防犯推進委員

IMG_20160429_101848.jpg 地元自治会の役が回ってきたが、これに付随して、地域の防犯推進委員も引き受けることになった。
先日、新任の委員に対する説明会というのがあって出席してきた。19:30開始ということで、仕事が終わってから急いで行けば、ぎりぎり間に合う。

そもそも防犯推進委員というのはボランティアのようだが、ボランティアを待っていては人数が揃わないという事情があるだろうから、自治会からボランティアを出す慣例のようである。
自治会の役の任期は1年だけれど、こちらのボランティアは2年活動することが求められている。結果的には半数が交代することになる。このあたり自治会によって違うようだし、そもそも自治会と関係なくボランティアを集めている地区もあるようだ。

なんともあいまいな組織の位置づけだと思うけれど、コミュニティ活動というのはだいたいがこうしたもので、法的根拠だとか、緻密な会則などが整備されているわけではなく、この防犯推進委員協議会というのもよくわからない。

「防犯協会」と呼ばれる組織があちこちにあるが、公益財団法人全国防犯協会連合会、公益社団法人京都府防犯協会連合会(都道府県によってこのあたりの組織は違うようだ)というのがある。連合会というからにはその下部組織としての防犯協会があって、これはどうやら警察署単位で組織されているようだ。こちらは多分、設置根拠がしっかりしているのかもしれない。
そして我が防犯推進委員協議会であるが、防犯協会の協力団体として組織された任意団体のようだ。そして、これにまた、本部と支部があって、私は支部の委員ということになる。

説明会では、委員の仕事の説明はされるけれど、組織の根拠や位置づけといったことについてはあまり説明がない。説明する側は、みんな承知していると思っているのか、あるいは、そんな小難しいことを説明しても役にたたないと思っているのかもしれないけれど、助成金もでているようだし、防犯推進委員には府警本部が一括して傷害保険もかけるというから、きちんと説明しておいたほうが良いように思う。何より、はじめての会議では、オリエンテーションをつけることが基本である。

地域の活動は地域の人で、というのはわかるけれど、こうした行政への協力が前提というか、組織に役所が関わっているようなものについては、役人(この場合は警察職員)が付いていたほうが良いのではないだろうか。


IMG_20160427_192554-crop.jpg まぁ、小難しい理屈は措いておいて、要するに仕事は、上位団体等の指示でおこなわれる啓発活動(ビラ配りなど)や自主パトロールへの参加だけのようだ。

写真は、そうした活動に参加するときに身に付けるグッズ、帽子、ベスト、腕章。この他、身分を示す名札も着用とのことである(これらを付けて活動していれば傷害保険の審査が通りやすいらしい)。
まぁ、これを付けていれば、公園で子供に声をかけても不審者扱いはされないだろう。

写真左端に写っているのは、まだ保護シートを外していないので文字が見にくいが、「防犯推進委員」の看板である。これを上の写真のように、玄関などの眼につくところに掲示する。泥棒除けの効果を期待したい。

それにしても、こうしたコミュニティ活動というのは、たいてい地の人たちが仕切っていて、新住民はあまり期待されない。それはそれでありがたいことだけれど、それで良いのだろうか。

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学生の群れ

学生はうらやましい。
若くて、知識習得の意欲が高く、そしてそれを実行する気力も充実している。
今の私には、どれも欠けている。

就職すると、いつまでも学生気分ではアカンとか言われるわけだが、私が就職したときは、こんなのんびりしたことをしていてお金がもらえるなんてラクな話だなぁ、学生のときは、もっと難しいことに取り組んで、ない知恵を絞って、苦しい思いをしていたのに、というのが正直な感想だった。

なので、新人が入ってきたときは、学生時代のようにしっかり勉強し続けてくださいと言っていたものだ。


だから、学生というのはやはり尊敬の対象でもある。
ただし、これは学生を個体として見るときである。

学生の群れ、これはいただけない。

今の職場になってからだが、通勤ルートの途中に、規模の大きなK大学がある。
私の通勤ルートは、JRからK鉄へ乗り換えるわけだが、その乗換駅ではK大学生とおぼしき若者が結構、同じように乗り換える。
IMG_20160426_082129.jpg そして、K鉄線はK大学生で一杯である。

さて、毎朝この繰り返しなのだけれど、こいつら乗車マナーというのをこころえてるのだろうか。
電車の乗降口に突っ立って、他の客の流れの障碍になる。

こういう連中を「狛犬」という。

スマホのゲームをしながらトロトロ歩いて、急ぐ通勤客の邪魔になる。

ゲームをしても良いが急ぐ通勤者のペースで歩いてもらいたい。

バックパックを満員電車でも平気で担いだままである。

邪魔なのでバックパックを押して移動しようとすると睨まれる。

そして、大学最寄駅で大量に下車するわけだが、あまりに人数が多いため、下車完了までに長い時間がかかり、電車が2~3分遅延してしまう。

こんなことで腹を立てるのは大人げないというか、情けないのだけれど、やっぱり消耗する。
幸いなのは、K大学の最寄駅は一駅先だけだから、その混雑は2分もないこと。
そして、もっとありがたいのは、この状態はゴールデンウィークを過ぎれば次第に緩和され、夏休みには解消され、そして夏休みが明けても、当初の混雑には戻らないということである。

写真は4月下旬のもの。4月上旬のすし詰め状態からすれば、かなり混雑は緩和されている。それでもK鉄N瀬駅までは座れない。これが、通常状態になれば、私が乗車するS道駅からでも座れるようになる。


さて、今日からゴールデンウィークである。
ゴールデンウィーク明けが待ち遠しい。

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ちょい飲み 「チキン&『プレモル』セット」

IMG_20160426_172334.jpg 先日、仕事帰りに「ちょい飲み」というのをやってみた。
ネットのニュース・サイトで「ケンタッキー、チキン&『プレモル』の“ちょい飲みセット”を販売」という記事を眼にしたので、ちょっと気持ちが動いた。
4月21日から9月30日までというので、早速行ってみた。

チキン2ピースとプレモル1缶で840円。500mlを期待したが、残念ながら350ml缶。
店内の掲示を見ると、ビール単体は350円。チキン2ピースは490円だから、合計840円。
なんだ、一緒じゃないか。セットで割安というわけではない。

ビールは店内消費のみということで、持ち出す客には売らないことになっているようだ。そのせいか、店員がビールを開栓して提供する。写真のようにペラペラのPET製(?)のカップが付いてくる。1缶がちょうど一杯になる。

IMG_20160426_172749.jpg KFCはずいぶん久しぶりに食べたように思う。今まではだいたい3ピースをビール2缶でいただくというのが普通だったように思うが、歳のせいなのか、それとも長い通勤の帰り途だからなのか、2ピース+ビール1缶でお腹いっぱいになった。

これだけでは足りないだろうと思って、帰宅したら茶漬けでも食べようかと思っていたが、フルーツだけで済ませてしまった。
なお、店によっては断られることもあるらしいが、部位としては、リブ(あばら)とドラム(脚)を指定。KFCはリブが一番おいしいと思う。


今回行ったのは、職場最寄のK鉄Y駅にある店。
このセットを販売しているのは全国で113店というので、この店が含まれているか、KFCのサイトで事前に調べてから行っている。
KFCホームページから資料(下画像)をダウンロードして、O府では対象店が少ないなぁ、K鉄Y駅の店も対象外かと思って眺めていたのだけれど、おやおや。
KFCpremolsetShop-crop.png
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やっと決まりました、オリンピック・エンブレム

c106f802-s.jpg ごたごたしたけれど、やっとオリンピック・エンブレムが決定した。
今度は、多分、盗作疑惑や、選考過程の不透明さなどは問題にならず、関係者は安堵していることだろう。

外野では、お笑い芸人のキングコング西野さんが、「負けエンブレム展」というのをやっていて、自身のデザインも公開している(それが優勝作品)。
なかなかやるじゃないか、というのが正直な感想。

さて、公式エンブレムのほうだけれど、最終選考の4作が発表されたとき、1つだけ他とまったく違う印象のものがあって、それが採用決定されたわけだ。
no1emblem.jpg emblem1-crop.jpg

出来レースじゃないかなどと批判するネット書込みもあったようだけれど、1つだけあまりに異質なデザインだから、そういう疑惑をもたれたのかもしれない。


私は、これで良かったと思っている。というか、とにかく落ち着いて良かった。

emblem2-crop.jpg デザイン・センスなど持ち合わせていない身には、作者の講釈のほうが説得力があるのだけれど、作者がインタヴューに答えて、「同じ数で作る」というようなことをおっしゃっていたので、数えてみた。

オリンピック用もパラリンピック用も、一番細い矩形が18個、少し太めの矩形も18個、そして正方形に見えるのが9個である。
emblem3-crop.jpg
この人の他の作品や、外装のデザインをした建物などがテレビで紹介されていた。
グラフィックなものが持ち味のようだが、グラフィックなものは、似たものができやすいんじゃないかと思う。その中で、個性を出していくのは、素人が考えるより厳しいことなのかもしれない。

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Google search console

このブログへのアクセス数などを、そんなに気にしているわけではない。
もちろん、コメントや拍手をいただいたら、読んでくれている人がいて嬉しいわけだけれど、そのために多くの人に読んでもらおうという努力やPRはしていない。

さて、件名のGoogle search console(以前はGoogleウエブマスターツールと言っていたらしい)は、Google検索経由での訪問者の状況を把握し、見てもらえるサイトにするためのツールのようだけれど、今までは気にしていなかった、というか、そんなものがあることも知らなかった。
しかし、先日、このツールを使ってみることにした。

IMG_20160311_083250r2.jpg 契機は前に「iQOSユーザー増加中?」の記事で協力いただいた女性の言葉。
「検索したけど出てこない。」

ブログに掲載する写真を撮らせていただいて良いですかと聞いて、快くOK(顔出しも)してもらったのだけれど、そのとき、記事がアップされたら何で検索すれば良いか聴かれて、"iQOSユーザー増加中"で検索してもらえればと答えたのだが、翌日も翌々日も、検索してもヒットしないと言われた。その時は直接URLをお教えして済ませたのだけれど、記事をアップしてから、どのぐらいでクロールされるのか気になっていた。

