今年最後(?)の朝顔

IMG20240929082307-crop.jpg 昨日、ピンクの朝顔が咲いていた。
昨日は、町内の草引きもあって、外構に植えていたら雑草と思って抜いてしまったかもしれない。庭の中に植えたのでそういう間違いはなかった。

8月28日の「晩夏の朝顔」の記事で、朝顔の開花とともに、「それにしても、いつまで咲くんだろう」と書いているが、それから1ヵ月、また花をつけた。

ただし前掲の記事では青い花で、今回のものとは別株。その後、ピンクのほうも咲いた。はっきりしないが、それからさらに2週間ぐらいして昨日の開花となった。

この花が最後だろうと思うのは、青いほうはもう全体が枯れかかっているのでもうないだろうと思うし、ピンクのほうは今回の花は蔓の先端あたりについたもので、これ以上伸びるとは思えないから。

IMG20240929082314-crop.jpg それにしても「最後の」というのは難しい。「最初の」だったら気をつけてさえいれば最初の花をとらえることは難しくないけれど、「最後の」というためには、その後はまったく咲かない状態にならないとならない。「最後の」という言葉を開花とともに書くのは、なかなか難しい。

書いた直後に抜いてしまったらたしかに「最後」になるだろうけど。

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京都水族館(その3)~クラゲ

京都水族館をとりあげる3回目。
今日はクラゲに注目しよう。

昔はクラゲが水族館でそれなりのスペースに展示されるのは珍しかったと思う。
ただ、子供の頃に行った須磨水族園などでクラゲが展示されていて、なんだか心を惹かれたように思う。
つまり、クラゲというのは結構、子供の心はつかめる動物なのだと思う。

そのクラゲの水族館として有名なのは山形県の鶴岡市立加茂水族館で、私は行ったことはないのだが、NHK バックヤードでとりあげられ、世界中のクラゲ研究者が集まり、また彼らのための研究室も用意されている様子が紹介されていた。

こうした施設が公立で設立・運営されているということに感心する。行政改革とやらで公共施設への公費がどんどん減らされるなか、だから生き残りをかけてかもしれないが、ユニークな施設づくりに努力されていることは感動的だ。


京都水族館のクラゲ展示は、「京都クラゲ研究部」と称する人たちがやっているとのことで、展示スペースにはその「組織名」を掲げて、研究者・飼育員がたちはたらく姿も見ることができる。
水の中を漂っているように見えるクラゲだが、その飼育は結構難しいらしい。とにかくほっておけないようだ。
そのあたりは、前にも書いたが、生後1日目、2~5日目、・・・、20日の水槽を用意して、順に成長する姿を見せる展示でもわかる。

当然、成長に従って水槽を移していくのだろうが、1日目を2~5日目に移すのは問題ないが、2~5日目の次はどうやるんだろう。5日たっている個体は次の水槽に移せばよいが、移ってきた直後の2日目の個体はまだおいておかなければならない。クラゲ一匹一匹に個体識別のマークなどはつけていないようだから、大きさとかで区別しているんだろうか。


IMG20240902112649-crop.jpg クラゲの餌も展示してある。ブラインシュリンプというプランクトンだが、昔、熱帯魚の本を読んだとき、海水魚の餌としておすすめと書いてあったのを思い出した。乾燥した卵の状態で販売されていて、海水(塩水)につけて孵化させて与える。これもわざわざ展示してあった。

メインの展示水槽は、普通の水槽のほか、円筒殻状の水槽があって中に入って360°見回せるようになっているものがある。クラゲに囲まれているという雰囲気づくりをしているわけだ。

子供の頃、海水浴(埋め立て前の堺の海!)に行ったときにクラゲが出ていて、子供の私は気にもしなかったが、大人たちがクラゲが出ているからあがれといっていた。


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自民党の次期総裁が決まった

209085_03-crop.png 昨日、自由民主党の総裁選挙の投開票があり、次期総裁(多分次期首相)が決まった。
予想されたとおり、1回目の投票では過半数を獲得した候補がおらず、1位と2位の決選投票となり、1回目で2位の候補が逆転当選となった。

テレビの解説でも言っていたが、1回目1位の候補はタカ派丸出しで、それに危惧の念を持った人たちが2回目の投票ではそれを嫌ったという面があったのでは。
他にもいろんな推測がなされているけれど、私の推測ではタカ派すぎるのが票を集めきれなかった原因として一番大きいのではないかと思う。

なおこの候補はそれを少しでも薄めようとしたのか、経済成長が最も重要と強調していたが、一方で経団連が求めている選択的夫婦別姓は認めないと言っているから、なにがなんでも経済成長ということでもなくて、日本の(明治以来の)伝統の中での成長らしい。

この党には「日本の伝統」という人が多いようだが、この伝統というやつはほとんどが明治以降、とりわけ軍部が力をもったころに強化されたしきたりが多いのではないか。そういう人たちにしてみれば「虎に翼」(NHK朝ドラ)などはケシカランとなるだろう。


そして次期総裁になる人は、私の印象では、どちらかといえばタカ派に近いのだけれど、集団安全保障が持論だったと思うが、今回もアジア版NATOとかを言っている。その実現性についてはよくわからないが、日本・東南アジア諸国、さらに広げて米国、オーストラリアなどの環太平洋諸国まで巻き込んだ体制が考えられているとしたら、ロシアがNATOを敵視するのと同じ構図が、アジアでは中国を敵視する構図で立ち現れることになるのだろうか。

1回目の投票でこの2人に次いで3位となった候補は、選挙戦の当初はなかなかの勢いだったようだが、終盤で失速。やはりたよりない印象がぬぐえなかったようだ。
彼のお父さんも、50歳になってからで良いというようなことを言っていた。

お父さんは原発反対だけれど、この若い候補はどう考えているんだろう。


私は候補者について誰一人よく知らないし、自民党の党員でもないから、傍観者にすぎない。
米国大統領選も傍観者でしかないが、どちらの選挙も、傍観者にも多大な影響を与えるに違いない。

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京都水族館(その2)~「京の川」とサンショウウオ

随分久しぶりになったが、京都水族館をとりあげる2回目。
今日は入館して最初の展示である「京の川」から。

「京の川」は川の上・中・下流に区分し(といってもつながっているようだ)、それぞれに棲息する魚を配置している。
水が綺麗で、魚がたくさん泳いでいるのだけれど、どれもきらきらとし、色のはっきりした魚はその色がよくわかる。

展示のため当然だけれど、おそらく自然の川はこんなに透き通っていないだろうし、魚の密度ももっと低いと思う。逆に言えば、それだけの生き物を健康に展示するのはかなり努力しているのだろう。

私としては鮎が見たかったけれど、縄張りを持ち苔を食べる鮎は同じ水槽にたくさん入れるのは難しいのかもしれない。


なお淡水魚の展示は、館内のカフェの壁に埋め込まれた水槽などにもあって、結構、多くの人が立ち止まって見入っていた。

IMG20240902105528-crop.jpg さて、その「京の川」のゾーンにはサンショウウオの展示がある。
1匹だけの水槽、4匹がかたまっている水槽がある

下村実「水族館飼育係だけが見られる世界」の中で、この展示について、「オオサンショウウオってなあ(気持ち悪いぞ)」「気持ち悪いなあ(ストレートに)」「よその水族館で見たことあるが、全然動かないぞ(面白くないぞ)」と反対意見が多かったようだが、私はこの展示は英断だったと思う。

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IMG20240902105706-crop.jpg サンショウウオの水槽から、少し行くと、高さ目盛りのついたボードに、実物大のサンショウウオのぬいぐるみ(?)が立てられていて、来館者と背比べできるようになっている。
私も立ってみた。

カレル・チャペック「山椒魚戦争」というSF小説がある。山椒魚が知性を持ち、人類と対峙するという話だが、その小説を着想したのは、山椒魚の化石が人間のものと誤認された事件があったからと小説の解説かなにかで読んだ憶えがある。
骨の形・配置が人間に似ているかどうかはともかく、この大きさは人間っぽい。

下村実「水族館飼育係だけが見られる世界」で下村氏が力説して展示となったようだが、結果、山椒魚がこの水族館の一番のスターではないかと思う。
展示スペース自体は決して大きくはないけれど、山椒魚にまつわるものが随所にある。
前述のサンショウウオとの背比べもそうだが、ミュージアムショップで売られているグッズ類もサンショウウオがテーマになったものが多い。
私も入館記念にサンショウウオのぬいぐるみを買った。ただし一番小さいもの。
またお昼を館内のレストランで食べたのだけれど、それもサンショウウオのきつねうどんだった。

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哺乳類の母親

0歳息子抱いて…目前に3頭が
 21歳母が“クマ撃退”どうやって?

 岩手県の自宅近くでクマに遭遇したのは斉藤歩叶さん(21)と生後1カ月の長男・桜虎ちゃん。
(クマに遭遇した斉藤歩叶さん)
「犬がすり寄るような『クゥーン』みたいな、甘える時に出すような声があるじゃないですか。それが聞こえたんですよね、結構近めに」
 3頭のツキノワグマが現れ、そのうちの1頭が向かってきたのです。
 その時、取った行動は。
(クマに遭遇した斉藤歩叶さん)
「蹴るという行為に出ちゃったんですよね。ドンピシャで来たサッカーボールを蹴るみたいな感じですかね」
 斉藤さんは元自衛官。クマがひるんだ隙に桜虎ちゃんを抱えて逃げ、無事でした。
(クマに遭遇した斉藤歩叶さん)
「(息子は)まだ生まれて1カ月ちょっとで、やっと母親という自覚が芽生え始めた時だったので、この子だけは守りたいという気持ちですね」
テレビ朝日 2024/9/20配信
先日、0歳の赤ちゃんを抱いた母親が突然現れたクマを撃退というニュースがあった。

「犬が人を噛んだではニュースにならないが、人が犬を噛んだらニュースになる」という言葉があるけれど、クマの場合は、どちらでもニュースになるようだ。

このニュースの場合、母親は元自衛官ということで、戦闘訓練なども受けていたのだろうが、それにしても凄い。おそらく子供を守ろうという一心で咄嗟にでた行動だと思う。

クマが特に危険な状況は、子育て中の母クマに遭遇した場合と言われる。
母クマは子供を守るために俄然攻撃的になる。

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これはクマに限らず、哺乳類の母親一般にあてはまるらしい。

先日、娘が2歳の孫を連れて家に来た時、孫にプロジェクターの大画面で映画(冒頭のみ)を見せていたら、娘の抗議を受けた。なんでもテレビ映像は刺激的で見せないようにしているとかで、ましてや大画面のプロジェクター映像を見せるなどとんでもないというわけだ。
ヒトの母親も同様ということだ。


