この作品には、わりと重いメッセージ性があるようにも思えます。そらのおとしもの 第10話 『天使の旋律(コトバ)の向かう先』 の感想。
頭のネジが飛んだようなギャグをやりつつ、ダークな設定が通奏低音のようにベースに流れている作品ですが、今回は特にニンフが不憫でした。 イカロスにも辛い過去がありますが、今は智樹がマスターになって、とりあえず幸せに暮らしています。一方でニンフは、現在進行形で悲惨な立場にあるわけです。
「そんなに空が飛びたい? 空の上だって、そんなにいいことばかりじゃないわよ」
太古の昔から、人間は空を飛ぶことに憧れ続けてきて、人々はただ無邪気に、空を飛ぼうと試みました。でも、飛行機が発明されて10年経たないうちに、それは兵器として使われます。
新大陸の人々は、科学技術が地上よりもはるかに進んでいて、ほとんど不老長寿のように見えます。それも人類の夢ですが、彼らは生きていることに退屈し、退廃しているようです。それは果たして幸せなのか。
「ニンフ、こっちの空は広いわ」
空の上から見下ろすよりも、地上から見たの空のほうが広くて美しいのでしょう。それは憧れにも似て。
新大陸の人々が、先進的だけれど腐っているのに対して、地上は素朴な田舎として描写されています。宮崎監督の『ラピュタ』が文明批判であったように、この作品にもそういうメッセージが込められているのかも、しれません。
今回のEDはNG集で、香港映画などによくあるやつですが、むしろピクサーのCG映画を思わせますね。「実はみんな役者でした」というメタなネタなのですが、今回はニンフの小鳥のシーンがショッキングだったので、それをやわらげる意図があるのかなと思ったりします。
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「嘘をつくのが人間」という言い分は、なかなか深いのでは。そらのおとしもの 第9話 『嘘から始まる妄想劇場(ストーリー)』 の感想です。
コンピュータは嘘をつけませんから。”嘘”はコミュニケーションの潤滑剤になりえますが、そういう嘘をつくには、高度に社会的・文化的なバックグラウンドが必要で、現代のコンピュータや人工知能には到底無理な領域です。
イカロスは”嘘”をつこうとするけれど、会話の論理式を機械的にひっくり返しただけで、これなら確かにコンピュータにも可能。 それなのに、イカロスは「これで人間に近づいた」と喜ぶのが、おかしくも切ないところです。
以前にも書きましたが、この作品は、ロボットが人間に近づこうとすることの悲哀を描く、いわゆる人造人間譚なのでしょう。人間に近づこうとした行為が騒動を巻き起こすコメディというと、スタートレックのデータを思い出すのは古いかもしれません。
前回、イカロスが覚醒したことで、感情が豊かになるかなと思ったら、それほどでもありませんでした。そもそも戦闘用のロボットなので、感情は最低限のものしか実装されていないのでしょう。
一方でニンフは、イカロスよりも人間らしい感情を持っていますが、それは任務の性質上必要だからでしょうね。彼女は電子戦用で、その主な任務は、地上人から新大陸を隠すことらしいので、広く隠蔽工作をするには、ソーシャルハックなどの能力も必要なわけです。『ツンデレ論理回路』も、きっと必要なのでしょう。
ラストでイカロスがキスをしたのは何故でしょうか。智樹は「平和が一番」が口癖で、普段はあまり気概を見せないけれど、いざというときには男らしかったりします。そういう性格が、過去のちょっと悲しい経験から形成されたことを知り、イカロスは智樹のことが愛おしくなったのでは。また、自分もいつかは去らなければならないという予感があり、その切なさをキスに込めたとも思えます。それが”恋”かはわからないけれど。
EDの映像は使いまわしに見えて、今回は手抜きだなと思っていたら、すべてイカロス視点になっていることに気がつきました。ほとんどのカットが新しく書き起こされたのでは? 相変わらず、力の入れどころがちょっとおかしいというか、でもそれがいいと思ったりしますね。
曲は「初恋」ですが、これは初恋の"思い出”を歌っていて、「勇気がなくて告白できなかった」という切ない歌詞です。化物語の『君の知らない物語』と同じプロットだな。イカロスの想いは届かないことを暗示しているのでしょうか。
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コメディとシリアスの表裏一体の構造が、よく考えられています。そらのおとしもの 第8話 「血斗(マツリ)は誰がために」 の感想。
いきなりサバイバルゲームが始まるというのは、ドタバタコメディではお約束の展開だなと思いながら見ていたのですが。でも、
「おもちゃの銃だと思っていたら、実は本物だった」と、