思い立って、Googleでブログのドメイン指定検索をしてみたら、1週間ぐらい前の記事までしかインデックスされていない。
それで、"fc2ブログ Googleインデックスが遅い"というような検索をすると、fc2ブログはGoogleからは不良サイトとみなされているらしく、インデックスされるまでにかなりの時間がかかるという話である。
そうした情報によると、早くインデックスしてもらう方法も解説されていて、Google search consoleから、ページのアドレスを登録すれば良いという話である。
ものは試しというわけで、このブログもsearch consolを使って、クロールを早くしてもらえる期待を込めて登録した。
2016-04-25_101908.jpg
やりかたは他のいろんなブログなどで解説されているので、私が書く必要はないと思うけれど、初めに私が迷ったことだけを書いておく。

Google search consoleの対象とするウェブ・ページを登録する際、そのページの管理者であることを認証してもらう必要がある。Google「推奨」は、Googleから提供されるファイルをウェブ・ページの直下に置くことなのだけれど、fc2ブログの場合、そこにファイルをアップロードする方法がない。これに代わる手段として、Google指定のメタ・データを記事中に書き込む方法がある。この方法を選択すると、指定するデータが表示されるので、それを記事のテンプレートに追加すれば良いわけだ。
具体的には の1行(******の部分が、Googleが送ってくる認証用のデータ)を書き加えれば良い。
同じようにGoogle検索にひっかからないという人が、このページにたどり着いたときに、方法があるという情報を得られれば十分だろう。


効果はどうかと思って試してみたが、1日ぐらいで愛想だけはしてくれるみたい。
しかし、クロールのタイミングは遅いし、該当記事を指し示すような検索結果が出るわけではない。
実際の効果はこれからというか、本当にあるのか、しばらく様子を見ようと思う。

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Which character do you like best in the Prius impossible girls?

プリウス・インポシブル・ガールズの中で、どのキャラクターが一番好きですか?

⇒トヨタのキャラ(パーツ)ページ


昨日稿の"Prius impossible girls"、私は24番の"WIDE VISION"がイチオシとしたが、他の人の意見も聴いてみたくなったので、投票ページを設置してみた。

というか"fc2投票"を試してみたかっただけだけど。

ご協力いただければ幸いです。

【追加】
キャラクターが見つけにくいというコメントをいただいたので、キャラ確認用ボタンを追加しました。

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Prius impossible girls

ようやく全41種類が揃った。
「トヨタのプリウス部品が萌えキャラに 海外サイトはドン引き」の萌えキャラの壁紙のことである。

私が今乗っている車は、先代のプリウスである。2年前購入して、当時は先進的だったレーダークルーズコントロールも装備している。
新しいプリウスは、燃費、快適性、先進装備、いずれも先代より随分進化していて、正直2年前に買うんじゃなかったと悔しい思いをしている。その反動からか、新型プリウスはデザインがとんがった感じで、らしくない、というか、年寄り向きじゃないと思っていたが、最近、頻繁に見かけるようになって、その尖ったデザインにも慣れてきた。

特に、レーダークルーズコントロールは低速でもセットできるというのが羨ましい。使った人ならわかると思うが、低速でオートクルーズが使えると、ずっとクルーズをオンにしておけば、前に書いたように自動車間維持装置として使えると思う。


di_41_1600.jpg その新型プリウスのプロモーションで、"Prius impossible girls"というサイトがあって、ゲームコーナーが用意されている。
ゲーム自体は単純なもので、表示されたキャラがプリウスのどの部品をキャラ化したものか三択で当てるもの。
正解したら、40種類のキャラ+キャラ集合の41種類の壁紙のうち、どれか一つがランダム(?)に選ばれて、それをダウンロードできる。自分でキャラを指定することはできない。
だから、はじめは調子よく集められるのだけれど、残りが少なくなると、未収集の壁紙には当たりにくくなる。

はじめにリンクした記事がネットにアップされたのは2月25日、その後、暇なときに思い出したようにゲームにトライしてきて、ようやく全種類を制覇。

41種類だらといって、41回正解すれば良いわけではない。何度も同じ壁紙が当たりになるからである。
ゲームには正解したものとして、希みの壁紙を得る確率を p とすると、何回の試行でそれに成功するかは、幾何分布と呼ばれる分布に従い、その平均値は 1/p である。つまり、40種類が揃っていて、あと1種類を得るためには、平均して41回の試行が必要となる。
未だ1枚も持っていない状態から、41枚全部をそろえるためには、平均して176.4回の試行が必要となる。
記事を目にしてから約2ヶ月、一体、何回ゲームをやったことやら。

取得数 成功確率 平均
試行回数
平均累積
試行回数
 1 1 1 1
 2 0.9756 1.025 2.025
 3 0.9512 1.0513 3.0763
10 0.7805 1.2813 11.3032
20 0.5366 1.8636 26.9606
30 0.2927 3.4167 52.6053
39 0.0732 13.6667 114.9203
40 0.0488 20.5 135.4203
41 0.0244 41 176.4203

di_24_1242x2208_1d787dba6886.jpg 私はこうしたアニメ的キャラクターに萌えたりはしない(生身の女性の方が良い)。ただ、「全部そろえる」ということに変に執着しただけである。

というわけで萌えはしないけれど、一番気に入っているキャラは、24番の"Wide vision"。40種類のキャラの中で、キャピキャピしてなくて、落ち着いたお姉さんと見える。脇の下の皺が色っぽい。

拡大(画像クリック)でご確認ください。



ゲームを楽しみたい方には不要でしょうが、全壁紙のURLリストを用意しました。
    PriusGirls_URL.txt

ファイル一括ダウンロードが面倒な人用にExcelマクロも用意しました。
    ファイル一括ダウンロード(FileBkup.xlsm)
      (私がこのブログ掲載の写真などのバックアップに使っているものです)


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新年度の定番、第2弾

IMG_20160422_182307.jpg 昨日は、年度はじまりの定番の歓送迎会。
先週の飲み会は、新所属メンバーでも総勢5人だけで、お互いの気心を知ろうというような趣旨だったが、昨日のは、型通りの歓送迎会。なぜか複数課が合同でやったので、出入りも入れて総勢40名余。

場所は、去年の夏の歓送迎会と同じところ。
私および同室のメンバーは、機構改革があったため、仕事は変わっていないのに転入者扱いである。

今の会社は、社長の下に、部-課-室という組織階層があるのだけれど、私の所属する室は、今年度から上位の部・課が変わった。今までの総務部門から、企画部門へ変わったのだが、基本の仕事は変わらないけれど、少しはニュアンスが変わるかもしれない。


新年度の定番シリーズ、次はゴールデンウィーク明けの予定。

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倍音列と19平均律、12平均律

しつこいようだけど、昨日の純正律、12平均律、19平均律の表では説明不足だったかもしれないので、純正律のもとになる倍音列を、12平均律、19平均律のそれぞれで、どの音に近いのかを計算してみた。また、12平均律、19平均律のどちらにより近いかもチェックしてみた。
昨日同様、基準はC=264Hz。表中in Oct.は、倍音の周波数が528Hz(オクターブ上の)を超えるとき、1オクターブの範囲におさまるように2(の冪)で除した(オクターブ下の)周波数。

※セルのクリックで発音。停止は最下行または右の単音/重音切換ボタン。   単音 重音
n fq*n in Oct. 12平均律 <> 19平均律
1   264   264   C   264 =   C   264
2   528   528   C   528 =   C   528
3   792   396   G   395.5530683 <-   G   394.3523659
4   1056   528   C   528 =   C   528
5   1320   330   E   332.6191572 ->   E   328.5988436
6   1584   396   G   395.5530683 <-   G   394.3523659
7   1848   462   A#   470.3945232 ->   A#   456.3091597
8   2112   528   C   528 =   C   528
9   2376   297   D   296.3299808 <-   D   294.5336903
10   2640   330   E   332.6191572 ->   E   328.5988436
11   2904   363   F#   373.3523805 ->   F#   366.6039017
12   3168   396   G   395.5530683 <-   G   394.3523659
13   3432   429   G#   419.0738777 ->   A♭   424.2011276
14   3696   462   A#   470.3945232 ->   A#   456.3091597
15   3960   495   B   498.3656371 <-   B   490.8474674
16   4224   528   C   528 =   C   528
17   4488   280.5   C#   279.6982569 <-   D♭   283.9823148
18   4752   297   D   296.3299808 <-   D   294.5336903
19   5016   313.5   D#   313.9506784 <-   E♭   316.827118
20   5280   330   E   332.6191572 ->   E   328.5988436
21   5544   346.5   F   352.3977215 ->   E#   340.8079483
22   5808   363   F#   373.3523805 ->   F#   366.6039017
23   6072   379.5   F#   373.3523805 ->   G♭   380.2250859
24   6336   396   G   395.5530683 <-   G   394.3523659
25   6600   412.5   G#   419.0738777 ->   G#   409.0045456
26   6864   429   G#   419.0738777 ->   A♭   424.2011276
27   7128   445.5   A   443.9933073 <-   A   439.9623394
28   7392   462   A#   470.3945232 ->   A#   456.3091597
29   7656   478.5   A#   470.3945232 ->   B♭   473.2633468
30   7920   495   B   498.3656371 <-   B   490.8474674
31   8184   511.5   B   498.3656371 ->   B#   509.0849269
32   8448   528   C   528 =   C   528
33   8712   272.25   C#   279.6982569 ->   C#   273.8089317
34   8976   280.5   C#   279.6982569 <-   D♭   283.9823148
35   9240   288.75   D   296.3299808 ->   D♭   283.9823148
36   9504   297   D   296.3299808 <-   D   294.5336903
37   9768   305.25   D#   313.9506784 ->   D#   305.4771026
38   10032   313.5   D#   313.9506784 <-   E♭   316.827118
39   10296   321.75   D#   313.9506784 ->   E♭   316.827118
40   10560   330   E   332.6191572 ->   E   328.5988436
41   10824   338.25   E   332.6191572 ->   E#   340.8079483
42   11088   346.5   F   352.3977215 ->   E#   340.8079483
43   11352   354.75   F   352.3977215 ->   F   353.4706827

