推奨:英語初心者🔰~
読了:約6分(3582字)
公開:2022-08/02
関連:英検準1級合格談英検で身につく6つの英語力
2013年にオンライン英会話を始めたのですが、フリートーク・ディスカッション・デイリーニュースをメインでレッスンを受けてきて、2021年にお陰様で3000回に到達しました。
また、2016年に英検準1級に合格したのですが、その後も勉強を続けてまして、2022年現在、準1級の過去問リスニング29回分でトレーニングしてきました。
その経験から、準1級の過去問リスニング(2次試験も含む)とオンライン英会話(フリートーク・ディスカッション)は非常に親和性が高いと感じています。
この記事では、オンライン英会話学習者に英検(特に準1級)の過去問リスニングが教材としてお勧めな理由を説明していきたいと思います。
英会話学習者に英検がお勧めな6つの理由
(1) 教材のコスパがいい
英検やTOEICなどの「テスト」と聞くとアレルギー反応を示す方が少なくないですが(笑)、教材としてみると非常に優れていると感じています。太古の昔、英検の過去問集の音声はCDを別途買わないといけなかったんです。CDとテキストと合わせると5000円近くしていました。
ですが、今は音声は無料でダウンロードできるようになってるんですね。だからテキスト(2,310円)だけ買えばOK。
2022年度版
英検準1級 過去6回全問題集
旺文社
2022-02/28
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そして、準1級の過去問集をリスニング教材として見たとき、次の5つが含まれます。
説明文問題:36セット
Real-Life形式:30セット
4コマイラストナレーションモデル音声:12セット
社会問題質問&回答モデル音声:24セット
英文スクリプトと和訳に加えて、これだけの音声教材がついて2,310円と考えると、公式TOEIC L&R問題集やNHKラジオ英会話教材よりも、準1級の過去問集はコスパが抜群にいいなと。
(2) ジャンルが幅広い
英語で仕事をしているの(orする予定)であれば、ビジネス英語の割合が多いTOEICのほうが親和性が高いので、公式TOEIC L&R問題集を教材にしたほうがいいです。
ですが、「オンライン英会話でフリートーク&ディスカッション力を伸ばしたい」のであれば、英検のほうがお勧めです。
英検のほうがトピックのジャンルの幅が圧倒的に広いんですよね。
例えば、TOEIC Part 3に出てくるダイアローグ(会話)は、友人・同僚、部下と上司、取引先(B to B)、店員と顧客くらいのバリエーションしかありません。
ですが、準1級リスニングPart 1のダイアローグは、"上記に加えて"、親子、カップル、夫婦、先生(教授)と学生、さらにスピード違反者と警察官の会話なんてのもあります。
加えて、準1級リスニングPart 2の説明文問題は、TOEICには出てこないタイプのジャンルです。詳細は後述。
また、TOEIC Part 4と準1級リスニングPart 3は比較的似ていますが、準1級のほうは、教会・非営利団体・大学・警察まで出てくるんですよね。2017年第1回には「ゴキブリ駆除業者」が出てきました(笑)。
なので、このパートも準1級のほうがジャンルの幅が広いと感じています。
取り扱うジャンルの幅が広いということは、それだけより幅広いジャンルの語彙・フレーズが身につくということです。
【関連】TOEICでは身につきにくい、英検で獲得できる6つの英語力
(3) 聞き取れない原因が分かる
オンライン英会話では、聞き取れなかったとしても、「Sorry?」「I didn't quite catch that. Do you mind repeating it?」などと言って聞き返すことができます。
また、聞き取れた単語から類推することで、聞き取れなくても何とかなることも多いなと。
ですが、このままだと伸び悩むんですよね。
ところが、英検の過去問リスニングを解くとなると、一発で正確に聞き取れるリスニング力がないと高得点は取れません。
なので、問題を解くと、自分がいかに正確に聞き取れていないかが分かるんですよね。
また、問題を解いた後に、その音声でディクテーションをやることで、自分が何が聞き取れていないのか(≒自分のリスニングの弱点)が分かるんです。
そして、その聞き取れなかった部分を中心にシャドウイングとリピーティングで毎日反復練習することで、徐々に聞き取れる割合が増えてきます。
英検リスニングの勉強・トレーニングのやり方については「英検準1級に合格したのでリスニングの勉強法をまとめてみた」で詳説しているのでぜひ!
