いくつか謎は明らかになりましたが、アルファルドの考えていることは依然として謎で、それが核心なのでしょう。CANAAN 第9話 『過去花』 の感想です。
アルファルド回だったと思いますね。カミングスとのBB弾の応酬は面白かった。 兵士でもなさそうなカミングスをわざわざヘリに乗せたのは、リャン・チーを殺そうとした時にどう反応するかを試すためで、この結末は想定していたのでしょう。そこまでさせる「愛」とは何なのか、分からないから理解したいということなのかな。
そしてカナンとの”過去話”。アルファルドは、シャムの寵愛がカナンに移ったのが気に入らなくてシャムを殺した、というように見えますが、たぶん違うのでしょう。そうだとしたらカナンを殺すべきだから。
・カナンの本当の名は「絶望」
・アルファルドとシャムは同じ”色”をしている
というのがきっとヒントであり、そこから導かれる仮説はありますが、まだ書かないでおきます。
次回、アルファルドは”フラワーガーデン”を壊すらしいですが、どういうことでしょうか。そもそも自分が始めたことなのに。実は、CIAの細菌兵器実験を知った蛇(アルファルド)が、せめて犠牲を少なくしようとして効ウイルス剤の投与を提案した、というのはどうでしょう。強化人間を作ることを口実にして。無理があるかな。。
CIAがテロリストと組むのは、実際にあるんですよね。アフガニスタン侵攻のときは、ソ連の敵であるタリバンやアルカイダにCIAから武器や資金が流れていました。アルカイダはCIAが作ったという説もあるくらいです。そういうことへの批判も込められているのでしょう。この作品では、もっぱらアメリカが悪役なんですよね。
あと数話のはずで、からまったストーリーをどうほぐしてくれるのか注目したいと思います。
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この作品の面白さの多くは会話にあるので、別にアニメじゃなくてドラマCDでもいいじゃんと言われることがありますが、今回は特にアニメで良かったと思いましたね。化物語 第8話 『するがモンキー 其ノ參』 の感想です。
戦闘シーンももちろん良かったのですが、回想シーンでの、ひたぎと駿河の仲睦まじい様子がよかったなと。小説ではさらっと語られる部分なのですが、あの映像があったことで、ラストでのひたぎと駿河の”仲直り”シーンにより深みが出たと思えるからです。
そう、結局このエピソードは、ひたぎと駿河が仲直りする話ですね。阿良々木君は完全な噛ませ犬で、脚本・演出は忍野に、主演はひたぎに持って行かれ、ただ痛い目にあっただけ。でもそういうところが彼らしいでしょう。阿良々木君のやさしさと、彼とひたぎとの絆があるからこそ、この作戦が成り立つのだから。
幼女の吸血鬼というのは、映像で見るとひどくマニアックなものがあります。吸血鬼ものといえば、最近では『ヴァンパイア騎士』がありましたが、 あれは男同士の吸血シーンがマニアックだったなぁ。吸血はエロティックな行為のようです。
OPは駿河の脳内世界でしょうか。百合の花いっぱいだし。駿河とひたぎと阿良々木君が3角形に”座っている”シーンは意味深ではあります。
次回から花澤香菜さんの撫子が登場ということで楽しみですが、この作品、キャラが本領発揮するのはそのキャラの当番回以外、という法則があったりしますね。
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このアニメを見ていると、内容よりもつい時代考証のほうに気が取られてしまします。大正野球娘。 第8話 『麻布の星』 の感想。
「おまえモダンじゃないな。今は映画って言うんだぞ」というセリフがありましたが、確かに、大正時代末期は「活動写真」から「映画」への過渡期だったようです。「映画」という呼び方が一般的になるのは昭和からですが、『大正活動映画』という会社もあるので、大正時代末期であれば”モダン”な人は「映画」と呼んでいたのでしょう。
この件を調べていて知ったのですが、日本映画に初めて女性が出演したのは大正8年だそうで、この物語のわずか6年前ですね。それまでは歌舞伎と同様に女形だったのです。いろいろ過渡期だったのだなぁ。ゆえに女優さんの絶対数は少なかったでしょうから、小梅が本当に代役で出られていたら、映画スターになれたかもしれません。
小梅たちの学校、東邦星華女学院は、麻布十番にあるそうで。フランス風に言えばアザブジュヴァーンの、あの麻布十番ということは、東洋英和女学院がモデルなんだな。創立は明治ですし。制服も古くからセーラー服を採用しているのですが、昭和2年からだそうなので、作中ではややフライングです。ただ、セーラー服自体は福岡女学院が大正10年から採用しているので、時代考証としておかしくはないでしょう。
僕は福岡出身なんですけど、福岡女学院はその歴史と、古風なセーラー服からお嬢様学校のイメージがあり、男子学生の憧れの的でありました。この物語の時代では、セーラー服は最新モードでしょうから、なおさら男共の目には眩しく映ったでしょうね。
