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公開:2012-11/01
更新:2017-08/15 全体的に加筆・修正
関連:フラッシュカード瞬間英作文とは?(この記事) - カード作成のコツ / 瞬間英作文とは?
Image from Anki - powerful, intelligent flashcards
ある程度上の世代の人は、学生時代、テスト前に「単語カード」って作ったと思うんですよ。カードの表側に覚えたい英単語を、裏には日本語で意味を書いたりして。
「フラッシュカードアプリ」というのは、そのデジタル版で、おそらく普通は単語単位でやるものだと思うのですが、僕はカードの裏面に覚えたい英文、そして表側に和文(トリガー)を登録して、【 瞬間英作文 】で回しています。
あまりにも快適過ぎて、便利過ぎて、本でやる瞬間英作文が億劫になるくらいです。
そんなわけで、この記事ではその「フラッシュカード瞬間英作文」のメリットについて説明していきたいと思います。
また、すでにフラッシュカードアプリで瞬間英作文を利用されている方は、「フラッシュカード瞬間英作文を快適化する14のコツ」が参考になると思います(・∀・)b
1. フラッシュカード瞬間英作文 5つのメリット
フラッシュカードでやる瞬間英作文には、次の5つのメリットがあると感じています。
(2) アクティブ語彙を増やしやすい
(3) 和文(トリガー)を自分で作れるので快適
(4) 短い1文からトレーニング可能
(5) いつでもどこでもトレーニングできる
1つ1つ見ていきましょう。
(1) 苦手な語彙・文法・発音を集中トレーニング
「英語を身につける」というのは、自分が聞き取れない・読めない・使えない語彙を1つ1つ地道につぶしていく壮大な作業だと感じています。例えば、TOEICスコアが向上して、900点に近づいてくると、聞き取れない&読めない語彙は少しずつ減ってきます。
英会話も同じで、瞬間英作文で語彙や文法を学び、【 オンライン英会話 】や独り言などで毎日使うようにしていると、英会話で使える語彙や文法は少しずつ増えてきます。
つまり、いかに効率よく、自分の苦手な語彙や文法をつぶしていけるかだなと。
そこでフラッシュカードアプリを使うと、自分の苦手な語彙や文法だけを集中してトレーニングできるので、非常に効率的だと感じています。
例えば「unless」が、リスニング時に瞬時にパッと聞き取れない、リーディング時に返り読みしてしまう、英会話でまだスピーキングで使いこなせていない場合。
「unless」を含む英文を、
から探し、自分が使いやすそうなもの、短くて簡潔で覚えやすそうなものを選びます。そして、カードの表にトリガー(日本語訳)、裏にその英文を登録します。
スター・ウォーズの監督であるジョージ・ルーカスの名言に「unless」を使ったものがありました。
これを毎日練習し、独り言や英会話で積極的に使っていく(文章を作る)ようにすれば、すぐに使えるようになってきます。
【参考】英語の名言を瞬間英作文でやると一石五鳥な件
苦手な語彙や文法以外にも、
● 発音を矯正したい単語
● 「lay-laid-laid」と「lie-lay-lain」などの紛らわしい単語
なども登録して回してます。
ちなみに、「Anki / AnkiDroid」は忘却曲線のメカニズムを利用していて、自分が忘れた頃にカードがリマインドされてくるので、非常に効率的なアプリだと感じています。
(2) アクティブ語彙を増やしやすい
リスニングやリーディングで理解できるけど、スピーキングやライティングで使えていない語彙を「パッシブ語彙」、スピーキングやライティングでも使えるレベルに到達している語彙を「アクティブ語彙」と言います。スピーキングを身につける場合、最初は『中学レベルの文法項目別の瞬間英作文本』をやったほうが効果的だと思います。
中学文法が使えるようになる(=アクティブ化できる)と、とりあえず何とか自分の言いたいことが伝えられるようになります。
ですが、瞬間英作文本って、自分にとってあまり実用的ではない英文も多いんですよね。
そして、自分にとって実用的ではない英文 → 実際の会話で使わない英文 → 1年後には忘れている英文になります。
瞬間英作文は大量にやりましたが、忘却してしまった英文も大量にあるんですよ。英会話と瞬間英作文を5年やってきてた僕の失敗を教訓にして下さい(笑)
例えば、赤ちゃんが生まれたばかりの方であれば、「change diapers(おしめを替える)」は英会話で使う可能性大ですが、学生や独身の社会人にとっては優先順位は低いですよね。
ですが、瞬間英作文本は、この英会話で使えるようになりたい語彙や表現の優先順位は、人によって違うということをあまり考慮してくれていません。
そこで、フラッシュカードアプリです。
自分が今すぐ使えるようになりたい語彙・表現・文法を、例文とともにフラッシュカードアプリにカード登録して、【 瞬間英作文 】でトレーニング。
自分にとって実用的な英文 → 英会話で何度も使うことになる英文 → 定着しやすい英文 → 無意識レベルで流暢にスラスラ言える英文になりますよ(・∀・)b
詳しくは次の記事で説明しています。
