには必ず暗唱します。
また、Q&Aセッションでは想定される質問に対する回答もあらかじめ用意しておくはずです。
同様に、英会話も準備力に尽きると感じています。
「オンライン英会話初心者のコツは自分を英語で説明できるようになること」でも触れていますが、英会話を始めた頃は、話す内容ってある程度決まっていると思うんですよ。
自分の仕事(学業)、好きなこと、趣味や興味あること、自分の性格や体質、自分の過去について、自分が生まれた都市、家族や友人について、英語を始めた理由などは、あらかじめ準備しておくことができます。
英会話・ディスカッションも、自分が準備できていないトピックはきちんと答えられないんですよね。
「英語で言えない」を減らす復習のやり方
まず、レッスン後の復習方法の流れを載せておきます。
Step 2: Real英会話・英辞郎・Weblioから英借文
Step 3: NetspeakやDoPeopleSayで使用頻度を確認
Step 4: HiNativeやHelloTalkなどの添削SNSでネイティブに校正してもらう
Step 5: 150~200 wpmでスラスラ言えるまで暗唱 or 瞬間英作文
Step 6: 英会話で通じるか確認→修正
Step 5の「暗唱 or 瞬間英作文」以外は同じ流れです。1つ1つ説明していきます。
Step 1: 英語で言えなかったことをメモる
レッスン中、可能であれば話を聞きながら、難しいときは「Can I take a note?(メモを取ってもいいですか?)」と言って、日本語か英語でメモを取ります。その場でメモを取らないとやっぱり忘れちゃうんですよね(˜∀˜;)
Step 2: 和英辞書アプリ・サイトから英借文
「英作文とは英借文である」という言葉を聞いたことないでしょうか?自分の好き勝手に英文を作るのではなく、自分が言いたいことになるべく近い英文を和英辞典などから拝借しましょうという格言です。というのも、英語初級者の頃に自分で作った英文って、ネイティブから見て不自然なことが多いはずです。これがけっこう厄介なんですよね。
なので、なるべく信頼できる和英辞典に掲載されている英文から拝借するのが大事。
和英は、無料の英辞郎やWeblio英語例文検索を使われている方は多いと思います。ただ、どちらも「ネイティブ、こんな言い方するかな」「なんか不自然だな」と感じるときがあるんですよね(;´∀`)
● 会話重視なら「Real英会話」は便利
そんなわけで、口語体でフレーズや英文を探したい場合は、iPhoneアプリ「Real英会話」をよく使うようになりました。※最近値段が上がって980円(買い切り)になりました。
Real英会話には「検索」の機能がありまして、ここで日本語や英語を入力して、自分が言いたいことに近い英文を探します。
英辞郎やWeblio英語例文検索に比べるとヒット数は全然少ないのですが、Real英会話の英文は非常に自然で、「日本語の○○は英語では□□と表現できるのか!」と目からウロコな英文に出会うことが多いんですよね。
例えば「コロナウイルス」で検索すると……
※タップすると別画面で開き、拡大できます。
どうですか?「あーこれ言いたい!」と思える英文多くないですか?多くはユーザーからリクエストされたものなので、非常に実用的だと感じています。
また、Real英会話の中のネイティブの方(チーム?)はけっこう日本語に精通されているみたいで、「英文に忠実な和文/和文に忠実な英文」を心懸けておられる感じがします。
ちなみに、僕はReal英会話のメインである学習機能は一切使っていません。ボキャビルのトレーニングは「Anki/AnkiDroid」一本でいこうかなと。なので、Real英会話は英会話で使える実用的な例文辞典として使っている感じです。
あと、ユーザーから「○○は英語でなんて言いますか?」というリクエストも受け付けているので、「日本語の〇〇は英語でなんて言えばいいんだろう?」と思って、ネットで調べても見つからなかったときは、リクエストで聞くようにしています。
Real英会話のデメリットとしては、上述したようにやはりヒット数が少ないこと。まぁ、英辞郎やWeblioと比べるのはナンセンスな気もしますが、会話例文辞典として使っている自分としてはやはりもっと例文数が増えて欲しいなと。
Step 3: 使用頻度やコロケーション確認
自分で思いついたフレーズ、ググって見つけた語彙、英辞郎やWeblio英語例文検索で見つけたフレーズが、必ずしも今でも使われているものとは限らないわけですよ。
英辞郎で見つけたフレーズを英会話で使っても全然通じなかったり、HiNativeでネイティブに質問してみたら「文法的には間違ってないけど、そういう言い方はしない」という添削をもらったことがけっこうあったので、英辞郎は鵜呑みにはしてはいけないなと(笑)
また、英辞郎やWeblioで検索すると、候補が大量に出てきてどれを選んだらいいのか分からないときとかありますよね。
そういうときは、「Netspeak」と「Do People Say」でチェックするようにしています。
この2つは、単語やフレーズがどれくらい使われているのかを数値化してくれるサイトです。もしヒットしなかった場合、その単語・フレーズはあまり使われていない可能性が高いと言えるわけです。
「Netspeak」はヒット数が多いけど基本的に文章体、「DoPeopleSay」はヒット数は少ないけど口語体で長めのフレーズでも検索できるという違いがあります。詳細は次の記事をぜひ!