本筋としてはあまり進んでいないのですが、晶子の魔球(ナックル)はやはり実戦では使えないようで。メジャーリーグにはナックル専用の捕手がいるくらいで、小梅が捕れなくても無理はありません。ともあれ、ナックルをマスターしたのはすごいので、別の変化球も覚えられるでしょう。晶子はサイドスローなのでシンカーがお勧め。
今回、小梅がかなり気の毒な役回りでしたが、三郎との仲を深めるキッカケになったのでまぁ良しということなのでしょう。
次回は親バレですか。また小梅のエピソードですが、この作品はこのまま小梅メインで描かれるのでしょうか。他のキャラクタを掘り下げたエピソードも見てみたいですが、1クールのようなので難しいんだろうな。
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あーちゃんがヒロインなのかな、と思えてきました。青い花 第9話 「夏の夜の夢」 の感想です。
あーちゃんは、典型的な少女マンガのヒロインだと思うんですよね。元気で可愛くて、おっちょこちょいで、恋愛にはちょっと奥手という。今回はそんなあーちゃんを堪能できました。けっこうドロドロした展開であるこの物語にあって、彼女がメインである今回は爽やかです。
ヒロインだとしたら、ここから恋を知って悩んだりするのでしょうけれど、どうなんでしょうね。彼女はあのままでもいいような気もするし、恋する乙女のあーちゃんも見たい気もします。残り回数は少ないですが、どうなるでしょうか。
「あぶないよ」と言って手を引いて、そのままどさくさまぎれに手を握るのは常套手段ですね。うまいな、ふみ。湖畔に咲いていた百合の花は、なにかを象徴しているのでしょうか。
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サブタイトルは『恋』も掛けているのだろうけれど、誰と誰の恋なのでしょうか。CANAAN 第8話 「乞」 の感想です。
素直に考えれば、カナンとマリアですか。御法川からも「イチャついてる」とか言われてるし。でもあの二人の関係は、いまいちよくわからないですね。二人が仲良くなる過程は原作ゲームでは描かれているのだろうけれど、アニメでは回想シーンでちょっと出ただけで、二人があれほどまで、お互いに依存している理由はわかりません。イチャついてる結果だけ見せられたような、置いてきぼり感はあります。
でも、色を失ったカナンが、そのことでマリアの優しさを再認識するという展開は良いですね。二人の間には共感覚は必要無いと。
一方で、ハッコーはカナンに対して強い負の感情があり、カナンはそれに身に覚えが無いが、サンタナは理由を知ってるっぽい。ハッコーは『消えた村』の被害者なので、その事件とカナンとが関係あるということなのかな。
ハッコーがライブ会場で歌を歌ったのは、楽しそうなカナンを見てイラっとして、苦しめてやろうと思ったのでしょうね。でも子供が苦しんでいるのを見てトラウマがよみがえり、以後は封印しているようです。
どうでもいい話なのですが、満月の夜に、あんなに綺麗に天の川は見えないはずです。「太陽と月」の例え話のために、満月を出したかった気持ちはわかりますが、『宙のまにまに』を見ているせいで、天文にはちょっとうるさい私でした。
あのアメリカ副大統領は、前副大統領のチェイニーがモデルでしょう。アルファルドが「ネオコン」と言ってましたが、ネオコンとはアメリカのタカ派の政治ムーブメントで、軍産複合体と深く繋がっているとされます。チェイニーはネオコンの首魁の一人であり、911テロにかこつけて、それと何の関係もないと知りながら、イラクに戦争をしかけた黒幕ですね。
アメリカ、特にネオコンへの批判が込められていますが、今のオバマ大統領はネオコンとは正反対なので、やや旬を外している感はあります。ともあれ、「テロとの戦い」は今も続いていて、この作品の重要なテーマなのでしょう。アルファルドは「紛争が必要なら協力しますよ」と甘い言葉をかけていますが、それが彼女の本当の目的なのかは不明です。
今回地味に感じたのは、アクションが無いせいもあるでしょうけれど、リャン・チーが出なかったのが大きいですねー、個人的には。予告編では元気な姿を見せてくれていましたが。
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今回は、背景とBGMに注目してみます。化物語 第7話 『するがモンキー 其ノ貮』 の感想。
この作品は大部分が2~3人の会話シーンであり、シーンの切り替えも非常に少ないので、構成としては単調だと言えます。ならば背景や音楽で変化をつけよう、と考えるのが普通だと思えますが、逆を行っていて、背景もBGMも単調なんですよね。
でも、その単調さがミソなのでしょう。このアニメでは、ほとんどのシーンでBGMが鳴っています。多くがミニマルミュージックっぽい、同じメロディを繰り返すタイプの曲で。
同様に、背景もほとんどのシーンで動いています。同じテクスチャ(本とか柵とか)の繰り返しがパンしたり。あるいは同じオブジェクト(クルマとかホッチキスとか)が行き交ったり。