【補記】

昨日も書いたように、C=264Hzとしているのは、A=440Hzのときに純正律でのCの周波数、つまりAの3/5の周波数である。音律比較をする際に、Cを基準にした方がわかりやすいだろうと思ったのでこうしている。
普通行われている12平均律の場合は、A=440Hzなら、C=261.6255653Hzである。


【注意 音が出ないとき】

この記事と前日の記事は発音のために同じスクリプトを使いまわしているため、両方の記事が表示されていると、正しく発音されません。
記事タイトルをクリックして、一つだけの記事を表示した状態で試してください。


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19平均律と12平均律、純正律

test 昨日、「自分で作ることにした」と予告した19音音階(平均律)をとりあげる。

先日の記事では、YouTubeでの演奏例などをとりあげて、19音音楽というものを「鑑賞」しようとしたけれど、そもそもシンプルに19音の音階を鳴らしたらどうなるんだということで、自分で試してみた。

といっても、手近な楽器を正確に19平均律で鳴らすのは無理なので、デジタルでやってみた。

あらためて調べるとWeb Audio APIというツールは発振器を使える。MIDIのようなこともできるようだが、さすがにそこまではようしない(スペクトルを作らないといけない)ので、単純な正弦波でご容赦いただきたい。なお、Chrome、FireFox、Edgeは動作確認したけれど、どんなブラウザでもOKかは承知していない。Android(私のスマホ)のChromeもOKだった。


まずおさらいであるけれど、19平均律というのは、オクターブを19等分するわけで、オクターブは周波数比で2なので、隣の音との周波数比は 2の1/19乗(1.037155044)となる。12平均律の場合は 2の1/12乗(1.059463094)である。
純正律は、基準音からの「きれいな」(調和する)周波数比の音で作る音階である。いいかえれば倍音列から取り出されるので、倍音列の最初を何で始めるかで周波数・各音間の音程も決まるわけだが、下の表ではを基準にしたときのものにした。
周波数表を作るにあたって、A=440Hzを基準に、Cをその3/5の264Hzとし、12平均律、19平均律とも、C=264Hzを基準にした(つまり、の音はどの音律も同じ周波数)。

では、ご自由にお遊びください。


【19平均律と12平均律の周波数】

※表内クリックで発音(停止は最下行クリック)。右ボタンで単音/重音を切換。 単音 重音
12純正律 12平均律 19平均律
  音名   周波数比   周波数   音名   周波数   音名   周波数
  C   1   264   C   264   C   264
  C#/D♭   16/15   281.6   C#/D♭   279.6982569   C#   273.8089317
  D♭   283.9823148
  D   9/8   297   D   296.3299808   D   294.5336903
  D#/E♭   6/5   316.8   D#/E♭   313.9506784   D#   305.4771026
  E♭   316.827118
  E   5/4   330   E   332.6191572   E   328.5988436
  E#   340.8079483
  F   4/3   352   F   352.3977215   F   353.4706827
  F#/G♭   45/32   371.25   F#/G♭   373.3523805   F#   366.6039017
  G♭   380.2250859
  G   3/2   396   G   395.5530683   G   394.3523659
  G#/A♭   8/5   422.4   G#/A♭   419.0738777   G#   409.0045456
  A♭   424.2011276
  A   5/3   440   A   443.9933073   A   439.9623394
  A#/B♭   9/5   475.2   A#/B♭   470.3945232   A#   456.3091597
  B♭   473.2633468
  B   15/8   495   B   498.3656371   B   490.8474674
  C   2   528   C   528   B#   509.0849269
  C   528

見てわかるように、ふつうのドレミ(ピアノの白鍵)の全音のところを3つに、半音のところ2つに分けた格好となっている。ということなので、全音を3つに分けたところでは、C、C#、D♭、Dのように、伝統的音名に合わせてみた。


【補足】

前にJavascript小技集で紹介した「楽音と周波数」のページもWeb Audio APIを使って音が出せるようにした。


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19音音階

先日とりあげたグッドール「音楽の進化史」、一番驚いたのは、バッハの業績、すなわち12音の平均律が確立される前に、19音音階が存在したと書かれていたこととし、それについて翌日書くとしたのだけれど、いろいろ時事の話題がはさまって、ようやく今日アップ。

P_20160418_205947_DF-crop.jpg 19音音階(19平均律)については、以前(おそらく30年以上前)、日経サイエンス(Scientific American日本版)で読んだことがあった。
その記事の中心は、数理的に19平均律の合理性を説明するもので、冪根が簡単に計算できる必要もあるから、理論的可能性の一つとして、現代に考案されたものという理解をしていた(記事に16世紀の19音音階のことが書かれていたかもしれないが、それは見落としたか、記憶にない)。

ところが、グッドールによると、1600年頃は19音音階は特別というわけではなく、驚くべきことに31音音階の楽器もあったという。

インド音楽では24音音階が使われるものがあるが、これは半音をさらに半分に分けるものだから、数理的にはおもしろみは欠けると思う。

ただし、同書では19平均律とは説明していない。当時の楽器はそれぞれ固有の調性を持っているし、ド#レ♭は別の音である。合奏するための工夫として19音が採用されていたという説明のように読める。

グッドールによれば、この時代の前後に、三度音程など和声の基本が確立されていく。実際、対位法でも協和音を響かせたパレストリーナは1525~1594だし、前の記事でも触れたモンテヴェルディは1567~1643、19音音階が試されていたのと同時代である。さすれば、19音音階は進化の袋小路に入って、そして忘れられたものと言えるのかもしれない。

一方、日経サイエンスの記事は、19平均律についてであって、その合理性は、12平均律で基本となっている音程に近い音程がとれる(つまり和音の基本となっている五度や三度音程がとれる)、演奏可能な程度の鍵盤が作れる、というようなことだったと記憶している。
19TET_Keyboard_note.jpg また、19音鍵盤のデザインも記事に載っていたが、それはグッドールの本に掲載されているそれとは違っていたと記憶する。

グッドールの説明通り楽器の調性を合せるためなら、転調のない1曲では使われない鍵盤ばかりになって、現代の12音鍵盤でも調律だけで演奏できるのかもしれない。

また、19音音階(平均律)は一部協和音程が12平均律よりも純正律に近いと言う点が理論的に優秀ということだけれど、バッハ以前の1600年頃は、まだ12平均律は登場していないから、この時代の19音音階は、その特長を生かしたというわけではないだろう。

2016-03-29_160153.jpg 以前も音楽の可能性として19音音階を使った音楽をやっている人がいるのではと思っていたけれど、今回あらためてYouTubeを検索すると、ちゃんと16世紀の楽曲の演奏がアップされている(Guillaume Costeley - Seigneur Dieu ta pitié)。
他、19音音階の説明動画もいろいろアップされている。YouTubeで"19TET"などで検索すればヒットする。

聴いた感想だけれど、どうしても聞き慣れた12音音階に引っ張られて、12音音階での音名をあてはめてしまう。絶対音感を持っている人なんかは、気持ち悪くて聞いてられないかもしれない。

グッドールは、音の数が多いほど効果的というわけではないとしているし、後の12平均律の隆盛を見れば、19平均律はやはり音の数が多すぎたということかもしれない。


上に書いたように、19音音階を使った音楽の実例はYouTubeなどにあるのだけれど、シンプルに19音音階(19平均律)を流すサイトを探し出せなかったので、自分で作ってみた。長くなるので明日の稿にアップする。


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電波時計利用者に便利なアプリ

オーバーホールに出していた腕時計がようやく帰ってきた。
3月20日に出して、時計屋さんから連絡があったのが4月16日、4週間かかった。

二次電池が劣化したのだろうと思っていたのだが、そうではなくて、内部が帯磁していたという。磁石に近づけたような記憶はないのだけれど。
オーバーホール料金は約16,000円、それなりの時計が買える金額だが、時計自体の購入価格の1/5ぐらいという計算だから妥当なところか。

私は電波時計にこだわっていて(というか正確なら良いだけ。電波時計なら自動時刻合わせだから合格)、この時計もソーラー電波時計。
2016-03-15_150938.jpg で、今日は、電波時計利用者に便利なアプリの紹介。

電波時計というと、標準電波の送信所に対して、適切な方向に時計を置かないと、うまく電波を受信できない。
私の時計の場合は、送信所が9時の方向になるように時計を置きなさいとある。
送信所の方向がどっちなのか、それを確認しなければならないわけだ。

家など、決まった場所だと、方角も確認してあるから、その場所・方向に時計を置けば良いのだけれど、旅先だとそれなりに面倒である。送信所は福島県と佐賀県だから、京都や大阪に居るなら、方角はそう変わらず、福島なら北東、佐賀なら西南西という見当で良いと思うが、ちょっとずれた方角になるなら、送信所の方向を示してくれるとありがたい。

2016-03-15_150446.jpg そこで使えるのが「99%迷わない!方向音痴のための距離と方向だけのナビうぇーい」というアプリ。
送信所を「目的地」として"お気に入り"に登録しておけば、さっと送信所の方角が確認できるというわけ。

Screenshot_2016-03-15-14-50-34.jpg   Screenshot_2016-03-15-14-51-05.jpg


このアプリ、あんまりダウンロード実績はないようだけど、確かに使って便利なシーンはそう多くはないからだろう。
また、このアプリは現在地をGPSで得ているようだから、本当に使いたい場所、たとえば旅先のホテルの部屋などでGPSがうまく受信できるかも気になるところではある。