このところクマが人間を襲ったという報道が頻繁にある。
多くは、やはり子連れの母クマのようだが、ひょっとしたら人間という獲物を狩る個体もいるかもしれない。
「OSO18(オソ18)」と呼ばれるクマは、2019年から4年間で牛65頭を襲って肉を食べたという。これはこの個体に限るものではないらしく、最近も、他のクマが子牛を襲って肉を食べたという報道があった。

クマは雑食性と言われてきたが、肉食獣だと考えて警戒が必要なのかもしれない。

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口腔洗浄器を購入

20240916waterfross.png 口腔洗浄器を購入した。
強い水流を噴射して、歯の隙間などを洗い流すというものだ。

以前から興味はあったけれど、今回購入しようと決めたのは、先日の歯科健診の記事にも書いたように、歯間ブラシが入りにくくて歯茎を傷つけ、そこが膿んだりすることがあるので、口腔洗浄機だったらそういうことはないだろうと思ったから。

口腔洗浄機といってもいろいろあって、高価なものは2~3万円もするが、購入したのはAmazonで2,999円で売られていた中国製。この程度の価格ならダメ元かなと思って。

機器は単純なもので、ノズルを取り付けて、タンクに水を入れてスイッチを入れるだけ。
であるが操作は難しい。
スイッチを入れたとたんに強い水流が飛び出してくるから、口の中に入れた状態でスイッチを入れないとあちこちに水が飛び散ってしまう。最初に使ったときは、それこそ洗面台全部をびしょびしょにしてしまった。

3種類のノズルがあるが、基本は先が少し傾いだタイプ(他はブラシ付きと舌苔とり用)。この傾いだ方向はどこにするのが使いやすいか、結構悩んだが、電源スイッチの側に向けるのが良さそう。多分どちらでも良いのだろうが、一定の場所にして慣れることが大事だと思う。

水流には、ノーマル、ソフト、パワー、そしてパルスがあるが、パルスが一番使いやすい。パルス、すなわち間歇運転だと停止しているときに隣の歯間にうつるリズムをとりやすい。

口腔洗浄機では強い水流のため歯茎が痛むことがあるという情報もあったが、たしかに衝撃はあるが痛くてたまらないというほどではなかった。

使いだして一週間、未だ慣れ切ったとまでは言えないが、概ね要領はわかってきて、洗面台に水をぶちまけるようなことはなくなった。

ただ、この口腔洗浄機だけで歯間ブラシの代わりになるのかはよくわからない。
口腔洗浄機だけやれば他は不要というのなら嬉しいが、ネット情報をみても、歯間ブラシ→口腔洗浄機→電動歯ブラシというコースが推奨されている。

気持ちだけかもしれないが、その気持ち分が3,000円弱で良いなら安いものかもしれない。

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アルキビアデスは笛が嫌い

Bust_Alcibiades_Musei_Capitolini_MC1160.jpg アルキビアデスは古代ギリシアのアテネの政治家である。
塩野七生「ギリシア人の物語」では、第2巻に登場する。それも何度も。

Wikipediaでも立項されているけれど、「ギリシア人の物語」ほどの分量はなく、軽い扱いになっている。


そのアルキビアデスをとりあげたのは、彼が笛が嫌いだったという話があるからだ。

この話、てっきり「ギリシア人の物語」にあったと思って、その電子書籍を何度も検索したが見つけられなかった。それもそのはず、私の記憶違いで、これはプルタルコスの「英雄伝(対比列伝)」にあった話である。


「英雄伝」には次のように書かれている。
 また勉強に通う年頃になると、たいがいの先生の言うことはきちんと聞いていたが、ただ笛を吹くことだけは、くだらんし、とても自由人のやることじゃないといって練習をさけようとした。彼の言い分によると、たて琴とばちとをかきならしたところで、べつに自由人らしい見目かたちをぶちこわしたりはしないけれど、笛吹く人のゆがんだ口もとを見ると、親しいものたちにさえも顔の見分けがまるでつかなくなってしまう。おまけに、たて琴は、ひき手の言葉や歌にあわせられるが、笛は吹き手の口をとざし、ふさいで、声も言葉も出なくしてしまうからだ。さらに彼は、こうも言った、「テーベの子なら笛も吹け。あいつらはしゃべりかたを知らんのだから。だが、おいらアテナイのものには、親たちが言ってるみたいに、いや気さして笛なんぞはほうりすてた祖神アテナがいるし、笛吹きの皮をひっぱいじまった守り神アポロンもいるんだぞ」と。こんなことを、ふざけ半分、本気半分に言って笛を習うのをやめたばかりか、他の連中までも引きずりこんで、やめさせてしまった。それは、「アルキビアデスは笛を吹くのが大きらいで、そんなことを習っているものをひやかしている。えらいもんだな」という言葉がたちまち子供のあいだにひろまっていったからだ。
 こうして、笛は、自由人の身につけるべき芸事からばったりと影を消し、まるっきり相手にされなくなってしまった。

村川堅太郎編「プルタルコス英雄伝」(ちくま文庫) 安藤弘訳『アルキビアデス』

※アテナは笛(アウロス)を発明したが、彼女が笛を吹くと、顔が歪んでしまうことに気づき笛を捨てる。
 その笛を拾ったのがサテュロスのマルシュアス。ただしこの笛はフルートではなくオーボエ族らしい。
アポローンとマルシュアースの音楽合戦
※対比列伝でアルキビアデスに対するローマ人は、マルキウス・コリオラヌース


いろいろ理屈をつけて笛を貶めているわけだけれど、嫌いというのがまずあってそれを正当化しようとしたのだろう。

古代ギリシア人としてはピタゴラス及びその弟子も笛を嫌っていたという話がある。
ピタゴラスはピタゴラス音階の実験には弦楽器だけではなく笛も使ったというから、必ずしも笛をそれほど忌み嫌ったとも思えないのだけれど、パンフルートならいざしらず、普通の指孔がある笛の場合は、弦の場合の弦長と音高の関係のような綺麗なものばかりでなく、ハーモニクスによる音高の決定もあるから怪奇と感じたのかもしれない。

さて、アルキビアデスは笛が嫌い、と言う話をとりあげたのは、他でもないこの私も笛はあまり好きじゃなかったからである。

ただしギリシア神話でマルシアスが吹く笛はアウロスと呼ばれるもので、どうやらオーボエ族(ダブルリード)で、フルート族ではないようだ。アウロスというリコーダーメーカーもあるけれど。

中学校では吹奏楽でフルート、ピッコロを担当し、長いブランクを経て今またフルートの練習をしたりしているけれど、それにもかかわらず、というかそれだからこそフルートが好きではなかった。
好きでなかった理由は、何と言っても自分の出す音があまりに貧弱だったから。そしてそれを正当化するように、フルートの音はアホっぽいとか言って、モーツァルトの協奏曲は第一がピアノ、次いでヴァイオリン、そしてクラリネットという具合で、フルート協奏曲はあまり聴いてこなかった。

そして今でも、ピアノやヴァイオリンの協奏曲のほうが好きではあるのだけれど、フルートもちゃんと練習するようになってから、フルートも悪くはないと考えるようになった。

KV314-1-crop.jpg フルートの音は、オーケストラでは最高音域を受け持つという言い方をしたり、高音が魅力的という人も、音楽の専門家の中ですらいるのだけれど、本当はフルートの魅力は低音にあると私は思う。そしてしっかり芯のある低音が出せることが私の目標である。もちろん第1オクターブの低音と、第3オクターブの高音をどちらもしっかりとした音で急速に行き来する演奏がカッコ良い。
モーツァルトの協奏曲では頻出するところである。(右:ニ長調 KV314)
これがしっかり鳴らせれば、フルートも悪くない。

アルキビアデスが「笛吹く人のゆがんだ口もとを見ると」と言っているけれど、フルートでは普通そういう姿にはならない。そうなるのはオーボエ族ではないかと思う。そういえばオーボエ奏者は演奏中、鼻の孔が丸見えになっていることが多い(とくに女性奏者)。欧米の演奏家は鼻が高いからかそこまでにはならないようだが。

ということでフルートが少しは好きになってきた私だが、フルートについて書くときはアルキビアデスの名前を借りるのもおもしろいと思う。

アルキビアデスは絶世の美男子だったそうだから、そこは私とは違うのだけれど。


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アナニアシヴィリの「白鳥の湖」

久しぶりにアナニアシヴィリのこと。

414ymJe5lXL_AC_.jpg 彼女がオデット、オディールを演じた「白鳥の湖」のDVDを購入した。
といっても、この公演のビデオはYouTubeで見ている。

YouTubeにあるのになぜ買ったかというと、わずかでも精細度が高いもので見たいと思ったから。

YouTubeに上がっている動画の解像度は676*480で、DVDは720*480である。

解像度だけ見れば大差ないが、ビットレートなど他の要素もあって、DVDはmpegで収録だから少しは上であろう。
お金をだすほどの差ではなかったけれど。

やはりブルーレイが欲しい、とはいっても残念なことにそういうソフトが見当たらない。
ブルーレイは「ニーナ・アナニアシヴィリの軌跡」ぐらいしかない。

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DVDのスクリーンショット
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YouTubeのスクリーンショット
不思議なものでYouTubeの動画を見ているより、DVDで見るほうがやはり落ち着いて鑑賞できる。

YouTubeの動画の音質というか演奏はイマイチだと思っていて、どうしてバレエの伴奏は質が落ちるのかと訝しく思っていたが、DVDだとそれほどひどくは感じなかった。なお演奏は新星日本交響楽団。日本公演を収録したものである。

1992年の公演だから、アナニアシヴィリは39歳。完璧なオデット、オディールである。
以前、特にオディールの演技、目の動きにまいったと書いたけれど、この公演ではその記事に書いたような妖艶さはそれほど出ていない。その代わりものすごい技術に目を見張る思い。

しばらく彼女の演技を見てなかったので、あらためて凄さを感じた。

オデット、オディール … ニーナ・アナニアシヴィリ
ジークフリート王子 … アレクセイ・ファジェーチェフ
ロットバルト … セルゲイ・ゼゴルーリコ
王妃 … ヴェラ・ソコロフスカヤ
道化 … アンドレイ・シチェルビーニン
パ・ド・トロワ … Y.マーシュキナ、G.フロロワ、V.ポレシチューク

指揮:アレクサンドル・ソトニコフ
演奏:新星日本交響楽団

【スタッフ】
原振付:アレクサンドル・ゴールスキー、レフ・イワノフ、マリウス・プティパ
振付・演出:ニコライ・ボヤルチコフ
音楽:ピョートル・チャイコフスキー
美術:M. アジジャン