でもその単調な繰り返しが、全体としてうねりを持って、会話シーンを盛り上げていると思えます。例えればラヴェルのボレロのように、単調なリズムだからこそ、微妙な変化や盛り上がりがドラマチックなのでしょう。会話を邪魔せずに背景に徹していながら、しっかりと存在感を持って盛り上げるという、相反することを成し遂げているわけです。素晴らしい。
会話が多い作品なので、とりあえずは会話についていくのに精一杯だと思いますが、ぜひ2回は見て、背景や音楽も楽しむことをお勧めしたいですね。
音楽といえば、EDテーマの「君の知らない物語」のCDを買いましたが、これもイイ。TVサイズでは歌詞の一部だけですが、全体はとてもドラマチックな歌詞で、緻密なアレンジがそれを引き立てています。オススメです。
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あきらは確かに「いい子」なんだけど、彼女のおかげで状況が掻き回されている感もあります。青い花 第8話 「恋は盲目」 の感想。
ふみは杉本に「つきあえない」と言われ、振られたと思ってショックを受けたのだけれど、あきらのおかげで立ち直ります。自分にはあーちゃんがいるのだから、”人気者で気分屋”の杉本に振り回されることはない、と割り切ったのでしょう。
でも逆に言えば、あきらの行動がなければ、ふみはあのまま悩み続けていて、杉本が文芸部室に来たときに仲直りできた可能性もあったと思えます。でも結果的には、二人の気持ちはすれ違ってしまいました。
それだけはなく、あきらは京子にふみのことをしゃべってしまい、さらにふみと京子を引き合わせたことで、またややこしいことに。ふみにとっては京子は自分を写す鏡のようなもので、杉本のことが好きだった気持ちがフラッシュバックしてしまい、涙があふれたのでしょう。これで先行きが混沌としてきました。
あきらは「ちょっとお花を摘みに」と言っていましたが、これは屋外(登山とか)で用を足すときの隠語ですね。あの状況でわざわざそういう妙な言い方をしたのは、「二人でじっくり話し合え」という意図なのでしょうけれど、結果的におせっかいだった気がします。
あきらはそういう「引っ掻き回す行動」を無意識にやっているのだろうけれど、無意識の底に何か意思があるでしょうか。杉本と「仲をとりもつ」方向ではなく「問い詰める」方向に行ってしまったのは、嫉妬もあったのかなと思ったり。
今回は特に演出が良くて、ふみの揺れる心が手に取るように伝わってきました。動きが多いわけじゃないけれど、クオリティの高いアニメだと思えます。
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前回の事件で、二人の距離が少し近づいたようですが、この距離感が絶妙なところだと思えます。狼と香辛料II 第7話 「狼と戯れの日々」 の感想。
結構前の話なので、まだあるのかは知らないのですが、知人が「小悪魔パブ」とやらに行った話をしていました。なんでもそこでは、ウエイトレスさんが「さっさと注文しなさいよ!」とか偉そうに接客するとか。でも、そういうのは小悪魔じゃないだろ!と、僕は声を大にして言いたいですね。
小悪魔というのは、男をからかったり誘惑したりして、それで男がその気になったらサラリとかわす、というスタイルではないかと。そういう意味では、ホロは「いい小悪魔」とも言えるのでしょう。神様を悪魔呼ばわりは失礼ですが。
でもロレンスもホロの扱いに慣れてきているので、ホロのこれみよがしの誘惑にストレートには反応せず、ひねった対応をしようとしています。でもそれがむしろ愛情のこもった言葉になっていて、ホロが素直に喜んだり、手のキス程度でメロメロになったりする様子が、小悪魔とのギャップで可愛いところなんですね。
桃色の二人の様子とは対照的に、町は陰鬱な様子で描写されており、水面下でなにか揉め事が起こっていることが示唆されています。ロレンス君はそこに金儲けの匂いを嗅ぎ取ったようですが、たしかに「戦争は金儲けのチャンス」とも言いますし、うまく情報をつかめば儲け話にもありつけるでしょう。でもロレンス君は相場師的なことをやると失敗しがちなので(前回も危うかった)、ホロの心配ももっともです。例によって、一度不幸のズンドコに落ちるのでしょうか。
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大切なものは遠くのようで、実はすぐ傍にある、ということをサブタイトルは表しているのでしょう。宙のまにまに 第7話 「月とキンモクセイ」 感想です。
草間は大学時代は放浪癖があったようですが、美星に出会って変わったのではと想像します。美星に天文学を教えることで、どの夜空にも発見があり、身近なところに感動があることを知ったのではないでしょうか。なので彼にとって、美星は大切な存在なのでしょう。
朔は、美星と草間との絆を見せ付けられたことで、疎外感を感じ、それから逃避する形で文芸部の活動に打ち込むことになりました。子供のころから積み重ねてきた二人の間には割り込めないと。