【参考】英語ライティングでネイティブらしい文章に!超便利アプリ&サイト
Step 4: ネイティブチェックを受ける
精魂込めて作って、繰り返し頑張って覚えた英文が、英会話で「全然通じない!」という悲劇が多々あったんですよね(遠い目)。
なのでネイティブチェックって大事だなと。
というわけで、最終的に自分が作成した英文が、果たしてきちんと通じるのか、ネイティブ的に自然なのかを確認するために、「HiNative」や「HelloTalk」でネイティブチェックを受けるようにしています。
2020年現在、無料で使える機能を比較すると、HelloTalkのほうが良いかもしれないのですが、個人的に頻繁に投稿しづらいのと、添削があんまり丁寧ではないと感じることが多いんですよね。
なので、添削してもらいたいときは基本的にHiNativeを使っています。
上述したNetspeakやDoPeopleSayでヒット数を確認し、HiNativeやHelloTalkでネイティブチェックを受けるようにしてから、「ちょっと何言っているのか分からない」みたいな感じで聞き返されることが大幅に減ったなと。当者比。
Step 5: 暗唱 or 瞬間英作文
ある程度英語を勉強されている方は気づいておられると思いますが、ただ英文を書いただけでは、英語を話せるようにはなりません。
なので、書いた英文を暗唱や瞬間英作文していきます。
正直に申し上げて、暗唱も瞬間英作文も最初はすごく大変です。
特に初心者の場合、過去形や否定文を作るのにも時間がかかりますし、アクティブ語彙(使える語彙)も少ないので、骨が折れます。
ですが、暗唱や瞬間英作文し終えた文が増えれば増えるほど、スピーキングの自動化が進むので、徐々にトレーニングにかかる時間は短くなり、負荷もラクになってきます。
また、1万時間の勉強でいろいろ試してきた結果、暗唱や瞬間英作文などの想起(思い出す)系のトレーニングが、一見遠回りに見えて、実は最も効率的なやり方だと感じています。
というのも、思い出す&使うことで記憶は強化されることが脳科学的に分かっているんですよね。
ルール1:覚えようとするな、直後に思い出せ
「覚える」ために必要なのは、「思い出す」こと。覚えた直後に思い出すと、よりよく記憶できます。「覚える⇔覚えておく⇔思い出す」は一方通行ではなく双方向のつながり。覚えた直後に思い出すことが、このつながりを強化し長く覚えておくコツになります。(P. 12)
記憶に深く関係する海馬は、思い出したり、使ったりすると、それが自分にとって大事なことだと判断するらしく、しっかり覚えようとしてくれるのです。入力より出力。インプットよりアウトプット。(P. 15~16)
というわけで、お次は暗唱と瞬間英作文の違いについてみていきます。
【暗唱】
仕事や学業などで、50~100語くらいの長文で説明したい内容や意見は暗唱が向いています。また、暗唱は一度覚えてしまえば、スマホもノートも持たずにトレーニングできるので、トイレでも風呂でもつまらない会議中でも、いつでもどこでも練習できるというメリットがあります。
デメリットとしては、ただ英文を丸暗記するだけだと、英文の意味をよく理解しないまま覚えてしまう可能性がある点。これだと会話で使えないんですよね。
また、「この単語覚えたい!」「このフレーズを使えるようにしたい!」といった個別単位で覚えるのには向いていないです。
暗唱文の作成には次の記事も参考になると思います。
【参考】オンライン英会話初心者のコツは自分を英語で説明できるようになること
【瞬間英作文】
瞬間英作文は、トリガーとなる和文を見て、英文を言うトレーニングです。
【参考】英会話の上達に効果抜群の独学勉強法「瞬間英作文」
和文というヒントがある分、完全丸暗記の暗唱よりも、最初の負荷が下がります。
次に、単語単位、フレーズ単位、1文単位で覚えていける点。「このフレーズだけ、すぐに使えるようにしたい」というとき、瞬間英作文は重宝します。
加えて、暗唱だと、ただの丸暗記になってしまう危険性がありますが、瞬間英作文だと日本語から英語を言えないといけないので、英文の意味をより正確に理解して使えるようになる点も大きいかなと。
また、「Anki/AnkiDroi」などのフラッシュカード(単語カード)アプリを使えば、苦手なものを効率的に覚えていくことができますし、いつでもアクティブに言えるようにしておきたい文は定期的にリマインドできるというメリットがあります。