「愛玩用だと思っていたら、実は大量破壊兵器だった」
とを重ねていることに気がつきました。そはらは、本物の銃だと知らずに人を撃ってしまいましたが、智樹にも同じことが起こる(起こりかねない)ことを暗示しています。
イカロスは、少なくとも”アルテミス”と”アポロン”の2種類の武器があるらしい。前者は対空機銃的なもので、後者が主砲でしょうか。アポロンは「この国ごと吹き飛ばす」ほどの破壊力があるようなので、オーバーキルな大量破壊兵器に違いありません。
イカロスは、過去にも地上を攻撃したことがあるようですが、あの塔のようなものは、見るからに『バベルの塔』ですね。人間が天に届く塔を建設しようとして、神の怒りを買ったという伝説ですが、バベルの塔を破壊したのはイカロスだったということか。
旧約聖書の神様は”怒る神”とも言われ、ソドムとゴモラという都市を「天からの硫黄と火によって滅ぼした」というエピソードもあります。イカロスの元マスターである『新大陸人』は、つまり神様なのでしょうか。だとしたら、イカロスは本来の意味でのエンジェル(天使)なんだな。
ニンフは電子戦用。軍用機の『電子戦機』とは、敵のレーダーを妨害するため機体ですが、ニンフは敵のネットや電子装備に侵入してハッキングする、いわゆるサイバー戦の能力を持っているように見えます。あくまで支援機なので、イカロスと正面から戦っては勝てないでしょう。
イカロスが涙を流したのは、智樹が「人型の兵器は嫌だ」と言っていたのに、自分がまさにそれ、しかも最悪の兵器であることを思い出したからでした。でも記憶が戻っても、イカロスは智樹のそばにいたいと思っているようです。
イカロスの口調は明らかに変わっていて、もうあのボケボケのイカロスは見られないのでしょうか。とても喪失感がありますが、ここから物語は新しいフェイズに入るのでしょう。
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イカロスの秘密が、薄皮をはぐように明らかになっていく展開。そらのおとしもの 第7話 『電脳少女(トキメキ)の転校生』 の感想です。
「○○○○○○○と怖れられ、シナプスを震撼させたお前がっ!」というニンフのセリフの最初のところが、聞き取れなくて何回も聞きなおしたのですが、どうやら「ウラヌス クイーン」で間違いなさそうです。
ウラヌス(ギリシア語発音ではウーラノス)は『天王星』として知られていますが、元の意味はWikipediaによると、
「ギリシア神話に登場する天空神である。全世界を最初に統べた神々の王とされる。ウーラノスとはギリシア語で 「天」 の意味で、天の神格化である。」
とあります。つまり『ウラヌス クイーン』は『天空の女王』という意味でしょう。
ニンフは、イカロスのことを「アルファ」とも呼んでいますが、これはイカロスが試作機であることを表していると思えます。技術開発で「アルファ版」とは、「ベータ版」よりもさらに前の、一通り機能は入っているけれどQA(品質評価)は済んでいないもの、のことを言うので、似たような意味なのでしょう。
イカロスは試作したものの、破壊力があまりに大きすぎて(オーバーキルで)実戦では使えない兵器、なのかもしれません。そのために、能力を封印(プロテクト)されてしまったと。
『ドレイクの式』というものがあります。この宇宙に、人類以外の文明社会が存在する確率を計算する式ですが、これに”L”という係数があり、”技術文明の存続期間”を意味しています。技術がある程度発達すると、それ自体が文明を滅ぼすとしたら、Lは小さな値になり、文明の存在確率が低くなるという理屈です。
今のところ人類は、核戦争で滅びることはなんとか避けていますが、微妙なバランスであるとも言えます。新大陸人(仮称)は、進みすぎた技術によって危機に瀕しているのかもしれません。 「イカロス」という名前が、それを暗喩していると思えます。
ニンフはプロテクトがかかっていないようで、イカロスの反省を元に、多少デチューンされているのかもしれません。だとしたら、イカロスと正面から戦っても勝てないわけで、そのために今は様子を見ているのでしょう。
ニンフは、人間のことをダウナーと呼んでいて、軽蔑的な響きがあります。ニンフのマスターも嫌な奴っぽかったし、新大陸人はやはり地上人を低く見ているようだ。
ニンフも、なにか背負ったものがあるようで、かごの鳥を逃がすことにこだわっていたのが印象的でした。
今回のED曲は、阿久悠・三木たかしコンビということで、前回の筒美京平に続いて、歌謡曲黄金時代の大御所を持ってきたということでしょう。
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ニンフの目的は何か、が当面の焦点なのでしょう。そらのおとしもの 第6話 『水着軍団(ナミギワ)GO!GO!GO!」』 の感想です。
