第一次上田合戦

三谷幸喜に脱帽。

NHK大河「真田丸」、先日は第13話「決戦」、第一次上田合戦を描いていた。

以前アップした「大胆予想 真田丸」で、私の予想では、第一次上田合戦は第11話になっていた。それだけ取り上げれば、そう大きくは外れていないように見えるわけだが、ここまでのストーリー運びは、どうしてどうして、私の凡庸かつ平板なものとは次元の違うものとなっている。

大きな時代の流れを大きくとらえていると思うし、各話での山場もきっちり作られている。登場人物も一人一人、巧みに造形されていて、時代を超えた共感を持てるように描かれていると思う。
(爪を噛む家康も、氏政の汁かけ飯も、歴史好きをくすぐるところ。)

しかも、私が「初恋の女性」は架空の人物で、自由な発想で描くのだろうと予想したのに対し、たしかに描き方は自由なんだろうけれど、架空の人物ではなくて、作兵衛の妹という記録が実在するという(番組後の解説で知った)。

三谷幸喜だけではなくて、おそらく歴史考証のスタッフがしっかりしていて、さまざまな資料・記録から、秘話めいたものも拾い集め、それを三谷幸喜が汲み取ってドラマに活かしている、そう推測する。

また、俳優陣もなかなかの好評価、次々に死んでいく脇役もそれぞれ死なせるのは惜しいと思わせるものだった。


さて、先日の第一次上田合戦を見ていて、これはひょっとすると、と思ったことがある。
以前、“「真田丸」では、真田丸の戦いはどう描かれるだろう”の記事で、最新の説として、真田丸の戦いは、従来、野っ原の戦闘のように描かれていたが、そうではなくて市街戦であったという説について書いた。

今回の第一次上田合戦での戦闘シーンは、上田城内ということで市街とは違うけれど、
  建物や柵の間を突進する徳川軍、
  誘いをかけて引き込む真田軍、
  待ち受けて伏兵が襲いかかる真田軍、
  堀ならぬ落とし穴に雪崩落ちる徳川軍、
  やっと本丸にたどり着いた徳川軍への真田軍の主力攻撃、
  城内廓の二階からの銃撃・射撃、
  逃げる徳川軍を待ち構える真田軍、
  逃げ場を失い包囲殲滅される徳川軍、
というシーンの連続であった。

見事である。(昌幸が? 幸喜が?)
そして、これは市街戦に近い感じなのではないだろうか。
だとすると、クライマックスの真田丸での戦闘は、市街戦説に則った描き方をするかもしれない。第一次上田合戦はその伏線というか、練習(信繁にとっても、ドラマスタッフにとっても)だったのでは。

私としては、このぞくぞくする市街戦のほうが、野っ原の間延びした戦闘よりもはるかに緊張感のあふれたドラマづくりができるのではないかと思う。

問題は、緒戦での大勝利・大敗北の後は攻め手は自重して膠着状態になる(史実でもそう)が、これをどう挑発するのか。
それと、やはり疑問なのは、城内なら廓は真田方であるが、市街戦ならそうではないだろう、徳川方は建物づたいに攻めていくのが普通じゃないだろうか。また、史実では徳川方は陣地を築いたとも伝えられているが、矛盾しないのか。

さて、どうするんだろう、期待が高まる。
虚実いりまじって逸話の多い真田幸村(あえて幸村とする)、まだまだストーリーに彩を与えるネタには事欠かない。

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