1期からずっと、謎めいた展開でしたが、このところその鬱憤を晴らすかのような「怒涛の種明かし」。アスラクライン2 第9話(第22話) 「隣り合わせの死と平和」 の感想です。
へー、そうだったんだ、と思うところは多いのですが、未だに良く分からない部分もあり、その核心は、『1巡目の世界』と『2巡目の世界』の関係でしょう。これらは時間的に連続したもの(1順目が過去)なのか、あるいは並列世界的なものなのか。
2巡目の智春が現れた1巡目の世界は、2巡目とほとんど同じ時間のようなので、これだけ見ると、2つは並列世界であり、智春はそれを平行移動したように見えます。
でも、ニアは1巡目の”5年前”に現れているので、いずれにしても彼女は”タイムトラベルした”ことになるんですよね。それによって、タイムパラドックスが発生しています。ニアは1巡目の世界の実験がもたらす結果を知っていたので、実験を止めることも出来たはず。でももしそれをやると、2巡目のニアはそもそも1巡目の世界に来ないので、実験を止めることは不可能になってしまう・・・という堂々巡り。
そういう事態を防ぐために、ニアは実験を止めなかったのかもしれません。だとしたら、これから智春たちは2巡目に戻るわけですが、どうやって事態を打開するのか。2巡目でコアラ部長にハメられる時間の前に戻れば、あの事態を防げそうだけれど、そうなると、そもそも1巡目に飛ばされないので、2巡目に戻ることも不可能になります。これまたパラドックス。
このあたりが説明されるとしたら、楽しみなのですが。でもこの事態は、ブラックホール実験の事故が招いたことのようなので、「ブラックホールの特異点によって、因果律は滅茶苦茶になるのだ」という説明で済まされそうな気もするな。
…せっかく久しぶりに感想を書くのに、我ながらわけ分からないことを書いているな。ちゃんと楽しんでいますよ?
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この作品の面白さが、なんだったのかを思い出しました。アスラクライン2 第17話 「生け贄の名を喚ぶ代償」 の感想です。
1期はところどころ面白かった記憶はあるのですが、2期はぼんやりした話で、これ何が面白いんだっけ、と思っていたのですが、そうそうコレだよ、と思い出したわけです。この”容赦ない過酷さ”がこの作品の持ち味ですね。
1期のラストで哀音が消えたときは、ベリアルドールの悲しい運命に衝撃を受けましたが、悪魔もそれに劣らない過酷な運命でした。悪魔はそのままでは非在化する宿命にあり、それを防ぐには契約者が必要。でもその代償に、契約者の愛を喰らってすり減らしてしまう。どう転んでもバッドエンドです。実際、クリシィは加賀篝の愛をすっかり失っていたし、非在化が進んで消えてしまいました。幸せだったと言い残して。
なんで、この世界はこうなんでしょうね。どっちを向いても不幸が転がっている狂った世界で、智春は操緒や奏を幸せにすることができるのか、が見所なのでしょう。
智春を助けてくれたのは彼の兄のようですが、これは重要な鍵なのでしょうね。あと、突然現れた謎の少女と。がぜん、先が気になってきました。
ただ、せっかくのいいストーリーなのに、構成や演出がいまいちと思ったところはあります。もっと盛り上がってもいいはずなのですが。なかなか映像化が難しい作品だとは思いますが、がんばって頂きたいです。
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僕は一応、この話についていけてるつもりだったのだけれど、今回の里見の行動は謎です。アスラクライン2 第16話 「自由で不自由な選択肢」 の感想。
この作品は、陣営がたくさんあって、その相関関係が複雑なのですが、里見の属するGDは、智春とは敵対していないと思っていました。一時期、GDの雪原遙に追われていましたが、あれは遙が欲しいパーツを智春が持っていたからで、その件は解決したはず。
それなのに、なぜ里見は智春たちを殺そうとするんでしょうね。秘密を守るためとか、邪魔だからという理由だけだとしたら、GDは腐っているとしか言いようが無いが、他に深い理由があるのでしょうか。
GDと加賀篝が対立しているのはわかります。加賀篝がアスラクラインで、その絶大な力を野放しにするのが危険だからでしょう。でも里見が加賀篝を追うのは、私恨も入っているように見えますね。
今回、朱浬が発揮した力は、6話で使った、自分自身をベリアルドールにするやつですよね。めったに使わないところを見ると、かなりの代償があるのでしょう。
智春は、操緒の魂をすり減らすのが嫌なので、クロガネを呼び出すのを躊躇しています。気持ちは分かるが、これはスッキリしない展開ですね。クロガネの力で敵を倒すのが、このアニメのカタルシスだから。このままずっとこの感じだと、智春の存在意義が無いので辛いところです。
