TOEIC リーディング465点が獲れたPart 7勉強法「再読トレーニング」

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対象:Part 7が苦手/リーディング300~400点で伸び悩んでいる/多読したけど効果がない
読了:約15分(9348字) 
公開:2013-04/05 
更新:2022-07/23 脳科学・心理学・第二言語習得の知見を元に大幅に加筆・修正
関連:初心者600点 / 700~800点 / 900点 / おすすめTOEIC本 / Part 1・2 / Part 3・4 / Part 5・6 / Part 7再読 - スケジュール例 - 精読 / スコアが伸びない / 最後まで解けない / アビメL - アビメR

以前は「通読」と呼称していましたが、SLA(Second Language Acquisition:第二言語習得)の本を読んでいたとき、応用言語学者の中田達也教授が「再読(さいどく Repeated Reading)」と呼称されていたんですね。
確かに「繰り返し読むこと」を考えると、その呼称のほうが理にかなってるなと思ったので、「再読」に変更しました。ご了承下さい。他の記事でも徐々に直していきます。


2010年にリーディング300点台前半で伸び悩んでいた頃、ある講師の方のアドバイスで、公式TOEIC L&R問題集2冊分(テスト4回分)のリーディングパートのすべての英文を音読するトレーニングをやりました。

その結果、コンスタントにリーディングで400点台が獲れるようになり、2012年10月にR465点が獲れました。

ぶっちゃけ、決してラクなトレーニングではありません。ですが、本気で取り組んだ方は確実にリーディング力が上がるはずです。

このトレーニングにトライしたりょーさん R455(905点)を始め、読者さんからも「リーディングのスコアが上がった」「最後まで解けるようになった」というお声をいただいてます。

多くの洋書が必要な「多読」や、多くの問題集が必要な「多解き」違って、お持ちの公式TOEIC L&R問題集でできるトレーニングなので、お財布に優しいのが最大のメリットです(笑)。

「時間内に最後までたどり着けない」「リーディングのスコアが伸び悩んでいる」「洋書や海外ニュースはよく読むけど、スコアが伸びない」という方はぜひ!
 

同じ英文を再読して初見の文も読めるようになるの?

脳研究者・池谷裕二教授

「同じ英文を繰り返し読むこと」の効果について懐疑的な方も多いと思います。かつての僕もそうでした。

去年、脳研究者の池谷裕二教授の著書を拝読していて、興味深い項目を見つけました。


復習をすると、脳の中ではなにが起きているのでしょうか?

海馬は、繰り返し刺激することで、活性化し、情報をより強く脳に記憶しようとする性質があります。この現象を「LTP」(長期増強=long-term potentiation) と呼びます。(P. 40)


書店にはすぐれたテキストがあふれています。アプリや動画なんかもあるかもしれません。そのなかから自分に合うものを選ぶだけでも大仕事。なかには、いろいろなものを試したり、コロコロと変えたりしている人も、いるでしょう。

でも、同じ内容でもテキストを変えて復習すると、海馬が「新しい情報」だと認識し、復習にはならなくなってしまうのです。これでは、記憶を強化するLTPを起こすチャンスを自ら逃してしまっているのと同じです。

それにテキストを変えるたびに、その使い方内容を理解し直さなくてはなりません。……最初にコレと決めたテキストで繰り返し勉強し、効果の高い復習をすることのほうが、ずっと大切なのです。(P. 44)


東大教授が教える!
デキる大人の勉強脳の作り方

池谷裕二
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これホントに仰る通りだなと。

TOEIC 900点を取得してしばらくしてから、英検準1級の勉強を始めたのですが、復習にかける日数を半分くらいに減らし、数をこなすことを重視したんです。結果、定着度が弱くなりました(笑)。


Sussex大学の幼児を対象にした研究

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Sussex大学の研究によると、「同じ物語を3回繰り返し読み聞かせた子供たちのほうが、3つの違う物語を読み聞かせた子供たちよりも、より多くの新しい単語を覚えていた」そうです。


以上から、言語を学び始めた段階では、多読よりも、同じテキストを反復するほうが時間対効果が高そうだと考えています。

【関連】科学研究「同じテキストを繰り返したほうが記憶に残るよ」



再読でスコアが上がった読者さん


冒頭でご紹介したりょーさん R455点(905点)も、次のように仰っておられます。


Part7 パッセージの精読&再読20回は、本当にツウさんが書かれたとおりにそのままやりましたが、Part 7の内容に慣れるという意味で、長文苦手な方はやるべきだと思います。