そんな朔に対して草間は、「君はこれからいろんなことを知り、その知識と感情に名前をつければいい」と言いました。天文学に例えていたけれど、美星のことも言っていたのでしょう。それで心が動いていたところに、姫の『活動ノート』がダメ押しになりました。過去のことよりも、これから一緒に過ごす時間が大切であり、そのための場所が天文部だ、と気づいたのですね。
美星は天然お気楽キャラのようにふるまいつつも、実は淋しい気持ちを押し殺していることが、朔に抱きついてきたシーンで表されていました。姫は不器用だけれど、一途に朔のためにがんばっています。文江は素直にはなれないけれど、アプローチ方法はなかなかストレートです。三者三様の様子が繊細に描かれていて良いですね。
手製プラネタリウムは、やはりピンホール式ですか。半球で5千個の星ということは、6等星までをカバーするんだな。その穴を手で開けるのはすごく大変そうだし、半径3mのドームを作るのも大変そうで、がんばってますね天文部。
文化祭準備の活気のある様子が描写されていて、高校生のころを思い出します。次回はいよいよ、文化祭本番ですね。
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ここへきて、多少急ぎ足に原作を消化しているようです。グイン・サーガ 第20話 「紅の密使」 の感想。
公式サイトによれば、アニメでは原作の16巻までやるそうで、ということは全26回だとすると、2話で1巻以上のペースでやる必要があります。今回は原作第12巻、「紅の密使」の内容を1話であらかたやった感じでした。
なので、いろいろ端折ってはいますね。沿海州の会議は本当はもっと長引いていて、ライゴールが参戦に強硬に反対したために膠着状態だったのでした。前回掲載した地図にあるように、ライゴールは沿海州ではモンゴールに一番近く、貿易で利益を出しているので親モンゴール的なのですね。それが急に態度を変えたので、ボルゴ・ヴィレンが怪しんだというわけです。
イシュトバーンが密書を手にするところも、本当は過去の因縁とかいろいろあるのですが、そこは全部端折ってシンプルにやっていました。いくら腕に自信があるにしても、丸腰で3人の兵士に立ち向かうとは無茶な奴です。
グインを襲ってきた暗殺者は、何だったのかな。『キタイの暗殺者』と言っていましたが、キタイとはノスフェラスよりも東にある、謎に包まれた国とされています。中原(パロやモンゴールがある大陸の地域)が西洋風なのに対して、キタイは東洋のイメージだと僕は思っていました。でもアニメでは、中原もけっこう東洋風ですね。これは若林監督の趣味でもあるようです。公式サイトのインタビューで、チャン・イーモウ監督の影響を受けており、色彩に東洋的な感覚を取り入れたい、と言われていました。
ウイレン越えのシーンは見せ場だと思えるのですが、ゆるい坂道をトコトコと登る絵がループしているだけで、まったく力が入っていません。自然の猛威が伝わってくるような描写を期待していたのですが。
たぶん、これからクライマックスに向けては枚数が必要なので、今回は力の抜きどころだったのでしょう。ノスフェラス編での合戦シーンはなかなか良かったので、今後に期待することにします。
場面がめまぐるしく転換して、ストーリーが前に進んで行くドライブ感は出ていました。そういう意味では、うまく端折ったと言えるのでしょう。
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あいかわらず「わかったようなわからないような現代魔法」で、説明不足の感がありますが、自分なりに解釈してみました。よくわかる現代魔法 第6話 「ghostscript」 の感想です。
こよみは現代魔法により、あくまで「仮想的に」過去を体験したはずなのに、こよみが過去で行ったことが現代に影響を与えているのはなぜでしょうか。たぶん、仮想的といえども「過去のゴーストスクリプトを再生する」方式であることから、その世界でゴーストスクリプトに与えた影響は、現実世界にも及ぶのでしょう。
3話で弓子が戦っていたのは、結局のところゴーストスクリプトの一種である『クリスマスショッパーの余剰コード』だったんですよね。美鎖が蒔いた種だったわけですが、ギバルテスも影響していたのかもしれません。こよみが過去に行き、美鎖との協力でギバルテスとクリスマスショッパーをタライに変換したことで、余剰コードも消滅して一件落着、となったようです。
ギバルテスを倒したシーンもわかりにくかったですが、ギバルテスは自分自身がゴーストスクリプトなので、弓子の物理攻撃は通用しなかったけれど、このみのタライ魔法には弱いのでしょう。なので、遊園地にいたゴーストスクリプトを召還して、鎧のように身にまとうことにしました。
その中に、弓子や両親のゴーストスクリプトもあったのですね。そこに幸せな思い出が刻まれていたから。そして両親の「友達を連れていらっしゃい」という言葉がキーになり、弓子のゴーストスクリプトがギバルテスの鎧のゴーストスクリプトたちを連れていってしまい、丸裸になったギバルテスをこよみがタライ化した、という展開だと思われます。
ネコはよくわからなかったですね。弓子がネコ嫌いになった理由が過去にあるのだと思っていましたが、それらしい描写はありませんでした。思わせぶりに出てきた猫は、結局なんだったのかな。
