歴史的勝利

sn2015092001_60.jpg イギリスで開催されているラグビー・ワールド・カップにおいて、9月19日16:45(日本時間9月20日0:45分)試合開始の日本対南アフリカ戦で、日本は逆転勝利を収めた。ワールド・カップでの日本の勝利は2つ目、1991年のジンバブエ戦以来である。

残念ながらこの試合の中継を生で見ておらず、テレビのニュースで勝利が伝えられたとき、大変申し訳ないが、正直、眼を、耳を疑った。相手が南アフリカというから、その驚きは尋常ではない。

2015-09-21_131345-crop.png 報道を読んだり聴いたりすると、さらにその思いが強くなる。
特に、最後の逆転トライは、ギャンブルとも言えるもの。3点差での相手ゴール前でのペナルティで同点ゴールを狙わずトライを取りに行ったもの。元日本代表の吉田氏が解説していたが、既にインジャリータイムに入っていて、その前からずっと相手にボールを渡さず攻め続けていたとのこと。一つでもミスをすればその時点で試合終了、敗戦となるところである。

ラグビーではプレイ継続中は笛は吹かれないし、ペナルティであればプレイ再開される。昔、近鉄が社会人の決勝だったかで、同じようにインジャリータイムからの大逆転(トライしたのは名ウィング坂田選手)した試合を思い出した。
もちろんワールドカップの興奮はそれを何倍も凌ぐものだけど。


吉田氏はラグビーは力の差がはっきり出て、奇跡はおきないゲームと解説されている。平幕が横綱に押し相撲で何連勝もできるわけではなく、つまり奇跡はない。
これについては前に私なりに考えたこともあった
前の記事の繰り返しになるが、私なりの計算は次のとおりである。
密集からの球出しを何回か繋いではじめて得点になるとする。途中で球出しがうまくいかないとトライに結びつかないから、連続して円滑な球出しをしなければならない。この回数を、仮に5回とする。 この時、密集からの球出しの力の比が、たとえば、0.6:0.4というようになっているとする。力が0.6のチームは、0.6の5乗=0.07776の率でトライに至るのに対し、力が0.4のチームは、0.4の5乗=0.01024の率でトライに至る。つまり、力の差が0.6:0.4、すなわち1.5倍あるとき、得点については、0.07776/0.01024=7.59375倍(0.6/0.4=1.5の5乗)という計算ができる。

ラグビーというのは面白いもので、基本原則は、ボールを挟んで敵見方が対峙し、ボールより前でプレイしてはいけないというもの。たったこれだけで、あの戦いの絵柄ができる。スクラムの後方にオフェンス・ラインが綺麗にできるのも、別にルールというわけではなくて、その基本原則にのっとって、攻撃を組み立てればそうなるものだというわけだ。もちろんフォーメーションというのはサッカーでもあるわけだが、まさに見た目でそれがはっきりとわかるというのはラグビー以外にはないと思う。アメリカン・フットボールもたしかにボールを挟んで敵味方であるけれど、一旦プレイが始まれば、見た目の美しさは失われる。

伝統的に紳士のスポーツといわれ、昔はレフェリーもいなかったという。
ワールドカップの歴史は浅いけれど、もともとラグビーでは、チャンピオンを決める大会よりも、チーム間の定期戦の方が重視されていたと聞いたことがある。なので、歴史ある2チームで、一方がチーム事情でどんどん弱くなっても、定期戦自体は伝統の戦いとして継続されるということが良くあるらしい。

まだまだ、サッカーのように世界中で人気というわけではない(だから日本が13位というようなランキングにいられる)けれど、この大会の出場国を見ると、旧英連邦以外にも随分ひろがっているようだ。ただ、芝生グランドが整備されていないと、なかなk思い切ったプレイはできないそうだから、金のかかるそういうグランドがないと難しいようだ。

さて、ワールド・カップの今後であるが、「ラグビーに奇跡はない」のなら今回の勝利は、南アフリカにまずいところもあったとしても、かなり日本の力がついていると考えてよいのだろう。各国の戦いぶりを見ていない、特にニュージーランドの戦いぶりを見ていないのだが、アップ・アンド・アンダーで突進してくる相手にも通用するのか、そこが気がかりである。日本も南アフリカに勝ったことで、相手からかなり研究されるだろう。
今後の戦いが楽しもである。

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