【収録】
1992年10月 オーチャードホール


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「食料危機の未来年表」

610yUZLzbL_SL1500_.jpg 高橋五郎「食料危機の未来年表 そして日本人が飢える日」について。

衝撃的な数字が示される。
日本国の食料自給率は18%。

これは著者が独自に算出したもの。政府が発表しているのは食料自給率は38%である。
38%でも十分低いようにも思うけれど、それをはるかに下回る18%とは。

著者算出の食料自給率はカロリーベースというものである。これは動物性食品や加工食品については、その生産に投入される飼料・原料などの自給状況もふまえたものだという。ちなみに日本の畜産物の資料のほとんどすべてが輸入に頼っているとのことだ。

政府算出の自給率はどうなのかというと、著者によるとどうも算出方法には曖昧な点があるようで、そのこともあって独自に計算が必要だったという。


この日本国のカロリーベース食料自給率18%は世界の中でどうなのか。これについても著者は世界182ヵ国の数値を同じ方法で算出している。日本国は128位である。

■主要国のカロリーベース自給率
   (全穀物・全畜産物)

順位自給率(%)

6ラトビア190.6
7リトアニア185.2
10オーストラリア167.8
11カナダ166.5
13エストニア152.0
16フランス122.3
17アメリカ121.6
18ハンガリー117.9
31ポーランド101.5
40スロバキア89.3
42チェコ88.9
44フィンランド86.2
45トルコ86.2
55スウェーデン79.6
58中国 (本土)74.6
60デンマーク74.0
76ドイツ60.7
85スペイン55.4
87オーストリア54.5

※主要国:OECDと中国
91メキシコ48.3
96ノルウェー43.5
98イギリス41.1
100ニュージーランド40.2
101イタリア39.2
105ギリシャ34.8
107スロベニア32.6
110コロンビア30.9
112スイス28.7
116アイルランド25.7
119ルクセンブルク23.7
123チリ22.3
128日本18.0
130ベルギー16.9
133韓国13.9
136ポルトガル11.3
141コスタリカ6.3
147アイスランド5.2
148オランダ4.7
150イスラエル4.2
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はじめに
 
序 章 飢餓未来年表と世界の食料自給率
飢餓へのカウントダウン /日本は「隠れ飢餓」の国 /人類全体の食料自給率は85%
 
第1章 飢餓の世界化
食料危機は世界の現実 /食料危機の定義 /人類が必要とするカロリー≒穀物の量は? /穀物消費量でみる4つのタイプ /「穀物支配国」の動向 /奪われ続ける貧困国と「飢餓輸出」 /アメリカの穀物生産に異変も /食料危機の責任はだれに?
 
第2章 国民が知らない日本の「隠れ飢餓」
食べたいものを食べられる日常はいつまで /日本政府は有事を想定しているのか? /農家従属命令 /政府が発表する食料自給率38%の闇 /重量ベースと生産額ベースという自給率 /本書試算による日本の食料自給率は18% /各国の食料自給率からわかること /貧困の中の高自給率 /注目すべきタンパク質自給率 /ベールを脱ぐタンパク質覇権国家 /日本のタンパク質自給率は世界155位
 
第3章 現代の食料システムの限界
世界の耕作放棄地は1億ヘクタール以上 /世界の耕地70%を支配するのは大規模農業経営者 /フードメジャーの存在 /国際サプライチェーンの分断 /自由貿易で食料危機は解決しない /畜産物の増産は可能か /規模拡大論だけでは行き詰まる /日本の食料問題は外交問題 /アメリカの対日農業戦略 /飢餓問題に取り組む組織の現状
 
第4章 飢餓人口シミュレーション
穀物の生産・消費長期予測 /世界穀物生産は2039年がピーク /食料危機の震源はアフリカだけではない /日本のXデー /100万人の餓死者 /気象専門家の警告
 
第5章 世界の飢餓対策
貧困国に国連農場を /耕作放棄地の把握と整備を /飼料向け穀物を半分に /先進国による100・200目標 /遺伝子組換え作物とゲノム編集食品 /若者を惹き付けるスマート食料供給システム /農地土壌改良の新技術 /代替畜産物の可能性 /化学肥料・化学農薬の削減 /気候スマート農業 (CSA)を超えて /10億トンの「食品ロス」の解消 /市場原理のジレンマから脱却 /市民・農家株式契約システムの導入
 
第6章 日本の「隠れ飢餓」脱出計画
日本の穀物生産は消滅の危機に瀕している /農業就業者50万人に備える /「農地所有適格法人」の無意味さ /志ある農家を邪魔してはならない /海外のプロ農家にトビラを開けよ /中国でさえ資本制企業の農業参入を自由化 /農畜産物生産費統計の公開をやめよ /理想はデンマーク農業 /日本は新時代の農地開放を
 
おわりに
 
主要参考資料(本文に掲載したもの以外)
巻末資料「本書主要データの根拠について」
もう一つ著者が算出している自給率にはタンパク自給率というのがある。これは摂取タンパクのうちどれだけが自給されているかというもので、日本は27.1%だそうだ。体を維持するのに必要な栄養素であるタンパク質に特に注意をはらったものだ。

こうした食料を輸入に頼る状態を「隠れ飢餓」と呼んで警鐘を鳴らしているわけだが、それには今後、思うように輸入ができない状況が考えられるという理由がある。
本書によると、貧しい国は食料自給率に高い数値が出るのだが、それは食料を外国から買うお金がないからであって、そうした国の国民の摂取カロリーは必要量を下回っており、多くの国民が飢餓状態にあるという。
本書には最初に「未来の飢餓年表」という将来を予測した年表が付いているのだが、それによると日本国の食料自給率は2035年:20%、2040年:25%、2050年:30%と上昇するが、それは買い負けで輸入が減少するからとされている。

この年表にはいろいろショッキングな予測が載せられている。たとえば2035年には東京の最高気温は45℃になるという。


本書では飢餓を避けるための政策提言もされている。
なかでも強く主張されているのが農地法の廃止である。ちょっと長くなるけど引用しておこう。
 日本は新時代の農地開放を
 日本の農業再生のために残された最後の手段は「農地開放」であろう。日本の農家の戦後は農地解放から始まった。地主に雇われて農地を小作する小さな農家は、貧乏と働きすぎから一家の大黒柱が早死にするなど悲惨をきわめた。その清算が農地解放、法律名は「農地法」(1952年)であった。
 この法律のおかげで制度的な地主・小作関係が解消され、どの農家も農地所有権を手に入れることができた。国民にとっては主食のコメが手に入りやすくもなった。第2次世界大戦後の農地解放はそういう貢献をした。
 しかしそのおかげで豊かになった農家はごく少数で、30アール・50アールを手にしたところで家族を養うことは難しかった。だから農業以外の働き口があれば、隣近所が奪い合うほど農業以外の仕事には飢えていた。次第に出稼ぎや在宅しながらの通勤兼業の口が増えていくと、農業は衰退する一方となるのは時間の問題だった。
 農地解放を政策的にひっぱった農地法だったが、食料生産をめぐる環境は様変わりをし、その役割もそろそろ終わりに近づいた。時代の変化にそぐわなくなったのである。この法律は日本国籍の農家以外には農地の所有を認めず、農家にだけその恩恵を閉じ込める意味で国民全体から見れば不公平、土地という公共財を特定の伝統的集団の利益に絞る日本最大の利権保護法という一面を持っている。その農家数は減り、農業の担い手は減り、農村から若者や子どもの姿が消えていったのに、この法律だけが変わらないまま生き残った。
 最近改正された農地法の中身には、既述のような農業法人経営を増やそうとの意図もうかがわれるが、現在、非農業分野から農業経営に参入する例は、まれであるといえるほど限られる。それなのに、都市から参入する法人にまで地域のさまざまな慣行に従うことを強制する「地域との調和要件」などという、農村の古いしきたりに順応すべきだとの政策を前面に出す。筆者は、このようなしばりをかけようとする役所の神経を疑う。 都会の若者や経営者の大部分は、ともかく農村の古い慣行やしきたりを嫌う。
「農地法」の農水省担当部署がつくっているさまざまな説明文を読むと、それらからは次のような官僚主権意識・明確な国民不信感が伝わってくるのは筆者だけだろうか。
 ・農地は法律で厳しく管理しないと効率的に使われない
 ・農業をする者の資格を法律で管理しないと農業が衰退する
 ・農地所有権は農家以外に渡してはならない
 ・農地と農家のことは農水省が管轄し、他省庁には渡さない
 農地所有権も耕作権(農業権)もすべての国民に門戸を開くべきであり、それが最も「農地を効率的に利用する」(改正農地法第1条) 最良の手段であるはずだ。要は、国民を信頼するかしないか、減る一方の農家の手取り足取りの管理を止めるかどうかの問題である。
 農家自身も、そろそろ農地から「解放」してほしい、と思っているのではなかろうか。「農地法」という法律には、小手先の「改正」よりも、もっと早めにやるべきことがある。それは、どの政党もなぜか守ることしか考えない点では一致する「農地法」を廃止すること、すなわち一般社会への制度的な農地開放である。

著者は中国農業にも詳しいのだが、人民公社などは昔の話、今は会社組織での農業が伸びているのだという。

なお著者は大規模農業が良いと言っているわけではない。むしろフード(穀物)メジャーによる大規模農業には批判的である。


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庭のくちなし2024

IMG20240920082328-crop.jpg 今年も庭のくちなしが咲いた。
このくちなしを記事にするのは3年連続である。

であるけれど、今年のくちなしはずいぶん萎縮した花である。
過去2年のくちなしはいずれも「凛とした」花と形容していたのだけれど、今年のは大きさも小さく、花弁のそろい方ももう一つ。

去年の写真と比べていただきたい。


であるけれど健気に花を咲かせたことはほめてやりたい。何と言っても全然世話などしてこなかったのだから。

肥料をやるとかもう少しきちんと世話をすれば、また凛とした花をつけるだろうか。

IMG20240920082306-crop.jpg


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関西懇親会2024

o1123084214842205452.jpg 昨日「関西懇親会」なるものがあった。
この会合は、10年ぐらい前から毎年やっていたけれど、2020年にコロナ禍で中止になって、それ以来だから5年ぶりとなる。

メンバーは私のかつての仕事の同業者が主で、大分県、鳥取県、兵庫県、京都府、奈良県、そして大阪府の当時の同業者たちが、なんとなく集まって飲むもの。常連でも来れない人もいるが、昨日は総勢9名だった。

昨日は「豚匠 心斎橋邸」というところで開催した。
京都がよいか大阪が良いか意見を聴いたところ、結局大阪でやるということになり、それならと大阪メンバーである私に店を選ぶように、言い出しっぺから指示があり、その言い出しっぺさんは、ホテル日航大阪に宿泊するというので、ミナミの店で、なにより9名が周りに迷惑をかけずにワイワイガヤガヤできる個室のあるところという条件で探した結果。

