意外にも、ハッピーエンドでした。ある種完璧な。 シゴフミ 第12話 「シゴフミ」 のレビューと総評です。
前回のラストで、てっきりフミとミカの人格が統合したと思ったのですが、そうでは無かったのですね。ミカが消えたと思い、フミが”一人でやる”ためにがんばっている姿でした。
でも、目が覚めたフミにとっては辛いことがたくさんあり、結局は心の弱さに負けてしまって、それが再び、ミカを呼ぶ寄せることになります。
ミカは、弱いフミを諭すために出てきたんですかね? でもフミは、そんなミカを拒絶します。ミカがいるから、自分は自立できないのだと。友達が欲しい(つまり自分に依存している)のはミカの方じゃないかと。
ミカは、フミのために自分の存在を消そうとしたのですが、フミはそれもひっくるめてミカを拒絶したのですね。”ミカなんか大嫌い”と言って。 自分は自分でがんばるから、ミカも自分のために生きろ、ということなのでしょう。
「ありえたかもしれない未来。シゴフミと同じだ。」 とミカは言いました。つまり、ミカ自身がシゴフミのようなものだ、ってことなのかな? シゴフミは本来在りえないものだけれど、確かに存在する。 同じように、ミカも”本当なら居なかった人格”だけれど、シゴフミだと思えば在ってもいいのだ、と言いたかったのでしょうか。サブタイトルが「シゴフミ」ですし。
かなり突き放した終わり方でしたが、これはこれで悪くないとも思えます。なにかと、考えさせられる作品でした。
最終回なので総評を。 シゴフミというワンアイデアに依存した、企画モノ連作短編、と当初は思っていたのですが、意外にも重厚なストーリーでした。フミとミカをめぐる本筋のストーリーは、先の気になる展開で、かなり良かったと思います。
一方で、短編的な話はムラがありましたね。いじめや自殺をテーマにした鬱系の救いのない話は、社会派のつもりなのかわからないけれど、存在意義がわかりませんでした。シゴフミの暗部を描きたいにしても、もうちょっとやりようがあったのでは。
おなじ短編でも、4話や9話のようなハートウォーミングな話は、とてもよかったと思えます。シゴフミという設定が生かされていましたし。
レギュラーキャラは少ないのですが、どのキャラもしっかり描かれていたと思います。音楽も良かった。作画は普通。
というわけで、総合は4点で。ムラがあるのが残念ですが、良作ではあったと思います。
ストーリー | ☆☆☆☆_ |
キャラクタ | ☆☆☆☆_ |
音楽 | ☆☆☆☆_ |
作画 | ☆☆☆__ |
鬱 | ☆☆___ |
総合 | ☆☆☆☆ |
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文歌とフミカが出会うとフミカが消えてしまう。でもそれは、分裂していた人格が統合するわけなので、むしろ良いことなのかもしれない。どちらが二人にとって幸せなのか、というジレンマですね。 シゴフミ 第11話 「メザメ」 のレビューです。
ラストの、毅然とした態度の文歌は、フミカの人格と統合したことを暗示させます。もう配達人のフミカを見ることはできないのでしょうか? チアキがなにやら活動していることが、どう関わってくるのか。
要は、犬を撃退した話を持ち出して、あのときの彼女がどちらの人格だったのかを確かめようとしました。どうやら、彼が好きになったのはフミカの方みたいですね。あんがい鋭い夏香は、そんな要の内心にも気づいているようです。 彼、彼女らの恋路はどうなるのでしょうか。
最終回に向けて、十分に盛り上がった展開になってきました。ラストに登場した女性は母親でしょうけれど、これ以上要素が増えて大丈夫かな。 収拾が付くのか、やや心配ですが、楽しみに待ちたいと思います。
結局シゴフミって何なのだろう、とずっと疑問に思っていました。「良いも悪いも無い、シゴフミは正直なだけ」とフミカは言いました。死は人を正直にすると。 どんな死に方をしたかということが、どう生きたかを凝縮するとすれば、シゴフミもその人の人生を表すのかもしれません。
毅彦は、あやうく最悪の死に方をするところでしたが、ぎりぎりのところで、自分が生きていた意味を思い出しました。好きな絵で人を楽しませたいと願っていて、自分はそれを実現したのかもしれない。だとしたら、悪くない人生だったじゃないか、と。結局、なにかひとつでもいいので、為すべきことを為した人は、死の瞬間は安らかで、シゴフミも優しいものになるかもしれません。