……Part7解く→精読→再読20回は辛いですが、だまされたと思ってやってみてください。公式問題集1冊分やると、Part7とお友達になれて、だいぶ解き易くなりました


そして、ろっきーさん(835点)は、再読にトライしたことで、リーディングが200点→410点まで伸びたそうです。


ブログ主さんの記事の中でも一番疑っていたトレーニングがPart7の再読でした。

でも、騙された思ってやり続けてみた結果、このパートが一番伸びましたし、得意になりました


疑ってたんかい!(笑) と言いつつ、当時の僕も懐疑的だったなと。

多くの方は「リスニングの音声を繰り返し聞くこと」に抵抗はあんまりないと思うんです。なのに「リーディングの英文を繰り返し読む」のには抵抗があるというのは、考えてみると不思議な話だなと。

繰り返すことで瞬時に無意識にできるようになるというのは、音楽やスポーツ、仕事や車の運転でもそうですよね。

【関連】科学研究「英語学習は反復練習が大事やで」



「再読」が一石五鳥になる理由


公式8-koushiki8-01

再読トレーニングをやると、次の5つのメリットがあります。

【理由1】Part 7の英文を読むスピード向上
【理由2】Part 5・6の問題文を読むスピード向上
【理由3】Part 5・6の語彙問題に強くなる
【理由4】Part 3・4によく出る話の展開が身につく
【理由5】他の英文も読みやすくなる


【理由1】Part 7の英文を読むスピード向上

公式TOEIC L&R問題集のリーディングパートの英文を、きちんと精読した上で、再読トレーニングをすることで、Part 7においては次の3つが身につきます。


Part 7によく出る
(1) チャンク(決まり文句)キーワード
(2) 設問パターン
(3) 文書パターン


(1) チャンクとキーワードが身につく

チャンク(決まり文句)というのは、複数の単語からなるカタマリです。

第二言語習得が専門の新多了教授によると、「英語で書かれたものの約50%は定型表現(チャンク)である」という研究があるそうですが、確かにPart 7の文書もチャンク(決まり文句)だらけだなと。

公開テストを50回以上受けてきた経験では、Part 7を解いていると「あーこのチャンク(決まり文句)、Part 7でよく出るよね~」みたいなものがたくさんあります。

再読トレーニングをすると、そういったチャンクのストックが増えてくる → チャンク単位で処理できる割合が増える → 処理速度が上がる → 速く読めるようになります。

応用言語学者の中田達也教授が「再読」を勧めておられるのですが、この「チャンク」について著書で触れておられます。


Q8 TOEICや英検などの読解問題が制限時間内に終わりません。どうすれば英語が早く読めるようになりますか?(P. 102)

……読むスピードが速い人は、単語の意味や文構造を瞬時に理解し、単語1語ずつではなく、数語ずつのまとまりで読んでいます。

その(多読の)ほかに、テキストをもう一度読み直す「再読」(repeated reading) があります。再読すると、読むのに苦労した単語や構文が簡単に理解できるようになっています (Gorsuch & Taguchi, 2010) 。


英語学習の科学
中田 達也・鈴木 祐一・他9名
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また、精読時に、Part 7によく出る「キーワード」をチェックした上で再読すると、文書をより正確に読める、先の展開を予測できる、正解・不正解の選択肢に気づけるようになります。


(2) 設問パターン

Part 3・4もそうなのですが、Part 7にはよく出る設問パターンがあります。

なので、これも再読しておけば、公開テストで同じ・似たような設問が出てきたときに、設問内容を瞬時に理解できて解けるようになります。


(3) 文書パターン

Part 7によく出る文書パターン、よく出る話の展開パターンというものがあります。

再読し終えたPart 7の文書のストックが増えれば増えるほど、文書を見た瞬間に何の文書か分かり、注意して読むべき箇所が分かり、設問で問われる内容を予測できるようになります。

また、最初の数行を読むだけで、展開が予測できるようになる → 速く読めるようになってきます。第二言語習得では「予測文法」と呼ばれています。


僕は最終的に公式TOEIC L&R問題集5冊分(テスト10回分)を精読して再読した結果、R465点が取れました。

テスト10回分の再読をやると、Part 7の英文が面白いくらい読めるようになり、どこから敵が出てくるかが瞬時に分かるゲームをやっているような感覚になってきますよ(^_-)~☆


