力の表現

このところ所用で、自宅と黄檗を往復することが多い。

第二京阪-京滋バイバスを使えば最速であるけれど、大した距離ではないから、第二京阪側道-京滋バイパス側道という、高速料金のいらないルートをとる。

IMG_20151219_163519s.jpg このルートでは、久御山JCTを通わけだけれど、地道では、写真のような景色になる(写真は京滋BP側道から第二京阪側道へ入る手前。是非、クリックして拡大して見てほしい)。

この大きな彎曲した鉄筋コンクリートの構造物は、高速道路ではあちこちにみられるものだが、この形状は、人類の力、文明の力というものを感じさせる。弓を引き絞る力のイメージが投影されているからのように思う。

実際には、力の方向は重力とそれを支える橋脚、橋脚間の道路のたわみでしかなく、弓にかかるような方向での張力・圧力が、この彎曲にかかっているわけではないと思うけれど、このカーブが力を感じさせる。

2015-12-28_095615-crop.jpg 子供の頃、乗り物の図鑑か何かで、アメリカのフリーウェイのジャンクション、インターチェンジの航空写真を見たことがある。
クローバー型やハート型のその形を、おもしろい、うつくしい、と思った覚えがある。アメリカは大きな国だなぁと思い、日本にはこんなものはないなぁと思った。

長じて、こういう構造物を間近に見ると、遠い国への憧れではなく、力の意志を感じる。

来年は良い年でありますように。

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黄檗山萬福寺の周辺

IMG_20151213_144220s.jpg しつこく書いてきた黄檗山萬福寺のシリーズも本日で打ち止め。

前回の「黄檗山萬福寺の紅葉」の記事の最後におもわせぶりに書いたように、南門脇に「黄檗文華殿」の標柱がある。これは、出てすぐ右側のコンクリートづくりの建物である。研究所も併設されていて、どうやら黄檗宗と萬福寺の関連資料が納められているらしい。

その建物の前に、河口慧海和尚の事蹟を称える碑が立っている。
鎖国状態のチベットに、身分も国籍も隠して密入国し、多数の梵語仏典を日本にもたらした、現代の、日本の玄奘三蔵のような人であるけれど、黄檗宗だったとは意識したことはなかった。
この人をとりあげたテレビ番組もあったと思う。

ちなみに、慧海の「チベット旅行記」は英語にもなっていて、"Three years in Tibet"というタイトルらしい。
"Seven years in Tibet"という映画があったけれど、慧海の方が先のはずである。


黄檗山にはこれからも所用で何度も来る予定だから、時間を見て文華殿を訪れるたいと思う。

IMG_20151213_144535s.jpg 南門から出て、もときた道を駐車場へ引き返す。

このシリーズの最初は、「ヒマラヤザクラ(?)」の稿であるが、そのヒマラヤザクラの前を再び通る。

その稿ではアップしていなかった「みみづく地蔵尊」の写真。この右手に件のヒマラヤザクラが咲いていた。

「みみづく地蔵尊」というのは、萬福寺とは別のお寺(萬福寺の塔頭?)、黄檗山聖林院が設置しているらしい。みみづくは知恵を司る神で、人の声をよく聞くイメージがある。
ここを発祥として、あちこちにあるらしい。


IMG_20151213_144652s.jpg そして、ふと気がつくと、みみづく地蔵尊に向かって左手、ヒマラヤザクラの反対側に、見慣れぬ実を見つけた。
後からネットで調べると、どうやら、クチナシ(梔子)らしい。
名前は良く聞くし、花もポピュラーな感じだけれど、実を見るのは初めて。

植物や動物の名前をネットで調べるのはなかなか大変である。
クチナシにたどりついたのは、"常緑樹 橙色 冬 6本"というキーワードでGoogle画像検索をして似た画像を探して。
そもそも最初は、橙色は実とも思わず、花だろうかぐらいに思っていた。


初めて見るものだし、実のてかりかたとか、稜がはっきりした形から、異国情緒を感じるのだけれど、古くから我が国に自生しているそうだ。

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黄檗山萬福寺の紅葉

IMG_20151213_142803s.jpg 黄檗山萬福寺のシリーズ、今日は紅葉。
先日、奈良では2ヶ月近くも早く梅が開花したというニュースがあったぐらいで、紅葉の話題など、とうに時季外れ。

なんやかやで時節の記事を優先させているうちに、こんなに遅くアップすることになってしまったが、訪れた12月13日はこんな様子でしたという記録として。

実は、私の頭の中では黄檗山は紅葉と関連づいていた、で、付近一帯はもちろん紅葉の盛りだった。

境内はいかにと思っていたところ、お庭などに1本、2本と紅葉が植わっている。常緑樹との赤と緑のコントラストが効いた、ささやかな紅葉、という感じ。

私の頭の中で、紅葉が連想されたのは、おそらく黄檗山という名前からだろう、「黄」と「山」が名前に入っていること、「檗」も部首は木だろうから、そういう字面からの連想なんだろうと思う。
とはいえ、前述のような状態で、東福寺のようなわけではないから、紅葉を目当てに行ったら期待外れかもしれない。

IMG_20151213_143126s.jpg それでもネットで"黄檗山 紅葉"で検索すれば、らしい紅葉の写真が見つかる。

だいたい、紅葉の季節には、テレビがどこそこの紅葉といって気を惹くし、雑誌などにも見事な紅葉の写真が載る。
随分前のことだけど、そういう報道に接して、それではと思って実際にそこへ行くと、たしかに紅葉しているのだけれど、写真で見るような感動的なシーンにはなかなか出会えないものである。

写真では、光の方向、視るアングル、そしてその他の撮影設定により、最も美しいと写真家が考えるものが提供されている。これが見たいと思って現場へ行っても同じにはならない。
紅葉の写真は、いってみれば写真家の創作にちがいない。
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そう思って感動する紅葉の写真を思い浮かべると、そういう写真はたいてい、木の1本というか、さらにその一部を切り出して、しかるべき背景とのコンポジションになっているものが多い。

現場に行くと、光が透けてくるようなシーンが見られるわけではなく(行く時間帯や天候も大変重要だと思う)、へたをすると埃っぽいと感じるような褪せた赤の木々のかたまりにしか見えなかったりする。

そうした紅葉の木々の重なりが見事なのは東福寺だろう。前述の写真のような紅葉の鑑賞というのは、案外1本の紅葉を、いろんな角度・距離でながめているわけだけれど、東福寺の紅葉だと、相手の木々の方がいろんな角度・距離にあって、自らを見せてくれているようである。
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上の2枚の写真は、同じ紅葉。スマートフォンでただ単に撮っただけだから、感動的な紅葉にするなら、ここからうまくトリミングしなければならないと思うが、私にはそういうセンスはないので、そのままアップした。

このお庭を出ると、拝観順路もほぼ終わりとなる。
急ぎ足で通り過ぎるような拝観だったが、それでも約1時間半、見どころは満載のお寺である。

おおむね拝観を終えて出てくると、たくさんの大きな鉢で蓮らしいものが育てられていた。蓮といえばお寺にはつきもの。
IMG_20151213_144058-crops.jpg それぞれ、品種と思われる札がついている。蓮にはこんなに品種があったのかとおどろいた。
この鉢で育つ苗は、どこで花を咲かせるのだろう。

お寺を堪能して、帰途につく。
帰りは入ってきた総門・三門ではなく、駐車場への近道になる南門からにした。
中国趣味の門である。

脇には、「黄檗文華殿」の標柱が立っている。

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黄檗山萬福寺と徳川将軍家

IMG_20151213_135248-crop.jpg 黄檗山萬福寺の煤払いに参加していた人の多くは、手拭いを頭に冠って作業されていた。
その手拭いを良く見ると、葵の御紋がどーんと大きく染められている。

売店でも土産物として売られている。


黄檗山が徳川家の保護を受けていたことは知っていたけれど、御紋の使用まで認められていたのだろうか。

そのあたりははっきりしないけれど、ここには将軍を祀っているところがあるらしい。

IMG_20151213_142250.jpg 写真は西方丈。公開されていない場所だが、案内では「この奥に徳川歴代将軍を祀る威徳殿がある」と書かれている。

Wikipediaによると、四代家綱が隠元禅師に帰依し、この場所を用意して黄檗山萬福寺ができたとあるのだけれど、家綱個人がどうであれ、幕府としては何か考えがあったのだろう。

家綱の時代は鎖国もほぼ完成し、外国との貿易・接触は、中国とオランダに限られていたわけだから(薩摩の密貿易などは別として)、中国情報をつかみ、国交に有利になるように、中国僧を保護し、中国との拠点となる場所として活用したのではないだろうか。