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自治会

P_20160417_122932.jpg昨日は地元の自治会の総会。
いずこも大差ないと思うが、自治会の役をするのは持ち回り。ということで、今年度は私が班長。
自治会といっても階層があって、地域全体の自治会(親会と呼んでいる)、それをいくつかのブロックに分けたブロック会があり、さらに、回覧を回したり、自治会費を集める単位として班がある。その班の班長が回ってきたという次第。

今の家に引っ越したとき、区画順の持ち回りのなかで、ちょうど通り過ぎた直後だったので、16年間この役は回ってこなかったのだが、ついに私にも順番が来たというわけ。

自治会の経験がないわけではない。若いころ住んでいたマンションの管理組合の理事長兼自治会長というのを仰せつかったことがある。そうするとやっぱり自治会の連合会というのがあって、そちらにも顔を出さなければならなかったが、地の人たちの自治会と、新住民の自治会では全然興味関心が違う。それも世の中の勉強と思って付き合っていた。

今の自治会はなんとブロックだけで600戸以上という大組織。ただマンションの管理組合とは違って、共有部分というものがあるわけではないので、財政規模はむしろ小さい。それでも数百万円である。
余計なことをいってはいけないと思って黙っていたけれど、予算書を見ると、繰越金が支出項目にもあり、しかも親会では予算の半分、ブロック会ではなんと8割近い。
アリエンだろう。
自治会活動には、市からの助成金も出る。繰越金を予算に積んでいるようなところに助成金が出るなんて、私が役人だったら切るな。

写真は総会会場の公民館。開発業者が作ったものだが、見てわかるように天井がアーチの木造建築。金がかかっている。これの修繕や建て替えが自治会の大きな課題なので、総会でもそれに関する発言があった。
正義感だと思う。
しかし、正義感はおうおうにして、傲慢になることがある。
建替計画の立案から、ターゲットを明確にした議論をしてもらえればと思う。

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宇治市植物公園の八重桜

IMG_20160416_134851.jpg 昨日、宇治市植物公園に行って、八重桜を見てきた。
昨日16日と今日17日、そして来週の23、24日は、『2016花とみどりのキャンペーン 八重桜無料公開』というイベントが行われていて、その名称通り、無料で入園できる。

この公園は10年ぶりぐらいで、前はどの季節に行ったか忘れてしまったが、桜の季節でなかったことはたしか。
桜がどこにあるかわからなかったので、順路っぽい方向へ行って、まずは温室を一回り。大温室というわけではないが、しっかり手入れされて、いろんな植物がみられる。

IMG_20160416_135835.jpg 写真右はカカオの木。言わずと知れたチョコレートの原料。実がなっている。カカオ以外にも、いろんな植物の実がなっていて、それぞれ「実がなってます」の札がかけられていた。

温室の中には、キソウテンガイ(奇想天外、ウェルウィッチア)も育てられていた(写真左)。
IMG_20160416_140038.jpg キソウテンガイは、サボテンなどの多肉植物を収集していた父の持っていた図鑑で紹介されていて、その紹介文があまりにもおもしろくて抜き書きしたことがある。いつかは見たいと思っていたものだが、1990年の「国際花と緑の博覧会」でも展示されて、多くの人の注目を浴びていたと記憶する。
ここのキソウテンガイは葉は未だそんなに長くない。まだ年数が経っていないのだろう。

花博のときも思ったのだけれど、キソウテンガイはナミブ砂漠の植物で、まっすぐ数十メートル地下の岩盤まで根を伸ばし、岩盤上にたまっている水を吸収すると、前述の図鑑に書いてあったのだけれど、日本ではどうなってるんだろう。


IMG_20160416_141230.jpg 温室を出てしばらくは、緑がちのところ、「モミジの林」や「見晴台」を回って、いったいどこに桜があるのかと思って、この公園の名物の花のタペストリーの上から公園を一望すると、見えた。

写真には少ししか写っていないが、右手の方に桜のピンクがにぎやかだった。私は写真の左手側を通ってこの場所に来たから、桜に出会わなかったわけだ。


IMG_20160416_141612.jpg そしてようやく桜。
多くはサトザクラの仲間である。
このあたりには、関山(カンザン)、麒麟(キリン)、一葉(イチヨウ)、鬱金(ウコン)など。
ソメイヨシノと違って花が長いと思うのだけれど、それにしても、いずれも見事に満開(って難しいけど)と見える状態である。

ヤマザクラも違う場所にあったのだけれど、既に散ってしまっていた。


IMG_20160416_141927.jpg おもしろいことに、ヤドリギもしっかり案内板が設置されている。
普通の桜の名所なら、ヤドリギが付いたものをほっておくはずはない。ここは花見の場ではなく、植物園であることをこういう形で思い出させる。
また、ヤドリギの下の看板は、源氏物語の薫中納言の歌の紹介。
「やどり木と思ひいでずば木のもとの 旅寝もいかに寂しからまし」

宇治は源氏物語のまちということをアピールしていて、源氏物語ミュージアムも設置されている。ただ、宇治は源氏物語のなかでも、宇治十帖の部分の舞台なわけで、まとまった量があるとはいうものの、他のまち、たとえば須磨・明石だって源氏物語の里を名乗る資格はありそうだ。


「宿木」は、宇治十帖のなかでも有名な帖で、この歌も代表的なものだと思うので、この場所にぴったりだけれど、これ以外にも園内には源氏物語からの歌があちこちに紹介されている。

先日終了した造幣局にもあったとおもうが、緑色の花弁の「鬱金」(写真左)。
上の桜並木と池をはさんで反対側の桜(写真右)。
   P_20160416_142419.jpg IMG_20160416_141800.jpg

P_20160416_143622.jpg そしてこの公園の名物の「花のタペストリー」を最後に公園を出る。

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新年度の定番

IMG_20160415_181107-crop.jpg昨日は、新所属のえらい人との飲み会。

私が所属している組織は、新年度での人事異動は1人の出入りだけだったが、組織全体が属する上位組織が変わったために、いわゆる命令系統、決裁ラインが変わっている。

ということで、新所属のしかるべき人との飲み会をやろうということで、職場近くのお店。

お通しは、ひじきとホタルイカ。
次がお刺身。これがなかなか。写真はその一部、マグロの頬、脳天、目の周り(海苔の下に隠れている)。これ以外に、ハマチ、タイ、イカなど。
IMG_20160415_175507.jpg 他は、てんぷらで、筍、ホタルイカなど。筍が旬で、やわらかく、うれしい。
そして、小鍋は毛ガニ。
最後に、海鮮ちらし寿司。

飲み物は、はじめはビール、そしてお酒。地酒から、黒龍、奥播磨、義侠、亀泉を順に試してみた。奥播磨は苦く、保存が悪いのではと思った。他はまあまあ満足。我がグループでは亀泉の評判が良かった。

目立たない店だけれど、なかなか良いところであった。

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熊本の地震

s_ice_screenshot_20160414-230708.jpeg 今日は19音音階を予定していたけど、昨日の熊本の地震で急遽変更。
ブログにはログの意味もあるから、大事件はブログに痕跡を残しておこうという趣旨。

昨夜、自宅でテレビを見ていたら地震速報のテロップが流れた。
周りでは揺れはまったく感じなかったので、どこだろうと思っていたら、熊本、そして震度7に驚いた。

熊本という地は、名前からくる印象からか、どっしりした感じで意外。
熊本には、一度だけ足早に通ったことがあるが、熊本城の石垣を見て、その雄大なことに関心して、それもあるかもしれない、地震で揺れるようなイメージがなかった。
もっとも阿蘇が近いし、最近、九州ではあちこちの火山活動が活発になっているから、地震が起きても不思議じゃないのだけど。

20297_14.jpg テレビのニュースでは、熊本市内は平穏そうな様子に見えたし、震度7の場所も限られている。ひょっとしたら震度計に異常があったのかなとも思ったのだけれど、そのうちに建物の倒壊などの情報が伝えられてきた。

阪神淡路大震災のときは、跳び起きてテレビをつけたときに、神戸方面の震度報告がなく、震源はどこなんだろうと思ったのだが、震度報告がなかったのは、それを伝えることすらできない被害があった。
今回は、阪神淡路とくらべると地震の規模(マグニチュード)は低いみたいで、揺れた地域も狭かったようだ。

しかし、今朝のニュースでだんだん被害状況が明らかになってくると、やはり犠牲者も出ている。
私が感動した熊本城の石垣も崩れたところがあるという。
気象庁からは、まだまだ強い余震のおそれがあると注意を繰り返している。

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「音楽の進化史」

Goodall_The_Story_of_Music.jpg グッドール「音楽の進化史」について。

大著、482ページもある。
まだ1750年(つまりモーツァルト以前)までしか読めてないけれど、ここまででまずコメントを書きたくなった。

音楽史の本としては、前に岡田暁生「西洋音楽史」をとりあげたけれど、そのとき読書動機として、バロック以前の音楽についての知識があまりないからと書いた。「尖った5度」が特に印象の強いものだったのだけれど、本書を読むと、もっと驚くべきことが、さらっと書いてある。

storia_della_musica_occidentale-crop.jpg 他にカッロツォ&チマガッリ「西洋音楽の歴史」という本も読んだことがある。

これは電子書籍の半額クーポンを使ってまとめ買いをしたもので、全部で8分冊にもなる膨大なもの。
ただ、電子書籍といってもイメージ形式なので、フォントサイズは変更できず、画像としての拡大・縮小しかできなかった。タブレットなどでは大変読みにくく、ただでさえ難解な内容が、一層、頭に入らなかった。


この本でも興味の中心はバロック以前。モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」をはじめとする草創期のオペラの話など、大変興味深いものがあった。