【理由2】Part 5・6の問題文を読むスピード向上

Part 7の英文に出てくる語彙・表現は、実はPart 5・6の問題文にもよく出てきます

ですので、Part 7の英文を正確に、かつ、速く読めるようになると、Part 5・6の問題文も正確に、かつ、速く読めるようになってくるというわけです。

TOEIC 900点を獲るためには、Part 5・6は16分で終わらせることが理想です。

そして、Part 5・6の速く読める → Part 5・6を早く解き終わることができる → Part 7に回せる時間が増えるようになります。

【関連】リーディングで時間が足りない!対策と勉強法 Part 5・6編 / Part 7編


【理由3】Part 5・6の語彙問題に強くなる

Part 7に出てくる語彙は、Part 5・6の語彙問題(コロケーション問題)にもよく出てきます。

「コロケーション」というのは、ある単語と単語のよく使われる組み合わせのことで、例えば、「地球上に男は何人いると思っているの?」→「35億。」もいわばコロケーションです。

僕がアビメのR4(語彙が理解できる)でコンスタントに90%前後が獲れるようになったのは、単語特急シリーズと、Part 7の英文の再読をしたことが大きいと感じています。

【参考】TOEIC スコアもリーディング力も向上する勉強法 Part 5・6編


【理由4】Part 3・4によく出る話の展開が身につく

Part 7の話の展開パターンは、Part 3・4にもよく出てくるので、リーディングパートで再読していると、Part 3・4の会話・トークの展開も予測できるようになってきます。

【参考】TOEIC スコアもリスニング力も向上する勉強法 Part 3・4編


【理由5】他の英文も読みやすくなる

リーディング450点を超えてから、洋書や英語のニュース記事が読みやすくなりました。

TOEICに特化して取れた900点レベルの語彙力は7歳児くらいなので、辞書は必須ですが、それでも「英語”を”学ぶ」から「英語”で”学ぶ」へのスイッチは大きな成長です。

また、2015年に英検準1級の勉強を開始したのですが、お陰様で2016年に準1級に合格できました

そのとき、読解は15/16問で1問間違いだったのですが、これはTOEICで身につけた精読と再読によるところが大きいです。

TOEICリーディングで450点くらい取れるようになると、英検準1級の読解問題の英文も読みやすくなりますよ。

【関連】英検準1級 読解で8~9割取るための対策と勉強法



再読トレーニング 6つの注意点

(1) 公式問題集を使う

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再読トレーニングでは、公式TOEIC L&R問題集を使うようにして下さい。高いですが(笑)。

Part 7の英文は非常に精巧にできています。なので、公開テスト(本試験)と同じクオリティのものを作るのは非常に難しいんですよね。

TOEICを受験し続けている著者が書いた模試であればそれなりに信頼できるので、それらをお持ちならそれでもOKです。

【参考】新形式TOEIC おすすめ公式問題集・模試と効果的な使い方


(2) 再読の前に必ず「精読」

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再読トレーニングに入る前に、必ず精読(英文解釈)をして下さい。

お経を100回再読しても、そのお経の内容を理解できるようにはならないですよね。内容をきちんと理解した上で、繰り返し読むように(再読)しないと効果は非常に低いんです。

【関連】科学研究「初めてやる練習は”速さ”よりも”正確さ”を重視しよう」


再読にトライした結果、R280点→355点まで伸びたAnaさんも、スコアアップ報告で精読の重要性について語っておられました。


再読トレーニングでも成果がなかなか上がらなかったのは、「精読出来ていない = 構文把握が出来ていない」まま音読していたようです。

ブログでも精読せず音読は意味がないとしっかり書かれていますが、自分では出来た気でいました。。。


続いて、R300点台→450点まで伸びた、ひろりーなさん


精読&再読は初めてから半年位で効果ありました。始めた初期の頃は精読が甘かったようで、やはり300点台をウロウロでした。

そこで、もう一度、③を読み直し、見本をプリントアウトして時間をかけて精読し直してから再読10回やってみたところ、リーディング440点まで取れました。

……トータルスコアが775点に達しても、リーディング、特にpart7は相変わらず300点前後、文法超特急など20周位してもR320点止まり。観念してpart5、6、7の精読&再読を始め、続けること約半年でR450点とることができました!