徳川将軍家の宗旨って天台宗と浄土宗らしいんだけど。

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黄檗山萬福寺の境内案内

IMG_20151213_141554.jpg IMG_20151213_135830.jpg 時季の話題を続けたので間延びしたけど黄檗山萬福寺ネタ。

境内を見て回っていると、右のような「音声案内」の表示に気がついた。
ちょっとやってみようと思って、スマートフォンでQRコードを読み取らせることにした。
QRコードが表しているのは、URLで、そのURLを開くと音声案内(mp3)が再生されるという仕掛けである。

写真にあるように、日本語と英語の案内が用意されている(写真右の梵唄のような、音そのものの展示もある。この場合は英語はない)。

ネットにつながないと使えないわけだけれど、なかなか丁寧な解説(その分、通信量が多い?)が聴ける。
これで、境内で無料のWiFiアクセスポイントが設置されてたら完璧だろう。

あったかどうかはっきりしない。寺が用意してたらその旨、説明があるだろうけど、そういうものは目にしなかったから、多分、用意されていないのだろう。


全部でいくつあるのかわからないが、そのうちの何枚かを写真にとったので、うまく読めるかどうかわからないけれど、ここにアップしておく(読み取ったURLへのリンク、URL文字列も付記)。

IMG_20151213_135830-crop.jpg 天王殿(日本語)。http://www.eonet.ne.jp/~obakusan/guide/tennoden-jpn.mp3


IMG_20151213_142037-crop.jpg 大雄宝殿(日本語)。http://www.eonet.ne.jp/~obakusan/guide/daiden-jpn.mp3

IMG_20151213_141554-crop.jpg 梵唄。http://www.eonet.ne.jp/~obakusan/sounds/bonbai.mp3

この境内の案内はネットにも流れているだろうと思って、全部をチェックしなかったのだけれど、黄檗山萬福寺のサイトからは探し出せていない。
urlを類推して、次の2つはヒットしたので、ここに記しておく。
  • 山門 ― http://www.eonet.ne.jp/~obakusan/guide/sanmon-jpn.mp3

  • 斎堂 ― http://www.eonet.ne.jp/~obakusan/guide/saido-jpn.mp3

全部聞くにはもう一度訪れないといけないかも。


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小納会2015

IMG_20151225_120238.jpg 昨日は、1営業日早いけれど、今年の納会ということで、昨年同様、職場でお昼のピザ・パーティ。

昨年の記事で、ピザ5枚と書いていたけれど、7枚だったそうだ。
そして、今年は10枚買ってきたという。
メンバーは男性職員1人が女性職員に替わったけれど、去年と同じ11人である。なぜ、7枚から10枚になったのか。
その女性職員-男性職員=ピザ3枚相当、という計算か。

みんなで8枚ぐらい食べ終えたところで、もう無理だろうと思って、私は食後の喫煙で席をはずし、暫くして部屋へ戻ると…。

「あと1枚分ぐらいですよ」と。
昼休み終了まであと15分、若手職員が無理強いされて、ぎりぎりのところで、完食。(こいつらMか)
午後は、小麦粉とチーズでいつまでも腹から胸あたりまで、むせかえった。

もっとも、小食の私はせいぜい半分+αという量で、チームの足を引っ張っただけ(もっとも、いなければ10枚/10人になるから、そう思えば貢献したことになるかもしれない)。
これで限界を見たから、次はせいぜい8枚にするだろうな。

それにしても、カルビとかじゃなくて、定番のマルガリータとかないのか! タバスコはないのか!

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ささやかな忘年会

IMG_20151224_173459.jpg 昨日は、クリスマス・イブだというのに、家庭サービスも浮気もせず、仕事でお世話になっているS大学のK先生を囲んで一席。一応、挨拶としては忘年会になる。

メンバーは同室の職員2名と私と件の先生の4人だけ。
店は、以前も使い、私も何度かお客さんを案内したことのある店。

いつも客が少ない店で、一応予約客もいるということだったが、結局、我々が店を出るまでに、他の客は4,5人だったのではないだろうか。いつつぶれてもおかしくない。

それはそうとして、写真にも写っているように、保冷庫に地酒が並んでいる。そして目ざとく「十四代」のラベルを確認。
はじめ1杯はビールにしたが、ただちにその「十四代」をオーダー。
他のメンバーも私にならって「十四代」をオーダー。好評。

IMG_20151224_175357.jpg あては、前に来た時より充実していると思った。刺身も悪くなく、旨味が出ていた。ヒラメ、サケ、シマアジ、…後は忘れた。
他に、名物という「幻魚(「げんげ」とルビ)のてんぷら」、鶏黒コショウ焼き、ジャガバタ、などなど。

お酒は、このほか、メンバーに三重県の住民が居たので敬意を表して「酒屋八兵衛」という三重の酒を燗で、そのほか別銘柄をもう1本やはり燗、そして発泡清酒。

前回の部屋の忘年会と異なり、静かな、落ち着いた、ただし話ははずんだ飲み会であった。

しかしこの店、こんな調子ではいつつぶれてもおかしくない。一応地酒をそれなりに出しているちゃんとした店なんだけど。

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FireTV-YouTubeでMessiah

2015-12-23_113307.png今年もメサイアの季節。

前にも書いたように、私はトレバー・ピノックのメサイアのCDを聴くことが多いのだけれど、YouTubeで流れているメサイアはどんなのがあるか検索してみたら、ホグウッド/エンシェント室内管弦楽団のビデオがあったので、これを聴いてみることにした。

で、今年は、FireTV stickも買ったし、その前にYSP-2500(サウンドプロジェクター)も買ったので、YouTubeのこのビデオをテレビで見てみることにした。
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FireTV stick用のYouTubeアプリを使ってストリーミング再生するわけだが、目的のビデオの検索を、あのスクリーン・キーボードでやるのは面倒くさい。

そう思っていると、FireTVのYouTubeアプリの設定メニューをいじっていると、FireTVのYouTubeアプリとスマート・フォンをペアリングして、スマホから操作できる旨の選択肢があったので、早速やってみたら、簡単にペアリングできて、スマホで検索したビデオをテレビで簡単に再生できる。

Screenshot_2015-12-23-11-24-27.png    Screenshot_2015-12-23-11-23-35.png


IMG_20151223_113106.jpg おそらく、FireTVがLAN上のWebサーバーとして動作するらしく、スマホからブラウザで接続する(他に専用アイコンなどもあるらしいが、よくわからなかったので、普通にChromeから接続した)。

こうやって、大画面で見たわけだが、元の映像の品位が低いから、画面自体は大したことはない。

ところでホグウッドのメサイアであるが、聴きなれたピノックよりも快速で、特に序曲は急き立てられるぐらいに感じた。LPで良く聴いていたリヒターのものも決してゆったりしていないテンポ。YouTubeにはデーヴィス/ロンドンSOとかのも流れているが、こちらは序曲がかなり遅めで始まり、大変重々しい。
個人的には、あんまり重々しいのは遠慮したい。

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W県での慌ただしい仕事とゆったりした昼食

IMG_20151222_075715.jpg 昨日は、朝から仕事でW県へ。
朝10時には用務先に着かなければならないので、特急くろしお1号を利用。

10時に間に合わせるには、他にも和泉砂川からバスという方法もあることに気がついたが(所要時間はこちらのほうが短い。次に行くときはバスにしよう)、事前の打ち合わせもしたかったので、余裕のある時間に着こうとすると、ダイヤの都合からは特急を使うのがベスト。

特急料金は自腹だけれど、やはり特急は快速に比べてずっと快適。天王寺までの混雑した電車内では、仕事の資料を点検していたくせに、特急の方がスペースが十分あるのに(乗客は2人席に1人ずつだった)、敢えてそうしたことはせず、車窓から風景を見ながら、仕事のことも考えながら、ちょっぴり贅沢な時間を過ごした。

起きてから用務まで4時間というのは、あんまりなようだが、普段はメールや「宅ふぁいる便」で資料や意見の交換をしているわけで、いわば遠隔勤務(本業の傍らなので在宅勤務というわけにはいかない)、どうしても顔を出さないといけないときだけ行くわけである。

メインの仕事は無事にお昼前に済み(午後も打ち合わせや社長への報告などがあったけど)、気が楽になったところでお昼ご飯。用務先の人が気を使ってくれて、どこか食事をしたい場所があればというので、今年3月に開店したという、根来寺の向いのレストランへ。