ニンフとは、ギリシア神話での”妖精”のことで、イカロスに続いてギリシア神話シリーズのようです。イカロスと違って、”愛玩用”という雰囲気はあまりなく、智樹に辛らつな言葉を吐いています。
人間に奉仕すべきロボットが、人間を虫呼ばわりするのはどうかと思えますが、新大陸人?たちが地上人をそうみなしているのかもしれません。それでも、そはらが溺れているときに助けたのは、人間の危険を見過ごせないようにプログラムされているのでしょうか。ロボット三原則ってやつで。
イカロスは、ぼんやりしていて知能が低そうですが、智樹が危険にさらされると、兵器としての能力が覚醒するようです。なにかの理由で、本来の能力が抑制されているのかもしれません。 一方でニンフは知能は高そうで、何かを企んでいるようにも見えるので、彼女の目的は”イカロスの封印を解くこと”なのかもしれません。
イカロスが覚醒したときの、翼のエフェクトが綺麗でした。あの翼はエネルギー変換装置か、廃熱装置(ヒートシンク)か何かでしょうか。
今回、会長のセリフがほとんど無かったのですが、空を飛んだニンフに素で驚いていたのが印象的でした。それが普通の対応だとは思いますが、イカロスもさんざん飛んでいたけど、周囲の反応は薄かったような。何でもありのドタバタコメディから、シリアスに変わりつつあることを表しているのかな。
エンディングは毎回、1980年前後のものが採用されていますが、80年代歌謡曲といえば筒美京平氏を外すわけにはいきません。作品の総売り上げが7400万枚という超ヒットメーカーで、歌謡曲、ひいては日本の音楽全般に多大な影響を与えた方です。というわけで今回は『夏色のナンシー』でした。
この頃はテクノポップ(エレクトロポップ)が流行していたのですが、『夏色のナンシー』は歌謡曲にテクノっぽいリズムやシーケンスパターンを取り入れた初期のものだと言えます。まだアナログシンセサイザーの時代(デジタルシンセサイザーが登場したのがちょうどこの年)ですね。当時とほとんど同じアレンジで再現されていましたが(ベースパターンは違う)、古さを感じないのは、この手のサウンドが最近リバイバルしているからで。好きな曲なので、何度もリピートしてしまいました。
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もっぱらサービス回で、ストーリーは強引さが目に付いたけれど、それも妄想のためでしょう。そらのおとしもの 第5話 『任侠(セレブ)と初夜(アツイヨル)』 の感想です。
獄門湯に入ったから打ち首。でも許されて島流し。という展開は無理があるわけで、入浴シーンと無人島のシーンをやりたくて、強引に繋げた感があります。作画は気合が入っていました。
男の子と女の子が二人だけで無人島に流されてしまう、というと、映画『青い珊瑚礁』が思い出されます。二人で暮らすうちに愛情が芽生えて、子供も作ってしまうという話でした。あの映画を見た人は、誰しも「俺もかわいい女の子と無人島に流されてーなー」と思ったはずです。このアニメのテーマは”中二妄想の具現化”だそうなので、制作者が中二のころの妄想が込められているのでしょう。
ところで、SF作家の野尻抱介という方がいます。ハードSFからラノベまで幅広く書き、星雲賞を6回も受賞している、いま日本で一番活躍しているSF作家の一人ですが、彼も「中二妄想の具現化」に理解があるようで、2話の「空飛ぶパンツ」の具現化を試みています。野尻先生のブログに詳細な制作記があり、必見ですよ。
今回のEDはまた予想外。でも”川口浩探検隊シリーズ”は80年前後なので、このアニメのEDとしては統一が取れています。ちなみに”青い珊瑚礁”も80年の映画ですね。なぜこの時代にこだわるかといえば、その頃、斎藤監督が中二だったから、に間違いないでしょう。
マリアナ海溝付近で、イカロスは謎の文明を見つけたようですが、深海は月よりも遠いと言われていて、人類が探査したのはごく一部なので、クラゲ文明もあるかもしれないなぁ。 それにしてもイカロスは、マッハ24で飛べる(つまり宇宙まで行けると思われる)だけでなく、深海でも行動できるとは、計り知れない性能です。
今回も一瞬だけ、シリアスシーンがありました。こうしてシリアスを小出しにしていく作戦ですね。イカロスが戦闘モードになったのに、智樹はあまり驚きませんでしたが、彼もイカロスが”そういうもの”であることは薄々分かっているのでしょう。次回は新キャラ登場で、イカロスのお仲間(あるいは敵)のようなので、本筋が進展するのでしょう。