最初は精読をしっかりせず、再読だけやってあまり効果得られなかったので、精読からやりなおしたのがよかったかなと思います。


かつての僕も、Anaさんやひろりーなさんとまったく同じことを経験しています(^_^ゞ

リーディング400点以上をめざすのであれば、「読み取れる単語から類推して読む」という状態から脱却し、「文構造(特に主語・動詞)を正確に把握しながら、150 wpm以上のスピードで読める」をめざしたほうがいいです。


僕が精読でチェックしている項目は、次の8つです。


❖ 精読 8つのチェック項目 ❖

(1) 発音・アクセントのチェック
(2) 単語の意味・品詞・語法のチェック
(3) 文構造(特に主語・動詞)のチェック
(4) チャンクごとにスラッシュを入れる
(5) 名詞を後ろから修飾する句・節は ( ) でくくる
(6) 不正解の選択肢の分析
(7) 言い換え(パラフレーズ)のチェック
(8) キーワードのチェック


精読のやり方は次の記事で詳細に書いているのでぜひ!

【参考】TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法


(3) 精読後に1~3回再読

精読した後、その場で最低でも1周再読して下さい。

精読した直後に読み直すことで、記憶に定着しやすくなります

ちなみに、僕はTOEICでも英検でも、音声や英文には「ABC」の3段階評価をつけています。


A:だいたい聞き取れた・理解できた
B:半分くらいは聞き取れた・理解できた
C:ほとんど聞き取れなかった・理解できなかった


それで評価「C」の音声・文書はできるだけ丁寧に、リスニングならシャドウイング&リピーティング、リーディングなら精読と再読をするように心掛けています。こうすることで理解度・定着度が高まります


(4) 最初はゆっくり読む(スローリーディング)

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特に、英文を読むのが苦手な方は、最初は速読せず、ゆっくり読んで下さい

僕が以前英文を読むのが苦手だった頃、石井辰哉先生の「実践勉強法」を読んで、自分の英文の読み方が変わりました。

それまでは、「とにかく速く読むことが大切だ」と考えていたのですが、英文を読むのが苦手な人は、最初は速く読んではいけないのです。

英文を読むのが苦手な人は基本的に、次のような症状を抱えているはずです。


◆ 英文を読むのが苦手な人によくある症状 ◆

● 返り読みしてる(後ろから訳す・理解できずに読み直す)
● 英文を読んでも頭に残っていない


これは、英文を文頭からきちんと処理できていないことが原因である可能性が非常に高いです。

文頭からきちんと読めていない人は、どれだけ速く読んだところで、正確に読めるようにはなりません。なので、再読の最初の5~10周目は、自分が文頭から理解できるスピードで読んで下さい。

最初は速さよりも正確さが大事

【参考】科学研究「初めてやる練習は”速さ”よりも”正確さ”を重視しよう」

ちなみに、TOEICスコアを急いでない方は、瞬間英作文をやると文頭から英文を作れるようになるので、返り読みの矯正に最適です。スピーキングも身につき、文法にも強くなるので一石三鳥。


(5) 設問・選択肢も読む

上述しましたが、再読するときは、問題文(文書)だけでなく、設問と選択肢精読した上で、きちんと読むようにして下さい。

リーディング300~400点の頃に、問題文を読んで、せっかく内容は理解できたのに、設問や選択肢の意味が理解できず、問われていることが分からない → 解けない…orzという哀しい症状を患ってました。

これをなくすためには、問題文だけでなく、設問・選択肢も読んで慣れる必要があります。


(6) 漫然と読まない (再読時の3つのポイント)

● 文書の目的・主旨を意識する

Part 7では、


● What is the purpose of the e-mail?
● Why is the article mainly about?
● Why was the letter written?