青島広志氏は、オペラはできてすぐに悪女の話と言うけれど、塩野七生さんによれば、ポッペアは悪女というほどではなくてただ贅沢なだけだったとか。

古楽の楽譜なども収録されていて、音楽史の資料集といった趣の本である。
カッロツォ&チマガッリの本の特色は何と言っても楽曲分析で、私には半分も理解できないのだけれど、演奏家だったら随分と役に立つところもあるのではないだろうか。

さて、グッドールの本は原題は単に"The story of Music"であるのだけれど、邦題では「進化史」となっているように、音楽を構成する「音の進化」(楽音として使われる音)についても追いかけられている。
次回以降にあらためて書くつもりだけれど、名前が知られる最初の女性作曲家(Kassia)の話など、今まで知らなかったことが並んでいる。岡田書では「尖った5度」として書かれていることが、それ以前の状態としてのドローンの話や、メロディラインの上声への移行のことなど、また新しい眼(耳?)が開かされる。


■グッドール「音楽の進化史」

第1章 発見の時代 紀元前40,000年~紀元1450年
第2章 懺悔の時代 1450年~1650年
第3章 発明の時代 1650年~1750年
第4章 気品と情緒の時代 1750年~1850年
第5章 悲劇の時代 1850年~1890年
第6章 反乱の時代 1890年~1918年
第7章 ポピュラーの時代1 1918年~1945年
第8章 ポピュラーの時代2 1945年~現在


それどころか、「オクターヴも発見された」という。
教会で歌えるのは男だけだったが、その音楽の伝承のために、男の子を合唱に加えるようになった。そして、変声期前の1オクターブ高い声が同じ音に聴こえることが発見されたのだという。


一番驚いたのは19音音階のことである(これについては明日あらためて投稿する)。

グッドールの本は、ページ数が多いだけでなく、本の紙面いっぱいに活字が詰まっており、章節分割もやたら大きくて、私には大変呑みこみにくい本である。何より、ある程度の楽理、楽典や楽器の知識がなければ、理解不能のところも多い。

こういう本こそ、電子書籍にして、本文から直ちに辞書検索や、楽曲再生、楽譜表示などができるようになってもらいたい。おそらく著者はそうした資料を揃えているはずだから。


ところで、不思議なことに、グッドール本と、カッロツォ&チマガッリ本は、同じような時代を扱っているにもかかわらず、記載の重複は意外に少ない。
音楽史といっても、いろんな視点があり、それによってとりあげられる事項も違っているということのようだ。

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二周年

本ブログをはじめてから、今日で2年。

言い方をかえると、「落ちる」という不安を抱えて2年というわけだけれど、今までのところ1日も欠かさずに記事をアップしてきた。我ながらエライと思う。

アクセスしてくださる方は、多分検索サイト経由だろう(このブログをブックマークしている人は数人足らずだろう)。
記事数が増えれば、検索サイトでヒットする数も増えるのが道理だけれど、同じ検索語でひっかかる他のサイトも増えているはずだから、上位に検索されないと見てもらえるとは限らない。下位にある私の記事をご覧いただく方は忍耐強い人が多い(だから、くだらない記事にも耐えられる)のでは。
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ブログをはじめた頃は、あんまり見た目をコントロールできてなかったけれど、経験を積んでくると、記事内にスクリプトが書けることとか、スタイル指定もできることなどに気づいて、少し凝ったスクリプトを使った記事も書けるようになった。
スマホからの投稿もできるようになっているけれど、出不精の私が使う場面は限られている。実績としてはハウステンボス・シリーズくらいか。

昨年は、珍之助さまのブログの10執念パーティというのもあった。私もいつかやりたいものだ。

(「いつか」って、10周年なら8年後の今頃だけど…生きてるかな)


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大日本史

以前、珍之助さまのブログに、吉野の吉水神社にある水戸光圀の書状の写真が掲載されていた

その記事では「弁慶の籠手」とか「静御前の鎧(あぶみ)」とかも紹介されていて、ホンマかいなというものだった。私はその光圀書状の花押をネットで調べて、たしかに光圀のものに似ているという趣旨のコメントを投稿している。

珍之助さまも「アヤシイ」と書いておられたが、ところがどっこい、先日、NHKの「知恵泉」を見ていたら、その書状が紹介されていた。(なので、珍之助さまの記事に「ホンモノらしい」というコメントを追加しておいた。)

放送は2016.4.5で「水戸黄門・人生のプロ(前)ライフワークを続ける知恵」というテーマ。

光圀が「大日本史」編纂事業をはじめたとき、資料がない、集まらないという問題に直面し、助さんなどを全国に遣わして資料収集にあたらせた。それに協力してくれたところには、光圀が礼状とお礼の品物を届けていたという。
また、傷んだ資料を見せてくれた領民には、その資料を金箔押しの表装をして大事にするように返したという話も紹介されていた。

光圀といえば、綱吉に犬の毛皮を送り付けたというような豪傑で居丈高な感じとか、あるいは、日本で最初にラーメンを食べたとかで、わがままな趣味人というイメージがあった。
また、黄門さまといえば、越後のちりめん問屋に身をやつし、できの悪い役人を懲らしめるというパターンで喝采を浴びているわけで、後の世にも黄門気取りのデキの悪い政治家がマネして困る人物。
だけど、どちらとも違って、そういう下品な人物ではなく、公家にも領民にも腰を低くして、ゆきとどいた心遣いをした気配りの人物だったというわけだ。

全国を漫遊したというのは、全国に助さんなどを遣わして資料を集めたということがそのもとになったのかもしれないし、人気者となったのは御三家の権威をバックにしながら、それでもなお腰を低くして接したということが下敷きになっているのかもしれない。

番組では、光圀が史記の「伯夷・叔斉」の話を、自分の境遇に引き付けて感じ入ったことから、歴史書の編纂に取り組んだと説明されていた。「伯夷・叔斉」の話は、高校の漢文の授業で知ったけれど、私には偉い兄弟ではなくて、アホちゃうかとしか思えなかったのだけれど。
(この話が役に立つのは「おじ・おば」を漢字で書くとき。「伯」か「叔」かと迷ったとき、「伯夷・叔斉」が兄・弟というのを覚えておけば間違わずにすむ。)

正直に言うと、「大日本史」というのは名前は知っていても読んだことはない(というか、通して出版されていないのでは)。歴史の本などで、ときに引用されているものは目にするけれど(その多くは解釈について否定的なように思う)、これを通して読むことは考えたこともない。
それはやはり、近代史学のような文献批判とか物的証拠といったものに基づいているのか、実態を知りもしないのに、疑問を持っていたこと、光圀あるいは水戸藩の独善的な歴史解釈を押し付けているものではないかと思っていたからだと思う。

しかし、解釈に難があるということを割り引いても、そのコト・ヒトを取り上げたということ自体が大変な業績なのだということに気が付いた。そして、番組中では、勝者の歴史ではなくて、敗者や報われなかった人を意図的にとりあげた編集がされているという説明もあった。
また、「大日本史」そのものを読む人は少なくても、そのスピンオフ作品は数多いらしい。知らぬうちに「大日本史」をもとにした話を読んだり聴いたりしているのかもしれない。

今日12日の「知恵泉」は水戸黄門の後編「水戸黄門・人生のプロ(後)人生、楽あり!」。
こんどは好奇心旺盛な黄門さまの話らしい。
(ラーメンの話とか出るのかな)


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TPPでビールは安くなるか

chimai_beer.jpg 昨日に続いてTPPの話題、というか妄想。

TPPは基本方向として関税撤廃だと思う。
当然、ビールの関税も撤廃されるだろう。
ここだけ見ると、国産ビールと、海外のビールの競争でどっちが勝つかの話みたいだけれど、おそらくそれではすまないと思う。

ビールには酒税がかかる。
これは国産でも輸入でも同じだと思う。
ところが、我が国には特殊な事情がある。ビール以外に、ビールのような発泡酒、第三のビールという商品があり、これらはビールよりも低い税率が適用される。
というか、ビールの税率が高いから、似て非なる商品を開発し、その他の雑酒の税率の適用を受けたわけだ(税当局もその他の雑酒の区分を変更して対抗。サッポロビールと国税の争いも未だ記憶に新しい)。

kyokuzero_can.jpg すると関税が撤廃されても、海外のビールは我が国の高い税率を適用される。海外には日本のような発泡酒や第三のビールという商品開発をするインセンティブはないから(日本向けに特に作らない限り)、おそらくビールとして輸入される。そうすると、ビールの消費が発泡酒等に奪われている状態の我が国では、輸入ビールの競争相手は、国産ビールではなくて、発泡酒類となる。
これは非関税障壁と言われるおそれが高い。

ワインの税率は低いように思う。
国内にメーカーが少なく、フランスやイタリアに配慮したからではないだろうか。


ということは、ビールの税率が下がる?