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3話の雰囲気から、そろそろシリアス展開かなと思っていたら、2話のノリの続きでした。そらのおとしもの 第4話 『愛と三角地帯(トライアングル)ふたたび』 の感想です。
ビートルズを知らずに育ったミュージシャンが、ビートルズを聴くと、「なんだ、ビートルズが全部やってしまっているじゃないか」と気づくと言います。
後世のアニメ作家が「そらのおとしもの」を見たら、「なんだ、パンツネタは全部やられてしまっているじゃないか」と気づくことでしょう。空を飛ぶパンツに続いて、爆発するパンツ。パンツハウスに、パンツロボ。スタッフは、「パンツのことは全部やりつくした」という清々しい達成感を抱いていることと思います。
そはらがエロ可愛くていいですね。エッチな智樹に怒っているくせに、パンツ丸出しで窓越しで会話したりするのは、彼女の微妙なオゴメゴコロを表しています。あのシーンで、知恵をつけたカラスのシーンが挟まるのが可笑しみがありました。浅知恵という点ではお互いさまです。
智樹の”お宝コレクション”はエロ本の山でしたが、最近の子はどうなんでしょうか。最近、『sabra』が休刊というニュースを見て、エロ本(エログラビア誌)は下火なんだろうなと思いましたが。
でも僕が中学生くらいの頃は、今ほどアダルトビデオが一般的ではなく、ネットも無いので、エロ本はまさに”お宝”でした。『戦士の休息』の歌をバックに、思い出のエロ本がひとつ、またひとつと夕陽に消えていく様は感動的で、僕も、かつてお世話になったエロ本たちのことを思い出しましたよ。ありがとう、エロ本たち。「男は誰もみな 無口な兵士」なのです。
ちなみに、この歌は映画『野生の証明』の主題歌で、今回はまさに智樹君の野生を証明したような話でした。2話のED曲は『岬めぐり』でしたが、パンツがめぐり帰ってくるという意味だったのでしょうね。
Cパートはシリアス気味。謎の少女が「見つかってしまった」と言っていましたが、もしかしてパンツのせいでしょうか。守形先輩が言っていたように、パンツは野生の感覚で一度は”新大陸”にたどり着いて、そこからまた放たれたんじゃないかな、と。守形先輩の恒例の講義は、全然関係なさそうに見えて、微妙に関連しているのが面白いところです。
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第2話の突き抜けたバカさとは雰囲気を変えて、シリアス展開への前フリのようだと感じました。そらのおとしもの 第3話 『エンジェロイド初体験(0シレイ)』 の感想。
第2話の空飛ぶパンツのEDは、YouTubeでアクセス数1位になったとかで、世間的にもだいぶ注目されたようです。うちのサイトにも、検索エンジン経由でかなりアクセスがありました。でもアレ、EDだけ見ても面白さは分からないので(インパクトは十分だけど)、ぜひ2話全体を見て欲しいですね。『アニメNewTypeチャンネル』で無料配信されています。→こちら。 (※2話以降は配信開始から1週間無料)
2話はお色気描写も絶妙でサービス満点だったのですが、3話はほとんど無し。でもこのメリハリはむしろ好感が持てます。シリアスなドラマの最中に、パンツがちらちら見えて気が散る作品もあったりしますが、サービスはサービス、ドラマはドラマでメリハリをつけるのはいいことでしょう。
守形先輩はただのバカキャラかと思ったら、実はシリアス担当のようですね。会長も。『マッハ24』というところに反応していましたが、この数値には意味があって、いわゆる『第一宇宙速度』です。イカロスは、衛星軌道まで上がれる能力があるということでしょう。夢のスペースプレーンですよ。『愛玩用エンジェロイド』としては明らかにオーバースペックであり、二人はイカロスの正体は兵器ではないか、と思っているようです。
”感情に乏しい愛玩用ロボット”、というのは不自然ですが、兵器ならばうなづけます。イカロスは「楽しい」という感情を知りたいと思っているようですが、感情の無いロボットの悲哀を描く、典型的な人造人間譚になるのでしょうか。守形先輩がイカロスに「楽しめ」といったのは、そんなイカロスに同情する気持ちもあるのでしょう。
イカロスはスイカに妙に執着していましたが、アバンで守形先輩が、スイカを地球に模していたのがヒントでしょうね。イカロスは宇宙空間から地球を見たことがあり、それを守らなければならないと設定されているので、地球に似たスイカに反応するんじゃないかな、と想像しています。
『デマルカシオン(世界分割)』という言葉を聞くとは思いませんでした。守形先輩は”新大陸発見”を志しているということで、大航海時代に憧れがあるのでしょうね。コロンブスもバスコ・ダ・ガマも変人であり、守形先輩のような変人が新たな世界を開くのでしょう。しかし、彼はハンググライダーを作ってどうしようというのかな。"地磁気の乱れ”を利用すれば、ハンググライダーでも『新大陸』にたどり着けるという計算があるのだろうか。