この作品、いろんな陣営がバラバラに動いていて、ドラマに方向性が無いのですが、どこかで着地点が示されて、それに向かって陣営が色分けされる展開になるのでしょうか。今はそのための準備段階、なのかもしれません。
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最初見たときは、結末が納得いかなかったのですが、説明不足ということでしょうか。アスラクライン2 第15話 「悪魔に喰われた副葬処女」 の感想です。
観たまんまだと、塔貴也が「秋希のところに行きます」というメモを残して失踪し、冬琉会長たちは「塔貴也が自殺するつもりでは」と考えて秋希との思い出の地に探しに行き、まさに飛び降り自殺するところだった塔貴也を引き止めた、となります。
でもそれだと、最初や最後のコアラのひょうきんな様子とマッチしないんですよ。自殺するほど思い詰めていたようには見えないし、なぜ今、自殺を決意したのかもわからない。
おそらく塔貴也は、干されていたコアラを通して、智春の「ベリアルドールの運命を変えたい」という願い事を聞き、それがキッカケで引きこもりをやめることを決意したのでしょう。そして、原点を確認するために秋希との思い出の地に赴いたのでは。それを冬琉は自殺と勘違いしてしまった。
「自分の顔を見ると、冬琉が辛いだろうから引きこもった」というのは、当初はそうだったのかもしれないが、いつしか真性のヒッキーに変化してしまい、学校に来ないのはどちらかといえばそのせいだった、というオチでしょうね。
上記のように考えると辻褄が合うので、たぶんこれで間違いないと思うのですが、もうちょっと、気づく手がかりを与えてもよかったんじゃないかと思えます。僕は後半を2回見てやっと気づきました。
ともあれ、新キャラの塔貴也部長を紹介するエピソードとしては良かったし、冬琉会長の意外な一面が見られたのも収穫だったかと。
「冬琉会長ってあんなキャラだっけ?」というミサオのセリフには、「それは作画が崩れているということかーっ」と突っ込みたくなったけどね。ストーリー的には面白くなりそうなので、作画をがんばって持たせて頂きたいです。
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1期で散りばめられた伏線が回収されることに期待してます。アスラクライン2 第14話 「消滅の世界と記憶の残骸」 の感想です。
最大の伏線は、「世界は1回は滅びていて、この世界は2巡目」ということですね。1巡目はなぜ滅びたのか、どうやって2巡目が始まったのか、2巡目も滅びないためにはどうすればよいのか、が残されたままの謎でした。
”なぜ滅びたのか”はいきなり明らかにされたようです。智春の兄たちによる、ブラックホールの実験の失敗が原因なのですね。人さわがせな話だ。「ブラックホールの実験が失敗して大騒ぎ」というのは、J・P・ホーガンのSF、『創世記機械』あたりが元ネタでしょうか。ソウヤーの『フラッシュフォワード』にも似てるかな。古典的なテーマだとは言えます。
ちょっと前に、欧州原子核研究機構(CERN)が、加速器でブラックホールを作る実験をすると発表して、そんなことやっても大丈夫なのか?と話題になっていました。理論上は、加速器で作れるようなブラックホールはマイクロサイズなので、短時間で蒸発してしまうはずです。しかし、ブラックホールには『特異点』という、物理法則が通用しない部分があるので、何が起こるのかは完全には予想できないのでしょう。
ラクロア遺跡はピラミッド状の建造物で、加速器には見えませんでしたが、ブラックホールを作るための新しい理論がある設定なのでしょう。で、それが暴走して、理論では予測できないことが起こってしまったわけですね。
この作品、わかりにくいという意見をよく見かけるのですが、僕はそれほどわかりにくいとは思いません。ただ、謎めいていて、固有名詞が多くて、かつ展開が速めなので、そう感じられるのかもしれません。1巡目の世界と2巡目の世界が交互に出るのは混乱の元ですが、それぞれで智春の性格が違うのが分かりやすいです。でも、なぜ違っているのでしょうか。
これまで、智春たちはほとんど主体的には動いていなくて、敵に襲われたり、トラブルに巻き込まれたりするのに対処するだけでした。でも1巡目の世界の智春には、世界とミサオを救うという壮大な目的があるようです。今後、その目的に向かう展開になるのでしょうか。
今回は、日常シーンとアクションとコメディのバランスがよく、よいツカミだったと思えます。1期のラストが悲劇的だったので、2期がわりとベタなコメディ風味で始まったのは、意外でもありましたが安心しました。
1期は面白いと思いつつも感想記事は書いていませんでしたが、2期はなるべく書くつもりです。木曜日は他になさそうですしね。けんぷファーは観るとは思うけれど感想は書きづらそうだし。
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