【参考】スピーキングが上達する!アクティブ語彙(運用語彙)の増やし方
(3) 和文(トリガー)を自分で作れるので快適
瞬間英作文は、5000文(10冊)くらいトレーニングすると、語彙・表現のストックがたまってくるので、初見の本でも、わりと英作文できるようになってきますし、日常生活でも英語で表現できることが少しずつ増えてきます。ただ、瞬間英作文って、トリガーとなる日本語文が意訳されてるとやりにくいんですよね。しかも「なんで、こんなトリガーやねん!」というのも多くてイライラしたり(笑)
以前は、本に書き込んだりして、なるべく効率的にできるように工夫していた のですが、最近はそれすらもわずらわしくなってきまして(笑)、どうせなら気分よく瞬間英作文できるように「自分で作ってしまえ」と。
結果、正解でした。
もう快適すぎて書籍での瞬間英作文トレーニングには戻れないです。あの素晴らしい愛をもう一度と言われても戻れないです。
何がやりやすいかは人それぞれだと思いますが、個人的には英語の語順(SVO)で、逐語訳的に、そして適度に空白と改行を入れたほうがやりやすいと感じています。
また、「AnkiDroid / Anki」だと、太字・赤字・下線を使うことができ、文字を目立たせることができます。
例えば、上記みたいに、最優先で覚えたい語彙・文法を太字や赤字にしたり、間違えやすいものに下線を入れたりすると、トレーニングがやりやすくなります。
この辺りは、次の記事で詳しく説明しています。
【参考】フラッシュカード瞬間英作文を快適化する14のコツ
(4) 短い1文からトレーニング可能
「オンライン英会話 初心者が撃沈しないために準備すべき5つのこと」という記事でもご紹介していますが、自分に関することをカタマリ(長文)で覚えて、英語で言えるようにしたいときは、【 暗唱 】のほうが効率的だと思います。ですが、「この文法が苦手」「この単語だけがどうしても覚えられない」「このフレーズだけ、会話ですぐに使えるようにしたい」というときがあるじゃないですか?
そういうときに、暗唱は向いてないなと。暗唱は、TOEICのPart 3・4や英検のリスニングパートのように、ある程度の長さがあるものには有効ですが、TOEICのPart 1・2のように、短文を覚えて使えるようにしたい場合には不向きなんですよね。
ですが、「フラッシュカード瞬間英作文」だと、1文(短文)だけ覚えたい!というときに重宝します。
(5) いつでもどこでもトレーニングできる
スマホだと、いつでもどこでもトレーニングできます。お昼休憩、待ち合わせの時間、ムダな会議中など。また、本を使わないので荷物も減らせます。いったんフラッシュカードに登録してデータ化しておけば、いつでもアクセスしてトレーニングできるので、過去にやったものでも、久しぶりに復習し直す、というのがやりやすいです。
カード作成自体もトレーニングになる
フラッシュカードで学習するかどうかで一番悩むのは、単語カードの作成作業ではないかと思います。ですが、カードの作成作業は、それ自体に2つメリットがあると感じています。1つは、英文タイピングが速くなることと、もう1つはスペルを覚えられることです。
「英語で仕事したい」「英語上級者をめざす」のであれば、ブラインドタッチで英文タイピングができるようにしておくことを強くお勧めします。間違いなく、必要になります。
Step 1:「Google 翻訳」を開く
Step 2:(音声があるものは)TOEIC・英検・英会話のリスニング音声を流し
Step 3:Google翻訳上でタイピングディクテーションし
Step 4:タイプした英文を、フラッシュカードアプリにコピペして作成
Google翻訳を使うと、自動的にスペルチェックが入るので、スペルミスを減らせます。また、右側に日本語訳が出てくるのも何かと便利。「Word」のようなスペルチェック機能のあるソフトを使ってもいいですね。
タイピングディクテーションについては、「聞き取れない原因が分かるディクテーション!やり方・効果」で説明しています。
2. Anki・AnkiDroidがおすすめな4つの理由
Anki - powerful, intelligent flashcards
フラッシュカードアプリはいろいろ試してきたのですが、最終的に僕が「Anki・AnkiDroid」を選んだのは下記の4つの特長があるからです。
(1) 忘却曲線を利用してあり、復習する日を自分で決められる
(2) カードの作成・編集・学習が、PC・スマホ両方でできる
(3) 競合他アプリと比べて、細かく編集ができる
(4) 検索機能が便利
「(2) カードの作成・編集・学習が、PC・スマホ両方でできる」は後述する、「Quizlet」にも「Cram」にもあります。
ですが、その2つには、(2)自分が覚えたものも定期的に現れて復習してくれる機能がなく、(3)下線を入れたり、色を付けたりなど細かい編集できないんですよね。
また、僕は普段、英語を勉強していて出会う偉人の格言とか、英検の読解や英語ニュースサイトで出会う調査や研究で分かったこともカード登録してます。
これを【 瞬間英作文 】で回しておくと、【 オンライン英会話 】での会話のネタになったり、ディスカッション時の自分の主張をサポートする理由や根拠にもなるからです。