弓子がハンバーガーを差し入れしていたのは、こよみと一緒に食べたことで、ハンバーガーが好きになったということなんでしょうね。これはちょっといい話だと思いました。
というわけでそこそこ面白かったのですが、演出や脚本次第で、もっと面白くなりそうだがなぁとは思ってしまいますよ。
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ホワイトハウスのシチュエーションルーム(指揮作戦室)と現場のシーンとが交互に進行する展開は、トム・クランシーの軍事スリラーばりで、僕の好物ですね。CANAAN 第7話 「慕漂」 の感想です。
カナンと夏目が何をやったか、判ったでしょうか? 夏目はサンタナの機材(NSAのものらしい)と会議場のコントロールルームの機材を接続して、NAVSTARへのハッキングを試みました。NAVSTARはGPSのための衛星です。
爆撃機に搭載されていたのは、JDAMと呼ばれるGPS誘導爆弾でした。イラク戦争あたりから使われるようになった兵器で、GPSと慣性誘導(ジャイロ)を使って目標を狙うという、つまりカーナビ搭載みたいな爆弾です。
GPSは電波なので、妨害電波を出して撹乱することはできます。実際、イラク戦争の時にもイラク軍が使っていたとか。しかし慣性誘導(INS)も併用しているので、GPSを撹乱するだけは不十分だと夏目も言っていました。単なる撹乱ではなく、間違った座標に誘導する必要があるのです。そのためのNAVSTARのハッキングですね。GPSの座標をズラすことができれば、爆弾が間違った場所に誘導されます。ついでにGPSを使っているカーナビなども狂ってしまいますが。
NAVSTARのハッキングは、夏目がある程度道筋を付けたようですが、最後のところはカナンが共感覚を使ってやってのけたようです。便利ですね共感覚。でも、わからないでもありません。自分の経験でも、コンピュータで計算したデータのマトリックスのどこかに問題があり、人間が見ても意味不明な数値の羅列のはずなのに、なんとなく「このあたりがおかしいんじゃないか」とピンと来て、そこを精査したらビンゴだった、ということがあったりします。そういう説明不能な直観力をさらに高度にしたもの、がカナンの能力なのかもしれません。
でも、その能力が失われたことが仄めかされていました。過負荷だったのかな。いったん挫折があり、何かのきっかけで能力を取り戻すことになるのでしょう。
サンタナは、かつてNSA(アメリカ国家安全保障局)と協力関係にあったようで。いろんな機関と付き合いのある、フリーのエージェントなのかな。今は、夏目に言わせれば「過去から逃げている」そうですが。
夏目はNSAとは関係なさそうで、背後関係はまだ不明です。会議場を爆撃から救ったのは、彼女の任務ではなくボランティア(サンタナ談)のようですね。「過去に向き合うため」とはどういう意味なのか。
アルファルドはマリアに辛く当たっていましたが、嫉妬している? なにやら、カナンをめぐる(百合的な)愛憎模様の香りがします。
アルファルドは、アメリカに爆撃させることが目的だったようですが、それで何がやりたかったのか。アニメの悪役にありがちな、「なんでもいいから世の中をめちゃくちゃにしたい」という輩でなければいいのですが。
いろんな人の思惑と、さらに国家の思惑も交錯して、あいかわらず話は広がっていますね。広がった話をいかに畳むかが真価を問われるところなので、期待しています。
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100歳の萌えキャラもいいんじゃないでしょうか。NEEDLESS 第7話 『アダム・アークライト』 の感想です。
最近のSFでは、人間の寿命は数百歳はあるのが普通です。バイオテクノロジーとかナノマシンとか機械化とか、あるいは意識のアップロードとか手法は様々ですが、寿命が飛躍的に延びていることはデフォルト設定ですね。だから100歳くらいならピチピチギャル(死語)ですよ。『ディアスポラ』のヤチマとか、数百億歳の萌えキャラ(無口系)ですから。
今回はほとんど少女部隊の話でした。少女部隊のメンバーはたくさん、目算でAKB48くらいはいて、例の3人組はその中のトップということらしい。AKB48で言えばさしずめ、、、すみません全く知りません。
今回のライバルの2人組は、両方とも打撃系のフラグメントでしたが、セツナたちは打撃系、スピード系、状態異常系のバランスの取れた布陣であり、圧勝して当たり前なのでしょう。
ブレイドが、敵の首魁のアダム・アークライトといきなりの対決。展開速いですが、敵の能力が不明な状態では不利すぎますね。ここは情報を集めて、逃げることができれば成功なのでしょうが。ディスクのスキャン能力は役に立つのかどうか。
ミオはブレイドに惚れたようで、やはり百合じゃなかったのか…。お兄ちゃんとか呼んでるし、いいカップルになれそうです。一方で、主人公と思われる山田君には浮いた話が無いですが、ディスクとかどうですかね。せっかく女性キャラが多いので、ラブコメ要素は欲しいところではあります。