いろいろ無理のある話ではあるのだけれど、シゴフミの意味を考えさせるエピソードとして、必要だったのだろうなと思います。
来週は、いよいよフミちゃんの覚醒ですか。物語の本筋が収束に向かうことになるのでしょう。よろしかったらポチっとお願いします↓
泣かせる気まんまんの脚本で、僕はヒネクレているのでこういうのは身構えてしまうのですが、不覚にも泣けました。ちょっと卑怯だ。シゴフミ 第9話 「サイカイ」 のレビューです。
才蔵さんの人生は、どんなにか辛かっただろう、と考えてしまうのですよ。想い人を自分のせいで死なせてしまったのです。避雷針になって、辛いこと全てから守ると誓ったのに。 彼は一生、その悔恨の中で生きていたでしょう。結婚しなかったのは、自分にその資格が無いと思っていたのでしょう。
そんな彼に、シゴフミの権利が与えられたのは、神様のはからいなのかもしれません。あの墓石の銘は、「一緒に墓に入ってくれ」という意味でしょう。ハイセンスとは言えないけれど、死者から死者へのプロポーズの言葉って、それしか無いのかもしれない。
そして、チアキは了解しました。50年越しのプロポーズが実ったのです。才蔵さんの辛い人生が、やっと報われて、幸せになれたのだなぁと思うと、涙腺が決壊してしまいました。
あの孫娘のエピソードもよかった。墓参りがラッキーアイテムという占いを信じてやってきたけれど、その甲斐あって、告白する勇気をもらったわけです。 いのち短し 恋せよ乙女 ですね。
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幕切れを除けば、素晴らしい構成だったと思います。シゴフミ 第8話 「ハジマリ」 のレビュー。
おおむね前回予想した通りの展開ではあったのですが、フミカが二重人格になった理由や、父親を撃った理由が、とても丁寧に描写されていて、説得力がありました。
娘を溺愛していながら、去っていった妻の面影を見て憎悪もしている。しかも、娘の体に下書きしたり、傷つけたりするというのは、明らかに性的な衝動からで、それで創作のインスピレーションを高めていたのでしょう。 こんな父親じゃ、娘が二重人格(解離性同一性障害)になるのも無理はありません。
ここまでが、とても良かっただけに、幕切れの中途半端さが残念でした。あの編集者には、フミカは今日はじめて会ったのに、あれだけの激情を抑える力があったというのは納得できないところです。むしろ、野島君か夏香が止めに入ったほうが良かったのでは。そこで、眠っていた”フミちゃん”の人格が一時だけ蘇るとか。 それが出来ない理由があるのでしょうか。
細かいところでは、夏香がフミカの正体がばれないように、さりげなく気を使うシーンが好きですね。すぐにバレてガッカリしていたけれど。 夏香と文歌の暖かい友情を感じさせるシーンでした。
今回で、フミカのキラメキに対するこだわりには、一応の決着がついたのかな? でも未だに”フミちゃん”は眠ったままなので、次回からそれに関する話が始まるのでしょう。今回のサブタイトルは「ハジマリ」ですしね。
と思ったら、次回は温泉回なのか?!
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連作短編物と思っていたら、早くも物語の核心のようで。シゴフミ 第7話 「キラメキ」 のレビューです。
私なりの物語展開の予想を書いているので、見たくない方はご注意ください。多少ボカしてはいますが・・・
病院にいるフミカのことを、配達人のフミカは「フミちゃん。僕の片割れ。」と言いました。つまり二重人格なのでしょうか。フミカの人格は死んで、死後の世界の配達人になったけれど、フミちゃんの人格は一応生きている(寝ているけど)とか?
キラメキは、かなり痛い人物として描かれていますね。ほんとうにあの通りの人なのか、あるいは何かを隠すためにこういうキャラを演じているのか、まだわからないところです。まぁ、娘をためらいもせず撃つのは、どう見ても普通じゃないけれど。
キラメキが編集者の手に、憑かれたように文字を書いて、われに返って「・・・違う」とつぶやくシーンがありました。もしかして、こいつはとんでもない変態作家? そういえば、1話でフミカがベッドを見たシーンで、全身に文字を書かれた裸体のカットがありましたね。改めて見ると、この文章はどう見ても・・・ だから4年間も新作が書けないのね。
そして衝撃のラスト。いろいろ面白そうにはなってきました。しかしまだ残り話数があるのに、こんなクライマックスでいいのでしょうか。これも本題ではないとか?