後から考えて、今なら梅田、それも開業したてのグラングリーン大阪あたりにしたらよかったかもしれない。


久しぶりの大酒。ビール×2、日本酒、焼酎。
二次会は、ホテル日航のバーで。

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眼鏡を誂えた

20240918meganeichiba.jpg 先日の眼科健診で出してもらった眼鏡の処方箋を先週、眼鏡店に出していて、昨日出来上がったので取りに行った。

処方箋があるので選ぶのはフレームとレンズの材質(屈折率)、若干の機能追加である。
フレームは基本的に軽いものが良いと思っていたが、レンズの保護を考えるとフレームが上だけのものより、全周にあるほうが良いということで、そのタイプにした。
レンズの材質は屈折率によって3段階ある。屈折率が高いほどレンズは薄くなる。これは強度も考えて、中間のものを撰んだ。
機能追加というのは、傷防止、ブルーライトカットとかで、ブルーライトカットを追加した。

ブルーライトカットが本当に効果があるのかは半信半疑だが、眼に悪いということはないだろうから、そうそう眼鏡を作ることもないからプラスしてみた。


前の記事にも書いたが、作った眼鏡は中近用というもの。
私は老眼と乱視の矯正用で、車の運転などは肉眼で問題ないが、本を読むとき、とくに楽譜を見るときに見えにくいと言ったら、医師がそういう用途なら中近が良いだろうとのこと。
着けてなくても見えないことはないけれどと言うと、それは眼が無理をしているからとびしっと言われた。

IMG20240918181035-crop.jpg できあがった眼鏡の付け心地、見え心地だが、眼科で同じ仕様のレンズを掛けてしばらく様子を見たときに、スマホ画面の小さい文字を見て、こんなに良く見えるのかと驚いたのだが、眼科ではちゃんと眼鏡にするともっと良く見えるという話だった。
実際に確かめたところ、手元の新聞やスマホを見るのは全く問題ない。乱視の矯正が効いているかrもしれない。
PCの画面も非常に見やすい。手を伸ばしてキーボードを打ちながら画面を見ているが、これもよく見える。

ではあるけれど室内でテレビを見ると、上目使いで見るようにしないと見にくい。レンズ上辺は老眼鏡の1.5だが、真ん中あたりは2.5~3.0ぐらいになっていると思う。中というのは1mぐらいのところに合わせているのではないだろうか。

ということでちょっと不満ではあるが、しばらく様子をみてみようと思う。処方箋に出来上がったら検査のために眼科へ持ってくるように書いてあるので、そのときに相談かな。
なお眼鏡店は、半年以内なら無料でレンズ交換をするので、眼科の処方箋を持ってくるようにとのことだ。

眼鏡の作製費は23,000円弱と結構な価格。今までホームセンターとかでぶら下がりで売っているリーディンググラスばかり使っていたから、それらと比べたらとんでもない高額商品であるが、それだけのことはあると思う(でないと情けない)。

ちなみに家人も同時に眼科で処方箋を書いてもらって同じ店で眼鏡を誂えた。
家人はなんと普通の眼鏡だけでなく、サングラスも同じ仕様で作っている。2本で40,000円ぐらいだった。
家人は白内障の手術もすすめられているので、そうすると見え方がまた変わってくる。6ヵ月以内なら再調整を無料でやってもらえるから、そうするかもしれない。

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中秋の名月2024

20240917IMG_0171-crop.jpg 昨日は中秋の名月。

ほとんど雲もなく、くっきりとした満月を拝めた。
ではあるけれど、実は天文学的に言えば、満月は今日9月18日だそうだ。

昨日の月齢は14.4、今日の月齢は15.4となっている。

新暦旧暦月齢

2024/9/162024/8/1413.4
2024/9/172024/8/1514.4
2024/9/182024/8/1615.4
2024/9/192024/8/1716.4

暦(旧暦)は新月(月齢0)を含む日を朔日(1日)として始めるから、15日の月齢は14になることも多い。

20240917IMG_0173-crop.jpg 去年の記事ではそのことには触れていなかったが、2023/9/29(旧暦8月15日)の月齢は14.4、9/30の月齢は15.4だから、去年も同様だった。

このように中秋の名月をありがたがっているが、だからといってお供えなどはやはりしていない。
かぐや姫とはとくに縁もないからしかたがない。

次の月見は10月15日(旧暦9月13日)、「後の月」。
憶えてたらまた見よう。

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「この価格でこれ以上旨いワインは造れない!」

41UgdnIb0JL_AC_SY550_.jpg IMG20240916181048-crop.jpg
ポール・マスというワイナリーのクロード・ヴァル(赤 2022年)というワインを飲んでみた。
久しぶりに牛ステーキにしたので、ワインも買っておこうということでワインの棚を見ていたら、「この価格でこれ以上旨いワインは造れない!」という宣伝文句が眼に入った。1,250円。
このメーカーを知っているわけでもなんでもないが、試してみようと思って、安いものだからと買ってみたわけだ。

ワインというものは、日本でいう地酒みたいなものだと思っていて、今までブランドを気にしたことはない。しかしこの宣伝文句ならということで、この言葉で検索をかけてみた。
そうするとけっこうこのワインについて書かれたページを見つけることができる。

それではと、フランス(このワインはフランス産らしい)のページの検索も考えて、メーカー名(Les Domaines Paul Mas)で検索してみた。
その結果、この商品は4~5ユーロ(フランスの消費税別)で売られているようだ。日本円なら624~777円である。
ネット通販では810円というところもあるが、配送料が800円ぐらいかかる。Amazonでは1,320円ででていたりする。
ということでスーパーの1,250円はまあ普通の値段。

飲んでみたところ、全然クセがなくて飲みやすい。

ワインに関しては、まずいものはわかるけれど、おいしさはよくわからない。
なんだか昔聴いた話で、ブスの評価は一致するが、美人の評価は割れる、というような感じ。


1,000円を切っていたら定番にしてもいいかな。

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「平家物語 解剖図鑑」

91GTsTUbieL_SL1500_.jpg 野中哲照(著),ほしのちなみ(イラスト)「平家物語 解剖図鑑」について。

私でも「平家物語」を読んだことはある
だが結構ごちゃごちゃしていて読みにくかった憶えがある。

吉川英治「私本太平記」も続けて読んだせいか、それともごっちゃになっている。

その記事に「全体に平家方に同情的で、源氏の方の大将たちはおそろしげな印象を受けてしまう」と書いているが、本書では、平家物語というのは、平家への哀惜の思いと、源氏が武家の棟梁であると称揚する麺の両方が重なっていると説明している。
著者は文体においても、「平家が源氏に〇〇された」というものと、「源氏が平家を〇〇した」の2通りがあると指摘し、平家を主にした書きぶりと、源氏を主にした書きぶりがあると指摘する。

そう言われれば、あのごちゃごちゃ感も納得できるように思う。「平家方に同情的」と思ったのは、おそらくそちらのほうが印象的に語られていたからだろう。

序章:5分でつかむ平家物語
1『平家物語』の主題は無常観ではない!
2「テーマ」で見る『平家物語』
3『平家物語』を俯瞰する
 
1章:平家の増長と政情の不安定化(1131~1171年)
平清盛の運命 /平忠盛の昇殿 /平家の繁栄 /延暦寺の増長 /平家の乱暴狼藉
 
コラム1:成り上がり者の時代
2章:鹿の谷事件のてんまつ(1175~1179年)
鹿の谷の陰謀 /白山騒動と山王騒動 /謀反の露見 /藤原成親父子の処遇 /藤原成親の惨殺 /仏法の衰退 /鬼界が島の流人 /俊寛の悲劇 /安徳帝の誕生 /流人たちの行く末
 
コラム2:伊勢平氏と河内源氏
3章:治承三年の政変と頼政挙兵(1179~1180年)
重盛の早世 /治承三年の政変 /高倉院の厳島御幸 /源頼政の挙兵 /三か寺の去就 /宇治橋合戦 /頼政/以仁王の最期 /福原遷都
 
コラム3:名寄せはハイライト
4章:頼朝挙兵と清盛死去(1180~1181年)
源頼朝の挙兵 /文覚の教唆 /富士川合戦 /還都と奈良炎上 /高倉院崩御 /木曾義仲の挙兵 /清盛死去 /一変する清盛の評価
 
コラム4:2つの頼朝挙兵譚
5章:木曾義仲の栄光と挫折(1181~1184年)
横田河原合戦 /平家勢の北国進撃 /倶利伽羅合戦 /斎藤実盛の最期 /延暦寺の去就 /平家一門都落ち /政権交代 /頼朝と義仲 /平家方の復活 /法住寺合戦 /義仲包囲網 /義仲の最期
 
コラム5:源平の三大合戦の虚実
6章:源平の三大合戦(1184~1185年)
瀬戸内の攻防 /三草合戦 /一の谷合戦 /平家の公達の最期 /三種神器と平重衡 /平維盛の最期 /藤戸合戦 /義経の屋島奇襲 /屋島合戦 /壇の浦合戦 /平家一門の滅亡
 
コラム6:『平家物語』2つの終わりかた
7章:平家滅亡とその供養(1185~1221年)
神器と捕虜の上洛 /義経の鎌倉下向 /戦後処理 /義経の苦境 /平家断絶 /徳子の出家 /徳子の往生
本書は平家物語の主たる段をとりあげて、軽妙なイラストとともに見開きページで解説するというスタイルで一貫している。

イラストは、平家はネコ、源氏はイヌ、公家はタヌキ、皇族はタヌキで表している。


本書は、平家物語の人物造形や語りはかなり主観的に歪曲されていると指摘する。代表的なのは、平重盛の造形で、驕り高ぶる平家の中で、重盛は良識的であり、強引な清盛を諫め抑え、人々に慕われたというもの。しかし実際には、清盛の悪行とされるものには史実では重盛が行ったものがいくつもある。

NHK大河ドラマ「新平家物語」でも重盛はそのように描かれていた。


また、人物造形だけではなく、とりあげられる多くの事件の配置は、ストーリーを盛り上げるために時期や順序がずらされているという。
本書のありがたい点は、前述のように、物語が造形・歪曲したところを逐一指摘し、史実ではこうなっていると説明してくれるところである。

大河ドラマでも史実との比較をしてくれたらありがたいように思うけど。


ところでこの出版社からは「解剖図鑑」と銘打ったシリーズがいろいろ出ている
「古代ローマ 解剖図鑑」とか「夜のお店 解剖図鑑」とかなんでもありという状態だが、古典文学に関しては「源氏物語 解剖図鑑」「百人一首 解剖図鑑」があるが、どういうものだろう。