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魔球ときましたか。女性投手が活躍するコミックスの『野球狂の詩』(水島新司)でも、ヒロインの水原勇気の武器は制球力と魔球でした。 大正野球娘。 第7話 『麻布八景娘戯』 の感想です。
水原の魔球、『ドリームボール』はシンカーの一種だといわれています。シンカーはサイドスローやアンダースローの投手に向いた変化球で、晶子のフォームがサイドスローになっていたので、覚えるのはシンカーかなと思っていました。女性の手のサイズではフォークは無理でしょうし。でもナックルとは、これはまた難しいものにチャレンジしています。確かにナックルはほとんど『魔球』で、60km/h程度のスローボールでも三振がバンバン取れるそうなので、覚えられれば強力な武器になるでしょう。 さらに、縫い目のない軟球ではナックルは変化しないので、軟球しか知らない中学野球の選手にはナックルは魔球に見えるでしょうね。
夢中で投げたときに1回だけ成功したようですが、その感覚を思い出すことができるか。ナックルはボールを回転させないことがポイントなので、腕を振りすぎず、泥棒に投げたときのようにコンパクトに投げるのが良い気がしますね。
辻打ち、辻投げのエピソードは、ほとんどドタバタコメディでした。相手の中学生がノリノリで笑った。気がすすまないのに巻き込まれてしまう小梅の様子も可愛いくて、なかなか楽しめました。巴や胡蝶の身体能力の高さも印象的で、さらにスコアラーを得てID野球をやるようなので、着々と勝利のための伏線が整いつつあるようです。
小梅の許婚の件は今回はお休みでしたが、次回にあるのでしょうか。野球とはあまり関係の無い日常エピソードっぽいので、これはこれで楽しみにしています。
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女子高の中では王子さまのように崇拝されている杉本先輩が、家ではワガママな末っ子扱いだったという話。青い花 第7話 「若葉のころ」 の感想です。
そういうことってありますね。『マリみて』でも、山百合会の3年生ともなると、下級生からは威厳に満ちた雲の上の存在のように見られていますが、学校の外に出れば十代の小娘にすぎないし、大学に進学すれば1年生のペーペーからやりなおしなわけです。しょせんは狭い世界でのカリスマだということで、杉本先輩はそういうことは重々承知でしょう。いつも家では末っ子扱いされているのでしょうから。これが、彼女がどこか覚めている理由の一つだと思えます。
杉本先輩としては、家族にふみを”恋人”だと紹介することで、ふみに誠意を見せるとともに、自分の退路を断つつもりだったはず。でも3女から、好きな男のことを諦めきれていないことをほのめかされてキレてしまいました。図星だったのでしょう。
次女は終始、杉本先輩のことを庇っていましたが、それに対して3女は「後ろめたいの?」と言っていました。つまり…そういうことなんでしょうね。次女が藤ヶ谷の先生だったことをふみが知っていることに、杉本先輩は驚いていましたが、あれは「どこまで知っているのか」を気にしていたんじゃないかな。
3女に指摘されたことで、杉本先輩は改めて気持ちの整理がついていないことに気づき、ふみと付き合っているのはそれを紛らわすためではないか、と気づいたのでしょう。このように弱みを見せたことで、むしろ彼女にはヒロインの資格が出たといえます。超然としているだけで、悩まないならばヒロインにはなれないですから。
あの家族のフランクな様子を描写するのに、麻雀はいい小道具でした。ここでふみちゃんが、「もいっこカン」とか恐るべき強さを見せると面白かったのですが、そういう展開にはならず。
というわけで一進一退のふみと杉本先輩ですが、ここにあーちゃんがどう絡んでくるのかがポイントです。彼女が傍観者から一歩踏み出すキッカケが必要でしょうけれど。
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結局、ディアナさんの手のひらの上で踊らされていたということですね。狼と香辛料II 第6話 「狼と信ずべき神」 の感想です。
騒動の根本原因はホロを信じ切れなかったことだと、ロレンスは言いましたが、ホロもロレンスを信じ切っていなかったんですよ。だからこそ、ディアナさんの所にいって、「ヨイツはあるというウソをロレンスに吹き込んでくれ」と頼んだのでしょう。ヨイツが無くなったことで、ロレンスと旅を続ける理由が無くなることを、ホロは恐れていたのだと思われます。
でもそこにロレンスがやってきて、黄鉄鉱の話をしたとき、ディアナさんは素直にロレンスに黄鉄鉱を売るのではなくてホロに渡すことにしました。ロレンスに渡せば、ロレンスの力だけでホロを取り戻すことができるでしょう。でもディアナさんは、二人により高いハードルを課すことにしたわけです。ロレンスのギリギリでの覚悟を試し、またホロがロレンスに気持ちを通じさせることができるかどうかを試すという。結果はオーライでしたが、結構危なかったような?
