春の画

IMG_20160402_094714.jpg 前に「春画入門」の稿で、春画展が京都に巡回していること、行くべきかと書いた。
せっかくの機会だから、やっぱりイクしかないと思ったので、一昨日イッた。

京都も桜の季節で、やたら人が多い。

展覧会の開場は10:00(だと思っていた)ので、9:45分に会場の細見美術館に到着。
この美術館は今まで一度も来る機会がなかったので、道に迷ってもよいように余裕をもって家を出た。
見た通り小ぶりな建物。多分これだろうと思って接近。
IMG_20160402_104153-crop.jpg IMG_20160402_104144.jpg 「春画展」の看板もちゃんと出ていて一安心。

美術館入口に回ると「混雑中」の表示。
なんで、10:00開場じゃないの?
ひょっとしたら会期終盤では早めに開けるようにしているのかもしれない。

チケットを買う客の列。
私は事前にコンビニでチケットを買っていたので助かった。

そして美術館の館員だか、ガードだかの黒服が入口付近にいっぱいいた。
美術館前に人が並んでいるということはないのだけれど、おそらく開場を待つ人をさばいていたのだろう。
で、他の展覧会では入場まで待たされることも多いのだけれど、そういうこともなく入場したのだが……
中は大混雑、看板に偽りなし。

展示室は1階、地下1階、地下2階に分かれていて、だんだん下へ降りていくようになっている。
1階の最初の展示室はやたら混んでいたが、ざっとどんなものがあるかだけ見て、さっさと下へ降りていくと、そちらは随分空いている。開場直後に最初の展示室に人がたまっていたわけだ。
そして、北斎は最後の展示室地下2階、私が入ったときは、他には2,3人しかいなかった。じっくり見ることができた。

この展覧会では、単眼鏡は必須である。
いつもの単眼鏡を携えていって大正解。

「春画入門」の記事で書いたように、細かい彫り、摺りを確認するためには単眼鏡は必須である。
近い距離からでも焦点の合う単眼鏡でなければならない。
というか、「春画入門」の本に書かれていたから、どうも局部の毛が気になって、そればかり単眼鏡で確認していたようなものだ。
そこに興味があるわけではなく、図録などではそうした微細な部分は確認できないだろうと思ったから。

展示作品数は多いので、一つ一つじっくり見るのはしんどいし、なによりやっぱり似たようなものが多いわけで、作家名を見て、その作家の作品がまとまって展示されているところでは、どれか一つ、二つをゆっくり見るという感じ。

IMG_20160402_125212.jpg 多くの作品には詞書(?)も書かれていて、口説いているセリフが多い。なかには擬音(ちゅぱちゅぱなど)が書き込まれた作品もあって、笑ってしまう。
ただ、くずし字だから、ところどころしか読めない。勉強しなければ。

会場には、女性も多く来ている、というか男性より女性の方が多い。あんまり歳をとった人はいなかったようだが、若いのは学生らしい。そして男子学生は少なく、若い人は女性がやはり多い。なかには、てれかくしなのか作品解説をしている学生もいた。

会場で見るだけでは作品の意味とか、十分な鑑賞はできない。時間の問題もあるが、詞書の解説や、図像学(というか要するにあの描き方やお約束の類)も必要だろうから、はじめから図録を買うつもりで行っている。

上の写真が図録。いまだかつてこんな分厚い図録を見たことはない(厚さ約6cm。版型は約26×15)。
絵と「SHUNGA」の部分は腰巻。とりはずすと、すべてが黒い線(おそらく髪の毛の描写のクローズアップ)である。中身を見せないように配慮しているわけだ。

IMG_20160402_125253-crop.jpg   IMG_20160402_125424.jpg
(左)扉に18禁の趣旨の注意書きが挟まっていた。        (右)中身はこんな感じ。


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ついに

イカれましたか、春画展。
図録の(一端の)画像を見るだけでも、その芸術性の高さを感じます。
表情の描き方は浮世絵特有のデフォルメですけど、陰毛は若冲並みの繊細かつリアルさですよね(笑)
ちなみに音声案内はなかったのでしょうか…。
さすがにないような気がしますけど、あれば(真剣な案内であればあるほど)笑えたと思いますよねぇ。

Re: ついに

音声案内は、残念ながら、ありませんでした。
北斎、一蝶、応挙、国貞、春章、琳派からも酒井抱一と、綺羅如星の絵師の競艶でした。「春画入門」に書かれているとおりですね。
豆版から大作屏風絵まで、それぞれどのような実用がなされたのか、ちなみに医学書も展示されてました。
大名家所蔵のものなど何処に飾ったものやら。
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