といった設問をよく見かけると思います。

僕が信頼しているTOEIC講師・ヒロ前田先生の「究極のゼミ Part 7」の説明によりますと、これはアビメ(アビリティーズ・メジャード)のR1(文書の中の情報をもとに推測できる)に相当する設問だそうです。

そして、Part 7の1セット(SP10題、DP2題、TP3題)のうち、だいたい半分くらいの文書には、目的・主旨を問う設問があるんです。つまり、よくある設問パターンというわけです。

特に、アビメのR1(文書の中の情報をもとに推測できる)の正答率が低い方は、普段の再読で、文書の目的・主旨を意識して読むようにしておけば、徐々に瞬殺できるようになってきます。

【参考】TOEIC 弱点と対策が分かる!公式認定証(アビメ)の見方 ②リーディング編


● 書き手・読み手は誰か?を意識して読む

これはPart 3・4にも言えることですが、書き手と読み手(対象)、登場人物の業種・職種、登場人物がやったことなどは、設問で非常によく問われます

特に、登場人物が複数出てくるパターン。例えば、VladimirとDonaldとXiという人名が出てきたら、それぞれの職種が何で、何をしたのかを正確に理解しておかないと、TOEICはそこ突いてきます。ドSです。


● 言い換え・キーワードを意識して読む

TOEICでは問題文・音声の英語が、設問・選択肢では言い換えられることが多いです。

また、「Unfortunately,...」のように、知ってるだけで文書のストーリー展開が予測できたり、設問を解く手がかりになるキーワードがあります。

精読時に、これらをチェックした上で、再読の際にも意識して読むようにしておけば、速読しやすくなり、設問も解きやすくなります


(7) 20日間毎日読む

再読は数日で一気に読むのではなく、「1日1回読む」のを20日間かけて再読をお勧めします。

毎日反復して読むことで、心理学でいう「分散学習」という効果があり、記憶に残りやすくなります


一気に集中して勉強するのと、勉強時間を「分散」するのとでは、覚える量は同じでも、脳にとどまる時間がずっと長くなるのだ。(P. 97)

……(分散すると)覚えたことをより長く記憶にとどめておけるようになるのだ。(P. 98)

ある研究グループは、小学校3年生に足し算を教える時間を毎日1回設けることを10日間続けるほうが、毎日2回設けて5日間続けるよりもはるかに効率的だと実証した。(P. 109)




自分の経験では、リスニングもリーディングも、連続10日間(10回)の反復練習だと定着がどうも弱いんですよね。

数日反復練習して初めて発見すること、見落としに気づいたりすることも意外とあるので、連続20日間やったほうがいいなと。

一方、30日間と20日間はそこまで大きな差は投資対効果は感じないので、30日間やるんだったら、それよりも次の模試を解いて数をこなしたほうが良さそうです。

【関連】言語学者「勉強スケジュールは分散したほうが効果的やで」分散学習


(8) 最終的に150~200 wpmで速読

僕は長年、自分のペースで英文を読んでいました。いわゆる「コンフォートゾーン」というヤツです。

ですが、2016年の暮れから、精読した英文を音読して、最終的に200 wpmで読めるまで、20~30回くらい繰り返し音読しました。

その結果、よく出る簡単な文書や、よく出る話の流れの部分を高速で読めるようになる → 時間に少し余裕ができる → 1問1分のペースで解きやすくなる&難しめの問題に時間を回せるようになってきました。

【参考】[英語]音読の効果を爆上げしたいなら速さ(wpm)を意識するべし


読者さんのろっきーさん 835点がすでに試されていて、次のようなご報告を下さっています。読者さんのご報告から学ぶことが多い管理人(笑)。


意外と効果があったのが、途中に挟んだ速読でした。速読を挟むことで、目を動かすスピードが速くなり、トレーニングを開始した頃と比べて、読み終えるのが半分から3分の1まで短縮できました。


速音読の詳しいやり方については次の記事をご覧下さい。

【参考】速音読トレーニングの効果・やり方・注意点



再読トレーニングのスケジュール例


記事が長くなってきたので、再読のスケジュール例は「TOEIC Part 7 再読トレーニングのスケジュール例」に分離しました。



テスト前に再度模試を解く


テスト前になったら、再度公式TOEIC L&R問題集を解き直してみて下さい。

意外と間違いますし、読めない箇所が出てきます(笑)。それは弱点と言えるわけです。

苦手な英文は「再読リスト」に入れて、またしばらく毎日再読するといいです。1ヶ月~半年後とか忘れた頃に再度復習すると、「検索練習」という効果があり、記憶に定着しやすくなります


再読のやり方のエントリーは以上になります。何かご質問やご相談、感想ががあればコメント欄からぜひ!