どちらも史実と比較とかはなさそうだが。


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腸呼吸

先日、今年(2024年)のイグ・ノーベル賞の発表があった。

20240913ax01S_o.jpg その中で、生理学賞を受賞したのが、哺乳類も肛門から酸素を吸収できるという研究
ニュース解説によると、ドジョウの腸呼吸にヒントを得て、他の動物ではどうかとブタやネズミなどで実験したところ、哺乳類でも腸呼吸ができるらしいという結果になったのだという。

最初は肛門から直接酸素を注入したが、それではうまくいかず、危険でもあるので、酸素を高濃度に溶かし込んだ液体を注入したところ、血中酸素濃度の上昇が観測されたという。

イグ・ノーベル賞(Ig Nobel prize)は、「人々を笑わせ考えさせた研究」に贈られる賞で、ignoble(恥ずべき、不名誉な、不誠実な)の意味も持たせているという。

トランプ大統領も「医者や科学者よりも政治家のほうが人々の生死に影響力をもつことを世間に知らしめた」功績で2020年に医学教育学賞を受賞している。


第1回は1991年だったようだが、この賞存在を知ったのは、2002年、犬語を翻訳するという「バウリンガル」という機械(玩具)が平和賞を受賞したとき。特段の科学的成果が得られなくても、その「研究」が多いに人々を笑わせ、それだけでも人類に貢献しているとおもしろかった。

だが、この腸呼吸の研究は、うまくすると医療応用ができるかもしれないという。
肺に疾患があると人工呼吸器を付けても改善されにくいが、腸呼吸ならそれをある程度補填できると期待されるので、重篤な患者を救う手段になるかもしれない。
酸素を高濃度で溶かす液体というものがカギを握るのではと思うけれど、本当に可能性があるのなら、今後の研究が継続されることを願いたい。

この研究が発展したらノーベル賞も受賞できて、イグ・ノーベル賞、ノーベル賞両方を受賞というすばらしいことになるかもしれない。
なお、Wikipediaによると、過去にイグ・ノーベル賞とノーベル賞の両方を受賞した人は既にいるとのことだ。

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残酷暑

9月も中旬になろうというのに、猛暑日が続いている。
一昨日は37.1℃を記録した。

最高気温最低気温

130.722.5
235.224.2
330.622.1
434.120.6
534.121.6
634.222.8
735.821.6
835.922.8
935.323.2
1034.524.2
1136.424.3
1237.125.8
1336.025.3
OSK201009300135.jpg
※2010年の値と比較したかったが、2010/9/1~6のデータは無効
以前(2010年9月5日)、ここで観測史上、9月の国内最高気温(39.9℃)と発表されたことがある。
後で、観測装置につる草が巻き付いて、実際より高くなっていたと判断され、この記録は無効となった。

とはいえ、それが異常値だと疑われずそのまま発表されてしまったのは、実際に暑かったということでもあったと思う。
当時の報道でも正確なところはわからないようだが(わかるなら無効ではなく修正だろう)、他のデータと比べてせいぜい2℃ぐらいの違いかもしれない。であれば、37.9℃ということで、12日の37.1℃よりも高い。

であるけれど、この頃は、それよりもっと暑いという感じがする。14年前は、暑さが(ちょっとの間)ぶり返したなというイメージだが、今年はずっとこの酷暑がつづいている。
14年前のその日は日曜日だったが、まだ若かったからか、家ではエアコンは使ってなかっただろう。それが今年は連日エアコンのお世話になっている。ちょっとでも外へ出たら暑さが襲ってくる感覚。

予報では来週水曜日(18日)あたりまで猛暑日が続きそうだ。
残暑、酷暑、残酷な暑さ、残酷暑である。

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休刊日

本日は月例の休刊日。


ワスレグサにテントウムシ(National Geographic)


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ずいぶん久しぶりの眼科受診

IMG20240910100454-crop.jpg 一昨日、近所の眼科を受診した。
家人が退院後、歯も眼も心配と言って、歯のほうは先日行ったので、今度は眼科である。
私もそれに付き合って、診察してもらうことにした。

付き合いとはいうものの、気になることもないわけではない。
加齢にともなって、白内障、緑内障などのリスクは上がる。だがちゃんと診てもらったことがないから、健康診断というわけだ。
また前にも書いたが乱視が酷くなっているからその相談もしたいし、このごろドライアイ気味であるのも気になるところ。

9:40頃に病院に着いて、受付をすませ、問診表に記入。
前述のように、白内障などの健診と、ドライアイ、そして乱視についての相談などを書き込む。

10:10頃に呼ばれて各種検査を受けた。視力検査は丁寧でさらに眼鏡の調整用のレンズを入れ替える器具があるが、それで何度もレンズを入れ替えて見やすさを訊かれた。
さらに黄斑などを見る検査、網膜写真など。

ひとしきり検査が終わって診察となる。大きな問題はなく、どんな具合だろうと思っていた白内障や緑内障もない。(白内障は年相応?)。
ドライアイについては、朝起きたときに酷いというと、今は就寝中もエアコンを使っていることが多いので乾燥するから酷くなると、ごもっともな指摘。そういう患者が多いのかもしれない。
乱視については、眼鏡を作るのなら処方するとのこと。本を読むとき濁音(゛)と半濁音(゜)が見づらい、楽器を演奏するときに五線が六線に見えるといったら、そういうことなら中近というタイプにしましょうとのこと。初めて聴いた言葉だが、室内用に中距離と近距離をクリアにするものらしい。

2024_09_10 13_46 Office Lens また検査のほうへ回って時間をかけてレンズをとっかえひっかえして、決まったところでしばらくその状態でスマホ操作とかして使い心地を確かめてくださいと。数分その状態で問題なかったのでこれでとなった。

ふたたび診察に戻って、中近はどうかと訊かれて、よく見えると返事。ただこれを着けて車の運転はダメとのこと。

ということでドライアイ用の点眼薬2種と、メガネ処方箋をいただいて会計。

家人のほうはやはり白内障が進んでいるので、数ヵ月以内に手術したほうが良いとのこと。
なんでも運転免許の更新の話をしたら、この年齢になると、体はいうことをきかないし、反射も衰えてくるから、目だけでもよく見えるようにしておくのが良いと言われたとのこと。

検査が多いせいか、結局受付から1時間半はたっぷりかかった。
この眼科は個人医院だが、スタッフは十数人が立ち働いている。内科とかと違って、同様の検査をたくさんするから、それだけスタッフを多く用意しなければ回らないのだろう。ちなみに院長(私の診察も)もスタッフもすべて女性。

いつも思うのだが、医師の指示を書いて渡すことはないのだろうか。
診断書とかを書いてもらうと文書料金がプラスされるのは知っているが、これは保険会社などに出すためのもの。そういうものではなく、診察時にいろいろ注意事項、指示事項があるから、診断名とそういう指示事項を簡単に書いた文書があるとありがたい。
たとえば、今回の診察の場合、ドライアイについては1ヵ月薬を使って様子をみましょうというような簡単なものだが、書いたものがあると安心するのではないだろうか。

IMG20240910134932-crop.jpg IMG20240910135232-crop.jpg
家人の診察・会計が完了するまでさらに40分くらい待って、処方箋を持って隣にある薬局へ。処方の点眼薬2種を出してもらった。
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丑の日の爪切り

昨日は丑の日だったので爪を切った。

(暦)年月日干支年/月/日
新暦2024/9/10甲辰/甲戌/丁丑
旧暦2024/8/8甲辰/癸酉/丁丑
田中貴子「いちにち、古典」によると『九條殿(藤原師輔)御遺誡』に、爪を切るのは丑の日とあるからである。

というのは半分冗談だが、この話は頭に残っていて、昨日は丑の日だと気が付いたのでこの記事を書くことにした。

前に爪を切ったのは8月29日で、この日も丑の日。


mono09886956-221219-02.png あらためて丑の日と爪切りについてネットで検索すると、レファレンス協同データベースというサイトに「昔の人はどうやって爪を切っていたのか?」という質問に対する山梨県立図書館の回答に、『九條殿 御遺誡』のことにも触れられていた。

レファレンス協同データベースというのは、この検索をするまで知らなかったのだが、国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、レファレンス(調べものの相談)のデータベースということだ。私の地元図書館もこの事業に参加している(少し誇らしい)。
図書館のレファレンスサービスというのは、とんでもない質問にも答えてくれるもので、ネット検索がなかった時代には、かなり重宝されたのではないかと思う。AIとかがいいかげんな回答をする中、今でもその価値は失われていないように思う。


前述の「昔の人はどうやって爪を切っていたのか?」の質問・回答によると、平安時代に爪切りがあった様子はない。それによると「爪磨(つまと)」と呼ばれる砥石で爪を研いだらしい。

爪切りでよく見るのは、てこ型(クリッパー型)だがこれはかなり新しく、大正時代に欧米から伝えられ、1935年頃から国内生産が始まったという。またニッパー型はもう少し古いらしい。
しかし、いろんな文献に出てくる爪を切る道具はいずれも小刀のようだ。

なので爪を切るのは小刀で削るか、爪磨(砥石)で爪を研ぐということになるわけだが、丑の日に爪を切るというのなら、12日分をまとめて研ぐとは考えにくく、師輔が言う爪切りは、小刀でやったものだろう。

ピアノやギターなどの楽器演奏家の中には、爪は切らずこまめにヤスリで研いで、常に同じ長さ・形を保つようにする人もいるらしい。


丑の日毎に爪を切るということは12日おきに爪を切るということになるが、12日目となると伸びすぎかなという気もするが、我慢できないほどでもない(ピアニストなら無理)。しばらく丑の日の爪切りを続けてみようか。

ところで『九條殿 御遺誡』では、足の爪は翌日の寅の日に切るとなっているが、私は師輔の子孫でもなんでもないから、それは気にせず、昨日、足の爪も切った。

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耳を疑った

AS20240908003195_comm.jpg 兵庫県議会の維新の会が、知事への辞職を要求することになったようだ。
ただそのニュースによると「辞職して出直すべき」ということらしい。

これには驚いた。耳を疑った。維新の会は気が狂ったのか、それとも日本語を知らないのか。

いうまでもなく「出直す」というのはやり直すということだから、一旦辞職してもその後の再選挙で再び立候補するという意味になる。
本当にそう考えているなら、維新の会はどういう情勢分析をしているんだろう。ムチを打たれて辞職に追い込まれ、県民もうんざいりしいる知事が、立候補しても当選する見込みはまずないと思う。
であれば、辞職させて、別の候補を立てるというのが普通の判断だろう。

だから知事本人も、そして私も勘繰るのだが、出直しと言うが辞職したが最後、再選挙では別候補を立てるつもりじゃないのかと。

そう考えたら、辞職勧告が出ても辞職せず、不信任案の提出まで引っ張る。
そうするとこんどは議会側の足並みが乱れるだろう。もし不信任決議をして、議会解散などされたらどうなるか。野党会派はいざしらず、知事を推薦していた維新の会や自民党の議員は不利な選挙戦を強いられると予想されるから。
これはチキンレースだ。