ディアナさんも人ならぬ存在であり、やはり人間と愛し合っていましたが、彼女の場合はうまくいかなかったようです。彼女は二人のことをちょっと妬いていたのか、あるは「これくらいのハードルは越えないと、この先うまくいかないよ」、というアドバイスなのかもしれません。
ホロがこれみよがしに羽を見せていたシーンで、「ディアナさんの黄鉄鉱はホロが持っているのかも」と僕は気づきました。ロレンスよりは冷静ですからね。でもここまで込み入った話になっているとは思っていなくて、種明かしのシーンでは感心してしまいました。お互いが相手の意図を読み違えて状況がこじれていき、でも最後のところでつじつまが合う展開は見事だと思います。
このところホロの出番がほとんど無く、ホロ欠乏症だったので、久しぶりの二人の会話シーンも楽しめました。かなり際どい会話をしているのですが、ギリギリのところでお互いにはぐらかすのですね。それは相変わらずではあるのですが、以前よりは確実に二人の信頼関係が深まったことが感じられました。
お祭りのクライマックスで、燃え上がるヒトとケモノの人形は、二人のことを象徴しているのでしょうか。ヒトと”異教の神”との恋路はまだまだ困難があるはずですが、見届けたいと思います。
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ラストの朔のせりふは「フーミンルートを選択」ということか。それならそれでいいんですが、美星へのあてつけっぽいのが気になります。宙のまにまに 第6話 「よろしく」 の感想。
サワヤカなラブコメだったのが、ちょっとドロドロしてきましたかね。朔は内に溜め込む性格だし。恋敵の草間先生も、生徒のことを「僕のマイエンジェル」とか言ってしまう、あまり関わり合いになりたくないタイプです。
これをきっかけにして、朔と美星の関係が進展するような展開になるのでしょうが、僕としてはフーミンルートでも構わないんですけど。フーミンはいつになく積極的で、なかなか可愛いですよ。
姫は友達に励まされつつも、いまいち踏み込めないのは、朔と美星の絆を何回も見せ付けられているからでしょう。今回の波乱も、朔が美星のことを気にしているからこそなので、姫としては心中穏やかではないはず。そこにフーミンも参戦してきて、姫がどう立ち回るのかが気になりなるところです。
文化祭の出しものは、自作プラネタリウムですか。僕もプラネタリウムのキットを作ったことあります。学研のこれですね。『ピンホール式』というシンプルな作りなので、星像がぼやけるのが欠点ですが、狭い部屋ならばそれなりにきれいに写ります。美星たちは広い部屋を確保したようですが、ドームでも作るのかな?