逆に瞬間英作文のデメリットは、慣れる(=瞬間英作文し終えた文が増えてくる)までは、「和→英」のプロセスが骨が折れる点。
また、「和→英」のプロセスばかりやってしまい、同じくらい重要な暗唱のプロセスを忘れがちになる点。これをきちんとやらないと流暢さが上がりにくいです。
● 5日間連続で暗唱・瞬間英作文
自分の経験では、英文に関しては、最初は5日間くらい連続で暗唱・瞬間英作文はやったほうがいいなと。文章を覚えるときは、単語を覚えるときみたいに忘却曲線的に飛ばし飛ばしやるよりは、まずはスラスラ言えるまで毎日やるのが、実践(会話)で使えるようになる秘訣だと感じています。
「Anki/AnkiDroid」で瞬間英作文をやる場合も、150~200 wpmでスラスラと英文が出てくるようになるまでは毎日やるようにしたほうがいいです。でないとアクティブ化しにくいなと。
● 最初はゆっくり正確に
暗唱や瞬間英作文をやる際は、最初は丁寧にゆっくり正確にやるようにして下さい。最初から速さを意識すると、いい加減な発音が身についてしまう危険性が高いです。いい加減な発音は相手に通じません。しかも、一度身についてしまった発音は矯正するのはすごく困難です(ノД`)←経験者は語る
人々は正確さをおろそかにして、一時のスリルを追い求める傾向がある。
だから意識的にペースを落とすことが重要なのだ。……「(新しいスキルを身につけるときに)大切なのは、どれだけ速くできるかではなく、どれだけゆっくりと正確にできるかだ
● 最終的に150~200 wpmをめざす
ある程度言えるようになってきたら、最終的にでスラスラ言えるようになるまで暗唱・瞬間英作文していきましょう。
英会話ではスピードが求められるので、普段から150~200 wpmくらいのスピードでスラスラと言えるまでトレーニングしておいたほうがいいです。
速さ(wpm)については次の記事で詳しく説明しているのでご覧下さい!
【参考】[英語]音読の効果を爆上げしたいなら速さ(wpm)を意識するべし
Step 6: 英会話で通じるか確認→修正
瞬間英作文で150~200 wpmでスラスラ言えるまでトレーニングを続けていれば、英会話でも出てくるようになります。ですが、なかにはうまく通じないときもあります。そんなときは先生に「Can you think of any other better sentence?(もっと良い文はありますか?)」と聞いてみたり、レッスン後に自分で調べたりして、修正していきます。
このPart 1~Part 6のPDCAを回していくことで、徐々に「英語で言えない」割合は減り、通じない割合も減ってきます。
地道なトレーニングの積み重ね。
僕のAnkiのカード枚数は1万枚を超えました。白状しますと、スラスラ言えるまでやりきれていないものは大量にあります。サボってしまって残っているノルマも大量にありますし(笑)
でも登録したカードが増えれば増えるほど、「英語でなんと言ったらいいか分からない!」が減ってきたのも事実です。塵も積もれば山となる。
(小さいことの積み重ねが大きな変化をもたらす)
優先順位を考えよう
正直なところ、レッスン中に英語で言えなかったものをすべて覚えていくとすると、大量の英文を暗唱・瞬間英作文することになり、毎日のノルマが大変なことになります。
なので、
● よく見かけるけどいまだに使えていない苦手な文法・構文
● 仕事やプライベートでよく話すこと
● 興味・関心のあるトピック
を中心に暗唱・瞬間英作文していくといいです。
例えば、僕は2800回レッスンしてきて中で、「安楽死」のトピックでディスカッションしたのって2回くらいなんですよね。
なので、安楽死に関してはあまり話せません。興味がないことはないのですが、積極的に勉強して説得力のある意見を言えるようになりたいかと言われるとそうでもないかなと。
1日に10時間以上も英語に費やせるのであれば、あまり深く考えなくてもいいかもしれないですが、1日に数時間しか英語に費やせないのであれば、覚えていくことの優先順位を意識したり、時間対効果を考えるのは大事だと感じています。
【参考】オンライン英会話初心者のコツは自分を英語で説明できるようになること
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