以前、何かで酒税法改正について検討されているというニュースを眼にしたことがある。一説によると、ビール類飲料の酒税を一本化、現在350ml缶で、ビール:77円、発泡酒:47円、第三のビール:28円が課税されているものを一律55円にするという話もある。(TPP対応を先取り?)
こうなると我が国ビールメーカーが研究開発して安い税金で飲める飲料を開発してきたことが全くアダになってしまう。(我々にはありがたいけれど)

雁肉に対するがんもどきのように、発泡酒もそれで商品ジャンルをなすことができるだろうか。


pringles_sample.jpg 似たような話がある。
場所はイギリス、商品はポテトチップスというか"プリングルス"。
"プリングルス"は「ポテトチップス」だと思っている人が多いと思うが、ポテトチップすだと標準税率(20%)が適用されるので、メーカーは非課税の「ケーキ」ということにして、消費税を納めないうえに、仕入れに要する消費税額の還付も受けていたという。
原料に占めるじゃがいもの含有量は50%未満なので、ポテトチップスではなく、パン生地から作った菓子扱いという解釈だそうだ。
ただし、ここでも国税当局と裁判になり、1審はメーカー勝利、控訴審では国側が勝って、メーカーは毎年2000万ポンドの付加価値税を支払うこととなったという。

白を黒といいくるめようとしても、素直に見たらやっぱり黒にしか見えないというわけだ。


税制が市場に影響を与えているわけである。
町屋には「うなぎの寝床」という、間口が狭く、奥行の長いものが多い。これは間口の広さに応じて課税したという時代の影響だといわれている。

人為的な理由で、技術開発の方向が決まるなんて、あんまり素直じゃないと思う。
酒税は含有アルコール分だけで決めたら良いんではないだろうか。
(そうするとアルコールの代用品が開発されたりして)

我が国の食料品等への軽減税率でも、いろんなケースが出てくるだろうな。

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TPP

kuronuri_shiryo.jpg TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の批准手続きが始まっている。
ところが国会ではいきなり、協定交渉の資料開示でもめている。

TPPに賛成か反対かと言われても、なんとも言えない。そもそも自由貿易が良いか、制限貿易が良いかなんてことでも、世界全体の経済効率からは自由貿易が良いに決まっていても、だからといってそれが各国民の幸せにつながるかどうかが決まっているわけでもない。また、ルールが変更されれば、それで得をする人、損をする人がでてくることは必定である。

一般論での答えは難しいからといって、各論を見るとしても、TPP協定の内容・範囲ときたらあまりに広くて、直接的な利害関係者でもなければ、見る気も起きない。結局、TPP協定が発効し、われわれの生活にじわじわと影響してきたときに、対TPPということではなくて、世の移り変わりにどう対処しようかということになるのだろう。

ただ、気になるのは、冒頭の交渉資料の開示問題。
政府側の説明も一理あると思う。最終合意案がすべてである、そのとおりだと思う。

交渉過程は秘密にすることが約束だというのも良くわかる。そうでなければ紛糾につぐ紛糾で、成案を得ることが難しくなるという理屈もそうだと思う。もちろん、そうやって秘密裡に作られた案が表に出たときに、猛烈な反対を受けて、全体が否定されてしまうという危険もあったと思うけれど、結局は、強い政府間がまとまれば新しいルールを作れると踏んだというわけだ。これは良し悪しの問題ではないと思う。

ただ、成案ができた段階では、交渉過程を秘密にすることにどういう意義があるのか。
おそらく、交渉担当者は、各業種・業界の事情、国民への影響、賛否の予測などを踏まえて交渉にあたってきたものと思う。そこには、批准審議にあたって問題になる論点のほとんどが先取りされていただろう。
つまり、交渉過程の資料を開示することは、野党にあんちょこを渡すようなものなのである。

それに交渉事というのは、複数の利害関係者があれば、一方を利しても他方には不利になる、あるいは一方の利を得るために犠牲とする、そういうことが行われるから、政府がどこを優先し、どこを切り捨てようとしたのかがあからさまになる。これは困る、ということなのだろう。

交渉には秘密が必要、それはわかるけれど、しかし、既に案は出たわけだ。
対外的な交渉は終わったわけだけど、内政も交渉事なのだろうか。
野党に勝つことが大事なのではなくて、国民の幸福に関心をもつべきだ。
もちろん国民の間でも利害は対立している。だからこそ、今までのルールが変わることで、誰が得をし、誰が損をするのかを見極め、新しいルールに反しない方法で不利益を蒙る人に対してどんなことができるのかなど、議論すべき実体というものがあるのではないだろうか。

交渉過程を開示すると、論点が多くなりすぎる?
相手の無知を良いことに自分の意見を通すということは、姑息な駆け引きであって、一国の将来を議論する姿勢ではない。
だまされた方が悪いで済む話ではないだろう。

本能寺の変のとき、秀吉は毛利との和睦を急いだが、その後に信長の死を知った毛利側は、だまされたと思ったかもしれない。
実際、吉川元春は秀吉追撃を主張したが、小早川隆景は既に成った和睦を破るわけにはゆかないと反対したとされる。しかしこれは多分、武士の道徳というような問題ではなくて、小早川隆景には、歴史の動く方向が見えていて、毛利が織田にとってかわる覚悟なしには(そしてそれはなかった)、秀吉の追撃はすべきでないと判断したからではないだろうか。



ただ、資料開示については少し気になることがある。
それは交渉過程において「密約」がなかったのかということ。

核持ち込みや補償問題で、政府が否定し続けてきた密約の存在は既に周知の事実となっている。この国の政府は密約が好きで、しかもそれを隠し続ける。


密約が一概に悪いと言っているわけではない。
密約が開示資料でアカラサマになると、これは困るだろう。

たとえば関税が撤廃されたとして、輸出補助金はもちろん禁止されるだろうけれど、直接的な輸出補助ではなくて、輸出コストの削減に資するような施策で肩代わりしてルールの裏をかくなんてことはできそうだ。
農業では、農業試験場などの公的機関が農業振興を図ってきた歴史があるが、公的補助はけしからんということになったら困るだろう。


つまり、当事国が阿吽の呼吸で、それぞれの国内施策を認め合うというようなことがあるかもしれない。二国間交渉ではないから、それが密約になる可能性はある(第三国にバレてはまずいという密約)。

それにしても、今の国会議員で、信頼して秘密を預けられるような人がどんだけいるんだ、そう考えれば、開示するもしないも、所詮、「公式には」ということでしかないかもしれない(論点整理のためなら「公式」である必要はない)。

TPP特別委員会委員長が書いた「TPPの真実」(5月出版予定)には、交渉過程が暴露されているらしい。
(Amazonで予約受付していたが削除されたそうだ。



ということで、難しい問題だけれど、TPP協定はおそらく発効する。
TPPはルールである。そのルールで戦えるかどうか、もし何かが足りないというなら、それをルールに違反しない方法でどう手当てするのか、あるいは代替していくのか、議論は広く行うべきだろう。
(支持者の利害しか考慮しないという民主主義もあるかもしれないが)

chap14_EC_hilite.png もう時間がない。少ない時間で、国民のために審議をきちんとし、必要な国内施策を実行するためには、交渉過程の資料の開示はすべきだと思うがどうだろう。

ところで、TPP協定ではICTに関するものも含まれる。
仕事柄、その部分の概要だけは読んでみたけれど、ちょっと気になることが書いてあった。

企業等が自国の領域内でビジネスを遂行するための条件として、コンピュータ関連設備を自国の領域内に設置すること等を要求してはならない。

というのがある。注で例外も認められるらしいが、この通りだと、近年のクラウド・サービスを利用する場合、データセンターを国内に置くことという条件をつけることはできないことになる。
私はそれでもいいけど、政府はそれでも良いのかな。
(政府調達なら特に厳しくTPPの遵守を求めるのでは)

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開花割合

昨日、「満開ってどういう状態だろう」で、こんなことを考えていては夜も寝られないと書いたけれど、それは困るので起きている間に考えた。

昨日引用したように、三分咲きとは、「三割の花が開いていて、七割がつぼみの状態」というようだが、散った花をどう数えているのかがわからない。

そもそもこの定義はそれっぽく見えるけれど、これを延長して満開を定義したら、つぼみは1つもないという状態になる。ところが、つぼみが1つもないときというのは、ほとんどの花は散ってしまっているから、これを満開といったら間違いなく怒られる。
ということで満開の定義は冒頭にあるように、開花が8割という状態で宜しとしたいところだが、待てよ、この8割って一体なんなんだ?

ということで、三分咲きとか、五分咲き、満開という、開花状況の言葉を数値化してみよう。
記号は昨日稿のものを使う。
  1. 単純に花の3割が開花済、つまり F(x) = 0.3 となる状態
    値は単調に増加するけれど、満開(数値が最大)のときはほとんど花はない。
  2. 開花量が全体の3割、つまり F(x)-F(x-L) = 0.3 という状態
    最大値は1にならない。3割に達しないこともある(数値例の L=2、σ=3 )。
  3. 開花量と(残っている)蕾の比、つまり F(x)-F(x-L):1-F(x) = 3:7 という状態
    開花が進むと蕾がなくなって発散してしまう。

どれもよろしくない。
そこで考えた、開花量というのは素直な値だと思うから、開花割合というのは、最大開花量に対する比というのが自然。

x における開花割合= { F(x)-F(x-L) } /max{ F(x)-F(x-L) }


bloom_kaikaryo_with_rate.png

昨日の表に、最大開花量と、各日のそれに対する割合の列を追加した。

最大開花量となる x は簡単に求められる。
( F(x)-F(x-L) ) ′ = f(x)-f(x-L) = 0、 f は平均値 m (数値例では15)を挟んで対称だから xmL / 2


で、「8割」というのはいったい何なんだろうと考えているのだけれど、それらしい数値は見当たらない。
今のところの結論は、三分咲き、五分咲き、満開という開花状況を表す用語は、感覚的なものだろう、ということ。

あと考えられるのは、三次元に広がる樹上の花も、見かけ上は二次元的な反映をするから、この効果を計算に入れることかなぁ。

こんなことしてたら、なんて暇なヤツなんだろうと言われそう。

気象庁の人、ホントのところ教えてください。

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満開ってどういう状態だろう

昨日は春の嵐、花散らしの風雨。
まだまだ散らずに頑張っている花もあるが、昨日の珍之助さまのブログに見るように、地面にへばりついた花弁が多い。(追記:珍之助さまの今日のブログも「花絨毯」、さらに見事な様子がアップされている。)

さて、先日の「桜」の記事で、満開とは8割ぐらいが開花した状態らしい、開いて散る花もあるからだろうかと書いたけれど、気になったのでちょっと考えてみた。

桜(ソメイヨシノ)の花というのは開いてから2~3日で散るらしい(もちろん昨日のような花散らしの風雨は別)。
一方、通常、開花から花が完全に終わるまでは、3週間ぐらいではないかと思う。
こうしたデータをもとに簡単な計算をしてみた。

まず、花はたくさんあるけれど、開花時刻 t は、正規分布に従うものとする。
また、開花した花は一定日数 L の間咲いて、その時間を経過すると散ることとする。
そうすると、時刻 x において花が開いている状態 B(x;t) は、

