メルクマール

ゆりが言っていたことと、今回の生徒会長の話を総合すると、この”学園”の生徒は以下の集合に分けられるのでしょう。

ゆりの言う『一般生徒』は、『NPC』と『規律に従順な人間』の2種類がいるのでしょう。後者は消えてしまうので、あまり数は多くないのでしょうけれど。

戦線は『規律に反抗する人間』のグループですが、現生徒会長の直井もここに属すると考えられます。裏で一般生徒をイジメるという不法行為をしていたおかげで、消えずにすんだということで。

そして、元生徒会長であるカナデは、どれにも属さない孤高の存在です。NPCではなく、規律に従順なのに、消えないという。

と書いてみたものの、これは複雑すぎると思えます。ある仮説があり、それに反する事実が明らかになると、仮説に特殊ケースを付け加えて対処するのは『アドホックな仮説』と呼ばれ、あまり良いこととされません。

2種類の仮説があり、同じことを説明できるとしたら、よりシンプルなほうが正しいという指針を『オッカムの剃刀』と呼びます。例えば、天動説と地動説なんかがそうですね。

地球が宇宙の中心にあり、全ての星は地球の周りを回る、というのが『天動説』ですが、確かにこれでも、占星術に必要な計算（昔は天文学と占星術はほとんど同じだった）は出来ました。でも、惑星が時々逆行（西から東に動く）することや、長期では計算結果に誤差があることを説明するために、特殊ケースをたくさん作る必要があるのです。

『地動説』は、地球を含む惑星は太陽の周りを廻っていて、軌道は微妙に楕円である、という仮説ですが、これだけで、逆行も誤差も全てスッキリ説明できてしまいます。ゆえに、『オッカムの剃刀』の指針で考えて、地動説が正しいということになります。

AngelBeat!の世界観も、いろんな人の話が出るたびに、アドホックに仮説を追加して複雑化しているだけで、これじゃダメなんじゃないかなと思えてきました。天動説から地動説になったような『コペルニクス的転回』が必要ではないでしょうか。思いつかないですけれど…

直井会長は、少なくとも中ボスくらいの役割かと思ったら、今回で決着がついてしまったような。世界観を説明するためのキャラに過ぎなかったのかな。彼が退場するとしたら、戦線にとっては戦う相手がいなくなるわけで、むしろマズイ状態に思えます。次回からどうするのか、目が離せない展開ではありますね。

僕の3話の感想で、この学園は「天使を選ぶ場所」であり、戦線メンバーも天使も『天使候補生』ではないかという仮説を書いたのですが、直井会長は「神を選ぶ場所」だと言いました。まぁ、似たような話ではあります。でも、彼の言っていることが本当かどうかはわかりません。

やはり、天使（タチバナカナデ）がキーである気がします。上の図にあるように、孤高の存在ですから。生徒会長では無くなったけれど、それでも一般人になったとは思えない。彼女について説明できれば、芋づる式に全てが分かりそうな気がするのでした。

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