(4) 上達を感じやすい
英会話って上達を感じにくいと思っています。ですが、英検には「素点」があるので、リスニング力が上がると素点が上がってきます。これがかなりモチベになるんですよ。
例えば、英検準1級の過去問リスニングパートは全部で29問あります。つまり、リスニングは素点29点が満点になります。
そして、「毎月1日に過去問のテスト1回分を解く→1ヶ月かけて復習&トレーニング」というサイクルを毎月繰り返していくと、1冊(6回分)やり終える半年後には、素点が上がってくる→上達を感じられるはずです。
上達を感じられる→続けられる→継続は力なり。
【関連】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた
(5) 会話で使えるフレーズ満載
英検準1級のリスニングPart 1のダイアローグ(会話)とPart 3のReal-Life形式は、日常会話で使える決まり文句(チャンク)の宝庫です。
これらの音声を使って、「ディクテーション」で聞き取れない原因を特定した上で、「シャドウイング」と「リピーティング」でトレーニングすることで、音的に聞き取れる割合が徐々に増えてきます。
また、これらの英文を、英文を見ずにスラスラと言えるまで暗唱すれば、リスニングでの意味的に理解できる割合が増え、かつ、スピーキングも向上してきます。
暗唱のような思い出して発話するトレーニングは検索練習(テスト効果)になり、長期記憶に残りやすいからです。
加えて、2次試験の4コマイラストナレーションでは、過去形・過去進行形・過去完了形・時制の一致が頻繁に出てくるので、過去形が苦手な人には非常に良いトレーニングになります。
(6) ディスカッションで使えるネタ満載
準1級リスニングPart 2の説明文問題は、科学、歴史、文化、ビジネス、医療などの知的好奇心を掻き立てられる話が出てきます。例えば、「結婚式にかける費用が高いカップルほど離婚率が高い」「出版バイアス」とか出てくるのですが、フリートークやディスカッションやディベートで使えるネタ・引き出しになるなと。
また、2次試験の社会問題のモデル音声は、時事問題のディスカッションやディベートで使える決まり文句(チャンク)の宝庫です。
これらも、ディクテーションした上で、シャドウイング・リピーティング・暗唱でトレーニングしていくことで、これらのジャンルのリスニングもスピーキングも伸ばせます。
【関連】準1級の過去問・対策 | 英検
注意点
初心者🔰は準2級~2級から
個人的には、「準1級」の過去問リスニングが一番オンライン英会話のフリートーク・ディスカッションと親和性が高いと考えています。ただ、英語初心者の方に準1級はなかなか厳しいと思うんですよね😅
なので、いきなり過去問を買うのではなく、まずは英検公式サイトに準1級の過去問が無料公開されてるので、一度リスニングの問題を解いてみて下さい。
そして、全29問中15問以下なら、語彙や文法の難易度が低い英検2級か英検準2級の過去問集から始めることをお勧めします。
英検は「準2級→2級→準1級→1級」と、級が上がる毎に語彙や文法の難易度が上がる仕組みなので、自分の英語力に合ったテキストで勉強できるのが非常にいいなと。
語彙・読解はやらなくてもいい
英会話力を伸ばすことが最優先事項なのであれば、語彙・読解パートはしばらくやらなくてもOKです。準1級の語彙・読解パートは、1級ほどではないですが、語彙の難易度がそこそこ高いんですよね。
加えて、特に読解パートに出てくる英文は基本的に文章体なので会話で使うには堅苦しいものが多いです。
「リーディングは基本的に文章体」が理由で、僕は300万語近く多読した結果、中断することにしました。
まったく読んでいないわけではないですが、ネイティブの速い英語を聞き取れる割合がもう少し増えるまでは、英会話重視でいこうと。
【関連】TOEICリスニング満点でも映画やドラマの聞き取りが難しい7つの原因
また、最近の公式TOEIC L&R問題集はリーディングパートも音声があるので、シャドウイングなどでトレーニングできますが、残念ながら、英検の読解パートは音声がないんですよね。音声がないもので音読してもリスニングは伸びづらいんですよね……
テストは受けなくてもいい(笑)
さんざん英検をお勧めしてきてなんですが、試験は別に受けなくてもいいです。もちろん受けてもいいですが、語彙・読解に加えてライティングもやらないといけないので、けっこう時間とられます。
なので、「今は会話重視」という方は別に受けなくてもいいかなと。
僕もリスニングとスピーキング向上のために準1級の過去問でトレーニングしているだけなので、試験自体は受ける予定はありません。旺文社さんと文科省さん、ごめんなさい。
英検はフォーマルな英語多め
TOEICもそうですが、英検準1級の英語は、会話パートですらフォーマルな(堅苦しい)表現が多いということを知っておいて下さい。特に、準1級のリスニングPart 2の説明文問題、2次試験の4コマイラストナレーション、社会問題に出てくる英文はけっこうフォーマルなので、そのまま英会話で使うと堅苦しく聞こえる可能性があります。
また、イギリス英語が含まれるので、アメリカ人相手に使うと「堅苦しい」「余所余所しい」と受け取られる可能性があります。
英語初心者~初級者の方はあまり気にしなくてもいいですが、上級レベルをめざしている中級者(TOEIC 900点&英検準1級)の方は、口語体と文章体の使い分けは意識したほうがいいです。
HiNativeやエイゴックスでUSネイティブに添削してもらってきたのですが、「文法的には正しいけど、表現が堅苦しいね」と何十回指摘されてきたことか(笑)。
このエントリーは以上になります。何かご質問やご相談があればコメントやメッセージを下さいね😉
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