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いじめで自殺者が出ているのに、それでもいじめ続ける奴らはある意味勇者だし、放置している学校は無能すぎるわけで、ちょっとありえないと思えます。
それは置いておくとしても、このストーリーで何が言いたいのかってことですよ。人間の醜さを浮き彫りにするってことなのか。それって、見てるほうとしては何のカタルシスも無いわけですが。単体の面白さは置いておいて、シリーズ全体として意味のある回なのかな。
届いたシゴフミには、何の意味があったんでしょうね。シゴフミのショックで頭のどっかがキレて、反撃できたとか? 結果は不幸なものだったわけですが。
とにかく、見終わったあとにクエスチョンマークが頭の周りを飛び回る作品でした。
前回もハートウォーミングな話でしたが、今回はさらにホノボノしているというか、ありていに言ってどうでもいい話でした。重要なのは猫の話ではなく、脇で進行しているフミカの正体の話なのでしょう。病気で寝たきりの少女であることが明らかにされましたが、さんざんほのめかされていたので、意外性はありません。
無表情だったフミカが、一転していろいろ表情を見せてくれるようになりました。なにか理由があるのでしょうか。チアキとのやりとりもなかなかお茶目で、可愛いけれど、どこか違和感もあります。こういう路線(魔法少女?)ならば、それはそれでいいけどさ。
あの少年は、これからもからんでくるのでしょうか。今回、フミカとのフラグ立った? 主人公としての存在感はなさそうだが・・・
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冒頭から百合キター思いましたが、あれには意味があったのですね。ラストでほのめかされていましたが、蘭は母親を憎みながらも愛していて、あのキャプテンに、母親の面影を求めて甘えていたのでしょう。シゴフミのおかげで、蘭は百合卒業なのかな。
キャプテンの声が妙におばさんっぽくて、最初見ていて違和感があったのですが、それも伏線だったと。母親らしさを出していたのでしょう。まぁ、色っぽくもあったけど。
フミカが今回、シゴフミを届けることにすごくこだわっていたのは、内容を知っていて、ぜひ読んで欲しいと思っていたからでしょう。おそらくフミカ自身にも、母親あるいは家族に関するこだわりがあるのでしょう。
フミカは狂言回しだと思っていたけれど、実はヒロインであって、彼女自身のことが少しづつ語られるようですね。チアキが言っていた「成長しているのはおかしい」という謎は、まぁ想像つきますけど。だからラストはハッピーエンドの余地がありそうですが、どうなんでしょうか。少なくともアニメで決着をつけて欲しいものです。
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アバンのサスペンス演出は良かったけれど・・・ シゴフミ 第3話 「トモダチ」の感想です。
いわゆる中二病ってやつですね。死ぬことや殺すことに、興味を持つ年頃はあるものです。普通は興味を持つだけで終わるけれど、数十万人か数百万人に一人くらい、ほんとうにやってしまう人がいるのでしょう。自殺なんて、しょせんその程度のものなんだよな、というのが今回の話だと思います。
だからどうした、なんですが。たぶん、今週の話は導入で、次週が本筋ではないかと。終わり間際にフミカの過去にからむ話が出てきたし、関係者だという刑事さんの登場は伏線でしょうし。この話の評価は、次回に持ち越しということで。
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シゴフミ 第2話 「ロケット」の感想です。ネタバレあり。
前半は思ったとおりの展開。後半はけっこう意外。こういう鬱話は好きではないけれど、凝ったストーリーであることは認められます。
でも、結局シゴフミって何なのでしょうね。シゴフミのせいで、新たな死が2つ発生してしまったわけです。シゴフミなんて届かなければ、翔太も明日奈も死なずに済んだだろうに。要するに「死後のメッセージなんて余計なもんだ」ということが言いたいのだろうか。多分違う。。。つまり制作者が何を訴えたいのかということが見えてきません。そのあたりを見極めるまでは視聴継続。
今回からOPテーマが入ってます。2小節聞いたところで”ALI PROJECTの曲だ”と同定完了。相変わらず変態的な曲で嫌いじゃないけど、今回はやりすぎな気もします。ローゼン1期のOPが一番良かったな。