でもふと気づいたのですが、あのテント状の翼はロガロ翼と呼ばれ、そもそもは宇宙カプセルの帰還用の翼としてNASAで研究されたものです。ハンググライダーは、その研究成果を元に作られたものなんですよね。 守形先輩は、新大陸からの帰還用にグライダーを開発しているのかもしれません。
「空から女の子が降ってきた」というのはマンガやアニメで普遍的なテーマで、最近だと『ToLoveる』や『ケメコデラックス』がありますが、女の子とキャッキャウフフするための方便であり、その出自にまつわるシリアス展開はオマケ扱いだと思えます。でもこの作品では”空から降ってきた女の子”はかなり重いものを背負っているようで、早々にシリアス展開になりそうな予感がありますね。考えてみれば、1話もけっこうダークな話だったし、基調はシリアスなのかもしれません。それはそれで楽しめればよいのですが、2話のようなギャグ回もたまにはやって欲しいなと。
ED曲は『太陽がくれた季節』ということで、2話に続いてフォークソングシリーズでしょうか。中村雅俊とラグビー部員が夕陽に向かって走る、青春ドラマの主題歌だったよな、と思って調べてみたら、それは『われら青春!』で、この曲はその前番組の『飛び出せ!青春』の主題歌だそうです。ともあれ、”青春”のテーマ曲みたいなものですね。ちょっと切ない感じがするのは、今回のような、みんなで楽しく過ごす平和な日々が、失われる予感があるからでしょうか。
今回は日常を描きつつ今後の伏線を張るための回のようで、地味目でしたが、絵や演出のクオリティが高いので安心して見られました。斎藤監督作品ではバンブーブレードも序盤はクオリティ高かったので、がんばって維持して頂きたいです。
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史上最もパンツの描写に力の入った、記念碑的なアニメかもしれません。そらのおとしもの 第2話 「天翔る虹色下着(ロマン)」 の感想。
パンツが見える見えないということは、よく話題になるわけですが、パンツそのものの描写はさほど着目されないのではないでしょうか。しかしこの作品では、パンツの質感の追求に妥協せず、コンピュータグラフィックスを駆使しています。提供バックでパンツのワイヤーフレームのアニメーションが流れていたのは、それをアピールしたかったのでしょう。パンツの物理特性をシミュレーションして、はためきを再現しているのでしょうね。コットンのパンツとシルクのパンツでは、はためき方が違うようにも見え、材質によって物理定数を変えているかもしれません。
EDで超音速偵察機のSR-71(既に退役)をパンツが追い越すシーンがありましたが、SR-71の最高速であるマッハ3.2の領域では、機体表面の温度は700度にもなり、布の発火点を越えています。でも、突っ込みどころはそこではありません。
この作品、1話はそれほど面白いと思わなかったので、レビューもスルーしていたのですが、今回は爆笑してしまいました。徹底してバカバカしい事件と、英四郎や会長の落ち着きっぷりが対称的で笑えます。そはらの恥じらいや、イカロスのズレっぷりもいいですね。2話目にして、キャラの魅力が発揮されてきたようです。智樹君はややウザいが、1話ほどでは無いかな。
イカロスは『愛玩用エンジェロイド』とのことですが、その言葉から想像されるダッチワイフ的なものでは、たぶん無いのでしょう。想像するに、『東のエデン』のノブレス携帯のようなものではないかと。「何でもできる力を与えるので、それで何かを為せ」ということです。その代わりに、ノブレス携帯を持つセレソンは、様々なルールやペナルティに縛られていたのですが、この作品ではどうなのでしょうか。
『東のエデン』といえば、ヒロインの咲の声は早見沙織さんで、イカロスと同じですね。まだ18歳という若い声優さんですが、コンスタントに良い役をされていて、ブレイク寸前なのかもしれません。
監督は斎藤久さんで、バンブーブレード以来2本目の監督作、かと思ったらOVAを一本されているようですね。そっちは見てないですが、バンブーブレードは良かったので期待できます。SDキャラによるギャグ演出はバンブレっぽい。バンブレはシリアスもけっこう良かったのですが、この作品はシリアスあるのでしょうか。見てみたい気もしますが、後半からずっとシリアス、だと辛そうなので、基本は(良い意味で)”くだらないノリ”でやってほしいです。
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