 
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コメント

No title
新しい記事がpart7についてで参考になります~

英文を速く読めても頭に残っていない、的確すぎます
国語などは速読していても多少なり頭に残るにも関わらず英文となると速読すると概略はつかめるものの、前に読んだ文章が頭から抜けていきます。

受験生の頃は音読なんて意味あるのかよ、試験中声出せないから意味ないだろ。となめきっていましたが
最近はとても暇で音読について調べまくっていたらやはり上級者は大抵音読をすすめていますね・・
このブログは0から説明していて、とても分かりやすいです。
毎日2時間ひたすら音読頑張ります。
これからも参考にさせていただきます。
No title
全然英語と関係なくてすみませんが、

FC2でこのようなハイクオリティサイトって作れるものなんですね。
最近こういうブログサイトを作りたいと考えてるんですが
まったく知識ない自分でも作れるものでしょうか?
nuさんへ
nuさん、参考になって何よりです(=゚ω゚)ノ

「英文を速く読めても頭に残っていない」は僕がかつて経験したことですし、独学で勉強している人は、誰もが通る道のようです。

音読せずに、TOEIC 900点以上を持っている人を何人か知っています。ですので、目標が「TOEIC 900点だけ」なのであれば、必ずしも音読する必要はないかもしれないですが、

おそらくたいていの人は、TOEIC 900点を超えてからも英語を続けていくと思いますし、「英語ペラペラ」になりたいと思うんです。

だとしたら、音読・瞬間英作文(和文英訳)・暗唱をメイントレーニングしたほうが、言語習得においては効率的だと思います。

音読の前に精読することと、リスニングパートは瞬間英作文(和文英訳)をした上で音読・オーバーラッピング・シャドウイングすると、大幅に上達しますよ(・∀・)b

頑張ってください★彡
No Nameさんへ
実は、このブログは僕がイチから作ったものではなく、FC2共有テンプレ「customtemplate」をカスタマイズして作成してます(・∀・)b

詳しくは、サポートブログをご覧になられるといいと思います。
http://customtemplate.blog112.fc2.com/

僕もこのテンプレを見つけるまでは、こんなにブログっぽくないブログを作れるとは思ってませんでした(^_^ゞ

あと、僕が最も勉強させていただいているWeb屋さんのブログの一つである「ホームページを作る人のネタ帳」さんもFC2ブログです。
http://e0166.blog89.fc2.com/


僕も去年までは、HTMLやCSSなどの、Webやブログに関する知識はまったくなく、今年に入ってから、ネット上でいろいろ調べながら独学で勉強しました。

知識がまったくなくても、「読者が見やすい、分かりやすい、そしてデザインのいいサイトを作りたい」という情熱さえあれば、誰でも独学できるものなので大丈夫です。

あと、最近知ったのですが、「WordPress」というソフトウェアを使えば、かなり細かくカスタマイズできる高機能なサイトが作れるようです。

http://webdesignrecipes.com/first-time-wordpress/
瞬間英作文
瞬間英作文をしようと思っているのですが、
ドラゴンイングリッシュ基本英文100で行うのはどう思いますか?
英語大好き男ギロチンさんへ
英語大好き男ギロチンさん、お返事遅くなりました(*_ _)人

「ドラゴンイングリッシュ基本英文100」を本屋さんでチェックしてきましたが、非常にいい本だと思いました。あやうく衝動買いしそうになりました(笑)

日本人にとって難しい、英作文するときの「時制の選び方」「論理構成」などの説明が絶妙です。こういう本を探してたんですよ。

というのも、英会話やライティングをやってますと、「どの時制を使ったらいいんやろう?」「これは受動態でいくべきか?無生物主語構文でいくべきか?」と迷うときが多々ありますが、この本を読んでますと「なるほど」と思えることが多かったんです。

また、この本は、基本的には大学受験生向けの本だと思いますが、ザッと見た限りでは、英文に特に変なものはなく、実用的な感じがしました。


ただ、注意点が2つあるかなと。

1つは、この本はいきなり仮定法などから始まるので、中学・高校レベルの英文法は、とりあえずは理解できるレベルであること。

もう1つは、この本は、文法・語法・構文的に正確に話せる・書けるようにするための本ではありますが、英文の数は100文だけなので、この本1冊だけでは足りない、ということです。