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IMG_20151222_121728.jpg 古民家を移築したという店で、とても落ち着いた場所。
大根の煮物、焼き魚、豆腐、てんぷら、そして、茶粥。
茶粥というと奈良のそれが有名だと思うのだけれど、用務先の地元の人に聞くと、このあたりでは朝は茶粥が普通だという。

奈良の茶粥とは違い、番茶(?)の袋をいれてお粥を炊いたもので、素朴でイヤミのないものである。
茶粥はおかわりができないので、少々、お腹には物足りない。ただし、茶粥以外の炊き込みご飯、白御飯はおかわりができるので、物足りない人はぜひ、それらをおかわりすればよい。

今は冬で観光客も少ないが、桜の季節には相当の人出になるという。この店も客でいっぱいになるだろう。

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黄檗山萬福寺というところ

IMG_20151213_135923.jpg 今日も黄檗山萬福寺をとりあげる。昨日の記事で「不勉強な私には意外なお寺だった」と思わせぶりに終えたところを説明しよう。

前にも書いたけれど、所用で近くへ行って、ちょっと寄ってみようと無計画に訪れたので、萬福寺は初めてなのに、全く下調べをせずに行った。
知っていたことといえば、以前読んだ歴史の本で、江戸時代に伝来した最後の禅宗の一派が黄檗宗であること、その本山の名前が萬福寺であるということぐらい。

つまり、私にとっては黄檗宗という宗派名が先だったので、萬福寺は言い方は悪いけど、そのオマケみたいなもので、どこにあるかも知らなかった。
そして宗派名と同じ山号を持つから、この記事の題名のように、黄檗山萬福寺と続けて呼びたくなるわけである。

山号が、なじみのあるものだったら、「△△山○○寺」と調子よく記憶できるようだ。
たとえば、比叡山延暦寺は、山号が場所の名前そのまんまだから(どっちが先なのだろう、山の名と、山号と?)、記憶もしているし、違和感もなく続けられる。
対して、南禅寺の山号は瑞龍山だけど、瑞龍山というのになじみがないから、瑞龍山南禅寺(正確には太平興国南禅禅寺というらしい)と呼びたくなったりしない。


IMG_20151213_135903.jpg さて、普通、名刹を巡るとき、その目当てとするのは、建物やお庭、所蔵文化財などが中心で、宗派のことはあまり気にしないものだと思う。

(知恩院で、外国人観光客が「禅」と言っているのを聞いて可笑しかったけれど)

しかし、黄檗山萬福寺については、そうした建物、文化財についての知識はなく、禅宗の一派という知識しかないから、その知識を頼って、萬福寺も他の禅寺院と同じようなもの、ワン・オブ・ゼムぐらいと思っていた。

つまり、南禅寺や天龍寺、私の家から近い一休寺などからの連想で、武家好みで質実剛健、モノトーン、石庭、水墨画が良く似合う、なんとなく、そう予想していたわけである。




IMG_20151213_135606.jpg しかし萬福寺はこれらの禅宗寺院とは全然違うところがある。
中国風なのである。長崎の中国寺院のように建物は原色派手々々しくはないけれど(年月により褪せているだけだろう)、扁額や看板類の文字は中国風。そういえば敷石も日本の寺の風情ではない。

そして、そういうお寺と知らずにいって「ビックリポン」なのは、拝観順路の最初にお会いする布袋さまである。境内に「都七福神」の幟が立っていたが、その一つ布袋さまがいらっしゃる。

またまた知識不足を露呈するけれど、布袋さまは七福神の中で唯一実在したと考えられている布袋和尚だけれど、弥勒菩薩の化身なのだそうだ、知らなかった。
弥勒といえば、広隆寺の半跏思惟像の印象が強烈で、あのスレンダーな体と布袋様って、全く相容れない。そして、ここの布袋様の金色に光るお体とも。


IMG_20151213_140113.jpg 建物も、装飾も、そしてここで唱えられるお経も中国式だという。
それで、中国の人たちが、ここで中国式のお盆行事(「普度勝会」)が行われるそうだ。
華僑の方へ」という注意書きも掲示されている(写真右)。

開山の隠元禅師はもとより、このお寺の住持は、はじめのうちはみんな渡来僧である。
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掲示されている「本山歴代一覧表」(写真上)には、来朝期日、生国が書かれているので、渡来僧かどうかわかる。



萬福寺のご本尊は、釈迦如来である。
そして、釈迦如来もここでは金ぴかなのである。
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あと、萬福寺というとこれが出てくる。魚梆(ぎょかい)である。

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(ネットには表からの写真が多いので、反対側からの写真)


なんとなく、ユーモラスなところのあるお寺である。

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黄檗山萬福寺の煤拂い

先日、黄檗山萬福寺に行ったこと、行った日がたまたま「煤払いのため無料」と書いたところで記事を終え、それきりになっていた。

しかし、このお寺は、なかなか見どころが沢山ある。
何度かに分けて、黄檗山萬福寺について書くことにする。

黄檗山萬福寺の三門をぬけて、内に入る。

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IMG_20151213_135248.jpg 先日の記事のとおり、ちょうど煤拂いが行われていた。
ただ、他の大寺でやられているような集客性があるような見ものというわけではない。掃除というのがふさわしい。

写真にも写っているように、境内のあちこちにバケツと箒が置かれていて、掃除をされている人たち(寺の人なのか、檀家や地元の人なのかわからない)がいる。

拝観料500円が無料になったので、ちりの一つでも拾って帰らないといけないような気がしたが、そういうものは落ちていないので仕方がない。
(紅葉の落ち葉を一枚、そっと持ち帰ったけれど。)


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例年、年末になるとあちこちの寺社の煤払いがテレビなどで報道される。
今まで、大掃除と区別せずに考えていたけれど、あらためて調べると、煤払いは年中行事であり、古来12月13日(本来は旧暦)に行われるものと決まっていたと、Wikipediaにある。

ただし、竹の棒で畳を叩いて盛大に埃をたてるシーンが有名な本願寺の煤払いは12月20日に行われるようだ。
また、似たような行事として、東大寺大仏のお身ぬぐいも有名だが、こちらは夏の行事。


我が家のそこかしこに埃が積もっているけれど、へたに拭くと、そこだけ埃が脱けて、目立って汚らしくなる。

ああ、面倒だ。


そして、お寺の年越し支度だな、日本的な正月準備の風景だなぁと思って見ていたのだけれど、黄檗山萬福寺というところは、不勉強な私には、意外なお寺だった。

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理想のカレンダー

ideal_calendars2.png 今年も残すところ10日余。
来年のカレンダーの用意が必要だ。

12月に入ると、取引先などから、来年のカレンダーが届き始める。
職場で使うものを取りよけて、余ったカレンダーは職員が家へ持ち帰る。
人によって好みはあるけれど、だいたい同じような傾向のものが好まれているようだ。

以前、出入り業者に、「理想のカレンダー」について話したことがある。こういうカレンダーが多くの人に喜ばれ、一年を通じて使ってもらえるだろうという意味である。

たいていの家では、あちこちにカレンダーを掲げるけれど、主となるカレンダーは予定などを書きこむもので、台所・食堂あたりに掲げられるもの。
書き込まれる予定は、ゴミの日、飲み会のある日(夕食の要不要)、病院へ行く日、旅行、……。
一般家庭といえども結構いろいろ書込んでいると思う。

また、家庭で使うのは、カレンダーだけの事務的なものでは殺風景なので、やはり飾ってきれいな画像がついているものが良い。しかし、何でも良いわけではなく、基本的には心が静まる落ち着いたものが良い。幸せそうな子供の写真もときとしてうるさく感じたりすることもあるし、美女の写真も気が散ったり、何より家人の同意が得られない。
結局、風景写真や風景画がベストというか、当たり障りのないところだと思う。