文化祭は文科部の晴れ舞台なので、力を合わせてよい展示になるといいですね。ただ、草間先生が妙に出しゃばっているのが気になります。顧問は影から見守るくらいでいいと思いますが。なんとなく草間先生には好意的になれないのは、朔視点だからでしょうか。そういう意味では草間先生のウザさは成功なのでしょう。
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ここからは、国と国とのぶつかり合いである『戦乱編』になります。グイン・サーガ 第19話 「蜃気楼」 の感想です。
原作小説では、必ず巻頭にストーリーに関連する地図が掲載されているのですが、アニメではそれが無いのでイメージしにくいのではないでしょうか。オフィシャルサイトに地図が掲載されていて、これを見ながら楽しめということだと思います。グインたちは右上のケス側を下り、河口のロスから海に出て、右下のアグラーヤにたどりついたのですね。
アグラーヤは、沿海州と呼ばれる小国の一つです。たぶん中世のヴェネツィアやジェノバのような感じで、貿易と海軍力で独立を維持しているのでしょう。イシュトバーンの故郷のヴァラキアも同様です。今後、結構重要な役割をするので、この地図の位置関係は覚えておくとよいでしょう。
こちらのサイトにある小説版の地図のほうが、国境線や地名が書かれていてわかりやすい気もします。国名の書いていない空白地域が多いですが、これは『自由国境地帯』と呼ばれていて、おそらく森林や山岳地などが支配的な、開拓度の低い土地なのでしょう。今回スカールたちは、警戒されているであろうダネイン湿原を通るルートを避け、ウィレン山脈を越え、自由国境地帯を抜けてパロに進入しようとしているのですね。
リンダとイシュトバーンのシーンについて、書きたいことはいろいろあるんですが、何を書いてもネタバレっぽくなりそうなので止めておきます。やりにくいな。
一方で、アナクという謎の女性とその一味が登場しましたが、これ、アニメオリジナルですよね? 原作では覚えが無いし、検索しても出てこないのでそうでしょう。ずっと原作に忠実にやっていたのですが、ここにきてオリジナルはなかなか楽しみです。どんな働きをしてくれるのでしょうか。
もっぱら、グインとからむのでしょうね。実際のところ原作では、ここからしばらくはグインは…
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いちおう時系列としては繋がったのですが、あいかわらずよくわからないのは、エピソードのつなぎ方が雑だからではと思えます。よくわかる現代魔法 第5話 「jump off into never-never land」 の感想。
ミサが忘れてしまったパスワードを探すために、6年前の世界に”仮想的に”タイムスリップすることになりましたが、そもそも彼女たちは何と戦ってるんでしたっけ。前回、弓子がパンツを取られたりなど散々な目にあいましたが、あれの原因が6年前にミサが組んだコード(クリスマスショッパー)にあるということなのでしょうか。
こよみが元の世界に戻れるか、が当面のテーマになっていますが、危険を犯して弓子を探しに出るくらいなら、そもそもなぜ弓子と別れたんでしょうね。そのあたりの顛末もよくわからず、置いてきぼり感がつのります。
『ゴーストスクリプト』とは、つまり『残留思念』や『地縛霊』みたいなものなんでしょうね。それを『スクリプト』と表現するのはちょっと面白いとは思いました。コンピュータ用語でのスクリプトとは、(大雑把に言えば)簡易的なプログラム言語のことですが、たとえばウェブサイトのボタンとかムービーなどの『モノ』のふるまいをプログラムするために、そのモノに『スクリプトを埋め込む』という使い方が一般的です。つまりそういう、「モノに埋め込まれた簡単な魔法」を、現代魔法としては『ゴーストスクリプト』と呼んでいる、と理解しました。
いろいろ面白いんだけど、雑なのが残念なんですよ。もうちょっと丁寧に話を進めてくれればなぁと思うのですが。素材は良さそうなので、今後に期待したいところです。
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原作既読者としては、羽川さんとの電話シーンが興味深かったですね。化物語 第6話 『するがモンキー 其ノ壹』 の感想です。
原作小説は阿良々木君の一人称なので、彼が見ていないものは読者にも見えないわけです。今回の羽川さんとの電話シーンで、彼女が「軽く勉強していたところ」と言っていて、阿良々木君はそれを疑わないのですが、実際には羽川さんは一人ぼっちで公園におり、その後も街を彷徨い歩いていましたね。原作には無い、面白い解釈だと思いました。
このアニメシリーズは『つばさキャット』で締めるはずなので、今のうちから羽川翼の描写に深みを持たせておこうということでしょう。今回、他のキャラとの会話は例によって半分以下にカットされているのですが、羽川さんとの会話は比較的、原作に忠実でした。
神原駿河が登場の回でしたが、顔見せ程度でした。本領発揮するのはまだ先でしょう。
まよいと阿良々木君の会話は、テンポが良くていいですね。かなりカットされているのですが、このくらいでいい気がします。二人の漫才はこの作品のスパイスなので、今後もこの調子でお願いしたい。
ひたぎとのお勉強シーンも良かったですが、原作よりは、ひたぎの暴言成分が少ないかな。あの二人、相当にひねくれた根性をしているくせに、いつのまにか「お前一筋」とか「恋している」とかストレートな愛情表現をしてしまうのが面白いところです。
次回予告の脚本、原作者自身が書いていることに今頃気がつきました。公式サイトに『長篇版次回豫告』がアップされていて、西尾節バリバリで笑えるので必見ですよ。
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