  B(x;t) = 1  ( x-Lt<x )
  B(x;t) = 0  (else)

だから、

integralBxt.jpg

と、至ってシンプルな結果になる(間違ってたらごめんなさい)。

ということで、Excelを使って数値例を作ってみた。
本質的なパラメータは、 L (開花持続期間)と、開花時期のばらつき(標準偏差σ)。
L もσも、2、2.5、3の3種類で計算した結果は次の通り。

※数値は開花量で、1つの花が開いた状態を1としたが、数表は見やすくするため1000倍している。また、開花時刻の分布の平均値は15日としている。


kaikaryo_suchi_sample.png

σが大きければ花が入れ替わり立ち替わり咲くわけで、花期が長いということになる。
一方、 L が大きければ、満開の期間が長くなるような気がするけれど、それより「派手さ」に効いてくる(開花割合のパターンは同様で、 L が大きいとそれが増幅される)感じである。

咲いている花の割合はピーク時でも、3割~5割というところになっているが、印象としてはもっと咲いてそうに思う。はなやかだからこの程度でも咲きこぼれていると感じるのだろう。別の話になるが、満開と感じても五分咲き程度だともいう。

で、やっぱり疑問。満開の定義って?
たとえば、三分咲きは「三割の花が開いていて、七割がつぼみの状態」というけれど、散った花はどう数えているんだろう。
こんなことを考えていると夜も寝られなくなっちゃいます。

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第一次上田合戦

三谷幸喜に脱帽。

NHK大河「真田丸」、先日は第13話「決戦」、第一次上田合戦を描いていた。

以前アップした「大胆予想 真田丸」で、私の予想では、第一次上田合戦は第11話になっていた。それだけ取り上げれば、そう大きくは外れていないように見えるわけだが、ここまでのストーリー運びは、どうしてどうして、私の凡庸かつ平板なものとは次元の違うものとなっている。

大きな時代の流れを大きくとらえていると思うし、各話での山場もきっちり作られている。登場人物も一人一人、巧みに造形されていて、時代を超えた共感を持てるように描かれていると思う。
(爪を噛む家康も、氏政の汁かけ飯も、歴史好きをくすぐるところ。)

しかも、私が「初恋の女性」は架空の人物で、自由な発想で描くのだろうと予想したのに対し、たしかに描き方は自由なんだろうけれど、架空の人物ではなくて、作兵衛の妹という記録が実在するという(番組後の解説で知った)。

三谷幸喜だけではなくて、おそらく歴史考証のスタッフがしっかりしていて、さまざまな資料・記録から、秘話めいたものも拾い集め、それを三谷幸喜が汲み取ってドラマに活かしている、そう推測する。

また、俳優陣もなかなかの好評価、次々に死んでいく脇役もそれぞれ死なせるのは惜しいと思わせるものだった。


さて、先日の第一次上田合戦を見ていて、これはひょっとすると、と思ったことがある。
以前、“「真田丸」では、真田丸の戦いはどう描かれるだろう”の記事で、最新の説として、真田丸の戦いは、従来、野っ原の戦闘のように描かれていたが、そうではなくて市街戦であったという説について書いた。

今回の第一次上田合戦での戦闘シーンは、上田城内ということで市街とは違うけれど、
  建物や柵の間を突進する徳川軍、
  誘いをかけて引き込む真田軍、
  待ち受けて伏兵が襲いかかる真田軍、
  堀ならぬ落とし穴に雪崩落ちる徳川軍、
  やっと本丸にたどり着いた徳川軍への真田軍の主力攻撃、
  城内廓の二階からの銃撃・射撃、
  逃げる徳川軍を待ち構える真田軍、
  逃げ場を失い包囲殲滅される徳川軍、
というシーンの連続であった。

見事である。(昌幸が? 幸喜が?)
そして、これは市街戦に近い感じなのではないだろうか。
だとすると、クライマックスの真田丸での戦闘は、市街戦説に則った描き方をするかもしれない。第一次上田合戦はその伏線というか、練習(信繁にとっても、ドラマスタッフにとっても)だったのでは。

私としては、このぞくぞくする市街戦のほうが、野っ原の間延びした戦闘よりもはるかに緊張感のあふれたドラマづくりができるのではないかと思う。

問題は、緒戦での大勝利・大敗北の後は攻め手は自重して膠着状態になる(史実でもそう)が、これをどう挑発するのか。
それと、やはり疑問なのは、城内なら廓は真田方であるが、市街戦ならそうではないだろう、徳川方は建物づたいに攻めていくのが普通じゃないだろうか。また、史実では徳川方は陣地を築いたとも伝えられているが、矛盾しないのか。

さて、どうするんだろう、期待が高まる。
虚実いりまじって逸話の多い真田幸村(あえて幸村とする)、まだまだストーリーに彩を与えるネタには事欠かない。

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三室戸寺

IMG_20160403_132113.jpg 岡崎、宇治の桜を見た翌日(4月3日)は、三室戸寺をまわった。

ここは、ツツジ、アジサイの名所であるから、多くの人が訪れるのはもう少し先のことになる。
ただ、寺のホームページでは、山桜も咲いているとあったので、行ってみることにした。

昨日も書いたように、桜の名所は、食べ物臭と喧噪でいっぱいになりがちだが、ここは名所ではないおかげで、そうしたものとは無縁である。

P_20160403_142302.jpg 右の写真は参道から、ツツジの庭園の方を見下ろしたところ。
こんもりしているのがツツジ、手前に低くぼうぼうとしているのがアジサイだろう。

この日は入園は禁止になっていた。それぞれの季節に入れてくれるのだろう。

見た通り、ツツジ園の中に、しっかりと桜も咲いている。
できれば傍へ寄ってみたかった。

IMG_20160403_132450.jpg
石段(一番上の写真に写っている)を登って、本堂などがある場所へ出る。

パノラマ写真をとってみた。
P_20160403_134434_PN.jpg


IMG_20160403_133307.jpg 右写真は、伽藍の奥の三重塔。
ここも桜が見ごろである。
桜を目当てに来る人が多いわけではないから、じっくりと見られる。


伽藍のあるところから見下ろすと、石庭と池泉が魅力的である。
石段下(上りは石段を使ったが、下りはスロープを使った)に降りて、庭を歩く。

まずは池泉。
鯉がたくさんいる。噴水もあった。
P_20160403_135626.jpg

石庭には足を踏み入れることはできない。
ここもパノラマ写真で。
P_20160403_140310_PN.jpg

2016-04-04_095648.jpg 実は三室戸寺ははじめて訪れた。
山寺という区分になるのだろうけど、こぢんまりとしていて荒れたところはない、というか、隅々まで手入れが行き届いている。

ここまで写真を見ていただいたけれど、この寺を、それもツツジ、アジサイの季節を外して訪れる値打ちは、その静かさ、山と林の空気にあると思う。
とりわけ、この静かさは、いろんな種類の鳥の鳴き声で印象付けられる。

その鳥の声を収録した動画(右写真のクリックでも再生)。


ところで三室戸寺の入山料は500円だったけれど、ツツジ、アジサイの季節も同額なんだろうか?

季節で料金差を設けたら、喜捨ではなくて営業とみなされて課税されるんじゃないだろうか。とすれば多分同額なんだろう。ツツジ、アジサイの維持費は年間の入山料も充てられているとしたら、季節外れの入山料こそ喜捨かもしれない。


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「春画展」に行った4月2日が、京都の桜の満開だったらしい。
もっとも、聞くところによると、気象庁などが満開というのは、8割ぐらいの花が開いた状態で言うらしい。
早くに開いた花が散ることも考えれば、全部が開花した頃には、それらは散っているだろうから、花の総量としては8割開花の時が一番多いのかもしれない。

「春画展」会場の細見美術館は岡崎にある。付近の桜の様子。
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この日、午後は宇治の方に所用があって廻った。そこで見た公園の枝垂桜。
P_20160402_145558s.jpg

そこから少し下ったところに、前に特集(?)した黄檗山萬福寺がある。そこも桜が咲いている。

今回は外から見ただけで入山はしていない。もっとも前回は煤払いで無料の日だったけど。

IMG_20160402_141701.jpg

どこも特に桜の名所というわけではない。名所といわれるようなところは、出店から漂ういろんな食べ物の臭い、人々の喧噪や土ぼこりがつきものである。
のどけからましくない。

テレビの報道番組で、花見目当ての外国人観光客が急増しているとあった。番組では京都で和服を着て花を愛でる姿が映されていた。
彼・彼女らは、純粋に日本の桜を楽しんでいるように見えた、日本人が、花見より花見酒というのとは違って。

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春の画

IMG_20160402_094714.jpg 前に「春画入門」の稿で、春画展が京都に巡回していること、行くべきかと書いた。
せっかくの機会だから、やっぱりイクしかないと思ったので、一昨日イッた。

京都も桜の季節で、やたら人が多い。

展覧会の開場は10:00(だと思っていた)ので、9:45分に会場の細見美術館に到着。
この美術館は今まで一度も来る機会がなかったので、道に迷ってもよいように余裕をもって家を出た。
見た通り小ぶりな建物。多分これだろうと思って接近。
IMG_20160402_104153-crop.jpg IMG_20160402_104144.jpg 「春画展」の看板もちゃんと出ていて一安心。

美術館入口に回ると「混雑中」の表示。
なんで、10:00開場じゃないの?
ひょっとしたら会期終盤では早めに開けるようにしているのかもしれない。

チケットを買う客の列。
私は事前にコンビニでチケットを買っていたので助かった。

そして美術館の館員だか、ガードだかの黒服が入口付近にいっぱいいた。
美術館前に人が並んでいるということはないのだけれど、おそらく開場を待つ人をさばいていたのだろう。
で、他の展覧会では入場まで待たされることも多いのだけれど、そういうこともなく入場したのだが……
中は大混雑、看板に偽りなし。

