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メルクマール

ここは「アニメもののスマフォアプリのインプレ - ストライク・ザ・ブラッド、 Wake Up, Girls!、 ニセコイ」 の個別エントリーです。
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アニメとのメディアミックスのゲーム化は、少し前はPSPなどのゲーム専用機がほとんどでしたが、このところ急に、スマートフォン版が増えました。CMを見ていると「このアニメもか」と猫も杓子もスマフォでゲーム化しているように感じられます。

そこで、どんなものなのか遊んでみました。『ストライク・ザ・ブラッド』、『Wake Up, Girls!』、『ニセコイ』のスマフォゲームのインプレッションです。Androidのスマフォでプレイしています。

■ストライク・ザ・ブラッド 新たなる真祖(モバゲー)

典型的な、『神撃のバハムート』のタイプのソーシャルカードゲームです。クエストをこなし(といってもボタンを連打するだけですが)、カードを集め、そのカードで自分のカードデッキを強化し、ボスや他のプレイヤーと戦うという流れです。
無料プレイでもクエストでカードを拾えますが、強くなって対人戦などで勝つには有料のガチャでカードを引く必要があります。

最近はスマフォのブラウザ上で動くゲームでも、『ガールフレンド(仮)』のようにボイスがあったりBGMが流れたりする、ゲームらしいものが増えてきましたが、これは昔ながらのブラウザゲーという感じで、ボイスもなく、画面もあまり洗練されていません。
ただ、ゲームとしてのバランスは悪くなさそうで、それなりに遊べました。題材が、ソーシャルカードゲームに比較的合ってますしね。
カードが、少なくともノーマルはアニメからキャプチャしただけという感じで、あまり良くないのが残念です。レアカードはそれなりの画質で、オリジナルの絵柄もあるのかもしれません。

strike02.jpg


■Wake Up, Girls!ステージの天使(モバゲー)

これもまた、『神撃のバハムート』のタイプのソーシャルカードゲームですね。プログラムを流用して、素材を強引にアイドル育成ものに仕立てたかのようです。クエストが「レッスン」、ボス戦が「セッション」、有料ガチャが「オーディション」でポイントガチャが「スカウト」といった具合。

ただ問題は、ソーシャルカードゲームはたくさんの種類のカードが必要なのですが(レアカードを売ることで儲けているので)、この作品はアイドルのキャラクタはほぼ決まっていることです。仕方ないので、同じキャラのカードの絵柄やパラメータの違うものがあり、それでバリエーション違いで数を増やしていますね。結果的に、1つのアイドルユニットに島田真夢が2人も3人もいるという、奇妙なことになります。

BGMやボイスが付いているので、そういう点ではストライク・ザ・ブラッドよりも良いですが、バトルシーンの絵などが酷くボケボケで(画像参照)、あまり作品への愛情を感じられません。
普通はこの手のゲームは、最初の2時間くらいはサクサク進むように出来ているのですが、序盤の敵からいきなり強く、どうやれば勝てるのかも分かりにくくて、スタミナの回復を待つうちに飽きてしまいました。これははっきりと出来が悪いと言えます。

WUG.jpg


■ニセコイ マジコレ!?(コナミ)

前の2つとは違って、ブラウザゲームではないネイティブアプリです。画面の滑らかさやボイスのレスポンスなどはブラウザゲーの比ではありません。丁寧に作りこまれていると感じられ、さすがコナミなのでしょう。このクオリティはもうゲーム専用機並み(解像度ならばPSP以上)と言えます。

ゲームシステムは、これまたソーシャルカードゲームの変形と言えるものですが、かなりアレンジはされています。「ふれあい」という、キャラにタッチする行為が「クエスト」に相当し、消費するスタミナと引き換えにカードが得られ、カードをヒロインに食わせることでパラメータが上がり、パラメータを消費することでコスチュームをもらえます。コスチュームには固有のボイスが付いています。

カードにはノーマルやレアといった種類があり、有料ガチャもあります。しかし、そのカードでデッキを組んで戦うわけではなく、二人のヒロインのエサになるだけなので、「スーパーレアをコンプリートしなければ勝てない」という事態にはならないでしょう。対人戦要素も薄いので、ふつうのソーシャルカードゲームのように「本気でやるなら10万円20万円はあたりまえ」という世界にはならなさそうです。

デッキを作る戦術性や、対人戦の興奮は無いぶん、お金をかけずにまったりプレイできるかもしれません。ただ、無課金でコスチュームをコンプリートするにはかなりの時間がかかりそうで、それまで飽きずにやれるかですね。

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■総評

メディアミックスとしてのスマフォゲームは、明らかに手っ取り早く作られています。特にブラウザゲームの2作はそうで、システムを使いまわし、素材も多くはアニメの使いまわしでしょう。ネイティブアプリであるニセコイはもうちょっと手がかかっていますが、これも1度作ってしまえば、あとは絵とボイスを入れ替えれば何にでも使えるでしょう。

従来のゲーム専用機でのメディアミックスものも、それほどお金がかかっていたわけではないですが、それなりの分量のシナリオや絵素材がありました。そのために開発期間も必要で、アニメの放送期間に間に合わないこともよくありました。スマフォゲームの商売としての魅力は、タイムリーに市場投入でき、「基本無料」で多くのユーザーにリーチできることでしょう。

しかし、見たところ内容がどれもほとんど同じで、ストーリー性にも乏しいので、すぐに飽きられるのではと思えます。本格的に楽しむには、フルプライスのゲームよりもずっとお金がかかりますし。『ニセコイ』のような比較的ライトに遊べるものは、ファンアイテムとしてアリで、ガチなソーシャルカードゲームよりは生き残りそうに思えます。

ゲーム専用機向けは確実に減っていて、寂しいものがありますが、例えば『ソードアート・オンライン -ホロウ・フラグメント』のような本格的なゲームは開発費がかかるので、無料~数百円でないと売れないスマフォで出すのは現状難しいようです。そういうゲームは今後も専用機で出るはずで、住み分けることになるのでしょう。

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2014/08/19(火) | anilog