僕は今、3000文くらい瞬間英作文でトレーニングしていますが、ペラペラと話せるようになるためには、まだまだ量が足りないと感じています。


あと、瞬間英作文を初めてこの本でやると、あまりのできなさ具合に挫折してしまうかもしれません(笑)。

もし「ドラゴンイングリッシュ、難しすぎるわ」となった場合は、下記の記事でご紹介している、文法項目別の瞬間英作文本を2~3冊やっておくと、基本的な英文の作り方は身につくので、「ドラゴンイングリッシュ」での英作文はやりやすくなると思います。

瞬間英作文 最新おすすめ本・教材 19選&効果的なやり方
http://enjoylifeinenglish.blog112.fc2.com/blog-entry-328.html


それと、今回調べていて、同じ竹岡広信さんの著書「竹岡広信の 英作文が面白いほど書ける本」もいい本だなと思いました。

「英作文が面白いほど書ける本」のほうが出版年月が新しい分、項目の分け方や内容はいい気がします。ただ、「ドラゴンイングリッシュ」のほうが瞬間英作文はやりやすそうなんですよね。

正直迷います(ノД`)

でも、今予定している瞬間英作文本が終ったら、どちらかは買うと思います。

英語大好き男ギロチンさんにご質問いただいたことで、自分がぶつかっている壁を突破できそうな本に出会えました。とても感謝しています。

お互い、頑張っていきましょうね!
No title
 すみません やはりpart7の音読等をするために音声付きの教材の方がいいのでしょうか? 
 part3や4でシャドーイング等で読む練習をしているのでそこそこは正しい発音を出来ているとは思うのですがやはり音声がないと本当にあっているのか不安になってしまいます
 もちろん音声付きでも100%マネする事は出来ないのでどこか発音やイントネーション等でおかしな所は生じるのでしょうが・・・
 
 そして質問ですが音声がない場合の音読の場合発音やイントネーションが多少おかしくとも点数のアップや英語の実力強化に効果はあるのでしょうか?そしてスピーキング能力自体も上がるのでしょうか?
 読みづらい文を書いてしまい申し訳ありません よろしければ教えて頂けないでしょうか?
TA-DAさんへ
TA-DAさん、ご質問ありがとうございます!(=゚ω゚)ノ

>part7の音読等をするために音声付きの教材の方がいいのでしょうか?…音声がない場合の音読の場合発音やイントネーションが多少おかしくとも点数のアップや英語の実力強化に効果はあるのでしょうか?

Part 7で音声を使ってのオーバーラッピング(CD・MP3音声に合わせて音読)・シャドウイングは、やろうやろうと思いながら、結局やらなかったのですが、それでもリーディングで465点が取れました。

やらなかった理由としては、オーバーラッピングとシャドウイングなどの音声を使ったトレーニングは、Part 3・4でやっていたので、必ずしもやる必要はないと感じたのと、

オーバーラッピングやシャドウイングは、個人的には、主に「音をつかむためのトレーニング」と感じているので、”リーディングパート”であるPart 7でやる必要はないと判断しました。

結果、音声なしトレーニングだけでも、リーディングで465点取れたので、Part 7は必ずしも音声を使ってのトレーニングをする必要はないということになりますね(・∀・)b


とは言え、もし「Part 7でのシャドウイング、楽しい」というのであれば、やってもOKです。推測ですが、やったらやっただけの効果はあると思います。

Part 7に出てくる語彙・表現は、Part 3・4よりも難しめなので、より高いリスニング力が身につくはずです。

おそらく、たいていの方がTOEIC 900点取得後も、さらに上をめざして英語学習を続けていかれると思うので、現在のTOEIC学習で、可能な限り実力を伸ばしておく、という選択肢もアリだと思います。


>音声がないと本当にあっているのか不安になってしまいます

僕も同じように考えていた時期がありました。
ですが、今は「ネイティブの音声に合わせてオーバーラッピング・シャドウイングすることも大事だが、音声なしで音読することも大事」と考えるようになりました。

また、TA-DAさんの場合、音声を使ってのトレーニングをまったくされていないわけではなく、Part 3・4でのシャドウイングをされているので、問題ないです。

オーバーラッピングやシャドウイングの際に、音声の通りに発音やイントネーションすることを心掛けていれば、少しずつ良くなっていくなと感じています。


>スピーキング能力自体も上がるのでしょうか?