また、「あ、アレなんやったけ?」とAnkiで練習した英文が出てこないときもあります。そんなときのために、【 オンライン英会話 】のレッスン中は、Ankiを常に起動してまして、(4) 検索機能を使うことで、目的の英文をサッと見つけることができます。
● Ankiのダウンロード・使い方説明サイト
iPhone版用は有料で、3000円(2017年6月現在)とさすがにちょっと高いと思うので、無料・安価なフラッシュカードアプリを後述します。
また、Ankiの使い方については「学習の効率をググッと上げるソフトウェア「Anki」の正しい使い方(簡易版)」「Anki日本語マニュアル Wiki*(詳細版)」が参考になると思います。
● AnkiとAnkiDroidの同期方法
PC版の「Anki」とAndroidスマホ版の「AnkiDroid」は同期することができます。例えば、Anki(PC)で作った単語帳を、「AnkiWeb」というWEBサイトを経由して、Androidスマホにダウンロードでして、出先で瞬間英作文や単語暗記トレーニングができるというわけです。もちろん、その逆もできます。
AnkiのWikiサイトでは、Anki(PC)とAnkiDroid(スマホ)の同期は、ちょっと分かりにくい気がするので、説明しておきますね。
まず、同期のイメージをば。
Anki(PC) = AnkiWeb(ネット上) = AnkiDroid(スマホ)
Anki(PC)とAnkiDroid(スマホ)は、ネット上にある「AnkiWeb」を介して同期する感じです。
最近流行りの「クラウド」ってヤツですね。
同期のやり方は、「AnkiWeb 同期機能の使い方」がすごく分かりやすいので参考にして下さい。
3. iPhone版があるフラッシュカードアプリ
上述したように、「Ankiシリーズ」のiPhone版は3000円もするんですよね(´-﹏-`;)
そこで、iPhone版もある、無料or低コストのフラッシュカードアプリをご紹介しておきます。
「Cram」
「Anki」以外で、瞬間英作文に最も適したフラッシュカードアプリが、この「Cram」です。
Ankiと違い、iPhone版も無料で、おそらくAnkiよりも、カードの作成・編集や、PC-スマホ間の同期がやりやすいと思います。
Ankiと同様、カードの作成・編集、PCとスマホでのカードの同期が可能です。カード作成はPCで、トレーニングはスマホで、ということができます。
また、次でご紹介する「Quizlet」と違い、文章がもともと左寄せになっていて、文字を編集することもできるので、瞬間英作文に向いていると感じました。
さらに、Ankiのように、自分がメインで覚えたい単語を太字にしたり、大文字や小文字にしたりといった、文字の編集が少し可能です。「Hint」という補足説明を加えられるエリアがあるのも便利。
ただ、「文字色」の変更や下線を入れることは、有料版でしかできないみたいです。
また、Ankiのような、忘却曲線を利用したメカニズムはないっぽいので、「覚えたか覚えていないか」しか選ぶことができません。カードのブラウザ機能もないので、Ankiに慣れていると不便です。
「Quizlet」
Androidのアプリマーケットでチェックした限りでは、最もダウンロードされているフラッシュカードアプリです。「Quizlet」もiPhone版が無料です。
ただ、文章を左寄せにすることもできないですし、文字を太字にしたり、色を変えたりといった編集機能が一切なく、補足説明を加えられるエリアもないので、瞬間英作文にはちょっと向いていない気がします。単語を覚えるのにはいいと思います。
ただ一応、Ankiと同様、カードの作成・編集、PCとスマホでのカードの同期が可能です。カード作成はPCで、トレーニングはスマホで、が可能。
「Everword」
tsukadaさんから情報提供いただきました(*_ _)人「Evernote」で作れるのが特徴の「Everword」。
無料なのですが、逆にこちらはiPhone版しかないので、AndroiderでEvernoterな自分には残念(´・ω・`)ショボン
【参考】Everword: Evernoteが暗記カードに変身!
「Flashcards Deluxe」
sachikoさんから情報提供いただきました(*_ _)人iPhoneでもAndroidでも使えますが、有料で約400円。ただ、カスタマイズ性がかなり高そうです。
【参考】Flashcards Deluxe日本語解説
● 効果と注意点まとめ
「おすすめ瞬間英作文本」
● 中学文法項目別 / ビジネス向け
└ 初級:会話できる英文法大特訓
└ 中級:日本人に共通する英語のミス 矯正ドリル
└ 上級:和文英訳教本
「瞬間英作文ってどうやってやるの?」
「瞬間英作文を効果的・効率的にしたい」
● 効果的なやり方 - トレーニング快適化のコツ
└ フラッシュカード「Anki」 - カード作成のコツ
「瞬間英作文に慣れてきた」
「英会話で使っていきたい」
● オンライン英会話とは? - 準備すべき5つのこと
● 文法項目別に練習できる「カランメソッド」
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