こういうニーズから考えられる仕様をまとめると次のようになる。
■理想のカレンダー
  • 全体の装丁
    • A2縦長ぐらいが良い。あまり大きいと掲示するスペースで苦労する。
    • 過ぎた月は切り離せるようミシンを入れておくこと。残したいなら使用者が別途残すだろう。
    • 綴じ部分等に金属は使用せず、燃えるゴミで出せること。
    • 紙質はアート紙、コート紙など、画像が綺麗に印刷できるもの。
      油性ペンでにじまないこと(書込みに細めのフェルトペンを使う家が多い)。
    • 月1ページとする。2月を1ページにすると書込みスペースがとれないだろう。
    • 1ページは上半分程度が画像などの《テーマ部分》、下半分を《カレンダー部分》とする。
  • テーマ部分
    • 画像は季節感のある自然や風景の写真、絵画を使う場合も風景画が良い。
      家庭にふさわしい落ち着いた画像にすべき。人物が入る場合も顔が主張するのはうるさい。
      ※風景以外で許容できるのは、花、茶器などのオブジェの写真。
      ※動物、鳥、魚などは風景のように感じられればOK。好きな人は嵌るかもしれない。
      -風景画でもシュールなものは避ける。ダリやキリコでは落ち着かない。
      -美女の写真などは、女性が強い家庭では嫌われる可能性が高い。ヌードは論外。
      -子供の写真もかわいいかもしれないが、他人の子供。気に入らない人もいる。
      ★なんだか面白みに欠けるようだけど、万人に抵抗のないテーマを選ぶとこうじゃないだろうか。
  • カレンダー部分
    • 七曜形式で、1日の枠には十分な余白があること。ゴミの日、飲み会など書くことはいろいろある。
    • 日曜祝日は赤で、土曜は青系で示す。祝日名は邪魔にならなければ添えても良い。
    • 日の枠線はあるほうが良いが、薄く上品に。
    • 翌月の小さなカレンダーを表示する。できれば前月もあると良い。
    • 月6週(6段)表示にし、1日の枠に2日分を押し込まないこと。その日のメモ欄がなくなる。

これで、企業名などが入らなければ完璧だが、そうなると有料になるだろうな。

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今年最初の忘年会

IMG_20151218_174616.jpg 昨日は、今年最初の忘年会。
同室の職員+αのメンバーで、職場の近く。

実は、あと2回予定されているのだけれど、1回はやむなくパスすることにしている。思えば、所属組織などの忘年会をパスしたことなど今までなかったと思うのだけど。

例によって、宴会が始まってからの写真は撮れてないので、文章で料理・酒についてメモしておく。
開宴前にかろうじて撮った写真に写っているのは、枝豆、刺身、寿司。
この後、臓物の焼き物、サラダ、ビーフステーキ、てんぷらが出た。

酒は、1杯だけビールを飲んで、あとは、伯楽星、澤乃井、神力、香住鶴(原酒)、それにビーフステーキに合わせて赤ワイン。
香住鶴の原酒が効いたようで、この記事を書くのが遅くなった。

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番号をつかわなくても

2015-12-16_094620m.jpg 昨日は「番号のつかいかた」という題名の記事だったけど、今日は「番号をつかわなくても」。

ときどき、右のようなメールが届く。
私はこの宅配業者に会員登録しているのだけれど、先日、予期しない人からお歳暮が送られてきたことを知らせるメールである。
もちろん送り主は、私の会員番号はもとより、会員登録していることすら知るはずがない。どうやら送り先の名前、住所、電話番号などから、会員データを検索して、私あての配送連絡メールを出しているらしい。

そういえば、ネット通販でも、この業者が配達する場合は、配達業者から配送連絡メールが来ていた。通販業者からメールアドレスが出ているのだろうぐらいに思って気にしていなかったのだが、どうやらそうではなく、宅配業者が自社データと照合しているようだ。
もちろん持ち帰り荷物を減らすことが目的だろう。
また、今回は配達予告だったが、予告なく、不在持ち帰り連絡メールがいきなりくることもある。タイミングの問題なんだろうか。


201512172059OfficeLens.jpg このサービスは別に番号を使っているわけではない。配達先を特定できる情報さえあればOKなのである。(ウソの出前とかされたら大変だけど)

ということは、そうした外形的情報を知っている他人が、なりすまして登録してたら、誰からどんな荷物が届くかを監視できるということにもなる。
(カードの写真は私のものだが、番号も何も識別する情報がカード面に表示されていない)。

以前、住基カードを作った人が、使う気はないけれど、作っておかないと他人がなりすまして作るおそれがあると言っていた。知らないうちにネット上の「私」が作られないようにするのも重要なセキュリティである。宅配業者は、同一人の複数登録のチェックなどはしているのだろうか。


なにはともあれ、この荷物は、冷凍食品のようだから、在宅時に配達してもらうよう日時指定をさせてもらったことは言うまでもない。

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番号のつかいかた

2015-12-16_094237-crop.jpg マイナンバーの通知カードの不達が本格的な問題になってきている。
私は、通知カードが不達でも問題なんてないと考えてきているし、通知カードが届かなくても市役所へ問い合わせたら済む話であるとも書いてきた。

すると、ようやく、国もまともな広報をしはじめたようだ。
先日、ぼうっとテレビを見ていたら、マイナンバーの政府CMが流れたのだが、「通知を受け取っていない方は、住民票のある市区町村にご連絡ください」というメッセージが最後に表示された。
はじめからそうしておけば良いのである。

兎角、マイナンバーについては、後手後手の対応、ゴテゴテのシステムにより、ゴタゴタが絶えない。
二度とこんなことやるマイナ

そもそも個体識別番号の値打ちというのは、名前を使わずに手続きができるということにもあると思う。

TポイントとかRポイントとか、各種のポイント制度が盛況だが、これらの各ポイントは、いろんな店で取得したものを合算できるようになっている。実際のところどうしているのかは知らないけれど、ポイントの合算が会員番号だけで行われているとしたら、A店、B店のそれぞれで違う名前で会員登録していても合算できるわけ。A店、B店も実は本名は知らないというケースだってあってもおかしくないわけだ(実際は名前も交換しているかもしれないが)。
2015-12-16_161218.jpg
のら猫では、複数の家にふらっと寄って食べ物をそれぞれからもらうという暮らし方をする奴がいるという。
それぞれの家では、自分の家によく来る猫だということで、ある家ではトラと呼ばれ、別の家ではタマと呼ばれる。そういう状態。 猫に鑑札があったら、同じ鑑札をぶら下げている猫が、トラだったり、タマだったりするわけだ。
それで何か問題ある?


ところで、昨日、最高裁が夫婦別姓を認めない民法の規定は合憲であるという判断を下した。
それが良いかどうか私にはわからない。
夫の添え物ではないとか、それまでの人生で築いてきた人間関係に影響するということで、結婚(入籍)後も旧姓を通称にしている人は多い。以前の部下でそうしようとしたけれど、後々、いろんな手続きが面倒になりそうなのでやめたという人もいる。
一方、夫の姓になることで結婚を実感し、心構えができるという女性もいる。

ただ、夫婦別姓に反対する人には、家族関係がややこしくなると思っている人もいるようだ。
現在の社会制度は、個人ではなく世帯を単位にしているものが多い。扶養認定や扶養控除、医療保険、年金など、家族や生計を共にするという考え方がすみずみまであてはめられていることは事実だ。

しかし、こうした制度は姓が同じでなければ家族と認めないというわけではないと思う。高齢の父母が世帯主と別姓であることはめずらしくないと思う。遠隔扶養であれば、住所も違っている。それぞれの制度で、「家族」とか「生計を共にする」とか、そうした考え方を明確にして、その「グループ」を管理すれば済むはずである。
つまり、世帯を所与のものとせず、制度に応じたグループ概念を定義し、個人の所属を管理する方法である。

複数の家で餌をもらってる猫をあぶりだすことができるようになるわけだ。


マイナンバーはそうしたグループの設定・管理に、きっと役に立つだろう。
(そういうシステム・ビジョンは寡聞にして聞かないけれど)

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黄檗山萬福寺

黄檗山萬福寺。

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IMG_20151213_134705.jpg 上の写真は総門。
総門という名前から想像するものと違い、随分小ぶりなつくりである。

ここから入るのか?と、とまどう。
向かって左手に脇口が開いている。いいのかなと思っていたら、和服の女性がすっと入って行った。関係者かなと思って、まぁ、入ってみようとくぐった。後で気づいたが、この女性も同じ拝観者のようだった。
途惑うのもしかたがない、近所に所用があって来て、ちょっと寄ってみようと思い立ったので、何の準備もしていない。そもそも、この名高い寺を訪れるのははじめて。

家から車で30分程度のところである。同じ宇治でも平等院とは違い、ずっと拝観者も少なく、道路の渋滞もない。駐車場を探すのに苦労することもない。
平等院の混雑がイヤな人にはおすすめである。

総門をくぐると、すぐにこのお寺の統一的なモチーフの一つと思われる、菱形の敷石が続く(写真右)。

とにかく境内の様子がわからないので、じっくりと案内図をながめる。

(写真下。左は放生池の前、右は天王殿前にあるもの)


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昨日の稿では、ヒマラヤザクラらしき花のことを書いたわけだが、それは駐車場から総門へ向かう途中にあった。駐車場はお寺の南東の方、少し上がったところにあり、いったいどこまで歩かされるのだろう、なかなか行き着かないなぁと思いながら、歩いていた。
既にその時点で、かなり境内が広そうだということは想像していたわけだが、この案内図を見ればわかるように、これはかなりの大寺である。


そして、雄大な三門が姿を現す。

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IMG_20151213_135038.jpg 広さから言えば、奈良の東大寺や興福寺などもとても広いと思うが、境内が街に溶け込んでいる風情であること、寺にあるすべてのお堂や回廊が維持されているわけではないから、個々の建物の雄大さは感じるが、境内として意識することはあまりないように思う。

対して、黄檗山萬福寺は、寺の全体、すなわちそれぞれの機能・信仰を持つお堂と、その回廊が維持されていて、閉鎖的な境内空間として大きさが感じられる。南禅寺のようにだだっ広いというわけではない。

IMG_20151213_135111.jpg 拝観料はどこで納めるのだろうと思いながら、三門をぬけると、右手に拝観受付がある。

「煤払いのため無料です。」

そういえば総門に「十二月十三日煤拂い」の案内があった。




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ヒマラヤザクラ(?)