結局のところ、知事自身がきれいに身を引くのか、行けるところまで行くと地位にしがみつくのかということになるようだ。

それにしても権力を握るとパワハラが出てくるようだ。

小さな権力なら小さな範囲で。権力がなければパワハラは起きない。

今までもパワハラが問題になった政治家は少なくない。
兵庫県知事も、この地位にならなければ、パワハラの素質はあったとしても、表に出てくることはなかったのかもしれない。

みなさん選挙のときは、それこそ平身低頭して支持を求める。それを忘れるのだろうか。それともその反動なのだろうか。

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姫路城の入場料金に市民・市民以外を導入か

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以前、姫路城に外国人料金を設定する話をとりあげた。

私は外国人料金があっても悪くはないと思っていたが、伝えられるところでは、外国人料金は導入せず、市民と市民以外で区分する方向になったらしい。
つまり同じ日本人でも姫路市民以外は、「外国人」ということになりそうだ。

姫路市の言い分は、お城の維持管理にそれなりの努力をしているから、市民以外の負担を大きくしても良いということらしいが、ちょっと待ってほしい。
この国宝文化財に対しては、国や県から補助が行われていると思う。大規模修理などでは半額ぐらいは国費が出ているのではないか。

その原資となる税などは、国民が等しく(兵庫県民は少し多く)負担したものだ。
仮に維持管理等の半分が国費でも、姫路市の人口は54万人に対して他の大多数の国民と比べたら、一人当たり負担は、姫路市民のほうが多いことは言うまでもない。
しかし、国民みんなの財産だから国費も出るわけで、単純に負担額だけで市民と市民以外を区別するというのはどうだろう。

それに姫路城があることで、姫路市はどれだけの観光収入を得ているのか。つまりお城の維持管理費は観光産業の振興に役立っているはずだ。それはどう評価したのだろうか。

と、市民以外が値上げになることに反応したわけだが、姫路市の判断を評価するのに、基本的な情報をおさえていないことに気づいて、ちょっと情報収集してみた。

まず所有者だが、姫路城域全体の所有者は国(文部科学省)ということだ。(知らなかった!)
姫路市は管理者とされている。
姫路市は姫路城管理条例(昭和39年7月10日)を制定しており、市(教育委員会)が適切な管理義務を負うことや、禁止事項(ドローンの飛行もこれに含まれる)が規定されている。
いわゆる入場(城)料は縦覧料という語が使われていて、姫路城縦覧料等徴収条例(昭和39年4月1日)に定めがあり、大人(小人以外の者で18歳以上のもの) 1人1回1,000円とある。
条例で定めているからこの入場料は市の収入になるわけだ。なお、管理にあたって国から委託費のようなものが出ているかどうかはわからない。

姫路城の収支だが、いろいろ調べていると、NAKANOSHIMAさんという方が姫路城の経済状況と財務分析というページを出されている。それによると

推定年間収入:25億円から30億円
推定年間費用:11.6億円
推定年間利益:13.4億円から18.4億円

とのことで、大きな黒字を出していることになる。
ただこの分析はちょっと過大のような気がする。年間収入は入場料が大半だと思うが、2023年で140万人の入場者で、小人や団体割引などがあるから半額の7億円ぐらいかもしれない。
また管理費用は2021年度で3億4500万円だったという記事がある。
つまり、こちらの計算でも年間黒字であある。

であるけれど日常の管理や維持費だけではなく、大規模修繕というものにも備える必要がある。先年完了した平成の大修理では、総費用は24億円で、姫路市の負担は8億円(寄付をたして10億円?)である。なお大天守(5億円)は全額国費だったとのこと。
つまり市の負担は1/3ぐらいだから、仮に30年に1度この規模の修理を行うなら、8億円/30年≒2700万円を毎年積み立てるという計算になるのではないだろうか。

あれ、やっぱり現在の黒字から十分積み立てられる額ではないだろうか。


気になったので他の文化財の修繕費を調べてみた。
往時を完全復元したという名古屋城本丸御殿の建設費は150億円だそうだ。その財源は国・県からの補助金50億円、市50億円、寄付50億円だという。まあ、まったく一から作ったらこんなにかかるわけだ。

もう一つ、先日の「新・プロジェクトX」でとりあげられた薬師寺東塔の解体修理は28億3千万円。国が65%、県と奈良市が4%ずつ補助し、残りは薬師寺が負担したようだ。

姫路城大天守の修理が5億円なのに、それより規模としては小さい薬師寺東塔が28億とは驚きだ。
もっとも姫路城は昭和にも大修理をしているが、薬師寺東塔のほうは1300年で初めての解体修理だから規模で比較はできないだろうけど。
仮に薬師寺東塔も30年ごとに修理してたとすると、28,3億円÷(1300/30)≒6500万円となるけど。

ちなみに薬師寺の拝観料は大人1000円、奇しくも姫路城と同じ。年間拝観者数は不明だが、姫路城よりはかなり少ないだろうから、儲かっているとは思えない。

姫路城の入場料問題、いろいろとりあげられているが、市はすべての財務データを持っているはずだから、まずはそれをもとに議論、あるいは報道をしてもらいたいと思う。

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全国民が確定申告!?

20240905-00000017-jct-000-3-view.jpg 河野太郎デジタル大臣が、源泉徴収を廃止し、全国民が確定申告で税を納めるようにするとおっしゃった。
これに対して直ちに面倒くさい、事務負担が増加するなどと、危惧する声が出ている。

もちろん、源泉徴収の廃止自体はそれほど筋の悪い話ではない。
源泉徴収制度は、世界的には少数派で、ネット情報によると、ドイツ、インド、韓国ぐらいなものだという。
その歴史を見ると、日本では戦時に確実に税を徴収すること、ドイツでもヒトラーが同様の目的で導入されたなど、イギリスでもナポレオン戦争の戦費調達とか、どうも戦争する国がやりたがるものらしい。

河野大臣はそういう戦争をしやすくする税制度はケシカランと言った、わけではもちろんない。
この人は素人デジタルオタクで、デジタル化すること自体が目的で、その政策的、あるいは文化的含意にはまったく興味関心がないようだ。
たしかに大臣が言うように、すべての収入をマイナンバー付きで税務機関に報告しておけば、確定申告は簡単になる。

ネットでは家計がすべて税務機関に把握されることに対する拒否の声は当然大きいけれど、そのことはこの際措いておく。

それどころか申告の必要すらなくなるかもしれない。税務機関側が税の徴収として、あらかじめ届け出られている各国民の「公金口座」から引き去れば良いのだから。

口座に残額がなければ引けない可能性があるから、収入に応じた準備金を公金口座に積み立てることを義務付ければ良いだろう。あるいは収入のたびに10%とか公金口座から「源泉徴収」するということも可能だ。何よりいざとなったら簡単に差し押さえられるし。
それで家計が回らなくなるようなら、政府から高利で生活資金を貸し付ければ良い。さらにすすめば、国民の生活は政府貸付で済まされ、国民は税以外にその利子も納めるようになって、国庫は万々歳である(出挙方式)。


源泉徴収は、給与等の支払者(事業者)に徴収義務を負わせることで成り立っているが、そうした義務を負わないで行われる金銭のやりとりもある。政治献金などはその代表的なものだ。
これも税務機関に報告するようにしなければ河野大臣の言うデジタル化は完成しないわけだが、現金のやりとりがあるとどうしても把握できないお金が出てくるに違いない。
そこで河野大臣に提案したい。現金を廃止し、すべての取引をデジタル通貨で行うこと。

もっともそうすると国のデジタル通貨以外が通用する経済圏が発達するに違いない。
いわば、デジタル資産の物々交換状態である。


私は退職後は年金もいただいている関係で、ずっと確定申告をしてきている。手続き自体はe-Taxでそれほど面倒ではないのだけれど、いろんな控除とかのデータを揃えるのはやはり面倒である。
河野大臣が言うようにすべての収入を税務機関に記録しても、実際には確定申告はできないのである。扶養者がいる場合はさらに複雑なことになる。
控除に関係する支出も税務機関に記録することになるのだろうか。

この大臣、自分で確定申告ってしたことあるんだろうか?
あるいはデジタル化を推進するために、税制を簡素化して各種の控除は廃止してしまうのだろうか。
この人のデジタルオタクに「素人」を冠したのは、実現するために必要となるさまざまな課題を見ようとしないからである。
(それは実務家の仕事、政治家の「リーダーシップ」とはそういうものなのかもしれないが)

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マイナンバーカードは役にたつ?

先日の歯科健診のとき、受付に保険証と診察券を出したら、高齢受給者証は持ってないか訊かれた。
そういうものが来ていたことは憶いだしたけれど、持ち歩いたりしていない。

訊くと、自己負担割合がそれによって変わることがあるので、持ってこれるかという。歩いて5,6分のところだから、取りに帰ってもよいが、面倒だから3割負担で良いけどと言うと、ちょっと困った顔をされ、今日中に持ってこれるかという。

もちろんそれでも良いのだけれど、どこに仕舞ったかなぁと考えていて、ひょっとしたらマイナンバーカードから照会できるのではないかと気が付いて、受付の人にそう言うと、ちょっとわからないけれど、もしマイナンバーカードを今持っているのならやってみようということになった。

20240905_103227706-crop.jpg 受付横にマイナンバーカードの読み取り装置が置いてあって、そこへカードを置いてまず本人認証。暗証番号または顔認証だが、めんどうなので顔認証。
つづいて情報照会の同意を行う。
客側の画面には特に何も表示されないが、受付の人は確認がとれましたとのこと。
これで受給者証なるものを持ってくる必要はなくなった。

診察後、会計箋を見ると自己負担割合は3割である。
全然安くなってないじゃないか。

あらためて考えたら、受給者証が届いたとき、自己負担割合が3割になっていて、持っていても意味がないなと判断して仕舞いこんだのだった。
医療を受けるときに、保険証と別に高齢受給者証も必要だとは思ってなかった。たぶんそれが送ってこられたときに説明もあったのだろうけど。
前年の所得によって自己負担割合が決まるから、来年は2割負担になるのかな。

今年12月からは健康保険証の新規発行はなくなり、マイナンバーカード保険証になる。
どうしてそんなややこしいことをするのかと批判もあるが、保険が切り替わって保険証が届く前でも、マイナンバーカードだと新しい保険が確認できるというメリットもある。
今回、高齢受給者証を持っていなくても自己負担割合を確認できた。

どうやら、マイナンバーカードを持っていてもいなくても、国民の健康保険はマイナンバーで照会できるシステムが出来上がっており、マイナンバーカードは本人確認用に使われるにすぎないようだ。