自分の経験では、音読・オーバーラッピング・シャドウイングでは、ほとんどスピーキング力は向上しないと感じています。

スピーキング力を伸ばすには、

 ●オンライン英会話をひたすらやる
 ●瞬間英作文
 ●コピーイング(状況をイメージしながら暗唱)

くらいしか選択肢がない気がしています。僕は、瞬間英作文が4技能を同時にきたえられるトレーニングで、なおかつ、時間対効果が高いトレーニングだと感じているので、今は毎日3時間くらいを瞬間英作文に充てています。

スピーキング・リスニングに効果抜群の勉強法「瞬間英作文」
http://enjoylifeinenglish.blog112.fc2.com/blog-entry-159.html

ですので、スピーキング力を上げたいのであれば、主にリスニングパートの英文を使って、瞬間英作文をすることを、個人的にはお勧めします。

模試・問題集の語彙・表現が確実に身につく瞬間英作文勉強法http://enjoylifeinenglish.blog112.fc2.com/blog-entry-336.html
No title
なるほど 音をつかむためのトレーニングですか
 そういう考え方をするのであればPART7を必ずしもCD付きの物を探す必要はなさそうですね
 音読のみにしてCDに頼らずどんどん話していけるような練習をしようと思います
 瞬間英作文に手を出す事にしました 今自分は英語を話す能力が求められていないのでtoeicの休憩等にやっていく事になると思いますが
自分で英文を考えるという事が大変楽しいと言うのが瞬間英作文をやった感想だったのでちょっとずつコツコツ勧めていこうと思います
 大変詳しい説明をして頂きありがとうございました
TA-DAさんへ
>自分で英文を考えるという事が大変楽しい

これはいい傾向ですね♪
使える文法・構文・語彙・表現が増えれば増えるほど、瞬間英作文は楽しくなっていきますし、英語で説明できることも増えていきます。

参考にしていただけてよかったです。
また何かあればご相談下さいね(=゚ω゚)ノ
このブログをすごく参考にさせてもらっており今年からTOEICを頑張ろうと思っています。
質問なんですがビジュアル英文解釈という本はPart7対策に使えますか?
TOEIC初心者さんへ:「ビジュアル英文解釈」について
TOEIC初心者さんへ

参考にしていただいてありがとうございます!

「ビジュアル英文解釈」という本はPart7対策に使えますか?

この本は、英文の読み方を学ぶための本なので、Part 7対策にはなります。ただ、TOEIC対策用に作られた本ではないので、当然、TOEICよりも範囲が広い=TOEICに出ない英文が多い、ということになります。

ですので、TOEIC初心者さんの直近の目標が「総合的なリーディング力の向上」よりも「TOEICのスコア最優先」なのであれば、Part 7の英文を使って精読や問題の解き方が学べる「新TOEIC TEST 正攻法で攻めるパート7読解問題」をお薦めします。

詳しくは、次の記事でレビューしています。
 
 TOEIC リーディング Part 7 おすすめ参考書・問題集と勉強法 2014
 http://enjoylifeinenglish.blog112.fc2.com/blog-entry-325.html


TOEICで目標点取得後、「もっとリーディング力を高めたい」と思ったときに「ビジュアル英文解釈」は選択肢の1つになると思います。

英語学習で大切なことは、「今の自分の目標を達成するのにもっとも効果的なテキスト・勉強法は何か?」を定期的に自問することかなと思っています。
回答ありがとうございます!!
とりあえず目標スコア達成までは「新TOEIC TEST 正攻法で攻めるパート7読解問題」を使わせていただこうかと思います。
おかげさまでTOEIC目標スコアまでの大まかな勉強方針がたちました!
TOEICの数多くの勉強法のブログがあるなかこのブログは本当に良いです(笑)よすぎです!
これからもブログ更新よろしくお願い致しますm(__)m
TOEIC初心者さんへ
TOEIC初心者さんへ

おかげさまでTOEIC目標スコアまでの大まかな勉強方針がたちました!

それはよかったです!記事だけでなく、コメントへの返信も丁寧にしているのでので、そういっていただけると報われます♪


TOEICの数多くの勉強法のブログがあるなかこのブログは本当に良いです(笑)よすぎです!

ありがとうございます!TOEIC 900点をめざしていたときに、「こういうTOEIC勉強法まとめブログがあったらいいなぁ」「こんな情報があったら便利だな」というのを1つ1つカタチにしてきた感じです。

とは言え、読者さんが読みやすく、分かりやすく、情報を見つけやすくするために、改良できる点はまだまだあると感じているので、これからも更新頑張ります!ヾ(゚Д゚ )

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