IMG_20151213_133926-crop.jpg 一昨日、黄檗山万福寺に行ったら、駐車場から入口へ行く途中にサクラのような花が咲いていた。

咲いていた場所は、「みみづく地蔵尊」の隣。
一緒にいた人が言うには、ヒマラヤザクラではないかと。

ヒマラヤザクラは、Wikipediaによると、

「ヒマラヤが起源と考えられており、インドのヒマーチャル・プラデーシュから中国南西部、ビルマなどに見られる。海抜1200mから2400mの高山の森に生える。また、サクラ自体もヒマラヤ近辺が原産と考えられている。
・・・
花は1月から2月の冬に咲かせる。花は雌雄両性であり、桃色から白色の色をしている。」

という。

IMG_20151213_133926.jpg そういえば、花の形もそうだし、木の膚あいもサクラのそれのようだ。
また、ご覧のように、木全体が咲いている。いわゆる狂い咲きでは木全体が咲く話は聞かないから、私が見た花はやはりヒマラヤザクラなのかもしれない。

何より、場所が黄檗山万福寺、中国風情の高い場所であるから、ヒマラヤザクラはいかにもこの場所に似つかわしいという感じがする。
(もっとも万福寺の境内では見かけなかったけど)

黄檗山万福寺の記事は、明日以降にアップするつもり。





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AKO47

今日12月14日と言えば、国民的行事と言うと爺臭いと言われそうだが、赤穂浪士討ち入りの日である。

2015-12-12_181047.png 他人から教えてもらったのだが、近年、赤穂義士のことをAKO47という咄がある。
オリジナルが誰によるのか知らないけれど、YouTubeに月亭八方が語るその咄がアップされている。

私が名前を覚えているメンバーは、間違いなくAKO47の方が、AKB48より多い。
センターは選挙じゃなくて、大石内蔵助と決まっている。
私の印象が強いのは赤垣源蔵、兄の紋付きと酒を酌み交わしたシーンは、酒飲みならぐっとくるところ。ただし、モデルとなった赤埴重賢は下戸だったという話もある。この話も講談から落語の演目として名高い。
人気が高いのは、高田の馬場で有名な堀部安兵衛だと思う。落語に、素人が赤穂浪士の芝居かなんだかをやるという咄でみんなが堀部安兵衛になりたがるというのがあったように思う。
赤穂浪士をとりあげた落語がどのくらいあるか知らないが、聴衆をのせやすい題材である。

vlc-2015-12-12-18h02m17s372.png 前にも書いたけれど、私が毎週のように見た最初のNHK大河ドラマは「赤穂浪士」、大河第2作である。
NHK大河では、これを最初に4度、赤穂浪士が取り上げられている。

1964年 「赤穂浪士」 第2作
1975年 「元禄太平記」 第13作
1982年 「峠の群像」 第20作
1999年 「元禄繚乱」 第38作

先週8日のNHK「知恵泉」では、"組織の危機に対処せよ!「忠臣蔵 大石内蔵助の極意」"だったが、これは2週にわたる企画で、明日15日は、"すべてはチームのために!「大石内蔵助 討ち入りへの道」"がテーマとなっている。
NHKは、結構、忠臣蔵が好きなようだ。

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本日休刊日

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ウルトラマンボヤ(「珍名いきもの」から)

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ウォーターフォール型開発

最近はさすがに減ったようだが、ベンダーが持ってくるシステムの開発企画書にはよく「ウォーターフォール型の開発により手戻りが少なく品質の良いシステムを作ります」みたいなことが書いてあった。
もう10年くらい前からだろうか、こういう一文が書いてあると、それだけで企画の評価を下げることにしていた。

falling-water.jpg ウォーターフォール型開発というのは、作る側には都合が良いだろうが、ユーザーには特に恩恵らしきものはない。もちろん開発がうまくいって、品質の良いシステムが手戻りなく、低コストできればそれに越したことはないけれど、普通、開発委託契約をする場合は、特段の変更がなければ、委託費は最初に決まった額であり、手戻りがあろうがなかろうが、支払う費用に違いはない。バグがあれば瑕疵担保責任を問うだけだ。
つまりウォーターフォール型開発というのは、ユーザーの問題ではなく、ベンダー側の問題であり、それも結果論にすぎない。

写真はウォーターフォールならぬ"Fallingwater"(落水荘)。本文とは関係ありません。


もちろん、委託契約を結んだ以上、委託先と発注元は運命共同体であり、双方が協力してプロジェクトを円滑に進めなければならない。そうしないと信頼関係も生まれず、第一、仕事が楽しくない。

ベンダーもわかっていると思うが、ユーザーの要求というのは、システムの姿が見えてくれば、より鮮明になってくる。ここをこうしてほしい、ここは変えてほしい。ところが、伝統的なシステム開発では、画面や帳票のデザインが初期に決定され、この段階でユーザーは仕様凍結を求められる。つまり、システムがユーザーに見えてくる前に、仕様凍結を強いられることになる。

しかし、データ構造やシステム操作手順がわかってくると、画面や帳票への要求は変わってくるのが普通である。ここで仕様変更だと大騒ぎされるとユーザーは困ってしまう。

もちろん、一般にシステムはモジュールの組合せで動くわけで、モジュールの仕様が変わればそのモジュールを使用する他の部分がすべて影響されるから、そういう意味ではモジュールの仕様凍結は重要である。
しかし、画面や帳票の見た目というのは、通常、システム内の他のモジュールに影響を与えるわけではない。かりに表示するデータが別のテーブルなどに由来して異なるSQLを発行しなければ実現しないとしても、それはこのモジュール自身が解決できることであれば、システムの他の部分には影響しないわけだから、仕様凍結をする論理的な意味はない。

仕様凍結をするもう一つの意味は、ベンダー側の再委託という問題である。表示項目、その長さや形まで確定していないと、完全なプログラムとしての仕様書にならないから、プログラム開発を外部委託する場合は、そこまでの仕様が求められる。そしてその些細な変更でもプログラムの再開発として計上されることになる。日本のベンダーでは、このプログラムを海外に委託している例も多いようだから、これが外注経費を押し上げる結果になる。
これはベンダーの無能さの表れでしかない。このコストをユーザーに押し付けられてはたまらない。
一般に、同一システムを開発・運用する場合、そのコストはシステムの品質に反比例する。

品質管理の認証、ISO9000シリーズというのがある。これも嫌いなものの一つだ。
こういう認証をとっている事業所の場合、会議や仕様凍結のたびに、ユーザーに確認を求めてくる。そういうドキュメンテーションがなされないと品質管理の認証を取得できないからだ。そしてこれが正規の書類となって、これへの変更は通常、仕様変更として委託費の増額の根拠となってくる。
ISO9000は品質管理技術の認証であって、製品の品質を直接保証するものではない。
ISO9000を取得していてもいいけれど、それを振りかざされるとユーザーは大迷惑だ、と思うのである。

異論のあるかたも多いだろうけど、これだけは言っておこう。
いやしくもシステム技術者ならば、無批判・無自覚に開発手法を選択するのは恥ずかしいことだ。

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ハクションクラゲ

chinmeiikimono124.jpg 北嶋廣敏(解説)・藤田和生(画)「誰かに話したくなる珍名いきもの124」という本を読んでいたら、ハクションクラゲという生物がいるという。