以前、家人が薬局でマイナンバーカードの呈示を求められたことがあって、ちょっと不思議に思った。(薬局の窓口もこの歯医者と同様のマイナンバーカード読取機が置いてあった。)
というのは、家人はそれまでずっと入院していて、マイナンバーカードと保険証のリンクなどは行っていないのに、マイナンバーカードで保険の確認ができる様子だったから。

だが、既にマイナンバーで保険を照会するシステムができているのであれば、なんら不思議ではないことになる。言い換えると、マイナンバーカードを持っていて保険とリンクする手続きが完了している人だけがマイナンバーで照会できるようになっているわけではないようだ。

健康保険に限らず、多くの公的制度において、既にマイナンバー制度による名寄せは完成しており、職権のある人(あるいはハッカー)は、それらにかかる個人情報は一括して閲覧できるようになっているようだ。そこで、個人が得られる便益―つまり制度にリンクした各種サービスをマイナンバーカードで本人確認して受けることができるというわけだ。

マイナンバー制度では、各種公的サービスをマイナンバーで利用するかどうかは、本人の意思によるものかなとも思っていたが、本人の意思とは関係なく、いわゆるバックオフィス連携が着実に進んでいるようだ。
となると、マイナンバーカードを取得しないことには個人情報を名寄せの危険から守るなど、プライバシー保護効果は全くない。
「名寄せには用いない」という以前の説明とは異なるように思うけれど、このあたりは国会あるいはマスコミが追及したりしないんだろうか。

なお私はこうした個人番号で名寄せをすることに反対する者ではない。
制度全体をうそ・ごまかしで覆ってしまう政府のやりかたは酷いが、名寄せ番号として堂々と制度化すること(それによってたぶんシステム経費もかなり小さくできるだろう)が必要だと考えている。
(⇒名寄番号~貧乏国のマイナンバー

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久しぶりの歯科健診

20240905_102027618.jpg 昨日、久しぶりに歯医者へ行った。
前回はいつ行ったのか憶えがないが、このブログの記録では2021年12月には行っているようだ。

この健診後、家人が放射線治療とかに通うことになって、私の歯のことはすっかり後回しになったと思うから、その後は行っていないのだと思う。

そもそもこういう健診は愁訴がなければ、家人が行けとうるさく言わないと行かないので、家人が入院したために、すっかりお留守になっていた。

その家人が、退院後、歯が傷むというので歯科を受診することしたので、ついでに私の健診も予約したわけだ。

随分日が空いているとのことで、問診表に記入して待つこと数分で診察室へ招じ入れられた。
まず口内クリーニング、そして歯周ポケットのチェック、そして歯垢・歯石除去。
その過程で、衛生士が、左下歯茎のところ痛くないか訊いてくる。特に痛みは感じない、どうかしましたかと訊くと、少し腫れて膿があるとのこと。
おそらく歯間ブラシを使うときに、歯の隙間に入れにくくてときどき突いてしまうからではと返答。
その状態でしばし待って歯科医による診察。
基本的に健康な状態だが、左下の歯茎の腫れは、痛んだり酷くなったら処置するが、今日のところはこのままで。半年後にまた健診しようということになった。

私の30分前に受診していた家人のほうは、痛むときがあるなどと心配していたけれど健診の結果は異常なしだったとのこと。

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京都水族館

IMG20240902104910-crop.jpg 先日、運転免許の更新で京都駅前運転免許更新センターへ行ったとき、せっかく京都市内まで出てきたのだから、この際、今まで行ったことのなかった京都水族館へ足を延ばすことにした。

免許更新センターから京都水族館へは、西へ1.4km、徒歩20分である。

バスもあるけれど、水族館前に着くわけではなく、待ち時間もあるだろうから、歩くことにした。


京都水族館は初めてだが、下村実「水族館飼育係だけが見られる世界」で、
IMG20240902104937-crop.jpg 「山紫水明―水と共につながる、いのち。」がテーマだということと、使われている海水のほとんどが人工海水だという話を読んだ。
それではと一度ぐらいは実見してみることにした。

とくに水族館マニアということでもなく、子供が大きくなってからは水族館から足が遠のいている。2017年に言った「美ら海水族館」が最後である。このときは沖縄旅行だったので、とにかく名所を巡っておこうということだった。その前は多分大阪の海遊館だと思う。
ということで本格的な水族館は久しぶりということになる。

IMG20240902110746-crop.jpg さて、京都水族館だが、やはり美ら海水族館や海遊館と比べると小ぢんまりしている。
大水槽といっても、美ら海のそれは7500㎥、海遊館は5400tであるのに対し、京都水族館は500tと10分の1以下である。
だから、美ら海や海遊館のように、ジンベエザメが遊弋する姿などは希むべくもない。それどころか、展示説明にはエイなどもいるはずなのだけれど、見つけられなかった。
大きいなと思ったのは、むしろ入ってすぐの淡水の水槽のコイだった。

ではあるけれど、大きさで見せようということをあきらめた分、展示には工夫が凝らされていると思う。

特に入ってすぐの淡水水槽「京の川」は、川を横から見ているような感じで見やすくできていると思う。
そして下村実「水族館飼育係だけが見られる世界」に書いてある通りのサンショウウオ。これは見ものだと思う。

IMG20240902105224-crop.jpg


子供の頃、琵琶湖文化館ができたときに連れて行ってもらったときに、サンショウウオがプールに何匹かいたが、じっとしているサンショウウオを水面の上から見た憶えがあるが、光の屈折でサンショウウオが平板にしか見えなかった。

そのかわり、上から手を伸ばせば触れそうな感じだったと思う。なお、今はサンショウウオや魚類など水族展示は琵琶湖博物館に移動しているらしい。

IMG20240902105328-crop.jpg
京都水族館のサンショウウオは横から見る形になっているのでじっくり観察でき、迫力もある。
サンショウウオ自体が希少になりつつあることもあって、一見の値打ちがある。

IMG20240902112211-crop.jpg IMG20240902112455-crop.jpg
あと随分スペースを割いて力が入っているのがクラゲのようだ。
生まれて1日目、2~5日目、・・・、20日というようにだんだん成長するクラゲを見せてくれる。この展示はそれこそ毎日準備が必要だろう。
この展示は「京都クラゲ研究部」と称する人たちがやっているらしい。

IMG20240902111653-crop.jpg 客を集めていた展示はペンギン。ちょうど餌やりもあって、興味深く見ていた。
なお、「ぺんたごん」というペンギンの個体識別サービスがある。はじめは写真を撮ったら判定するのかと思ったがそうではなく、翼に付けた標識の色で、個々のペンギンの名前を教えてくれる。スマホのアプリではなく、一般のネットサービスだから、次のURLへアクセスすればどこでも使える。(⇒ぺんたごん

IMG20240902114005-crop.jpg こんなに入館者がいたのかと驚いたのはイルカショー。
私はこういうショーをとくに見たいとは思わないのだけれど、やはり人気はあるようだ。
イルカショーというのは今までに何度か見た憶えがあるが、ここのイルカショーのプールは、白浜アドベンチャーワールドなどと比べると、やはり少し小さいように思う。
ではあるけれどイルカ自体が小さいわけではなく、立派なジャンプを見せてくれる。一番驚いたのはイルカのけたたましい声だった。

今日のところはこれぐらいにして、興味深いところは別稿にしようと思う。

なんせ慢性のネタ不足、珍しく外出したら、それを生かして記事数を稼ぎたいので。


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「超訳百人一首 うた恋い。2」付録DVD

vts_01_1vob[2024-08-2619-19-54995] 私が購入した「超訳百人一首 うた恋い。」4巻のうち、第2巻、第3巻には、DVDが付録でついている。

別にこのDVDが欲しかったというわけではないのだけれど、せっかく付いているのだからと、一応、中身を見てみた。

第2巻のそれは "絵巻物語「筑波嶺の想ひ出」" となっている。

IMG20240826192246-crop.jpg 再生してみると、これは第1巻の "和歌物語 二 陽成院(貞明)&綏子" を紙芝居にして、字幕と音楽を付けたという感じのもの。

とりあげられる歌はもちろん
筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる

「みなのがは」を漢字で書くと「男女川」だということにあらためて感じ入った。br>


ほとんどもとのまんがの1コマ1コマを1シーンにしたものと見える。
スライドショーというのが適切だろう。

なぜスライドショーを作るのにこの物語を選んだのかよく分からないのだけれど、在原業平との関係や、はじめはバカにしていた綏子への恋心が、気がつけば深まっているというドラマ性が、スライドショーでも生きるという判断ではないだろうか。

内容はともかく、作者の思いはしっかり伝わってくる。

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運転免許証の更新 高齢者バージョン

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昨日、運転免許証の更新に行った。
場所は、京都駅前運転免許更新センターである。以前は、試験場へ行っていたが、このセンターができてからは、こちらのほうが行きやすく、人も少ないので、前回の更新から、こちらへ行っている。

前に高齢者講習を受けているので、今回の更新では、視力検査をして、あとは写真を撮って免許証ができるのを待つだけ。

センターの受付時間は午前中は10:00~11:30。私が着いたのが10:05で、イニシャルバイアスで行列があるかと心配したが、そういうこともなくすぐに手続き開始。
住所など記載事項に変更がないか訊かれ、3枚の書類に必要事項を書き込み、更新手数料2500円を納め、視力検査。そして最後に写真を撮って5分ちょっと待ったら新しい免許証が交付された。
トータルで15分ぐらい。

センターの係員は皆にこやかで丁寧。警察官だろうか。

警察も「いらっしゃい」という感じで迎えてくれる場合もある。
私が就職してすぐのこと、東京出張があって、東京の従兄弟に東京の案内をしてもらったことがあるのだが、池袋で従兄弟の車を路上駐車して美術館(サンシャインの中)に行って戻ってきたら車がなく、停めてあった場所にチョークで「池袋署へ来い」と書いてあった。
従兄弟と二人で署へ行ったら、駐車違反の窓口の人がそれこそ笑顔で「いらっしゃい」。
反則金とレッカー移動代を支払って終わったのだが、なるほど、良いお客さんだったわけだ。


最後に、免許証の確認を求められ、有効期限が4年後になっていることを説明された。70歳を超えると更新時期によらず次の更新は75歳になる。ちょっと損した気分であるけれど、更新手数料は通常3000円のところ、高齢者は2500円だから、合理的である。

74歳で更新の人は1年しかないからそれは不愉快かもしれない。


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メールボックスがいっぱい

Screenshot_2024-09-01-19-50-11-51_94c3c0214f41e8559bec03caf75c21c7-cropm.jpg 知り合いからちょっとした依頼があったのだが、その通知はLINEトークで来てすぐ気が付いたが、その通知に、内容は別途メールで送信したとあった。
ところがそのメールが来ない。

