メルクマール

CGによるダンスと言えば『プリティリズム』が思い浮かびますが、良く出来ているものの、一目でCGとわかるものでした。　この作品はパッと見にはCGだとわからないので、さらに進化したんだなと感心します。　特に髪の毛や衣装が凄い。　袖の膨らんだ衣装なので、腕を曲げた時の皺の入り方など難しいはずですが、極めて自然にできています。　もしかしたら、部分的に手書きで修正しているのかもしれませんが、これを計算でやったとしたら素晴らしいですね。

このクオリティならばセルアニメと混ぜても違和感無いので、ダンスだけではなく、アクションシーンなどでもCGを使うことが普通になるのかもしれませんね。　個人的には、アニメらしいデフォルメができるセルアニメが好きですが、コストの問題でそうも言っていられない時代になりそうです。　いわゆる『破壊的イノベーション』ってやつですね。

昔はデジカメは性能が低かったので、フィルム業界は「あんなのは玩具で、プロやハイアマチュアは使わない」と思っていました。でもデジカメの性能が向上して価格も下がると、プロでさえデジカメを使うようになり、世界一のフィルムメーカーのコダックは倒産寸前です。　こういうことを破壊的イノベーションと呼びます。　CGはツールの進化でセルよりも安くなる可能性があるので、いくらマニアがセルアニメがいいなと思っても、CGに切り替わっていく流れにあるのかもしれません。

そんな感慨はともかくとして、この作品のCGは見事ですが、踊りはあんまり好みじゃないですね。　いかにもガチャガチャしたアイドルダンスで、僕はこういうのよりも、例えば初音ミク project DIVA のようなダンスが好きです。　



DIVAの場合、プロのダンサーが踊ったものをキャプチャしているので、これだと上手すぎてアイドルっぽく無いのかもしれません。

さらに好みの問題ですが、キャラクタデザインもあんまり好きではなく、目がガラス玉みたいだったり、頬が熱があるかのように赤かったりで、不自然さが目につきます。

ストーリーやセリフ回しはごく普通で、特にフックは無いですが、ヒロインが頑張ろうと思うキッカケを母親が与えたというエピソードはいいなと思いました。　アホっぽいヒロインですが、自分のことだけを考えてるわけじゃないんだなと。

正直、好みのジャンルではないので継続視聴するかは微妙ですが、アニメの未来を垣間見させるという点で「一見の価値はある」作品だと思えます。

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