題名のとおり、誰かに話したくなるから記事にしているわけ。

同書によると、ハクションクラゲとは、
オキクラゲ科。本州以南に分布。傘の直径10~15cm。お椀(半球)状の傘の表面に16本の赤い放射状の筋(条紋)が入っている。触手の数は40~50本、長さは50~80cm。下面中央に4本の口腕があり、太くて長い。アシナガクラゲサナダクラゲとも呼ばれている。

一方、Wikipediaでは、アカクラゲの項目が立てられていて、
アカクラゲ(赤水母、赤海月、学名 Chrysaora pacifica)は、鉢虫綱のヤナギクラゲ属に属するクラゲの一種。日本近海の北海道以南に広く分布する。

科:オキクラゲ科  Pelagiidae
属:ヤナギクラゲ属 Chrysaora
種:アカクラゲ   C. pacifica

特徴

放射状の褐色の縞模様が16本走った直径9-15cmほどの傘と、各8分画から5-7本ずつ、合計で40-56本伸びる長さ2m以上の触手を持つ。北方性の近縁種 Chrysaora melanaster も傘に同様の縞模様があるが、こちらは触手が24本しか無いことから区別できる。触手の刺胞毒は強く、刺されるとかなり強い痛みを感じる。

Chrysaora_hysoscella_from_Enoshima_Aquarium.jpg 別名

このクラゲが乾燥すると毒をもった刺糸が舞い上がり、これが人の鼻に入るとくしゃみを引き起こすため、「ハクションクラゲ」という別名を持つ。
また、その赤い縞模様から「連隊旗クラゲ」とも呼ばれる。


前掲書「珍名いきもの」とWikipediaでは、触手の長さとかが微妙に違うけれど、同じ生物を説明していると思う。
(写真はWikipediaから)

で、なぜ、「珍名いきもの」にとりあげられている数多の生物のなかからハクションクラゲをとりあげたかというと、次のような説明があったから。
大阪冬の陣の際、真田幸村がこのクラゲの粉末を武器の1つとして戦いに利用したという伝説がある。
hennaikimonocover.jpg 別名のサナダクラゲというのはこの伝説から来ているのだろう。
さて、来年の大河ドラマでは、この伝説は採用されるだろうか。

ところで、「珍名いきもの」は2015年6月25日初版だが、以前(2004年)、早川いくを「へんないきもの」という本が出てベストセラーになり、類似書がいろんな著者の手により出版されている。「珍名いきもの」も類似書と言えるだろう。

「へんないきもの」は表紙にオオグチボヤの印象的な画が使われていた。「珍名いきもの」の方にもホヤの仲間で、ウルトラマンボヤというのがハクションクラゲの次の項目で取り上げられている(姿も名前のまま)。


二匹目、三匹目のどじょうというわけだが、生き物の世界には、まだまだいろんなどじょうがいそうだ。

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広岡浅子

前に、大河ドラマ「花燃ゆ」と朝ドラ「あさが来た」を比較した。

COTMs4yU8AAv7WK.jpg「花燃ゆ」はあと1回で終了だそうだ。
本ブログでは批判的に書いたけれど、こうしてみると、なんだか名残惜しい。
井上真央が悪いわけではなくて、大河ドラマの宿命である歴史性についての微妙な立ち位置の脚本の問題である。
お話としてはそれなりに楽しめたし、随分前に「大河ドラマの功罪」で書いたとおりの「功」はたしかにあったと思う。
つまり、ドラマで取り上げられた歴史上の人物について、あらためて知ろうとする契機として、美和(文)はともかく、楫取素彦はもちろん、出番は少ないが紡績業発展につくした人々(星野長太郎、新井領一郎とか)など、あまり大きく取り上げられてこなかった偉人の存在を教えてくれた。

一方の「あさが来た」の方だけれど、最近、小前亮「広岡浅子」を読んだ。
著者もこの本に書いているように、この広岡浅子が再び凄い人物として脚光を浴びたのは「あさが来た」の力である。実は、私もNHKの制作発表があってから調べた口である。
実際、広岡浅子をとりあげた本は、前にこのブログでとりあげたときには未だあんまり出版されてなくて、古川智映子「小説土佐堀川 ――女性実業家・広岡浅子の生涯」ぐらいしかなかったけれど、今では何冊か出版されている。「あさが来た」にあやかっているのである。

さて、こちらの朝ドラは広岡浅子をモデルとしながらも、自由にお話を作っているわけだが、本当は怖いおばさんだったに違いなく、そばに寄るのは御免蒙りたい浅子(小前前掲書)が、何ともかわいらしく描かれているにしても、埋もれていた人を再評価させる点、大河ドラマに劣らぬ功があることを実証している。

いつも見ているわけではないけど、先日浅子の妊娠を喜ぶ店の中で、新次郎にひそかに思いを寄せる下女の姿が描かれた。多分、彼女が浅子が新次郎の妾に選んだ女がいたという史実に沿った役になるのだろう(史実では多くの子供を産むから軽い役ではないのだけどあの役者で良いのかな)。


ご苦労様でした「花燃ゆ」、まだまだ頑張ってください「あさが来た」。

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ポーズか実質か

IMG_20151202_121914.jpg 冬に入り、温かいコーヒーが飲みたくなる。
職場の執務室には、写真のように電気ポットが置いてある。

前に居た職場にもあったけれど、電気ポットに通電する時間が、朝は10時まで、お昼は12時から13時(14時だったかも)までと決められていた。電気代の節約ということで、全組織でそう要請されていた。私の居た職場のローカル・ルールではなかった。

電気ポットの保温に使う電力なんて極くわずかなもののはずで、そんなものに目くじら立ててもしかたがないような気もする。

PCなどのACアダプターも、機器を使用していないときは、コンセントから外すように指示されていたが、せいぜい数mワットだろうから、1000台がそうしても数ワットというなんとも情けないほどのチマチマ作戦である。


電気ポットの方だけれど、それでも夏場ならまだ許せるのだけれど、冬になって、体もあたたかい飲み物を欲する時に、ポットのお湯が自由に使えないというのは困るわけだが、そもそも室内を暖房しているときに、ポットの電気代をケチることには、どう考えても物理学的に意味がない。
暖房というのは通常、サーモスタットで室温を調節しているわけで、その室温には室内の各種機器の排熱も寄与する。電気ポットの排熱は室内の暖房を緩やかにする効果があるはずで、無駄に捨てられるわけではない(もちろん言うほどのものではないことを承知の上でだけれど)。

それでも電気をがまんして、寒さをがまんして仕事をすることが、省電力に努める姿勢として美化されているわけだ。これって竹槍で飛行機と戦おうという戦争中の精神論と根は同じなんじゃないか。

同じような話はあちこちにある。電力が足りないと言ってた時に、エレベーターが2基あれば1基を停止させるということが行われた(我が職場だけでなく、お台場の未来科学館もそうなってたらしい)。これも、同じだけの客を運ぶのであれば、2基とも動かしていた方が、無駄な動きがなくなってむしろ省電力になるのではという話もあったけれど、大きな声にはならなかった。

こういう精神論優先で、実態としてはその目的に反する行動というのが良くある。
昔、「マイはし」運動というのがあって、割りばしは森林資源の無駄遣いであるとし、自分の箸を持ち歩こうという運動があった。これに対し、林業のさかんな某県では、割りばしを使いましょう運動を展開した。
割りばしの原材料となるのは、間伐材であり、割りばしが売れなくなると間伐が経済的に苦しくなり、結果、山が荒れてしまうという危機感からであったと聞いた。
この県の勇気ある行動に拍手。

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Windows10アップデートのトラブル

PCをWindows10にバージョン・アップしたことは既報のとおり。
慣れないUIや、ファイルの関連付けのリセットなど、少々面倒であるが、新しいタイルとセットの「スタート」は、割りに使いやすいかもしれない。今まで、Officeソフトのショートカットをデスクトップに貼り付けていたけれど、これらをタイルに移すことで、デスクトップが広々とする。タイルの大きさがもう少し柔軟にできればと贅沢な希望はあるけれど。

しかし、どうも動作が不安定というか、ひっかかる動きが多い。フォルダーを開けるのに一瞬で開く場合もあれば、妙に長い間待たされることがある。使い込んでいるうちにキャッシュが効いてくれば早くなるのだろうか(私のPCはハイブリッドドライブというもので、フラッシュ・メモリがHDDのキャッシュとして使われる)。