展示室は1階、地下1階、地下2階に分かれていて、だんだん下へ降りていくようになっている。
1階の最初の展示室はやたら混んでいたが、ざっとどんなものがあるかだけ見て、さっさと下へ降りていくと、そちらは随分空いている。開場直後に最初の展示室に人がたまっていたわけだ。
そして、北斎は最後の展示室地下2階、私が入ったときは、他には2,3人しかいなかった。じっくり見ることができた。

この展覧会では、単眼鏡は必須である。
いつもの単眼鏡を携えていって大正解。

「春画入門」の記事で書いたように、細かい彫り、摺りを確認するためには単眼鏡は必須である。
近い距離からでも焦点の合う単眼鏡でなければならない。
というか、「春画入門」の本に書かれていたから、どうも局部の毛が気になって、そればかり単眼鏡で確認していたようなものだ。
そこに興味があるわけではなく、図録などではそうした微細な部分は確認できないだろうと思ったから。

展示作品数は多いので、一つ一つじっくり見るのはしんどいし、なによりやっぱり似たようなものが多いわけで、作家名を見て、その作家の作品がまとまって展示されているところでは、どれか一つ、二つをゆっくり見るという感じ。

IMG_20160402_125212.jpg 多くの作品には詞書(?)も書かれていて、口説いているセリフが多い。なかには擬音(ちゅぱちゅぱなど)が書き込まれた作品もあって、笑ってしまう。
ただ、くずし字だから、ところどころしか読めない。勉強しなければ。

会場には、女性も多く来ている、というか男性より女性の方が多い。あんまり歳をとった人はいなかったようだが、若いのは学生らしい。そして男子学生は少なく、若い人は女性がやはり多い。なかには、てれかくしなのか作品解説をしている学生もいた。

会場で見るだけでは作品の意味とか、十分な鑑賞はできない。時間の問題もあるが、詞書の解説や、図像学(というか要するにあの描き方やお約束の類)も必要だろうから、はじめから図録を買うつもりで行っている。

上の写真が図録。いまだかつてこんな分厚い図録を見たことはない(厚さ約6cm。版型は約26×15)。
絵と「SHUNGA」の部分は腰巻。とりはずすと、すべてが黒い線(おそらく髪の毛の描写のクローズアップ)である。中身を見せないように配慮しているわけだ。

IMG_20160402_125253-crop.jpg   IMG_20160402_125424.jpg
(左)扉に18禁の趣旨の注意書きが挟まっていた。        (右)中身はこんな感じ。


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「あさが来た」終了

asagakita_crankup.jpg NHK朝の連続テレビ小説(朝ドラ)は、普通の学生、勤め人でじっくり見ている人は少ないと思う。
ただ、夜に再放送があるので、それを欠かさず見ているという人もいるらしい。
私も興味津々の「あさが来た」は、そういう人たちが多いらしい。

「あさが来た」は高い視聴率をとっているけれど、この視聴率には再放送分も入っているんだろうか。
今までの高視聴率番組は、なんとなく主婦受けする作品が多いように思うけれど、「あさが来た」は男性ビジネスマンの受けが良いらしいから、再放送の視聴率が考慮されれば、もっと高いランクになる可能性があるのではないだろうか。


totonechan_crankin.jpg 次の作品は「とと姉ちゃん」で、ヒロイン(小橋常子)は「暮しの手帖」創業者・大橋鎭子氏がモデルだという。
今回も実在の人物をモデルにしたということだ。

このタイトルを見て「マー姉ちゃん」という朝ドラがあったことを思い出した。このドラマも長谷川町子がモデルになっていたと思う。

ということで、実在の人物を描いた、あるいはモデルにしたという朝ドラで、私の記憶にあるものを拾ってみた。
古くは「おていちゃん」という女優・沢村貞子の半生を描いたものがあった。また、「あぐり」は吉行淳之介のお母さんの話だった。

近いところでは、「マッサン」(竹鶴政孝・リタ)、「花子とアン」(村岡花子)、「ゲゲゲの女房」(武良布枝・水木しげる)、「芋たこなんきん」(田辺聖子)などがあった。

もちろん勤め人の私はこれらをきちんと見たわけではないけれど、それぞれ好評価のドラマで、土曜日ぐらいしか見ていない私でも記憶に残るものだった。

実在の人物をモデルに、事実・史実に基づいた原作あるいは脚本を用意してドラマ化すれば、外れは少ないというのが私の持論。
さて「とと姉ちゃん」はどうだろう。

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エイプリル・フール(遅いけど)

2016-04-01_102122-crop.jpg 昨日は新年度の第1日、というか、エイプリル・フール。
記事を書くのが面倒で、1日遅れでエイプリル・フールについて。

テレビのニュース番組で、企業のエイプリル・フールの取り組みが紹介されていた。おもしろいと思った。
野暮解説はやらない。

日本でもこういう催しができる程度に文化度が上がったということだと思う。
昔、欧米でのエイプリル・フールの紹介を雑誌で読んだことがある。
傑作だったのは、フランスの国営放送が流したウソで、「エッフェル塔を解体することになったので、廃材の引き取り希望者は○時に塔の下に集合してください」というもの(だまされて集まった人が居たと報道されていたけれど、これもウソ?)

北杜夫「怪盗ジバコ」のラストシーンは、ジバコがドライバー1本を持ってエッフェル塔を盗みに行く話だったと思うけれど、これに重なる想いもする。


私が子供の頃は、日本ではエイプリル・フールは子供の遊びというような扱いで、マジメに取り組む大人はいなかったように思う。子供らしいウソをついて、エイプリル・フールだよと言っても、相手にしてくれる大人は少なかった。欧米がうらやましかった。
そのことを思うと、各企業がエイプリル・フールに真剣に取り組む姿は、隔日の感もあって、ほほえましい。

ニュース番組では、企業の担当者へのインタヴューも流れていたが、おもしろいことをやる企業ということで、イメージが良くなればと考えていて、大変なプレッシャーもあるそうだ。

そういえば、一般消費者には縁のなさそうなBtoB専門の企業がテレビでCMを流すのは、テレビCM→信頼できる企業という連想を期待したうえで、優秀な人材を集めるためだと聞いたことがある。


ネットには、企業渾身のウソを集めているサイトもあるようだ。
できるだけ大きな、それ自体が楽しめるウソで、ちょっと考えたらナイなというぐらいのが良いように思う。

「10分どん兵衛」が麺の形を残さないドロドロになるんだったら、良いネタだったろう。
「10分UFO」って誰かやってみませんか?


2016-04-02_081522.png これはスピードガンの不調だったそうだ。


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「面白くて眠れなくなる進化論」

omoshirokute_shinkaron_cov.jpg 長谷川英祐「面白くて眠れなくなる進化論」の感想。

この本は、一つの進化論に基づいて進化現象を解説する体裁ではない。もちろん、進化の一般論である自然選択は基軸になっているわけだけれど、本書の最後に「進化論も進化する」とあるように、今までの進化論そのものの歴史的発展について解説した本である。

一般に1つの理論が有力であっても、それで説明・理解できない現象が発見されれば、その理論は修正を余儀なくされるわけで、進化論という理論の発展でも、それが繰り返される。
というわけで、本書、特にPart Ⅰ、Ⅱは、進化論の進化と、それを余儀なくした生物現象が簡潔にまとめられていて(だから、どこかで聞いた・読んだ話が多いのだけど)、進化論をおさらいするのにはちょうど良く、簡潔にまとめられている。

そして「Part Ⅲ 進化論の未来」に、著者が探究していることなど、進化論の今の話題が入ってくる。

この著者の本については、前にもとりあげた。同じ著者による「働かないアリに意義がある」も、本書でそのエッセンスが解説されている。


この本で特に目新しいと思ったのは、適応度と時間と未来の進化論というあたりや、時間割引という考え方。
omoshirokute_shinkaron_ix.png

「今日1000円もらうか、明日1010円もらうかという場合、今日の1000円を選ぶという人でも、100日後に1000円もらうか、101日後に1010円もらうかと聞いたときには、101日後の1010円を選ぶ人がいる」というような話である(数値例はうろ覚えで、この数値ではなかったかもしれない)。

長期的な将来については、不確かさが増すためか、合理的ではないと見える行動が行われるというわけだ。

生物での実験では、遠くの優秀なオスを選ぶか、近くの劣るオスで間に合わせるか、というものが行われて、近くの劣るオスで間に合わせるという生物が普通にいるらしいという。
実験の方法や状況がこれで良いのかどうか、ちょっと判断もつきかねるのだけれど、著者はこういう行動から、人間以外でも時間割引という行動があるとする。

進化論の立場からは、それが適応的行動であると説明されないと解ったことにはならないと思う。
この例では、距離とオスの優秀さの無差別曲線のようなものを想定して分析する方法がある一方、著者が指摘するリスク回避戦略という意義を考えるなら、それをあらたな理論に取り入れなければならないような気がする。

もちろんそうした研究もされているのだろうけれど、本書ではまだトピックス的に紹介する範囲に留まる。


また、目次でもわかるように、著者は一神教の西欧の学者のもののみかたと、我が国のような多神教文化圏でのそれの違いも意識している。というか、もともと近代的な科学は西欧で発達したものだと思うけれど(神の偉大さを証明するため)、それが神による天地創造を否定するような現象に出くわして、その折り合いをつけるのに苦労したという点を比べている。

米国共和党の大統領候補のクルーズ氏は、進化論を否定していて、学校で進化論を教えるなと言っているようだ。

これも結構昔から言わていることのように思う、というか、ダーウィンが攻撃されたのはキリスト教文化圏だからで、日本ではサルから人間が進化したといっても、そのことに抵抗し腹を立てるような人はあまりいないと思う(むしろ、ご先祖さまと言って拝むかもしれない)。

ところで本書書名の「面白くて眠れなくなる」は、シリーズのようだ。「~生物学」、「~数学」、「~物理」などの本が出ている。

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六二郎。六二郎。

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