メールサービスは契約しているISPのもので、ある意味、安心できるサービスなのだけれど、私は複数のメールサービスを使っているのでGmailに集中させていて、Gmailが他のアカウントにアクセスするのは少しタイムラグ(15分ぐらい?)があるので、仕方がないと思って待った。
しかし依頼内容も早く知りたいので、このメールサービスのアカウントを登録してあるOutlookを開いてすぐに見てみようとした。
到着していない。

とりあえずこの用件については別のメールに送ってもらって事なきを得たのだが、メールが届かないのはなぜだろうと調べることにした。

Outlookでアカウント検証をしようとするとエラーになるのだが、原因を推測できるような情報はまったくない。
20240901mailerrorm.png またGmailの方では同期ログエラーが発生していて、件のメールサービスからの応答がない旨が書かれている。

とりあえずGmailの方はそのままにして、Outlookでアカウントの編集や修復を試みたけれど、サーバーにたどり着かない。一旦削除して追加しようとしても同じ。

20240901mailerror2m.png ISPがメールの仕様を変えたのかとも思ったが、それもありそうにない。
考えられるのはメールボックスが満杯になったことではないか。そう考えて設定をチェック。
今まではOutlookでアクセスするときには、サーバーメールを削除する設定にしていて、メール閲覧はGmailで、削除したいときだけOutlookでというようなやりかたをしていたのだけれど、それは職場のOutlookで、自宅のOutlookは完全退職後にあらためて設定してもの。そしてそれがpopではなくIMAPになっていた。なぜそうしたのかわからないのだけれど、これならサーバーメールを削除するタイミングがない。
これならメールボックスが満杯になることもありそうだ。

ではあるけれどメールを削除しようとしても、アクセスが全く拒否されるから、こちらではどうしようもない。
しかたがないのでISPのサービスセンターへ電話。

状況を説明したら、すぐにメールボックスがいっぱいになっていることが考えられるとのこと。そしてサービス側でチェックして、やはりメールボックスが満杯になっていたとのこと。そして、一時的にメール容量を増やすとのこと。ただ、よければ今までのメールを全削除しても良いかというので、メールボックスがいっぱいになってからはメールは着信していないはずだから、全削除もしてもらうことにした。

メールが使えなくなった原因をさぐろうとネットを見ていたときに、このISPのメールの容量は通常200MBだが、手続きをすれば無料で1GBに増量できるとあったので、それについてもコールに確認した。また、その手続きをするページが私のPCでは表示されないことを言うと、古いページを見ている可能性がある、8月に新しいページに移行しているのでそちらを見るように言われ、それも確認した。

たぶんこの通知もメールで来たのだろうが、こちらのメールボックスがいっぱいだったから届かなかったのだろう。


結局、コールセンターに電話をして問題は解消した。そしてメール容量も増量できた。
このメールで冒頭に書いたような重要なメッセージはそうこないのだけれど、このメールアドレスでユーザー登録しているネットサービスがいくつかあるので、さすがに放置することはできなかった。

それにしてもメールボックスがいっぱいになりそうなら警告メールとか来なかったんだろうか。どうもそういうメールを受け取った憶えがないのだが。

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「超訳百人一首 うた恋い。」

91pMIIn7i7LSL1500_.jpg 杉田圭「超訳百人一首 うた恋い。」について。

田渕句美子「百人一首―編纂がひらく小宇宙」で、

"歌と歌を、さらには場面と場面を結びつけて物語を展開させていく方法と手腕が秀逸で、エポックメイキングな作品である"

と紹介されていたので、古本で購入した。

第1巻の最後20ページに百首全部の「超訳」が載せられ、そこで「おしまい」となっているから、この1巻だけで完結のつもりだったのかもしれないが、続編が3巻でている。

第1巻は「超訳百人一首 うた恋い。」と巻次は付いていない。続編は、2、3、4と巻次が付く。また、第1巻には超訳が掲載されているが、続編3巻は百人一首の歌をそのまま載せていて超訳は付いていない。
なお内容は知らないが、このまんがのスピンオフみたいな「超訳百人一首 うた恋い。【異聞】 うた変。」というのもある。


超訳百人一首 うた恋い。
【マンガ】百人一首事始藤原定家&宇都宮頼綱
和歌物語 一在原業平&藤原高子
和歌物語 二陽成院(貞明)&綏子
和歌物語 三藤原義孝&源保光の娘
和歌物語 四紫式部(香子)&藤子
和歌物語 五藤原道雅&当子
和歌物語 六藤原定家&式子
 
【ショートショート】業平と貞明
その後の綏子と貞明
その後の道隆
 
【超訳】超訳百人一首
 
【ていかメモ】色好み
後朝の文
末法の世
漢字とひらがな/愛人妻
荒三位
百人一首
 
超訳百人一首 うた恋い。2
【マンガ】百人一首事始藤原定家&宇都宮頼綱
プロローグ喜撰法師&紀貫之
和歌物語 一文屋康秀&在原業平
和歌物語 二僧正遍昭(良岑宗貞)&吉子
和歌物語 三在原行平&弘子
和歌物語 四小野小町
和歌物語 五喜撰法師&紀貫之
 
【ショートショート】大友黑主
あれから25年
遍昭と小町
東下り三人衆
 
【和歌】百人一首
 
【ていかメモ】六歌仙
恋愛から結婚まで
平安の子供事情
小町の物語
ひらがな
 
【DVD収録内容】絵巻物語「筑波嶺の想ひ出」
『超訳百人一首 うた恋い。』PV
 
超訳百人一首 うた恋い。3
【マンガ】百人一首事始藤原定家&宇都宮頼綱
プロローグ藤原行成、藤原斉信、清少納言
和歌物語 一清原元輔(清原致信&末の松山)
和歌物語 二儀同三司母(高階貴子)&藤原道隆
和歌物語 三藤原実方&清少納言(諾子)
和歌物語 四清少納言&藤原行成
和歌物語 五藤原公任
エピローグ藤原行成&清少納言
 
【ショートショート】男の真価
道隆と行成
彼と彼女の和歌
我等友情永久不滅
 
【和歌】百人一首
 
【ていかメモ】恋歌の代作
大切な本名
平安時代の離婚
葳人頭
枕草子
 
【DVD収録内容】絵巻物語「うき世の月」
『超訳百人一首 うた恋い。2』PV
 
超訳百人一首 うた恋い。4
【マンガ】百人一首事始藤原定家&宇都宮頼綱
プロローグ阿古久曾&椿
和歌物語 一阿倍仲麻呂(安倍仲麿)&藤原清河
和歌物語 二小野篁&小野比右子
和歌物語 三壬生忠岑&藤原満子
モノローグ在原業平
和歌物語 四紀貫之&椿
和歌物語 五菅原道真
 
【ショートショート】お兄さまと私
古今集組①
古今集組②
貫之と定家
 
【和歌】百人一首
 
【ていかメモ】遣唐使
篁の伝説
歌の力
大学寮
最後に残ったもの
本書は「雅美女(みやびじょ)に捧ぐ」とあって、今放送中の「光る君へ」の雅な世界とも通ずるところがあるように思う。

「光る君へ」はよくできたドラマでおもしろく見させてもらっているけれど、史実がどうとかいう話ではない。
この「超訳百人一首 うた恋い。」も秀逸と評されていても、百人一首の研究の現在地から、正確に歌を開設しているようなものではない。
どちらももとになった古典作品をオマージュしながら、独自に想像を膨らませたものといえる。

「光る君へ」では、紫式部は「まひろ」という名だが、本まんがでは「香子」となっている。
また、清少納言は「ききょう」ではなく、「諾子」である。


というわけで、このまんがで百人一首を鑑賞しようとか、勉強しようとかしてもしかたがないと思う。

ところで「超訳」というのは作者が独自に解釈・想像して口語訳したものということらしいが、情景はたしかにいろいろ想像を交えているようだが、ほぼ言葉どおりの意味で解釈されていて、新しい解釈が入り込んでいるというわけではないようだ。だから、たとえば、
心あてに折らばや折らん初霜の
置きまどはせる白菊の花
には、
庭一面に 真っ白な初霜がおりた 
咲いていた白菊を摘もうとしても 
霜と見分けがつかないな
という超訳がついている。
この歌については、田渕句美子「百人一首―編纂がひらく小宇宙」では、
初霜が置くなか、いっそう白さを際立たせて咲く白菊。ぜひにも折り取りたいが、その凜としたこの世ならぬ美しさは、どうしても手を触れるのをためらわせる。その美を、錯視とためらいの身振りの表現によってかろうじて我が物にして見せたのである。
という渡部泰明氏の解釈が紹介されているが、本まんがはそうした解釈を踏まえているわけではなく、田渕先生が秀逸と評されるのは、そうした歌論に基づくものではないわけだ。

もう一首あげよう。
有明のつれなく見えし別れより
暁ばかり憂きものはなし
の超訳は、
君と別れた朝 やけに冷たく見える白い月が空にあった 今も明け方の時間は 君を思い出してせつないよ
なのだが、この歌については田中貴子「いちにち」の記事でこう書いている。
それはともかく、季節にもよるだろうが、曙より前の暁時は、まだ真っ暗だろう。
百人一首の「有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし」(壬生忠岑)は、明るくなる前に帰るのであり、そのときは有明の月が煌々と輝いていて、かえってつれなく見える、と解したい。
曙の頃に帰るのでは、既に思いは遂げていて、明るくなってきたから帰らなければという印象にもなりそうで、やはり暁は真っ暗な時分が良いのではないだろうか。
つまり、本まんがでは、会ったあとの別れがせつないのだが、こちらの解釈では、会えずに帰るので暁が憂きものになる。
正直に言うと、私はずっと会ったあとの別れだと思っていたので、田中貴子氏の本を読んで、そういう解釈もあるのかと驚いた。
会ってから帰るのか、会えずに帰るのか、どちらがぐっとくるだろう。

ところで、百人一首の成立について、本まんがでは、百人一首は小倉山荘の障子に貼られたとしているが、田渕句美子「百人一首―編纂がひらく小宇宙」は否定していることである。
なお、百人一首は後世に編纂されたものという論については、少し触れられてはいる。

もっとも本まんがは百人一首の研究書でもなんでもないわけで、田渕先生が「編纂がひらく小宇宙」とされたように、どの歌をどう配列するかというところが百人一首の妙味であって、元の歌をそれが読まれた時空・人物に基づいて「正確に」解釈する必要性はない。

本まんがは、百人秀歌をもとにさらに編纂された百人一首、それをもとにさらに編纂した、ということで良いだろう。

つまり素直にまんがを楽しむ、それが本作品に向き合う態度としてふさわしいだろう。
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六二郎。六二郎。

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