そして面食らったのが、ブルーレイ・ドライブを認識しなくなったこと。
今まで、ブルーレイ・ディスクを挿入したら、プリインストールのビデオプレイヤーが起動していたのだけれど、全く動かない。
Windows10にアップグレードしたことが原因なのかもしれないが、とにかくネットで"ブルーレイ・ドライブを認識しない"の情報にあたってみた。すると、Windows10に限らず、結構、そういう現象があるらしい。
(⇒Windows 10がDVDを認識しない、光学ドライブが消えた場合の対処方法)
一番、信頼性の高そうなのはMicrosoftが配布しているフィックス・プログラムなのだけれど、Windows10用は配布されていなかった(利用しようとすると、あなたのバージョンに合うものはない旨の冷たいメッセージが返ってくる)。

2015-12-06_213414.png 他の方法で、一番簡単そうなのは、レジストリをいじること。
で、試しにやってみることにした。もちろん、現状のレジストリをエクスポートしたうえで、レジストリ・エディタで、ネット記事を参考にレジストリを書き替え。
記事どおりに対象エントリを削除すると、たしかにドライブは認識するようになったけれど、ブルーレイ・コンテンツの再生ができない。記事を注意深く読むと、要するに、ドライブを操作するソフトウェアの競合その他が不具合を引き起こすらしいので、それなら、怪しげなソフトが汚したレジストリをいじれば良いだろうと考えて、そのようにしてみた。以前、AnyDVDというソフトを試用したときの名残がレジストリにあったのでこれを削除することにした。
結果、これで以前のように動作するようになってくれた。

件の記事では、ディスク・キャッシュが悪さをするようなことも書かれていた。私のPCは前述のとおり、ハード的にディスク・キャッシュなのだけれど、何か関係があるのだろうか。HDDだけに効いているはずなのだけど。


次に問題が発覚したのは、動画フォーマット変換ソフトの"Handbrake"。
前に「高速ビデオ変換」で書いたとおり、intelQSV対応のフリーソフトである。こちについては、更新情報をチェックして、最新版をインストールすることで無事動作するようになった。

まだまだあちこちに地雷があるかもしれない。

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日本のコロラトゥーラ

2015-12-06_203100s.png 昨日の「題名のない音楽会」の題名は"超絶技巧の音楽会"。

そこで田中彩子さんというコロラトゥーラ・ソプラノが紹介されていた。
「魔笛」の夜の女王のアリアが超絶技巧を要する楽曲としてとりあげられ、田中彩子さんがこれを歌った。

夜の女王のアリアというと、とにかく日本の歌劇の舞台では、いつもハラハラさせられるわけで、前にもそう書いた。
そのとき、幸田浩子さんが夜の女王をやるなら聴きに行きたいとしたけれど、田中彩子さんもなかなか。

欲を言えば、夜の女王というのは鉄の女みたいなイメージ。まだまだ繊細かな。

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タバコと映画

2015-11-03_170821-crops.png Amazonビデオで「おくさまは18歳」を見ていたら、高木先生・飛鳥夫妻の家で、高木先生がタバコを吸うシーンがあった。
この頃(70年代)は、タバコがとりたてて目の敵にされるようなことはなく、映画やドラマでは、大人の男のアクセサリーとして使われていた。

そういえば2年程前、宮崎駿監督の「風立ちぬ」にタバコを吸うシーンがあるとかでクレームが付けられたという事件があった。昔の映画だったら、制作当時の事情であるとしてクレームにまでは至らないが(特にボカシを入れたりもされない)、新作の場合は喫煙を奨励する意図だということのようだ。

romanholidaytobacco-crop.jpg 以前は、テレビで多くのタバコCMが流されていて、CM業界ではタバコはドル箱と言われていたと聞いたことがあるが、タバコを「カッコよく」吸うシーンが喫煙奨励ということで、CMは流されなくなった。

「スタートレック」では、だれもエンタープライズ艦内でタバコを吸わない。ノヴェライズ本を読むと、そんな悪習はとっくの昔にすたれていると書いてあったような憶えがある。
ただし、このTVシリーズ(日本題は「宇宙大作戦」)が制作されたのは「おくさまは18歳」より古い、60年代である。 未来にはタバコのような有害無益で馬鹿馬鹿しい習慣はすたれているはずだという期待を込めて、日本ではまださほど問題になっていない頃から、米国では嫌煙メッセージが流れていたと思われる。
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映画で描かれるタバコは、大人の男のアクセサリーという扱いが多いのだが、大人になろうと背伸びをしている子供がいきがって吸うというのもある。
こうした子供は、タバコを楽しむために深く吸い込むようなことはせず、煙を吐き出すために吸っている。なんとももったいない。また、その姿勢も、体をくねらせたり、足を斜めに出したり、崩れた姿勢で、やさぐれた印象になる。

ちゃんとした大人は、静かに深く吸い、ゆっくり吐き出す。直立不動の姿勢で、背筋を伸ばし、足は心持ち開いても、けっして斜に構えない。もちろん吸い殻を道などにポイ捨てなどは決して行わない。
タバコは紳士が嗜むものである(ゴホン)。
romanholidaytobacco4-crop.jpg
映画のタバコを吸うシーンの話に戻る。

映画のシーンでもっとも印象的なのは、「ローマの休日」。
"はじめてのたばこ"
"大人の男のアクセサリー"という類型的な扱いではないこのシーン、真っ直ぐにかまえたオードリーの姿が愛らしい。

スナップショットの最後の1枚は、映画の中でカメラマンがライター型隠しカメラで撮影したという設定のもの(だから下からのアングルになっている)。


romanholidaytobacco5-crop.jpg こういう姿でも、このように素敵だからかえって、クレームの対象になるのだろうか。







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没後224年

本ブログ開始後、2回目のJoannesの命日。

昨年は絶筆部分(Lacrimosa)をアップしたけれど、今年は冒頭(Intoroitus)を。

2015-12-02_135132.jpg

♪聴く(introitus.mp3)


2015-12-02_145523.jpg 没後200年(1991年)に行われたバルセロナのカタルーニャ音楽堂での演奏がYouTubeにアップされていた。上の「♪聴く(introitus.mp3)」もそれからとったもの。演奏は、

Barbara Bonney
Anne Sofie von Otter
Anthony Rolfe Johnson
Alastair Miles

John Eliot Gardiner
The Monteverdi choir &
The English baroque soloists

アルト・パートは、私のお気に入りのフォン・オッター、この時36歳


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Windows10にさせられちゃった

前にネットブックをWindows10にしたことを書いたけれど、今度は、自宅でメインで使っているPCをWindows10にバージョンアップした。
というか、させられた感じ。

いつも「Windows10にアップデートしませんか」バルーンが揚がって煩わしいなぁと思っていたわけだが、先日は、小さなメッセージのバルーンじゃなく、結構大きなウィンドウが現れて、Windows10への更新を勧誘してきた。
当然というか、今まで通り無視しようと思ったのだが、ボタンに「後で」というのがあったので、これを選択すると、何と、Windows10のダウンロードが始まった。
どうやら、このメッセージに付き合うと、インストールは後からでもダウンロードだけはさせられるようになっていたらしい。
どこかにその旨が書かれていたのかもしれないが、悪質なサイトみたいだ。

で、ダウンロードが終わると、インストールするかどうかということになるわけだけれど、もう、面倒くさくなって、この際、更新してみることにした。(戻すことはできるという話だし)

restartprocessing.jpg安物のネットブックでも2時間で更新完了したから、すぐ終わるだろうと思っていたのだけれど、「再起動しています」の表示になってから、ウンともスンとも進まない。一晩ほっといてやれと思って寝たのだが、翌朝になってもそのまま。
これではどうにもならない。意を決して、電源ボタンを長押しして強制終了、そして電源オン。
あっけなく「Windows10にアップグレード中です」の表示になった。
おいおい、それならそうと「再起動しています」じゃなくて、「再起動してください」だろう。
何がひっかかってシャットダウンされなかったのか解らないけれど。

2015-11-30_205037.png ネットブックの方は動作確認だけしてしまい込んだけれど、日々使っているPCであるから、余計なことはされないように、PCの設定をやらなければならない。

タイル・アプリをとりあえずみんなオフにした。
また、ファイル拡張子とソフトの関連付けはWindows10標準にリセットされているようだ。これも前の状態に戻さないと使いにくくてしようがない。

ニュースやらおすすめやら、こういうの、やたら押しつけがましい感じがするわけだが、PCを使うというより、これからはテレビのように受動的にPCに向かうというような時代になるのかもしれない。

2015-12-03_215730-crop.png また、アシスタント・アプリの"CORTANA"というのも付属してきた。
とりあえず、お試しということで有効にしたまま。

「何かお手伝いできることはありますか?」だって。
「間に合ってます」


どうも、このあたりはiPhoneのSIRIとか、AndroidのGoogle音声検索やYahoo音声アシストに一日の長があるようだ。これらはあらかじめ用意された対応以外の場合は、ブラウザで検索を実行するのだけれど、CORTANAはそのままではブラウザ起動してくれない。何か方法があるんだろうか。

Windows8.1の使うことのない画面一杯のタイル・インターフェイスがなくなったことで、OSが軽くなっていれば、それでOKだ。

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割り切った表示、というか割り切れない表示

IMG_20151129_143344.jpg 先日、最近オープンしたスーパーに買い物にいったら、見慣れない価格表示に気がついた。

消費税法では商品には税込価格の表示が義務付けられているらしいから
(疑問:「時価」はいいのだろうか?)
たいていのスーパーでは、税抜き表示と、税込表示の両方が値札に記載されているわけだが、そのスーパーの値札がこれ。

こういう表示は初めて見た。
そこで、あらためて店内の他の商品の値札を見回すと……
IMG_20151129_143432m.jpg
ぜーんぶ同じ形式の表示。

もちろん、どれか一つだけの商品を購入したら、円未満の支払もお釣りもないから、円単位に丸めるのだろう。四捨五入か切り捨てか、あるいは切り上げか、多分、店内にはその旨の掲示があったのだろうと思うけれど、気がつかなかった。

見慣れない表示だけど、こういう表示は問題がないのだろうか?

Wikipediaによると(記事は5%とちょっと古いけれど)、
総額表示への対応方法としては、大きく
  従来同様、税抜価格合計に、支払い時に5%を加算。
  完全に内税へ移行。
の二つに分かれ、売り場での個々の商品価格の表示方法は
  1. 端数分を切り上げて表示し、レジにて加算分を値引く(10円の商品は"11円"と表示、レジにて10円に値引き)。従来どおりの税抜価格合計に、支払い時に5%を加算し、1円未満の端数は切り捨てる方式。税抜(本体)価格が併記してあることもある。
  2. 端数分を切り捨てて表示し、差分は店舗側が負担する(10円の商品は"10円"と表示、それを2個以上買った場合でも1個あたり10円)。内税へ移行する際に行われた。
  3. 端数分は四捨五入、差分はほぼ相殺される(10円の商品は10.50円→"11円"と表示、87円の商品は91.35円→"91円"と表示)。内税へ移行する際に行われた。
  4. 端数分を切り捨てて表示し、レジにて差分を加算する(10円の商品は"10円"と表示、それを2個買った場合は1円を加算)。
  5. 端数を小数点以下2桁で表示、差分は小数点以下なので切り捨て(10円の商品は"10.50円"と表示、87円の商品は"91.35円"と表示)。
というパターンに分化された。
とあり、1~3が多いということである。

2015-11-30_092948-crop.jpg 5のような例(つまり、件のスーパーの表示方法)のところがないのかと見てみると、Niftyの価格表示の説明では、小数点以下3桁まで表示するとある。

昔、費用を負担し合って実施する事業に関わったことがあるが、そのとき負担配分の計算では小数点以下まで計算し、印刷資料では1000円未満を四捨五入して表示したことがある。説明用資料では、計算過程も理解してもらうため、最終額だけでなく、配分比や中間の値も表示していたのだが、そうすると事業参加者から、計算が合わないと疑問を持たれたことがあった。
計算過程は小数点以下は表示していない、実際の計算はもっと長い桁で計算しており、最終額として示したものが正しいと説明していたが、なかなか納得しない人もいた。

中間で変に丸めを入れると、演算における結合法則、分配法則が成り立たない世界になってしまうわけで、計算順までルール化しなければならなくなる。それでは計算がややこしく、検算が困難になる。税の計算などでは、途中の丸めかたや計算順までルール化して「正確」にしたつもりだろうが、数学的には非合理この上ないし、情報処理を複雑にする(事務コストを高くする)。
十分な桁数で計算して、最後に丸める方が、はるかに精確さが期待できるわけだけれど、コンピュータがない時代にはそれができなかったということだろう。


なんとも割り切った表示というか、端数という割り切れない表示というわけであるが、もし端数切捨てということなら、「レシートを分けてください」という猛者が現れないのだろうか。


【追記】
有限桁で計算する場合、演算順によって丸め誤差の入り方が違う結果をもたらすから、実際には演算順には注意を払わなければならない。

たとえば、オーダーの違う数値の加減算は桁落ちを引き起こす。
大きな数A、小さな数eがあるとき、A+e-Aを、この順で計算すれば答えはeではなく、ゼロになる。


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Office 365 サブスクリプションの更新

去年の12月にPCを購入、日本だけの商品らしいハードウェア・バンドル型のOffice 365を使ってきた。
コンシューマー向けのOffice 365は、世界標準では2台のPCで同時使用できるSoloという商品が最低価格(年間12,744円)のようだが、ハードウェア・バンドルの [Office 365 サービス Office Premium搭載パソコン専用]という商品は年間6,264円(月あたり522円)と約半額である。

2015-11-26_142521m.jpg 私は、有料会員制サービスより買取商品の方が後腐れが無くて好きなのだけれど、Microsoftがソフトからサービスへとビジネス・モデルを変更してきているようで、これからはそういう時代なのだろう、それならバンドル版が一番安い(2台のPCを使わないのなら)というわけで、バンドル版を選択したのだった。

そして、来るものは来る。Microsoftからサブスクリプションの更新の案内。
1年使ってきて、既にOneDriveも20GB以上使っているから、今さらこれを止めるのもそれなりの手間になる。やめるとしても、もう少し先にしようと思ったので、素直に更新することにした。

ところが、このサブスクリプションの更新が結構わかりにくい。操作自体は言われるがままにクレジット・カードの番号を入れたり、ボタンをクリックするだけだから、別に難しくはないよ、しかし、これでサブスクリプションが更新されたのか、つまり、期限が2015年12月1日から、2016年12月1日になったのか、これを確認するのが心もとない。
更新のメッセージの出方がすごく不親切なのである。

更新操作が終了するとアンケートのページが出てきた。普通はこういうアンケートに答える気はないけれど、腹立たしかったので、しっかり回答した。不満、不満、不満、……。


もちろん更新手続き完了のメールも来る。
本製品は年額 \6,264 (JPY) の Office 365 サービス Office Premium 搭載パソコン専用 の 1 年間契約ライセンスです。本契約は自動的に更新され、毎年料金が課金されます。
……
あなたのアカウント情報や、OneDrive、Skype など契約に含まれるサービスは www.office.com/myaccount から管理できます。

2015-11-26_104051m.jpg で、何が不満かというと、サブスクリプションが更新されたことはわかるよ、毎年、自動更新で、6,264円を払わされることも良くわかるよ。だけど、私が今使っているPCにそれが反映されて、office365のバージョンアップが自由に行えるのは一体いつまでなの?
PCローカルで何か更新操作が要るの?

それに、アカウント情報画面もわかりにくい。

OFFICE 365 サービス JCB ****** \6,264
はわかるけれど、その上の

Office 365 サービス Office Premium搭載パソコン専用 プリペイドカード \0
は、いったい何?(もちろんシステムの都合だろうぐらい推察はつくけれど)
Microsoftのメイン・ストリームというべきサービスなのだから、もう少し丁寧な作り込みをしてもらいたいと思う。

それはともかく、OneDriveだが、Webサービスや、ビデオやオーディオのストリーミング・サービスができるようにしてもらえないかな。

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いよいよ師走

いよいよ師走。

先週あたりから、急激に冷え込んだように思うけれど、気象予想では今年は暖冬になるそうだ。
何でもエルニーニョがここ100年間で2番目くらいに強く、こういう年は暖冬になるという。

それはともかく、冬らしい風情として、庭のさざんか。
前に、さざんかが咲きましたと紹介したときは、下の方の枝で咲いていたけれど、樹の上の方にも花をつけている。

IMG_20151120_150954.jpg IMG_20151120_150954.jpg IMG_20151129_113136.jpg

IMG_20151129_113610.jpg 写真左は前の記事の再掲(18日前)、中は10日前、右が2日前。
今年は、なんだか例年より少し紅みが薄いように思う。肥料不足だろうか。

かと思うと、どうみても、これは季節外れだろうと思う花が、うちを向いにするお宅の植え込みに咲いている。
前にもとりあげたタカサゴユリ。花期は7~9月とされている。
1週間ほど前に咲いているのに気がついた。その左のピンクはオキザリス。

いずれもスマートフォン写真をトリミングしたもので、あまり良いできではないけれど、クリックで拡大です。

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